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みらい創造科教材としての紙製4足受動歩行模型の 開発

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(1)

みらい創造科教材としての紙製4足受動歩行模型の 開発

著者 松永 泰弘, 前田 耕典

雑誌名 静岡大学教育学部研究報告. 人文・社会・自然科学

65

ページ 165‑179

発行年 2015‑03

出版者 静岡大学教育学部

URL http://doi.org/10.14945/00009202

(2)

静岡大学教育学部研究報告 (人 社会 自然科学篇)第65号 (20153)165〜179 165

み らい創造科教材 としての紙製4足受動歩行模型の開発

Development of Four Legs Passive Walking Paper Toy

as a Teaching Material for Future Creation Classes in Elementary School

弘― Yasuh廿o MATSUNAGA and Kousulte MAEDA

(平26年 10月 2日受理)

This paper deaヽ with tlle deve10pment of fOur legs passlve walbtt paper toy as a te触lllg

mate五al for the new sublect'future creation clasざ in∞mbhed elementary and jШ dor high school The p"s市e walking toy ls put on the slope and,by the■ rst swing,keeps walking lt is tlle teaching mate五 al which students can learn JЭ out the center of grか ′iけ,mOmen ,and potentlal energy On the buildung approach theory,the students study about the princlple of walking while■ey el■loy playing with triends by use of the toy The experiments of its passive walking clarifled the effects of the legs' length, the angle of the slope, the other parameters

Key words:Passive walttg toy,Teaching mate五 al,Potental ene=さ,Btuldtmg approach theow

緒言

学習指導要領の改訂Dに より、小学校生活科では、中学年以降の理科の学習を視野に入れて、

児童が自然の不思議さや面白さを実感するよう、遊びを工夫 した り遊びに使 うものを工夫 して 作るなどの学習活動を充実するとしている。小学校理科力では、「生活科 との関連を考慮 し、

ものづ くりなどの科学的な体験や身近な自然を対象 とした自然体験の充実を図るようにするJ

とあ り、教科の目標で実感を伴った理解を重視 していることに伴い、各学年の「A物 エネ

ルギーJに関する目標に、ものづ くりを位置付けている。小学校図画工作めでは、「生活や社 会 とのかかわり、ものをつ くる楽 しさなどの観点から、手や体全体の感覚を働かせて材料や用 具などを活用 してつ くったり、身の回りの形や色、環境などから感 じ取つたことを伝え合った りする」とある。また図画工作は、中学校技術 。家庭科の技術分野に関連する教科であること に配慮することが明記された。

「第3期、第4期科学技術基本計画」り、いでは、ものづ くりを担う子どもたちを継続的、体 系的に育成 してい くために、幼い頃からものづ くりの面白さに,1染み、創造的な教育を行い、

こども自らが知的好奇心や探究心を持って、科学技術に親 しみ、目的意識を持ちなが らものづ くり、観察、実験、体験学習を行 うことにより、ものづ くりの能力、科学的に調べる能力、科学 的なものの見方や考え方、科学技術の基本原理を体得できるようにすることが強調されている。

このような背景のもと、平成24年度文部科学省指定研究開発学校において「持続可能な社会

̀技術教育講座

''総合科学専攻

(3)

166 田 耕

の構築 を 目指 し、考 え、行動す る児童 生徒 の育成 二創造的 な ものづ くり活動 を通 して ―Jを

テーマ に掲 げ、小 中学校9年間を通 した新教f4「 み らい創造科J° が創設 された。 ここでは、

ものづ くり活動 を通 して、複眼的 な観察力及び思考力 を高め る とともに、級密 さを重視 した技 術的能力 を習得 し、持続可能 な社会 の構築 に向 けて行動す る能力 を育て る授業 を実施 してい る。

また、教員養成系大学 において も、初等教育教員養成課程 に ものづ くり教育選修 な どが新設 さ れてい る。

そ こで、本研究で は、小学校 におけるT4学技術 ものづ くりの授業 (みらい創造科 、理科、図 画工作)を想定 し、 これ まで に開発 して きた木製受動歩行模 型 (図 1'い29 l・l)を紙製の 模型 として開発 (図3い、 日本産業技術教育学 会 第8回技術教育創造 の世界 発 明 工夫作品 コ ンテ ス ト 奨励賞受賞作 品)し、小学生 中学年 お よび高学年 における重心 モー メ ン ト  置エ ネルギーな どの力学的な学習内容 と科学的 な探究 を学ぶ教材 として提案す る。受動歩行で 学習す る内容 は高度な内容であ り、授業 内で子 どもたちが正 しい認識 に至 る とは限 らないが、

