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食品関連未利用資源の素材化に関する調査研究

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Academic year: 2021

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(1)

食品関連未利用資源の素材化に関する調査研究

脱臭スカム(サラダ油製造副産物)の有効利用の検討

1 1 1

古田 正範

樋口 智子

廣藤 祐史

Investigation research on Material-izing of Food Related Unused Resources

a cooking oil manufacture by-product) Study on effective use of deodorization SUKAMU(

Masanori Furuta , Tomoko Higuchi , Yushi Hirofuji

HPLC GC GC-MS 食用植物油 サラダ油 製造の際 生じる精製残渣 脱臭スカムの有効利用を図るため 当年度は ( ) , , , , , を用いスカム中のトコフェロール,ステロール,脂肪酸組成の分析を行った。その結果,スカム中のトコフェロー

, , , , ,

ルはγ -Toc >α -Toc >δ -Toc >β -Toc の順に多く 総量 10% 前後( w/w ) ステロールはβ -Sitosterol Campesterol

, , 等,総量, 前後( )含まれていると推察された。また,トコフェロー Brassicasterol Stigmasterol Cholesterol 20% w/w

ルとステロールの GC による同時分析の可能性も推察された。脂肪酸組成の分析については HPLC と GC-MS 分析 を行ったが,脂肪酸全部を検出する GC-MS 法が一般的と考えられた。

1 はじめに

食品リサイクル法が施行され,食品製造業では廃棄 物として処理していたものを,未利用資源ととらえ,

有効利用しようとするニーズが顕著になっている。本 研究は県内企業から出される様々なニーズに対応する ための FS (調査研究)の一つで,当年度は食用油製 造業からの 「食用植物油(サラダ油)製造の際,生 , じる精製(スカム)の有効利用」について分析を主に 行った。スカムは食用油(大豆油,菜種油)の製造過 程で大量に排出され,現在は飼料として利用されては いるが大半は廃棄物として処理されている。スカム中 には遊離脂肪酸,ステロール,トコフェロール,炭化 水素,グリセイリド他が含まれている

1)

が,これら成 分の含有量は製造条件により左右される。スカム中の 有用成分の分離回収,製品への再添加による付加価値 の向上,あるいは製造条件改善によるスカム中への機 能性成分損出の低減化による製品の機能性向上がニー ズとして出されている。そのために,まず,スカム中 のこれら有用物質の分析法の確立が急がれている。そ こで企業と連携をとりながら HPLC ( 液クロ ), GC ( ガ スクロ ,簡易キット等によりスカムを分析し検討し ) た。

*1生物食品研究所

2 研究,実験方法

2−1 スカムの食品一般成分

, 。

大豆スカム 菜種スカムの食品一般成分を分析した 2−2 スカム中のトコフェロール

1

3 3 3

HO CH CH CH

O

3 3 3

R CH CH

2 3 3

α− Toc :R =R =R =

1

CH

Toc CH H

β− :R =R =

1 3 3

,R =

Toc CH H

γ− :R =R =

2 3 3

,R =

1

Toc CH H

δ− :R =

3 3

,R =R =

1 2

スカム中に含まれる上記4種類のトコフェロールに ついてけん化抽出法

2)

により,けん化後, HPLC によ り分析した。

大豆スカム,菜種スカム試料約 0.5g を共栓付ガラ ス遠心管 50ml に精秤し 1%NaCl 1ml 加え軽く振り混 ぜ, 6% ピロガロール・エタノール液 6ml 加え混和。

60%KOH 1ml 加え,蓋をし, 70 ℃の水浴中で約 30 1%NaCl 15ml 10%

分けん化した。氷水中で冷却後, , 酢酸エチル・ヘキサン溶液 15ml 加え, 5 分間激しく

5 3000rpm 5

振とう抽出する。氷水中で 分冷却し, ,

分遠心分離した。酢酸エチル・ヘキサン層を 100ml ナ

シ形フラスコに分取した。更に酢酸エチル・ヘキサン

(2)

抽出を 2 回繰り返して有機溶媒層を集めた。 5% デカ ン・ヘキサン 1ml を加え,ロータリーエバポレーター で, 40 ℃以下の水溶液中でデカンを残し,溶媒を留 去し,残さにヘキサン 10ml を加え溶解, HPLC 試験 液とした。標準液は和光純薬工業㈱のトコフェロール セットを用いた。α,β,γ,δ−トコフェロール各 バイアル 50mg 全量をヘキサン 1ml で溶解し,これよ り 20 μ をとりヘキサン l 980 μ に希釈し l 1ml とした

( 1 μ g /μ l )。 次に各液を等量混合し すなわちα , , β,γ,δ−トコフェロール各々 0.25 μ g /μ 標準 l 液を調製し, 10 μ を l HPLC で分析した。

