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「あまもり」こわい

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Academic year: 2022

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ᠡ ᠷᠢᠶ ᠡᠭᠴ ᠢᠨ ᠦ ᠨᠢᠶ ᠡ  ᠲ ᠡᠢ ᠡ ᠪᠦ ᠭᠡ ᠨ ᠡ ᠮᠡᠭᠡ ᠨ ᠬ ᠣᠶ ᠠᠷ ᠪᠤᠷ ᠢᠶᠠ ᠳ ᠤᠨ ᠠᠮᠠᠨ ᠦᠯᠢᠭᠡᠷ

監修・モンゴル語・日本語:山越康裕 絵:ハリヤ

[語り・原案:ガルゾート・ツェ・ドガルマー]

「あまもり」こわい ―ブリヤートの民話

東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所

ᠶᠠᠮᠠᠻᠤᠰᠢ ᠶᠠᠰᠥᠾᠢᠷᠤ᠋ᠡᠮᠬᠢᠳᠬᠡᠪᠡ ᠬᠠᠯᠢᠶ ᠠ ᠵᠢᠷᠤᠭ ᠵᠢᠷᠦᠪᠠ ᠭᠠᠯᠵᠤ·ᠴᠡᠷᠡᠨᠳᠠᠰᠢ ᠶᠢᠨ ᠳᠤᠭᠤᠷᠮ ᠠ ᠦᠯᠢᠭᠡᠷ ᠶᠠᠷᠢᠪᠠ

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ᠡ ᠷᠢᠶ ᠡᠭᠴ ᠢᠨ ᠦ ᠨᠢᠶ ᠡ  ᠲ ᠡᠢ ᠡ ᠪᠦ ᠭᠡ ᠨ ᠡ ᠮᠡᠭᠡ ᠨ ᠬ ᠣᠶ ᠠᠷ ᠪᠤᠷ ᠢᠶ ᠠᠳ ᠤᠨ ᠠᠮᠠᠨ ᠦᠯᠢ ᠭᠡᠷ

監修・モンゴル語・日本語:山越康裕 絵:ハリヤ

[語り・原案:ガルゾート・ツェ・ドガルマー]

「あまもり」こわい ―ブリヤートの民話

東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所

ᠶᠠᠮᠠᠻᠤᠰᠢ ᠶᠠᠰᠥᠾᠢᠷᠤ᠋ᠡᠮᠬᠢᠳᠬᠡᠪᠡ ᠬᠠᠯᠢᠶ ᠠ ᠵᠢᠷᠤᠭ ᠵᠢᠷᠦᠪᠠ ᠭᠠᠯᠵᠤ·ᠴᠡᠷᠡᠨᠳᠠᠰᠢ ᠶᠢᠨ ᠳᠤᠭᠤᠷᠮ ᠠ ᠦᠯᠢᠭᠡᠷ ᠶᠠᠷᠢᠪᠠ

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ᠡᠷᠲᠡᠤᠷᠢᠳᠤᠴᠠᠭᠲᠤᠡᠷᠢᠶᠡᠭᠴᠢᠨᠦᠨᠢᠶ ᠡᠲᠡᠢᠡᠪᠦᠭᠡᠨ ᠡᠮᠡᠭᠡᠨᠬᠣᠶᠠᠷᠪᠠᠢᠢᠵᠠᠢ᠃ ᠨᠢᠭᠡ ᠣᠷᠣᠢ ᠪᠣᠷᠣᠭ ᠠ ᠶᠡᠬᠡ ᠣᠷᠣᠵᠤ ᠪᠠᠢᠢᠵᠠᠢ᠃ ᠲᠡᠳᠡᠨ ᠦ ᠳᠦ ᠡᠷᠢᠶᠡᠭᠴᠢᠨ ᠦᠨᠢᠶ ᠡ ᠶᠢ ᠨᠢ ᠬᠤᠯᠠᠭᠠᠢᠢᠯᠠᠬᠤ ᠪᠠᠷ ᠨᠢᠭᠡ ᠬᠤᠯᠠᠭᠠᠢᠢᠴᠢ ᠰᠡᠮᠡᠭᠡᠷᠬᠡᠨ ᠢᠷᠡᠭᠡᠳ ᠲᠡᠳᠡ ᠬᠣᠶᠠᠷ ᠤᠨ ᠤᠨᠲᠠᠬᠤ ᠶᠢ ᠬᠦᠯᠢᠶᠡᠵᠦ ᠪᠠᠢᠢᠵᠠᠢ᠃ ᠡᠭᠦᠨ ᠡᠴᠡ ᠭᠠᠳᠠᠨ ᠠ᠂ ᠨᠢᠭᠡ ᠪᠠᠷᠰ ᠪᠠᠰᠠ ᠢᠷᠡᠭᠡᠳ ᠡᠷᠢᠶᠡᠭᠴᠢᠨ ᠦᠨᠢᠶ ᠡ ᠶᠢ ᠨᠢ ᠢᠳᠡᠬᠦ ᠭᠡᠵᠦ ᠬᠦᠯᠢᠶᠡᠵᠦ ᠪᠠᠢᠢᠵᠠᠢ᠃