Buildung Approach Theorylll巧 )で

提起 されている、子 どもが 自らの感覚や思考 を通 して外界 を理解 し深化 させてい くことの重要性 に照 らせ ば、小学生 の学習段 階での理解 を促 し、成長 と ともにそれ までの認識が否定 され、新たな認識 に到達す ることになる。

受動歩行模型 は、動カ モー ター を搭載せず重力 と慣性力 を利用 し、斜面 を歩行す る模型で あ る。斜面 を最下端 まで歩行す る目標 を達成す るため に、数種類 の変数 を用 いて設計が可能な 模型 に改良 した。 また、小学校 中学年での使用 も考慮 し、直線形状 で設計 し、加工 の難易度 を 下 げ、 さ らに、頭 ど尻尾 を取 り付 けることによ り、外 見の改良 を行 った。

紙製の動 く模型教材 (摩擦の差でひもを登るおもちゃ、慣性の法則 弾性力を利用 しひもを 伝 うおもちゃ)は2013年の静岡市立駒形小学校 171、 201213年の在 日ブラジル人学校エス コーラ アレグリア  サベール浜松での授業実践l・ 1"を 通じて、動作原理を追求する子

%舞,警

(a)小刀を使用の模型" (b)小 刀未使用の改良型模型 1 2次元の歩行運動を行 う前後揺動型受動歩行模型

P。      (b)4足 歩行模型DD

2 3次元受動歩行模型 2足歩行 模型9ゆ

(4)

み らい倉1造科教材 としての紙製4足受動歩行模型の開発

紙製4足受動歩行模型1ゆ

どもたちの試行錯誤 を促 し、材料・道具 を用意す る教員側のハー ドルを低 くす る効果があ り、

教員の積極的な関わ りを促 し、木製教材への導入教材 としての役割が期待で きることが明 らか となっている。本教材 (図3)を木製教材 (図 1)への導入教材 として開発 した。

さらに、開発 した紙製模型の歩行動作原理について考察 検討 した。

紙製4足受動歩行模型教材の開発

2‑1 受動歩行

2足もしくは4足の物体 (人、動物 もしくは歩行模型)の歩行 は、脚が遊脚 と接地脚 を交互 に繰 り返 し、遊脚が移動方向に振 り出され、重心が脚 によって移動す る運動であ り、倒立振子 の支点が一足跳びに移動する現象 といえる。平地においては、支点が一足跳 びに移動 し、遊脚 と接地脚 を交互 に繰 り返す揺れの運動は、動力 とアクチュエーターをもたない限 り、減衰 し停 止す る。

受動歩行模型は、模型 を斜面に置 くことにより、遊脚 と接地脚 を交互 に繰 り返す揺れの運動 を遊脚の振 り出 しによる位置エネルギーの供給で持続す る。 したがって、遊脚の一歩の振 り出 しによる位置エネルギーの供給が、消費エネルギーより大 きい場合 には歩行が不安定にな り転 倒す る。 また、消費エネルギーより小 さい場合 には揺れが減衰 し、歩行が停止す る。

歩行の消費エネルギーは、単位質量の物体 (人、動物 もしくは歩行模型)が単位距離 を歩行 す るのに必要なエネルギーで定義で き、受動歩行模型 に対 しては、距離 を水平面 に投影 した距 離で定義できる。 したがつて、歩行時の消費エネルギーEは、斜面の角度 φと重力加速度gを 用い

z=盪 =gtanψ

 S

となる。ここで、″は歩行模型の質量、 みは斜面の高さ、 sは水平面の移動距離である。斜面 の角度ψ=8°に対 して、消費エネルギーはE=138ノ/スg″となる。

木材の動摩擦係数 μ=030を用いると、斜面を滑 らせる、もしくは水平面を引 きずるときの 消費エネルギーはE=g〃 =294J/λg″となる。

また、人間の平地歩行における消費エネルギーはa)

E=419×10310Ю3+00035,(il:Tツ)2]      (2)

(5)

