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一長崎市 の女子 高校 生 を対象 とした実態調査 を通 して ‑

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(1)

BulletinofFacultyofEducation,NagasakiUniversity :Curriculum andTeachingNo.39(2002)81195

高等学校における学校制服のコミュニケーション媒体としての展望 ( 第1報)

一長崎市 の女子 高校 生 を対象 とした実態調査 を通 して ‑

鈴 木 明 子 *

(平成14年

3

月15日受理 )

¶ l eS u Ⅳe yo f We a r i n gHi g hS c h o o l Un i f o r ma si t s V e h i c l eo f C o mmu n i c a t i o n

‑Wi t haRes e a r c honHi g h Sc hooIWoma nSt udent si nNa ga s a kiCi t y‑

A ki koSUZUKI

(ReceivedMar.15,2002)

1. 学校 制服研究 の概観 と本研 究の 目的

高校 生 は,心 身 ともに成 人に近 づ く時 期で あ り, 衣服 は成 人用 とな る。 また, 社 会へ の 関心、, 問題解 決や総 合的な思考, 自主性 が 高 ま り, 服装 へ の関心、は男女 ともに高 くな る。

生活 者 と して衣 生活 経営 全体 に 目を向 け, 健 全で創造 的な家庭 生活 を協 力 して営む ことが で き る基礎 的知識,技 術,態度 を育て る ことが衣生活 教育 の 目標 で あ り, 自己管理能 力を 完 成 させ, 家庭 の衣 生活 管理 面へ も参加 させ る ことが求 め られ る。

衣 生活 の 自己管理 能 力を養 うには,起 床か ら就寝 の1日を単位 として, 目的 に合 った着 装,選択 の必要 を知 り,衣服や寝 具 の収納,管理等, 身辺処理 の 自立 の習慣 を定着 させ, 被服 の基礎 的, 科学 的な知識, 技 術 を得 る ことが必 要 で ある。 それ は被 服 の もつ機能性 と 審 美性 を理解 し, 自己 の衣 生活 を健康で豊か に, また 自分で コ ン トロー ル して いける能 力 を得 る ことで もあ る1)。 学校 制服 は, この よ うな能 力 を養 うため の教 材 と して の意 義 が あ る。 すなわ ち, 身近 に揺 す る具体 的な衣服 と して, 多様 な機能性 を学ぶ ことがで き る媒体 で あ る。

一方で,学校 制服 は学校運営 お よび 生活指導 の対 象 と して.学校 規則 を守 るため の諸 手 段 とな る。 す なわ ち学校 は, 教 育 の ツール と して, 制服 を必要不可 欠な もの とと らえて い る場 合が 多 い2)。 しか しなが ら,このよ うな指 導 的役割 は,個性 化 教育 の流れ の中で,相対 的 に重要性 が低下 して いる。 また, 生徒 た ちの フ ァッシ ョン意識 の向 上に伴 い, デザ イ ン や 色 の面 にお いて不満 が 高 まってお り, そ の評価 が 高校選定要 因の一部 とな るため, デザ イ ンを重視 した 高 い レヴ ェル の制服 が 望 まれて いる3)。 この よ うな背景 に対応 して, 制服

*長崎大学 教育学部家政教 育講 座

(2)

82 長 崎 大 学 教 育 学 部 紀 要 教 科 教 育 No.39 (2002)

業 者か らは 「コ ミュニ ケー シ ョンアイテム」 と して の学校 制服 の提 案 もな され て いる4)0 この よ うな学校制服 を取 り巻 く環 境 の中で, これ まで に学校 制服 を対 象 と してな され た 研 究 を概 観す る と, 被服学 的見地 か ら, 高等学校, 中学校, 小学校 お よび幼稚 園 の制服, ユ ニ フ ォー ム あ るいは通学服 につ いて, そ の実態 と児童, 生徒 た ちの意 識 を調査分析 した 報告が 多 い5)〜 16)。 さ らに, 快適 惟 や サ イズ意 識 に着 目 した もの17), ゆ と り量 を考察 した も の18),デザ イ ン等 の動 向 を追 った もの19),服装観,被服行 動や 衣 生活 観へ の影 響 を論 じた も の20)21), 自己概念 との関連性 を追究 した もの22)23', 布地等 の消 費性 能や運 動機能性 を対 象 と した研究24)〜27)等, 多岐 に及んで い る。 これ らは, 女子制服 を対 象 と した研究 が ほ とん どで あ るが, 一部 男子 制服 を対 象 と した もの もみ られ る28)。 また, 教師や保 護者 の意 見 を検 討 した もの28)29)や服装 史研 究30)もある。 さ らに,生徒指導や学校経営 の媒体 と して,そ のあ り 方 を論 じた研 究 も数 多 くみ られ る31)〜37)。 長崎市 の女子 高校 生 の制服 を対 象 と した研 究38)も み られ, 地域 的な環 境 を考慮す る必 要性 もある。

このよ うに, 多様 な視点か ら研 究対 象 とされ て いる学校 制服 で あ るが, そ の今 日的な意 義 を改めて 見直 し, 教 育的要素 と しての位 置づ け と身体 に最 も近 い環境 と して の衣服 の快 適性 の追究 とい う双方 向か らの検 討が不 可 欠で あろ う。 そ のため には, 着衣主体で ある児 童 ・生徒 の衣 生活 課題 を明 らか にす る こと, 着装 の主 た る環境 で ある学校 とい う場 にお い て, どの よ うな指導 観 によ って制服が扱 われ て いるのか現状 を確 認す る こと, さ らに, そ の設計お よび製造 を担 い, 刺激 と して の情 報 を運ぶ 立場 にある制服 業者 の動 向 と対応 を把 握 す る ことが必 要 とな る。研究 対 象 と して複雑 な要素が絡 む学校 制服研 究 は, これ ら

3

者 のよ りよ い関係 を構築 し,最終 的 には, 児童 ・生徒 の生活 を豊かで創造 的な もの にす る媒 体 と して機 能す る ことに寄与す べ きで あ る。

