モ
ク
レ ン目
の花
にお け る 基 本 的 維 管 束 走 向
パタ
ン に つ い て植 田
邦 彦
*Kunihiko
UEDA
:On
thefundamental
vascularpattern
in the 且owers of the Magnoliales多心皮 類は最 も原 始 的な被 子 植 物と み な さ れ るこ と が多く, その花は比 較 形 態 学の 観 点か ら も様々 に研究 されて きた。
EAMES
(1931
,1961
)は, 主に キ ン ポゥゲ 科の花 を 解 剖 学 的に研 究 し, 花は 短縮 し たシ ュ ート で あるとい う説を, 花とシ ュ ートとの 中心柱が相 同だ とい うこ と か ら支 持し た。 即 ち
, 環状
中心柱 的な花 軸の中 心 柱より各 花 葉へ 跡が分出 す る 際 に葉 隙を残 すこと を示 し, こ の こ と はシ
ュ ートの 中心柱と相 間で ある と み な した。 更に こう した中心柱 を 持つ 花, 即 ち キ ン ポウ ゲ 目を 含む 多 心皮 類の 花 を 原 始 的 な 形 態の花で ある と結論し た。
とこ ろ が, ハ ナ ヤ ス リ科 と種 子 植 物のシ ュ ート の中心柱は, 環状 中心柱及 びそ の変形で あ る
真正中心柱と し て解 釈 さ れ る よ う な もの で は な く, 独 立 した複 数の維 管 束が葉 序と対 応し て 側 生 器官へ の跡 を 分 枝 して ゆ くもの で, 葉 隙は 2次 的に生じた もの である との 解 釈 が 近年 有 力 に な っ て きた。 後 者の考えに よれ ば, 維 管 束 走 向は仮 軸 分 枝的 な分 枝パ タ ン* *を 示 して い る
(BALFouR & PHILIpsoN ,
1962
;PHIL!psoN & BALFouR , 1963;BENzlNG , 1967a,b
;NAMBoo
−DIRI & BEaK , 1968a,
b
, c;SLADE
,1971
;DEvADAs
& BEcK , 1972;STEvENsoN
,1980
等)。ま た花 軸における木 部走 向 や維 管 束 走 向 も 同 様のパ タン を示す こ と が, モ クレ ン科 とキ ン ポウ ゲ科とで明 らかに された
(
TucKER , 1961;SKIPwoRTH
, 1970a ;UEDA
,1982
)。 した がっ て,EAMES
が花 軸の中心柱が 環状 中心柱 的であると して導い た結論は再 検 討 を 要 す る と 思 わ れ る。双子 葉 植 物の 節}こおける葉跡の 走 向 型 は,
SINNoTT (
1914)
,SINNoTT
&BAILEY
(1914)
らによっ て, 1隙 性 ・3隙 性 ・ 多 隙 性の 3型に分 類さ れ, 高次の 分 類 群 間の 類 縁を考え る時の 重 要な 形 質であ るこ と が 示 さ れ た (BAILEY , 1956
)
。 BAILEy &SwAMY
(1949
), MoNEY et al.(
1950
),SwAMY (
1953)
ら は, そ れ に 2管 束 性 葉隙型を 新た に加 え,MARsDEN
&BAILEY
(
1955)
,CANR
エGHT (1955 )
, TAKHTAJAN(
1969)
ら はこ の 4 番目の 型を 原 始 的な葉 隙型 と み なした。 し か し, その 後の観察 例 を合わせ ると, こ の 2管 束 性型 は, 子葉や対 生 ・輪 生 ・2 列互 生の 葉 序の もの にほ ぼ限 られ, 合 弁 花 類にも多 く観 察されるこ と か ら, 原 始的 と は考えに くい
( GIRoLAMI
, 1953 ;TucKER
, 1961;PHILIpsoN
&BALFouR
,1963
;BENzlNG
,1967b
;SuGI
−YAMA , 1979
)
。* 京都 大学理学部 植 物学教 室
* * 分枝パ タンが仮 軸分 枝的なのか単 軸 分 枝 的なのか につ いて は議 論は一定して い ない。適 当 な熟語 がない の で,ここで は仮に Sympodial pattcrnを 直 訳して使っ てお く。
384
ActaPhytotax
.Geobot