むかしむかし、あるところ に うし を 1とう かっている おじいさん と おばあさん が いました。

あめ の ふる よる、ふたり の いえ に うしどろぼう が こっそり やってきました。

おなじ ころ、うし を たべようと とら が 1とう やってきました。

うしどろぼう も とら も ふたり が ねむる のを まっていました。

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(6)

ᠡᠪᠦᠭᠡᠨᠡᠮᠡᠭᠡᠨᠬᠣᠶᠠᠷᠢᠩᠭᠢᠵᠦᠶᠠᠷᠢᠯᠴᠠᠵᠤᠪᠠᠢᠢᠭᠰᠠᠨᠭᠡᠨ ᠡ᠃ ᠡᠪᠦᠭᠡᠨᠨᠢ

《ᠪᠠᠷᠰᠯᠠᠠᠶᠤᠮᠰᠢᠭᠲᠠᠢᠳᠠ

》ᠭᠡᠵᠦᠶᠠᠷᠢᠭᠰᠠᠨ᠃ ᠲᠡᠭᠡᠭᠰᠡᠨᠴᠢᠨᠢᠡᠮᠡᠭᠡᠨᠨᠢ

《ᠪᠠᠷᠰᠤᠤᠪᠠᠷᠰᠡᠴᠠᠠᠶᠤᠭᠠᠳ? ᠶᠠᠭᠤᠪᠣᠯᠬᠤᠶᠤᠮᠪᠤᠢᠪᠢᠭᠣᠣᠵᠢᠳᠠᠭᠡᠴᠠᠯᠠᠠᠶᠤᠨ ᠠ? ᠡ

》ᠭᠡᠵᠦᠬᠠᠷᠢᠭᠤᠯᠤᠭᠰᠠᠨᠭᠡᠨ ᠡ᠃ᠲᠡᠳᠡᠶᠠᠳᠠᠭᠤᠪᠠᠢᠢᠭᠠᠳ ᠪᠣᠷᠣᠭ ᠠᠣᠷᠣᠬᠤᠳᠤᠲᠡᠳᠡᠨᠦᠭᠡᠷᠪᠣᠷᠣᠭ ᠠᠭᠣᠣᠵᠢᠳᠠᠭ ᠪᠠᠢᠢᠭᠰᠠᠨᠶᠤᠮ᠃

《ᠶᠡᠬᠡᠪᠡᠷᠭᠣᠣᠵᠢᠳᠠᠭᠡᠴᠠᠯᠠᠠᠶᠤᠨ ᠠ ᠳᠠ

》ᠭᠡᠵᠦᠶᠠᠷᠢᠭᠰᠠᠨᠭᠡᠨ ᠡ᠃

おじいさん と おばあさん は 「よのなか で なに が こわい か」

おしゃべり していました。

おじいさん は 「とら は こわい のう」と いいました。

ところが おばあさん は

「とら なんて たいした こと は ない。

いちばん こわい のは

『あまもり』

だよ」と こたえました。

ふたり の いえ は まずしかったので あめ が ふったら いつも あまもり に こまっていたのです。

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(8)

