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シークワシャー(Citrus depressa Hayata)果汁の 真正性評価法の設定に関する研究

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

シークワシャー(Citrus depressa Hayata)果汁の 真正性評価法の設定に関する研究

武曽, 歩

http://hdl.handle.net/2324/2236348

出版情報:Kyushu University, 2018, 博士(農学), 論文博士 バージョン:

権利関係:

(2)

シークワシャー( Citrus depressa Hayata )果汁の 真正性評価法の設定に関する研究

武曽 歩

2019

(3)

目次

第1章 緒論 ... 1

第2章 カンキツ果汁摂取がヒトの精神的ストレスに及ぼす効果 ... 13

第1節 緒言 ... 13

第2節 実験材料および方法 ... 15

第1項 試験飲料 ... 15

第2項 実験方法 ... 15

第3項 データ処理および統計解析 ... 19

第3節 結果および考察 ... 20

第1項 試験飲料の栄養成分組成および有機酸量 ... 20

第2項 抗ストレス作用 ... 20

第4節 小括 ... 25

第3章 輸入冷凍濃縮オレンジ果汁を用いた真正性評価のための分析項目の選定 . 26 第1節 緒言 ... 26

第2節 実験材料および方法 ... 27

第1項 実験材料 ... 27

第2項 実験方法 ... 28

第3項 データ処理および統計解析 ... 32

第3節 結果および考察 ... 32

第1項 色調 ... 33

第2項 糖量 ... 33

第3項 有機酸量 ... 38

第4項 フラボノイド量 ... 39

第5項 香気成分量 ... 41

第6項 多元素濃度および重元素同位体比 ... 44

(4)

第7項 主成分分析法による真正性評価 ... 47

第4節 小括 ... 51

第4章 シークワシャー果汁の真正性評価法の設定 ... 53

第1節 緒言 ... 53

第2節 実験材料および方法 ... 59

第1項 実験材料 ... 59

第2項 実験方法 ... 60

第3項 データ処理および統計解析 ... 67

第3節 結果および考察 ... 68

第1項 官能評価法による真正性評価 ... 68

第2項 クロマトグラフ法による真正性評価 ... 73

第3項 DNAマーカーによる真正性評価 ... 87

第4節 小括 ... 96

第5章 総括 ... 98

謝辞 ... 104

参考文献 ... 105

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1 1 緒論

カンキ ツ類は ミカ ン 目,ミカン 科(Rutaceae)のミカ ン亜 科(Aurantioideae) に属す る植物 であ る .田中長 三郎 によ る とミカ ン亜科 は 8 連 に分類 され,35 属が含 まれ る 1 ).カ ンキツ 連は 4 亜連 と 6 属から なる が,園芸 学上カ ンキツ と称し ている のは ,カンキ ツ属(Citrus),キン カン 属(Fortunella),カ ラ タ チ属(Poncitrus)と ,クリ メニ ア属(Clymenia)を 加 え た 4 属 であ る 2 ).こ のうち ,食 用と され ている のはカ ンキ ツ 属とキ ンカン 属の 一 部であ る( 表 1- 1).ア ジア東 南部 を 原産地 とし,世界 的 にはア メリカ ,オ セ アニア ,イタリ ア,スペ イン,ブ ラ ジルな どに分 布し て おり,日 本では ウン シュウ ミカン が 主要な 食用カ ンキ ツ であり ,その 収穫 量 は 2018 年に おい て 約 74 万 t/年で ある 3

我が 国 の 果 実 飲料 の 生産 は ,1971 年に 始 まる 農 林 水 産 省の 補 助事 業 「 果 実加工 需要拡 大緊 急 対策事 業」に よる 農 協系大 型果汁 工場 の 稼動,ウ ンシュ ウミカ ンを主 体と す る原料 用果汁 の潤 沢 な供給,消費 者の 自 然・本物 志向に 支えら れて順 調に 伸 び,そ の生産 量 は 2017 年の調 査 4で は 1970 年と 比較 して 7.5 倍 増の 1,800 万 kL に 達し ,国 民 1 人当た り年 間 14 L を消費 してい る と見 積 も られ て お り ,市 場 に おけ る 果 実 飲料 の シ ェア は 急 成 長 を 遂 げ た . し かし な が ら ,1992 年 のオ レ ン ジ 果 汁の 輸 入 自 由 化 以 降 ,国 産 の 冷 凍 濃 縮 ウンシ ュウミ カン 果 汁と比 べて低 価格 の 冷凍濃 縮オレ ンジ 果 汁の輸 入,景 気 の低迷,他の飲 料と の競争 激化,消 費者 の嗜好 変化な どを 反 映して,現在で は,果実 飲料 の消 費 は頭打 ち状態 とな っ ており,果実 飲料 の 中でオ レンジを 中心と したカ ンキ ツ 類果汁 の消費 量が 最 も多い .

他方,環 太平洋 地域 の 国々に よる経 済の 自 由化を 目的と した 多 角的な 経済 連携協 定(EPA)で ある環 太平洋 パー ト ナーシ ップ協 定(Trans -Pacific

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表 1-1 田 中の分 類 に基づ くカン キツ 分 類 1)

学術名 一般名

Citrus Archicitrus Papeda Acutifolia C. macroptera カブヤオ

Limonellus Eulimonellus C. latifolia タヒチライム

C. limettioides スイートライム

Citrophorum Citrioides C. medica シトロン

Limonioides C. limon ユーレカレモン

C. limetta スイートレモン

Decumanoides C. lumia ルミー

Cephalocitrus Decumana C. grandis ヒラドブンタン

C. grandis シャテンユ

Intermedia

Flavicarpa C. paradisi マーシュグレープフルーツ

C. glaberrima キヌカワ Aureocarpa C. hassaku ハッサク

Aurantium Medioglobosa C. natsudaidai ナツダイダイ

Aurantioides

Racemosa C. aurantium サワーオレンジ

Sinensoides C. sinensis バレンシア

C. sinensis ネーブル

C. iyo イヨ

Osmocitroides

Tenuicarpa C. tamurana ヒュウガナツ Paranobilis C. shunkokan シュンコウカン

Metacitrus Osmocitrus Euosmocitroides C. junos ユズ

C.sudachi スダチ

C. sphaerocarpa カボス

Acrumen Euacrumen C. nobilis キング

C. unshiu ウンシュウ

C. yatsushiro ヤツシロ Microacrumen

Anisodora C. keraji ケラジ

C. oto オートー

Citroidora

Megacarpa C. reticulata ポンカン

C. tangerina ダンシータンゼリン

C. clementia クレメンティン

C. succosa ジミカン

Microcarpa C. tachibana タチバナ

C. kinokuni キシュウ

C. sunki サンキツ

C. depressa シークワシャー

C. leiocarpa コウジ

Pseudofortunella C. madurensis シキキツ(カラマンシー)

Fortunella F. margarita ナガミキンカン

F. crassifolia ニンポウキンカン 分類区

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3

Partnership; TPP)へ の参加 によっ て,大 部分の 農産物 は相 手 国から 安価な 原 料をそ のまま,ある い は長期 保存が 可能 な 冷凍濃 縮果汁 など の 加工食 品とし て輸入 される よう に なり,国 産農 産物 の 価格の 下落が 懸念 さ れてい る.そ の ため,生 産の低 コス ト 化が困 難な中 山間 地 域など 過疎化 が進 む 地域で 生産さ れた農 産物の 消費 は 低迷が 予想さ れ,地 域 経済 の 疲弊に よっ て 地域社 会その ものが 立ちゆ かな く なるこ とが危 惧さ れ ている ことか ら,地 域 性の 高 い 農産 物には ブラン ド化 に よる生 き残り 戦略 が 求めら れてお り,ユ ズ,スダ チ,カ ボス,シ ーク ワシ ャ ー など の香酸 カン キ ツ 類は,ブラ ンド 化 が成功 した事例 として 挙げら れて い る 5 - 7

消費の 伸びる 食品 は 不正表 示など の食 品 の偽和 問題と 直面 し ている.食 品 の偽和 とは,例え ば 加工食 品の製 造工 程 におい て,安 価な 異 種原料 の混合や 水 増 し を 行 い , 食 品 の 純 正 性 ( 真 正 性 ) を 失 わ せ る こ と で あ り , “果 実 飲料 の 偽 和 ”は 古 く か ら 知 ら れ て い る 食 品 偽 装 で あ る . 偽 和 に よ っ て , 消 費 者 は 表示と 品質と の違 い により 大きな 不利 益 を被る ことに なる.適 切な価 格で消 費 者 あ る い は 実 需 者 が 得 た 食 品 や 原 料 の 真 正 性 は 商 取 引 の 大 前 提 で あ る た め,食 品の偽 和, あ るいは 偽装表 示は , 公正な 食品流 通を 阻 害する .

