産業構造 と労働 問題
新垣
勝 弘
1.
目 次
は じめに
日本 の産業構造 は どのように変化 したのか
(1)産 業構造 の高度化
(2)第 2次 産業 の変化 為替 レー トの変動
(1)円 高 における産業
(2)製 品輸入 失業者 の増加
(1)失 業率 の上昇
(2)家 計貯蓄率 の変化 まとめ
は じめ に
本報告書は、沖縄 国際大学の沖縄経済環境研究所 の労働 問題 に関す るプロジェク トによるも のである。労働問題 として取 り上げた理 由は、 2008年 9月 、アメリカの大手投資銀行 リーマ ン・
ブ ラザーズの破綻 をきっかけに金融資本市場が大 き く混乱 し、 アメ リカだけではな く世界 中が 未 曽有 の金融危機 に陥った。 リーマ ン・ シ ョックは実体経済 にも波及 し、 日本の景気後退が深 刻化 したため、企業は景気低迷か ら早期業績回復 を目指 し、企業の雇 い止め、派遣切 りな どを 実施 した。そ のため失業者が急増、労働問題が 日本全国で大 きな問題 となった。労働問題 は当 研究所 にお いて も喫緊 の課題であると認識 され、そ こに焦点が当て られたのである。
本調査報告書 は、2009年 の 4月 の調査開始か ら中間の年 に当たる2010年 5月 までの約 1年 間 の調査及び研究結果 をまとめた もので中間報告で ある。報告書 の内容 はまだ十分 と言 える段階 ではないが、2011年 の調査終了後 には論文 として発表 を予定 して いる。
2.
3.
経済環境研究調査報告書
第
1号
(2011)1
日本 の 産 業構 造 どの よ うに 変 化 した の か
(1)産 業構造の高度化
産業構造 とは、 ある国の経済 における各産業 の構成の ことである。具体的 には、各産業 の生 産額 の構 成や資本・労働力の配分構成で とらえ られ る。産業構造 を見 る場合、基本的な産 業分 類 については、 フィッシャーの 3分 法 に従 い、主 として次のよ うな区分が用 い られている。第 1次 産業 は、農業、林業、水産業で、第 2次 産業は製造業、鉱業、建設業であ り、第 3次 産業 は卸売業、小売業、運輸通信、金融、サー ビス、公務である。
経済発展 を考 えた場合、産業構造 の変動 を伴 うと考 え られ る。第 1次 産業か ら第 3次 産業 を みても就業者構成や生産額構成が何 も変化 しないままに経済が発展するという例はない。 問題 となるのは産業構造が どのよ うに変化 したかである。
経済発展 と産業構造 の変化 の関係は、 コー リン・ クラークによって 「ペテ ィの法則 Jと 名づ け られた経験法則がある。経済発展 によって一人当た りの所得水準が高まるにつれて、労働力 が第 1次 産業か ら第 2次 産業へ、 さ らに第 3次 産業へ と移動す るという法則である。 この法則 は多 くの国の経済発展過程 を通 して時系列的に見て もあてはまる。付
1)表 1‑1は 1950年 か ら2000年 までの 50年 間、
日本 の就業者 の構成 を表 した ものである。 50年 のあいだ に 日本の就業構造は大き く変化 してお り、第 1次 産業 の就業者人 口は 1950年 の 48.5%
と全体 の半分近 く占めていたが、2000年 には 5%ま で低下 した。就業者構成比は第 1次 産業か ら第 2次 産業及び第 3次 産業へ と労働移動が進んで いる。「ペテ ィの法則 Jは 日本 を事例 にし て も実証できる。第 1次 産業 にお ける就業者の大幅な低下は、農産物 自給率 の低下 をまね き、
海外か らの農産物輸入 に大 きく依存 している。
就業 者 に 占める産業別構成比
‑1
(単位:%)
表 1
1970
2000
第 1次 産業 第 2次 産 業
鉱 業 建 設業 製造業 第 3次 産業
lS.5 11,1 21.8 23.4
1.6 14 4.3 4.5
15,8 17.5 29.6 35 5
32 7 24,7 29.1 31 5
1.2 07 61 6.4
21.7 34 4 38,2 43 7
19.3 138
34 34. 1
0.4 0.2 75 89
26.1 24,9 46 6 51,8
10.9 9.3