の 条 件 は 次 の と お り 。 カ ラ ム : HPLC

Ymc-PackSILA-002 , 溶離液: hexane / THF / Acetic

( / / ,流量: ,検出器:

acidcid 97 3 0.25 ) 1.0ml/min UVat295nm ,注入量: 10 μ l

2−3 スカム中のステロール

HO Cholesterol HO Brassicasterol

HO Campesterol HO Stigmasterol

HO β -Sitosterol

スカム中に含まれる植物性ステロールについてけん 化

3)

後, HPLC 法により分析した。

0.5g 1N

スカム約 をキャップ付き試験管に精秤し,

− KOH ・エタノール を 10ml 添加, 1h 加熱けん化を 行った。時々振とう。次に,室温まで放置,水 50ml と石油エーテル 50ml で分液ロートに添加して移し,

1分間,激しく振とうした。二層に分離。上層の石油 エーテル層を集めた。更に石油エーテル 50ml を加え 同様の操作を 2 回行い,集めたエーテル層を 40ml の 水で 4 回洗浄した。硫酸ナトリウムを加え脱水し,石 油エーテル層をロータリーエバポレーターを用い濃縮

乾固した。ヘキサン 5ml を添加し完全にシールした容 器に保管。試験液とした。標準液はコレステロール,

スチグマステロール,カンペステロール,β シトス - テロールを各々 0.5 , 0.5 , 0.345 , 0.5mg / ml を含む

5 - 0.5mg

混合液を用いた 内標準として 。 α コレスタン (

/ ml )を標準液及び試験液に 1:1 添加し分析した。

HPLC の 条 件 は 次 の と お り 。 カ ラ ム : YMC

, ( ),

Jsphere ODS-M80 溶出液:メタノール/水 100/2

, , , ,

流量: 0.8ml / min 温度: 37 ℃ 検出器: UV 210nm 0.64AUFS ,注入量: 10 μ l

2−4 2-3のけん化抽出物のGC分析

ニーズ提案元,企業より,トコフェロールとステロー ルのGCによる同時分析を検討したいとのことで,前 項 で 調 製 し た け ん 化 抽 出 物 を ガ ス ク ロ に より分 析 し た。

カラム: DB-5 , 0.53mm ID, 15m 。

1 l cm/sec 270

注入量: μ 。カラム流速:? 。 温度:

℃。 注入口温度: 280 ℃。検出器温度: 280 ℃。

2−5 スカム中の脂肪酸

● GC-MS による分析

スカム中に含まれる脂肪酸についてメチルエステル化 後, により分析した。

4)

GC-MS

スカム 約 , 25mg をスクリューキャップ式試験管に精 秤し, 0.5M NaOH ーメタノール 1.5ml 添加,窒素で置 換後, 100 ℃,7分加熱した。冷却後,三−フッ化ホ

2ml 100 5 30

ウ素−メタノール 添加 , ℃ , 分加熱した 。

〜 40 ℃冷却後,ヘキサン 3ml 加え,窒素置換後,振 とうした。飽和食塩水 5ml 加え窒素置換後,混合し別 の 試 験 管 別 に ヘ キ サ ン 層 を 分 取 し た 。 更 にヘキ サ ン 2ml を加え抽出し,抽出液を合わせた。ヘキサンで 5 倍希釈して GC 用サンプルとした。

の条件は次のとおり。

GC-MS

カラム:DB23, 0.25mm ID, 30m 。

注入量: 1 μ 。カラム流速: l 30cm/sec ( at50 ℃ 。 )

, , ,

昇温: 50 ℃ 1min → 10 ℃ /min 170 ℃→ 1.2 ℃ /min 210 ℃

注入口温度: 250 ℃。検出器温度: 280 ℃。

●簡易測定キットと HPLC による分析

㈱ワイエムシー社製のエステル型短鎖・長鎖脂肪酸 分析キット S-FA-CR-01 を用い処理後, HPLC により 分析した。

カラム: YMC − Pack FA ,溶出液:アセトニトリ

(3)

75/11/14 V/V/V/ 1.2ml ル/メタノール/水( , ) ,流量:

, , , , ,

/ min 温度: 35 ℃ 検出器: UV 230nm ? AUFS 注入量: 10 μ 。スタンダードはパルミチン酸,ステ l アリン酸,オレイン酸,リノール酸,リノレイン酸約 を精秤し ヘキサンに溶解し μ をとり

