リアルタイム震度について
㈱シグネット
山口 耕作
電話:03-5919-0763 Fax:03-3359-7987
Eメール:mail @ cygnet.co.jp
URL:http://www.cygnet.co.jp
講演の内容
• 震度の基礎知識
• リアルタイム地震の求め方
• 緊急地震速報とリアルタイム震度の比較
• IPF法とPLUM法
(気象庁の緊急地震速報改善策)
• 日本の被害地震
• リアルタイム震度の応用例
• 緊急地震速報に関する提案
震度の基礎知識
地震のマグニチュード(M)と震度⇒電球のワット数と照度
マグニチュード(M)
M:電球のワット数に相当
震度:電球で照らされた場所の照度に相当
・豆電球でも近くを照らせば非常に明るい
・Mの小さな地震も、近くで起これば震度は高く、
激しく揺れて、被害も起こる
・大きなワット数の電球も、遠く離れれば明るく照らせない
・Mの大きな地震も、遠く離れれば震度は低く、
殆ど揺れを感じず、被害も起きにくい
防災科研HPより
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2
世界の「震度階級」
• 気象庁震度階級(日本)
1884(M17)年成立、1996年に計測震度計による
機械観測に改訂、2008年に解説表改訂(10段階)
機械観測を正式に採用しているのは日本だけ
• 改正メルカリ震度階級(アメリカ、韓国等)
1902年成立、修正が重ねられ今に至る(12段階)
• ヨーロッパ震度階級(ヨーロッパ各国)
1988年成立、1998年修正(12段階)
• 地震烈度(中華人民共和国)
1980年成立、1999年改正(12段階)
• 各「震度階級」間の数式等を用いた換算は不可
日本の震度観測
•
1884(M17)年より「震度階級表」に基づき、体感お
よび周囲の状況から震度を推定
•
1996 (H8)年10月1日以降、気象庁は計測震度計
による震度の機械観測を開始
• 震度の初機械観測
1995(H7)年1月17日、神戸海洋気象台に設置され
た計測震度計の試作機が兵庫県南部地震を初観
測、通信途絶で観測情報は気象庁に届かず
• 現在、気象庁が発表する震度は、気象庁、地方公
共団体及び(独)防災科学技術研究所が全国各地
に設置した震度計の観測結果による
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4
震度と加速度および周期の関係
3軸加速度
センサ
FFT
フィルタ
ベクトル
合成
演算震度
I = 2 log a + 0.94
ソーティング
処理
計測震度
「計測震度計」の系統図
処理の流れ
・3軸加速度センサーで地震動を観測し、 100HzでAD変換する
・地震検知後1分間の3軸加速度波形をFFTフィルターに通し、ベクトル合
成する
・1分間のデータをソーティング、上位30番目を抽出して震度に変換する
・地震が1分以上継続するときは1分毎に区切って処理し、全体の最大値を
その地震の計測震度とする
・1分間に複数の地震が発生した場合は、1つの地震として処理する
AD
コンバータ
100Hzサンプル
最大値゙
処理
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6
FFTフィルターの周波数特性
気象庁 HP
兵庫県南部地震のリアルタイム震度
• 地震波の到達から終息までの地震動の強度を、計測震度と
同一尺度で連続的に計測したものが「リアルタイム震度」
• リアルタイム震度は
P波到達と共に上昇し、地震終息後は再び
ノイズレベルに戻る
• リアルタイム震度の最大値は計測震度と一致する
神戸中央区中山手(旧海台)で観測
5:46:50
加速度
ga
l
リアルタイム震度
時刻 sec
リアルタイム震度
南北動成分加速度波形
東西動成分加速度波形
上下動成分加速度波形
最大値=計測震度
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8
3軸加速度
センサ
実時間
フィルタ
注1
ベクトル
合成
演算震度
I = 2 log a + 0.94
ソーティング
処理
注2
リアルタイム震度
「リアルタイム震度計」の系統図
処理の流れ
・3軸加速度センサーで地震動を観測し、100HzでAD変換する
・3軸加速度波形を実時間フィルター
注1
に通す
・フィルター処理後の3軸加速度波形をベクトル合成し、震度に換算する
・一定時間
注2
分の震度データを10ms毎にソーティングし、上位30番目の
震度を10ms毎にリアルタイム震度として出力する
注1
:FFTフィルターと同一周波数特性のデジタルフィルター
注2
:気象庁/防災科研:60秒、(株)シグネット:1秒
AD
コンバータ
100Hzサンプル
0
50
100
150
-5
0
5
水色:
気象庁・防災科研のリアルタイム 震度
地震動減衰時の追従性が悪い
ソーティング時間でリアルタイム震度は異なる
秒
計測震度
赤色:
㈱シグネットのリアルタイム震度
