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デンマーク余暇教育法解説

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デソ々一ク余暇教育法解説 (97)

デンマーク余暇教育法解説

大 蔵 隆 雄訳

  まえがき

 昨年(1972年)私は,都の在外研究員として,13年ぶりにデソマークを訪れ る事が出来た。そして一見物静かに安定しているようにみえるこの北欧の一小 国の社会にも,13年の問にいくつかの大きな変化が表われている事を知った。

何よりも先ず,永年伝統的にこの国を支えて来た農業のもつ意味が相対的に低 下し,今やデソマークが工業社会として再生しつつある姿が印象的であった。

そしてこの事は,デソマークの社会教育の現実においても例外ではなかった。

たしかに,すでに1960年の段階において,私は,「デソマークの国民高等学校 は過去の輝しい栄光によってのみ生きている」という感想を抱いていた。恐ら

く当時にあっては,デソマークの国民高等学校関係者のごく一部によってしか 支持されなかったであろうその事態は,1972年には更に深刻なものとなってい た。昨年の春,ある有力紙にデンマークの現職国民高等学校長が,国民高等学 校の運命は10年か15年程度のものであろう,とのべて論議をまき起す迄に至っ

ているのである。100年以上の伝統をもつ,デソマークの国民高等学校が,今 後どの様な形でデソマーク社会の中に位置ついて行くのか予想する事は困難で

ある。しかし,少くとも,職業的な教育は行なわず一般教養に基づく人間教育 を重視し,そこへの在学が,普通は何等の資格取得の要件となり得ないこの伝 統的なデソマーク国民高等学校が,工業社会の中に生きなけれぽならぬ青年達 にとって,それ程魅力のあるものではなくなりつつある事は事実のようであ

る。今にするならぽ,デソマーク国民高等学校とは農業社会の産物であった,

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(98) デソー7・一一ク余暇教育法解説

という印象を強くもつ。

 ここ数年,デソマークの社会教育に対する関心を失っていた私は,不勉強か つうかつにも,デンマークに社会教育法が出来上っている事を知らなかった。

1968年の余暇教育法がそれである。早速私はその法律の勉強にとりかかった が,その手掛りとなったのが,ここに訳出した,アーナ・エンビヤウArne Engberg氏著「余暇法」Fritidloven(1971年8月発行)である。同書は,「余 暇教育等に関する法律」その他の関係法規の本文及び資料を収録し,それにエ

ソビヤウ氏が解説と註釈を加えたものである。ここに報告するのは,同氏の解 説の全文(註を除く)であるが,わが国の文部省が訳出した,「海外資料・余 暇を利用して行なう教育等に関する法律デンー?・・一ク」という小冊子を併読して 載けると幸いである。

 何分私の貧弱な語学力のため,充分な理解を以て訳出し得たか不安ではあ る。殊に我が国とデソマークの教育制度のあり方の違いによりデソマークの社 会教育の実態を示す表現となり得たか否かに些か問題を感じている。例えぽデ

ソマーク語のLederを日本の社会教育流に指導者とするか校長とするか,等で ある。この場合には,デソマーク語のもつニュアソスをくみとって,時には行 政的指導者とし,青年学校のLederなどの場合には校長とした。

 何れにしろ,本訳文は,私のデンマーク語学習上の習作にすぎない面が強 く,その意味からも,諸先生方の御教示を特にお願いしたいと思っている。

 なお,これがどれ程つたないものであるとしても,デソマーク滞在中,私生 活の面でも,また研究の面でも常に励ましと御教えを賜った特殊学校長アスカ

・ネヤゴー氏御夫妻の友情を抜きにしてはあり得なかったであろう。最後に,

遊学の機会を快く与えて下さった,人文学部特に教育学研究室の諸先生・助手

の皆様に厚く御礼を申し上げたい。

(3)

デソマーク余暇教育法解説 (99)

      序 章

       A.余暇教育等に関する法律          Lov om fritidsundervisning m. v.

      1968年6月6日公布 第233号

 1969年6月4日の法律第247号・1969年6月4日の法律第250号・1970年5月 27日の法律第234号並びに1971年4月28日の法律第177号による改正並びに補追

を伴う。

 1.法改正

 青年学校並びに夜間学校等に関する法律(1960年6月14日布告第257号)第 53条第4項にかかわって,青年学校・夜間学校法は,おそくとも1964−5国会 年度迄に改正案が国会に提出されなければならぬ事になっていた。だが,それ

は1965−66国会年度まで延期され,そして,更にもう1年1966−7国会年度迄 延期された。文部大臣は新立法の提案作成のための3委員会を設けたが,未だ その報告が提出されていなかったのである。

 新法案が提出される以前に,この法の第30条が改正され,1967年4月1日以 降は,第8義務教育修了学年(Hovedskoleklasse)及び第9・10学年の授業 に対する町村支出への国庫補助金は支払われないことになった。

2.法案

 余暇教育等に関する法律の法案は,第1回目が1966年12月17日に提出された が,最終読会にまで至らなかった。第2回目の提案は,1967年10月4日になさ れたが,その法案も1968年1月23日の国会選挙のため最終読会にまで至らなか

った。3回目の提案が1968年2月28日に行なわれた。

 法案は前述の3委員会が提出した次の3つの報告書に基づいて作成されてい

る。

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(100) デンマー・ク余暇教育法解説

 1) 余暇委員会が提出した余暇の組織化に関する1965年4月6日の報告書第   386号(赤表紙報告書)

 2)夜間学校委員会が提出した成人のための余暇教育に関する1965年5月2   日の報告書第396号(緑表紙報告書)

 3) 教育学的研究委員会が提出した青年学校に関する1969年6月14日の報告   書第430号(黄表紙報告書)

 その他,1968年5月15日に授業委員会が提出した余暇教育に関する法律のた めの法案に関する報告書及び1968年5月24日提出の同報告書続編1967年8月 14日の同委員会報告,も参考にされた。

 3. 通過成立した法律

 この法律は1968年5月29日国会の第3読会を通過し,余暇教育等に関する 1968年6月6日の法律第233号として公布された。

 1969年8月1日に効力を発するこの法律は,青年学校並びに夜間学校等に関 する法律の1960年6月14日布告第257号の諸条項にとって代るものである。

 新法では次の諸点が削除される事になる。

 1) 第8義務数育修了学年及び第9・10学年に対する市町村への特別国庫補   助金

 2)現在では単独法となっている補習学校(Efterskole)に関する章。特別   国庫補助金を受ける補習学校は,それぞれの単独法をもつ国民高等学校・

  農業学校・家政学校・自由学校(Friskole)のような私立国庫補助学校に   比すべきものである。

   更に,夜間学校と青年学校は,補習学校が全く関係をもたない市町村の   行政機構に所属する。

3)農業技術関係の学校は,今後一つの特殊な学校形態とは見敬されず,職

  業課程に関する本法第55条にかかわるものとされる。

(5)

デンー?・一一ク余暇教育法解説 (101)