.Vol
.XXXIII
一方
BAILEY
ら は, キ ン ポ ウゲ 目 と 比べ て ほ と ん ど研 究されて い な か っ た モ クレ ン 目の節解 剖を中心に, 花 葉 跡 と花 葉 内の維 管 束 走 向を 調べ , 花葉 と普通 葉の相 同 性 を 論 じ た (BAILEY
&NAST
, 1945 等)
。 心皮に 関して は, 二 つ 折 り状に た た ま れて 縁 が 完 全 に閉じて いない状 態で,2本の 腹 束と
1
本の 背 束 が 花軸 で す で に独立 してい る維 管 束走 向 を もつ , シ キ ミモ ド キ科の タス マ ニ ア 属 (
BAILEy
ら は ドリミス 属に含めて い る) の 心皮 を 最 も原 始 的な 形態である と結 論づ けた
(
BAJLEy &NAsT
,1943
;BAILEY
&SwAtNIY
, 1951)
。 これ に対 し, 心皮は筒 状に発生した後 変 形して 二つ 折 り状を示す こ と が わ か り
(
SAMPsoN , 1963;TuGKER & GIFFeRD ,1966
等), ま た維 管束走 向 は少 数心皮 に 「減 数 」した ものほ ど彼 らの考えた原始 的な走 向を示して い るこ と が 明 らか に され た (植田, 1979;図 5)。
EAMEs
, BAILEY,MELvlLLE ( 1962
,1963
,1969 )
ら は, こ の ような考え の基 礎と し て, 先天的 合 着の概 念や, 器官が 退 化消滅 し た後 もそ の維 管 束は元の状 態 を 示 して い る との考え を もっ てい た。 これに対 して, その よ うな証拠は何もな く, 維 管 束 走 向は系統 関係や 基木 的形 態 を考察
で きるよ う な 形 質で は ない と す る考え が 出されてい る(CARL2UIST ,1969;
ScHMID
,1972
等)
。し か し, 原 始 的と考え られて い る多心皮 類の花 全 体の維管束走 向 が明ら かに さ れ た 例 は ほ と ん ど な く, 実証 的な議 論は少ない 。
こ こ で はこれ らの 問 題 点 を ふ ま え たうえで , 花は短 縮 し たシ ュ ートで ある との説 か らは最 も
原始 的な構 成の 花を もつ と みな せ るモ ク レ ン科 と, BAILEY ら が最も原 始的 な 心皮を もつ と し た シ キ ミモ ドキ科 を 中心 に, モ ク レ ン 目の 花の基 本的維 管 束走 向 を考察 して み た い。
一 花軸 と 花葉に お け る維 管 束 走 向パ タ ンー
双子 葉 植 物の シ ュ ート で皮層 走条を もつ もの は か なり稀で あ る
( HOWARD
,1979
)が, 花 軸 に皮 層 走 条が ある例は更に少な く, 多心皮類 に集 中して い る。エ ウ ポマ テ ィ ア 科で は, 筆 者の 予備 的 観 察に よ れ ば, 花 床 形 態の特 殊 化に よ る と 思われ, m ウバ イ科 (広 義 )で はシ ュ ートの 皮層 走条か らの連 続と して 花 床の 皮 層 走 条が とらえ ら れて い る(
DENGLER , 1972;WILsoN , 1976 )。 他に シキ ミモ ドキ科のベ リオル ム 属( NAsT
, 1944;UEDA
,1977
), バ ン レ イ シ 科(
SMITH
,1928
;植田,未発表)
, モ クレ ン科 (OzENDA
,1949
;SKIPwoRTH
&PHILIPsoN
, 1966;SKIpwoRTH
, 1970b ;UEDA,
1982 )
等か ら知 られて い る。図
1
はシキ ミモ ドキ科の ドリミス 属の 花軸の 維 管 束 走 向を示 して い る。雄 蕊 部で は維 管 束は 仮軸 分枝 的パ タン を 示して いるが,他の花 葉部 分で は 示 し ていないよ うにみ え る。 これ は,花 冠 と雌蕊群とで は花 軸の直径 に 比べ て各花葉基部が小さ くかつ 節 間が著 しくつ ま っ て い る ため,見か け 上 の葉 序の斜 列 線に対 応 し た維 管 束 (郡場,
1951
;浜,1958
;TucKER
