風観斎追悼和歌
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幸
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はじめに
前稿﹁風観斎追悼和歌(上)﹂(﹃国文学論叢﹄五七輯)をうけて、本稿では個人蔵﹃風観斎追悼和歌﹄二冊(本書 は天下一本と思われ、近世和歌史、古今伝授史の研究において貴重な資料と思われる)の内、二九一番から七八O
番 までの四九O
首を収める。凡例は前稿に載せたので、本稿では重複を避ける。ついて見られたい。略解題
前稿では紙幅の増大を恐れて賛言をさけたが、本書の性格からして平間長雅(寛永二二1
宝永七年)と詠者との関 係にふれないのは不親切であり、本稿では少しだけ説明を加えたい(漢数字は歌番号を示す)。詳しくは拙著(﹃近世 古今伝授史の研究﹄)に譲る。二九O
以前は前稿所収により省き、試みに二九一から三四七の歌人を取り上げ、長雅 文化圏の一端を示したい。その他は紹介を略し、拙著に譲る。 二九一からは寸寄月釈教﹂の題意にそった歌がつづく。鷲の山、蓮の台、法の道芝、鹿のそのふ等の用語が散りば められ、真率なる心情の吐露がみられる。 風観斎追悼和歌(下)(日下)龍谷大学論集
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二九一の北条氏朝(寛文九i
享 保 二O
年)は河内狭山藩主、長雅から全伝をうく。二九二の信子は秋月種信女、氏 朝後室。二九三の有賀長伯(寛文元i
元文二年)は長雅の高弟で、全伝をうく。二九四の岡高倫(慶安二1
享保一五 年)は堺の歌人、長雅からほぽ全伝をうくか。二九五の円海は摂津久安寺宝積院の僧。二九六の山上近文(天和元 t J 享保四年)は大宅姓、垂加流神道家で住吉の歌人、長雅から部分伝をうく。二九七の岸部長陸は京の歌人。二九八 の足立近良は大坂の歌人。二九九の上回及方は堺の歌人。三OO
の天満梅松軒宗徳は大坂の歌人。三O
一 の 羽 間 重 義 ( 寛 文 九 頃i
享保一九年)は大坂海老江の歌人、長雅から部分伝をうく(羽問文庫本は現在大阪歴史博物館蔵)。三O
二の法林寺良空は檀王法林寺の僧、長雅十三回忌までに隠居。三O
三の坂上宣辰は大坂の歌人(拙著では宜辰と誤 記 ) 。 三O
四の石田正香は不詳、﹃蟻通奉納百首﹄入集。三O
五の岸部成昌は京の歌人、長雅から部分伝をうく。三O
六の岡西宗貞は堺の歌人か。三O
七の穣光庵如庵は摂津平野の諜光堂の僧。三O
八の川勝子縄は不詳。三O
九の橋本 光 元 は 不 詳 。 三 一O
の山口富群は京の歌人、長雅から部分伝をうく。一二一一の渡部子籍は不詳。三一二の武藤了景は 摂津平野の歌人。三二ニの渡部宗賢は摂津平野の歌人。三一四の津江良容は大坂今宮神社の神主。三一五の田中光林 は大宅姓、大坂住吉大社の神官。三一六の渡辺献は不詳。三一七の田中長節は京の歌人。三一八の井上三右衛門母貞 性は不詳。三一九の植下唯正は堺の歌人。三二O
の清源寺孝燐は京の歌人。三一二の林保孝は大坂の歌人。三二二の 玉井由可は堺の歌人。三二三の金光寺漢阿は堺の歌人。三二四の浅田長豊は不詳、﹃蟻通奉納百首﹄入集。三二五の 浜田自隠は大和矢部村の歌人口三二六の浅井矩永は大坂の歌人。三二七の土井伯庵女まさ(雅子)は大坂の歌人、長 雅から部分伝をうく。三二八の岸部のふは成昌妻、京の歌人。三二九の川井柳雪(のち立節)(未詳i
享保二ハ年) は大坂の歌人、長雅から部分伝をうく。なお柳雪にかかわる伝授書は最近本学の所蔵となる(﹃龍谷大学大宮図書館 二O
二年度秋期展観和歌と物語﹄参照)。三三O
の容膝軒知足は不詳。三=二の武田正勝は大坂の歌人。三三二 の中井利長は不詳口三三三の浅野宗与(宗予)は不詳、﹃天満宮奉納百首﹄入集。三三四の石橋直之(明暦ニ1
正 徳二年)は泉州鳥取の歌人、長雅から部分伝をうく。三三五の岡風鎮は不詳、﹃天満宮奉納百首﹄等入集。三三六の北 鷲見通高は不詳なれど、通称源太郎が一致するので京の歌人北鷲見迫知と同一人物か。迫知は長雅から部分伝をうく。 三三七の谷安重は堺の歌人、長雅の伝授に関与。三三八の一心寺高誉は大坂一心寺の僧。三三九の杉木正珍は伊勢の 歌人。三四
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の美田村直正は不詳。三四一の大川由勝は河内狭山藩の藩士。三四二の塩谷安親は河内の歌人。三四三 の小西旧陰は河内の歌人。三四四の武藤可胤は大和の歌人。三四五の西村義慣は京の歌人。三四六の武田滝親は阿波 蜂須賀藩長谷川貞篤の家士。三四七の水田長隣は京の書臨時、歌人。長雅の高弟として伝授を受け、右筆として伝授書 の書写に携わる。翻
~ 子 七々日堺於金光寺追福和歌 兼 題 寄 月 釈 教 北 条 平 鷲の山空吹風に雲はれてゃみを残さぬ有明の月 二九氏
朝 二九二同
室
くまもなく今そ悟りの雲晴て蓮の台さそ照すらん 信子 以敬斎 二九三 長 伯 ねかふより捨ぬほとけのめくみをもあまねく照す月にみすらん 高倫 岡彦衛門 二九四 西こそとわきて光も照すらめ雲なき空の法の月かけ 円 海 宝積院 風観斎追悼和歌(下)(日下)一
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二 九 五 二 九 六 二九七 二 九 八 二九九 三
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四 龍谷大学論集 一 二 四 雲消てやとす心の水にはや波たちいつる月の下風 山上主計 近文 かすかすにたとるをしへもこなき月にやみするのりの道芝 岸部宗安 長 陸 説法の声きく嶺の松風に心とすめる月をみる哉 足 立 嘉 右 衛 門 近 良 円なる心の月はいつるみね入やまのはや絶てなからん 上田池泉 霧はれて行ゑの空も照月にをしへ曇らぬ法の道芝 梅 松 軒 宗 徳 二なきをしへをみつの浦波もひとつ光にょする月かけ 羽 問 市 右 衛 門 重 義 秋にすむ光もさそな露にふす鹿のそのふの法の月影 法 林 寺 良 空 大空を照行月はひとつにて千さとの水に影そすみぬる 坂 上 伝 右 衛 門 宣 辰 照月に心のやみも晴ぬへしあふくひかりの空しからすは 及 方 正香 浪風にさはりしもせし西に行月のみふねの跡したふ身は 石田賢斎三
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五 ニO
六 三O
七 三O
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九 三 一O
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岸部次郎右衛門成昌 上もなき鷲のみ山にてる月のひかりにまよふ道はあらしな 岡 西 宗貞 只ひとりみつ﹀行らん元よりもまよはぬ道を照す月かけ 諜光庵 如 庵 妙なれや光も花とちりしきてのりの廷を照す月影 川 勝 元 準 子 縄 あか結ふその行ひの鐘の音も月にふけ行秋の古寺 橋本兵助 光元 立まよふ心の雲ははれすともあふかは照せ法の月かけ 山 口 甚 右 衛 門 富 群 唱ふれはまよふ心の雲霧も御名にはれ行秋の夜の月 渡部玄古 子籍 あふきみて後の世頼む法の月はれぬ思ひのいゑに住身も 武藤新七 了景 おもひやる西のみ空も遠からす心の月の照にまかせて 渡 部 宗 賢 目のまへにてる月かけもおなしくは心のうちに見るよしもかな 津江越後 良 ,宮島' 廿 風観斎追悼和歌(下)(日下) 一 二 五三一四 三一五 一 一 ム ハ 三一七 三一八 三一九 三 二