ᠡᠭᠦᠨᠢᠰᠣᠨᠣᠰᠤᠭᠠᠳᠪᠠᠷᠰᠪᠣᠳᠣᠵᠠᠢ᠃

《ᠠᠢᠳᠠ᠃ᠡᠨᠡᠴᠢᠨᠢ ᠪᠠᠷᠰᠨᠠᠳᠠᠡᠴᠠᠬᠡᠴᠡᠭᠦᠦ

《ᠭᠣᠣᠵᠢᠳᠠᠭ

》ᠭᠡᠵᠦᠶᠠᠮᠠᠷᠬᠡᠴᠡᠭᠦᠦ ᠠᠶᠤᠮᠰᠢᠭᠲᠠᠢᠶᠠᠭᠤᠮ ᠠᠪᠠᠢᠢᠭ ᠠᠶᠤᠮᠤᠤᠳᠠ

》ᠭᠡᠵᠦᠪᠣᠳᠣᠭᠠᠳ ᠬᠡᠪᠲᠡᠭᠰᠡᠨᠭᠡᠨ ᠡ᠃

それを きいて とら は おもいました。

「おれさま よりも こわい『あまもり』って どんなに おそろしい いきもの なんだろう?」

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ᠭᠣᠣ ᠵᠢ ᠳᠠ ᠭ

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ᠡᠪᠦᠭᠡᠨᠡᠮᠡᠭᠡᠨᠬᠣᠶᠠᠷᠲᠡᠭᠡᠵᠦᠶᠠᠷᠢᠯᠴᠠᠭᠠᠳᠣᠳᠣᠤᠨᠲᠠᠴᠢᠬᠠᠭᠰᠠᠨ ᠶᠠᠩᠵᠤᠲᠠᠢᠪᠣᠯᠵᠠᠢ᠃ おじいさん と おばあさん は そうやって おしゃべりしたあと、

ねむって しまいました。

(11)

<イラスト5>

眠ったおじいさんとおばあさん、牛

こっそり牛に近づくトラとどろぼう

(12)

ᠬᠤᠯᠠᠭᠠᠢᠢᠴᠢᠤᠷᠢᠳᠤᠪᠠᠨᠨᠢᠭᠡᠡᠷᠢᠶᠡᠨᠶᠠᠭᠤᠮ ᠠᠬᠡᠪᠲᠡᠵᠦ ᠪᠠᠢᠢᠬᠤᠶᠢᠦᠨᠢᠶ ᠡᠭᠡᠵᠦᠪᠣᠳᠣᠭᠠᠳᠪᠠᠷᠢᠴᠢᠬᠠᠭᠰᠠᠨᠭᠡᠨ ᠡ᠂ ᠲᠡᠷᠡᠡᠷᠢᠶᠡᠨᠶᠠᠭᠤᠮ ᠠᠶᠢ᠃

ふたり が ねむったのを みて

うしどろぼう は めのまえ に いる まだらもよう の いきもの を つかまえようと とびかかりました。

(13)

<イラスト6>

暗闇で牛とトラを間違えて

トラを捕まえようとするどろぼう

と、それにびっくりするトラ

(14)

ᠲᠡᠭᠡᠭᠰᠡᠨᠴᠢᠨᠢᠪᠠᠷᠰᠨᠢᠤᠬᠠᠭᠠᠨᠠᠯᠳᠠᠭᠰᠠᠨ᠃ᠣᠳᠣ

《ᠭᠣᠣᠵᠢᠳᠠᠭ

》ᠭᠡᠳᠡᠭᠶᠠᠭᠤᠮ ᠠᠨᠠᠮᠠᠢᠢᠪᠠᠷᠢᠵᠤᠢᠳᠡᠬᠦᠭᠡᠵᠦ ᠪᠠᠢᠢᠨ ᠠᠭᠡᠵᠦᠪᠣᠳᠣᠭᠠᠳᠭᠦᠶᠦᠭᠡᠳᠳᠤᠲᠠᠭᠠᠵᠠᠢ᠃ᠳᠠᠪᠠᠭᠠᠨᠳᠤ ᠯᠠᠵᠡᠭᠦᠨᠬᠣᠢᠢᠨ ᠠᠵᠦᠭᠤᠷᠤᠭᠤᠭᠦᠶᠦᠭᠰᠡᠨᠭᠡᠨ ᠡ᠃

いきなり とびかかられた とら は びっくり!