本法は次の各章から成っている。

1)青年学校

2)青少年余暇活動

3) 成人余暇教育 4) 補助文化施設

5)行政

6)国民大学活動

7) 通信教育学校

8)船員のための余暇教育 9)余暇相談員Konsulenter

10)行政的指導者(校長)Leder及び指導者(教員)Laererの養成 11)教室等の施設

12)無効・有効に関する諸条項等

青年学校の活動に関しても多くの改正が行なわれたが,特に大幅改正の対象 となったのは成人余暇教育である。

 4.青年単校

 1960/61年に青年学校には約1万8千人の生徒が在席していた。それが,1967

/8年には8万2千人にもふえた。このようにその発展は爆発的に目覚しいも のがある。その背景には満14才以降も学校に行こうとする青年の数が増えた事

もあるが,同時に現在では徒弟学校の授業が昼間に行なわれるようになったこ とも関係している。青年学校は実業的な授業は行なわぬ学校として出発した が,今日では14才から18才までの間のあらゆる青年のための補習余暇教育機関

となっている。

 新しい形の要点は次の如きものである。

 1)今迄の青年学校の形態の3つの部分(普通・職業・2年制)に代って,

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(102) デンマーク余暇教育法解説

 今度は1つの学校形態についてのべている。その学校の中でいくつかの形  の教育が与えられる。

2) 上述の各種の教育の提供と同様,心身障害者のための特殊教育を開設す  る事が市町村に義務づけられている。

3)青年学校の余暇活動(例えぽクラブやキャソプ学校)に関する条項は,

 これ等の活動が青年学校の重要な部分に属するものである事を強調するた  めに,此度は青年学校に関する法文の第1条でとり上げられている。

4)各市町村は各自が直面する青年学校問題の解決案を作る事を義務づけら  れている。この事と関って,いくつかの市町村同志が共同作業を行なうこ  とが予想される。これ等の青年学校の教科に関する県(Amt)や県連合な  いし全デンマークの案を統一化する事は必要であると思われる。一定数の  参加者が集った場合に青年学校教育を実施する事は市町村の義務であるか  ら,国はそれ以上に,授業は1時限当り一定の生徒数に達すべきである,

 といったような補助金支出の条件づけを行なう事はしない。

 5.青少年余暇活動

 旧法においては,余暇活動に関する条項は開かれた青年クラブについては第 44条に,施設に対する補助金については第55条にもり込まれていた。新法にお

いては,それ以外にも余暇活動の新しい形をとり入れている。すなわち,子ど もと青年のための興味グループの導入である。ここに,一方においては,以前 は社会省の管轄下にあった学校クラブが含まれるようになり,他方,学校・子 ども団体や青年団体その他の関係組織が行なう青少年活動を発展させるための 国庫補助の可能性を開いたのである。

 諸団体の施設のための支出に対する補助金交付は次のように変更された。政

治的・宗教的色彩の強い青年事業に対しては補助しないという原則は廃止さ

れ,また,14才制限の廃止によって今度は子供諸組織に対する補助金交付の可

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デンマーク余暇教育法解説 (103)

能性が開かれたのである。25才以上制限は継続されており,やはり今度も,た とえその会員の半数以上が25才以下であったとしても,25才以上の会員に対し ては補助金は与えられない。この条項は殊にある種のスポーツクラブに対する 補助金の減額を意味するであろう。以前の補助金積算の基礎としての会員一人

あたり2クローネは廃止された。今後補助は教室に対してのみならず,屋外施 設に対しても与えられる。

 青年クラブの場合,何れのクラブが社会省に属し,何れが文部省に属する か,その範囲については何等の変更も加えられていない。以前は青年委員会

(Ungdomsneevn)が地方青年クラブの管理機構として存在していた。今後は,

本法の第31条により,これ等のクラブは自己管理機構をもつことになる。

 青少年事業のための施設の設立・整備に対して補助金が与えられる。本法第 105条による補助金は50%,最高2万5千クローネまでとする。

 更に,本法第106条により,私的な青少年余暇活動のための建物の購入ない し建築に関しては,低利の国庫貸付けが与えられる。

 また,相談員への給与及び行政的指導者や指導者の養成に対する支出  そ れぞれ第100条・101条一にも補助が与えられる。

 6. 成人余暇教育

 1963年の報告書第396号103頁に,夜間学校・夜間高等学校・講座及び後にふ れる新しい事業形態の総称として成人余暇教育と名づけることが提案されてい る。この名称は,その活動が,成人向けに組織され,成人にふさわしいものであ ること,また,彼等の余暇に行なわれるものであること,の意味を含んでいる。

 夜間学校の授業時間の主要な部分が昼間に行なわれるようになっても,夜間 学校という名称を変更する必要はない。その意味内容はどうであろうと,名前

というのは徐々に人々の意識の中にとけ込んでゆくものである。

 成人余暇教育はあらゆる曜日に開かれてよく,また,午後や夜間だけでなく

(8)

(104)

デソマーク余暇教育法解説

午前中でも構わない。教育はまた恐らく寄宿制学校の形式で短期間に圧縮され た形で行なわれてもよい。そこでは丸一日につぎ最高8時間の授業が行なわれ る。また,市町村は当該市町村の区域外で行なわれようとする授業の認可を拒 否することが出来る。

 本法においては,職業コース並びに準備コースという名称の下に教育と認め られる領域が広がっている。

 更に,どんなに拡大解釈しても教育とはいえず,単にある一人の参加者の個 人的な企てであり,その実践であるにすぎないような余暇の仕事に対しても,

ちゃんと補助が与えられる。このような事業形態は成人興味ゲループという名 称の下に認可されるのである。

 その他,例えば心身障害者のための特殊教育とか外国航路の船員のための啓 蒙事業とかいったより特殊な成人集団に対する教育も実施されうる。

 国民大学事業は本法及び通信教育活動拡張に関する条項にくみ込まれてい

る。

 管理運営(行政的指導者)に対する要求は強められて,余暇教育の指導者の ための講習会活動が拡充されれば,指導者免許に対する資格条件が次第に厳し

くなるであろう。市町村及び県青年委員会は今までよりも一層強い権限を与え られることになっている。

 教室割当に関する市町村の義務的な仕事は利用出来る既設の教室の範囲内に 限られる。従って,教室の新設を行なう事までは含まれていない。

 夜間学校は成人に,その余暇の間に人間教育を与えるべきものである。夜間 学校のあるテーマや科目が認可されるかどうかは,ただに,それが応わしい教 育を与える事が出来るかどうか,また,その授業に充分なだけの受講生を集め

る事が出来るかどうかによる。だが,他の法律によって規制されている教育や 科目は認可されない。

 夜間高等学校は,今迄のように,人文科学的テーマないし社会科学的テーマ

(9)

デンー1・一・ク余暇教育法解説 (105)