,1961
)が な く,各花 葉 ごとにそ れぞれ 花 軸 走 条か ら跡 を受 けて い る か らである。し た が っ て, 同一種 類の複 数 個の花 葉が, 1本の維 管 束よ り, 跡 を受 けて い な いだ けで, 葉隙は な く, や は り仮 軸 分 枝 的パ
タ ン と考えて よ いと 思 わ れ る。 花 軸 走 条の本 数 か らみ ると, 花冠 で は 見 かけ上 の葉 序 3/8 に対 し維 管 束に沿っ た斜 列 線か らの葉 序は 5/13, 同 様に雌 蕊 群で は 2/5 に対し 3/8 が成立 し てい る
(
UEDA , 1978b )。 この よ う な 走 向パ タ ンは基 本 的には他の属で も変わ ら ない 。 ベ リオル ム 属 は, ソ ロ モ ン群 島産の もの に花冠〜雄 蕊 群 レ ベ ル で規 則 的な走 向パ タ ンを示 す 皮 層 走 条 が 知 ら れ(
NAST , 1944), ニ ュ ーカ レ ドニ ァ 島 産の もの では 2〜3木の雄 蕊が 1本の皮層 走条か ら跡 を 受 ける例が かな り あること が知 ら れてい る( UEDA
, 1977)
。モ ク レ ン科の花は どの 属の もの も外 部 形 態 ・内 部 形 態 と もほとんど 変 わ らない。 モ クレ ン 科
の 花は, 他の モ ク レ ン 目 とは違 っ て, 単生 して お り, 2 〜10枚ほ どの 苞 に包 ま れて い る。 普 通
V
X
図 1:Drimys confertifolia の花 軸に おける維管束走 向の模 式 図。
o :が く; ▲ :花 弁; ● :雄 蕊;V :心 皮の腹 束; D :心皮の背束; S :剰余管束。
葉 は, 葉 身部と茎頂を完 全に被 覆 する托 葉と よりな る が, 苞で は葉 身部は 完 全 な ものか ら, 退 化 して し まっ た ものまで, 様々 で ある。 最上部の苞 (以後 小苞 と呼ぶ)は腋芽を もたず, 通 常 葉 身 部は退化 して存 在し ない。
ENDREss
(1977
)は, エ ウ ボマ テ ィ ア 科 とヒマ ン タン ド ラ科のカ リプ ト ラ と, こ の 小 苞と が相同で あ るこ と を 示唆し て い る が, こ の 両 科には他の モ クレ ン 目 と同じ く托 葉は な く, 他 に茎頂を被覆する 器官 もない こ と か ら今の とこ ろ はっ き りと し た結 論 は ない 。 シキ ミモ ド キ科の ド リ ミス属とタス マ ニ ア 属との カ リ プ トラは が くの変 形で ある こ と が明ら かに されてい る (
BAILEY
&NAsT
, 1945;TuaKER
,1959
)。い ず れの カ リ プ トラ に も腋 芽は ない。普通葉は多 管 束 多 隙 性で ,托葉へ は 他 の多 くの 科の托 葉と同じ く
( SINNoTT
&BAILEY
,1914
;DORMER
,19
鰯 葉 柄 部で 側 脈か らの分 枝が入る。 し か しモ クレ ン科に特異的なの は主 脈と対 象の 位 置の管 束が托 葉へ 入 ることで, そ の時 皮 層 部で 2分 して い る。 維 管 束は, 苞では葉 身 が付 着して い る部 分 まで 葉 柄を走 り, そ こか ら放 射 状に托 葉 部 に入っ て ゆ き, 葉 身 部へ は 3 本 程が分 枝 し てい る。 小 苞 で は葉 身部付 着 点が頂 端 付 近にな り葉 柄 部はほ と ん ど認識で きな くなり, 脈は直接 托 葉 部へ 入 っ て ゆ く。 主 脈 と対 象の位 置にあ っ た管 束は しばしば 他の管 束 と 区 別
でき な くな る。苞 ・小苞 で は側 脈は 主 に皮 層走条の分 枝で ある。 が く片で は, 主 脈と 太い 側 脈
1
組 とは中 央 走 条 起 源で, 細い側 脈1
〜 2組は皮 層 走 条 (小 苞 節の皮層 走条 か らの 連続, もし くは 環管束 (SPORNE
,1976