『あまもり』

だ! これが

『あまもり』

だ!!」

とおもって はしって にげだしました。

とら は うしどろぼう を のせた まま とうげ の むこうまで にげました。

(15)

<イラスト7>

驚いて逃げて走るトラ

必死でつかまっているどろぼう

(16)

ᠲᠡᠷᠡᠬᠤᠯᠠᠭᠠᠢᠢᠴᠢᠴᠤᠪᠠᠰᠠᠡᠷᠢᠶᠡᠨᠠᠮᠢᠲᠠᠨᠤᠳᠡᠭᠡᠷ ᠡᠡᠴᠡ ᠤᠨᠠᠵᠤᠪᠣᠯᠬᠤᠦᠭᠡᠢᠭᠡᠵᠦᠪᠣᠳᠣᠭᠠᠳᠪᠠᠷᠢᠵᠤᠯᠠᠪᠠᠢᠢᠭᠰᠠᠨ ᠭᠡᠨ ᠡ᠃ᠢᠩᠭᠢᠭᠡᠳᠶᠠᠪᠤᠵᠤᠶᠠᠪᠤᠭᠰᠠᠭᠠᠷᠨᠡᠯᠢᠶᠡᠳᠬᠣᠯᠠᠭᠠᠵᠠᠷ ᠬᠦᠷᠲᠡᠯ ᠡᠭᠦᠶᠦᠵᠡᠢ᠃ うしどろぼう は ひっしで

とら の せなか に しがみついています。

こうして うーんと とおく まで やってきました。

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(18)

ᠢᠩᠭᠢᠭᠡᠳᠨᠢᠭᠡᠤᠯᠤᠰᠲᠤᠢᠷᠡᠭᠰᠡᠨᠴᠢᠨᠢᠲᠡᠷᠡᠤᠯᠤᠰᠤᠨ ᠢᠷᠭᠡᠳᠪᠠᠷᠰᠢᠪᠥᠰᠡᠯᠡᠭᠡᠳᠪᠠᠷᠢᠵᠤᠠᠪᠴᠠᠢ᠃

そうして となり の くに まで やってきた ところ その くに の ひとびと が とら を つかまえて なわ で しばりあげました。

(19)
(20)

ᠲᠡᠭᠡᠭᠡᠳᠲᠡᠳᠡᠲᠠᠨᠤᠤᠨᠤᠭ ᠠᠶᠠᠭᠠᠭᠢᠨ ᠠᠭᠡᠳᠰᠡᠭᠦᠯᠢᠨᠢ ᠣᠭᠲᠣᠯᠤᠭᠠᠳᠲᠠᠯᠪᠢᠭᠰᠠᠨᠭᠡᠨ ᠡ᠃ᠪᠠᠷᠰᠳᠤᠲᠠᠭᠠᠭᠠᠳ ᠶᠠᠪᠤᠴᠢᠬᠠᠯ ᠠ᠃

それから ひとびと は とら の しっぽ を きって にがしました。

とら は あわてて にげました。

(21)

<イラスト10>

尾を切られて逃げていくトラ

(22)

ᠲᠡᠷᠡᠤᠯᠤᠰᠴᠢᠨᠢᠬᠠᠭᠠᠨᠲᠣᠭᠲᠠᠬᠤᠦᠭᠡᠢᠪᠠᠢᠢᠵᠠᠢ᠃ᠬᠠᠭᠠᠨ ᠰᠠᠭᠤᠪᠠᠯᠦᠬᠦᠭᠡᠳᠯᠠᠪᠠᠢᠢᠭᠰᠠᠨ᠃ᠲᠡᠢᠢᠮᠦᠪᠠᠢᠢᠭᠠᠳᠦᠵᠡᠯᠴᠢ ᠢᠩᠭᠢᠵᠦᠬᠡᠯᠡᠭᠰᠡᠨᠭᠡᠨ ᠡ᠂