の中で幅の広い教育を施すよう運営されるべきものである。更に今回は,その 他自然科学的テーマに対しても門が開かれるようになった。また,全く新規

に,短期間の夜間高等学校課程も指向されている。それは最少限10時間以上 で,それと関連のある他の授業のための補習教育を与えるものである。

 講座もまた,夜間高等学校と同様,自然科学的テーマをも含むために拡大テ ーマサークルを併設して来た。これ迄と同様,一つの講座は一一 つのテーマサー クルだけをもつべきである。すなわち,これによって,いくつかの講義の間に 関連づけが行なわれ,それ等の講義が自然に一つの全体性をかもし出すのであ

る。長期の講座の場合,質の高い講義をとり揃えるのがむずかしい事が分った ので,総講義数は6つから4つにへらされた。

 本法にとり入れられた余暇教育のための新しい形態として,学習サークル・

準備課程・特殊教育・職業課程・成人興味グループがある。

 学習サークル(第43−45条)とは,自分達お互いの間で作業を行ない,かつ,

適当な学習材料をもとにして,人文・社会・自然の分野の中から何か一つの決

ったテーマについて学習するグループのこと,と考えられている。あるテーマ

についての討論を通して,参加者達が,提起された論争の結論を引き出す練習

をすることに意味があるのである。学習サークルのテーマは,夜間高等学校な

いし夜間学校のテーマサークルの中からとりあげられる事が出来る。テーマ如

何に関わらず,学習サークルは夜間高等学校の課程ないし夜間学校の課程の何

れかの一部として認定されることが出来る。参加者それぞれの個人的な努力が

作業の完遂に重要な意味をもつように一参加者が多すぎて活動が停滞すると

いう事がないように  この法律では,一りの学習サークルの参加者数は最高

16名に限られている。補助金を受けるには,学習サークルは登録者の中1時限

平均最低8名によって運営されていなければならない。学習サt−一一 一クル指導者は

先ず何よりも,学習サークル指導の技術を身につけていなけれぽならない。す

なわち,グル・一 一プを指導し,それがうまく機能するようグループを把握し,共

(10)

(106) デンマーク余暇教育法解説

同作業を営むことが出来る能力を身につける事が必要である。そのテーマに関 する特別な知識は夜間高等学校レベルの学習サークルに回された時にだけ必要

であるにすぎない。

 準備課程(第49−51条)は,国家管理の検査ないし試験の準備のためのもの であり,それ等と共に終了する。本法はここで,長期の一連の教育の全部ある いは一部が余暇教育として与えられうる可能性を充分に与えている。準備課程 は最低10人の生徒が集れば開かれねばならない。この条件があるので,補助金 を受けるための一定の…時限当り平均出席生徒数は要求されない。

 特殊教育(第52−54条)は,何等かの障害をもった成人に適用される。そこ では,次の障害が対象として考えられている。読み書き遅進・運動障害・聾及 び難聴・盲及び弱視・言語障害・心理障害及び心理異常である。市町村は2名 の生徒が教育をうけに集ったならば,特殊教育を行なう事を義務づけられてい る。それ故,補助金をうけるための一定の一時限当りの平均出席生徒数は要求 されない。市町村は他の市町村と話し合って,特殊教育を合同実施する事によ ってその責任を満すことが出来る。

 職業課程(第55−57条)は,従来の農業関係の諸学校の条項をうけついでい る。だが更に,ここでは,ある特定の労働領域を対象とする余暇教育について もふれている。例えば,現職教育コース・再教育コース・再生コース等がかか わってくるであろう。こうして,これ等の条項は家事労働婦人,つまり,今後 家庭の外に出て働くために再生教育をうけたいと望んでいる家庭婦人をもその 視野にi捉えているのである。この課程は水準・質・有効性の点に関して,労働 市場の諸機関から認められてしかるべきである。補助金をうけるためには,平 均一時限当り登録参加者の中の最低限10名が,その授業に出席していなけれぽ ならない。

 成人興味ゲループ これ等のグル・・一一プのもつ意味は,教育的性格というより

[趣味的性格の強い夜間学校活動を公認するところにあるQこの中で,このグル

(11)

デソマーク余暇教育法解説 (107)

一プに属する生徒達は自らをさらけ出す。そして,各々の生徒が自らの活動の 日標を自分で決めるが,それを必要とする限りにおいて,グループの講師の助 言と指導をうげることも出来る。その活動は実用的ないし音楽関係のテ・一一  ?に

属するようなものである。例えぽ,趣味としての家庭工作Husflid・スロイド

・手工・造形・技術的ないし機械的分野・自己体操等,夜間学校の科目として は問題にされないようなものが,興味グループの場合にはとり上げられるので ある。夜間学校その他の場所ですでに科目の基礎的な技術を学んだことのある 人にとっても,また,ちゃんとした教育の必要を感せず,それ故に以前に夜間 学校に行ったことのない人達にとっても,このグループは魅力あるものとなる であろう。補助金を受けるには,グルt−一一プは一時限当り平均10人の参加者を必

要とする。

 7,文化施設

 認可された青年学校活動・青少年余暇活動及び成人余暇活動に関連する,講 演会・音楽会・美術展覧会・映画シリーズ・演劇等々の補助文化施設に対し

て,国庫補助金が与えられる事が出来る。それ等の文化施設のもつ意味は,系 列の違った課程の間に関係を作り出す事にある。それによって,異成分から成

る地方文化活動に全体性と関連性とがもたらされるのである。

 8.行政

 1969年8月1日に効力を発した本法の場合,1970年4月1日の市町村合併実 施によって生ずる行政再編成のために,行政に関して何等かの本質的変更が加 えられるということはない。ただ,夜間学校諮問委員会は,市町村間の拡大共 同活動が実施されれば,これを省く事もできる。新条項により,青年教育局の 諮問機関とも称さるべき恒久的な審議会が,青年教育及び成人余暇教育に関す

る事項を対象として,余暇審議会と共に設置されるQ更にまた,青年教育局と

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(108) デソマーク余暇教育法解説

未熟練労働者のための教育審議会との間に合同委員会が設置される。この連絡 委員会は,これ等二つの機関に対して,具体的な共同作業問題に関する勧告を 行なうことが出来る。

  9.国民大学活動

 前世紀の終りに,コペンハーゲンとオーフッスの外廓地域に設立された国民 大学委員会は,その後講演会や長期講演会を開催して来た。コペンハーゲンや

オーフッスでは,国民大学がその仕事を行なって来た。

 デンマークには,国民大学委員会が受け入れた約100の国民大学協会や国民 大学運営委員会があり,前述のような教育活動の開催を引きうけている。近代 的な地域社会は次第に特殊化の傾向が生じて来ているので,こうした教育に対 する必要が益々強まっている。

 前述のような教育は,まず第一一に,研究者が自らの専門領域に関して解説す るといった一般的な間口の広い一連の講義を行なうのが普通の形である。しか し,それ以上に,受講者がより長時間の研究方法論についての教育をうける事 によって,研究方法になじみ,そして自らの作品を提出する口∫能性を獲得す る,といったもっと徹底したコースも見られる。その年々の財政法によって,