そ こで本研 究 では, 制服着用 お よびそ の周辺 の実態 を可能 な限 り具体 的 に把握 す る こと と, コ ミュニ ケー シ ョン媒体 と して の今 日的学校 制服 の あ り方 を構 想す る ことを 目的 と し た。 まず, 本 報で は, 長崎市 の公立 高等学校

3

校 お よび私立 高等学校

1

校 計

4

校 の女子 生 徒 を対 象 と して, 学校 制服 の機能性 全般 の評価 に関す る調査 を行 った。 同時 に服 装へ の関 心 につ いて 問 い, 制服 着用 に及 ぼす服 装観 の影響 につ いて も考察 した。 それ らによ って, 女子 高校 生 の衣 生活 にお いて学校 制服 は どの よ うに位 置づ け られ, どのよ うな意義 を もつ のか, 衣 生活 課 題 へ の影 響 は何 な のか を探 る ことを 目的 と した。 さ らに, コ ミュニ ケー シ ョン媒体 と して学校 制服 を と らえ る可能性 とそ の方策 につ いて示唆 を得 た い と考 えた。

2.長 崎市 の女子 高校 生の制服着 用 に関す る実態調査

(1)調査 方法

1)調査 対象校 の実態 と調査 時期 および 対象者

事前調査 と して4校 の生徒指導 の担 当教諭 に各 々の学校 の制服 関連事項 の実態 につ いて

1 9 99

3

月か ら

5

月 の間 に聞 き取 り調 査 を行 った。 そ れ によ り, 以 下 の こ とが 明 らか に な った。

A

高校 は, カ ソ リ ック系 の私 立 女 子 高校 で あ り, 制服 以 外 の規 程, マ ナ ー お よ び エ チ ケ ッ トには非常 に厳 しい ことが校 風 と して特徴的で あ る。 目立 った制服 の違 反 は見 られ な い。 制服 の調達 は, S制服 会社 に発注 して いるが, ボ レロは高校 付設 の修道 院 に依 頼,縫

(3)

鈴木 :高等学校 における学校制服 のコ ミュニケー シ ョン媒体 と しての展望 (第1報) 83

製 し,それ を購 入 して いるO採 寸は, 合格発表後のオ リエ ンテー シ ョンで行 う。

B高校 は,公立共学 高校で あ り,大学進学者が100%近 くお り,スポーツ も盛んな校風で ある。制服指導 はあま り厳 しくな く.違 反者は.教師が話 し合 うことによって解決 に導 く よ うに して いる。制服の製造 を依頼 して いる業者は, S制服会社他

2

社であ り,直接依頼

行 うO生徒 の要望で使用バ ックの規則 を変える等, 生徒主体の改革 も行われてきた. しか しなが ら,制服 を変 える となる と,地域や保護者の反応等 多 くの要因を考慮す る必 要が あ り,容 易に着手できな い と考えて いる。

C

高校 も. 公立共学高校であ り,

B

高校 よ りもさ らに 自由な校風が特徴で ある

。1 9 9 7

年 以降, カーデ ィガ ン, 防寒用 コー トお よびマ フラーの着用やそ の条件 につ いて, B高校 と 同様 に生徒が 主体的 に検討 を重ね, 改革を行 い,規程 をつ くった経緯がある。年間5回容 儀指導強調週 間 を設け,学級担任が制服指導等 を行 って いる。過度 の違反者はいな い。 制 服製造 はS制服会社 のはか 2社 に依頼 してお り, 合格発表後のオ リエ ンテー シ ョンの際 に 採寸を行 う。サ イズは

S,M,L

3

つのみで,微妙なサ イズ違 い (

3

cm以内)では補 正 しな い。 これ は,採 寸か ら生徒への受 け渡 しまで の期間が

2

週 間 しかな いため,個 人の体 型の特徴 を考慮 したパ ター ン修正は不 可能で ある ことが理 由 とな って いる とい う事情が明

らか にな った。

D

高校 は,

1 9 9 8

年度 の普通科か ら総 合学科への改組, および学校 名の変更に伴 い, 制服 を改定 した公立共学高校 である。制服改定 の過程 に, 生徒 は一切関与 してお らず,教員 と A制服会社 によって検討 を重ね決定 した。 制服のデザ インは森英恵 によるものである。制 服の製造 は,女子 の冬服 につ いては,S制服会社 に依頼 して いる。 合格発表の 日に, 生徒 は

S,M,L

のサ ンプル を着用 し,サ イズが合わな い生徒 のみ採寸 を行 う。サ イズが合わ ず作 り直す とい う トラブル も若干み られ る。

本調査 は質問紙法 による一斉調査であるO調査時期 は,

1 9 9 9

6

月中旬か ら F旬で あるO 調査への回答者数 と調査対象校 の制服 の形態 を表

1

に示す。各高校 の対象学年は

1

年生 と3年生が ほぼ同比率で あった。

1 調査への回答者数と調査対象校の制服の形態

回答 者 数(人 )

(1年生/3年生) 制服の形態 (冬季のみ)

A高 校 17 1 ジャンパース力‑ト.ボレロ.

ブラウス,黒ストッキング

B高校 9 1 衿なしジャケット.プリーツスカー

(50 ‑/‑1lJ ・ブラウス

C高校 (:)T77J O) セーラー服.プリーツスカート D高校 82 セ‑ラーカラーブラウス.