168   田 耕 典

で与 え られ る。 ここで、 νは歩行 速度 [″/s]であ る。 また、HONDAの ASIMOの歩行 は、

人間の10倍 強の消費エ ネルギーを必要 とす る。

消費エネルギーを比較することで、省エネルギーについて考える教材 とな りうる。

22 変形によつて受動歩行を行 う紙製模型

変形 によつて受動歩行 を行 う紙製模型は様 々な形状で製作 されてお り、その歩行 は木製の模 型 と異なる。木製の受動歩行模型 (図 1、 2)は、回転 自由な軸で固定 された脚が遊脚 となっ た ときに、遊脚 に作用する重力、遊脚の重心 と軸の位置関係 によるモーメ ン トで回転 を生 じ、

一歩 を振 り出す。それに対 して、変形 によつて受動歩行 を行 う紙製模型は、接地時に荷重で変 形 した接地脚が、rOll軸方向の揺れにより遊脚 となった時点で荷重か ら解放 され元の形状 に戻

り、次の接地時に一歩を踏み出 し、その幅が決定 される。

2‑3 紙製4足受動歩行模型教材

小学生中学年お よび高学年における重心 ・モーメン ト・位置エネルギーなどの力学的な学習 内容 と科学的な探究 を学ぶ教材 として、紙製4足受動歩行模型 を開発す る。紙製2足受動歩行 模型 (開発中、図4)を教材 として用いる場合 には、製作の困難 さ、歩行 させ る条件の狭 さか ら、学ぶ狽1に困難に立ち向かい折れない心 (レジ リエ ンス)、 ものづ くりの経験、巧緻性が必 要 とされる。そこで、本研究では、4足で体 を支 えることがで きる安定 した模型 を取 り上げる。

10         25

紙製2足受動歩行模型132 頭を取 り付けた模型

(a)胴体の展開図

展開図の設計図 (」W‐CAD)

(b)首の部品図

(6)

み らい創造科教材 としての紙製4足受動歩行模型の開発

紙製の模型であるためハサ ミとの りのみで製作で き、形状 に関す る変数を容易 に変更が可能 で、安価で中学年の発達段階に適 した試行錯誤の ものづ くりを体験することがで きる。材料は ケ ン ト紙 (1860g/ 2)を用いた。

小学校 中学年の子 どもたちを対象 とす るため、直線形状で設計す ることで加工の難易度 を下 げ、また、脚部の固定 と耐久性 を考慮 し、箱型の胴体 と脚 を一体化 させ、 さらに、頭 と尻尾 を 取 り付 けることにより、子 どもたちが歩行模型のデザインを考 えられるよう改良 を行 った。頭

を取 り付 けたゾウの歩行模型 を図 5に 示す。

受動歩行模型の運動解析

変形によって受動歩行 を行 う紙製模型 は、接地時に荷重で変形 した接地脚が、rOll軸方向の 揺れにより遊脚 となった時点で荷重か ら解放 され元の形状 に戻 り、次の接地時に一歩 を踏み出 し、その幅が決定 される。 また、製作 した4足模型は胴体 と脚が一体になってお り、上肢下肢 のね じれは生 じない。 したがって、右側前脚 と後脚 は同時に接地脚 もしくは遊脚 とな り、左側 前脚 と後脚 も同様 な動 きをす る。

また、pitch軸お よびyaw軸周 りの回転運動 は、r。11軸周 りの回転運動 に比べ て小 さ く無視 で きるもの とす る。

斜面の歩行実験 により、前述の歩行原理 を検証す る。

3‑l 歩行実験による動作原理の解析       (

斜面での歩行の動作原理 を解析する。解析方法は、正面、側面か ら動画 を撮影 し、30ゆs(フ レーム間が0033s)の画像 に分解 し、」W CADに画像 を取 り込み、たわみ角、脚 の振 り上が り 高 さな どをlEl定す る。動画か ら画像へ の分解 にはGRETECH Corpの動画再生 ソフ トGOM

Playerを使用 した。

斜面側面か ら動画 を撮影 し、分解 した画像 を図7に示す。 この とき斜面の角度ψ=8°、足の 角度 θ=8°、足 の長 さ′=40 772の条件 (図 8参)を用いた。図 7よ り、受動歩行 における 動作 は以下の通 りとなる。