この国民大学活動に対する国庫補助の額はかなり違っている。そして今では当 然,この国民大学活動はいくつかの形態から成る余暇教育の一つとして立法的 にふさわしいものである,と考えられるようになってきている。そこで,国民 大学活動の提供と開催の準備とに関して,国民大学委員会と県青年委員会及び 市町村青年委員会との間に適切な共同作業が行なわれるようになる事が期待さ れている。

10. 通信教育学校

新しい条項に基づき,通信教育学校の生徒に対する教育の質などを充分に保

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デンー1・一一ク余暇教育法解説 (109)

証する努力が払われてきている。従来から,通信教育学校は国家管理ともいう べきものであって,通信教育学校監督に関する1962年6月1日の文部省通牒に

よって定められた諸条件を満さなけれぽならなかった。1968年法においては,

その条項は強化され,国家管理通信教育学校に対してのみ国庫補助が与えら れ,国家管理の下にない通信教育学校は国家管理という名称もしくはそれとま

ぎらわしい名称を用いてはならないことになった。違反に対しては罰金が課せ られる。国庫補助をうけるのに必要な1年間の総返答数は500通から300通に減 らされた。通信教育学校の教育に関する実験的な試み,例えぽ,教師が指導す る商業文教育とか手紙教育に対しても国庫補助が与えられる。ラジオ・テレビ による独特な成人教育が確立されてくると共に,補助通信教育学校の教育に対 する必要も高まってくるであろうから,この種の教育に対する経済的援助もか なりのものになる見通しである。

 11.船員のための余暇教育

 今回の新しい余暇法のもつ意味は,余暇教育を最大限に拡める事にあるので あるから,船員達のための余暇教育を確立することもまた,その営みの一部に 当然加えられるべきものであると考えられている。これ迄,彼等はその職業の 性質上,青年学校・夜間学校法による教育から疎外されていた。これ等の法の 認可条項・監督条項こそ,そうした教育の実現をはぽんでいたのである。

 船員達が何に興味をもつかについて関心を払っていた機関や協会は,そのう ち彼等に対する啓蒙事業の必要性に気づいた。そこで,新しい法律の中では,

はるか遠くの船の中で机の前に坐っている,船員達のための余暇教育,という タイトルを設けたのである。

 その教育としては,通信教育に対する補助として有効だと思われる,学習サ ークルという形態だけが考えられている。たまたま乗客として乗り合わせた者

もこの授業に参加出来る。何等の年齢制限もなければ,1テーマ当り最低20時

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(110) デンマーク余暇教育法解説

間の授業ということも要求されていない。一一時限当り平均,登録参加者の中の 最低4名が出席することが要求されている。参加者の居住市町村が俸給を払う 必要はない。国自体が全額国庫補助することになっている。その授業は,商船 福祉審議会の推薦に基づいて文部省から認可される。

 12, 余暇相談員

 新しい法律によると,啓蒙機関のみならず今度は,子ども・青年事業をその 主要な目的とする団体に対しても,相談員の雇傭のための補助が与えられる。

補助金は給与支出に対してのみ与えられる。補助金は50%から70%に増額さ れ,また特殊な場合,教員俸給法の第6等級の最後の額に相当する分まで補助 金が出されることになった。相談員の事務費と俸給の残りの30%は団体自身が 支出することになる。

 13.行政的指導者(校長)と指導者(教員)の養成

 余暇教育等に関する法律にもられた様々な活動の行政的指導者の大半は,彼

等の仕事の基礎になるべき組織的な教育を何等受けた事のない人達である。こ

れ等の活動に関係のある協力者や指導者達も同様であって,師範教育でこれ等

の教育について教わった事は殆んどなく,ごく少数の場合にのみ,青年教育学

や成人教育学の影響を受けたにすぎない。新しい法律によって行政的指導者と

指導者や講師・クラブ協力者の養成ないし現職教育に対する国庫補助が出来る

ようになった。その課程の主催者は次の如きものである。啓蒙同盟その他の機

関,子ども・青年団体,学校その他の施設,県青年委員会,市町村青年委員会

と市町村学校委員会である。国立高等師範学校は何年もの間,青年教育局と共

同で,青年学校教員の再教育のための課程を開催している。この仕事は,行政

的指導者(校長)や指導者(教員)養成の助けとなる指導主事の養成をも含め

て運営され,拡充されている。この課程参加者のある者にとっては,収入を失

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デンマーク余暇教育法解説 (111)

なうという問題がある。新法では,養成課程への参加が重大な収入減や多大の 出費増をもたらすような場合に,行政的指導者や指導者に補助金を出す可能性 を開いている。

 14.教室等の施設

 青年学校の職業基礎教育のための学科用教室の設置と関連する教具に対して は60%の国庫補助が与えられる。従来の最高額制限は撤廃され,また,以前は 国庫補助は5年以上支出されていたのが,新法によると支出は3年以上行なわ れることになった。同様の比率と期間で成人の余暇教育のための教具に対して

も国庫補助が支給されるが,この場合は以前の3,600クローネ迄のかわりに,

最高額6,000クロ 一一ネ迄と定められている。成人余暇教育や国民大学活動のた めの特別な教具に対してもまた国庫補助が与えられる。この様な国庫補助は,

従来は青年学校も貰うことが出来たが,今度は青年学校の生徒の大半は,同様 な教具を国民学校の生徒として用いる事が出来ると考えられている。教室の設 備に対する国庫補助の最高額は1万5千クロ 一一ネから2万5千クPt 一ネに増額

され,更にプールの新設に対しても  最高5万クPt 一ネー・国庫補助が与え られるようになった。しかし,この条項は体育を含まない成人余暇教育に対し ては適用されない。青少年余暇活動ないし成人余暇教育に用いられる建物・新 築に対しては,国庫貸付が行なわれる。一しかし,青年寄宿制学校に関する

以外は,市町村には適用されない。しかし,国庫貸付をうける機関は貸付額の 算出基礎となる額の1/6の準備金は自分でもっていなけれぽならない。現在の施 設・設備を近代化するのに必要な建物の増・改築,備品や教具の大量購入に対

しても国庫貸付が与えられる。認可された経費の75%迄貸付が認められる。

15.効力発生条項

この法律は1969年8月1日から有効となる。しかし,県相談員に関する第79

(16)

(112) デンマーク余暇教育法解説

条は1970年4月1日になって初めて考慮される。青年学校及び夜間学校等に関 する従来の法律は新法の効力発生と共に廃止され,青年教育相談員に関する第 12条第4項及び第5項は1970年4月1日になってからは廃止される。

 16. その他の注意事項

 余暇教育等に関する法律は,その後,後にのべる一連の法律にとってかわら

れる。

 17.1969年6月4日の法律第247号

 この法律は,余暇教育等に関する法律の中に含まれている学校基金に課せら れた責任の県自治体による肩代りに関する法律である。それ故,第18・36・71

・81条に見られるtt学校基金 という言葉は, tC県自治体 におきかえられてい

る。本法第2条第1項第3日により,それは法としては1970年4月1日に実施 される。余暇教育等に関する法律第77条の県青年委員会の機能をどの程度のも のにするかについては,県当局にゆだねられるべきである。