(42 1 ()) 衿なしジャケット.プリーツスカー

2)調査 内容

まず,調査対象者が 日常の服装 に対 して どのよ うな関心 を もって いるか10項 目につ いて闘 うた。 この10項 目につ いては,服装 に関す るライフスタイルの測定 に用 い られ る一般 的な項 目の中か ら,被服 のもつ5つ の機能性 (保健衛 生上の機能, 生活活動上 の機能. 自己表現 上の機能,社会生活 上お よび整容装 身 上の機能) に着 目できる要素 を別個 に含むよ うに選択 した39)40)。

調査対 象 と しての制服 は冬服 に限定 した。 制服の機能性 には,実用的機能性,美的機能 性 お よび象徴的機能性がある

1 1 )

。 これ らの機能性 の中で, 主 と して実用的機能性 お よび美 的機能性 を評価 に関す る次 の

2 4

項 目につ いて質問 した。 1.デザ イ ンを気 に入って いるか。

2.活動 しやす いか。3.着脱 Lやす いか。4.着脱 しに くい点。5.自分の体型で気 に

(4)

84 長 崎 大学 教 育学 部紀 要 教 科 教 育 No.39

( 2 0 0 2 )

な る部位。

6.

体型 に合わな い部分が あるか。

7. 6

の部分 は どこか。

8.

自分で ライ ン お よびサ イズを調節 して いる部分が あるか。

9.

どこを どのよ うに調節 して いるか

。1 0.

着方 を工夫 して いる部分が あるか。 ll

. 1 0

の部分は どこか。

1 2.

制服 のみ の着用で寒 さを 感 じるか

。1 3.

制服 の下 に重ね 着 をす るか

。1 4.

重ね着で不都合 を感 じるか

。1 5.1 4

で ど んな点 に不都合 を感 じるか

。1 6.

制服 は非衛 生的だ と思 うか

。1 7.

汚れ の気 にな る部分。

18.ク リーニ ングに出す頻度。 19.制服指定 は経済的か

。2 0.

着心地 に満足 して いるか。

2

1. 自分 の高校制服 の 自慢 できる点

。22.

他 高校 の生徒が 自分の高校 制服 に対 して もって いる印象

。23 .

家族が 自分の高校 制服 に対 して もって いる印象

。24 .

学校 に制服が必要な 理 由。

(2

)結果 および考察 1)服装への 関心

服装へ の関心

1 0

項 目につ いて は, どの項 目につ いて も学年間お よび高校 間で有意差 はみ られなか ったため,対象者全員の結果 と して 図

1

に示 した。

「は い と 「ややそ うで あ る」 とい う肯定 的な 回答が

8

割 を越 えた のは,

「5.

いつ も 清潔な服装 を心 が けて いる。」で あった。次 いで 「2.服装 はそ の人の人柄 を表す と思 う。」

「6.

身体 によ く合 って動 きやす いものを着 る。」 につ いて

7

割 を越 える者が,

「4.

で き るだ け着心地や肌触 りの良 い ものを着 る。」につ いて6割 を越 える者が肯定 した。被服 の機 能性 の中で,保健衛 生上の機能. 生活活動 上の機能 を重視 し, それ らの観点か ら服装 に関 心 を もって いる者が 多 い実態が伺 える。 この中で項 目

「2」

の結果 は,被服 には 自己表現 上の機能が ある ことを認識 して いる者が 多い ことを示唆 して いる と考 え られ る。 しか し一 方 で は,

「1.

皆 に好感 を もたれ るよ うな服 装 を心 が けて いる。

」 「3. T ・P ・

0にふ さ わ しい服装 を心が けて いる。

」「7

.流行遅れ の服装 をす るのは嫌だ。

」「 8.

友だ ちか ら誉 め られ, う らや ま しが られ る服装が した い。

」 「 1 0 .

自分 のイ メー ジや個性 に合 った服装 を 心が けて いる。」 の 5項 目につ いて は肯定者が減少 し, 「わか らな い」 と回答す る者 の増加 傾向が認め られた。 この ことは,被服 の もつ 自己表現 上の機能,社会生活 上の機能お よび 整容装身上の機能 に気づ いて はいるが,それ を各 自の生活 にお いて表現す る方法 を知 らな い, あ るいはそ の機 会 を多 くもたな い高校 生の実態が推察 で きる。「9.セ ンスや着 こな しには 自信が ある。」 にお いて, 肯定 者が非常 に少な く,約 半数が 「わか らな い」と回答

ー。。8。604。2。

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 質 問 項 目番 号

) はい □やや 臼わ か らない ロあまり ■いいえ 図 1 服 装 へ の 関 心

(質 問項 目)

1.皆に好感 をもたれ るよ うな服装 を心が けている。

2.服装 はその人の 人柄 を表す と思 う。

3.T.P・0にふ さわ しい服装 を心が けて いる。

4.で きるだけ着心地や肌触 りの良 いもの を着 る。

5.いつ も清潔 な服装 を心 が けて いる。

6.身体 によ く合 って動 きやす い もの を着 る。

7.流行遅れの服装 をす るのは嫌だ。

8.友だ ちか ら誉 め られ, うらやま しが られ る服裳が した い。

9.セ ンスや着 こな しには 自信が あ る。

10.自分の イ メー ジや個性 に合 った服装 を心 が けてい る。

(5)

鈴木 :高等学校における学校制服のコミュニケーション媒体としての展望 (第1報) 85

して いる結果 も同様 の ことを裏づ けて いる。

このよ うに,調査対 象 と した4高校 の女子生徒 は, 被服 の保健衛生上および生活活動上 の機能 を重視 し, 主体 的な衣生活 を営んで いるよ うで あるが,被服 の もつ 自己表現 上,社 会生活 上お よび整容装身 上の機能 を適切 に表現す る 自信 を もって いな い者が多い という特 徴 をもつ集 団である ことが明 らか にな った。各 自の生活 に合わせて適切 に自分 を表現で き る着装 を選択 ・判断で きる能 力が 身について いる とはいいがた い状況で ある ことが示唆 さ れた。 一万で, 制服が 生徒指導お よび生活指導 の対象 とな って いる背景が, この状況 をつ