(1)体r011軸周 りに手前猥1に揺れて、手前の脚 (左前脚)が接地す る瞬間である。

(2)(1)の状態か ら4フ レーム ロ (013s後)の画像。体がrOll軸周 りにさらに手前 に揺 れ、

奥の脚 (右前脚)が遊脚 とな り、変形が元 に戻 り前 に振 り出され、手前の脚 (左前脚)

(1)接地する直前 (2)接地脚 とな り自重により たわんだ状態 (O13s後)

(3)遊1即とな り変形が 戻つた状態 (037s後)

169

左前脚 (紙面左側手前)の動き (歩行周期は05〜 053s)

(7)

170

脚の長さと脚の角度のパラメータ

は接地脚 とな り自重が加 わ り、 たわみ を生 じる。

(3)(1)の状態か ら11フ レーム ロ (037s後)の画像。体がrOl軸周 りに奥側 に揺れ、奥 の脚 (右前脚)が接地脚 とな り手前 の脚 (左前脚)が遊脚 とな り、変形が元 に戻 り前 に振 り 出 され る。

(1)〜 (3)を繰 り返 し、斜面 を歩行す る。

画像 か ら脚先端 の斜面か らの高 さ力を測定 し、時間変イヒを図9に示す。左右 の脚が接地脚 と 遊脚 を交互 に繰 り返 し、roll軸方向の揺 れ に よ り安定 して み=3レ″の高 さまで振 れてい るこ

とがわか る。 また、揺れの周期T05〜053sとな り、ls間 にはは2回の揺 れを生 じる。

遊脚 時 と接地脚時の脚 のたわみの画像 を図10に示す。胴体 と脚 を一体 で製作 し、胴体 を箱型 に したため、 また接地脚 の接地点では滑 りを生 じないため、脚 のたわみ変形 は一端 固定・他端 単純支持 の長住のたわみ変形の状態 といえる。

また、画像 の角度 は脚 と斜面 とのなす角度であ り、画像 を」W CADに取 り込み、測定 した。

―― 右前脚

―― 左前脚        A

A      ノ` A

/ヽ  /       J

f AL

/Wヽ

0  01 02 03 04 05 06 07 08 09  1  11

時 間t LI

遊脚および接地脚先端の斜面からの高さの時間変化

Д 調

(8)

み らい倉1造科教材 としての紙製4足受動歩行模型の開発

自重がかか り最 もたわんだ状態 をt=0と し、その前後の脚 と斜面 とのなす角の時間変化 を 11に示す。遊脚か ら接地脚 さらに遊脚 となる間の変化 を、3回1定した。遊脚か ら接地脚 に 移行 しなが ら角度が減少 し、最小値 を示 し、そこか ら遊脚への移行で角度が増加す る。これは、

一端固定 他端単純支持の長柱 に作用する荷重が増加 しなが ら、たわみの増加 とともに単純支 持端のたわみ角が変化する現象 ととらえることがで きる。

7、 9、 10、 11よ り、体が揺れて遊脚か ら接地脚 に移 り、 自重がかかることで接地 脚がたわみ、接地点 と重心の位置か ら、逆方向の揺れが生 じ、反対側 に揺れて接地脚が遊脚 に なる際にもとの形状 に戻 るように飛び出 し、 さらに逆揺れ して、接地脚 となることで、一歩進 み、 これを繰 り返 して歩行す ることがわかる。

32 接地脚のたわみ変形解析

前節の実験結果 より、模型の脚の変形は,胴体側 を固定端、滑 りを起 こさない接地脚先端 を 単純支持端 とす る一端固定・他端単純支持 された細長い脚 (図12)の変形 として取 り扱 うこと がで きる。細長い脚 に元たわみ を与 えた状態で軸荷重Pを徐 々に増加 し、ある値′ に近づ け

(a)遊脚時      (b)自 重がかかつたときの接地脚 10 遊脚と接地脚の斜面となす角の変化

1      0 時 間t lsI

11 脚と斜面のなす角の時間変化

第 ■回

…‐´第2回

3回

│.:

、 一 ,・

\\ I

̀姦

Nl ´1/

t‐

02 01 02

(9)