《ᠪᠠᠷᠠᠭᠤᠨᠤᠷᠢᠳᠤᠵᠦᠭᠡᠴᠡ ᠪᠠᠷᠰᠤᠨᠤᠭᠰᠠᠨᠬᠦᠮᠦᠨᠢᠷᠡᠨ ᠡ᠃ᠲᠡᠷᠡᠲᠠᠨᠤᠬᠠᠭᠠᠨ ᠪᠣᠯᠤᠨ ᠠ

》ᠢᠩᠭᠢᠭᠡᠳᠶᠠᠭᠲᠡᠭᠦᠨᠦᠬᠡᠯᠡᠭᠰᠡᠨᠢᠶᠡᠷᠪᠠᠷᠰ ᠤᠨᠤᠭᠰᠠᠨᠬᠤᠯᠠᠭᠠᠢᠢᠴᠢᠢᠷᠡᠭᠰᠡᠨᠶᠤᠮ᠃

その くに は おうさま が いませんでした。

とら が くる まえ にうらないし に みてもらった ところ

「とうげ の ほう から とら に のった ひと が くる。

その ひと こそ が おうさま に なる」と うらないし は こたえました。

そうしたら、ほんとうに とら に のった ひと が やってきたのです。

(23)

<イラスト11>

どろぼうと話す人々

(24)

《ᠣᠳᠣᠮᠠᠨᠤᠬᠠᠭᠠᠨᠢᠷᠡᠯ ᠡ

》ᠭᠡᠳᠪᠠᠷᠰᠢᠨᠢ ᠪᠠᠷᠢᠭᠠᠳᠤᠨᠤᠵᠤᠢᠷᠡᠭᠰᠡᠨᠡᠨᠡᠬᠦᠮᠦᠨᠢᠬᠠᠭᠠᠨᠰᠠᠭᠤᠯᠭᠠᠶ ᠠ ᠭᠡᠵᠦᠱᠤᠤᠭᠢᠵᠤᠪᠠᠢᠢᠨ ᠠ᠃ᠡᠨᠡᠬᠤᠯᠠᠭᠠᠢᠢᠴᠢᠣᠳᠣᠶᠠᠭᠠᠭᠢᠨ ᠠ ᠭᠡᠵᠦᠮᠡᠭᠳᠡᠵᠦᠪᠠᠢᠢᠨ ᠠ᠃

《ᠲᠠᠵᠠᠪᠠᠯᠬᠠᠭᠠᠨᠪᠣᠯᠤᠭᠠᠷᠠᠢ

》ᠭᠡᠵᠦ ᠢᠷᠭᠡᠳᠬᠡᠯᠡᠭᠡᠳᠯᠠᠪᠠᠢᠢᠨ ᠠ᠃

「おうさま が きた!」と とら を つかまえて のっていた うしどろぼう を おうさま に しようと みんなで さわいでいます。

うしどろぼう は こまりました。

まわりは みんな「おうさま に なってください」と たのんでいます。

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ᠡᠢᠢᠮᠦᠪᠠᠢᠢᠭᠠᠳᠲᠡᠷᠡᠬᠤᠯᠠᠭᠠᠢᠢᠴᠢᠰᠥᠨᠢᠪᠣᠯᠤᠭᠠᠳᠳᠤᠲᠠᠭᠠᠯ ᠠ᠃

こまってしまった うしどろぼう は その ひ の よる に にげだしました。

(27)

<イラスト13>

夜中に逃げ出すどろぼう

(28)

《ᠪᠢᠬᠤᠯᠠᠭᠠᠢᠢᠴᠢᠰᠢᠦᠳᠡ᠃ᠶᠠᠭᠠᠬᠢᠵᠤᠬᠠᠭᠠᠨᠪᠣᠯᠬᠤᠶᠤᠮ ᠪᠤᠢ?