くって いる ことも推測 され る。

2)学校制服の機能性評価

機能惟 評価24項 目につ いては, どの項 目につ いて も学年間で有意差 はみ られなか ったた め,学校間で比較考察 を行 った。

i) デザ イ ンの評価

「デザ イ ンを気 に入って いるか」 は,制服の美的機能惟 評価 につ いて問 うもので ある。

図 2に示す よ うに, 各高校 の校風および制服周辺の実態 を反映 した結果 とな った。A高校 は

,

「気 に入って いる」と回答 した生徒が約

4

割 を占め,

4

校 中最 も多か ったC ジャンパー スカー トの 上にボ レロを着用す る とい う形態 の制服 は,宗教 に基づ いた教育 を大事 にす る 校風 と相 まって, A高校 の良 いイ メー ジを象徴す る媒体 の一部 と して重要な位 置付 け と な っている と考 え られ る。逆 に

B

高校 は

,

「気 に入って いな い」と回答 した者が約

8

割 を占 め, 非常 に評価が低 いデザ イ ンであった。 同校 の制服 は,紺色ブ レザー と青色縦縞 ブ ラウ スの組み合わせで あ り, 自由記述等か ら考察す る と, この組み合わせ のイ メー ジが学校以 外の制服 を連想 させ るため,低 い評価 に結びつ いて いる と推察 した。C高校 は,「気 にいっ て いる」「気 に入って いない」ともに2割 強 を占めた。 一方で, 「どち らで もない」が約 半 数を占め, 可 もな く不 可 もな い制服 デザ イ ンである と感 じて いる者が多か ったO 明確な判 断 を 卜せ な い要因が ある ことも推測できる。D高校 も同様で,「どち らで もな い」が7割近

A B 高校 C D

t気に入っていj ロどちらでもない

□気に入っていない

図 2ザ イ ンを気 に入 って い るか

くを占めた。 ブラン ドデザ イ ンへ の制服 改 定直後で あるにも関わ らず, 生徒 はそのデ ザ イ ン決定 の プ ロセ ス に関 与 して お らず, そ の 良 さを判 断す る機 会 を もて な か った のではな いか と推察す る。以 Lのよ うに.

制服の美的機能性 の評価 は, デザ イ ン自体 の好嫌度 も影響す るが, 生徒 自身が校風 を 反映す るアイテム と して制服 を認識 して い るか否か に も左右 され る こと,すなわ ち制 服 の もつ象徴的機能性 と無関係 には評価で きな い ことが示唆 された。

ii)活動性 の評価

「活動 しやす いか」お よび 「着脱 Lやす いか」 は, 制服 の実用的機能性 評価,特 に生活 活動 上の機能評価 につ いて問 うもので ある。 いずれの高校 の制服 も 「活動 しやす い」と回 答 した生徒は1割 に満 たず, デザ イ ン面で評価 の高か ったA高校 の制服 も多 くの生徒 に活 動 しに くい と評価 されて いた。 (図

3)

活動性 の感 じ方 につ いては,個 人差や どのよ うな行

(6)

86 長 崎 大学 教 育学 部紀 要 教科 教 育 No.39 (2002)

動お よび状況 の時 を想定 して評価 して るのか さ らに追究す る必要が ある。 また,保健衛 生 上の機能 も併せ て評価 して いる ことも推察できる。 「着脱 しやす い」につ いて も,最 も多い C高校 で 3割 弱 が肯定 した にす ぎず, 着脱 の機 会 の多 い衣服 と して課題 を含 んで いる。

(図

4)

最 も評価 が低か ったのは

A

高校 で あ り,そ の理 由は, ジャンパースカー トの構造 およびそ の脇 ホ ック操作 の煩雑 さで あった。

C

高校 の着脱 しに くい理 由は,セー ラー服 の 構造 と着脱 のための開 口部 の関係性 にあ った。 D高校 の理 由 として, 「腕 が通 りに くい」,

「ボ タ ンの数が多 い」 とい うことが挙が ってお り, デザイ ン (シルエ ッ トおよびデ ィテー ル) にお いての効果が逆 に活 動上の機能性 を低下 させ て いる ことが明 らか にな った。

A B 高校 C D

■しやすい DLにくい 臼どちらでもない 図3 活動 しやす いか

A B 高校 C D

LLやすい 口しにくい E)どちらでもない 図4 着脱 Lやすいか

iii)制服 の不適合部位 と調整

「体型で気 にな る部位」 を高校別 に図

5‑ 1

か ら図

5‑4

に示す。

4

高校で有意差 はな く,部位別 には 「足」 が特 に気 にな る部分 と考 え られて いた。 唯一,制服着衣状態で見え る部分で ある。 しか しなが ら,他 の部位項 目を含 めてデザ イ ンとの相関性 はな い ことか ら, 生徒 の多 くは, 各 自の理想的なボデ ィイ メー ジ との相違性 にお いて判断 し回答 して いる と 思われ る。 一方で, C, D高校 は半数以 上, A 高校 は約 半数, B高校 も 4割 が, 「制服 で 体型 に合 って いな い部位 が ある」 と回答 した。 (図 6) 部位別 の回答 を図 7に示す。 4高 校 とも 「スカー ト丈」が最 も多か った。 これ は好み の問題 もあ り,一概 に体型へ の不適合 とはいえな い部位で ある。 次 に 「ウエス ト」 の不適合が挙が った。 この部位 は,体型 の変 化が顕著 に表れ る部位で あ り,特 にスカー トのウエス トに圧迫感 のある場合な ど, 成長期 の高校 生 に とってス トレスを感 じる原 因に もな りうる。

A

高校 につ いて は, 上衣 と下表が つなが った構造 にな って いるため, ウエス ト部位 には上肢や 上半身の運動が可能な程度 の 適度 なゆ と りが含 まれている。それ に も関わ らず

,

「ウエス ト」不適合 を挙 げた生徒が多 い のは, このゆ と り量が適 当でな い と感 じて いるか, さ らにウエス ト部位 を絞 った ライ ンへ の希望が あるので はな いか と思われ る。 A, B, D高校で 「肩

