• 検索結果がありません。

オープンソースソフトウェア:3.2プロセス制御システムへのLinux適用事例

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "オープンソースソフトウェア:3.2プロセス制御システムへのLinux適用事例"

Copied!
4
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)特集:. オープンソース ソフトウェア. プロセス制御システムへの Linux 適用事例. 3.2. 本藤康弘 川鉄情報システム(株) [email protected] 強のコストが比較的高いのでこれら処理要求の増大を引. ■背景. き受けることはコスト・パフォーマンスの面から非常に 難しい.したがってこれら大量データの記録あるいは解.  川鉄情報システム(株)のプロコン開発部では川崎. 析システムには技術進歩の著しいパソコンをプロコン周. 製鉄の各工場におけるプロセス制御システムの開発・増. 辺システムとして使うことになった.. 強・保全支援を担当している. 「プロコン」とは「プロ ■課題の解決策としての. セスコンピュータ」の略語であり,操業ラインのさまざ まな計測機器・制御機器とネットワーク接続してこれら. Linux. −プロコンシステムが備えるべき要件. 機器に指示を送り,また機器の状態・履歴を収集管理す る,さらには上位のホストコンピュータと生産計画デー.  プロコンシステムが備えるべき要件は以下の 3 点に整. タおよび実績データをやり取りするなど,生産管理シス. 理される.. テムの中枢機能を担うものである.. −生産現場システムの要件. (1)低コスト:製品コストを改善することは生産部門の 至上命題である.特に日々の生産業務に対して間接的.  高炉を有する製鉄生産ラインは 24 時間 365 日操業が. な位置にある非定型なデータ解析等はより厳しいコス. 必須となる典型的なミッションクリティカルシステムで. ト管理が求められる.. ある.計画外のラインの停止は生産ロス発生のほか,さ. (2)拡張性:生産の高度化につれて解析すべきデータの. まざまな悪影響をもたらすのでその発生をできるだけ. 処理のパターン(アプリケーション)が増えていくこ. 抑えなくてはならない.一方,今日の製鉄操業ライン. とに対応できなくてはならない.それにはコンピュー. は生産計画の実施管理や制御モデルに基づく膨大な設定. タの数を増やすことが効果的であるが,増えたコンピ. データ指示などあらゆる局面でコンピュータシステムが. ュータ同士のデータ連携・アプリケーション連携が課. 稼働の前提条件になっている.したがってその中枢であ. 題となる.. るプロコンには高い連続運転性が求められてきた.その. (3)可用性:非定型なデータ解析業務向けのシステムで. 結果,メーカが開発・販売するメーカ独自アーキテクチ. あってもその有用性が向上すればするほどプロコン上. ャのプロコンを保守体制込みで採用しているのが現状で. の生産管理システムに近いレベルの可用性が必要とな. ある.. る.システムがクラッシュした時に原因が分からずダ ウンタイムが伸びるような問題要因はできるかぎり除. −システム高度化に伴う課題. いておくべきである..  製品の多様化・高品質化を進める中で,計測制御機器. − Linux の選択. の進歩も手伝って,生産現場の技術者が解析する生産ラ インのデータは範囲・量ともに年々拡大し,かつ迅速な.  これらの要件に Linux はかなりの満足度を提供してく. 技術革新が求められている.. れる.その理由を以下に示す..  これに対し,従前の固有アーキテクチャに基づくプロ コンは固有のソフトウェア開発を必要とし,また性能増. 1342. (1)低コスト:ハードウェア基盤に低価格の PC が利用. 43 巻 12 号 情報処理 2002 年 12 月. −1−.

(2) 所内 ���. ��用 �� �� 用��. 冷延ラインP/C. モデル制御 サーバ. Open Source Software. ロギングサーバ. モデル用. ���. Primergy Linux PIII 850MHZ 1CPU メモリ モデル制御サーバ 富士通Primergy 256Mbyte 256Mbyte model 210 SCSI RAID 9.1G X2 MV F Linux P III 866MHZ 1CPU メモリ ロギングサーバ 富士通FMV 512Mbyte 512Mbyte SL6 RDBMS Oracle 8i. �� 用��. 図 -1 冷延ライン用モデル制御/ロギングシステムの構成. できる.OS や DBMS などについてもコスト削減効果 ■適用事例. が比較的大きい. (2)拡張性:業界標準の通信ソフトウェアや DBMS な ど多くの製品ソフトウェアが Linux をサポートしてい.  これまで開発したシステムの中から特徴的な事例をい. るのでノード内はもちろんノード間のアプリケーショ. くつか紹介する.. ンも適切な方法を選んで連携することができる. また,. −冷延ライン用モデル制御 / ロギングシステム. たとえば,リアルタイム性を向上させようとする場合, Linux はソースが公開されているため動作のメカニズ.  操業に直接かかわる部分への適用例である.図 -1 に. ムを把握した上で最適な方策を選択することが可能で. 構成を示す.モデル制御サーバおよびロギングサーバに. あることも大きな利点と考えられる.. Linux を適用した.これら Linux サーバとプロコンとの. (3)可用性:Linux はオープンソースであるため技術者. 間はソケットのクライアントサーバプログラムで通信を. はソースを読むことでその仕組みを詳細に理解でき. 行っている.またロギングサーバは ODBC 機能を経由. る.これはエラー発生時の対処やリスク評価・回避策. して OA 用 PC に操業データを提供している.. の立案を自力で行えることを意味する.また活発に活 動しているコミュニティへの参加が迅速な問題解決に. (1)モデル制御サーバ:プロセス制御コンピュータが持. つながることも期待できる.ノードを並列に置いて可. つ実績情報を読み込み,モデル制御プログラムを実行. 用性を高める場合にも,OS やミドルウェアの単価が. して付着量制御をリアルタイムで行うものである.. 安いのでトータルコストを抑えることができる.. (2)ロギングサーバ:プロコンからの操業実績情報,ア ラーム情報等をリアルタイムで受信しデータベースに. ■適用の考え方. 蓄積,所内の OA 用 PC(EXCEL など利用)で実績解 析を行う..  オンライン・リアルタイムシステムを特徴とするプロ. −高炉操業プロコンシステム. コンの開発・運用のスタイルからすると Linux はまった く異なる文化であり,機能だけでなく性能保証が大きな.  本システムは高炉操業プロコンに Linux を適用した例. 課題であるため,担当部門が自ら選択肢として位置づけ. である.プロコンに求められる演算機能,データストア. るには要求レベルに応じた性能確保の手段を備えておく. 機能,および通信機能をそれぞれ別ノードで構成したと. 必要がある.したがって今回の Linux 適用にあたっては. ころに特徴がある.図 -2 に構成を示す.定周期で操業. 新技術導入の定石通り,まず試行的なシステム構築から. データ収集を行い高炉操業情報の管理を行う.演算サー. 始め,問題点を洗い出しながら段階的により基幹系に近. バ,DB サーバ,伝送サーバすべてに Linux を用いた.. い位置づけのシステムへ適用範囲を広げることとした.. 演算サーバと DB サーバは操業系に加えて待機系を持ち 可用性の向上を図っている(BF:Blast Furnace 高炉) .. IPSJ Magazine Vol.43 No.12 Dec. 2002. −2−. 1343.