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龍谷大学論集 一 二 六 閣法に心ははれてくらかりしうきょのやみも照す月かけ 田中左衛門 草も木も照すひかりにもらさしのちかひそしるき法の月影 光 林 献 押なへて嶺もふもとも照月ゃあまねき法の光なるらん 長節 渡辺半七 田中了室 山のはのかくれし月にたとへでもあきの扇のうちはをかれす 井上三右衛門母貞性 結ふ手の雫も清きあかの水みのりの月の影をやとして 唯 正 植下四郎兵衛 契り置心の月の曇らすは終に行ゑの道もまよはし 清源寺 孝 燐 光こし心とみても大かたはめてしおもひの秋の夜の月 林 茂 右 衛 門 保 孝 雲霧をはらひ尽して秋の月いかにすむらん鷲の山かせ 玉井養哲 由 可 起出てむすふ心の塵もなくあか井にすめる有明の月 金光寺 漢 阿 さやけしな西にむかひて御仏のひとつ光とあふく月影三二四 三二五 一 一 一 一 六 三二七 三二八 三二九 三 三
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浅田彦兵衛 長 豊 曇りなき法の教や道芝の露にもみせてやとる月かけ 浜 田 白 隠 西にのみ心をよせてみ空行月やみのりの御舟成らん 浅 井 源 兵 衛 矩 永 三十余り三のちかひも月にしれあまねき門を照す光に 土井伯庵女 ま さ 山の端にかくれぬ月のかくろふとみするも法のまこと成けり 岸部氏女の
ふ あきらけきみのりの水の清けれはそこまで照す秋のよの月 JII 井 柳雪 吹はらふ御法の風に罪きえて心のくまをてらす月かけ 容 膝 軒 知 足 西へ行心の月のしるへとやひかしにす﹀む御法成らん 正勝 武田清五郎 はかなしやまよひの雲のはれぬ身はすむともしらぬ法の月影 中井仁左衛門 利 長 照すらむわしのみ山もをのつからあふく心に有明の月 浅 野 信士, 刀て 与 風観斎追悼和歌(下)(日下) 一 二 七一
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三三四 三三五 三三七 二 三 八 三三九 三四O
三 四 一 三 四 二 龍谷大学論集 一 二 八 幾世々のやみを照して鷲の山常にすむてふ法の月影 石橋新右衛門 月の舟法のみふねにむやひして行ゑは西そとまり成ける 直 之 岡浄山 風鑓 月をおもふ心を法のしるへにてやみちたとらぬ露の道芝 二 六 北鷲見源太郎 さまさまの色をむなしととく法の月ゃいかなるひかり成らん 谷長右衛門 遁高 安重 一花のえめる色ある悌を月のみかほによそへてそみる 高 誉 一心寺 さそな人今はたかしの池水に影も玉しく月をみるらん 正珍 身のうへにおもひしれとて水の月すむもかり成世をやみすらん 杉 木 美田村猪兵衛 直 正 うき雲に立かくれでも影は猶にしのみそらに有明の月 大 川 半 十 郎 由 勝 とはにすむ鷲のみ山の夜半の月鶴の林に消しひかりも 塩谷宗内 安親 幾秋も御法の月の陰そへて鹿のそのをや猶照すらん三四三 三四四 三四五 一 四 六 三四七 三四八 三四九 三 五
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三 五 一 旧陰 鷲の山御法の月はよそならてこ﹀にさやけき有明のそら 小西与助 武藤与平次 可 胤 妙なれや月の桂のひかりさへみのりの庭の花とちりきて 義 慣 西村法橋 法の声きけは心もすむ月のにしに行ゑをしたひてそみる 滝 親 武田 ねかふへきそなたの空を忘るれとをしへて月や西に行覧 盈綱堂 長 隣 指さして知人そしる心よりこ﹀ろを照す法の月かけ 同当座五十首和歌 長伯 染色の山とはいへともみちせて秋もみとりや移る大空 天 高 倫 風 年作る小田のみつほも国の名にかよひてなひく千五百秋風 円 海 雲 ゆきと見え花とまかふも山風にいまそまよひははる﹀白雲 近文 風さそふ雲にひかけもかくろひて軒端に落る秋の村雨 雨 風観斎追悼和歌(下)(日下) 一 二 九三 五 二 三五三 三五四 三五五 三五七 三五八 三五九 龍谷大学論集 一 三
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姻 長 陸 今ははや煙の跡もなかりけりたなひく空の西の山風 暁 近 良 橋つむこけの袖にもうき物とあかっきおきの露ゃいとはん 及 方 朝 古郷の夢をおもへは一夜ねし宿もなこりはおしき朝戸出 宗徳 あはれ世のありのすきひにまきれでも紛れぬ秋はひるさへもうし 昼 重義 五 六タ
まねけとも嶺に入日は影くれて尾花か袖にのこるゆふ風 夜 貞 然 山窓も明かたちかく成ぬらん影うすくなる夜半の灯 正香地
名にたてる富士をものせてあらかねのっちはうこかぬ世々そ久しき 山 宣辰 タ霧に煙も雪もおほへとも名にあらはる﹀秋のふしのね 谷 成 昌。
霧わけで谷のかたそを朝行はまちかく鹿の声きこゆ也 麓 宗貞二 六 ニ 六 一 ム ハ ヱ ハ 四 二 六 六 二 六 七 ヱ ハ 八 ヱ ハ 九 三七
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吹おろす嵐もたえてタ山のふもとにたてる松そさひしき 如庵 柚 おぼつかな正木のかつらくる人も見えぬみやまの仙の通路 野 子縄 置いて﹀露分ぬらす旅ころもすそのにしけきをさ﹀玉笹 原 可 胤 たつ鹿も見し夢人を片岡のあしたの原にしたひてや鳴 関 光 之 六 五 色ふかきあふ坂山の紅葉々にと﹀めぬ関もこえそわひぬる 富 群 路 秋の田のかりほをはこふ里の子もくれぬといそく野への細道 子 籍 橋 たとり行程もあやうし朝ぼらけ霧たち渡る谷のかけ橋 池 了 景 広沢の流れ絶せぬ池水は猶いく世々にくみてしのはん 沢 宗賢 うき草にむすふも涼しあきの露あさ沢水のあさなあさなに 良容 タされはひかりをそへて三島江の玉江の芦に結ふ白露 江 風観斎追悼和歌(下)(日下)一
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三 七 一 三 七 二 三七三 三七四 三七五 三七七 三七八 三七九 龍谷大学論集
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光林 つ﹀めともまなくちりきて滝の名の衣の袖に余る白玉 滝 河 献 柴人の渡る跡とはしられけりあさ瀬にこれる山川の水 海 長 節 曙や遠山見えてわたっうみのなみに立そふ末の白雲 湖 貞 性 浪にうかふ海人のいきりひほの見えてかた﹀の浦を出る釣舟 浜 唯正
沖とをく風によりくる波の音も松にひ﹀きて住吉の浜 孝 雄 明 島 七 六 くる腐の跡もかきなすあはち島ゑしまにわたるゆふ霧の空 渡 保 孝 船ょする渡りゃいっこ霧ふかみ明てもあけぬよとの川つら 都 由 可 遠近の貢絶せてたいらけくやすき都そ世々に賑はふ 幸 水田妻 すむやたれ都の内もよそなから水草清き川つらの里 村 真 里 有賀妻三八