33 6 33 1
0.2 0.2 96 9
23.7 23 9 55,4 57.3
7.1 6 5
33 3 31.6 29.5
0.1 0.1 0.1 9.5 10,3 10 28 7 21.1 19,4
59 61.8 64.3
出所:総
務省統 計局 「国勢調査J(2)第
高度成長期 における 日本 の産業構造 の高度化は、製造業の成長 を梃子 に進め られた。 中で も 重化学工業の伸びは著 しく、産業全体 をリー ドす るもので軽工業か ら重化学工業化へ と進め ら れた。
ところが、 1973年 第一次オイル・ シ ョックを契機 に、石油の価格 は 4倍 に高騰 した。 原油価 格 の高騰 は 日本経済 に衝撃的な影響 を与え、 日本経済は低迷 し、かつての高度経済成長 か ら低 成長へ と経済の舵 を変更せざるを得なかった。
その理 由は、重化学工業が多消費エネルギー を使用す る原油依存型であったため、採算が厳 しくなったか らである。オイル・ シ ョックを契機 に生産、収益が大幅 に低下 し、短期間 に立ち 直 りができない構造不況業種 と言われ る産業が相次 いだ。そ の産業は造船、平電炉、 アル ミ精 錬、合成繊維、化学肥料、紡績、合金、鉄、塩 ビ樹脂、段ボール原料原紙 な どの製造業 である。
これ らの業種 に共通 した問題点は、需要・生産の減少 と大幅な過剰投資、 コス ト上昇に伴 う国 際競争 力の低下、および収益 の悪化である。
収益 の悪化要因は、オイル・シ ョックによる世界的な需要不足が生 じた ことである。その後、
重化学工業か ら加工組立産業が成長 していつた。加工組立産業 とは、機械工業 を中心 とす る一 般機械、電気機械、輸送用機械、精密機械な どである。 これ らの産業は、多消費型エネルギー を必要 としない産業なのである。
表 1‑1を 見 る と製造業 の就業者数は、 1950年 〜 65年 頃 まで 日本経済 の高度化 に伴 い、就業 人 口も増加 しているが、 65年 頃 をピー クにそれ以降は次第 に下降傾 向を示 している。なぜ 65年 以降、製造業の就業人 口は低下 して いるのだろ うか、その要 因につ いて考 えてみる。
2 為 替 レー トの 変 動
(1)円 高における産業
1969年 まで 日本の為替 レー トは 1ド ル 360円 に固定 された。 しか し、 1971年 日本は固定相場 制か ら変動相場制 に移行 し、 円高が進行す るよ うになった。更 に、 1985年 のプ ラザ合意 は円高 を一段 と高進 させ、2008年 の年平均 の為替 レー トは、 1ド ル =103円 となった。
(図1 1参 照
)2010年 の上半期 には 1ド ル
90円前後 まで上昇 した。 1971年 を基準 とした為替 レー トの比較では、
実に 4倍 近い円高 となっているのである。 円高は 日本経済にどのような影響を与えたのだろうか。
円高は輸入面ではプラス に働 くが、輸出に対 してはマイナス に働 く。 円高 のマイナス面か ら みると、 円高は輸出数量減・輸入数量増 となる。 中長期的に見 る と貿易黒字 を縮小す る効果 を 持 っている。 円高 による価格競争力の低下は、企業収益が悪化す る。 日本国内での生産 を維持 す る ことは困難 となるため、企業 は地代や労働 コス トの安 い現地生産 に切 り替 える必要性 に迫
られた。
刀 4
経済環境研究調査報告書
第1号 (2011)
図2‑1
円 相 場 の 推 移 55 58 61 64 67 70 73 76 79 82 85 88 91
(単 位 :円)
94 97 oO o3 06
050 100 150
200 250 300 350 400出所 :財務 省 「貿易統計J経済財政 白書
平成21年 版 よ り作成
先進 国に対す る海外直接投資は、貿易摩擦 の回避や新 しい市場 を開拓す る意味か ら、特 に家 電製品や 自動車 を中心 に行われた。 また、 アジア諸 国に対 しては加工組立産業 を NIESに 生 産拠点 を移 し、その後 ASEAN諸 国 。中国へ と生産拠点 を移す よ うになった。