より)起 源で ある) 起 源で ある。花 弁で は, が く片 跡と同 様の跡に 加 え, 皮層 走条によ る 環管 束が外 側の 皮層走 条 を 作 り, そ こか ら非 常に細い 側脈が分 枝 し, 全 休と して花 弁 基 部で は 3重の脈 系に な っ て い る。 雄蕊で は, 内 花弁 節付 近で中 央 走 条が外に移 動して皮 層 走 条にな っ た ものか, 花 弁 節での 皮 層走条 の連 続よ り, 主脈が分 枝し, 花 弁 節で の 内外の環 管束か らの 皮層 走条より側 脈1
組が 分枝する。 心皮で は,背 束は中 央走条より分枝 し, 側 脈は雄 蕊 部で の主に外 側の皮 層 走 条の連続と し て の皮 層走条よ り分 枝 する。 雄 蕊 ・心皮 域では, 側 脈を出 す 走 条 は接 線 方 向に波 打 っ て お り規 則的に脈を分 枝する が, 主 脈 を 出 す 走 条はほ
386
Acta
Phytotax
.Geobot
.Vo1
.XXXIII
Q
Q o
◎
eg
C
○
G
∂∂
θ
a
図2a:モ クレ ン科の 花 軸 中央走条の走 向と横 断面の 模 式 図。 b:モ ク レ ン科の花 軸 皮 層 走 条の走 向と
横断面の模 式 図。 c: シキ ミ モ ドキ科の花 軸 中央 走条の走 向 と横 断 面の模 式 図。
ぽ ま っ す ぐで, 規 則的かつ 一定の節 間ごとに
分枝 し, 仮軸 分 枝 的パ タ ンを示す。 仮軸分枝 的パ タ ンー般の様 式ど お り
, 走 条 数と 1本の
管 東上 での分 枝と分 枝 との間の節 間 数は一致
して い る。側 脈を分 枝 する 走条が規 則 性は示 して も仮軸 分 枝的パ タン を示さ ない の は,
1
つ の器 官へ 2本の走 条 か らそ れ ぞ れ 1 本つつ 分 枝 し, 走 条の 両 側の 器 宮へ 分 枝 する た め,
主 脈を 出 す 走 条に沿 う斜 列 線 とは平行しない
た めと 思 われ る (
UEDA
,1982 )
。以 上 が シ キ ミモ ド キ科とモ クレ ン科との 花 軸の維 管 走 向の基本パ タン で あ る。 これ らの
パ タ ン は, 前 形 成 層 走 向や, 発 生 段 階の いろ い ろ な時 期で の木 部 走 向では常に こ の と お り
で ある が, 師部 も含め た維 管 束 走 向 を 観 察 す
る と, 発 生後 期に は 「ブ リッヂ 」 管 束や波 打 ち現 象に よっ て 隣 り合 う走 条が接して, 一見網状 中心柱の 様相 を 呈 す る
( UEDA
, 1982)
。 EAMEs(
1931 )らは, キ ン ポ ウ ゲ科の 維 管 束走向を 「網 状 中心柱 」 として 解 釈 し た が, TEPFER (1953 ), TuGKER (1961 ), SKIPwoRTH (1970a )
が詳 し く解 析 し た と お り, 「網 状 中心 住 」内の木部走 向 や 発 生 初期 の維 管 束走 向 を みる と, 仮 軸 分 枝 的パ タ ンであ り, 「網 状中心柱 」は発 生 後 期のみに観 察される。 モ ク レン科で も同 様である( UEDA
,1982 )
。し た が っ て, 花で は, 独 立 した複 数の管 束が仮軸 分枝的パ タ ンを示 して い る
の が基 本的であ っ て, 「網 状 中心柱 」は見かけ上, 発生後期 に成立 してい るの にす ぎ ない と 思
わ れる。
また, シ ュ ートで は葉 序が変 化 して も漸 次 的で ある た めに
, 走 向パ タ ン も漸 次的 に変化 し て ゆ く
( JENSEN
, 1968 )が, 花で は各 花葉間の 葉 序は 通常劇 的に変 化 す るた めに, 花 葉 間でパ タン は乱れ, 規則性は 観 察 さ れ ない。 モ クレ ン属の雄 蕊 群 内や ヒ マ ワ リの頭状 花 序 内の小花の様
に, 1種 類の花 葉 数や花が多 くて その 中で の葉 序 変 化の 場合に は 走 向パ タ ン も漸 次 変化する。
NAST ( 1944
)は, シ キ ミモ ドキ科の花 軸の 中心柱 を 観 察 して , ま っ た く不規則 で ある と結 論 し た。 し か し, すで に 述べ た よ うに仮軸 分 枝 的パ タ ン と して解 釈で き るもの で ある。 発 生 後 期に は, 規 則的な接 触の 他に多 くの不 規 則な 「ブ リッ ヂ」や, 上部の花 葉の 葉 序に対応 す る変化 に よ る 下部の 花 葉で の 走 向の乱れ が生 ずる。 こ の様な接 触は, 発 生初 期か らの 連続的な 観 察に より, 規 則 的な もの と不 規則 な もの と を区別 で き, 基 本的パ タ ン を認 識 する こ とができる。