172 永 泰    

12 接地脚のたわみ変形21

てい くと、軸荷重′″が作用 し、最大たわみ δだけ変形 した状態で力のつ り合いが起 こる。

この とき、支持端に支持反力′1、 ん 、支持モーメン ト■4を 生 じる。支持反力Pメよ、接地脚 の接地点における斜面 との摩擦である。

変形 を考慮 して力のつ り合いを考えると、脚のx断面に生 じる曲げモーメ ン トノ は =み R2(J χ)

で与 えられる。ただし、力 とモーメン トのつ り合い より、次式が成 り立つ。

Rl=t,』 =R2′

たわみの基礎方程式は

Eriダ│+4ァ=R2(J χ)

ここで、]は脚の長手方向の曲げ剛性、Eは材質の縦弾性係数、Iは 脚 の長手方向の断面2次

モーメントである。

上式 (5)の 一般解は

=CIsh響+Q00S γ+R2(′ r =q̀cos響 ̲Q̀dn R2/47

ここで、q、 Qは未定係数、cは次式で与えられる。

92=Jレ II

支持端 での境界条件 は

yx"=0,(″/教=0,yH=0

最大たわみの境界条件は

m銚 =ツχ=x・ '(̀レ/d")χ=′ =0

境界条件式 (9)よ り

q=R2/(鳥7̀),Q=―R2′/み

tang′=gJ

方 程 式 (12)の最小 解 は、脚 の両端 以外 に節 を生 じない状 態 (図 12) る。

̀′

=44934=14303π

式 (13)を 式 (8)に 代入すると、軸荷重Pcrは

4′ =92Er=201900り /′2=2.045'π2」/′2

境界条件式 (10)2よ

(3)

(4)

(5)

υ

(8)

(9)

(10)

(11)

(12) を表 し、次式で与 え られ

(13)

(14)

(10)

み らい倉J造科教材 としての紙製4足受動歩行模型の開発

COS̀χ

+̀JSingχ̀‑1=0      (15)

上式 (14)の 解 は

̀xt=27036, 

=06017′       (16) 境界条件式 (10)lよ

R2=0 71515JЪδ/′      (17)

したがって、支持反カム 、R2ヽ 支持モーメ ン トツ1

ム=t=1.4630π 2Erδ3,4=1.4630π2Erδ

/′2        (18)

たわみy

=0.732α

'(sin[4493(1‑x/J)]+0.976(1‑x/J)),      (19)

=ツトω171=δ 曲げモーメン ト』

■イ=214987π2(IIδ/′2)sin[44934(1‑χ

/ノ)],      (20)

lmⅨ =lν

=。6504j=1・4987π2EIδ//2

をえる。

軸荷重は、式 (14)で 与えられ、脚の曲げ岡JttErに 比例 し脚の長 さ′の2乗に反比例す る。

これは、模型の材料の紙の厚 さの3乗に、 また脚の幅 に反比例 し、脚の長 さ′の2乗に比例 し て変形 しやす くなることを表 している。すなわち、材料の紙の厚 さ、脚の長 さ 幅をパ ラメー

タとして、歩行の一歩の大 きさを決定で き、歩行速度 を調整す ることが可能 となる。

模型の脚 を長手方向に折 り曲げ変形強度 を増す と歩行 しない、材料の紙の厚 さを厚 くす ると 歩行がゆつ くりになる、 もしくは歩かないのは、脚の断面2次モーメン トが増加 し、変形が小

さくなることで1歩当た りの供給エネルギーが減少するためである。

たわみyは、式 (19)で 与 えられ、三角関数 と1次式で表現 される。最大たわみは脚の付 け 根か ら3/5の位置、す なわち脚の先端寄 りで生 じていることがわか る。実際には、一端固定 他端単純支持 された細長い脚の条件 は、厳密 に満足 されないので、仮定の下での理論解析 によ

る近似解 といえる。

3‑3 模型のコ い解析

模型の歩行 において、その重心の位置はrOl軸 周 りの揺れに対す る安定性 を論 じるうえで重 要なパラメータである。 ここでは、模型 を正面か ら見た ときの重心 について検討する。

模型 を正面か ら見た図を図13に示す。 この とき、紙面に垂直な方向z軸rOll軸となる。

模型全体のx軸周 りの面積モーメン トSは

S=∫x滋4=358330 3       (21)

И

展 開図の面積ス は

И=∫4=7793″ 2       (22)