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三 八 一 三八二 三八三 三八四 二 八 五 ニ 八 六 ニ 八 七 三八八 三八九 煙たつかた山陰の夕月にをのかひとつれかへる村人 市 漢 阿 くれ行はあすかの市と契置て跡もと﹀めす帰る諸人 家 長 豊 誰すむとしらぬもゆかししら菊のはなさきにほふ秋の家ゐは 石 白 隠 のぼりては星と成てふ川の石の光なしとは誰かみるらん 什 ﹄ 晶 1・
かひなしゃ竹のはやしにかくれでも世のうきふしを遁えぬ身は 木 矩永 まさ やとりけんきる事なしのそれならて陰なつかしき松のことのは 草 の ふ そのま﹀におらて手向む置露も玉なすのへの花の八千草 鳥 柳 雪 哀そふ秋のしくれに音たて﹀ねさめ俺しき鴫の羽かき 鐘 知 足 入相のつきぬおもひをなくさめてよしゃねよとの鐘ひ﹀く覧 衣 正 勝 幾世々にきるともつきし乙女子か袖うちかはす天の羽衣 風観斎追悼和歌(下)(日下)一
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三 九 一 三 九 二 三 九 三 三九四 三九五 ニ 九 六 三九七 三九八 龍谷大学論集 一 三 四 燈 利 長 議かへに鳴音も更過てかすかに残る夜半のともしひ 宗与 舟 磁とをく漕はなる﹀も浪風のたつやうらみてかへる釣舟 筏 直 之 筏士の心もゆかす岩かねにさはる戸無瀬やくたし佑らん ロ 刀 風 鎮 あふ坂や名残みおくる山の端の雲もわかれてあくる東雲 旅 遁 高 夢もみすふしうかりつる笹の屋も出れは跡に心とまりて 安重 北 目 いつの世に誰かむかしを恩ひそめて秋のねきめの袖ぬらすらん 老 高誉 心のみもとのま﹀にて面影のかはるを人の老といふらん 夢 長 隣 残る身はきていつまでの現とてみはてし夢をけふはとふらん 百箇日於洛東法林寺追福兼題和歌 聞法述懐 良空 かくて聞身やはったなき説法にむかしはあはぬときも有しに三九九 四
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七 江慶 さめやらぬねふりのうちのかねの音や誰あかつきのみのり成らん 孝燐 聞もうしたとへもつらし夢にたに露あはぬ身の世のならひとは 高誉 過し世も又行末もしらるてふか﹀るうき身のはつかしき哉 井 聞からに妙也けりとしらま弓っきぬみのりのふかきこ﹀ろを 似遜 六の道めくるうき身ゃなけかましうしの車の法を聞ても 高 倫 しつみにし身の行末に頼む哉ありと聞つる法のうき木を 安重 すみなから憂世の外もありてふをなとか聞えぬ法のことはり 秀 成 仮の世に心とめしとおもふ哉のりの教をきくにつけても 汝 啓 世に超し法の教へを聞て只もはら仏のみなをとなへむ 正 明 風観斎追悼和歌(下)(日下) 一 三 五四
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四 四 四一三 四一四 四一五 四一六 四一七 龍谷大学論集 一 三 六 とく法のをしへきかすは道芝の露のうきみと思ひはてなん 広高 まよふ身もなをしたひみんさまさまにとけるみのりの道を尋て 貞 隆 鳥かねも松ふくかせもみのりとはきけとき﹀えぬ我そはかなき 常之 かひなしゃ法のまことを聞なからとげるま﹀にも行なはぬ身は 長節 一たひも聞しみのりの深き江をしつめる身にも猶頼む哉 玄覚 とく法を聞うるまではかたくともつみすくなくて身をつくさはや 富群 徒に百の日数はつもれとも聞てふ法を身にもっとめす 遁高 いにしへをいまとく法にきけは我身の後の世も頼もしき哉 長陸 終に行のりのをしへは聞なから馴しうきょにみをはおしみて 不白 かくて身にをこなはすともとく法のをしへをいかに守りやはせぬ四一八 四一九 四 二
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四 四 二 二 四二三 四二四 四二五 四二六 長 徳 をこなはぬ心なりともとくみのり聞しえにしはいかて朽なん 常辰 をのつから色にも出んとくみのり聞うるけふの心うれしさ 貞恒 世のうきになと沈むらん法の海のふかきを聞てさとるへき身を 孝延 手折えていつかさとりの花はみんをしへあまたの法のことのは 成 昌 まれに今聞もかしこき法の道にいらて過にしみをそ恨る 盈重 うきをしも忍ふ命のかひありてかくあひかたきのりを聞つる 惟輔 さまさまにつみある身をも洩さしの法の教そ聞に嬉しき 経香 聞からに心の雲やはらふらんあふくみのりの松風の声 言水 きくからにうき身のつみはしらま弓ひかれてのりの道に社いれ 雲鼓 風観斎追悼和歌(下)(日下) 一 三 七四二七 四二八 四二九 四 三
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四 三 一 四 三 二 四三三 四三四 四三五 四三六 龍谷大学論集 一 三 八 うしと見し世をのかれすは黒髪のか﹀るかしこき法をきかめや 春 睡 法の道聞につけても世の業にまきれて過す身をや嘆かぬ 正英 身の罪もなかなかしらし末の世に生れてきかぬみのりなりせは 正 雅 いかてうき身のをこたりと成ぬらんをこなひやすき法をき﹀ても 洞字 めくみある法の林のことの葉をきけは此身の末も頼もし 常道 化ならぬ法の教は聞なからつみある身をやおしみはつへき 柳安 とくみのり菊の上葉の露のまもうき世忘る﹀心ともかな 光吉 化波にかへる心のおもひ川ふかきみのりを耳にふれでも 常 貞 とくのりの教をきけはさまさまのうき身もよしゃ夢の世中 俊 有 聞たひに法の灯か﹀くれとくらきはをのか心なりけり四三七 四三八 四三九 四 四
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四 四 四 四 四四三 四四四 四四五 友 月 朝夕のみのりは常に聞なから聞えぬ事のなけかしき哉 貞 経 説みのりきけは心にすむ月もうきょの波に影そみたる﹀ 定永 何事も夢のうき身ととく法のをしへや終のうつ﹀成らん 憧元 くらきにもまよへる道のしをりそと聞に嬉しき法のことのは 秀 直 とく法の道は聞ても世にまよふ心のやみそはる﹀まもなき 宜 偉 明らけきみのりの月の光にはもれぬみのりと聞もかしこし 光 清 一筋にうきょを出るをしへとはきけともまよふ法の道芝 好 澄 我心いかにそむらん色も香も空しき物ときくの上露 達 良 聞からに心の水もすみぬれは更にや移る法の月かけ 義則 風観斎追悼和歌(下)(日下) 一 三 九四四六 四四七 四四八 四四九 四 五
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四 五 四 五 四五三 四五四 四五五 龍谷大学論集 一 四O
本よりの仏のたねととくのりをき﹀てもまよふ人の世そうき 養 貞 すてしてふかしこきのりのちかひにはもれぬ此身の末も頼もし 浅 うき事もおもへは道のしるへ哉さらてはきかし法のことの葉松