地震動減衰時の追従性が良い
灰色:
ソーティング回路の入力波形
2003年宮城県沖地震 M7.1 深さ72km
観測点 KiK-net MYGH03(唐桑)
P
S
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計測震度
リアルタイム震度の最大値
(株)シグネットが気象庁に提供したリアルタイム震度計測方式の精度
ソーティング時間:60秒
計測震度との比較①
-0.4-0.3-0.2-0.1 0 0.1 0.2 0.3 0.4
0
0.05
0.1
0.15
0.2
標準偏差 : 0.027
平均値 : -0.0015
リアルタイム震度max - 計測震度
-0.4 -0.3 -0.2 -0.1 0 0.1 0.2 0.3 0.4
0
0.01
0.02
0.03
0.04
0.05
リアルタイム震度max - 計測震度
計測震度との比較②
ソーティング時間:1秒
リアルタイム震度maxは計測震度より平均的に−0.16小さく、標準偏差も増加する
追従性を重視する防災用途に適す
相対頻度
平均値 :
−0.16
標準偏差 :
0.088
計測震度
計測震度相当値
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リアルタイム震度と緊急地震速報(EEW)の比較
• EEWの評価は、一般ユーザーを対象としたアン
ケート調査によるものが主で、EEWの「精度・即
時性」を計測・評価したものは殆ど無い
• リアルタイム震度は刻々と変化する地震動の強さ
を連続的に計測できるので、地震観測点でEEW
を受信したものとすれば、EEWの予測震度と対
比して、EEWの「精度・即時性」を客観的に評価
できる
• この比較で、EEWの「精度・即時性」を評価し、
EEWの現状を明らかにする
リアルタイム震度とEEWの比較方法
•
K-net、kik-netの観測点でEEWを受信したものとして、
リアルタイム震度とEEWの予測震度を比較し、強震域
(震度≧ 5弱)に於けるEEWの有効性を検証する
• 伝送・処理遅延時間:考慮しない
• EEW実用化後の全警報(
145回/7年1ヶ月)を対象
• 「警報」の判定
リアルタイム震度が4.5に達するまでに「警報」が
全点で出た:○ 、一部で出た:△、全点で出ない:×
• 「予報」の判定
リアルタイム震度が4.5に達するまでに「予報≧2.5 」が
全点で出た:○ 、一部で出た:△、全点で出ない:×
(EEW受信機の閾値=4.5とすべきだが、殆どが閾値
=2.5で運用されているため、実情に合わせた)
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2014.11.22 22:06 長野県北部の地震に於けるEEWの評価例(予△ 警△ )
白馬 戸隠 大町中 信州新 大町 妙高高原 杭瀬下 糸魚川 生坂 長野 信濃 糸魚川 宇奈月 魚津 境 穂高 妙高 中野 魚津 上田予警
××
××
○○
予報:リアルタイム震度が4.5に達するまでに予測震度≧2.5であれば○
警報:リアルタイム震度が4.5に達するまでに警報(第2報)があれば○
○○
○○
2013.4.13 05:33 淡路島付近の地震に於けるEEWの評価例(予△ 警△)
五色 洲本 三原 南淡 東浦 鳴門 和歌山 明石 和歌山 引田 泉南 内海 有田 徳島 田尻 内海 加古川 神戸 姫路 三木予警
××
××
○×
○×
○○
予報:リアルタイム震度が4.5に達するまでに予測震度≧2.5であれば○
警報:リアルタイム震度が4.5に達するまでに警報(第3報)があれば○
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2011.4.7 23:32 宮城県沖の地震に於けるEEWの評価例(予○ 警○)
予報:リアルタイム震度が4.5に達するまでに予測震度≧2.5であれば○
警報:リアルタイム震度が4.5に達するまでに警報(第2報)があれば○
予警
○○
○○
○○
○○
○○
○○
○○
○○
○○
○○
○○
○○
○○
○○
○○
○○
○○
○○
○○
○○
実用化後7年間で最良のEEW
2011.3.11 14:46 東北地方太平洋沖地震に於けるEEWの評価例(予○ 警△)
石巻 釜石 仙台 いわき 福島 盛岡 白河 水戸 八戸 宇都宮 鹿沼 古河 久喜 千葉 東雲 横浜予警
○○
○○
○○
○○
予報:リアルタイム震度が4.5に達するまでに予測震度≧2.5であれば○
警報:リアルタイム震度が4.5に達するまでに警報(第4報)があれば○
○○
○○
○×
○×
○×
○×
○×
○×
○○
○×
○×
○×