И

したがって、重心の位置yc

yc=S/И =46″      (23)

をえる。

173

(11)

174

(a)安 (b)不安定 14 重心Gと曲率中心0の位置関係による安定性

13 模型の正面から見た重心Gの位置

揺れに対する安定性は、図14に示 されるように、重心θと曲率中心 θの位置関係 により重心 が 曲率 中心 より低い位置にあるときに安定、高い位置にあるときが不安定 となる。

歩行模型のrol軸 周 りの揺れでは、静止状態の位置関係のみで安定性 を決定で きないが、重 心 Gと それを曲率中心 とす る円弧 を図13に示 したように、余裕 をもった設計 になっていること がわかる。

最適な模型脚部形状

頭部 を取 り付 けた模型を用いた授業実践を視野に入れて、頭部 を取 り付 けた模型で脚の長 さ

′と角度 θ (図8)をパ ラメータとし、斜面の各角度 φに対 して歩行実験 を行 う。歩行実験に 用 いるパ ラメータを表 1に 示す。同一条件で3回の実験 を行い、300mmの斜面 を歩行 した場 合 を調べ、実験結果 を表2に示す。セルの色の濃いほど歩行速度が速いことを表す。

斜面の角度 φが小 さくなると、揺れは小 さ く、歩行速度は遅 くな り、停止す る。逆に、斜面 の角度 φが大 きくな りす ぎると揺れが大 きくな り横 に倒れる。

頭部 を大 きく重 くすると、重心が高 くな り、歩行可能な坂の角度 φが緩やかになることがわ か る。 これは、重心が高 くなることで揺れやす くな り、それまで歩行 しなかった緩やかな斜面 で も揺れを生 じ、また、それまで歩行 していた斜面で も揺れが大 きくな り、横 に倒れ歩行 しな い。

脚 の角度 θを大 きくしす ぎると、33節で明 らかになった ように、重心の位置 と接点の位置 関係か ら不安定にな り、横 に倒れる。 θ=9°ではほとんどの条件で歩行 しない。

脚の長 さ′を長 くすると、重心が高 くな り、歩行可能な坂の角度 φが緩やかになることがわ

斜面の角度 φ 脚の長 さ 脚の角度 θ 円形頭部の大きさ 首 の質量 体 の 質量

6〜18°

¨¨

027g

0 44g 0 08g 1 75g (1 40mm) 歩行実験に用いるパラメータ

(12)

み らい創造科教材 としての紙製4足受動歩行模型の開発

2 300mmの斜面における角度φと模型の形状 (脚の角度 θと長さう に対する歩行

(○ :歩行 した場合、×:歩行しない場合)

(a)  円形頭部 r=20mm、 質量027

か る。 これは、重心が高 くなることで揺れやす くな り、それまで歩行 しなかった緩やかな斜面 で も揺れを生 じるためである。 また、脚 の長 さ′を長 くす ると、歩行速度が速 くなる。 これは、

3‑2節で明 らか になった ように、脚の長 さ′はたわみ変形 の大 きさに影響 し、歩幅に影響 を与 えるためである。脚の長 さ′が大 きくなると歩幅 も大 きくなる。

頭部 を取 り付 けた歩行模型 を教材 として使用す る場合、脚 の角度 θ=5° ,7°、脚 の長 さ′

=30mm,40mmの模型 を使用す る。

子どもたちの歩行模型ものづくりと遊び

ドリームサ イエ ンスとい うイベ ン トにおいて、開発 した模型型紙 を使用 し、子 どもたちが 4 足歩行模型 を製作 し、遊ぶ様子か ら教材 としての可能性 を検討す る。主な目的は、参加者の反 応、改善点の発見、模型の特徴 を探 る.点にある。最後に参加者か らアンケー ト(感)をとる。

175

斜面の角 0[° ]

円形頭部 の半径 r=25mm、

θ=5° θ=7° θ=9°

│=20mm │=30mm │=40mm │=20mm │=30mm I=40mm │=20mm =30mm │=40mm

8 X X X X × × X × X

9 X X X X X ×

X × X X ×

11 X oli:│ X X X ×

12 │■0■ X X X

× X X X X ×

14 X X X X X X

15 × X X X X X ×

X × × X X X X

17 X × X X X × X X

X X X X X X X X ×

(13)