「首回 り

「腕付根 回 り」

の不適合が挙 げ られた。 制服 の構造面か ら考察す る と,

3

高校 とも衿な しの ジャケ ッ トタ イプの上衣 を対 象 に回答 された不適合部位で ある。

C

高校 のセー ラー タイ プの上衣 には要 求 されな い個 々の体型への フイ ッ ト性 が求 め られ るデザイ ンで ある。 デザイ ン性 を重視 し たため に, 余分な肩パ ッ トが挿入 され, いか り肩が強調 された り,バ ス ト寸法 に合わせて 首 回 りや腕付根 回 りが設計 され るため窮屈感 を感 じた り, ネ ック ライ ンが開 くといった不

(7)

鈴木 :高等学校 にお け る学校 制服 のコ ミュニケー シ ョン媒体 と して の展望 (第 1報) 87

‑I38tJ 80 60 40

20 0

バスト ウエスト ヒップ 上腕 TF傾 斜

部位

バスト ウエスト ヒップ 上腕 爾傾 斜

部位

図5‑ 1 体型で気 にな る部位 (A高校) 図5‑2 体型 で気 にな る部位 (B高校)

バスト ウエスト ヒップ 上腕 膚傾 斜

部位

バスト ウエスト ヒップ 上 腕 膚傾 斜

部位

図5‑ 3 体型 で気 にな る部位 (C高校) 図5‑4 体型で気 にな る部位 (D高校)

「TiiiD

R︼ C 高校

図6 体型 に合 わな い部位 あ り 図7 高校制服別不適合部位

都合は, ジャケ ッ トタイプで多 くみ られ る不適 合問題であ り必然的で ある。採 寸個所 を増 や し, チ ェ ック項 目を設定 し,そ の情 報を製造過程 に生か して いけば, この間題 は減少す る と思われ るが,価格 に影響す る ことは言 うまで もな い。

自分で サ イ ズお よび ライ ンの調 整 を して いる者 の割 合 は, 図8に示 す とお りで あ る

A,B,C

高校 は半数 を超 える生徒が何 らかの調整 を行 って いた。そ の内訳 をみ る と,

3

校 ともほ とん どが 「スカー ト丈を短 くして いる」 とい う回答で あった0D高校が比較的少 な いのは, スカー ト丈の標準が膝 上であ り短 くす る必要性 がな いためであろう。そ の他の

(8)

88 長 崎 大学 教 育学 部 紀 要 教 科 教 育 No.39 (2002)

部位 は専 門家でな けれ ば構造的な調整が困難な場合が多 い。 自分な りに着方 を工夫す る こ とによ って,不適合部位 に対処 して いる例 はな いか問 うた ところ,図

9

に示す よ うに,「工 夫 して いる」 と回答 した の は,

4

高校 ともに

1

か ら

2

割 で あ った。そ の内容 は, 「ブ ラウ スの第 一ボ タ ンをはずす

「リボ ンを工夫 してつ ける」等がみ られた。それ らの効果 は, 美的機能性 の向上 と活動性 の向上 に大別で きた。

A B C D

高校

8 サイズ・ライン調 整あり

A B C D

高 校

図 9 着方を工夫している部分あり

i v)

防寒性 の評価 と対応

「制服 のみ の着用で寒 さを感 じる」 と回答 した生徒 は, B, C高校 は 9割 を越 え, A,

D

高校 も

7

割 を越 えた。 (図

1 0)B

高校 で特 に多 いのは,指定 コー トのデザイ ンが古 く着用 者が ほ とん どいな いためで ある。

C

高校 は, コー トもマ フラー も自由で あるが, 制服 の構 造 に起 因 して いる と考 え られ る。そ の結果,重ね着 をす る生徒 も非常 に多 い (図

11 )

が, それ によ って不都合 も感 じて いる。 (図12)具体 的 に どのよ うな点 に不都合 を感 じるか 問 う た ところ, 図

1 3

に示す結果 とな った。セー ラータイ プの

C

高校 とジャケ ッ トタイ プの

A

, B, D高校 で, 異な る特徴がみ られた。 デザ イ ンによ って, 可能な重ね着 の方法が異な る が, フイ ッ ト性 の高 いジャケ ッ トタイ プは, どのよ うな重ね着 をす ると して も窮屈感 を感 じるで あろ うし,セー ラー タイプはそれ 自体完成 されたデザ イ ンであるため,衿元や ウエ ス トライ ンか ら下層部 に重ね着 した服 が見 える ことはイ メー ジを崩すで あろ う。 いずれ に して も,制服 は重ね着 を考慮す る ことな く設計 されて いるため, 防寒 とい う機能 につ いて は,制服へ の配慮 だけでは限界が ある。

100(% )

80 60 40 20 0

A B C D

高 校

10 制服のみの着用で寒さを感じる

A B 高校 C D

■よくする □時々する 図11 重ね着をする

(9)

鈴木 :高等学校 にお ける学校 制服 のコ ミュニ ケー シ ョン媒体 と して の展望 (第 1報) 89

A B C D

高校

図12 重ね着で不都合 を感 じる 図 13 重ね着で不都合 を感 じる点

ABCDJDEaa

Ⅴ)衛 生性 の評価 と対応

制服 の保 健衛 生的機能 につ いて, 「非衛 生的 だ と思 う」 と回答 した生徒 は,

A

,

B, C

高校 で は3‑ 4割で あった。 (図14)感 じ方 に個 人差 はある ものの,着用頻度お よび着用時 の活 動状況 を考え合わせ る と, この回答は妥 当で あろ う。

D

高校 が比較的衛 生的 と判断 し て いるのは, スカー ト丈が短 い ことに起因 して いるのではな いか と推察す る。 これ は,汚 れ の気 にな る部分 として, 「袖 口」「衿」等皮膚 との直接接触の頻度が高い部分 と並んで, スカー ト裾が高 い割合で挙 げ られて いるか らで ある。 (図15) ク リーニ ングに出す頻度 は,