図 2‑2は 海外生産比率 を表 した ものである。 1985年 企業の海外進 出割合は 8,1%で 、その内 製造業は 3%に 過 ぎなかった。 しか し、2001年 にな ると、海外進 出企業 も
34.3%大幅に増加 し てお り、製造業 も
14.3%と増加 の一途 を辿 っている ことが読み取れ る。
円高 を契機 に 日本企業 の国内生産 は、相対価格低下要 因が大 きい と考 え られ る。バー ノンの プロダ ク ト・サイ クル論 による企業 の海外進 出では、 国内製造業者 の増加 によって製品の供給 過剰が生 じ、 国内市場が飽和状態 になった ことによって、 国内での利益が これ まで以上に上が らな いため、標準化期 を迎えた製品は、後発国へ進 出す る というケースである。 日本の場合 も 初期 においてはバー ノンモデルが適用できた と考 え られ るが、ただそれだけだろうか と疑問が 湧 いて くる。 日本 の場合は、 む しろ円高 による製品価格 の上昇か ら輸出採算割れ によって、海 外進出を押 し出 していると考 え られる。
バー ノンモデル には、為替 の上昇 に関す る考 えはな く、標準化期 の製品をテ クノロジー・ ト
ランス ファー によ り、企業の収益 を維持す る とい う考 えに基づいているが、 日本は製品の生産
価格の上昇 によるもので、その大 きな要因が 円高で あると考 え られ る。
(2)製 品輸入
企業 のコス トダ ウン政策 としては、 国内で調達 していた原料や部品を円高で安 くなった輸入 品に切 り替 えるよ うになった ことである。 円高は輸入製品に競争力を与 え輸入製品のシエアは 国内で一層高 まるようになって来た。そ の結果、貿易黒字は縮小へ と向か うのである。
図2‑2
40 30 20 10
0
″
″ ―
/ P―
…″
海外生産比率 (単
位:0/o)85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 990001
‑海
外進 出企業 一L日 製造業
出所 :経 済産業省 「海外事業活動基本調査」よ り作成
資料 :海外生産 (生産高)比率
=海
外現地生産 による生産高/国
内生産による生産高+海
外現地生産×100また、消費財 の輸入増加か ら国内製 品が割高 とな って くるため、国内製品のシエ アの縮小へ と進んだ。 この ことは、国内の同質産業 とぶつかる こととな り、貿易摩擦要 因 とな る。 国内産 業 にとっては極 めて厳 しい状態へ と追 い込 まれ る。
円高は中長期的 には、対外不均衡 を是正す る働 きがあると思われているが、為替 レー トの大 幅な上昇は、企業 の競争力を削 ぐことにな り、企業 の海外進 出を一層加速 させ る ことになる。
図 2‑3は 日本 の製品輸入比率 を表 した もので ある。製品輸入比率が急速 に上昇 したのは、
1985年 のプ ラザ合意以降一段の円高が進み、それに伴 つて、製品輸入比率が急速 に増加傾向 と なって表れて いる。消費財や食料 品は海外 か らの輸入 に頼 るようにな り、 国内の消費財産業は 採算が取れな く、廃業へ と追 い込 まれていった。
輸出の減少 と輸入 の増加は、外需 の減少か ら経済成長率 を低下 させ る。国内の生産は縮小 し、
企業倒産 の多発、失業 の増大へ と続 き、デ フレスパイ ラル を進行 させ る要 因 となる。
刀 4
経済環境研 究調査報告書
第1号 (20H)
図2‑3
日本 の 製 品輸 入 比率 (単 位
:%)0
0
0
0 0
0
0
0 7
6
5
4 3
2
1
55 58 61 64 67 70 73 76 79 82 85 88 91 94 97 00 03 06
出所 :内 閣府 『経済財政 白書』 長期経済統 計 平成21年版 よ り作成
3
失 業者 の増 加
(1)失 業率の上昇
完全失業者 とは、既 に求職活動や事業を始める準備を進めてお り、機会があればす く ヾ にでも 仕事に就 くことができるが、仕事がないために働 くことができない人のことである。完全失業 者は、失業の理由によ り、 4つ に分類することができる。
① 「非自発的離職者 Jで 勤め先の都合で仕事を辞め、新たな仕事 を探 している人