176 永 泰 田 耕

イベ ン トの概要】

イベ ン ト  ドリームサイエ ンス 日時   2012年12月 1日 (土)

場所    東海大学

対象    幼児、小 中高校生、大人

その他   このイベ ン トにはCASIO、 HITACHIな ど様々な企業が出展

(a)会場の様子   (b)参者の様子

15 ドリームサイエンスにおける紙製4足受動歩行模型のものづくり

低学年 を対象 とした紙のお もちゃということもあ り、参加者は幼児や小学校低学年の子 ども たちであ り、中学生、高校生の参加は数人であった。

子 どもたちの反応 と感想 を以下に示す。動 きが「お もしろい」 と感 じ、歩 く原理 を探求する 様子、 またつ くってみたい とい う意欲的な感想 を得た。 また、「 自分で作 ったのが動いたJと い う言葉には、電池 もモーター も持たず、動かないと思っていた ものが、動いたことへの喜び や達成感を感 じた。

試験的な実践ではあるが、本教材の開発 目的である、子 どもたちが興味を示 し、原理 を探求 す る動 くお もちゃ教材の開発がある程度、達成で きた といえる。静 岡市立駒形小学校1つ

在 日プラジル人学校エス コーラ アレグリア・デ サベール浜松 での授業実践`1)にも見 ら れた ように、材料 道具 を用意するハー ドルが低 く、動作原理 を追求する子 どもたちの試行錯 誤 を促す効果があるといえる。

親の意見に「童′さにかえって楽 しめたJと あるように、学校での子 どもたちの学び とともに、

家 に持 ち帰 り、親 兄弟 を巻 き込んだ学習の可能性が うかがえる。親 も楽 しめ、家でつ くるこ とが可能な点は、子 どもたちの学習への内発的動機づけの深化、 自己肯定感につなが りうる本 教材の魅力であるといえる。

子どもたちの反応】

・すごいI歩いた・なんで歩いているの?

・足の形に秘密があるのかな ・つ くりたい

アンケー ト結果】

(子 どもの意見)

家 にもってかえってつ くる! 揺れるのが大事 なんだ と思 う

(14)

み らい創造科教材 としての紙製4足受動歩行模型の開発

・動 きが面白い   どうやつて坂 を動 くのか考えるのが面白い ・作 るのが楽 しい

・簡単にできてよかった ・色塗 りが楽 しかった ・ 自分で作 つたのが動いた

(親の意見)

・童心にかえつて楽 しめた ・子 どもたちが楽 しそうだった

・子 どもたちが 自分で考えてチヤレンジで きてよかつた

・ 自分で顔 を作 るところが個性が出て面白い

結言

本研究では,動作原理 を探究で きる動 くお もちゃとして受動歩行模型 を取 り上げ,小学校 中 学年の子 どもたちが製作 で きるように紙製促 受動歩行模型 を開発 した。

紙製の模型 とすることにより、材料 ・道具 を用意す るハー ドルが低 くな り、動作原理 を追求 す る子 どもたちの試行錯誤 を促す効果があがつた といえる。また、学校での子 どもたちの学び とともに、家 に持ち帰 り、親 ・兄弟 を巻 き込んだ学習の可能性が うかがえた。親 も楽 しめ、家 でつ くることが可能な点は、子 どもたちの学習への内発的動機づけの深化、 自己肯定感 につな が りうる本教材の魅力であるといえる。

開発 した紙製模型の歩行原理は、木製の受動歩行模型 と異なる。木製の歩行模型 は、回転 自 由な軸で固定 された脚が遊脚 となった ときに、遊脚 に作用する重力、遊脚の重心 と軸の位置関 係 によるモーメン トで回転 を生 じ、一歩 を振 り出す。それに対 して、変形によつて受動歩行 を 行 う紙製模型 は、接地時に荷重で変形 した接地脚が、rOl軸 方向の揺れにより遊脚 となった時 点で荷重か ら解放 され元の形状 に戻 り、次の接地時に一歩 を踏み出 し、その幅が決定 される。

上記の歩行原理 を実験 と解析 か ら検証 した。歩行 に影響するパ ラメータとして、消費エネル ギー、材質、脚の形状 (厚さ、長 さ、角度)、 重心の位置などについて明 らかにした。

