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3 材料分析への適用事例

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Academic year: 2021

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S C A S N O W 新分析技術  新分析装置紹介

18 SCAS  NEWS  2016 ‑Ⅰ 図 3 乳化剤の測定結果

800 1000 1200 1400 1600 1800m/z

1089.7125

1101.7481 1117.7439 1133.7389

1145.7753 1161.7699 1177.7649

1189.80011205.7956 1221.7912

1100 1120 1140 1160 1180 1200 1220 m/z

[ ]

1133.7389

1132 1133 1134 1135 1136 1137 m/z

IntensityIntensityIntensity

(c) (b)

(a)

+44.0264 +44.0260 +44.0263

+1

+1 +1

ᮎ➃ࢩ࣮ࣜࢬ1 ᮎ➃ࢩ࣮ࣜࢬ2 ᮎ➃ࢩ࣮ࣜࢬ3

࣐ࢺࣜࢵࢡࢫヨ⸆⏤᮶

愛媛ラボラトリー 廣田 和敏

スパイラル型MALDI‑TOFMSを用いた高分解能質量分析

廣田 和敏

(ひろた かずとし)

愛媛ラボラトリー

イラル)に設計された電場を飛行し,検出器へ導入されます。この とき電場作用によりイオンは1階層毎に収束し,長距離飛行の際に 生じるイオンの拡散を防ぎ,感度低下を抑制することができます。

本装置は,分子量に依らず1価の分子イオンを生成するイオン化法 と,このスパイラル型TOFMS検出器を組み合わせることで,高感 度で非常に高い質量分解能を有することが可能となりました。

3 材料分析への適用事例

 図3に代表的な乳化剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)の 測定事例を示します。測定の結果m/z   650〜1800にピークを検 出しました(a)。赤丸のピーク群は等間隔の質量差m/z   44.026 を 有し,小 数 点 3 桁 ま で が ポリオ キシエチレン 鎖 モノマー 単 位

(CH

2

CH

2

O)の理論分子量44.0262とよく一致しています(b)。

更にm/z  1133.7389のピーク付近には,同位体元素に由来する複 数のピークを明確に確認することができます(c)。このような高分 解能,高精度のマススペクトルが得られたことで,この乳化剤には末 端構造の異なる3種類の成分が混在することが判り,材料評価にお ける有用な知見を見出すことが出来ました。

4 おわりに

 本装置を用いることで,高分解能・高精度な質量分析のデータを 取得することが可能であり,高分子等の材料の構造推定に高い威力 を発揮します。材料分析における未知の物質の構造解明やポリマー の末端構造の推定など,また,医薬分析の分野では合成物の確認や 不純物の推定などに有効です。当社では測定から解析までお客様の 要望に広くお応えしておりますので,構造解析のご用命の際は当社 までお問い合わせください。

1 はじめに

 マトリックス支援レーザー脱離イオン化−飛行時間型質量分析法

(MALDI‑TOFMS)は質量分析の代表的な手法の一つで, 低分子量 の有機化合物から, タンパク質・ペプチド・合成高分子などの大きな分 子量を有する有機化合物まで, 質量分析に広く用いられています。本 稿では当社が導入した最新のスパイラル型TOFMSを備えたMALDI‑

TOFMS装置を紹介します(図1に外観を示します)。

2 スパイラル型MALDI‑TOFMSの特徴

 TOFMSは飛行距離が長いほど,高分解能となります。従来のリ ニア型やリフレトロン型TOFMSではイオン飛行距離が約2 mであ るのに対し,このスパイラル型TOFMSは17 mもの長距離を飛行し ます。このため質量分解能60000以上,質量誤差1ppm未満(内 部標準法において)と高い性能を実現します。図2にスパイラル型 TOFMSの模式図を示します。

 MALDI法により生成された1価の分子イオンは,らせん状(スパ

図 2 イオン飛行部の模式図 図 1 装置外観

(図 1,2 は日本電子株式会社より画像提供)

参照

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