》ᠭᠡᠵᠦᠪᠣᠳᠣᠭᠠᠳᠶᠠᠪᠤᠵᠤᠪᠠᠢᠢᠲᠠᠯ ᠠᠨᠢᠭᠡᠣᠯᠠᠨ ᠪᠠᠷᠰᠲᠠᠢᠲᠠᠭᠠᠷᠠᠭᠰᠠᠨᠭᠡᠨ ᠡ᠃ᠬᠤᠯᠠᠭᠠᠢᠢᠴᠢᠮᠡᠭᠳᠡᠭᠡᠳᠠᠶᠤᠭᠠᠳ ᠮᠣᠳᠣᠨᠳᠡᠭᠡᠷ ᠡᠠᠪᠠᠷᠢᠭᠰᠠᠨ᠃ᠲᠡᠭᠡᠭᠰᠡᠨᠴᠢᠨᠢᠪᠠᠷᠰᠤᠳ ᠮᠣᠳᠣᠨᠳᠣᠣᠷ ᠠᠢᠷᠡᠭᠡᠳᠨᠢᠭᠡᠨᠢᠭᠡᠨᠳᠡᠭᠡᠷ ᠡ ᠳᠡᠭᠡᠭᠰᠢᠪᠡᠨᠭᠠᠷᠴᠤᠪᠠᠢᠢᠨ ᠠᠭᠡᠨ ᠡ᠃ᠪᠡᠶ ᠡᠪᠡᠶ ᠡ ᠳᠡᠭᠡᠷ ᠡᠪᠡᠨᠵᠣᠭᠰᠣᠭᠠᠳᠣᠳᠣᠬᠤᠯᠠᠭᠠᠢᠢᠴᠢᠳᠤᠬᠦᠷᠬᠦᠭᠡᠵᠦ ᠪᠠᠢᠢᠨ ᠠ᠃ᠬᠤᠯᠠᠭᠠᠢᠢᠴᠢᠠᠶᠤᠵᠤᠪᠠᠢᠢᠨ ᠠ᠃

「おれ は うしどろぼう だし、おうさま に なんて なれっこない」

そう おもって にげていたら、

たくさん の とら に であってしまいました。

あわてて き に のぼりましたが、

とら の せなか に べつ の とら が のっかって、

その うえ に また べつ の とら が のっかって、

とうとう うしどろぼう は とらに つかまりそうに なりました。

(29)

<イラスト14>

木の上に登ってこわがっているどろぼう どろぼうを捕まえようとするトラの群れ

1

頭の上にまた

1

頭、と何頭も積み重なって

いる。一番下に尾の短いトラ)

(30)

ᠬᠠᠷᠢᠨᠨᠢᠭᠡᠬᠠᠷᠠᠬᠤᠳᠤᠨᠢᠣᠭᠲᠣᠯᠤᠭᠰᠠᠨᠰᠡᠭᠦᠯᠲᠡᠢᠪᠠᠷᠰ ᠬᠠᠮᠤᠭᠤᠨᠳᠣᠣᠷ ᠠᠵᠣᠭᠰᠣᠭᠰᠠᠨᠪᠠᠢᠢᠭ ᠠᠶᠢᠮᠡᠳᠡᠯ ᠡ᠃

《ᠠ᠂ ᠴᠢ ᠡᠨᠳᠡ ᠪᠠᠢᠢᠭ ᠠ ᠤᠤᠪᠢ ᠲᠡᠷᠡ ?

《ᠭᠣᠣᠵᠢᠳᠠᠭ

ᠪᠠᠢᠢᠨ ᠠ ᠡ

ところが その とき です。

ふと みると、いちばん した に いる とら の しっぽ が みじかく なっていました。

「あ! おまえか!

おれ は あの

『あまもり』

だぞう!」

うしどろぼう は そう いって おどかしました。

(31)

<イラスト15>

尾の短いトラに向かって叫ぶどろぼう

(32)

ᠲᠡᠭᠡᠵᠦᠬᠡᠯᠡᠭᠰᠡᠨᠴᠢᠨᠢᠲᠡᠷᠡᠤᠬᠤᠷᠰᠡᠭᠦᠯᠲᠠᠢᠪᠠᠷᠰᠨᠢ ᠤᠬᠠᠭᠠᠨᠠᠯᠳᠠᠭᠠᠳᠳᠤᠲᠠᠭᠠᠵᠠᠢ᠃ᠲᠡᠷᠡᠪᠠᠷᠰᠳᠡᠭᠡᠷᠡᠬᠢ ᠪᠠᠷᠰᠤᠳᠨᠢᠪᠠᠰᠠᠤᠨᠠᠴᠢᠬᠠᠭᠠᠳᠮᠡᠭᠳᠡᠭᠡᠳᠳᠤᠲᠠᠭᠠᠭᠠᠳ ᠶᠠᠪᠤᠴᠢᠬᠠᠵᠠᠢ᠃ᠢᠩᠭᠢᠭᠡᠳᠲᠡᠷᠡᠬᠤᠯᠠᠭᠠᠢᠢᠴᠢᠠᠮᠶ ᠪᠠᠨᠭᠠᠷᠤᠯ ᠠ ᠳᠠ᠃

いちばん した の しっぽ の みじかい とら は びっくり!!