4

校 とも,

5‑ 7

割 が

「2‑ 3

ケ月に1回」で あ り, 非衛 生的で ある と感 じて はいるが, ドライ ク リーニ ングが必要で あるため,頻繁な洗濯 は困難で ある状況がみ える。 (図16)

v

i)経済性 の評価

1 7

は,「制服指定 は経済的か否か」につ いての回答結果で ある。

4

高校 ともに,半数以 上の生徒が 「経済 的で ある」 と回答 してお り,経済性 を重視す るな らば, 制服 の存在意義 は大 きい といえる。制服指定がな けれ ば,衣服 を媒介 と した競争原理が働 き, よ り高価 な もの, よ り多 くの もの に執着す る ことによって,支 出が増 える ことを予測 して の結果 と考 え られ る。 しか しなが ら

,D

高校で 「経済的で ある」 と回答 した生徒が比較的少ないのは, 制服 自体 の価格が他の高校 に比べて 高い ことに起 因 して いるのではな いか と考 え られ る。

A B C D

高校

図14 制服 は非衛生的だ と思 う

口 部分 卜錘 千 品 l ト

図 15 汚れ の気 にな る部分

AらCD■E)E]■

(10)

90

̲'■hu%0080604020olHH■一hL

長崎大学 教育学部紀 要 教科教 育 No.39(2002)

A B 高校 C D

■毎遇 口月1‑2

□2‑3ケ月に1回 □その他 16 ク リーニ ング に出す頻度

10080604nt■HU 002

B 高校 C D

図17 制服 指定 は経 済 的であ る

vi)着心地 の評価

1 8

,

「着心地 に満足 して いるか否か」につ いての回答結果で ある。美的機能性,実用 的機能性 お よび象徴 的機能性, さ らには経済性等 にお ける総合的な評価 とと らえる ことが で きる項 目で ある。 しか しなが ら,質 問項 目間の関係性 を考察す る と, デザ イ ンへ の満足 痩,すなわ ち美的機能性 の評価 が総合評価 に最 も強 く影響 を及ぼ して いた。

A

高校 につ い ては, デザ イ ン面で は評価 が高か ったが,活動性等実用面で他 の制服 よ り若干評価 が低 く, 総合評価 に影響 を及 ぼ した もの と考える。 「各高校 の制服 の 自慢 で きる点」につ いて の回答 結果 によ って も,この解釈 の正 当性 が裏づ け られた。 (図

1 9)

象徴的評価 として の 「学校意 識が もて る」 は

4

高校 とも

4

割以 上の者が肯定 してお り,基本的 に どのよ うな制服で あっ て もそ の意義 は認め られて いる とと らえ る ことがで きる。 一方で

,

「デザ イ ン

「似合 い度」 は美的機能性評価 と して, この 「着心地

は実用 的機能性評価 として と らえ られ る。後者 の評価 は非常 に低 く, 自慢 で きる対 象 と して は前者 の要素が挙が る傾 向が認め られた。学 校 間で比較す る と, 各項 目で最 も評価 が高か ったのは

C

高校で あ り,総合評価 との相関 も 認め られた。 (図

1 8

「非常 に満足

「やや満足」 の選択者数 と図

1 9

各項 目の合 計点数 との相 関 :r

≒0. 85

,

p<0.

01)

100(% )

80 60 40

20

0

:;::

:

:;:

A B 高校 C D

q非常に満足 E)やや満足 E)どちらでもない E)あまり瀦足でない J)全く満足でない

18 着 心地 に満 足 して いるか 質問項 目22と23につ いて は省略す る。

000000ヽエーつ4321

自慢できる点

19 各 高校 の制 服 の 自慢 でき る点

(11)

鈴木 :高等学校における学校制服のコミュニケーション媒体としての展望 (第1報) 91

V血)制服 の意義

図20は

,

「制服が必要な理 由」につ いての複数回答の結果である。各高校で若干特色がみ られ るが,総 じて多か ったのは

,

「毎 日何 を着て い くか悩 まな くてよい」(50‑ 70%)であっ た。過半数の生徒 は, この理 由にお いて,制服 の意義 を認めて いる と推察できる。 しか し

\ノ00000000%7654321

図20 制服が必要な理由

なが ら,高校生の衣生活課題,すなわ ち被服 の も つ機能性 と審美性 を理解 し, 自己の衣 生活 を健康 で豊か に, また 自分で コン トロール していける能 力を養 うためには, このよ うな制服の とらえ方 は 問題 が 多 い と考え られ る。一方, 「学校 の伝統や 校風 を伝 える」 につ いては, 高校間 に有意な差が あ り, B, D高校 は少数で あった。 これは, 両校 ともに,

A, C

高校 と比較 して学校 のあるいは制 服 の歴史が浅 い ことに起 因 して, 自分の制服 を と お して一般 的な制服 の意義 を感 じる者が少なか っ たため と考 え られ る。

3)長崎市の女子高校 生の衣生活課題

調査対 象 とした

4

高校 の女子生徒 は,被服 の もつ 自己表現上,社会生活 上および整容装 身上の機能 を適切 に表現す る 自信 をもっていな い者が多か った。 「制服が必要な理 由」とし て, 「毎 日何 を着て い くか悩 まな くて よい」 と回答 した者が多 い とい う結果 は, この服装 観 を裏つ けて いる。 と同時 に,制服着用 に頼 った衣生活 の中で,物質的 には非常 に恵 まれ て いなが らも生活経験 の乏 しい高校 生は,意識 して この能 力を身 につ けよ うとす る姿勢が 乏 しい ことを示唆 して いる。 生活 のほ とん どを制服 を着用 して過 ごす ことの是非 を問 い直 す必要が ある。