 更に,青年学校並びに夜間学校等に関する法律第12条第4項により任命され た青年教育相談員は1972年3月31日迄,また,最も長い場合には残りの在任期 間の問だけは,従来の行政区劃内の仕事を継続出来る事が,この法律の第3条 第3項によって定められている。

 本法第4条により諸条項は1970年4月1日から実施される。

 18.1969年6月4日の法律第250号

 この法律は,国と市町村自治体の間の負担配分関係を全面的に変更すると共 に,国と市町村自治体との間の今迄の還付制度を簡素化する役割を果すもので

ある。

 1969年6月4日の法律第247号における条文と比べてみると,補助金におけ

(17)

デソマーク余暇教育法解説 (113)

る学校基金の分担部分が欠除している。というのは,これにあわせて定められ た第17条第1項と第18条第1項が削除されたからである。今後は国庫補助のみ

となり,補助額は%から50%に減額される。

 第17条第3項の第4−7目は削除される。すなわち,寄宿制学校に似た形式 の下における授業との関わりでの青年学校の宿泊・給食・キャソプ学校の宿泊 に対する市町村の支出への国庫補助は除かれる。これ等の活動は,市町村にと って義務ではなく,むしろ国としては無理のない範囲で実施する事に力点をお いたものと見るべきであろう。法提案の説明の際,文部大臣は次のようにのべ ている。文部省と致しましては,この分野における地方自治体の活動の発展に は大いに敬意を表するものでありまして,もしこの度の法律の施行が,この点 に関する地方自治体の関心を削ぐものである事が明らかになりますれぽ,余暇 教育法の改正によって,この種の活動の実施を地方自治体の義務とする事が望

ましいであろうと考えるものであります。

 指導者・行政的指導者等の交通費(第41条)及び青年学校教育をうける生徒 の交通費への補助金は廃止する(第17条第3項第1・5目)。また,クラブ執 行部課程へのクラブ執行部員の参加費に対する補助金も廃止する(第7目)。

 成人余暇教育にかかわる学校基金による補助金の分担もまた廃止されるの で,補助金は国からだけ与えられることになる。補助金は%から50%に減額さ れる。第69条第1項におけるコペソハーゲンに対する特例は廃止される。行政 的指導者ないし助手としての外部からの教員の交通費補助金(第66条)は廃止 される。専任の行政的指導者及び教育学助手Peedagogisk medhjeelperに対す る経費の市町村による分担部分は1/6から%に増やされる。これに関連して,第 69条第1項・第3項・第5項及び第70条第1項は削除される。

これ等の変更は,本法第2条により,1970年3月31日以降に支払われる支出に 対して適用される。

 1969年3月1日発効の余暇教育等に関する法律第79条の中では,各県に1人

(18)

(114) デソマーク余暇教育法解説

の余暇教育相談員を任命すべき条項がもられている。しかし,1970年4月1日 以降,県の行政区劃の変更が実施される予定なので,新行政区劃実施以前にこ の条項を適用する事は不適当である事が明らかになった。更に,1969年6月4

日の法律第247号(前述の第17節参照)の条項が示すように,青年教育のため に任命された相談員達は1972年3月31日迄,そして最長の場合にはその任期中,

従来の受持ちの行政区劃の中で彼の仕事を継続する。そこで,余暇教育法第79 条で認められている彼等の機能は,過渡期においても認められる事になる。そ れ故,第113条第1項に,第79条は1970年4月1日になって初めてその効力を 発する事がつけ加えられたのである。また,第113条第2項に,従来の青年学 校並びに夜間学校等に関する法律の第12条第4項・5項は,1970年4月1日か

ら廃止される事がつけ加えられた。

 19.1970年5月27日の法律第234号

 この法律における改正は,一一部には1969年夏に実施された公務員改革に基づ き,また他方では,地方自治体の学校制度並びに余暇教育等に関する法律によ る活動の行政管理に関する1970年2月9日の法律第44号に基づいて行なわれた ものである。公務員改革においては,教員給与法が廃止され,国民学校教員の 給与に関する新しい規定は,国家・国民学校・国民教会における公務員給与等 並びに公務員職務階等に関する1969年6月18日の法律第13号に組み込まれた。

  a.青年学校

 1970年2月9日の法律第44号によると,市町村議会はその市町村における青 年学校管理運営計画を作らねばならない。その計画は本法の第39条により県当 局で承認される必要がある。これによって,余暇法第5条第2項の第2分節と 第6条第2分節は削除されることになる。

  学校管理法による県青年委員会は1970年4月1日以降廃止される。それ故,

余暇法第9条第3項の貸付金ないし補助金額は県当局によって承認されねばな

(19)

デソマーク余暇教育法解説 (115)

らなくなる。

 第10条第2項及び第3項は教員俸給法の廃止に伴って改正される。その代り に,今度は前述の1969年6月18日の法律第13号における国民学校の職階が関り をもつことになる。学校管理法第35条第3項及び第44条に関わって,県当局は 市町村青年学校の校長に対する指示書Instrukseを承認しなければならない。

余暇法の第10条第5項はこれと一致するよう修正される。

 青年学校における時間給に関する第11条第1項の条項は,教員俸給法の廃止 に伴って改正される。更に算出の基礎として教師の最低受持時間数がはいって いるので,その条文は詳細な算出規則を含まない方が合理的である事が明らか になった。時間給は国家俸給・年金制度大臣との接衝を経て,交部大臣によっ て後に定められる。だが算出方法の原則的な改正を考えているわけではない。

第11条の改正は字句修正的性格のものであり,同じパラグラフの第1項の言葉 づかいの変更に伴うものである。

 第16条第1項の改正は,今後国民学校教員の最低受持時間数が法律によって 定められる事がなくなった結果に伴うものである。高等学校・農業学校・家政 学校の教員に対する国からの年功加俸に関する特別規則が,1969年6月18日の 法律第346号及び347号によって廃止された事によって,同じパラグラフの第2 項は廃止される。

第17条第1項の改正は,前述の学校管理法第3条改正に基づくものであるのに 対して,このパラグラフの第2分節の改正は,国庫補助が実用的家事(余暇法 第12条第2項)のための特別支出にも与えられる事の明文化に基づくものであ る。第3項の改正は教員俸給法の廃止に基づくものと思われる。今後,補助金 規則は,1969年6月18日の法律第293号により,国民学校法第62条に肩代りさ

れる事になる。

 第18条第1項(以前は第2項)の改正は,一部には1969年6月4日の法律第

247号(第17節参照)に基づき,また一部には,学校管理法第45条第1項によ

(20)

(116) デンマ r一ク余暇教育法解説

るものと思われる。今後県当局が国庫補助金を支払うことになる。

 学校管理法第34条第1項によると,余暇教育等に関する法律の第1章から第 4章に基づく管理は,県当局の管理事項となる。それ故,これに伴って余暇法 第20条第3項は修正される。

