工業材料の分析
Ana l ys i sofl nd us t r i a lBa s eMa t e r i a l s
君島克憲
1*
、藤 山慎吾2
Ka t s u n o r iK im ij i ma l , sh i ng oFu j i y a ma 2
1埼玉大学 工学部応用化学科
De pa rt me ntofAppl i e dc he m i s t r y , Fa c ul t yofEngi ne e r l ng,Sa i t a maUm ive r s l t y
2東光株式会社
TbkoCo.
,L t d
1.日的
「 Ro HS
指令」と呼ばれる特定物質の使用制限指令が、2 0 0 6
年7月以降、欧州連合域内で販売する電気 ・ 電子製品についてなされる。鉛、水銀、カ ドミウム、六価 クロムの重金属4
種 と有機臭素化合物2
種が、有害物質 として原則使用が禁止 され る。ほぼすべての電気 ・電子製品を対象 にした規制であ り、 日米等で も同様な規制の動 きが感 じられ る。市販 されている電気製品な どには、非常 に多 くの素材や部品が使用 さ れ最終製品で有害物質 を削減す るには、有害物質 を含 まな い工業材料の選別が重要である。本共同研究で は、現在、市販 されている工業材料 中の有害金属 (鉛、水銀、カ ドミウム、クロム) を正確 に分析す る技 術 とその含有量 を把握 し、最終製品への調達部品使用の可否の基礎的データを得る ことを目的 とした。
2 .
実験 と結果欧州規格
E N ‑ 1 1 2 2m e t h o d ‑ A ,m e t h o d ‑ B
及び米国規格S W l 8 4 6
のm e t h o d ‑ 3 0 5 0 B
によ りポ リエチ レン標準試 料( E u r o p e a nC o m m i s s i o nR e f e r e n c eM a t e r i a l: B C R 6 8 0 、B C R 6 8
1)、工業材料 としての電子 ・電気部品素材 (プラスチ ック製品)及びを前処理分解 した。鉛、カ ドミウム、全クロムの分析はI C P
発光分析法、6
価 クロムは比色分析法及び水銀 は還元気化原子吸光法で、それぞれ定量 した。欧州規格
E N ‑ 1 1 2 2
法で処理 した場合、カ ドミウム、クロム、水銀 は標準試料 の値 と一致 したが、鉛 は少 し濃度が低 くな り、鉛は米国規格S W ‑ 8 4 6
法での前処理 ・分析が優 っていた。鉛の分析値の違 いは、欧州演 格E N ‑1 1 2 2
法で処理す る時の硫酸の影響が考え られた。電子 ・電気部品に使われる工業材料の分析では、着色 した部品素材 に有害金属が検 出される ことが多 い傾向にあった。塗料の一部 にも有害金属 を含 む もの が確認 された。すなわち、材料の評価 の際には、プラスチ ック部 品素材以外 に、着色材 (塗料)中の有害 金属の有無 とを合わせて考慮す る必要性が明 らか となった。