欧米 では,果汁 の 偽和は 一世紀 以上 前 から認 められ ,行 政 機関も 対策を講 じてき てきた が,不 正は後 を絶た ない の が現状 である .果 汁 の偽和 は当初は

“水で薄め る”,“糖類 や酸を 添加す る”など の簡単 な操作 であ っ たが,偽 和鑑 別の技 術が進 むに 伴 い,巧 妙な偽 和 が 増 えてい る 8

米国 の偽和 製品 に 対する 法律で は,食 品医薬 品局(FDA)の Federal Food, Drug, and Cosmetic Act Chapter IV-Food Sec 402. Title Sec.Adulterated foodの 中で,い ずれ かの項 目に該 当する 場合 に は“adulterated(偽和 されて いる)と みなす”と 規定 されて いる 9 ).欧 州連 合 の規 定で は ,欧州 委 員 会(The European Commission)の下 部 機関に 欧州食 品安 全 機関(European Food Safety Authority)

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があり ,“一 般食品 法 規則(General Principles and Requirements of Food Law)”

を所管 してい る.個 別的に は欧州 各国 の 法律に 従うが ,果 汁 に関す る横断的 機関と して ,欧 州品 質管理 システ ム(European Quality Control System; EQCS),

欧州果 汁協会 (Association of the Industry of Juice and Nectars from Fruits and Vegetables of the European Union; AIJN), 欧州に 拠点を 置く 果 汁の品 質と安 全に関 わる国 際 的 NPO(Sure Global Fair; SGF) および 国際 果 汁製造 者連合

(International Federation of Fruits Juice Producers)な どが あり, 相互に 機能 してい る.AIJN の「Code of Practice」と SGF の「Database of authentic samples」 は,国 際的に よく 利 用され ている .

我が国 では,果汁 の 偽和問 題に対 して 関 心が薄 く,取 り締 ま りのた めの法 整備も 遅れて いる .偽和と 判明し ても ,人体に 危害を 加え な いもの であれば 直接罪 に問わ れな い .2001 年 1 月 の外 国 産牛肉 の産地 偽装 事 件では ,内部 告発や 企業の 内部 調 査によ って食 品の 虚 偽表示 や不正 が判 明 し ,連日 のよう に社会 的責任 が問 わ れたも のの,最近 頻 発して いる食 品偽 装・偽和事 件を見 ても刑 事訴訟 まで 至 らない のが現 状で あ る( 表 1-2).

我が国 の規定 では ,加工食 品の表 示に 関 する法 規とし て,食 品衛生 法に基 づく諸 規則 ,日本 農 林規格(Japanese Agricultural Standard; JAS 規格)に基 づ く加工 食品品 質表 示 基準,食 品表示 法お よ び内閣 府令食 品表 示 基準等 がある . また,果 実飲 料に 関 する法 規とし ては ,果実飲 料品質 表示 基 準およ び果実飲 料の日 本農林 規格 が ある.さ らに,業界 団 体であ る果汁 飲料 公 正取引 協議会 が自主 基準と して 定 め,公正 取引 委員 会 が認定 した「 果実 飲 料等の 表示に関 する公 正競争 規約 」もある .しか しな が ら,多 くの場 合,偽 和に対 する法整 備 は遅 れ て おり , 品 質 表示 な ど で問 題 が あ った と し ても 関 係 機 関か ら 注 意,

指 導 な ら び に 警 告 を 受 け る に 留 ま っ て い る 1 0 , 11. 香 酸 カ ン キ ツ の ひ と つ で あるシ ークワ シャ ー は健康 機能効 果に 関 する報 告を受 け,今 日 では 機 能性食

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品素材 として の展 開 が 志向 されて い る 1 2 ).この ため ,現 在では シーク ワシャ ーは全 国規模 で認 知 され,産 業規模 は 2001年の 8,000 万円か ら 2006年には 約 40 億円 に急 増して い る 1 3 ).シー クワ シ ャー市 場 の好 況に よ り,数年 前ま では放 任栽培 がほ と んどで あった が,現 在では 管理栽 培へ と 変遷し,生産量 も年々 増加し つつ あ る(図 1-1).し か し ながら ,シ ークワ シ ャー果 樹は短 期 間 での 需 要 急 増 に対 応 する こ と が 困 難で あ り ,2001 年 から 数 年 間の 年 間 生

産量は 1,000 t 程度 と 横ばい であっ た. こ のため ,シー クワ シ ャーお よびシ

ークワ シャー 加工 品 への需 要が急 増 す る 一方で,慢性的 な原 料 不足と なって いた.

シーク ワシャ ーに 類 見する カンキ ツと し て,台湾,フィリ ピ ン,中央 アメ リカ,日本,中国,ハ ワイ,フロリ ダに 広く 分布し ている カラ マ ンシー(Citrus madurensis Lour.1 4がある(図 1-2).台 湾やフ ィリピ ンで は カラマ ンシー を果汁 原料と する 食 文化 1 5 , 1 6があ る. 年 間を通 じて着 果 , 収 穫でき ること から和 名で四 季橘( シキキ ツ)と 呼ば れ て いる .形状 は 図 1-2 に示し たよう に キ ンカ ン に も 似 て い る が, 田 中 の 分類 1に よ る と キ ン カ ン 属 で はな く カ ンキツ 属後生 カン キ ツ亜属 トウキ ンカ ン 区に属 する( 表 1-1).シーク ワシャ ーと類 見する ため カ ラマン シーの 果汁 が「 シーク ワシャ ー果 汁 」と偽称 され,

ア ジ ア 各 地 か ら 沖 縄 に 輸 入 さ れ て シ ー ク ワ シ ャ ー 果 汁 と し て 販 売 さ れ る 事 態が頻 出 して いた.シ ークワ シャー 以外 の 果汁を 混入し た偽 和 果汁の 流通が 横 行し た と し て ,2003 年に は 公 正取 引 員 会 によ る 商 品 の 排 除 命 令 が 下 さ れ ている .

一般的 な食品 の偽 和 は,通常 ,本物 より 安 価な異 種原料 の混 合 や水増 しに よっ て 行われ る .こ れ ら の場 合,真正 な食 品 と比べ て炭水 化物 ,タ ンパク 質,

脂質な どの成 分組 成 に違い がある ため ,識別は 容易で ある .異種の タンパク 質が混 入して いる 場 合は,電 気泳 動法 に よって 識別可 能で あ る .偽和 に用い

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表 1-2 食品 偽装に 関する 報道の 一例

発生年 事例

2001 外国産牛肉の産地偽装 2003 ブランド肉「飛騨牛」の偽装表示 2007 豚肉・鶏肉等の混入挽肉販売 2007 餅菓子の消費期限表示偽装

2007 産地偽装や賞味期限偽装,食べ残し再提供問題 2007 米「コシヒカリ」の産地偽装

2008 事故米不正転売

2013 大手ホテル,百貨店レストランなどのメニュー表示における,産地や食材の種類での虚偽表示・

偽装表示

2014 ブランド肉「松坂牛」偽装表示

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図 1-1 シー クワシ ャー果 実の生 産 量 と 作付面 積の推 移

0 50 100 150 200 250 300 350 400 450 500

0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500 4000

2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014

作付面積ha

生産t

生産量(t 作付面積(ha

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図 1-2 シー クワシ ャー果 実とカ ラマ ン シー果 実の外 観