あわてて にげだして しまいました。

いちばん した の とら が にげたので、

うえ に のっていた とら も

そのまた うえ に のっていた とら も

みんな じめん に おちて びっくりして にげていきました。

こうして うしどろぼう は たすかりました。

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(34)

ᠲᠡᠭᠡᠵᠦᠪᠠᠢᠢᠲᠠᠯ ᠠᠲᠡᠷᠡᠤᠯᠤᠰᠤᠨᠢᠷᠭᠡᠳᠬᠤᠯᠠᠭᠠᠢᠢᠴᠢᠶᠢ ᠣᠯᠤᠭᠠᠳ᠂ᠳᠠᠬᠢᠨ

《ᠲᠠᠵᠠᠪᠠᠯᠮᠠᠨᠤᠬᠠᠭᠠᠨᠪᠣᠯᠤᠭᠠᠷᠠᠢ

》ᠭᠡᠵᠦ ᠭᠤᠶᠤᠯ ᠠ᠃ᠢᠩᠭᠢᠭᠡᠳᠬᠤᠯᠠᠭᠠᠢᠢᠴᠢᠪᠠᠢᠢᠭᠰᠠᠨᠲᠡᠷᠡᠬᠦᠮᠦᠨᠬᠠᠭᠠᠨ ᠪᠣᠯᠤᠭᠰᠠᠨᠭᠡᠨ ᠡ᠃

そこに ひとびと が やってきました。

「そんな ところ に いたのですか。

さあ、わたしたち の おうさま に なってください」

とうとう、うしどろぼう は おうさま に なって しまいましたとさ。

(35)

この話について:

この話は、中国・内モンゴル自治区北部に暮らすブリヤートのひとびとの間で語り継がれて いる昔話をアレンジしたものです。日本にも『ふるやのもり』というよく似た民話があります が、類似の話はアジア各地で語り継がれているようです。

ブリヤートのひとびとの大部分は現在のロシア、バイカル湖の周辺に暮らしています。この、

バイカル湖東部に暮らすブリヤートのひとびとの一部が、100年ほど前に中国側に移住しまし た。中国・内モンゴル自治区北部を流れるシネヘン川のほとりに、現在7,000名ほどのブリヤー トのひとびとが暮らしています。私がこの話をうかがったドガルマーさんは、そのうちのお一 人です。私(山越)は彼らの言語のしくみを明らかにしようと継続して現地調査をおこなって きました。この絵本は、その成果の一部です。ブリヤートのみなさんのために絵本を作り、現 地のこどもたちに還そうと考えてできたのがこの絵本です。この地で、ロシアで、モンゴルで、

ブリヤートの言語と文化を継承していくための一助となれば幸いです。

語り手のドガルマーさんはじめ、シネヘンでお世話になっているブリヤートの皆様、かわい らしいイラストで物語の世界をコミカルに再現してくださったハリヤ様、そしてさまざまなご 縁のあった皆様に末尾ながら心より感謝申し上げます。

※本書は、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所基幹研究「多言語・多文化共生に 向けた循環型の言語研究体制の構築」(LingDy3)の活動の一環で、現地コミュニティおよ び一般社会への成果還元を目的として製作されました。上記基幹研究の活動については、下 記URLをご参照ください。

https://lingdy.aa-ken.jp/

山越 康裕(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所)

モンゴル語・日本語:山越康裕

東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所 准教授。モンゴル諸語の記述研究を専門とし、2000 年より中国領内のブリヤート語に関する記述研究に 従事している。

絵:ハリヤ

イラストレーター。内モンゴル自治区西部のオル ドス市出身で、これまで内モンゴルで『太陽を探そ う』『晩ご飯はどこ?』などのモンゴル語絵本を出 版している。

ブリヤート語を聞いてみよう!