既 に述べ た ように
BAILEY
ら は節 構造 を分 類の 重要な形質と して認 識 し た。 し か し上 記の 様 な規則 的 ・不 規 則 的 接 触 を 区 別せ ずに観 察 する と, 図 3 〜 4 に 見 ら れ る よ うに, 同 型の跡を異 な る型 に分 類した り, そ の逆の 認識をするこ と に な る。 ま た 2 管 束 2隙 型か ら単 軸 分枝型 まで連 続 して 区 別で き ない。 し た が っ て, 維管束走 向 全体を観 察 して そ の基 本 的パ タ ンを認識し て, 接 触 部を除 外 し て考察 し な いと, 形 質と して は使 用で き ない。 同じ
3
管 束 性 雄 蕊 と して分 類されたデ ゲ ネ リァ科( SWAMY
, 1949)
とモ クレ ン科と で は, それ らの管 束の起 源はまっ た く 違 う し, 同じ多 隙 性 多 管 束 性 普 通 葉とい っ て も, デ ゲ ネ リア科, エ ウ ポマ テ ィ ア 科, モ ク レ ン 科で は, 葉 柄 ・葉 身 内の走向パ タ ン が異る( SuGIYAMA
, 1979)
。 2 管 束 性で有 名なアウス トロ眠 1 賦 1 眠〉 眠 嵐
以
,1 眠 1 ℃ 浜、
図3 :Belliolum pancheri の花 弁 跡 走 向の変 異 (横 断 面 )。
r 丿
q
b
cd
e
f
図4:Belliolum pancheri の花 弁 跡 走 向の変 異 (縦 断面 )。
バ イレ ヤ科 も, 節 解 剖 だ けか らでは, 2管 束 性か どうか 意 見 が 別 れ る (
BAILEY
&SwAMY
,1949;ENDREss , 1980 )。
モ クレ ン科 に見 られる花 軸の 維 管 束 走 向 系の 2〜3重構 造は,
MELvlLLE
(1962
, 1963, 1969)
に よりゴ ノ フ ィ ル を表す もの と して解 釈された。
SKIPwoRTH
ら( SKIPwoRTH
&PHILIPsoN
,1966;
SKIpwoRTH
, 1970b )は, 皮 層 走 条は 跡 走 向の積み 重 な り によ っ て構成さ れて い るらし く, 皮層 走条 の存 在よ り上部に も腋 芽が あ るこ と等か らMELVILLE
の 考え を 鋭 く批判 し た。モ クレ ン 科で は, 各 単 位 管 束の独 立性が 強 いため, 斜 列 線に沿 う花 葉へ の跡 を 出 す 単 位 管 束 が一つ の管 束 と して 収 束 しに く く
(
図2
−a,b
), 更に軸 走 条に収 束す る ま で に多 数の 節 間を 経 る(
c£BENZING
, 1967b)
。 こ のため 一横 断 面にみ られる維管束 数は 節 間が 極めてつ ま っ て いる こ ともあっ て花で は極めて多 数と なる。 実 際一つ の 円 上に は 並べ ること がで きな い
。 また,
髄走 条のあ る群や単子 葉にみ られ るよ うに, 太い脈は軸の 内 側に入 り込む傾 向が一般 に あ る
( BALFouR
&PILIpsoN
,1962
;ZIMMERMANN & ToMLINsoN , 1972)
。 し た が っ て , 一斜列線上に並 ぶ花 葉の跡 は, 中 央 走 条 面に至 る まで に下の 跡 と 次 々 に連 ら な り(図
2
−b
), さ らに左 右か ら合 流 する ため に同 心 円状 管 束と な り, 全 体と して皮 層 走 条 系 を 形 成 する。 ま た花が 小 さ く特 殊 化し花 葉走 向 が単 純化 した オ ガ タマ ノ キ 属 の 一部で は, 皮層走 条 系が未 発 達であ り, こ の点
388
Acta Phytotax . Geobot .Vol
. XXXMで も維管 束の数との関 係を示 唆 して い る。モ ク レ ン属では小さ くな っ た り,花 葉 数 が 減 っ て も,