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あひかたき法の教は聞なからくるしとのみや世をはなけかん の ふ そむかはやうきは数そふ世中にみのりの道を聞に付ても る し3 後の世を思ひもわかぬ身をしれは法を聞にそおとろかれぬる 勝 聞からにうき身のちりも法の水にす﹀きて清き心ともかな 兼値 聞えてはうきょの夢も覚な﹀ん耳おとろかす法のをしへを 近文 説法のみちひろげれと心より外にもとめぬ教へかしこき 友甫 ちりの身につもれるつみもはらはなん清きみのりの松風の声四 五 六 四 五 七 四 五 八 四 五 九 四 六
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四 六 四 六 四 /¥ 四 六 四 盛 昌 わしの山みのりの風は聞ゆれと身のうき雲そはる﹀まもなき 素則 たのみある法のはやしの言の葉ゃうき事しけく世をはふる身も 友 古 説のりをき﹀てもうしゃ小車の我いとなみのわさにひかれて 長隣 身のうへはなとかをくらき世を照す月日も法の光とを聞 長 伯 閉ま﹀に入てまよはぬ道もかな心の駒ののりしらぬ身は 同当座五十首和歌 遠山霞 有 賀 長 伯 春の色も行末とをき山鳥のおのへの霞なかく忍はん 氷 解 谷 長 右 衛 門 安 重 谷川や氷をいつるなみの花ひもとけ初る春風そふく 若菜 脇 玄 覚 草はみな青み行野の雪間にもつめるわかなはわきてみえぬる 梅 岸部次郎右衛門成昌 朝日かけにほふ軒端の霜とけてをきそふ露に咲る梅かえ 風観斎追悼和歌(下)(日下) 四四六五 四六六 四六七 四六八 四六九 四 七
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四 七 四 七 四七三 龍谷大学論集 四 柳 光 清 欲賀作十郎 春の色を枝のみとりに染かけてかせにふきほす露のあをやき 早 蕨 義 則 山田利兵衛 はる日さす山はいつしか雪消の雫にもゆるみねのさはらひ 近藤十右衛門 浦春月 正 明 須まのうらや霞て暮し警の屋もそれとおとろにみゆる月影 長徳 ちるときのうさも思はてひたすらにまつこそ花のさかり成けれ 待花 西村九郎兵衛 内海右輔 盈重 曙花 あかすみる花のかりねの下ふしに又おもひそふはるの曙 尋残花 良 空 法林寺 尋ねすはありともしらし深山路の雲よりおくに残る桜を 安威新右衛門 憧元 世のうきゃなれもしるらん子をおもひつまに恋てふのへのき﹀すは 維 松 本 源 介 盛 昌 浦人のみるめも春はいかならん藤波か﹀るいその松原 更 衣 北 鷲 見 源 太 良 遁 高 花の香は猶とまるとも立かへてうすき挟にえやはつ﹀まん 松 藤 卯 花 辻玄宝 春 睡四七四 四七五 四七六 四七七 四七八 四七九 四 八
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四 J¥ 四 J¥ 四八三 月雪のたとへふりにしかきねにもまたあらためてまかふ卯花 郭公頻 織田利左衛門 時鳥声ふり出て五月雨のはれ行空ゃあかすなく覧 定栄 長 野 友 故 悌はさなから残るゆめ人のむかしの袖やかほるたちはな 橘 曳菖蒲 野口
友甫 折立てひきそわつらふ五月雨にみかさます回の池のあやめは 早 苗 若山用介 元貞 ゆたけさは声にもしるき千町田のさなへ取々うたふしつのめ 友月 夏月涼 竹林院 夏そとは月もわすれて影やすむはらへと消ぬ霜の真砂地 知啓 早涼至 長井玄迫 うた﹀ねの夢も涼しく秋きぬとおとろかれぬる風の手枕 織女別 西村新兵衛 兼 値 今朝はさそ身をくたくらむ玉くしけふたつの星のあかぬ別に 萩 片岡庄右衛門 光吉 樟鹿やたはれふしけん下折るあしたの原の萩の花つま 素則 秋 タ 風 井 口 八 兵 衛 松にふく梢の風も夕くれの秋をうれふる声のさひしさ﹂七三 風 観 斎 追 悼 和 歌 ( 下 ) ( 日 下 ) 一 四 三四八四 四八五 四八六 四八七 U 4
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n v L F , , , , , , 四八九 四九O
四 九 四 九 龍谷大学論集 一 四 四 内 田 四 郎 三 郎 宜 傍 なかきよを思ひかねてや益庭の葛葉に声うらむ覧 大森 夜 虫 鹿 柳 安 秋の野にまねく尾花をしるへにてつまやとひよる樟鹿の声 山 月 今井玄恕 不 自 立こめし高ねの霧やはれぬらんふもとの川に移る月影 角谷次郎右衛門正雅 野 月 うちなひく尾花か末に照月のかけもなみよるまの﹀秋風 水 郷 月 西 村 惣 左 衛 門 貞 恒 さす舟の高瀬の淀に月更て身にしむはかりすめる川風 鴫 僧 雲 鼓 くれか﹀る伏見の沢田吹風に群たつ鴫の羽音淋しき 霧 若 山 源 介 秀 直 さらてたにくる﹀はやすき秋の日も早立かくすみねの八重霧 浅野喜右衛門 常道 いか計もみちの影の深からん色になかる﹀谷川の水 木 枯 田 中 了 室 長 節 小倉山のこる紅葉を心あらは吹なつくしそ嶺のこからし 十 禅 寺 江 慶 河紅葉 橋上霜四 九 三 四 九 四 四 九 五 四 九 六 四 九 七 四 九 八 四 九 九 五
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行水のひ﹀きもそひてをく霜の色さえ渡る谷のか貯はし 西村与兵衛 寒草 常貞 露ちりし野への萩原冬かれて夕霜とつる風のさむけさ 榎本式部卿 鳩鳥の下のかよひもこの比は絶て氷れる庭の池水 雪 竹 中 平 左 衛 門 広 高 今朝はまた埋もはてす村々に落葉いろある庭の初雪 清 源 寺 孝 琉 池水鳥 秀 成 仏 名 霜雪とつみこしわさは三世の名の光に露は消も残らし 言水 埋 火 池西 うつみ火も消てしらめる峰の雪の面影寒き窓の暁 山口甚右衛門 富群 浅茅生のをのかおもひのほに出ていふにも余る袖の露けさ 言出恋 荻田右衛門 なをさりの心もしらす頼む哉人の言葉の末のまつ山 夢 逢 恋 岸 部 氏 女 契 恋 孝 延 延 こゆと見しあふ坂山もはかなくて覚るや夢の関路成らん 岡田市郎右衛門好澄 後朝恋 よひょひてあふは夢ともわかさりきけさたにきめぬ心まよひに 風観斎追悼和歌(下)(日下) 一 四 五五
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三 五O
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六 五O
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八 五O
九 五 一O
五 龍谷大学論集 一 四 六 津熊九郎左衛門俊有 つ﹀めとも袖のしくれの色に出てうき名たつ田の峰の紅葉﹀ 恨 恋 清 水 新 右 衛 門 常 辰 それと見よ恨みつくせて恋しなはさそ生出むのへの葛葉を 山 館 竹 岸 部 宗 安 顕 恋 長陸 静なるみ山かくれも風ふけはまとよりさはく軒の呉竹 行 路 市 弓 場 勘 右 衛 門 貞 径 立さはく三輪の市路も余所にみて旅行人は杉の下陰 旅 玉 木 幸 介 正 英 岩かねの床おきわかれけふは又いかなるのへに草枕せん 望 遠 帆 雨 森 了 意 洞 宇 なこの海や沖の浪ちを行舟も入日うつろふほかけにそみる 塩屋煙 尼 松 寿 立のほるなたの塩屋の夕煙あまのしわさも空にしられて 往 事 長 隣 幾千世も猶残らなんけふにあひて忍ふ老木の松のことのは 同日/追加十首 野 径 霞 太 田 元 東 貞 隆 下萌のはるの若草ふみしたきかすみにたとる野への通路 水田盈綱堂五 五二ニ 五一四 五一五 五一六 五一七 五一八 五一九 五 二