 余暇法第22条第1項の改正は前述の教員俸給法の全廃の結果にすぎない。

  b.青少年余暇活動

 学校管理法第26条によれば,余暇委員会は青少年余暇活動の認可に関して,

市町村議会に対し推薦を行なう。また,同法第5条第1項及び第6条において は,余暇教育等に関する法律の第2章に基づく青少年興味グループの認可に関 する事を定めており,次に青少年余暇活動に対する補助金の交付条件がのべら れている。同法の第39条第2項によると,県当局が青年クラブの認可を決定

し,また,第65条により市町村当局の決定については県当局へ,県当局の決定 については文部大臣へ異議申立する事が認められている。これによって,余暇 法第33条は削除される。

 第34条第4項及び第5項の改正は,一方では県青年委員会の廃止に基づき,

他方では,1970年4月1日の県青年委員会廃止に基づくものと思われる。同じ 理由による改正が第36条第2項にもなされたが,第36条第4項の改正は1969年

6月4日の法律第247号及び学校管理法第45条第1項によるものである。

  C. 成人余暇教育

 余畷教育法第61条第1項から3項迄の条項は削除される。その中の認可機関

・異議申立等に関する規則については,現在では学校管理法第5条第2項・第 6条・第26条・第39条第3項・第65条にもられている。

 県青年委員会が1970年4月1日から廃止されるので,成人余暇教育に対する 貸付金ないし補助金の認可に関する役割は県当局がこれを行なう。このため,

第62条第4項が修正された。

 学校管理法第9条第3項により,1970年4月1日より青年委員会の代りに余

(21)

デソー?・・一ク余暇教育法解説 (117)

暇委員会がおかれる。それ故,成人余暇教育にかかわる施設の使用料補助費の 推薦に関する活動は余暇委員会が行なうことになった。このため,第62条第5 項が修正された。

 第63条第2項の改正は,教員給与法の廃止の結果である。これ等の俸給につ いては,現在では公務員給与等並びに国・国民学校・国民教会における公務員 身分職階に関する1969年6月18日の法律第13号にもられている・

 第64条第1項は,教員給与法の廃止に基づいて改正された。この他,前述 の,青年学校のところでのべた第11条第1項の改正に関する説明を参照してほ

しい。第64条第3項及び第5項には,第64条第1項の本文の改正に基づく字句

的修正が加えられた。

 第68条第2項は第16条第2項と同様の理由で削除された。前述の青年学校の

項を参照。

 同様に第69条第3項は,国庫補助が実用的家事に対する特別支出(第65条第 2項)にも与えられること,更にまた交通費の支出(第66条)は市町村からの み支払われること,をより明確にするために修正されたのである。第69条第6 項においては,国庫補助が第64条第2項の超過勤務給にも与えられることをよ り明確にするために,更第64条第1項 という文字が璽第64条 に修正された。

教員給与に対する国家還付金に関する規則は,1969年6月18日の法律第293号 により,国民学校法第62条においてとりあげられたので,これにより第69条第

8項は修正される。

 第70条第1項のtt学校基金 という文字は,1969年6月4日の法律第247号第 1条第2項及び学校管理法第45条第1項によりtt県自治体 におきかえられ

る。

  d.補助文化施設

 第71条第1項第1目の青年学校委員会と青年委員会は,学校管理法にかかわ

って1970年4月1日に廃止されるので,削除される。代りに,今後はこれ等の

(22)

(118) デンマーク余暇教育法解説

文化施設は余暇委員会Kommissionによってのみ認可されるべきである。

 第71条第2項のtt学校基金 という文字は,前述のC.の最後にのべた理由で

tt

ァ自治体 におきかえられる。

  e. 行政

 第5章の表題は助言指導機関と改正される。その中で青年委員会・青年学校 委員会・県青年委員会・県余暇教育相談員・補助金に関する第72条から81条迄 は,これ等の条項が学校管理法から除かれたので削除される。(地方自治体の 学校制度並びに余暇教育等に関する法律に基づく活動の管理運営に関する1970 年2月9日の法律第44号)

  f. 余暇相談員

 第100条における改正は教員給与法の廃ILの結果である。

  g.経過措置及び効力発生に関する条項等

 第113条第3項第2分節は,教員給与法の廃止に伴って国庫補助に関する条 項が,1969年6月18日の法律第293号により国民学校法第62条で取扱われる事 になったので修正される。

 第113条には,新たに県余暇教育相談員・その給与条件・年金条件及びその 給与・年金等に対する国庫補助に関する条項についての第5項が加えられる。

 委員会報告では次のようにのべられている。 tt県余暇教育相談員の有給配置 に関しましては,大半の委員が,本提案は県教育心理学者と同様全額給与を意味 するものであり,県教育心理学者に関して新たな合意に達した点に迄その職種 を位置づける事に致しますとするならば,県余暇教育相談員においてもまた,

当然同様に改正されるべきであろう,ということを正確に報告するよう望んで

おったのであります 。

 同委員会は,第101条による講習会活動の中,成人余暇教育のための行政的

指導者・指導者の養成に対する補助金に関する告示(Bekendtgφrelse)第2

条にかかわって,今までは県青年委員会が開催運営して来た部分を,どこが引

(23)

デン t・一ク余暇教育法解説 (119)

きうけるべきかについて討論を重ねて来た。新学校管理法の通過によって,今 後,県当局が余暇教育等に関する法律に含まれる活動の管理を行なうのである から,将来,県当局が第101条にかかわる県青年委員会の講習会活動を引きう けるのが自然であるように思われる。

 前述の法律(1970年5月27日の第234号)の第4条第3項は次のようにのべ

ているo

 Ct青年学校並びに夜間学校等に関する法律第12条第4項にかかわって,青年教 育のために任命された相談員は,1972年3.月31日迄,最長の場合は,その残さ れた任期中,従来の行政区劃内においてその活動を継続する。

 本法は1970年4月1日から実施の予定である。

20.1971年4月28日の法律第177号

 この法律は,公費支出の削減を目的とする一連の他の法律と同系列に属する ものである。それ故に,この法律によって余暇教育の原則に関する改正を企図 するものではない。更にこの法は成人余暇教育への受講者の出席を拘束するこ とのないようにということも考えて,行政簡素化の実施をも目的とするもので

ある。

 青年学校や青少年興味グループに関しての改正はほんの僅か行なわれたにす ぎない。それ等は何れも,この法が含む領域に対して,市町村が本来もつべき 影響力についてである。そこで,市町村は青年学校に何を提供すべきかについ

て自ら決定する事が出来,また,前述の興味グループに関する限りでは拒否権 をもつことになった。

 この法では以下のべるように,全部で45ケ所について改正提案がなされてい

る。

  a.青年学校

 一般青年学校における授業を行なうためには,最低,以前の10人でなく12人

(24)

(120) デソマーク余暇教育法解説

の生徒が参加していなければならない。(第7条第1項)