0.5mg 10ml 100 l

ヘキサンを溜去し,サンプルと同様にキットで処理し た。

3 結果と考察

3−1 スカムの一般成分分析

結果を表−1に示す。食品一般成分の分析方法では水 分と脂質(エーテル可溶分)でほぼ 100% であった。

表−1 スカムの食品成分

水分 脂質 灰分

1.99 98.0 trace

菜種スカム

1.66 98.3 trace

大豆スカム

3−2 トコフェロール分析

大豆及び菜種スカム中のトコフェロールは,γ− Toc

>α− Toc >δ− Toc >β− Toc の順に多く,総量,

前後( )が含まれていると考えられた。

10% w/w

3−3 スカム中のステロール分析

では,カンペステロールとスチグマステロール HPLC

のリテンションタイムが近くピークが一部重なり分離

。 ,

できなかった 大豆及び菜種スカム中のステロールは β−シトステロール>(カンペステロール+スティグ マステロール >コレステロールの順に多く総量 ) , 20%

前後( w/w )が含まれていると考えられた。今回,ブラ シカステロール標準品の分析を行っていないがピーク 面積値からすると多く含まれていると推察された。

3−4 2-3のけん化抽出物のGC分析

トコフェロール及びステロールのGC分析のリテンシ ョンタイムについて表−2に示す。β− Toc とγ−

が,またコレステロールとα− が保持時間が

Toc Toc

近かった。今回分析に用いた DB-5 カラムが 15m であ るが,更に理論段数の高いカラムの使用により分離が 可能と考えられ,企業から提案されているスカム中の トコフェロールとステロールの同時分析は可能と推察 された。

3−5 スカム中の脂肪酸

による遊離脂肪酸の (保持時間)の結果を

GC-MS R.T

表−3に示す。

脂肪酸分析キットと HPLC による分析では,操作は

簡単であったが,標準物質との比較により定性が可能 で,対象をリノレン酸,リノール酸,パルミチン酸,

オレイン酸,ステアリン酸の 5 標準物質に限りおこな GC-MS ったので 全部の脂肪酸組成について行うには , が一般的と考えられた。

表−2 GC 分析の保持時間と各成分 保持 物質名 保持 物質名

時間 時間

δ− ブラシカステロール 5.997 Toc 9.883

β− カンペステロール 7.040 Toc 11.143

γ− スチグマステロール 7.391 Toc 11.881

コレステロール β シトステロール

8.889 13.407 -

9.064 α− Toc

表−3 各脂肪酸の保持時間

R.T(保持時間)(分) ミリスチン酸(C14:0) 14.4 ペンタデカン酸(C15:0) 17.1 パルミトレイン酸(C16:1) 17.5 パルミチン酸(C16:0) 18.7 ヘキサデカトリエン酸(C16:3) 19.4 ステアリン酸(C18:0) 20.9 オレイン酸(C18:1) 21.6 リノール酸(C18:2) 22.9 イコサトリエン酸(C20:3) 23.7 リノレイン酸(C18:3) 24.5 アラキジン酸(C20:0) 25.9 エイコセン酸( C20:1) ( 26.7 ベヘン酸(C22:0) 32.5

4 まとめ

スカム中のトコフェロール,ステロール,脂肪酸組 成について GC , GC-MS , HPLC を用い分析法を検討 した結果,次のようにまとめられた。

)スカムは食品分析法では が脂質で,水分をあ

1 98%

わせほぼ 100% であった。

)大 豆 及 び 菜 種 ス カ ム 中 の ト コ フ ェ ロ ー ルは, γ − 2

>α− >δ− >β− の順に多く,総

Toc Toc Toc Toc

量, 10% 前後( w/w )が含まれていると考えられた。

)大豆及び菜種スカム中のステロールはβ−シトステ 3

( )

ロール> カンペステロール+スティグマステロール

>コレステロールの順に多く総量, 20% 前後( w/w )が

(4)

含まれていると考えられた。今回,ブラシカステロー ル標準品の分析を行っていないがピーク面積値からす ると多く含まれていると推察された。

)トコフェロールとステロールの分析について に

4 GC

よ る 同 時 分 析 が 可 能 と 考 え ら れ , 今 回 分 析に用 い た カラムが であるが,更に理論段数の高いカ

DB-5 15m

ラムの使用により分離が可能と考えられた。

)大豆及び菜種スカム中の脂肪酸組成の分析について 5

と を用い検討した結果, 法は標準

HPLC GC-MS HPLC

物質との比較により定性が可能で,脂肪酸全部を検出

する GC-MS 法が一般的と考えられた。

5 参考文献

) 神村義則監修:食用油脂入門(食品知識ミニブッ 1

p122-127 クシリーズ , )

( ) ,

2) 社 日本食品科学工学会編纂:新・食品分析法 p.338 ー 340

( ) ,

3) 社 日本食品科学工学会編纂:新・食品分析法 p.716

( ) ,

4) 社 日本食品科学工学会編纂:新・食品分析法

p.523

(5)

参照

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