走 向パ タン は変わ らない し,皮層走 条 系は存 在 す る。 こ う し た点か ら,基本 的に は
SKIPWORTH
らの解釈 が支持 さ れ る。
一 花
葉 数と維 管束走 向との対応一
オガ タマ ノ キ属で50以上の心皮がある 種で の 中央走条の走 向パ タ ン (
TuaKER
,1961
)と, モクレ ン属で
10
内外の心皮が あ る場合のパ タン( UEDA
,1982 )
とは, 同 じパ タ ン を示 す。 し か し, 花 軸が 短縮し たシ キ ミモ ドキ科で は, すで に述べ た様に ユ本の維 管 束か らは複 数の心皮 跡 は 分枝さ れず, 雄 蕊 群 最上部で の管 東は, モ クレ ン科の よ うに雌 蕊 群の葉序 に あっ たパ タ ン に 再 編 成されることな く, 直 接 心 皮に入 っ て ゆ く (図5 )。BAILEY &
NAsT
(1943,1945 )は, 3 管束が そ れ ぞれ 背 束 と1組の腹 束と して入っ て ゆ くタス マ ニ ァ属の 心皮を 最 も原 始的 と考え, 更に背 束 も2本の もの が さらに原始 的であ ろ うと考え た。 TucKER &
GIFFoRI
)(1964
)は,1
心皮 性の タス マ ニ ア・ラ ンケ オ ラタ で 2 本の背 束を観察 し,同 様の心皮は ドリミ ス属で も観 察されて い る (TucKER
&G
エFFoRD ,1964
;UEDA
,1978b
)。こ の よ うな 心皮 内の管 束 走 向 を心皮 数と対応 さ せ て観 察して み る と, 心皮 数が少ない ほ ど相 対 的に雄 蕊 群 内の最 上部に お け る管 束数 は 過剰に な り,心皮に入る管 束 数は増え る。ま
tcBAiLEy
ら が葉 柄 と相 同とみな した 心 皮 柄で の同心円 状 管 束 も複 数の管束が 1つ の心 皮に 入 る時に観 察 される。 心皮 数 が 多い 程,
1
つ の心皮には1
管 束 し か入 らず,そ れ が 3分 して背 束と 1組の腹 束 に な る。 し た が っ て これ らの 事実は BAILEY らの結 論 と逆の傾 向 を 示 して い る。 また BAILEYらが 2本の背 束 を 示唆す るもの と して と らえ た背束の 2叉 状態 は
, 他の全 属で観 察さ れ, 2 本
の腹 束 と 融 合 する た めにおこ る現 象であ っ て
( UEDA
, 1978a)
, 2本の背 束は上記の様な場 合に生 じ る。
SWAMY (
1949)
は, まっ た くよ く似 た形態の心皮を もつ デ ゲ ネ リア科の維 管 束走 向 を 観察 し, 心皮に背束 と 1 組の腹 束 以 外に も複 数の 管 束が入るこ と か ら, 複 数の 心皮が 1つ に減 数 した と結 論 し た。 し か し, この こ と は 上 記 の よ うに, 雄 蕊 群 最上部の管 束 数と対 応 して い ること か ら く る もの と 思 わ れ, 減 数を示 す証拠にはな らな い。
雄 蕊 群 部で はモ ク レ ン科 同 様の 2重管 束走 向 が み ら れ るバ ン レイシ科で も花 軸は 短縮 して い る た め, シキ ミモ ドキ科と 同 じ く心皮 数に対応 し た 心皮 管 束の変 化が見 られ る。
こ の よ うに, 発 生 段 階を おっ て維 管 束 走 向 を 観 察して そ のパ タ ンを 認識し, そ れ と, 花 葉 数 と葉 序の斜 列 線とを 対 応させ るこ とに よ っ て , 基本 的な 走向と 不規則 な 走向 と が識別で きる。
以 上の こ と か ら, モ クレ ン科の花で はシ ュ ー トと同じく維 管 束 走 向は仮 軸 分 枝 的パ タ ンを 示
し, 単 位 管 束が収 束 しに くい点 も同 じで あ るこ と がい え る。 更に花で は節 問が著 し く短縮して
VDV
S
a
VDV
VDVVDV
VDVVDV
V
DVVDV
b C
図5 :Tasma ia piperitaの雌花にお け る心 皮 数 と心 皮 跡 との変 異。
a:1心皮の例;b: 3心皮の例; c:4心 皮の例。 V :心 皮の腹束;D :心皮の背束;S:剰 余管束。