1974か ら76年 に,長崎市 の女子 高校 生を対象 に実施 された,学校制服 の型,材質, 色お よび着装感 を問 う調査報告 (1977)による と38),生徒 の8割以 上, 数 %を除 く保護者 のほ とん ど全員が学校 制服 の存在 を肯定 して いる.セー ラー タイプの着脱や保温性調整の困難 さにつ いては,本調査 と同様 の結果が出て いる。 しか し, それ らの項 目の評価 の低 さが, この タイプの総合的な満足度 に影響 を与えて いる ことは, デザイ ンの満足度が総合評価 に 最 も影響 を及ぼす結果 とな った本報告 と顕著 に異な る点で ある。 調査時期が20年 異な り, 衣服 に対す る実用的機能性 を美的機能性 は ど重視 しな くな った女子 高校生の衣生活観 の変 化が推察で きる。 高 い割合 を占める制服肯定 の理 由も, この背景に起 因 し, 自由服よ りも 実用的機能性 の高い衣服 として の制服 の意義 を評価す る者が多い状況 を反映 して いる とも 考え られ る。 このよ うに,現代 の高校 生は,豊かな衣生活環境 を享受できる立場 に置かれ て いるにもかかわ らず,学校制服の意義 を暖味 に しか とらえて いな い。 この ことか らも指 導上,規制の媒体 として とらえるばか りではな く,衣服 を理解 し主体的 に と らえる教材 と

して具体的 に扱 って い く必要性 を感 じる。

非言語 コ ミュニケー シ ョンの観点か ら高校 生 の制服 を とらえ, 「違 反制服」 と 「正規 の 制服」のイ メー ジ調査 を行 った論 文 (2000)41)にお いて は, 「違反制服」 に親近性 の高 い集 団 と低 い集 団の間で は, 「違 反制服」 の意味合 いに差がみ られ, 生徒 間 にある種 の下位 文 化 をもつサ ブグループが存在す る可能性 を示唆 して いる。 男女 によ って, また所属 グルー

(12)

92 長 崎 大 学 教 育学 部 紀 要 教 科 教 育 No.39 (2002)

プによ って制服着用 とい う行 為 を通 じて の非言語 コ ミュニ ケー シ ョンに微妙 なすれ違 いが ある ことを提 示 して いる。 この よ うに, 集 団特性 や,そ の 中にお ける関係性, 自己の と ら え方や 流行 に対す る考え方 によ って, 先述 した教材 と して の学校 制服 の位 置づ けが変化す る ことも考慮 しな けれ ばな らな いで あ ろ う。

また, 1986年 に, 長崎 県 も含 む全 国 9地 区を対 象 に実 施 され た高校 生 (男女) の服装 に 対す る態度 につ いて の調査42)によ る と, 対 象者 は, フ ァッシ ョン意 識 の高低 と制服 を肯定 す るか 否定す るか とい う

2

つ の軸 によ って

4

タイ プ に分 け られ た。 タイ プ別 の構 成 比 は, フ ァッシ ョン意識が 高 いタイ プは63.9%で,そ の うち制服 を否定 した タイプ (34.6%)が4 タイ プで最 も高 い割 合 を 占めて いる。 本 調査で, 衣服 の整容装 身上の機能 を表現す る 自信 を もって いな い高校 生の実態 がみ られ た ことか ら, フ ァッシ ョン意識 が高 くて もそ れ を着 装 に生かす能 力が必 ず しも高 い とは いえな い。 しか しなが ら, 衣生活 課題 の 中で流行 の と らえ方等 につ いて地域差 お よび学校差 を考慮す る ことは不 可 欠で あ る と思 われ る。 本調査 で の結 果お よび考察 は, 長崎市 の各 々特徴 ある校風 を もつ高校 の女子 生徒 を対 象 に した も ので あ り,他 の地域 や学校 で一般化 で き る可能性 につ いて は疑 問で あ ろ う。

さ らに, 中学 生 (茨城 県水戸市) を対 象 と した報告 (1999)で はあ るが, 本調査 と同様 に

,

「着 る服 を選 ばな くてす む」とい う消極 的な理 由で制服支持 者が 多 い とい う結果 を得 て いる報告 もあ る20)。 こ こで は, 特 に女子 生徒 は,服 装へ の こだわ りが 強 く, 関心 も高 く, 気 に入 らな い服 を着 て外 に出 る ことを嫌 って いるため, 制服着用 に楽 さを感 じて いる。 す なわ ち, 制服 自体 の良 さを評価 して いるので はな く, フ ァッシ ョンに こだわ るため の逃 げ 道 と して 制服 を肯定 して いる と考察 して いる。 本調査で 「何 を着 て い くか悩 まな くて よ い

と回答 した生徒 の フ ァッシ ョンへ の こだわ りは不 明で あるが, いず れ にせ よ着装 につ いて 意識 し考 え る機 会 を もてな い ことは, そ の能 力を養 う 上で不利 な状 況 を生 じさせ るで あろ

う。

3.

学校 制服 の教 材 と しての意義 とコミュニケ ‑ シ ョン媒体化 への展 望

学校 制服 を教材 と して取 り扱 う場 合, 家庭科 が 主な対 象教科 とな る。 高等学校 の家庭科 教育 にお いて は, 日常 の身な りを整 え るに とどま らず, 社 会的 に視 野 を広 げ, 利潤 目的 に つ くられ て いる既 製服や フ ァッシ ョン情 報 にま どわ され る ことな く, 各 自の生活 に合わせ て適切 に美 しく自分 を表現 で き る着装 を選択 ・判断で きる能 力を養 いた い。 本 調査 の対 象 生徒 は,概 して この 目標 が達 成 され て いな い状況 で あ る ことが示唆 され た。 制服 が 日常 的 に生徒指 導 お よび 生活指導 の対 象 とな って いる背 景が, 教科指導 にお ける被服 の多面 的な と らえ方 を困難 に して いる ことも推測 され る。

制服 の実用 的機能性 の学習 を通 して, 各 自の生活 にお け る被服 との関わ りを考 え学ぶ こ とが で き るよ う配慮す る ことも大切で あるが, さ らに制服 が もつ交流促 進 的役割3)を具体 的な方法 で認識 で き る教材, さ らには家庭科授 業 の あ り方 を検 討す べ きで あ る。 連帯感,

フ ァッシ ョン性 等 につ いて 主体性 を もって追究す る ことによ り,文化 の共有 につ いて考 え, 環境へ の視点や 自己実現 へ の意欲 を もっ ことがで き, 流行や フ ァッシ ョンを多様 な側面か