左,シ ークワ シャ ー (Citrus depressa Hayata)果 実 右,カ ラマン シー (Citrus madurensis Lour.)果実

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た食品 に特有 な成 分 が存在 する場 合は,そ の成分 を測定 対象 と する分 析が真 正 性の 最 も 決定 的 な 確 認法 と な る. あ る 成 分が 真 正 な 食 品 に は 少量 で あ り , 偽和に 用いる 原料 に は多量 である 場合 は,両者の 食品中 での 含 有範囲 から偽 和原料 食品の 混入 割 合が推 定でき る.こ れ までに オレン ジな ど のカン キツ類 に関す る偽和 識別 の 方法が いくつ か報 告 されて いる .Kirit らは,高速液 体ク ロ マ トグ ラ フ (HPLC) 法 を 用 い て オ レ ン ジ 果 汁中 の 有 機 酸 類 , 糖 類, ア ミ ノ 酸 類 , フ ラ ボ ノ イ ド 類 を 分 析 し ,naringin, ク エ ン 酸 お よ び リ ン ゴ 酸 が グ レープ フルー ツ果 汁,レモン 果汁お よび オ レンジ 果皮の 混入 に よる偽 和を示 す指標 成分で ある こ とを報 告して い る 1 7.また,Ježek らは ,キャピ ラリー 電気泳 動法を 用い て 陽イオ ンや有 機酸 を 分析し,D-イソ クエ ン 酸がオ レンジ 果汁に 一定量 含有 さ れるこ とから,真正 性 を示す 指標成 分と な り得る ことを 報告し てい る 1 8.さ らに,Le Gall らは,核磁気 共鳴(NMR)法を用 いてオ レ ン ジ 果 汁 中の パ ル プ ウォ ッ シ ュの 混 入 を 識別 す る 方法 を 提 案 して いる 1 9. しかし ながら ,果 汁 成分は 品種,産地 ,収穫期 ,熟度 など で 異なる ため,十 分 な デ ー タ ベ ー ス と 統 計 的 解 析 法 の 設 定 が 真 正 性 評 価 の た め に 不 可 欠 と な る.

他方,食品の もつ 機 能性を 食品表 示と し て記載 できる 機能 性 表示食 品制度 が施行 され ,当該 表 示食品 数は年 々増 加 してい る( 表 1-3).カンキ ツ類は , 人の健 康維持 増進 に 役立つ フラボ ノイ ド 類,カロ テノイ ド類 な らびに テルペ ン 類な ど 多 様な 成 分 を 含み , こ れら は 発 ガ ン予 防 研 究に 供 さ れ てき た.「世 界ガン 研究基 金(WCRF)」と「米 国ガ ン研 究協会(AICR)」は 2018 年 5 月,

世界各 国で行 われ て きたガ ン予防 に関 す る疫学 研究報 告を「 食事,栄 養,運 動とが ん:世界 的展 望 (Diet, Nutrition, Physical Activity and Cancer: a Global Perspective)」2 0とし て発 表 し て おり , そ の 中 で カン キツ 類 の 摂取 は 胃 が ん のリス クを低 下さ せ る可能 性を示 唆し て いる.我 が国 では カ ンキツ 科,セン

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ダ ン 科 の 植 物 に 含 ま れ る ト リ テ ル ペ ノ イ ド 誘 導 体 の リ モ ニ ン や ノ ミ リ ン な どのリ モノイ ド成 分 の生理 機能解 明 2 1を はじめ ,様々 な研 究 が行わ れてき た.近 年では ,ウン シ ュウミ カンの 果皮 や 果肉に 存在す る β-ク リプト キサン チンに おいて ,細胞 2 2 , 2 3や実 験動 物 2 4で の試験 により がん 予 防作用 や,コ ホート 研究に より 骨 密度低 下抑制 効 果 2 5などが 明らか にな り つつあ る.ま た,フ ラボノ イド の 一種で ある nobiletin におい ても発 がん 抑 制作用 2 6 - 2 8, 炎症抑 制作 用 2 9な ど の機能 性が報 告さ れ ており ,カン キツ 類 の中で もシー クワシ ャー が nobiletin を高含 有し ている ことが 明らか とさ れ てい る 3 0 , 3 1. 以上の 背景を 鑑み ,本研究 では,シー ク ワシャ ー果 汁 の真 正 性 評価 法を設 定する ことを 目的 と して試 験を行 った .まず 第 2 章に おい て ,カンキ ツ果汁 摂取の 有用性 を訴 求 するた め,シー クワ シ ャー果 汁と同 様の 香 気成分 組成を 有する ユズ果 汁 3 2を 用いて 精神的 スト レ スの 緩 和作用 につ い てヒト 試験を 実施し た.

第 3 章 では,我が 国 に輸入 されて いる 冷 凍濃縮 オレン ジ果 汁 の糖類,有機 酸など の品質 成分 を 分析し,海外 の果 汁 の規格 ガイド ライ ン と比較 して,輸 入され ている オレ ン ジ果汁 の品質 評価 を 試みた .また,フ ラ ボノイ ド,香 気 成分,元 素濃 度お よ び同位 体比を 分析 し ,それら の成 分が 個 別に真 正性を評 価する ための 指標 と して用 いるこ とが で きるか 否かを 検討 し た.さら に多変 量解析 を用い るこ と でオレ ンジ果 汁の 産 地毎の 特徴を 明ら か にし,シ ークワ シャー 果汁評 価の た めの品 質決定 因子 に ついて の知見 を集 約 した.

第 4 章 では,シー ク ワシャ ーを対 象と し て,真正 性評 価 の た めの官 能なら び に 品 質 情 報を 用 い た 偽和 果 汁 判定 に 関 す る分 析 法 につ い て 検 討 を 行 っ た.

まず,官 能評 価に よ る識別 が可能 であ る かを検 討する ため ,偽和モ デル果汁 を作製 し,2 種の官 能 評価を 実施す るこ と で,官 能評価 法に よ る識別 の可能 性を示 した.次 に,品質情 報に着 目し て ,シーク ワシャ ーに は含有 されな い

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表 1-3 機能 性表示 食品の 一例

届出番号 届出者名 商品名 食品の区分 機能性関与成分名

A4 キユーピー株式会社 ヒアロモイスチャー240 加工食品

(サプリメント形状) ヒアルロン酸Na

A7 株式会社ファンケル えんきん 加工食品

(サプリメント形状)

ルテイン アスタキサンチン シアニジン-3-グルコシド DHA

A38 株式会社東洋新薬 メディナチュラル 加工食品

(サプリメント形状) サーデンペプチド(バリ ルチロシンとして)

A55 大塚製薬株式会社 ネイチャーメイド ルテイン 加工食品

(サプリメント形状) ルテイン

A290 株式会社全日本通販 テアニン快眠粒 加工食品

(サプリメント形状) L-テアニン

A2 キリンビバレッジ株式会社 食事の生茶 加工食品

(その他) 難消化性デキストリン A40 株式会社伊藤園 ブルーベリー&(アンド)アサイーMix

(ミックス) 加工食品

(その他) アスタキサンチン A47 雪印メグミルク株式会社 恵 megumi(メグミ) ガセリ菌SP(エ

スピー)株ヨーグルト 100g 加工食品

(その他) ガセリ菌SP株

A69 アサヒ飲料株式会社 アサヒ めめはな茶 加工食品

(その他)

メチル化カテキン〔エピガロカテキン-3- O-(3-O-メチル)ガレートおよびガロカ テキン-3-O-(3-O-メチル)ガレート〕

A70 森永製菓株式会社 カカオフラバノールスティック 加工食品

(その他) カカオフラバノール A82 日清オイリオグループ株式会社 日清健康オイル アマニプラス 加工食品

(その他) α-リノレン酸

A100 株式会社はくばく 大麦効果 加工食品

(その他) 大麦β-グルカン A252 江崎グリコ株式会社 メンタルバランスチョコレートGABA(ギャ

バ)〈ミルク〉スタンドパウチ

加工食品

(その他) γ-アミノ酪酸

B147 味の素株式会社 毎朝ヒスチジン 加工食品

(その他) ヒスチジン

B242 株式会社Mizkan りんご黒酢 加工食品

(その他) 酢酸

C80 不二製油株式会社 ペプチドメンテ 加工食品

(その他) 大豆由来セリルチロシン

A79 三ケ日農業協同組合 三ケ日みかん 生鮮食品 β-クリプトキサンチン

A80 株式会社サラダコスモ 大豆イソフラボン子大豆もやし 生鮮食品 大豆イソフラボン C314 マルハニチロ株式会社 よかとと 薩摩カンパチどん 生鮮食品 DHA・EPA

C385 つがる弘前農業協同組合 プライムアップル!(ふじ) 生鮮食品 リンゴ由来プロシアニジン D123 Wismettacフーズ株式会社 糖調唐辛子 生鮮食品 ルテオリン

D18 カゴメ株式会社 GABA Select(ギャバセレクト) 生鮮食品 GABA

出 典 :h t tp s : / / w w w. fl d . caa. go. jp / caaks / cs s c0 1 /

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成 分 あ る い は第 3 章 で 明ら か に し た カン キ ツ の 品 質 決 定 因子 に 基 づ い て 機 器分析 を行い,判別 分析に よる評 価を 試 みた.次 いで,微 量 混入に よる偽 和 を識別 するた めに , 葉緑 体 DNA 中の一 塩基多 型(SNP) に 着目し , 識別 用 のプラ イマー を開 発 し,ア リル 特異 的 PCR 法 で DNA 配列の 違 いによ る真正 性評価 につい て検 討 した.