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深山花 山上主計 近 文 をしなへて春こそ至れ人けなき山路の桜誰かとふらん 村松仁左衛門 暮春雨 達 良 立ぬれし木陰に花は散過てのこる幾日の春雨の空 暁郭公 田 丸 養 貞 待なれしいく暁のほと﹀きすたかねさめをか今はとふらん 鳥居小路民部卿経香 水辺蛍 山川の岩間に落る瀧波にかけもくたけてとふほたる哉 秋 タ 露 井 河 右 京 惟 輔 草葉には化なる物のいかなれは挟に消ぬ秋の夕露 関 掃 衣 弓 場 氏 母 浅 たか里の夢にゃいとふ友ときく老かねさめの夜半のきぬたを 庭 紅 葉 清 水 甚 四 郎 常 之 移り行菊より後の花ならではなにも増る庭のもみちは 冬 夜 月 定 信 院 似 遜 木枯にもる﹀と見えて澄月のかつらのかけは秋にかはらぬ 高倫 杜間雪 冬のはの梢あらはに散過て雪にはへたる森のしめ縄 追 加 於 勢 州 山 固 執 行 之 岡彦右衛門 風観斎追悼和歌(下)(日下) 一 四 七五 五 二 二 五 二 三 五二四 五 二 五 五 二 六 五二七 五 二 八 五二九 龍谷大学論集 一 四 八 寝覚懐旧 杉 木 正 珍 思ひ出る人のむかしそ哀なるたか身も夢の夜のねさめに 仲正 世 木 みし夢におもひかへして老らくのねさめに忍ふこしかたの空 岩間 高邦 覚て後しのふもはかな見し人はなき玉さかの夢のおもかけ 杉 村 光浮 見しやその悌さめてなき人をおもひそ渡る夢のうきはし 忠利 中 村 忘られぬ昔の夢の悌も覚てはかなきあかつきの鐘 岩田 見し夢はさめて帰らぬ和歌の浦の浪の現に忍ふふる事 笠木 賀宗 家 貞 来しかたに立かへりぬる現かときめてもたとる夢のふる道 貞恒 鈴 木 おもひ出て見し夢人をこふる夜はあかぬねさめの床も伶しき 久保倉 弘茂 過きつる人を今更見し夢もうしゃ昔にきめて俺しき 喜 実 宇野
五三
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来しかたを覚ての後もしのへとや夢にはかよふ人のおもかけ 宝永庚寅の孟秋、先師六喰居士病んで、泉の境に残す。散して四方に在る門人許を聞て、絡と無く素と無く、 位を為して働突せすと云ふ事問し。既にして和歌を詠して、或は哀情を述へ、或は冥福を薦めて、積て巻を 為す。夫れ和歌は真知寂静の妙旨にして、五句全体は諸仏円満の尊形なり。故に七々放光忌を修し、E
つ 四 方鱒る所の和歌を供へて、以て之を祭る。庶くは師恩の万乙を報すること有らん。某し業を先師の門に受く ること、年有り。是を以て門葉の輩、以て某の一言を巻末に措かんことを勉めしむ。鳴呼某の誘劣の知き、 何そ信を人に取に足んやロ然と雌も之を勉ること己まず。是に於て験す。 庚寅閏八月十八日/門生水田長隣謹拝書﹂(原漢文、前稿所収写真版参照) ﹁風観斎一回追福和歌下﹂ 風観長雅元夢居士一回思追福兼題和歌 五 三 一 五三二 五三三 五三四 秋 懐 旧 平 無人のむかしの秋をくりかへし思ひみたる﹀しつのをた巻 氏 朝 同 室 信 なき人をいまさら忍ふタ哉同し月日の秋を迎へて 道明 恵極和尚 秋風の吹につけてもおもふ哉むかしの人はいっち行らん 清 涼 寺 孝 燐 しらす見し月は昔の袖の露紅葉の雫身をしほるとは 風観斎追悼和歌(下)(日下) 一 四 九五三五 五三六 五三七 五三八 五三九 五四
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五 四 五四 五四三 龍谷大学論集 一 五O
長隣 うき秋の宿の梢もよそにみて去年にさへ似ぬ袖の露けさ 貞隆 水 田 太 田 みるかひも涙にくもる月そうき昔の秋をおもひかへして 宝積院 円 海 見るたひにむかしの秋の恋しきは月にや人の身をはかへけん 北 鷲 見 通 高 輪りきて思ふもうしゃ露消し遠里をの﹀こその秋風 岸 部 長 陸 ときわかす馴しむかしを思ふにもいと﹀淋しき秋の夕くれ 長節 ふりにける人をおもへは露なみたみたれて袖に秋風そふく 富群 田中 山口
さらてたにうきを身にしる秋も又恩ひそいつるこそのこの比 法林寺 良 空 忍ふれは夢と過にしむかしへも現にかへる秋の面影 高倫 岡 悌は筆に残りて見し秋を法のむしろにしき忍ふ哉 谷 安重五四四 五四五 五四六 五四七 五四八 五四九 五五
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五五 五 五 五五三 うしゃいま荻の葉ならはをとつれも有し世にあふ風は頼まん 藻光堂 如 庵 玉まつる秋の日数のめくるをやうしと見しょの思ひ出にせむ 山 上 近 文 わすられぬ秋やむかしの秋風に思ひくたくる露の玉萩 上 回 及 方 秋の夜のねさめの床も起わひぬむかしをみつる夢の名残に 植下 唯 正 過しょの人はむかしに帰り来ぬ秋をやむしもしたひ俺らん 法雲寺 寿 門 見し人をむかしと思へはいつよりもわきてことしの秋そかなしき 岸 部 葛の葉のうらみかへしてうき秋もむかしに忍ふ野辺の夕風 成 昌 同 妻 の ふ うき秋の露は泊か玉くしけ二たひあはぬむかしおもへは 大 } 11 由 勝 忍ふ哉あてこし秋のことの葉も月にわすれぬ人のむかしを 塩谷 安親 無人の去年のなこりをおもひ出てこの比かなし秋の夕くれ 風観斎追悼和歌(下)(日下) 五五五四 五五五 五五六 五五七 五五八 五五九 五六
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五六 五 六 龍谷大学論集 一 五 西 │日 陰 なかめこし人はむかしの庭の面に空しくすめる秋のよの月 津 田 正 香 めくりきて露そ置そふ別れしはまたとをからぬ秋の挟に 石 橋 直之 袖ふれて花にそ忍ふしめをきし人は昔の庭の秋萩 清 光 院 一 井 おもひ出て涙の露もふる塚の苔路ふかむる秋の悌 小 坂 院 宥 誉 有しょを忍ふ心に余りてや袖にも結ふ秋の夕露 柿本坊 宥実 うき秋は又めくりきてみる月におもひ忘れぬ人の悌 山口
当則 幾秋の心の空に忍はれんをしへて過し文月のかけ 高誉 一 心 寺 秋をへてわすれん物か化なりし蓬か本の露の月かけ 老 松 軒 宗 得 秋風の吹もかひなし高砂の松物いはぬむかしかたりは 川井 J.L 節五六 五六四 五六五 五六六 五六七 五六八 五六九 五七
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五 七 五 七 秋の夜の明るもしらすこしかたのことをあまたに思ひつ﹀けて 足 立 近 良 はかなしゃ行ゑもしらぬ雲水に忍ふむかしの秋の悌 坂上 宣 辰 袖の露も色にそかはるうき秋のむかしを忍ふ心みたれに 同 妻 幸 立かへる物にもあらぬ昔へをみしゃいかなる秋の夜の夢 重義 羽間 騰のみか鳴こそわたれ我も今むかしの秋をおもひつらねて 同妻 豊 過しょを軒端の草の名によせて思ひみたる﹀秋の夕露 岡 風 鑓 袖の露もむかしにかへす恨あれやのへの葛葉の秋の夕風 津 江 良 容 いっとても忘れすなから秋きでは更に昔の人そ恋しき 朝田 長 豊 みしあきのすかたはもとの夢心さめて枕にのこる月かけ 浅 井 矩 永 雲水の空になかめでしたふ世の悌かへす秋の夜の月 風観斎追悼和歌(下)(日下) 一 五 三五七三 五七四 五七五 五七六 五七七 五七八 五七九 五八
