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仕上材のひび割れ追従性試験装置の開発 

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Academic year: 2021

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(1)

1.はじめに 

建物の外壁に施す仕上材は、外壁の下地処理、施工不 良、外気温の変動に伴う躯体のムーブメント、地震など より発生した構造体コンクリートの構造ひび割れなどに よって、剥離・剥落が発生するのが主な原因となってい る。 

本研究は、このうち、下地コンクリートの曲げ破壊、

せん断破壊、引張り破壊時のタイルの剥落現象を解明す ることを目的としている。 

これまで下地コンクリートの曲げ破壊、せん断破壊に 伴うタイルの剥落現象について検討をして来た 1)、2)。本 報告は単純引張り破壊時のタイル剥落現象を検討するた めの試験装置の開発を行ったものである。 

2.これまでの検討結果 

2.1 曲げ破壊によるタイルの剥落試験 

タイル仕上げコンクリート躯体に曲げ変形が生じた時 の下地界面の挙動をとらえることを目的としている。 

試験は図1に示すように 100×100×400mm コンクリー ト供試体に45×45㎜角のモザイクタイルを圧着張り工法 により張付け、下地モルタルの厚さを変えて施工した。

それぞれの下地の接着界面にひずみゲージを貼り付けた。

3 等分点荷重による曲げ強度試験を行い、荷重と各接着界 面のひずみとの関係よりコンクリート試験体の曲げ変形 に対する各材料の挙動状況を捉えた。タイル仕上げコン クリート試験体にある一定の曲げ荷重がかかった時にタ イルと下地モルタルの接着界面に肌分かれ現象が発生し た。コンクリートのひずみが約 40〜50μm の時、タイル の剥離、ひずみが約 90μm のとき、下地モルタルの剥離 が確認できた(図 4 参照)。 

2.2 せん断破壊によるタイルの剥落試験 

  せん断破壊によるタイル剥落試験用コンクリート試験 体寸法は、150×150×520mm とし、図 2 に示すように曲 げスパン 450mm の 2 等分点荷重によってせん断破壊を生 じさせることとした。配筋は、SD295A‑D10 の鉄筋 3 本を  コンクリート表面から 40mm 位置に設置した。その結果、

ひずみが 21μm のとき、下地モルタルはコンクリートか ら剥離、ひずみが 24μm のとき、タイルが下地モルタル 

                                                                         

仕上材のひび割れ追従性試験装置の開発 

日大生産工  ○許  永東  日大生産工  松井  勇 日大生産工  湯浅  昇

Development of Crack Following Test Apparatus for Finish Material Eitou KYO, Isamu MATSUI and Noboru YUASA

張付けモルタル 下地 モルタル

3㎜

7m m コンクリート

①コンクリートと下 地 モルタルとの界面

②下地モルタルと張 付 けモルタルとの界 面

③タイル表面

ひずみゲージ貼付け位置

図 3  タイル張り及びひずみゲージ貼付け位置 

図1  曲げ破壊によるタイルの剥落試験装置

材 齢28日 で 破 壊試 験 実 施 デ ー タ ロ ギン グ シ ス テム UCAMで ひ ず み を測 定

100

50 300 50

75 250 75

100

JIS A 1106よ り コ ン ク リ ート の 曲 げ 強度 試 験 ア ムス ラ ー 試 験機 ( 20t レ ン ジ)

を 使用 5 tレ ン ジ で約 10 秒 ご とに 2550㎏ ず つ 荷 重し て い っ て、

応 力− ひ ず み 度曲 線 を 確 立す る

ゲ ー ジ

520

35 225 225 35

荷重

40110

3-D10

35 40 40 35 150

ゲ ー ジ

図2  せん断破壊によるタイル破壊試験装置

図4  曲げ・せん断破壊による荷重とひずみ関係 写真1  せん断破壊による

タイル破壊状況

図3  ひずみケージ貼付け位置

0 20 40 60 80 100 120

0 100 2 0 0 300 4 0 0 5 0 0 ひずみ(μm)