本書のもととなったドガルマーさんの語りを、スマホアプリ LingDyTalkを通じて聞くことがができます。

1) App StoreもしくはGooglePlayStoreからLingDyTalkをダウ ンロード、インストール

2) 最初の画面で202103と入力し、>>ボタンを押す

3) 次の画面で本書の偶数ページにふられているページ番号を撮 影(または主導で入力)し、再生ボタンを押す。

ドガルマーさんの語りのうち、当該ページの部分に相当する音 声が再生されます。本書は絵本向けに大幅に簡略化しているので すが、ドガルマーさんの語りはより細かく語られています。

LingDyTalkの詳細はこちらをご覧ください

https://lingdy.aa-ken.jp/publications/tools-and-archives/3980

ドガルマー氏近影

(2002年9月16日, ご自宅にて山越撮影)

「あまもり」こわい―ブリヤートの民話

───────────────────────────────────────────────────────────

2021年3月26日刊行 監修・モンゴル語・日本語

山越康裕

ハリヤ

発行者 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所

〒183-8534 東京都府中市朝日町3-11-1

───────────────────────────────────────────────────────────

印刷・製本 ルート印刷(株)

ⒸYasuhiro YAMAKOSHI, Haliyaa, 2021, Printed in JAPAN.

ISBN: 978-4-86337-342-6 語り・原案:ガルゾート・ツェ・ドガルマー

1933年、現在の中国内モンゴル自治区フルンボイ ル市シネヘン西ソムに生まれる。小中学校の教員を される傍ら、ブリヤートの民話をはじめとする口承 文芸の記録と収集に尽力された。

(36)

ISBN: 978-4-86337-342-6

ᠡᠷᠢᠶᠡᠭᠴᠢᠨ ᠦᠨᠢᠶ ᠡ ᠲᠡᠢ ᠡᠪᠦᠭᠡᠨ ᠡᠮᠡᠭᠡᠨ ᠬᠤᠶᠠᠷ ᠪᠤᠷᠢᠶᠠᠳ ᠤᠨ ᠠᠮᠠᠨ ᠦᠯᠢᠭᠡᠷ ────────────────────────── ᠡᠮᠬᠢᠳᠬᠡᠭᠰᠡᠨ ᠨᠢ :ᠶᠠᠮᠠᠻᠤᠰᠢ ᠶᠠᠰᠥᠾᠢᠷᠤ᠋ ᠵᠢᠷᠤᠭ ᠵᠢᠷᠤᠭᠰᠠᠨ ᠨᠢ:ᠬᠠᠯᠢᠶ ᠠ ᠦᠯᠢᠭᠡᠷ ᠶᠠᠷᠢᠵᠤ ᠥᠭᠭᠦᠭᠰᠡᠨ ᠨᠢ:ᠭᠠᠯᠵᠤᠳ·ᠴᠡᠷᠡᠨᠳᠠᠰᠢ ᠶᠢᠳᠤᠭᠤᠷᠮ ᠠ ᠲᠥᠺᠢᠤ᠋ ᠶᠢᠨ ᠭᠠᠳᠠᠭᠠᠳᠤ ᠰᠤᠳᠤᠯᠤᠯ ᠤᠨ ᠶᠡᠬᠡ ᠰᠤᠷᠭᠠᠭᠤᠯᠢ ᠳᠠᠬᠢ ᠠᠽᠢ ᠠᠹᠷᠢᠺ ᠤᠨ ᠬᠡᠯᠡ ᠰᠤᠶᠤᠯ ᠰᠤᠳᠤᠯᠭᠠᠨ ᠤ ᠬᠦᠷᠢᠶᠡᠯᠡᠩ ᠬᠡᠪᠯᠡᠭᠦᠯᠪᠡ ᠷᠦᠦᠲ ᠢᠨᠰᠠᠼᠦ ᠺᠥᠮᠫᠠᠨᠢ ᠬᠡᠪᠯᠡᠪᠡ ᠒᠐᠒᠑ᠤᠨ  ᠳᠤ ᠬᠡᠪᠯᠡᠪᠡ

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