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№ 発生日時 震央地名 M 深さ 最大震度 1報遅れ 警報遅れ 警報報数 警報判定 備考 knt震度 震央距離最短 震源距離最短 死・不明 負傷 1 2008/6/14 8:43 岩手県内陸南部 7 10 6強 3.5 4.5 2 △ 直下、>26kmで○ 6.4 3 10 13 426 2 2008/9/11 9:20 十勝沖 7 20 5弱 7.8 9.7 3 ○ 遠い 4.8 78 81 3 2010/2/27 5:31 沖縄本島近海 6.9 10 5弱 3.2 4.1 2 ○ 遠い 4.3 90 91 2 4 2010/3/14 17:08 福島県沖 6.6 40 5弱 3.2 3.6 2 ○ 遠い 4.6 70 81 1 5 2011/3/11 14:46 三陸沖 7.9 10 7 5.4 8.6 4 △ 震度誤差大 関東で警報無し 6.6 121 121 18493 6217 6 2011/3/12 3:59 新潟県中越地方 6.6 10 6強 2.8 3.6 2 △ 直下、>30kmで○ 5.4 6 12 3 57 7 2011/3/14 10:02 茨城県沖 6.2 10 5弱 6.2 10.2 3 △ 直下、>66kmで○ 4.5 45 46 8 2011/3/15 22:31 静岡県東部 6 10 6強 3.5 3.5 1 △ 直下、>35kmで○ 6.3 15 18 75 9 2011/3/28 7:23 宮城県沖 6.5 0 5弱 15.3 16.7 2 ○ 遠い(第1報遅れ大) 4.4 86 86 10 2011/4/7 23:32 宮城県沖 7.4 40 6強 3.3 7.4 3 ○ 遠い 6.3 85 94 4 296 11 2011/4/11 17:16 福島県浜通り 7.1 10 6弱 3.2 6.3 3 △ 直下、>25kmで○ 5.8 7 12 4 10 12 2011/4/12 8:08 千葉県東方沖 6.3 30 5弱 3.7 5.3 2 ○ 遠い,Me+1.7 4.4 36 47 13 2011/4/16 11:19 栃木(茨城)県南部 5.9 70 5強 3.4 3.4 1 ○ 深い、震度e+1 5 53 88 6 14 2011/4/21 22:37 千葉県東方沖 6 70 5弱 5.6 6.8 2 ○ 深い,深度e-60km 4.1 11 71 15 2011/6/4 1:00 福島県沖 5.6 20 5弱 3.4 6.9 4 △ 準直下、>63kmで○ 4.1 22 30 16 2011/6/23 6:50 岩手県沖 6.7 20 5弱 3.5 7.3 2 ○ 遠い 5 104 106 17 2011/7/23 13:34 宮城県沖 6.5 40 5強 6.7 7.9 2 ○ やや深く遠い 5 40 57 18 2011/7/25 3:51 福島県沖 6.2 40 5弱 3.3 4 3 ○ やや深く遠い 4.6 70 81 19 2011/7/31 3:53 福島県沖 6.4 40 5強 4.4 4.4 1 ○ やや深く遠い 5.2 68 79 11 20 2011/8/1 23:58 駿河湾 6.1 20 5弱 3.3 4.9 2 △ 準直下、>31kmで○ 4.7 48 52 13 21 2011/8/12 3:22 福島県沖 6 50 5弱 3.8 5.2 2 △ 準直下、>68kmで○ 4.7 18 53 22 2012/4/29 19:28 千葉県北東部 5.8 50 5弱 3.5 6.3 3 ○ やや深い 4.3 3 50 23 2012/12/7 17:18 三陸沖 7.3 10 5弱 3.3 6.6 5 ○ アウターライズ地震 5 209 209 1 15 24 2013/2/2 23:17 十勝地方中部 6.4 120 5強 4.2 7.3 4 ○ 直下、深い 5.4 8 120 14 25 2013/4/13 5:33 淡路島付近 6 10 6弱 3.5 7.5 3 △ 直下、>28kmで○ 5.3 3 10 34 26 2013/9/20 2:25 福島県浜通り 5.8 20 5強 3.6 5.1 3 ○ 直下(注) 5 13 24
EEWの成功例①
「警報」が5弱以上の地点で「間に合った」ケース(○:18回、△:11回/7年)
№ 発生日時 震央地名 M 深さ 最大震度 1報遅れ 警報遅れ 警報報数 警報判定 備考 knt震度 震央距離最短 震源距離最短 死・不明 負傷 27 2013/12/31 10:03:00 茨城県北部 5.4 7 5弱 3.3 14.9 6 × 警報遅れ 4.5 0.9 7 - -28 2014/03/14 02:06:50 伊予灘 6.2 78 5強 3.2 7.7 7 × 警報遅れ 5.0 19.7 80 - -29 2014/07/08 18:05:24 胆振地方中東部 5.6 3 5弱 3.3 3.3 1 × 直下、間に合わず 4.9 11.9 12 - -30 2014/07/12 04:22:00 福島県沖 7.0 33 4 8.4 17.2 6 × 誤報、予測震度過大 3.5 119.1 124 - -31 2014/08/10 12:43:18 青森県東方沖 6.1 51 5弱 3.2 3.2 1 ○ 遠い 4.3 74.7 90 - -32 2014/09/16 12:28:31 茨城県南部 5.6 47 5弱 3.4 3.6 2 ○ 直下、深い 4.4 4.8 47 - -33 2014/11/22 22:08:17 長野県北部 6.8 5 6弱 2.6 3.2 2 △ 直下、>20kmで○ 5.4 3.3 6 0 57