らと らえ る姿勢が 身 につ くで あ ろ う。 現在, 設 計段 階か らの技 術 の向上 と, デザ イ ンにお けるコーデ ィネー ト性 が要求 されて いる。 このよ うな制服 メー カー の動 向 に も目を向 け,

(13)

鈴木 :高等学校 にお ける学校制服 の コ ミュニ ケー シ ョン媒体 と して の展望 (第 1報) 93

流通の仕組み につ いて学習す る機会 ももちた いもので ある。 これ によって生徒 は,衣脂 を 臼分や 自分の生活 を表現す る媒体 として認識で き.その ことが改めて 自分の生活 を創造的 に変化 させ る機会 をつ くって い くもの と思われる。 このよ うな教材 として学校制服が機能 す る ことが,制服が コ ミュニ ケー シ ョン媒体化す る原 点で ある と考 え る。 コ ミュニ ケー シ ョン媒体 と して の学校 制服 は, 生徒た ちを中心 と した 多様 な価値 観 を享受す る教 育 コ ミュニ ケー シ ョン環境 の育成 を支援す るものであるO

今後, さ らに, このよ うな コ ミュニケーシ ョン媒体 としての制服 のあ り方 を追究 し, 負 体的な教材 を模索 し授業 を提案 して いきたい。

謝辞 :調査 に ご協力いただ いた長崎市 内

4

高等学校 の生徒 の皆 さん,お世話 にな りま した Ft徒指導 の先生方, 員 重な資料 と示唆 をいただ いた明石被服興業㈱ デザ イナー児島 育子 さんおよび調査集計 に尽 力いただ いた長崎 大学教育学部 の一 ノ瀬エ ミさんに心 よ り御礼 申 し 上げますO

引用 ・参考文献

1) 日本家 庭科教 育学 会編 :『家庭 科教 育 事典』実教 Lli版,1992.

3)深作 光貞他 :『制服 革命』 明石被服興 業株 式会社,1986.

‑1)明 石被服興業株 式会社 :スクールコ ミュニ ケー シ ョン新世紀,1998.

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6)

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5

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9)松浦悠紀 [‑:高校 生の制服 に対す る意識 につ いて. 会津短期 大学研 究年報46,pp.193‑209,1989.

10)潮 目美 智 子 ・本郷 美枝 :制服か ら受 けた感覚 につ いて, 東京家 政大学研究紀 要28,pp.141‑145, 1988,

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13)畠山歌 子 :釧路 市 にお け る中学 生 の制服 に関す る実態 と意乱 釧路 論集16,pp.157‑175. 1984.

14)酒 井晴 子 ・奥田京 子 :北設楽地方 にお け る児童 ・生徒 の着 衣 に関す る調査1‑通学服お よび 制服 につ いて, 名 古屋女 子大学紀 要29qpp.1‑15.1983.

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(14)

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17)河地洋子 ・竹 内弘子 :高校 生冬用制服 に関す る意識 につ いて 一快適性 及びサ イズ意識, 日本服飾 学会誌20,pp.146‑153,2001.

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NUC

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21)堀 内雅子 ・塚 田陽子 :女子 高生 の衣 生活観 一制服 を中心 に して, 群馬大学教育学部紀 要 芸術 ・技 術 ・体育 ・生活科学編 25,pp.225‑236,1989.

22)平良美栄 子 :学校制服 に対す る意識 と自己概念 との関連性,紀要 (桜 美林短期大学)29, pp.51

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27)小林則子 :制服 に関す る研 究7‑上衣 の負荷仕事量 につ いて, 山 口大学教育学部研究 論叢 第2部 自然科学30(2),pp.61‑68,1980.

28)三井紀子 ・酒井豊子 :中学校 ・高等学校 の制服 に関す る研究2‑東京都 にお ける男子 の制服 の実 態お よび教員 の意見,家政学雑誌35(6),pp.391‑398,1984.

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同2‑制服 のイ メー ジ と満足度 につ いての保護者の意 見 (福 岡県),衣服学 会誌19(1),pp.15‑19, 1975.

3‑

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10,1976.

同4‑制服 の噂好 に対す る同一親子 の意 見 (福 岡県), 衣服学会誌21(1),pp.1‑7,1977.

30)村 井不二子 :明治洋装史 の研 究2‑学校制服の一考察1‑,学苑511,pp.24‑37,1982.

村 井不二子 ・安蔵裕 子 :明治洋 装史の研究2‑学校 制服 の一考察2‑,学苑511,pp.38‑44,1982.

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32)堀部慶 一 :制服改正 問題 に と りくむ生徒たち (特集/子 どもの権利 条約 ・そ の後 の展開), 教育47 (6),pp.55‑63,1997.

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(15)

鈴木 :高等学校 にお ける学 校制服 の コ ミュニ ケー シ ョン媒体 と して の展望 (第1報) 95

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36)宮淑 子 :子 どもの 人権 が危 な い 一管理 のため の衣装 は着 た くな い 一制服 を拒 否す る親 と子の論理, 月刊教 育の森8(3),pp.127‑133, 1983.

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38)串 山美津 子 :女 子高校 生の制服 につ いて の 一一考察, 長崎 県立 女 子短期大学研究紀 要25,pp.61‑68, 1977.

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40)申保 淑 子 ・古田 幸子他 :『被服構 成学 一着やす さと美 しさを求 めて』 朝倉書店, 1995.

4

1) 那須 田律 子 :高校 生の制服 につ いて の一研 究 一非言語 コ ミュニケー シ ョンの観点か ら, 人間 文化 研究 科年 報16,pp.217‑227,2000.

42)中川早 苗 ・松 浦悠 紀 子 ・大 喜多佐代 子 ・万臼二八重 子 :高校 生 の服装 と被服 教 育 に対 す る意 識 に関 す る一 考察 (第1報)高校 生の服 装 に対す る態度 につ いて,日本家 政学 会誌39(8),pp.861‑869,1988.

43)日本家政学 会 :『表現 と しての被服』 朝倉書店,1989.

参照

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