以上,本研 究に よ って,我 が国 で 流 通 してい るオレ ンジ 果 汁原料 の品質成 分を基 にした 偽和 物 評価に 寄与す る 項 目 につい ての選 定を 行 った.こ の結果 から,最 終的に は真 正 性評価 が困難 とさ れ るシー クワシ ャー と カラマ ンシー につい て識別 方法 を 提案し,偽和食 品に 対 応可能 な識別 法を 明 らかに するこ とが可 能とな った .本研究 成果は ,シ ー クワシ ャー果 汁に 限 定され るもので はなく ,他の カン キ ツ果汁 の識別 にも 応 用可能 である .

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2 カンキツ果汁摂取がヒトの精神的ストレスに及ぼす効果

1 緒言

2015年に機 能性 表示 食品制 度が施 行さ れ,食品の 機能性(生体 調 節機能 ) への関 心はさ らに 高 まって いる.この 制 度は,健 康の 維持 お よび増 進に役立 つ機能 を表示 可能 と したも のであ り,特 定保健 用食品( トク ホ)とは 異なり 事業者 の責任 で,科 学 的根拠 を基 に 商品 パ ッケー ジに機 能性 を 表示す ること ができ る.ト クホ は 消費者 庁長官 によ る 認可が 必要( 許可 制 )であ り ,機能 性 評 価 に 臨 床 試 験 が 必 要 で あ る た め 認 可 を 得 る ま で に 多 く の 時 間 と 費 用 を 要 する . そ れに 対 し て 機能 性 表 示 食 品 は 事 業者 に よ る 届 出 制 で あ り , ま た,

機 能 性 の 根 拠 を 臨 床 試 験 あ る い は 最 終 製 品 ま た は 機 能 性 関 与 成 分 に 関 す る 文献調 査(シ ステ マ ティッ クレビ ュー )のいず れかの 方法 で 示すこ とができ ること から ,機 能性 表示の 門戸が 広が っ た.その ため ,2015 年 11 月まで の 届出件 数 は 310 件で あった が,2018 年 11 月に は 1,588 件と 3 年間で 約 5 倍 にまで 増加し てい る 3 3. 現在 ,カ ンキツ に関連 する機 能性 表 示食品 で は β- クリプ トキサ ンチ ン による 骨の健 康 3 4に 役立つ 機能の みが 表 示され ている . 他方,カ ンキ ツの 機 能 性 と 関与成 分 に 関 する研 究は数 多く な されて おり,先 に 述 べ た β-ク リ プ ト キ サ ン チ ン の 他 に , ポ リ メ ト キ シ フ ラ ボ ン 類 の ひ と つ で あ る nobiletin, フ ラ ボ ノ イ ド の naringin や hesperidin, ク マ リ ン 類 の auraptene など で発が ん抑制 作用 3 5,動 脈 硬化 抑 制作 用 3 6,脂 質代謝 改善作 用 3 7, 抗炎症 作 用 2 6,抗ア レルギ ー作 用 3 8な どが 報告さ れて いる.

我 が 国 で 栽 培 さ れ て い る カ ン キ ツ に は 生 食 が 多 い ウ ン シ ュ ウ ミ カ ン の 他 に,ダ イダイ ,ユ ズ ,スダ チ,カ ボス,シーク ワシャ ーな ど 酸味や 香りを 楽 しむ香 酸カン キツ が ある. これら カン キ ツは独 特 の芳 香を 放 つ 3 9も のが多 く,和食 のア クセ ン トなど にしば しば 利 用され ており ,そ の 香りは 経験的に

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食欲増 進と安 らぎ を もたら すと考 えら れ ている .

一方,ス トレス 社会 と 呼ばれ る現代 社会 に おいて ストレ スを 緩 和する 方法 を見出 すこと は喫 緊 の課題 である .一 般 にスト レスは ,身 体 的スト レスと精 神 的 ス ト レ スに 分 け ら れる . こ のう ち , け がや 病 気 など の 肉 体 的 あ る い は , 暑さ,寒 さなど の物 理 的要因 によっ て引 き 起こさ れる身 体的 ス トレス は原因 が明ら かであ るこ と から対 策が容 易で あ るが,目 に見え ない 精 神的ス トレス は対応 が困難 であ る .精神 的スト レス は ,心理 面,行 動面,身体面 に様々 な 影響を 及ぼし ,ま た 過度の ストレ スは う つ病や 不安障 害な ど の精神 疾患,消 化性潰 瘍など 重篤 な 疾患の 引き金 とな る .精神 疾患は ,が ん ,脳卒 中,急性 心筋梗 塞,糖尿 病と と もに厚 生労働 省が 定 める基 本指針 に即 し て都道 府県が 定める 医療計 画に 記 載され てい る 5 疾病 の 1 つで ある.2014 年のが んの患 者数は 約 160 万人 ,脳卒中 が約 104 万 人 ,急性 心 筋梗 塞( 心 疾患( 約 172 万 人)のうち の 1 つ),糖尿病 が約 316 万 人 であり ,精 神疾 患の 患者 数( 約 390 万人)が 最も多 いの が現状 であ る 4 0.ま た,労働 者健康 状態 調査(2012年)

では,仕 事や職 業生 活 でスト レスを 感じ て いる労 働者の 割合 が 6 割を超 えて いる 4 1

スト レスと いう 概 念を医 学・生 物学 の 領域で 初めて 用い た のは Cannon と Selyeであ る 4 2 , 4 3.当初 ,外 部 から の刺 激をス トレッ サー ,それに 対する 生 体の非 特異的 反応 を ストレ スと呼 んで い たが,現 在では 両者 と もスト レスと 呼び,厳 密に区 別し ないこ とが多 い 4 4.そのた め,本研 究に おいて も外部 刺 激をス トレス ,外 部 刺激に 対する 生体 反 応をス トレス 応答( ストレ ス刺激を 受けた 後の平 常状 態 への回 復をス トレ ス 緩和) と定義 して 用 いる.

スト レスは 日常 生 活の中 で生じ るこ と から,ス トレス を緩 和 するた めの方 法も日 常生活 へ容 易 に取り 入れ可 能な も のが望 ましく,スト レ ス緩和 食品の 摂取は その方 策の ひ とつと 考えら れる .香酸カ ンキツ の中 で ,ユズは 生産量

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が最も 多く,認知 度 も高く て我が 国で 消 費が多 いカン キツ で あり,さ らにユ ズ が 放 つ 特 有の 芳 香 は スト レ ス 緩和 効 果 を 示す こ と が 報 告 さ れ ている 4 5. しかし ながら,ユズ 果 汁を摂 取する こと で 同様の 効果を 得る こ とがで きるか 不明で ある.そこ で,本章で はカン キツ 摂 取の有 用性を 明ら か にする ことを 目的と して,ユ ズ果 汁 を含む 飲料に つ い て ストレ ス緩和 効果 を 検証す るヒト 試験を 実施し た.

第2節 実験材料および方法

第1項 試験飲料

試験飲 料とし てリ ン ゴ酢(㈱ ミツ カン製 ,リンゴ 酢,栄 養成 分値 100 g あ たり;エネ ルギー ,27 kcal;タ ンパク 質,0 g;脂 質 ,0 g;炭 水 化物,7.9 g; ナトリ ウム ,2 mg)を主体 とし ,ユズ 果 汁(山 口食 品工業 ㈱ 製,供 与品 )を 10%(w/w)お よび ハ チミツ(熊手 蜂蜜 ㈱ 製,供 与品)を 30%(w/w)混合し たユズ 果汁含 有飲 料 を用い た.本品 を蒸 留 水で 5 倍希釈 した も のを試 験飲料 とした.試料 の提供 量は 100 mL,提 供温 度は 10°C とし た.ま た,対照 とし て蒸留 水を用 いた .