EEWの成功例②
「警報」が5弱以上の地点で「間に合った」ケース(○:18回、△:11回/7年)
EEW7年間のまとめ
「警報」の成功例
○:18回(12.4%)
△:11回(7.6%)
×:116回(80.0%)
「予報」の成功例(閾値=2.5 )
○:31回(21.4%)
△:14回(9.7%)、×:100回(68.9%)
閾値=4.5とすれば「警報」と同じ
予報
○
△
×
×:間に合わず、空振り、見逃し、誤報など
警報
○
△
×
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20
EEWの成功例が少ない理由
• 「第1報・警報」が遅い(スライド
22)
改良後も15秒以上遅れる「警報」が多い
• 中・長距離の 地震も間に合わず(スライド
23)
・
○:「第1報」は略正常だが、遅い「警報」が多い
・ 距離< 50kmの△と×:技術的限界のためNG
距離≧ 50kmの△と×:中・遠距離でもNG多発
得意な地震なし
• 「マグニチュード(
M)・震源位置」が中々決まらない
(スライド24)
○: Mと震源位置ともに比較的短時間に決まった
△: Mが決まるまで時間が掛りすぎた
×: Mと震源位置が最後まで定まらない
• これは「震源近傍で観測したP波から算出した震源要素
で、利用場所の震度や主要動到達を予測・報知する」とし
た「開発目標」が、今も殆ど達成できていないことを示す
0
10
20
30
40
50
60
1
2
3
4
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9 15 25 60 120
第1報
0
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25
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40
1
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3
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7
9 15 25 60 120
警報
0
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15
20
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第1報
0
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警報
EEWの第1報と警報の遅れ
縦軸:度数、横軸:時間(秒)
全体(2008.10.1~2013.11.30)
改良前(2008.10.1~2011.8.10)
改良後(2011.8.10~2013.11.30)
横軸:P波検出からの時間(秒)
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○△×による「遅れや震源距離」との違い
横軸はP波検出からの時間(秒)
○:16回/6年
△:10回/6年
×:48回/6年
4
5
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10
100
マグニチュード変動
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100
マグニチュード変動
4
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マグニチュード変動
○△×と「マグニチュード・震源」の時間変動
1
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1000
1
10
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震源変動(km)
震源距離>30km
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1
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震源変動(km)
1
10
100
1000
1
10
100
震源変動(km)
20回
横軸:P波検出からの時間(秒)
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IPF法とPLUM法
• 気象庁はEEWの機能向上のため、今後新方式を導入する