 国民学校の公務員の勤務時間に関する1970年3.月11日の条項により,1970年 8月1日から,国民学校の最高学年の受持時間実働5時間を6時間と読みかえ る事がやめられるので,試験準備教育を行なう青年学校教員に対する時間給は 普通の時間給にひき下げられる。これは青年学校の試験準備教育を行なう教員 の給与は,国民学校の最高学年の給与と同列という原則が適用さたれことを意 味する(第11条第1項・第3項・第4項)

 年功加俸の受給の時期は,240時間から600時間にかえられる。目的はただ経 費削減のためである。しかし,既に現行法により年功加俸を得ている教員につ いては従前通りであることを認める(第11条第2項・第4項)

 実用的家事の授業に対する特別給与に関する第12条第2項の条項は削除す る。3時間の授業に対して1時間の割合の追加給(基本時間給の80%を算出基 礎とする)が㌻えられる。教師が授業の場にいるかいないかには関わりなく,

これ等の支給は,材料の購入といった特別の準備に要する労働の故に支払わる べきものであると,立法趣旨にのべている。この条項が廃止される理由の説明 は,それ以上特には見当らないが,これに伴って,第17条第2項第1目の国庫 補助に関する条項も修正されることになろう。

 第17条第3項(以前は第4項)には2つの改正が加えられた。その中の1つ は,それ以後第16条第2項が削除される事になる1970年5月27日の法律第234号 との関係上,当然行なわれるべき改正である。第2項がなくなってしまうの で,第16条第1項との関係は無意味となる。また,コペンハーゲソの教員給与 に対する国庫補助に関する諸条項も,国民学校法第62条でとり扱われるので,

㌔ペンハーゲソの地方自治体学校に対する国庫補助に関する法律によりそれ ぞれ 削除されるQ

  b.青少年余暇活動

 第34条第4項のt屋外施設 という文字は削除され,また第34条第5項及び

(25)

デソマーク余暇教育法解説 (121)

第36条第3項の 屋外施設 はttキャソプ場 という文字におきかえられる。

 現行規定によると,市町村は青少年興味グループや青年クラブや25才以下の 青少年団体活動に対して必要な設備を備えた教室や屋外施設の割当てをしなけ ればならないことになっている。

 市町村及び国の所有する屋外施設は,今度もまた,無料で自由に使用出来る よう提供されてしかるべきであるが,従来は市町村が上述の如き活動機関に対 して貸与するために支出しなければならなかった特殊な屋外施設については,

今後は市町村は無料で提供する義務を負わない事になる。また同様に市町村は、

団体が私有ないし借用する屋外施設や25才以下の青少年興味グループや団体活 動に使用される屋外施設の使用料に対する補助金を最早出す義務を負わないこ

とになる。しかし,1971年2月9日の文部大臣書簡により,キャソプ場に対し ては補助金が与えられる。

 文部大臣はやがて通牒により,教室に対する臨時補助金に最高限度額をもう ける事になろう。その場合,補助金の最終積算として,1時間当り貸借料最高 75クローネとなる。

  c.成人余暇教育  夜間学校

 喫授業は無料でなけれぽならぬが, 受講生は入学金を支払わなけれぽならな いo (第38条第8目)

 tC授業には一一時限平均,、最低10人の登録受講生が出席していなければならな い。この条件は,文部大臣の定める規則により,適用されない場合もある。

 (第39条第2目)

 これ等2つの条文は削除する。何れも第69条第1項の改正に基づくものと見

られる。今後,国・市町村・主催者は,各々謝礼金及び教員への時間給に対す

る経費の%を支出する。主催者は必要な経費を生徒から徴集する。入学金の強

制に関する規則も,一時限平均の出席者数も今後実質的な意味をもたなくな

(26)

(122) デンマーク余暇教育法解説

る。

 同様な改正が,夜間高等学校・学習サークル・成人興味グループに対しても 示唆されているので,第41条第1項第1目・第42条第2目・第44条第1項第1

目と第45条第2目・第59条第6目と第60条第1目が改正されることになる。

 夜間高等学校の下における学習サークルに関する規則(第44条第2項)が削 除されるので,夜間学校における学習サークルに関する第44条第1項の条項も

また同様に削除される。

 以下,学習サー一一一一クルについても経済的な処理の側面からのみふれられてい るo

 第77条が1970年5月27日の法律第234号により削除されるので,第49条第2項 及び第52条第2項の中に第77条第3項に関する事がうつされる。この改正は極 めて当然なものであるにすぎない。

  d.準備課程・特殊教育・職業課程

 これ等に関する教育では無償制が継続されるべきである。しかし,受講生は 入学金を支払わなければならない。これに伴って,第50条第1日・第53条第1

目・第56条第1日が改正され,第38条第8目に対する参考は削除することにな る。だが,同じ条文が第50条第3』1・第53条第4目・第56条第3目にうつしか

えられる。

 準備課程

 第50条に新たに第4目が次の如く加えられる。

 ttこの課程は県計画設計の上に設けられなけれぽならない。

 ここでは,すでにある地域に現われているような供給過剰になる事を恐れ て,県計画との調整が求められている。

 将来,この種の課程に対する認可は,総合的な県計画設計を行なっている県 からの推薦に基づいて,青年教育局が行なうようになるべきである。

 これは管理法の改正を伴うことになり,何れ近いうちにこの条項は,本法の

(27)

デソマーク余暇教育法解説 (123)

第2条第3項による文部大臣の定める規則に従って効力を発するようになる。

 職業課程

 これに関しては,今後この教育は最初最低15人の受講生がいなけれぽならな いという新らしい案が採用された。以前は,一時限当り平均参加者数10人以上 によって実施されなけれぽならぬとされていたものであった。(第57条第2目)

 給与

 準備課程教育に対する時間給は,普通の夜間学校教育のそれと同じでなけれ ばならないので,第64条第1項への補追と第64条第3項・第4項からの削除が 行なわれることになろう。

 夜間高等学校における学習サークルは今後行なわれないことになったので,

これに関する第64条第5項の給与の問題もまた削除する。

 年功加俸の受給に関しては,青年学校の同じ条項が有効であり,第64条第2 項の240時間が600時間に改正される。

 夜間学校の場合,家政科に対する1時間の特別給与も廃止される。これにつ いては前に青年学校の項でふれたところである。(第65条第2項)

 第68条の国民学校教員に対する給与に関する特別規則は廃止される。これに 伴い,これに関する補助規則もまた廃止され,第69条第8項は削除される。

 補助金(第69条)

 更液問学校・夜間高等学校・学習サークル・成人興味グループに対して,国 並びに市町村は,第63条並びに第64条にかかげられている謝礼金並びに時間給

に対する経費のY3をそれぞれが補助金を支出する。これ等の経費の残りの部分 については,文部大臣の定める規則に従い,主催者から支払われる。

  しかし,この支出に対する具体的な方法とその額については,主催者自身の 決定にまかされることになろう。

 文部大臣が定める事になると思われる規則では,市町村は前述の%を超える

補助金をこの教育に対して支出してはならないが,民間の主催者の支出に対し

(28)