② 「自発的離職者」本人または家族の都合などで仕事を辞め、新たな仕事を探 している人
③ 「学卒未就学者」学校を卒業 したが、就職できなかった人
④ 「その他 Jそ の他の理由で仕事を探 し始めた人以上の
4つに分類できるが、いずれにして も、仕事を探 していることには変わ りはない◎
日本の失業率の増加は、産業構造の高度化及び 1971年 以降の変動相場制への移行 と為替 レー トの上昇とは無関係なのだろうか。そうではなく大きな関わ りを持っているのだろうか。もう 1つ の疑問である。
ここで考えられることは、産業の高度化は、労働賃金を引き上げていく。その理由は、産業 の高度化が付加価値の高い製品を作れるようになるため、労働者に対する労働分配率も上昇す ると考えられるか らである。 したがって、労働賃金の上昇は物価の上昇を招き、そのことが為 替にも大きく関係すると思われるか らである。つまり、労働 コス トの上昇が、 円高にも影響を 与えていることや、貿易による貿易収支の大幅な拡大、貿易摩擦、海外か らの為替相場に対す る切 り上げ圧力等が為替相場の引き上げにつながると考えられるか らである。
図 3‑1は 完全失業率の変化 を表 したものであるが、 1971年 以前までは、
日本の為替相場は、
先の図 2‑1で 見 たよ うに、 1ド ル 360円 の固定相場制 を維持 していた
成長期で黄金時代 とも言われていた。為替相場が固定 されて いた ことで、 日本経済は、岩戸景 気、オ リンピ ック景気、 いざなざ景気 と世界経済の回復 と共 に好景気が続 いた。 1960年 代 の失 業率は、 1955年 の
2.5%から 1960年 に
1.7%と2%を 切 り、 1960年 〜 71年 までの平均失業率は、
1.25%と
極めて低 い状態であった。
図3‑1
完全失業率
(単位:0/o)6 5 4 3 2 1 0
55 58 61 64 67 70 73 76 79 82 85 88 91 94 97 00 03 06 09
出所
:内閣府『経済財政白書
y長期経済統計
平成
21年版より作成
しか し、 1971年 以降の失業率は、為替相場が変動相場制 に移行 し、失業率 も次第 に増加傾 向 を示 している。 1989年 〜 92年 までは若千 の低下が見 られ たが、総 じて、完全失業率 は増加傾向 にある。失業者数 も年々増加傾向にある。失業率 の増加 は、 国民生活 に大 きな影響 を及ぼす。
それは、失業 による貯蓄 の取 り崩 しが進み貧困者の増力日 へ と進むか らである。
(2)家 計貯蓄率 の変化
日本の貯蓄は、 高度成長過程で家計貯蓄率は上昇 し、そ の後 は低下傾向にある。貯蓄 の 目的 が過去 において主張 されていた ことは、①病気や不時 の災害 に備 え として、②子 どもの教育費 や結婚資金 に充て るため、③土地・建物の購入や新増改築・修理 のため、④老後 の生活 にあて
るためが挙げ られ る。
高い経済成長が、高水準 の貯蓄率 をもた らしている高成長説や社会保障制度が未発達な こと か ら、病気や老後 に対す る備 え として準備す る社会保障不足説な ど諸説があつた。 は
2)今 日、皆保険 による医療保瞼制度が発達 してきた ことや、② の子供の教育費 も私立の大学ヘ
備えとして貯蓄 をす る ことは考 え られ るが、奨学金制度 も貸与や教育 ロー ン制度の充実 によ り、
経済環境研究調査報告書 第1号 (2011)
図3‑2
家計貯蓄率
(単位
:0/o) 2520 15 10 5 0
55 58 61 64 67 70 73 76 79 82 85 88 91 94 97 00 03 06
出所:内閣府 『経済財政白書』長期経済統計
平成21年版よ り作成
以前よ りはよ くなってきている。④ の老後 生活への貯蓄 に関 して も、年金制度 が今 日充実 して いてお り、贅沢 をしなければなん とかや っていけるようにな りつつある。 このよ うに、
これ ま で に多 くの説が叫ばれていたが、
日本経済 の発展 と共 に、社会保障制度 の充実や年金制度 の拡 充な どで社会不安が軽減 され、貯蓄率が低下傾向を示す ものと考え られ る。