• IPF (Integrated Particle Filter)法は近接した地域で略同時に
発生する複数の地震を分離することができ、大地震発生後に
多発する余震に伴う誤報を防止する
• PLUM(Propagation of Local Undamped Motion )法は周辺観
測点のリアルタイム震度を参考に、利用場所の震度を推定す
る方式で、巨大地震でマグニチュード(M)の頭打ちが生じたと
きも、適切に「警報」を発信できる
• PLUM法は、気象庁内に設置するサーバーの処理に適すが、
受信端末に適用すると、全観測点のリアルタイム震度を繰り返
し配信する必要があり、通信費や受信端末価格の上昇を招く
• PLUM法適用の「警報」を受信端末で利用すれば、震度予測
はできないが廉価に「Mの頭打ち」対策ができる
PLUM
(Propagation of Local Undamped Motion )
法の原理
• 震源要素を使わず、
30km以内の周辺観測点で計測したリア
ルタイム震度で、予測地点の震度を予測する
• 巨大地震でマグニチュード(M)の頭打ちが生じても、適切な
震度予測が可能となる
気象庁 HP
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26
日本の被害地震
•
1995年1月~2013年8月に発生した被害地震は127回
人的被害は以下の通り
•
3.11の
津波による被害*(溺死+行方不明)
を除けば、内陸・沿岸
の地震の方が遥かに大きな被害をもたらしてる
• 首都直下地震が懸念される中、2020年には東京オリンピックも
開催されるので、EEWの「直下地震対応」は不可欠・急務
内陸・沿岸(<50km)の地震
沖(≧50km)の地震
1.17阪神大震災
1.17以外
3.11以外
3.11東北大震災
地震の回数
1(0.8%)
98(77.2%)
27(21.2%)
1(0.8%)
死亡
6,443
116
6
溺死:14,308*
焼死:145
圧・損傷死:667
不詳:666
合計:15,786
行方不明
3
6
1
2,683*
負傷
43,792
11,630
1,345
6,217
0.1
1.0
10.0
100.0
1000.0
10000.0
1
2
3
4
5弱
5強
6弱
6強
7
年間発生回数
震度
年間地震発生数(3952回)と震度
2000年1月1日~2013年9月30日の平均
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28
項目
その他
1.17阪神
3.11東北
死亡
122
6,443
15,786
不明
7
3
2,683
負傷
12,984
43,792
6,217
0
1
10
100
1,000
10,000
100,000
震度4
震度5弱
震度5強
震度6弱
震度6強
震度7
人数
震度
震度と人的被害
1995年1月~2013年8月(127回の被害地震)
死亡
不明
負傷
0
1
10
100
1,000
10,000
100,000
震度4
震度5弱
震度5強
震度6弱
震度6強
震度7
人数
震度
「内陸・沿岸
<
50km
の地震」の人的被害
1995年1月~2013年8月(99回)
死亡
不明
負傷
死亡
6,659
不明
9
負傷
55,359
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30
0
1
10
100
1,000
10,000
100,000
震度4
震度5弱
震度5強
震度6弱
震度6強
震度7
人数
最大震度
「沖
≧
50km
の地震」の人的被害
1996年3月~2013年8月(28回 全体の22%)
死亡
不明
負傷
2011年3月11日
東北地方太平洋沖
M9.0 (本震)
2012年12月 7日
三陸沖M7.3
地震に驚き転倒
2003年9月26日
十勝沖地震M8.0
津波で釣り人2名が犠牲
2011年 4月 7日
宮城県沖M7.2
その他
3.11地震
3.11津波
死亡
6
1,475
14,308
不明
1
-
2,683
負傷
1,345
6,217
-
⑰
⑱
⑰ 2007.7.16
新潟県中越沖地震(M6.8)
⑱ 2008.6.14
岩手・宮城内陸地震(M7.2
)
⑲ 2008.7.24
岩手県沿岸北部(M6.8)
⑳ 2009.8.11
駿河湾(M6.5)
21
2011.3.11
東日本大地震(M9.0)
近年の地震発生状況
(震度6弱以上)
と想定震源域
H19 防災白書に追記
(M7.3)
(M6.7)
(M6.4)
(M8.0)
(M6.8)
(M7.0)
(M6.9)
(M7.8)
(M8.2)
(M7.5)
(M7.3)
(M6.4)
(M7.1)
(M6.2)
(M6.5)
(M7.2)
⑳
×:直下や沿岸の地震⇒頻度:大
○:海溝型地震⇒頻度:小
⑲
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