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五 J¥ 龍谷大学論集 一 五 四 浅 野 宗予 秋ことの月をあはれと諸共に見しはきのふの夢の世中 岡 西 宗貞 去年の秋なかめし月の悌を思ひ出れは物そかなしき 土井氏女 雅 其秋とさかひはるかにかへりみて心のみちに露そこほる﹀ 保柏 朝かほのはかなき花に置露の消しを忍ふ去年の悌 武 田 正 勝 夕暮の秋はさらてもかなしきになき人忍ふ一年の空 尼 貞 性 けふにあふ月日そかた見秋くれと別し人は立も帰らて 渡部 秦 易 庭はあれて露けき草に咲花もめてし昔の秋や恋らん 宜 見 津田 空にすむ月は昔の月なから有し影みぬ秋そ佑しき 篠 辺 範 秀 ほしもあへす昔を忍ふ袖の露はらふもかなし荻の上風 光徳 田 中五 1¥ 五八三 五八四 五八五 五八六 五八七 五八八 五八九 五九
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五 九 月そ猶こその名残もおもひ出て心つくしの秋のよのそら 光世 同 ﹂しかたの秋をも忍ふ夕くれはなをさりならぬ袖の露けさ 橋 本 光 之 ふるき世を忍ふも軒に色かはる心この葉の秋の夕くれ 利長 めくりくる去年の月日もうき雲の袖さへしほる秋の村雨 中 井 西 村 千之 秋風の去年のやとりもしのはる﹀その名こたかきわかの浦松 精 錬 こしかたを忍ふ心もしほとけきさかひの浦の秋の夕波 如啓 イ 曽 長 井 去年の秋もむかしかたりになしはて﹀悌のこる月そ佑しき 脇 玄覚 鳴虫もあはれこと﹀へこしかたを思ひつ﹀くる秋のねさめに 正純 いにしへを忍ふ泊ゃうかふらんはる﹀も曇る秋のよの月 奥 村 近 藤 正 明 袖のうへにおなし影とややとるらん月は昔の秋を移して 風観斎追悼和歌(下)(日下) 一 五 五五 九 五 九 三 五九四 五九五 五九六 五九七 五九八 五九九 六
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龍谷大学論集 一 五 六 松 本 盛 昌 思ひ出て猶しのへとやふりし世の秋かはらぬ鈴虫の声 竹 中 広 高 幾たひか月にむかひてこしかたを思ひのこさぬ秋のよなよな 水田氏妻 幸 露をきし袖はそのま﹀吹ほきてめくるもつらきこその秋風 以敬斎妻 真 暁の鴫の羽かきかすかすにかそへて忍ふ秋のふること 玉 木 正英 さらぬたにむかし恋しき秋のよの哀なそへそ樟鹿の声 同 妻 染 そのこと﹀むかし忍はぬ昔たに夕はぬれし秋の挟を 尼 松 寿 しほりそふ袖は浅茅か野への露有し別の秋にかはらて 榎 本 秀 成 す﹀むしの声につけてもふるき世のなこり忘れぬ秋そ悲しき 池 西 言水 悌はふる枝にとめて見しあきをこふる泊の露の玉はき 今井 不 自。
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なかめしな月にはいと﹀おもひ出て過にし去年の秋そ恋しき 孝 延 荻田 忍ふ哉別し去年の秋の露かはかぬ袖に月をやとして 三井 ほしわひぬなへての空もうき秋にむかしかけたる袖の上露 昌房 津 熊 俊 有 秋をへて面かはりせぬ月のみやうつりこしょの形見ともみん 西 村 長 徳 わすられぬこその月日も雲水のなかれてはやき秋をしそ思ふ 西 村 貞 恒 見し秋を忍ふにしほる袖の上に初属金や涙そふらん 清水 常辰 吹風やむかしの秋にかへるらん身にしむ袖に露そこほる﹀ 大 森 柳安 ほに出る尾花ならねとこしかたを忍ふにしほる袖のタ露 弓場氏母 哀をもこと﹀ひかはせ見るになをむかし恋しき秋のよの月 浅 秀直 名にしりて覚にし夢のことの葉や幾秋忍ふ種と成らん 若山 風観斎追悼和歌(下)(日下) 一 五 七__._ /¥ __._ /¥ __._ /¥ 六一四 六一五 六一六 六一七 六一八 六一九 龍谷大学論集 一 五 八 織田 こしかたをしのひの岡の秋風に袖は草葉の露そみたる﹀ 安 威 憧 元 一年の秋はめくれと消す世に忍ふは露の玉のことのは 定栄 辻 春 睡 かへりこぬ人のむかしをしたひてや庭のおはなも露にしほる﹀ 角 谷 正 雅 残し置ことの葉くさはうらかれすなを世々毎の秋に忍はん 洞宇 雨 フk 本木 露そをくむかしの秋のうきをさへおもひ出ては忍ふ挟に 弓場 花薄まねく挟にむかしへの悌かへす秋のゆふ風 浅 野 常 道 秋風のをとっれもうしさらぬたにふるきを忍ふ軒の草はに 宜僑 貞 径 内 田 見し秋を忍ふ泊ももろくちる浅茅か野への露の夕風 友利 井
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色かはる萩の上葉に置露やみし秋恋るなみたなるらん 同 素 則六 二
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...J. -/¥ ...J. -/¥ ー.J.... /¥ 六二四 六二五 六 一 一 六 六二七 六二八 六二九 見し秋の忘れぬ夢をいま更になにおとろかす荻の上風 兼値 立かへるむかしならねと年月をなをへたて行秋霧そうき 西 村 矢倉氏母 勝 袖の上に馴てかはらぬ月をこそ忍ふ昔の形見とはみめ 好澄 岡 田 むかしへの人はかへらす諸共に消にし秋の露は結へと 義則 山 田 身にしみておとろかれぬる折ふしもはや一とせの秋の初風 竹林院 友 月 うき秋の去年の哀をこと﹀へは浅茅か原にすたく虫のね イ 首 如 風 秋はきの又咲かはる花見てもかへらぬ人のむかし恋しき 西 村 常 貞 こその秋いつしかけふにめくりきて更に身にしむ袖の夕風 塩 野 善 悦 うたかたのあはれ程なき秋の水なかれてめくるこその月日は 元貞 思ひ出て幾たひぬる﹀袖の露くゐてかへらぬ秋の昔を 若山 風観斎追悼和歌(下)(日下) 一 五 九六 三
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ー 品 -/¥ _._ /¥ _._ 1¥ 六三四 六三五 六 二 一 六 六三七 六三八 龍谷大学論集 一 六O
以敬斎 長 伯 身にかへる物とはなりぬつらかりし荻の上葉の去年の秋風 間当座百首和歌 立春 氏 朝 天の戸も長閑に明て朝日影出る光に春や立らん 朝 霞 長 隣 長閑しなむこ山風の朝なきに芦屋の沖そ先かすむなる 谷 驚の
ふ のとかなる日影とともに谷の戸をあくれは出て鷺のなく 残 雪 長 徳 春はまた朝日寒けき山の端にかすみもあへす残る白雪 若 菜 光 之 はる雨のふる野の沢に賎の女かぬれてたか為わかな摘覧 浅 里 梅 立よれはおとろく計このさとのかきねつ﹀きににほふ梅か﹀ 蒼 々 幸 東屋の軒もる月に影ふかく枝さし入てにほふ梅か﹀ 春 月 貞 恒 去年をこふ春やむかしのなかめまて思ひそ出る鵬夜の月六三九 六 四
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六 四 /¥ 四 六 四 六四四 六四五 六四六 六四七 春 曙 風 錦 心ありてみぬ人つらし難波かた此世にか﹀る春の明ほの 帰 属 常 貞 古郷の春に契りや有明のかすめる月にかへる腐金 春 雨 真 野も山ももる﹀陰なく草はもえ木のめは春の雨そゆたけき 岸 柳 俊有 花ならはいかにいとはん吉野川風に露ちるきしの青柳 待 花 長 節 あさなあさな夜のまに花の咲ぬやと先うちむかふ嶺のしら雲 初々