第2項 実験方法 1.一般成 分の 分析

試験飲 料のエ ネル ギ ー量,タンパ ク質 量 ,脂質 量,炭 水化 物 量,ナ トリウ ム量を 測定し た.タ ンパク 質量,脂質 量 および ナトリ ウム 量 は日本 食品標準 成分 表 2015 年版(七 訂)の一 般成 分分析 法に準 じて行 っ た 4 6 ).エネル ギー 量はタ ンパク 質量 お よび炭 水化物 量に そ れぞ れ 4 kcal/g を乗 じて ,炭水 化物 量は差 引き法 によ り 算出し た.

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16 2.有機酸 量の 測定

試 験 飲 料 の 原 液 を 超 純 水で 150 倍希 釈 し , メ ン ブ ラ ン フ ィ ル タ ー (孔 径 0.45 μm, セルロ ース アセテ ート,Advantec 東洋㈱製 )でろ 過 し,イ オンク ロマト グラフ 分析 (DX-500,Thermo Fisher Scientific㈱製) に供 した. 分離 カラム は IonPac AS19(250 mm × 4 mm I.D.,Thermo Fisher Scientific㈱製),

ガード カラム は IonPac AG19(50 mm × 4 mm I.D.,Thermo Fisher Scientific㈱ 製),サプ レッ サは ASRS-ULTRA II(リ サ イクル モード ,232 mA)を用 い,

カ ラ ム 温 度 は 35°C, 検 出 器 は 電 気 伝 導 度 検 出 器 (ED50,Thermo Fisher Scientific㈱製 ),移 動 相 A は超純 水,移動 相 B は 0.1 M 水酸化 ナトリ ウム溶 液,流 速は 1.0 mL/ min とした. グラ ジエ ント条 件は B 液濃度 を 9→50%(0

~30 分),50%(30~35 分)と した .定 性 は標準 溶液(20 mg/ mL)の保 持時 間 との 照 合 で行 い , 定 量は 標 準 溶液 の ピ ー ク面 積 と の比 較 に よ り 算 出 し た.

3.酸度の 測定

フェノ ールフ タレ イ ン溶液 を指示 薬と し て,0.1 M 水酸化ナ ト リウム 溶液 で滴定 し, 酢 酸換 算 で求め た.

4.精神的 スト レス負 荷試験

(1)被験 者

被験者 は,健康 な女 子 学生 16 名( 平均 年齢 22 ± 1 歳 ,身 長 157.2 ± 3.1 cm, 体重 50.1 ± 3.3 kg) を 対象と した. なお , 中村学 園大学 倫理 審 査委員 会の承 認( 倫 理-11-009)お よ びヘル シンキ 宣言 に 則りイ ンフォ ーム ド コンセ ントを 得た.

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(2)試験 スケ ジュー ル

試験飲 料を毎 日 200 mL ずつ (朝晩 各 100 mL)3 週間 連続 摂取 し,最 初に 摂取し た日か ら 22 日目(3 週間後 )に ストレ ス負荷 試験 を 実施し た.さ ら にウォ ッシュ アウ ト 期間を 設け,3 週間 後 に蒸留 水を用 いた ス トレス 負荷試 験を行 った.被験 者 のうち 半数は 逆の 順 序で評 価を行 った .ストレ ス負荷試 験は午 前 9 時 およ び 午後 1 時の 計 2 回 実 施した.なお,被験 者 が女性 である た め ス ト レ ス 負 荷 試 験 の 実 施 日 は 月 経 期 間 を 除 く よ う に ス ケ ジ ュ ー ル を 設 定した .

(3)プロ トコ ール

ストレ ス負荷 試験 の プロト コール を図 2-1 に示す .試 験当 日の 食事は ,ス トレス 負荷開 始 2 時 間前と し た.被 験者 は 試験室 にて心 拍変 動 計およ び脳波 計 の測 定 装 置 を装 着 し て ,15 分 間 の 安 静 後 , 試 験 飲 料 また は 蒸 留 水 を 摂 取 し,さ らに 30 分間 安 静にし た.そ の後 , 精神的 ストレ ス負 荷 として 新スト ループ 検査 II( ㈱ト ーヨー フィジ カル 製 )を 4 分間,続い て 内田ク レペリ ン 検査( ㈱日本 ・精 神 技術研 究所製 )を 15 分間実 施する こと で 単純作 業を負 荷した .精 神的 スト レス負 荷後 ,60 分間 安静を 保った .スト レス指 標は ,安 静 15 分後 (測 定 1),試料 摂取 30 分後 ( 測定 2),精 神的 スト レス負 荷直後

(測 定 3),スト レス 負荷 30分 後(測 定 4)およ びスト レス 負 荷 60分後(測 定 5)の計 5 回測 定し た .なお ,試 験は被 験者に 対する 聴覚 お よび室 内温度 等の影 響を避 ける た め静か な実験 室( 室 温 25.5 ± 0.1°C,相 対 湿 度 48.6 ± 2.0%) にて実 施した .

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18

図2-1ストレス負荷試験プロトコール

(23)

19 5.ストレ ス評 価指標 の測定

(1)心拍 変動

心拍変 動は,Memcalc / Bonaly Light(㈱GMS製)を 用い て,0.04~0.15 Hz の低周 波数(LF;Low Frequency)お よ び 0.15~0.4 Hz の高 周波 数(HF;High Frequency)を 計測 し ,解析 した.HF は副 交感神 経の活 動指 標 ,LFと HF の 比(LF / HF 比 )は交 感神経 の活動 指 標 4 7として 用いた .

(2)脳波

脳波は Brain Pro FM -929(フュ ーテ ックエ レクト ロニク ス㈱ 製 )を用 い,

前 額 に セ ン サ ー バ ン ド を 装 着 し て 測 定 し た . 測 定 部 位 は , 国 際 電 極 配 置 法

(10/20 法)に 基づ く 前頭極(Fp1)であ り ,耳朶 の不 関電極 に よる単 極誘導 法 4 8を 用いた .8~13 Hz の脳 波を α波,13~30 Hz を β 波 として 計測し た.

また, 得られ た計 測 値か ら α 波 と β 波の 比(α/β 比)を 算出し ,スト レス緩 和の指 標とし て用 い た.

第3項 データ処理および統計解析

測定結 果は,各測 定 時(測 定 2~5)の 値 から安 静 時( 測 定 1)の値を 引い た値 ( 変化 量 ) を 算 出し , 変化 量 の平 均 値 ± 標 準誤 差 で 示 し た. 統 計解 析 は,SPSS statistics ver. 22.0 (IBM㈱製 )を 用い,対照 群と の平 均値の 差の比 較はt検 定,各群 内の 経時的 な変化 は一 元 配置分 散分析 法を 用 いて解 析した . 一元配 置分散 分析 で 有意差 (p < 0.05)が 確認さ れた場 合, 各 群内で の平均 値の差 の比較 を Tukey法 で検 定し ,p < 0.05 で有意 差あ りとし た.

(24)

20 第3節 結果および考察

第1項 試験飲料の栄養成分組成および有機酸量

試 験 飲 料 の 栄 養 成 分 組 成 お よ び 有 機 酸 量 を 表 2-1 に 示 す . 試 験 飲 料 100 mL あた り,エ ネル ギ ー33.2 kcal,タン パ ク質 80 mg, 炭 水 化 物 8.2 g,ナト リウ ム 3.2 mg, 酢酸 213 mg,クエ ン 酸 111 mg, リンゴ 酸 12 mg で あり ,滴 定酸度 は 0.48%であ った.試験飲 料 中 のク エン酸 は原料 中の ユ ズ果汁 由来 4 9 ,

5 0で ある と 考え られ た.

2 抗ストレス作用 1.心拍変 動

LF/HF比は 交感神 経 活動の 指標で あり ,LF/HF 値が 高い ほどス トレス を感 じてい る状態 と評 価 される.LF/HF 比は 試 験飲料 摂取群 と対 照 群 の間 で有意 差は認 められ なか っ たもの の,試 験期 間 を通し て 1/2 程度の 値を示 した( 図 2-2).一方 ,HF 値 は 副交感 神経活 動の 指 標であ り ,HF 値が 高 いほど ストレ ス緩和 状態で ある と 評価さ れる.試験 期 間中,試 験飲 料摂 取 群 では 対照群よ りも高 い HF 値を 示 した.ま た,試験 飲 料摂取 群にお いて,ストレ ス負荷 直 後まで は変化 がみ ら れなか ったが ,ス ト レス負 荷 60 分後 ( 測定 5) におい て,試 験飲料 摂取 前 ,試験 飲料摂取 30 分 後およ びスト レス 負 荷直後 と比較 して有 意に高 い HF値を示 し,副交 感神経 活動の 亢進が 示唆 さ れた(図 2-2).