高齢者は勤労期 に蓄積 した資産 を取 り崩 して生活 をす るというライ フスタイル の考 えでは、
高齢化 の進展 によ り、貯蓄率の低 い無職高齢者割合が増加するため、一国全体 の貯蓄率は低下 す るもの と考 え られている。 しか し、 それ以外 にも、失業率の増加 による貯蓄の取 り崩 しなど によ り、貯蓄率は低下す ることも考 え られ る。
日本の貯蓄率は、 図 3‑2か らも分 かるよ うに、 1974年 の
23.2%をピー クに2007年 では、
3.3%の 水準 まで低下 している。貯蓄率 の低下 は 日本経済 にとって、投資水準 を引き下げ、景気の 回復 を遅 らせ る ことになる。 さ らに付 け加 えるな ら、
リーマ ン・シ ョックのよ うな 100年 に一 度大不況が押 し寄せてきた場合。家計貯蓄率 の低 い家庭では、その不況 に耐 える ことがで きず 生活は急速 に困窮する ことにな りかね な い。家計貯蓄率の低下は景気が不況期 になった場合、
ゆ とりのない生活では大きな衝撃 となってわが身にはねかえって くるので ある。
ま とめ
本報告書の提言 とする産業構造 と失業問題は、本質的には産業構造の高度化・労働賃金の上 昇および円高の進行によって、 日本製品が海外の製品に比べ割高とな り国際競争力を失っていっ
た。そ こで、企業は国際競争力を維持するため、海外 の安 い労働力を求 め進出 していつ た。企 業 の海外進 出は企業 の閉鎖か ら雇用者 の失業へ とつなが り、産業空洞化 の進展が、雇用 増の回 復は見込 めない状況へ推 し進めていったのである。
2010年 5月 31日 、第一生命経済研究所は経済産業省 の「海外事業活動基本調査」 (2008年 )を もとに、製造業 の海外生産 の影響調査 を試算 した結果 を発表 した。それ によれば、①現 地法人 が生産 した製品な どが、
日本か らの輸 出に置 き換わる 「輸出代替効果」、②現地生産品 が 日本 に輸入 され る 「逆輸入効果」 国内か ら現地法人に部品や原材料な どが輸 出され る 「輸出誘発効 果」 の 3つ のルー トを分析対象 とし計測 された ものによれば、輸出代替効果 は 47兆 9000億 円、
逆輸入効果が 10兆 3,000億 円、で あるのに対 し、輸 出誘発効果は 22兆 6,000億 円で、① と②はマ イナス効果③はプラス効果 である ことか ら① 十② ―③ で計算 した ものは、 35兆 6,000億 円の生 産減少 となっている発表 され、 2008年 だけで も雇用は約 96万 人が雇用 を失 つた」。 と発 表 され ている。
ll・3)この ことか らも、 日本企業 の海外進 出は、産業 の空洞化が着実 に進展 させてお り、失 業率上 昇 をなかなか抑 え込む ことは現段階では不可能 に近 い。
日本の失業問題は一時的な不況 による失業者 の増大 に加え、根本的には産業構造上の問題や、
円高 によるコス トの上昇 による国際競争力の低下が大 きな要因であ り、今後 も企業 の海外生産 比率は高 くなると考 え られ る。
そ こで問題 となって くるのは、産業の空洞化が進む ことを前提 に、それ を阻止す る経済対策 が必要 にな って くる。そのためには、世界で も最 も高 い法人税 の軽減策、企業へのさまざまな 優遇策 を考 えるべきである。
【 注】
(1)齊 藤
健著 『 日本経済』 金融財 政事 情研究会 p122 (2)前 掲書 p166
(3)日 本経済新 聞
平成22年
5月31付
【 参考文献】
(1)三 輪芳郎編著 『現代 日本 の産業構造』 青木書店
(2)石 橋一雄編著 『 日本経済論講義』 成文堂
(3)叶
芳和編著 『産業 の空洞 化 は ど こまで進む のか』 日本評論社
(4)内 閣府 「経済財 政 白書」 平 成 18年 版
(5)内 閣府 「経済財 政 白書」 平 成 19年 版
(6)内 閣府 「経済財 政 白書」 平 成21年 版
(7)厚 生労働省編 『労働経済 白書』 平成 18年 版
(8)厚 生労働省編 『労働経済 白書』 平成21年 版
(9)日 本経済新 聞 2000年 版
(10)経 済産業省 『通商 白書』 2008年 版
う 0