1L 節 麓よりかつ咲初てにほふ也嶺に先たつ花の春風 見々
近 文 永しとは花みぬ程そ春の日のタ山桜くる﹀まそなき 花盛 遁高 山風はさそへとちらてけふこすはとはかり匂ふみよしの﹀花 落 花 高誉 仮初の色にもそむる世の人の心いさめて花やちるらん 幸 款冬 風観斎追悼和歌(下)(日下) 一 六六四八 六四九 六五
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六五 六五 六五 六五四 六五五 六五六 六五七 龍谷大学論集 一 六 すみの江や春の海へのっとはあれと行手に折む岸の山吹 如風 池藤 朱ならぬ水の翠も紫の色にうはへる池のふちなみ 円 海 暮春 くれて行春をおしとや鐘の音も霞にむせふをはっせの山 更衣 高倫 散はて﹀花は青葉の山姫もぬはてやけふは衣かふらん 卯 花 直 之 行道の月なき夜半もしるへして此下ゃみを照すうの花 待郭公 貞 径 老らくの身にしあらねと時鳥待心よりねさめかちなる 聞郭公 宣 辰 何をさは思ひかねつ﹀ほと﹀きす声五月雨に夜只鳴らん 正雅 時鳥稀 いかて身はうとまれぬらん時鳥宿かれかれに声のなり行 古郷橋 袖ふれて昔植けん人まてもはな橘に忍ふふるさと 早苗 春睡 由 勝 ときなれや野田も山田もをしなへて緑はてなくうふるわかなへ六五八 六五九 六 六
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六 六 六 六 六 六 六六四 六六五 六 六 ム ハ 五月雨 常道 水こえて賎か早苗も取あへす田つら波たつ五月雨の頃 鵜 JII 洞字 うかひ舟のほりかねてや瀧川の早瀬の波によとむか﹀り火 叢 蛍 之 貞 月すめと影はけされす茂き野﹀草のはかくれすたく蛍は 夏 草 友月 分倍ぬきらてもふかき蓬生にしけりあらそふ庭の夏草 定栄 夏 月 飛鳥川淵瀬わかれてすむ影の底に涼しき夏のよの月 夕 立 義則 波ょする議辺の松に風見えて沖よりはる﹀ゆふ立の雲 杜 輝 正 勝 雫こそ袖には落ね鳴蝉の声のしくれは森の下陰 夏 政 好 澄 涼しさはけふ社あかね御蔽川あすより先の秋の白波 早秋 長 陸 朝戸明てみれは露ちる小山田のいなは涼しき秋の初風 七 夕 勝 風観斎追悼和歌(下)(日下) 一 六六六七 六六八 六六九 六七
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七 七 六七 六七四 六七五 六七六 龍谷大学論集 一 六 四 稀にあふ今夜の星は一言の葉もつきせぬ秋やさそ契るらん 荻 風 玄 覚 なひきあふ薄ましりの荻のはもをとそふ風にそれとしらる﹀ 宜 見 風吹はしつえ乱れて紫の色に露ちるま﹀の萩はら 女 郎 花 当 則 タ露にぬれつ﹀たてる女郎花たかかねことの末をたのみて タ 虫 安 親 ゆふされは野へのくす原吹風に鳴たつ虫の声うらむ也 荻 露 正 朋 夜鹿 秋萩の夜の錦も月にいまめて﹀小鹿や野へに鳴らん 初腐 良容 秋風の吹のまにまに聞ゆ也荻の葉ならぬ初腐の声 重義 うしとてもなに﹀かこたん天地の心にうこく秋の夕くれ 富 群 秋タ
山 月 写し絵もいかて及はん墨染の夕の嶺に出る月かけ 野 月 汝 啓 武蔵野のはてなき月も秋の夜の明る限りや空におしまん六七七 六七八 六七九 六 八
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﹂ 、 旬 、 、 ]/,/ ﹂ 、 、 1‘ 、 ] / l ' ﹂ 、 可 、 、 }/,/ 六八四 六八五 JII 月 正英 行水も流れて世々に澄わたる影白川の秋の夜の月 江 月 矩永 いまも猶みふねこかなん堀江には玉しくはかりすめる月影 浦月 寿 門 嬢捨の山は物かは照月の影すみのぼる須磨の浦波 簸菊 一 井 秋草の花野の色も及はめや菊の千種に匂ふまかきは 構 衣 禅 僧 精 錬 遠里のをのか夜寒も余所にしる賎かきぬたの風にひ﹀きて 暁霧 友 利 鳴鳥の声するさとは立こめて霧のうへよりしらむ山のは 岡紅葉 露しくれそめし梢を尋ねきであかすむかひの岡のもみちは 広高 庭々々 利 長 影高くさすや夕日も紅に軒の松はふ蔦のもみちは 九月尽 貞 隆 月見しは夜比の夢とうつりきてけふの現に秋そくれぬる 初冬 安重 風観斎追悼和歌(下)(日下) 一 六 五六 八 六 六 八 七 ﹂ 、 、 1K1
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τ ノ , j , ノ 六 八 九 六 九O
六 九 六 九 六 九 六 九 四 六 九 五 龍谷大学論集 一 六 六 風さむみきのふは冬を松垣のひまよりしらむ霜の明ほの 時 雨 宜 偉 みるま﹀に浮雲こえて末の松山をしくれのよそに過行 落 葉 │ 日 陰 残りなくさそふ山風心せよさらでも落る木々のもみちを 柳安 分馴しあきの花の﹀露のまにはや置かはる冬の朝霜 秀成 朝 霜 寒草 見し秋の風のやとりは冬枯て夕霜さやく庭の荻原 千鳥 貞 性 風ふけは賎の岩こす夕波に立ゐる千鳥声さはく也 水鳥 妻やこふっかへる鴛も池水の氷る夜床はよそにはなれて 宥実 氷初結 e ま=-万立 得 かち人もあやふみ初る朝川や浅せ白波うす氷して 冬 月 兼 値 夏の霜秋の氷はうつもれて雪にきみたる冬のよの月 鷹 狩 百 水 かり人の身にもたへすゃなつむらん片野の霜の深き夕は六九六 六九七 六九八 六九九
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三 七O
四 西村玄仙 千之 野鍍 野を寒みかれし尾花か袖の上にふれとたまらて散鍍哉 浅雪 近 良 けふはまた降も浅野﹀冬草に花咲ぬやとまかふ白雪 積 雪 如 庵 松か枝につもれはしつる程見えて木陰に高き今朝のしら雪 閑中雪 及 方 人とはて雪は日くらし降つもる嵯峨の﹀おくの庵そしつけき 歳暮 行年は引もと﹀めすたか宿もなやらふ弓の春や待らん 成 田 Eヨ 寄月恋 信 なかむれはいと﹀涙にくもりけり忘れ形見の秋の夜の月 唯 正々 壁
言 々
逢と見し夢の行ゑの雲となり雨となりてや袖のしほる﹀々
露
々
居士, 刀 " 貞 恋草に思ひみたれて置露のきゆとも身をはおしまさらまし々
雨
々
松 寿 春雨のふるやに生る草の名の忍ふ涙ももりやしてまし々
風
々
常辰 風観斎追悼和歌(下)(日下) 一 六 七七
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五 七O
六 七O
七 七O
八 七O
九 七 一O
七 七 七 二 ニ 七 一 四 龍谷大学論集 一 六 八 思ひねの夢もはかなくさむしろにうき身をしほる夜半の秋かせ 寄山恋 憧元 いつまでかおもひかさねんうき恋の心のちりも山とつもりで々
関
々
孝 延 を か へたてなく越てうれしき逢坂の別はとむる関守もかな々
海
々
染 わするなよ塩の八百重はへたつ共なとかなからん波のかよひち々
原
々
光 世 かはり行心有馬の山風にさはき初たるゐなのさ﹀はら々
橋
々
素 則 秋を待ちきりならてもうき中に一夜はわたせかさ﹀きのはし々
木
々
善
悦
風かよふ軒の柳にたくへ見よ思ひみたれて恋る心を々
草