(3) 4BF演算サーバ. 4BF DBサーバ 待機系. 稼働系. 稼働系 待機系 操作端末 操作端末 開発端末 開発端末. 4BF制御系 ���. 4BF情報系 ���. �����. ��������� �. ����������. 上位計算機. 稼働系 待機系 4BF伝送. ��� システム 他  4BF計装・電気用. ���. ��� ��������� �. 他  ��� システム ��� ��������� �. 凡例 高炉サーバ �������. 機種 高炉サーバ. 富士通製. スペック OS Linux P III 700MHZ 2CPU メモリ512Mbyte. 伝送G/W ����� � 他システム計算機. IAサーバ. 図 -2 高炉操業データベースシステム. −今後の進め方. ■課題と今後の進め方.  操業の高度化に向けてシステムの機能強化と迅速な対. −課題. 応が一層求められる状況において,コスト面と品質面の.  Linux 適用を進める中で以下の点が大きな課題である. 両面で特長を持つ Linux を選択すべき機会は増える.今. と考えている.. 後は,ミドルウェア製品の機能強化と保全基盤整備を推 進していく.また,コミュニティやベンダによる問題解 決もスピードが上がると予想されるので,状況の正確な. (1)クライアント構築環境が貧弱である  Windows と VB(Visual Basic)の組合せでできること. 把握に努め Linux の適用範囲をタイムリーに見直してい. を Linux でもできるならばクライアントコストの削減と. く考えである.. 運用の安定化に効果が期待できる.しかし Linux のクラ.  なお本システムの構成等については参考文献 1)に詳. イアント開発・運用環境はビジネスアプリケーションの. 細な説明があるので参考にされたい.. 品質レベルに達するにはまだ距離がある.. 参考文献 1)川崎製鉄,川鉄情報システム : 水島 4 高炉(3 次)改修におけるプロ セスコンピュータシステムの構築,日本鉄鋼協会 第 143 回春季講演大 会. (平成 14 年 11 月 7 日受付).  ヒューマンインタフェース(HMI)については,クラ イアント側のアプリケーション軽量化およびプラットフ ォーム非依存を狙いとする Web を利用した画面開発環 境を開発中である. (2)OS 障害時の問題解析環境が乏しく問題個所の特定 や原因究明が難しい  これについては,大手コンピュータメーカ等が Linux 障害調査機能強化に取り組んでいるので,それら成果の 検証および技術動向の把握を進める. (3)ディストリビュータのサポート範囲があいまい  プロコン関連システムでは迅速な問題解決が最優先と なる.しかし現状では問題の性格に応じたディストリビ ュータとの明確な責任分担設定が速やかにできるかどう かやや不安がある.ディストリビュータの頻繁なバージ ョンアップにも戸惑いを感じる場合がある.. 1344. 43 巻 12 号 情報処理 2002 年 12 月. −3−.

(4) −4−.

(5)

参照

関連したドキュメント

および皮膚性状の変化がみられる患者においては,コ.. 動性クリーゼ補助診断に利用できると述べている。本 症 例 に お け る ChE/Alb 比 は 入 院 時 に 2.4 と 低 値

12―1 法第 12 条において準用する定率法第 20 条の 3 及び令第 37 条において 準用する定率法施行令第 61 条の 2 の規定の適用については、定率法基本通達 20 の 3―1、20 の 3―2

プロジェクト初年度となる平成 17 年には、排気量 7.7L の新短期規制対応のベースエンジ ンにおいて、後処理装置を装着しない場合に、 JIS 2 号軽油及び

条例第108条 知事は、放射性物質を除く元素及び化合物(以下「化学

本案における複数の放送対象地域における放送番組の

用できます (Figure 2 および 60 参照 ) 。この回路は優れ た効率を示します (Figure 58 および 59 参照 ) 。そのよ うなアプリケーションの代表例として、 Vbulk

2-2 に示す位置及び大湊側の埋戻土層にて実施するとしていた。図 2-1

遮へい設備については従前より設置している原子炉遮へい壁等のうち 1 号、3 号及び