Matsumoto らの報 告 4 5によ ると ,女 性の 被 験者に ユズ精 油の 香 気を嗅 がせ,

月経周 期毎の 自律 神 経活動 の変化 およ び 精神状 態を,感情・気 分を評 価する 際に用 いられ てい る 気分プ ロフィ ール 検 査(Profile of Mood States;POMS) を使用 して調 査し,ユ ズ香気 を嗅ぐ こと に よる副 交感神 経活 動 の亢進 および 不安や 疲労な どネ ガ ティブ な感情 スコ ア の減少 を報告 して い る.

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表 2-1 試験 飲料の 栄養成 分組成 およ び 有機酸 量

成分 100 mLあたり

エネルギー(kcal) 33.2 タンパク質(mg) 80

脂質(mg) 0 炭水化物(g) 8.2 ナトリウム(mg) 3.2 酢酸(mg) 213 クエン酸(mg) 111 リンゴ酸(mg) 12

酸度(%) 0.48

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22

そのた め,本 研究 で 得られ た心拍 変動 を 指標に したス トレ ス 緩和効 果は,ユ ズ香気 による 副交 感 神経活 動の挙 動変 化 と同様 であっ たこ と から,ユ ズ果汁 の 摂 取 に よ る 口 中 香 で も 果 汁 中 の 香 気 成 分 に よ り 同 等 の 効 果 が あ っ た と 推 察され た.

2.脳波

α/β 比は,試 験 飲 料 摂取群 ではス トレ ス 負荷直 後から 正の 値 となり ,スト レス負 荷 30 分 後に対 照群と 比較し て有 意 に高い 値を示 した( 図 2-3).一方 対照群 では摂 取前 と 比較し て α/β 比が低 下する 傾向が 認め ら れた. また α/β 比は ,試 験飲 料摂取 によ り α 波 が強く 現 れ たこ とを示 して い る.α波 はリ ラ ックス した状 態で 出 現し,β 波 は内的 に不 安定か つ ,外的 刺激 に注意 してい る時に 出現す るこ と が報告 されて いる 5 1 , 5 2. この ため ,値が 高いほ どスト レスが 緩和さ れて い る と評 価され てい る.本研究 におい ても 試 験飲料 摂取時 に α 波 が増 加する 傾 向が認 められ ,ユズ 果 汁の摂 取はス トレ ス 緩和効 果を発 現する と推察 され た .

以上の ように,ユズ や シーク ワシャ ーな ど の日本 固有の 香酸 カ ンキツ 類は , 抗スト レス効 果が 期 待でき ること が判 明 した.し かし なが ら ,これら 香酸カ ンキツ 類は偽 和問 題 が大い に懸念 され る ことか ら,次 章以 降 は,ユズ と同様 の香気 成分を 含み,果 汁の健 康機能 が期 待 される シーク ワシ ャ ーにつ いての 真正性 評価法 の設 定 に 関 し て検討 を行 っ た .

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23

図 2-2 試験 飲料摂 取によ る心拍 変動 の 変化

*p < 0.05 vs. ストレ ス負 荷 60 分後 (n=16,Tukey法 )

-3 -2 -1 0 1 2 3

LF/HF

-300 -200 -100 0 100 200 300 400 500 600

HF (msec2)

* *

*

試 験 飲 料 摂 取 群 対 照 群

試 験 飲 料 摂 取 群

対 照 群 LF/HF 比

HF

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24

図 2-3 試験 飲料摂 取によ る脳波 (α/β 比)の変 化

*p < 0.05 vs. 対照群 (n=16,t 検定)

-0.8 -0.6 -0.4 -0.2 0 0.2 0.4 0.6

α/β

試 験 飲 料 摂 取 群

対 照 群

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25 第4節 小括

The effect of consuming an apple vinegar beverage containing yuzu juice on psychological stress was investigated in 16 healthy female university students (22

± 1 years old). Participants ingested either 100 mL of the beverage or a control drink twice a day for 3 weeks. Changes in the psychological stress indices of the group that consumed the beverage were compared against those of the control group. Heart rate variability measurements and electroencephalography were used to determine participants’ psychological stress indices. Parasympathetic nerve activity index, and alpha/beta ratio of those in the beverage group were significantly higher than those in the control group. In conclusion, the ingestion of the beverage containing yuzu j uice demonstrated a psychological stress- reducing effect.

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3 輸 入 冷 凍 濃 縮 オ レ ン ジ 果 汁 を 用 い た 真 正 性 評 価 の た め の 分 析 項目の選定

第1節 緒言

オレン ジ類(Citrus sinensis)は,ミ カン 科 ミカン 属の常 緑小 高 木にな る果 実で,C. aurantium に 属して おり, スイ ー トオレ ンジ, サワ ー オレン ジ,マ ンダリ ンオレ ンジ に 大別さ れる.オ レン ジ 類は国 内で最 も消 費 されて いる果 汁のひ とつで あ り 4 ),スイー トオレ ンジ の うち普 通オレ ンジ に 属する カンキ ツの果 汁が頻 用さ れ ている.スイ ート オ レンジ の品種 には ,普通オ レンジに 加えて ネーブ ルオ レ ンジと ブラッ ドオ レ ンジが ある.国 内で 栽 培され ている オレン ジの大 部分 は ネーブ ルオレ ンジ で あり ,現 在 ,日 本市 場 で流通 してい るオレ ンジ果 汁 の 90%以上は輸入 品で あ る .主 な輸 入先は ,ブラジ ル,メキ シ コ, イ ス ラエ ル な ど であり 5 3, オレ ン ジ 果実 そ の も の よ り も 輸送 コ スト および 保存性 の観 点 から冷 凍濃縮 した 状 態(Frozen concentrated orange juice; FCOJ)で輸入 され る ことが 多い .関 税法 に よっ て,オレ ンジ 果汁は 濃縮果 汁 全重量 中のシ ョ糖 含 量が 10%以上の 場合 には 25.5%の関 税率 (WTO 協定 関 税率) が課せ られ ,10%以下では 21.3%の関税率 となる .す な わち, 濃縮果 汁 全 重 量 中 の シ ョ 糖 含 量 が 多 い ほ ど 関 税 率 が 高 く な る よ う に 定 め ら れ て い る.し たが って ,シ ョ糖含 量の低 い果 汁 の輸入 量が増 加し て いるが ,JAS 規 格では 砂糖( ショ 糖 )類,蜂 蜜等 の添 加 が認め られて いる た め ,果 汁には本 来含有 されて いな い 成分が 混入さ れ,真 正性が 疑われ るケ ー ス があ る 8 ).し かしな がら,JAS 規格 では糖 用屈折 計示 度 などの 規格が 存 在 す る のみ で真正 性 を 評 価 す る 項 目 は な い 5 4 ). 一 方 , 欧 州 で は 果 汁 の 消 費 量 が 増 加 す る に 伴 い,果汁に 安価 な糖 や酸を 混入す る果 汁 偽和の 問題が 多数 発 生して いる 5 5. そこ で, 果汁 の真 正 性を 確保 する ため , 欧州 連合 では AIJN5 6 )や SGF5 7 )が真

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正 果 汁 の 成 分 含 量 の 範 囲 を 示 し た 規 格 や デ ー タ ベ ー ス を 作 成 し て い る . AIJN の定 める 果汁ガ イドラ イン 5 6 )は 主に 欧州で 広く用 いら れ ており ,糖類 や有機 酸なら びに ミ ネラル 成分など 50 成 分以上 につい ての 上 限 値と 下限値 が詳細 に設定 され て いる .

これま での研 究に よ り,オレ ンジ 果汁 に ついて は,糖 や有 機 酸の含 量が嗜 好性と 関連す る こ と が報告 されて い る 5 8 ).また ,原 料 で あるオ レンジ の品種 により フラボ ノイ ド や香気 成分の 種類 と 量比 が 異なる こと 5 9 , 6 0 )が報 告され ており,オレン ジ果 汁の品 質決定 因子 と なって いる.し かし ながら,我が国 に 輸 入 さ れ て い る 濃 縮 オ レ ン ジ 果 汁 に つ い て 品 質 成 分 に 関 す る 詳 細 な 検 討 はなさ れてお らず,産 地によ る濃縮 オレ ン ジ果汁 の品質 決定 成 分の違 いにつ いては 不明で あっ た .そこで 本章 では,果 汁の真 正性評 価 の た め に有 用な因 子を明 らかに する こ とを目 的とし て,産 地 の異な る濃縮 オレ ン ジ果汁 を用い て品質 成分を 分析 し た.特 に,色 調,糖 ,有機酸 ,フラ ボ ノ イ ド およ び香気 成分を 品質に 関連 す る項目・対象 成分 に 選択す るとと もに ,産地判 別法に活 用され ている 元素 濃 度およ び重元 素同 位 体 比 に ついて も検 討 を行っ た.