荷重KN)

タイル コンクリート モルタル 0

4 8 12 16 20

0 2 0 4 0 6 0 8 0 100 120 ひずみ(μ m)

荷重KN

コンクリート タイル 下 地モルタル

タ イ ル剥 離

下 地 モ ル タ ル    剥 離

下 地 モ ル タ ル    剥 離 タ イ ル 剥 離

曲 げ破 壊 せ ん 断 破 壊

(2)

から剥離していることが分かった(図 4 参照)。ひび割れ は目地又はタイルの表面を通して載荷点から支点まで発 生していた。 

3.引張り破壊に伴うタイルの剥落  3.1 試験装置の開発 

(1)コンクリート供試体の製作 

単純引張り破壊に伴うタイルの剥落現象を検討するため に、図 5 に示すように寸法 300×300×200mm のコンクリ ート供試体の中央にφ165mm の円柱状の穴を通したもの を作成した。配筋は、コンクリートに徐々にひび割れを 発生させるために、φ6mm のフープを 3 段で取り付けた。

また、鉄筋とコンクリート表面にそれぞれひずみケージ を貼付けた。 

(2)引張り試験 

引張り試験は図 6 に示す。ひび割れの発生装置を用い て、コンクリート供試体の中央の穴に加圧板及び油圧シ リンダを挿入した状態で加圧した。 

(3)引張り破壊状況 

ひび割れ発生状況を写真 2 に示す。鉄筋とコンクリー トの応力とひずみとの関係を図 7 に示す。A 面では、応力 が 10KPa 時に、写真に示すように曲げによるひび割れが 外側から発生した。応力が 15KPa を超えると、コンクリ ートのひずみ変化は急激に大きくなっている。一方、B 面では、応力が 15KPa 時に内側からひび割れが発生し、

徐々に外側に進行し、応力が 21KPa 時にひび割れが外側 まで達し、50KPa を超えると鉄筋とコンクリートいずれも 徐々に引張り側に変わっていく。 

(4)今後の課題 

  今回の実験では、先に A、C 面に曲げによる引張りが、

B、D 面には圧縮が作用し、B、D 面での単純引張り破壊は 発生しなかった。これは鉄筋の径と配置により修正でき ると考えられる。そこで、今後は B、D 面に細い鉄筋(φ 3.2mm)、A、C 面には曲げ破壊が発生しないようするため、

φ6mm 鉄筋をかぶり厚さ 20mm に配筋し(図 8 参照)、試験 を行う予定である。 

4.まとめ 

  今後、単純引張り破壊を発生させる試験装置の開発を 続けていく。 

参考文献: 

1.許  永東、松井  勇、逸見  義男、湯浅  昇:陶磁器 質タイルの接着性に関する研究、日本建築仕上学会大 会学術講演会研究発表論文集、pp.111‑114、2004 年 10 月 

2.松井  勇、篠崎  幸代、湯浅  昇、逸見  義男:下地 コンクリートのせん断ひび割れによるタイルの剥落に ついて、日本大学生産工学部学術講演会講演概要、

pp.61‑64、2003 年 12 月 

                                                                       

油圧シリンダ

A

C

B D面

A面

C

B D

試験開始前 試験開始後  200 35 65 65 35

33.75 232.5 33.75 165

300

300

鉄筋のひずみケージ

コンクリートのひずみ

図5  コンクリート供試体

写真2  ひび割れ発生状況

     33 .75       232 .5       3 3.75

165

300

300 2020 50115115

A面

C面 A

B面 A C面

A

φ 6 A

φ6 A φ3.2 φ3.2

図6  ひび割れの発生装置 油圧式ポンプ

加圧板

コンクリート供試体

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

‑3000 ‑2000 ‑1000 0 1 0 0 0 2 0 0 0 3000 ひ ず み ( μ m )

応力Kpa

A面 鉄 筋 A面 コンクリート

B面 鉄 筋

B面 コンクリート

図7  引張り破壊の応力とひずみ

図8  配筋図

参照

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