(124) デンマーク余暇教育法解説

ても同様の規則が定められるわけではない,ということが強調されると思われ

る。

 主催者は活動の開始までに,ないしは少くとも3回の会合開催以内にその活 動に要する指導者給・講師給・臨時指導者謝礼金の経費の%に相当する額を,

市町村に支払わなければならない。主催者の支出する額はすべての計画された 時間に対して支払われなけれぽならない。市町村は,主催者の分が支払われて いない時間に対する給与や謝礼金を支出する事は出来ない。

 準備課程・特殊教育・職業課程に対して,国及び市町村は行政的指導者謝礼 金及び時間給に要する経費の50%をそれぞれ支出する。

 行政的指導者(専任の)謝礼金及び教育学助手に対する経費は,国から同様50

%が,市町村からY3が支出されるが,残りの経費については主催者が支払う。

 試験官や交通費に対する補助金に関する条項は,体系化の意味でそれぞれ第 69条第3項と第6項にうつされ,そこで取り扱われる。

  e. 教材に対する補助金

 第103条及び第104条の教材に対する補助は削除される。その理由は,その補 助金の額はほんの僅かでしかなかった割に,その配分にはそれとつり合いのと れぬ程の大きな行政的困難さを伴ったからである。

  f.効力発生

 この法律は,1971年8月1日に効力を発する。しかし,改正された補助金規 則は,1971年8月1日ないしそれ以後開始される教育から適用される。

 21,終りに

 次の一覧表はそれぞれの条文がいつ改正されたかを明らかにするためのもの

である。

(29)

デソマーク余暇教育法解説 (125)

      一  覧  表

       1968年6月6日の法律第233号の改正に関する

 この法律は,1969年6月4日の法律第247号・1969年6月4日の法律第250号

。1970年5月27日の法律第234号・1971年4月28日の法律第177号によって改正 されている。( )内が改正法番号,そのあとが改正された項とその番号を表 わしている。

 第5条(234)2  第6条(234)2分節  第7条(177)1  第9条(234)3

 第10条(234)2・3・5

 第11条(234)1・3(177)1・2。3・4  第12条(177)2削除

 第16条(234)1・2

 第17条(250)1・2・3(234)1・2・3(177)2。3  第18条(247)2(250)1・2・3(234)1

 第20条(234)3  第22条(234)1  第33条(234)削除

 第34条(234)4・5(177)4・5  第36条(247)4(234)2・4(177)3  第38条(177)8目削除

 第39条(177)2目削除  第41条(177)1

 第42条(177)2目

 第44条(177)1・2削除

(30)

(126)      デンマーク余暇教育法解説

第45条(177)2目削除 第49条(177)2

第50条(177)1目・3目・4目 第52条(177)2

第53条(177)1目・4目 第56条(177)1目・3目 第57条(177)2目

第59条(177)6目削除 第60条(177)1目削除

第61条(234)1・2・3・4・5 第62条(234)4・5

第63条(234)2

第64条(234)1・3・5(177)1・2 第65条(177)2削除

第68条(234)2(177)条文削除

第69条(250)1・3・5(234)3。6 第70条(250)1・2・3(234)1 第71条(247)2(234)1・2 第72−76条(234)条文削除 第77条(247)2

第78−80条(234)条文削除 第81条(247)2

第100条(234)1 第103条(117)削除 第104条(117)削除

第113条(250)1・2(234)3・5

・3・4・5

・8(177)1・2・3・6・8削除

(31)

デソマーク余暇教育法解説 (127)

B.地方自治体の学校制度並びに余暇教育等に関する法律に   基づく活動の管理運営に関する法律

        (1970年2月9日第44号)

 1. 本法について

 この新しい行政法の成立の実質的背景には,1970年4月1日から施行された 地方自治体改革があった。

 これを機会に,新しい県自治体は,従来は学校委員会Skoledirektion・県青 年委員会・学校局Skoleraadや文部省の地方自治体関係部局のあるものに属し

ていた仕事を引き継ぐ事になった。

 この法律は,その所轄権限に関する法規定とその機能に関する規則とから成 っている。だが,学校その他の教育的性格を帯びた事柄の諸条件についての,

より詳細な管理規則は,国民学校法。ギムナジウム法・余暇教育法といった特 別法の中に見られる。

 ここでは以下,この法律の権限とその機能についてのみ取扱う事にする。

 2. 余暇法の行政機関

 従来の夜間学校・青年学校法の規定によると,市町村には青年委員会・青年 学校委員会が,またその自治体にいくつかの夜間学校がある場合には夜間学校 委員会が設けられていた。そして,それ等が夜間学校・青年学校法を発動する 資格のある活動であるか否かを監督する権限を行使して来た。

 これ等の行政機関は,新しい余暇教育法(1968年6月6日の法律第233号)に 移された。そこでは,夜間学校委員会の仕事が青年委員会に引継がれる事がの べられている。

 前述の如く,地方自治体改革との関係が新学校管理法の作成の発端であっ

た。そこで,それは余暇教育等に関する法律の第1章から第4章に基づいて実

(32)

(128) デンマーク余暇教育法解説

施される活動を管理すべき権限に関する条項を含まねぽならなかった。

 その結果生れたのが,1970年2月9日の法律第44号であり,余暇活動の場合 には,余暇委員会Fritidskommissionが新たに設けられたのである。余暇委 員会の:補助機関として3つの委員会(Naevn),すなわち,青年学校委員会・余 暇委員会・成人教育委員会が設けられた。以下これ等につきやや詳しくのべる

ことにしようQ

 フレテリックスビヤウ地区(法第8章)とコペソハーゲソ地区(法第9章)

に関する限り,特別規則が設けられる事が明らかにされている。更にまた,第

85条によりフェアー諸島及びグリt・一一・ソランドにはこの法律は適用されない。

 3.余暇委員会(Kommission)

 本法第9条第1項に基づき,あらゆる市町村に余暇委員会が設けられる。同 条第3項によると,余暇委員会の構成は次の如くである。

 (1)この委員会に適任だと思われる者の中から市町村議会が選出する6名の   委員。選出された者の中最低3名は自治体議員でなけれぽならない。

 (2)青年委員会・余暇委員会・成人教育委員会の委員法。

 (3)余暇委員会Nεevn及び成人教育委員会の委員がそれぞれ互選した2名   の委員。

 特殊な場合,この11名の委員数は9名ないし7名迄減員される。その場合,

第1項によ委員の数は,それぞれ5名ないし4名に減らされる。この様な原則 の変更の場合には,県当局の認可を要する。この条項は小規模な自治体を対象 とするものである。

 本法第12条にかかわって,学校監督官(ないし筆頭主任校長)と共に,青年

学校及び成人教育の教員指導者の代表者が委員会に参加する。これ等の代表に

関しては,1970年5月27日の告示第212号の第8条から第11条の条項が適用され

る。この部分であげられている者は出張費に対する権利をもたないし,また,

参照

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