また、限 られた条件であるが、歩行実験 か ら歩行可能 なパ ラメータの範囲 を提示 し、パ ラ メー タの影響 について考察 した。

本論文は、静岡大学教育学部総合科学専攻2012年度の ミニ卒業研究 をもとに研究 を進め作成 された ものであ り、平成26年度科学研究費補助金 (課題番号 :24501095)の 援助 による。

参考文献

1)中央教育審議会 :「幼稚 園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校 の学習指導要領 等の改善について (答申)J(2008)

2)文部科学省

3)文部科学省

4)文部科学省

5)文部科学省

小学校学習指導要領 図画工作 (2008)

小学校学習指導要領 理科 (2008)

3期科学技術基本計画 (2006)

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7)松永泰張 中村玄輝 :教材用2足前後型受動歩行模型の歩行 に関する研究,静岡大学教育 学部研究報告,人 社会 自然科学篇,第60巻,pp 225 235(2010)

(15)

178   田 耕

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8)松永泰弘,木戸太紀 :科 学 技術 ・芸術 を融合 した受動歩行模型教材の開発, 日本産業技 術教育学会第57回全国大会 (熊)機械分科会講演要 旨集,p3(2014)

9)松永泰弘,池本沙紀 :平 面な足裏 に脚部九棒 を貫通 させた二足受動歩行模型の開発,第31

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10)松永泰弘,池本沙紀,松永倫 :平 面足裏 に脚部丸棒 を貫通 させた二足受動歩行模型の開発 と運動解析日本産業技術教育学会第57回全国大会 (熊)講演要 旨集,p61(2014) ll)松永泰弘,西村一朗,渡邊凌 :上肢下肢 をもつ4足受動歩行模型の開発日本産業技術教

育学会第56回全国大会 (山)講演要 旨集,p132(2013)

12)松永泰弘,西村一朗:4足受動歩行模型における上肢下肢 の運動 に関す る研究,第31回 本産業技術教育学会東海支部大会講演論文集,pp 99 102(2013)

13)日本産業技術教育学会 8回技術教育創造の世界 (大学生版)発明・工夫作品コンテス  奨励賞「小学校図工 における動 く模型教材」(2013年12月応募,2014年1月受賞)

httpノ/wwweduckulnamotcu acjp/contest u/2013/cat2/221387524671′ 7050pdf (2014年10月 3日確認)

14)山中さやか:保育における子 どもの「学び」に関す る検討:シェーファー (Schafer,GE) の 自己形成論 としてのBldttg観に着 目して,保育学研究,第51巻2号,pp 154162(2013) 15)山岸耕平 :ICSに おける・knowledgeおuldinず アプローチ と総合学習,神戸親和女子大学

研究論叢 鈍 A"―A2(2001)

16)松永泰弘,松永倫 :小学校図工 における ものづ くり授業の実lltと定性的評価,第31回日本 産業技術教育学会東海支部大会講演論文集,pp 15 18(2013)

17)松永泰弘,松永倫 :動 く模型 を用いた小学校 図工 におけるものづ くり授業実践, 日本産業 技術教育学会第57回全国大会 (熊)講演要 旨集,p17(2014)

18)松永泰弘,土肥阿利佳,ヤマモ ト・ルシア エ ミコ :在 日ブラジル人学校におけるものづ くり授業支援, 日本産業技術教育学会第56回全国大会 (山)講演要 旨集,p84(2013) 19)松永泰弘,土肥阿利佳,ヤマモ ト  ルシア・エ ミコ :在 日ブラジル人学校 におけるものづ

くり授業支援 とその評価,第31回日本産業技術教育学会東海支部大会講演論文集,pp 19‑

22 (2013)

20)中村隆一,齋藤宏,長崎浩 :『基礎運動学』、医歯薬出版、 ⑫∞3)

21)松永泰弘 :材料力学「長柱 の座屈Jに関す る提言,論文集「高専教育」,第17号,pp 74‑

81 (1994)

(16)

な らい創造科教材 としての紙製4足受動歩行模型の開発

付録

授業 ものづ くり教室 などの教育的な場面、研究 において、本教材 を使用す る場合 を考慮 し て、実物大の展開図を付録 として図に示す。画用紙、ケ ン ト紙 にコピー して使用する、 もしく は引用す る場合 は静岡大学教育学部松永研究室で開発 した教材であることに触れること。

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一百

参照

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