第2節 実験材料および方法

第1項 実験材料

冷凍濃 縮オレ ンジ 果 汁は一 般社団 法人 日 本果汁 協会よ り入 手 した.試 料の 内訳は ブラジ ル 産 16 種類, アメリ カ合 衆 国産 8 種類 ,メキ シ コ産 4 種類,

ベリー ズ産 4 種類 ,イスラ エル 産 4 種 類 の合 計 36 種類 である .試 料は-80°C で保存 し,測 定時 に は AIJN の果汁 ガイ ド ライ ン 5 6 )に 準拠 して ,糖用 屈折計 示度 が 11.2°Brix とな るよう に蒸留 水で 希 釈した .

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28 第2項 実験方法

1.色調測 定

オレン ジ果汁 の色 調 は,測 色式 差計(Color meter ZE6000, 日本 電色工 業㈱

製)で 反射式 によ り 測定し ,L*, a*, b*値 を求め た 6 1 )

2.グルコ ース ,フル クトー スおよ びス ク ロース 量の測 定

オレン ジ果 汁 5.0 mL に精製 水 30 mL を 加 え, 0.1%(w/v)水 酸 化ナト リウ ム溶液 で pH 6.8 に調 整した .次い で 30 分 間超音 波処理 (出 力 ;200 W,発 振周波 数;39 kHz,UT-204,シャー プ㈱製 )した後 に 50 mL に 定容し,試料 溶液と した.試料溶 液 0.75 mL に等 量の アセト ニトリ ルを 混 合し,シ リン ジ フィル ター(孔 径 0.45 μm, セ ルロー スア セテー ト, Advantec 東 洋㈱製 )で ろ 過 し た 後 に , 高 速 液 体 ク ロ マ ト グ ラ フ (HPLC) 分 析 に 供 し た . 装 置 は Prominence LC-20(㈱島津製 作所製 ),検 出 器 は示 差屈折 率検 出 器(RID-10A,

㈱島津 製作所 製) を 用いた .カラ ム は Shodex Asahipak NH2P-50 4E(250 × 4.6 mm I.D., 5 μm, 昭 和電工 ㈱製) 用い , カラム 温度 は 40°C, 移動相 は 75%

(v/v)アセ トニ トリ ル,流 速は 1.0 mL/min とした .定性 は標 準溶 液(10 mg/ mL) の保持 時間と の照 合 で行い,定量は 標準 溶 液のピ ーク面 積と の 比較に より行 った.

3.クエン 酸お よびリ ンゴ酸 量の測 定

オレン ジ果 汁 2.0 mL を遠心 分離(3,300×g, 5 min, CFM-1300,AGC テク ノ グラス ㈱製) し , 上 清をシ リンジ フィ ル ター( 孔径 0.45 μm, セルロ ースア セテー ト, Advantec 東洋㈱ 製)で ろ過 し た後,HPLC 分析に 供した .装置 は LC-10ADvp(㈱島 津 製作所 製),検出 器は 紫 外(UV)検 出 器(SPD-10AVvp,

㈱島津 製作所 製) を 用いた .カラ ム は LiChrospher 100RP-18(250 × 4.0 mm

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29

I.D., 5 μm,Merck㈱製)を 用い, カラ ム 温度は 35°C, 検出 波 長 は 210 nm, 移動相 は 0.2%(w/v)メタリ ン酸溶 液,流 速は 1.0 mL/minとし た.定性 は標 準溶液(20 mg/ mL)の保持 時間と の照 合 で行い ,定 量は標 準 溶液の ピーク 面 積との 比較に より 行 った.

4.イソク エン 酸量 の 測定

前 述 の ク エ ン 酸 お よ び リ ン ゴ 酸 量 の 測 定 と 同 様 の 方 法 で 調 製 し た 試 料 を イオン クロマ トグ ラ フ分析 に供し た.装 置 は DX-500(Thermo Fisher Scientific

㈱製 ),サ プレ ッサ は ASRS-ULTRA II( リサイ クルモ ード ,232 mA),検 出 器は電 気伝導 度検 出 器(ED50,Thermo Fisher Scientific㈱製) を用い た.分 離カラ ムは IonPacAS11-HC(250 mm × 4.0 mm I.D.,Thermo Fisher Scientific

㈱製 ),ガー ドカラ ム は IonPacAG11-HC(50 mm × 4.0 mm I.D.,Thermo Fisher Scientific㈱製) を用 い,カ ラム温 度は 35°C,移 動相 A は超 純 水 ,移 動相 B は 0.1 M 水酸化ナ ト リウム 溶液, 流速 は 1.5 mL/minと した. グラジ エント 条件 は B 液 濃度 を 1%(0~8 分),1→25%(8~28 分 ),25→60%(28~38分)

とした .定 性は 標準 溶液(20 mg/ mL)の 保持時 間との 照合 で 行い ,定量 は標 準溶液 のピー ク面 積 との比 較によ り行 っ た.

5.総アス コル ビン酸 量の測 定

総アス コルビ ン酸 量 の測定 は Sawamura らの方 法 6 2 )に準 じて 行った .ま ず,オ レンジ 果 汁 2.0 mL を 遠心分 離(5,000×g, 5 min, CFM-1300, AGC テク ノグラ ス㈱製 )し 上 清を得 た.上 清 300 μL にエタ ノー ル 600 μL およ び 8%

(w/v)メ タリ ン酸溶 液 300 μL を加 えて 混 合した 後 ,遠心分 離(1,800×g, 15 min, テーブル トッ プ 遠心機 4000, 久保 田 商事㈱ 製) を行い , 回収し た上清 500 μL に 0.3 M リン 酸三ナ トリウ ム溶 液 100 μL およ び 1.2%(w/v)水硫 化

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30

ナトリ ウム溶 液 100 μL を混 合した .混 合 液を 35°C で 20 分間 加温し た後,

8%(w/v)メ タリ ン 酸溶液 300 μL を添加 して HPLC 分 析に供 した. 装置は LC-10Avp(㈱島 津 製 作 所 製 ), 検 出 器 は UV 検 出 器 を 用 い た . カ ラ ム は LiChrospher 100RP-18(250 × 4.0 mm I.D., 5 μm,Merck㈱製)を 用い,カラム 温度は 40℃, 検出 波 長は 243 nm,移 動相 は 0.2%(w/v)メ タ リン酸 溶液,

流速 は 0.76 mL/min と した.定性 は標準 溶 液(10 mg/mL)の保 持時間 との照 合で行 い,定 量は 標 準溶液 のピー ク面 積 との比 較によ り行 っ た .

6.フラボ ノイ ド量の 測定

フラボ ノイド 量の 測 定は Nogata らの方 法 6 3 )に準 じて行 った . オレン ジ果 汁 6.0 mL を遠 心分離 (4,670×g, 5 min,テ ーブル トップ 遠心 機 4000, 久保 田 商事㈱ 製)し, 上 清 を回収 した. 回収 し た上清 を Sep-Pak C1 8 カート リッジ

(日本 ウォー ター ズ ㈱製 ) に負荷 し, 10%(v/v)メタ ノー ルで 洗浄後 ,メタ ノール:DMSO(1:1)混 合液 4.8 mL で溶 出し て 5.0 mL に定 容 後,HPLC 分 析に供 した.装置 は LC-10ADvp(㈱島 津 製作所 製),検 出器は フォト ダイオ ード ア レイ (PDA) 検出 器 (SPD-M10Avp,㈱島 津製 作 所製 ) を用 い た. カ ラム は LiChrospher 100RP-18(250 × 4.0 mm I.D., 5 μm,Merck㈱製 )を用 い,

カラム 温度 は 40°C, 検出波 長は 340 nm, 移動相 A は 0.01 M リン酸 溶液,

溶離液 B は メタノ ー ル, 流 速は 0.6 mL/ min とした .グラ ジエ ント条 件は,

B 液濃 度を 30→45%(0~55 分),45→100%(55~95 分),100%(95~100 分)

とした .定 性は 標準 溶液(10 mg/ mL)の 保持時 間との 照合 で 行い ,定量 は標 準溶液 のピー クの 高 さとの 比較に より 行 った.