々
宗予 みたる共人はしらしなみつ塩に入ぬる磁の波の下草々
鳥
々
不 白 あふといへは明ぬ夜をさへうしゃなとやもめ烏のおとろかすらん 寄虫恋 易 聞わひぬ待にこぬ夜のねやの戸をうしやさせてふ虫のなくねは七一五 七一六 七一七 七一八 七一九 七 二
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, 七 七二二 七二三々
獣
々
光 徳 うしゃ又独ふすゐのおもひして待にこぬよの床の露けさ 範秀々
玉
々
あくかる﹀我玉の緒よ絶ね只それ共人のむすひとめすは々
鋭
々
正純 おもひ佑やつれそ噌る朝鏡みるにしもとの影は残らて々
枕
々
しらせはや幾夜はらはて徒に枕の鹿も積る恨を々
衣
々
盛
田
閏
いとせめてかへすもはかな恋衣待にこぬ夜の夢を頼みに々
糸
々
豊
うしゃ人いつうちとけん心ともおもひわかれぬ賎かしけ糸 昌房 浦 松 孝 琉 舟よそふ梶島出てよさの浦やみるめこえたる橋立の松 窓 竹 秀 直 植しよりひなの住家もひなならて君とそあふく窓の呉竹 山家嵐 良 空 聞なれてさしもとかめぬ松の戸はた﹀くあらしもかひゃなからん 国 家 雅 風観斎追悼和歌(下)(日下) 一 六 九七二四 七 二 五 七二六 七二七 七二八 七二九 七 三
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七 三 一 七 三 二 龍谷大学論集 一 七 O 人もとへ田中の庵のあせったひ鴫たつくれに堪ぬ思ひを 宥誉 古郷 露霜に軒端は朽て住人も嵐のみ吹秋の古郷 海路 正 香 波風に行ゑもしらし友舟のげふの泊りを契置とも 輯旅 長豊 旅衣幾重の山をへたてきて猶末とをき白川の関 述 懐 椋 柏 三輪の山たとる心も尋ねみす化に月日を杉の下道 道 明 釈教 みな人の心のうちに有明の月そ浮世のやみは照さん 祝言 長 伯 世と共にたえすさかへむうこきなき此国の名のしきしまの道 同法廷当座五十首和歌 山早春 長隣勧進之 長 伯 いたるらん春は千里の末かけて山よりかすむ明ほの﹀空 正 卓 雪中鴛 かきくらし空社わかねうくひすの声はうつまぬ春の淡雪 橋上霞 直 正七三三 七三四 七三五 七三六 七三七 七三八 七三九 七四
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七 四 七 四 山の端はかすみに消て夕月の面影わたるみねの懸橋 通高 路 梅 むかしたれ路の行手に詠むらん初瀬の里ににほふ梅か﹀ 岸 柳 雅 宣 影清み岸行水にうちたれて緑あらそふ春の青柳 旅 春 雨 泰 能 旅衣木曽の御坂もこえわひぬかけち春行雨の日くらし 遠帰属 正 勝 声せすは見をくらましゃ限りなき雲井のよそに帰る腐金 春 月 尼寿蓮 さたかには見ぬ影もよし春の月ふかき霞や哀そふらん 庭 花 長 陸 円居せし春はむかしの庭の面にむなしく残る花のうつりか 高倫 翫花 あかなくの我そ深山木咲にほふ花のかたはら立もはなれす 落花 長 節 今朝みれはまかひしみねの雲晴て谷をさかりに花そちりしく 款冬盛 義 海 をのれさへ折しりかほに蛙なくゐての山吹けふさかり也 風観斎追悼和歌(下)(日下) 七七四三 七四四 七四五 七四六 七 四 ー 七 七四八 七四九 七五
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ー七 五 龍谷大学論集 七 重直 くる﹀より月とやたのむ柴人のかへる岩ねの路のうのはな 卯 花 重匡 けふも又賎のをた巻くりかへし幾千町田に早苗とるらん 早苗多 郭 公 家治 立ぬれて我もきかまし五月雨の雲間になのる山ほと﹀きす 里郭公 富 群 所から待かひありてほと﹀きす初音おしまぬすみよしの里 夜虚橘 政 明 吹入るすきま涼しき小夜風に床さへにほふ軒の立花 汝啓 簸程麦 野へにさく秋の千種も及はめや花のまかきのやまとなてしこ 江蛍 義慣 はかなしやおもひ入江に飛蛍秋風ふかはともしけちなん 初 秋 有 勝 今朝よりは秋をかけてや立波の花もしぼめる浦風そふく 萩 露 の ふ 世中はかくこそあれと萩か枝にむすふももろく露みたるらん 荻 風 永民七 五 七五三 七五四 七五五 七五六 七五七 七五八 七五九 七六
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七 /¥ いかなれはうき音たて﹀タ々風を友なる庭の荻はら 尋虫声 近文 おぼつかないかなる露の草かくれありとたつねんのへの虫のね 秋タ 遁れ入かたも中々秋の山うきは身にそふ夕くれの空 安重 野径月 茂 貞 露分てをの﹀細道尋れは椎のさ枝に月はすみけり 関 月 霊 空 秋ふかみ関守波の月影に風も清見か浦のさやけさ 船中月 重種 さす樟の雫曇らて行舟のまほにさやけき波の上の月 暁鹿 周栄 長き夜もうき妻恋に有明の月やかこちて男鹿鳴らん 崎霧 深き夜を松残して箱崎や明かたくらきうき霧の空 重 義 掃衣幽 里遠み空に声して明かたの月もほのかにうつ衣かな 言氏 タ紅葉 幽 閑 立まよふ雲のまにまに初瀬山夕日か﹀やく嶺の紅葉﹀ 風観斎追悼和歌(下)(日下) 一 七 三七 六 七 /¥ 七六四 七六五 七六六 七六七 七六八 七六九 七 七
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龍谷大学論集 一 七 四 朝時雨 信知 雲か﹀る山のはさえて朝彦の影もさためすふるしくれ哉 竹 霜 雅 宣 霜やたひをく程見えて窓ちかき竹のはさやく音のさむけき 池水鳥 由 明 をし鴨の鳴ねもさむし池水のこほりの床をはらふ羽風に 島 千 鳥 円 海 浦さゆる島廻の松の雪折にをのれもたへす千鳥鳴也 豊 資 浅雪 雪はまた朝引駒の跡見えてかしきもはかぬ越の里人 湖 雪 富 田 氏 某 波の上はつもらぬ雪を小舟こく志賀津の聾や袖にみすらん 良 空 惜歳暮 玉まつるその悌にゆく年をしたひそへでもおしむ暮哉 寄雲恋 寿蓮 見せはやなあまつ空行うき雲の思ひみたる﹀袖の泊を々
露
々
由 明 消ね只床は草葉の露とのみひとり起ゐて物思ふ身は々
煙
々
重 直七 七 七 七 七七三 七 七 四 七七五 七七六 七七七 七七八 七七九 七八
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しらし人心浅間の山ならてくゆるおもひの煙ありとは 々草々 正 勝 おもひ草茂りそひ行中そうきねたくも結ふよそのちきりに 々杉々 不残 まれにたに逢坂山はこえもせて名のみ強面たてる杉むら 々枕々 成 昌 かきりともしらて別れし暁のその手枕や形見成らん 正卓 山家 入しよりうこかぬ山を契りにてあらんかきりのみねの下庵 国 家 正 陽 稲むしろしきや佑らん小山田に庵もる袖の露の秋風 義海 関中灯 山嵐ふきすさむ夜は心さへかすかにむかふ窓のともし火 器 旅 信 知 風吹はかりねの枕露ちりて心くたくるゐなの笹原 懐旧 ありし世は夢とまきれて言の葉の姿の外にみる影もなし 有 勝 仏前祝 長 隣 朽せしなあふく仏のみそきなること葉の花の世々の手向は 風観斎追悼和歌(下)(日下) 一 七 五龍谷大学論集 一 七 六 ( 翻 字 了 ) ︻ 補 記 ︼ 右の関連資料として、寸長雅七回忌追福和歌百首﹂がある。宇城由文氏﹁池西雷同水年譜﹂(﹃池西言水の研究﹄ニ