(35)

31 7.香気成 分の 測定

固相マ イクロ 抽出(SPME)–ガス クロマ ト グラフ(GC)法で 分 析した .オ レンジ 果汁 1.0 mL をクリ ンプバ イア ル 瓶に 移 した後 ,内 部 標準と して 1%

(v/v)シク ロヘ キサ ノー ル 10 μL を添 加 し,40°C で 5 分 間加 温した .ヘッ ドスペ ースガ ス部 に ファイ バー(Carboxen-PDMS 75 μm タ イプ ,シグマ アル ドリッ ジジャ パン 製 )を挿入 し,20 分 間 揮発性 成分を 吸着 さ せた.フ ァイバ ーに吸 着した 成分 は 260°C に加 熱し たイ ンサー ト部分 で 10 分 間脱離 させた 後,ク ライオ フォ ー カシン グ GC 分析 に 供した .装置 は,GC-14A(㈱島津製 作所製 ),検出器 は水 素炎イ オン化 検出 器(FID)を用 いた .カラ ムは DB-WAX

(60 m × 0.25 mm I.D., 膜厚 0.25 μm, Agilent Technology㈱ 製 ), カラム 温度 は 40~230℃まで 3°C /min で昇温 し, 230°Cで 10 分間 保持 した.注入法 はス プリッ トレス 注入 ,キャリ アーガ スは ヘ リウム ,流速 は 1.0 mL/minと した.

内標準 である シク ロ ヘキサ ナール( 終濃 度;1 mg/L)との ピー ク面積 比によ り成 分量 を求 めた . 成分 同定は GC-質 量 分析 (MS)法 によ り 行っ た. 装置 は,Varian 3400GC(㈱Varian 製)にイ オン ト ラップ 方式の 質量 分 析計(Model 800,Finnigan MAT㈱製)を装 着し たもの を用い た.分 析は SPME-GC 法 と同 様の条 件で行 った .

イオン 化は電 子イ オ ン化(Electron Ionization, EI) 法およ びイ ソブタ ンに よる化 学イオ ン化 (Chemical Ionization, CI)法を 用いて 行い, ピーク 面積百 分率は, Full Scan モー ド(26~300 amu/s)でのト ータル イオ ン カウン トから 求めた .成分 の同 定 は, ライブ ラリー サ ーチシ ステム (MAGNUM ライブ ラ リーサ ーチシ ステ ム ,NIST MASS SPACTRA DATABASE;62, 235 化合 物収 載)による 検索 と Retention index(RI)値 6 4 )から 物質を 推定 し,標準物 質と の RI 値お よび マスス ペクト ルの一 致も し くは RI 値 の一 致 によ り行っ た.

(36)

32 8.多元素 濃度 と重元 素同位 体比の 測定

オレ ンジ果 汁 20 mL に 70%(v/v)硝 酸 を 10 mL お よ び 30%(v/ v)過酸 化 水素水 を 1 mL 添 加し ,120°C で酸 分解し た.

多元 素濃度 およ び 重元素 同位体 比の 測 定は, 有山ら の方 法 6 5に 従っ て行 った.すなわ ち,分 解液 50 μL を 1%(v/v)硝酸 で 40 倍 希釈し ,高分 解能型 誘導結 合型プ ラズ マ 質量分 析(HR-ICP-MS)に 供 し た .装 置 は Element 2 HR- ICP-MS(Thermo Fisher Scientific㈱製 )を 用い, 以下の 条件 で 測定し た.Rf パワー ,1200-1300;サンプ ルガス 流速 ,1.00-1.02 L/min;補 助 ガス流 速,

0.97-1.02 L/ min;冷却ガス 流速,16 L/min.定量 はイッ トリ ウ ム(Y) を標 準元素 とした 内標 準 法によ り行っ た .な お,元素は ナト リウ ム(Na),アル ミニウ ム(Al),鉄(Fe),コ バルト(Co),ニッ ケル(Ni),銅(Cu),亜 鉛

(Zn),ルビ ジウ ム(Rb),スト ロンチ ウム(Sr),モ リブデ ン(Mo)お よび バ リ ウ ム (Ba) の 11 元 素 を , 同 位 体 比 は Sr(8 7Sr, 8 6Sr) お よ び 鉛 (Pb)

2 0 8Pb/2 0 6Pb, 2 0 7Pb/2 0 6Pbおよ び 2 0 4Pb/2 0 6Pb)を分 析した .

3 データ処理および統計解析

各測定 データ は平 均 値 ± 標準偏 差(SD)で示し た.得られ た結 果は ,SPSS ver. 22.0(IBM㈱製)を用い て, 多変量 解 析のう ち相関 行列 を 用いた 主成分 分 析によ り解析 した .

3 結果および考察

シ ー ク ワ シ ャー 果 汁 の真 正 性 を 評価 す る 方法 を 設 定 する た め に, ま ず 36 種類の オレン ジ果 汁 の真正 性が品 質決 定 因子に よって 識別 可 能か否 か ,以 下 の因子 につい て個 別 評価を 行った .

(37)

33 1項 色調

色 調 を 測 色 色 差 計 で 測 定 し た 結 果 を 表 3-1 に 示 す . イ ス ラ エ ル 産 果 汁 は 他の産 地 と比 較し て ,L*値(明 度)お よ び b*値(黄 -青 度)が低か った.こ れはイ スラエ ル産 の 試料が 透明果 汁で あ るのに 対して ,他 の 4 か国の 試料が 混濁果 汁であ るた め と考え られた( 図 3-1).また ,a*値(赤 - 緑 度 )に つい ては,産 地間で 大き な差は みられ なか っ た.この ことか ら,混濁果 汁は色 調 に基づ いて真 正性 を 判断す るのは 困難 で あると 考えら れた .

2項 糖量

表 3-2 に 示 し た よ う に グ ル コ ー ス お よ び フ ル ク ト ー ス 量 は , 平 均 値 で 比 較する とブラ ジル 産 が最も 多く,ベ リー ズ産が 最も少 なか っ た.一方,スク ロース 量は ,グ ルコ ー スやフ ルクト ース と は 異な り ,ベリ ーズ 産 が最も 多く,

ブラジ ル産が 最も 少 なかっ た.また,同 一国産 の果汁 にお い ても,各 種糖類 の含量 は最大 値と 最 小値と の間 に 1.1 倍 ~1.4 倍の差 が確認 さ れた.

グルコ ースお よび フ ルクト ースの AIJNの基準値は 20~35 g/Lと定め られ

てい る 5 6 ).この 基準 による と,グルコ ー スでは ,ア メリカ 合 衆国 産 6 試料 ,

メキシ コ産 4 試料 お よびベ リーズ 産 2 試 料は基 準値を 下回 っ ていた.フルク トース では,ベ リー ズ 産 4 試 料のう ち 1 試 料が基 準値を 僅か に 下回る 値であ ったが(19.1 g/L),他の試 料はす べて 基 準値 範 囲内で あっ た .スク ロー スの AIJN 規格 は 10~50 g/L を基準 値 5 6 )と して おり, ブラジ ル産 は 1 試料, アメ リカ合 衆国産 は 6 試 料,メ キシコ 産は す べての 試料, ベリ ー ズ産は 2 試 料, イスラ エル産 は 1 試 料が基 準値を 上回 っ た.

糖類の 組成に つい て,ブラジ ル産お よび イ スラエ ル 産の 果汁 で は グル コー ス:フルク トー ス:スクロ ースの 含有 比 率は 1:1:1.7 で あ り ,他国 産(1: 1:2)と異 なり,ス クロー スの割 合が 低 いこと が示 さ れた.Lee らも オレ ン

表 1 - 1 田 中の分 類 に基づ くカン キツ 分 類 1)
図   1-2 シー クワシ ャー果 実とカ ラマ ン シー果 実の外 観
図   3-1 オレ ンジ果 汁の外 観 左,混 濁果汁 (ブ ラ ジル産 ) 右,透 明果汁 (イ ス ラエル 産)
図   4-2 シー クワシ ャー果 汁とカ ラマ ン シー果 汁の外 観
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参照

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