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広がるカーボンナノチューブの応用展開

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Academic year: 2021

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総論 広がるカーボンナノチューブの応用と技術課題

㈲スミタ化学技術研究所 角田裕三 1 進化するカーボンナノチューブ 1985 年のフラーレンの発見1)以来、ナノカーボンに関する研究には目を見張るものが あるが、飯島による多層カーボンナノチューブ(MWNT)2)、単層カーボンナノチューブ (SWNT)の発見3,4)は、そのネーミング5)の素晴らしさも然ることながら、その結晶構造 から予見される多彩な物理的、化学的特性から、あらゆる科学者を魅了していると言って も過言ではない(図1-①~③)。 しかしそれ以前から、遠藤らの気相成長カーボンの基礎研究6)(図1-④)とそれをベー

スとした昭和電工㈱による VGCF(Vapor Grown Carbon Fiber)の開発、日機装㈱7)

やハイピリオン㈱8)による極細の MWNT の開発などが独自に進められていたことも事実で ある。しかし、国内外で産官学挙げての研究が系統的、精力的に始まったのは飯島の発見 が契機となったのは間違いない。その観点から本書では、VGCF から MWNT、SWNT ま で広義のカーボンナノチューブ(CNT)を対象としている。 著者は CNT を形態的特徴から便宜的に4つに分類している(図2)。即ち、繊維径 70nm 以上の太くて剛直な CNT(例えば VGCF)を第 0 世代の CNT、繊維径 10~40nm の細

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くて絡み合った短い MWNT を第1世代の CNT、繊維径が数 nm 以下のバンドル状態で製 造される短い SWNT や 2 層カーボンナノチューブ(DWNT)を第2世代の CNT、繊維長 が 100μm を超える長尺 CNT を第3世代の CNT と位置づけている。これは CNT の物 性上の分類というより、時代とともに CNT が進化していること、および用途開発を進める に当たって形態の違いを認識することが極めて重要であると考えているからである。 日本における CNT の合成研究は主に SWNT の純度、結晶性、量産性に焦点が当てられ てきたが、応用展開を考えると純度や結晶性と同時に繊維径、繊維長、分散の難易度など 主に形態的特長が実用物性に大きく影響する。事実、力学強度や熱特性を重視する用途に は結晶性の優れた炭素繊維や第0世代の CNT が有効であること、導電性を重視する応用に は第1世代や第2世代の結晶性の高い細い CNT が好ましいこと、半導体特性を活用するに は選択合成ができない現状では、SWNT から金属成分を除去して半導体成分を高純度に取 り出さなければならず、孤立分散までの分散が不可欠となる。第3世代の長尺 CNT は、基 板成長法で合成することから、それが SWNT か MWNT かというグラフェン層の層数も然 ることながら、後述するように、基板から直接 CNT を引出すことができるかどうか、即ち Drawable(紡績)可能かどうかで用途展開の広がりが大きく違ってくるであろう9) 一方、SWNT がフラーレンの基礎研究から派生してきた事実より、CNT の内部空間に フラーレンが導入された、所謂、ピーポッド 10)や先端の窄まったカーボンナノホーン 11) など多彩な CNT 類縁物も登場してきた。これらはグラフェン12)同様、通常の CNT とは 違った新しい応用分野を切り拓いていくと期待されている。

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2 カーボンナノチューブの合成、性質、期待用途 CNT は、グラファイト層が1層から数 10 層に亘って筒状に詰まった一次元のナノカー ボン材料である。その合成や構造と基本性能に関しては既に詳細な解説書が出版されてい るので、そちらを参照されたい 113,14)。ここでは簡単な紹介に留める。 CNT の合成は主に3つの方法がある。アーク放電法、レーザー蒸発法、化学気相合成法 (CVD 法、Chemical Vapor Deposition)である。前2法は、炭素を蒸発させるために 数千℃という高温が必要となり、高結晶性の CNT が合成できるので学術研究には適してい るが量産性に難があり、現在では比較的低温合成が可能で、生産性が高く多様な CNT が合 成できる CVD 法が主流となっている。CVD 法には、浮遊した触媒に炭素源を接触させて 熱分解させる「触媒浮遊流動法」と基板に触媒を担持させて炭素源を熱分解させる「触媒 担持法」に大別できるが、最近の CVD 合成研究の進歩により、高純度 MWNT や高結晶性 SWNT が製造さるようになってきた。 CNT はグラフェンシートの巻き方によって性質が大きく異なる。図3に示すように、 原点からのベクトル表示で、アームチェア型(n、n)、ジグザグ型(n、0)、カイラル型(n、 m)の3つに分けられ、(2n+m)が3の倍数となる巻き方は金属的な電気伝導体となり、 それ以外は半導体的な性質を示す。金属的か半導体的かは、特に SWNT の特性を最大限に 発揮させる用途では極めて重要である。それに対して一般的な MWNT や VGCF は基本的 には導電体とみなすことができる。 CNT が欠陥のない六員環グラフフェン層の連続一次元物質からなるとして期待される理

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論特性は極めて魅力的だが、実際に合成される CNT には五員環や七員環による屈曲部分や 側壁に欠陥部分が存在するので理論的に期待される特性が発揮できるわけではない。した がって、より高純度、より高結晶性の CNT を合成すること、さらには繊維径、繊維長、カ イラリティを自在に調整した CNT を合成することは永遠のテーマとなる。また、樹脂、金 属、セラミックス等と複合して用いる場合には、この本来の CNT の特性をいかに発揮させ るかが用途開発上極めて重要となる。 CNT の代表的な特性を表1に、期待される応用分野を表2に示した。 形態のユニークさはもとより、化学的に極めて安定な sp2混成軌道の炭素原子のみから 構成されることから、電気的、熱的、機械的、光学的特性を生かした様々な用途展開が考 えられる。事実、本書『応用編』に見られるように、リチウムイオン二次電池の電極添加 剤や複合材料分野に始まり、マイクロエレクトロニクス&フォトニクス分野、エネルギー 分野、医療分野、超高性能デバイスと非常に多岐の分野での検討が進んでいる。近い将来、 あらゆる産業界で CNT を用いた超高性能部材やデバイスが開発、実用化され、所謂、「CNT ワールド」が形成されることが期待できる。

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3 カーボンナノチューブサプライヤー

現在、様々な CNT が上市されている。第0世代 CNT の代表は、昭和電工㈱の「VGCF-H」、 保土谷化学工業㈱の「NT-7」や㈱GSI クレオスの「Carbere24PS」であろう。

それに対して第1世代の MWNT メーカーは 10 数社が名乗り上げているが、代表的なも のとしては、Nanocyl S. A.の「NC7000」、Arkema㈱の「Graphistrength C100」、 CNano Technology㈱の「Flo Tube9000 シリーズ」、宇部興産㈱の「AMC」、Shenzhen Nanotech Port㈱の「MWNT シリーズ」、CNT㈱の「Ctube100 」、SWeNT 社の 「SMW200 シリーズ」等が挙げられる。著者は、用途開発を進めている方々を対象に、 市場に出回っている多種多様な MWNT を収集して、MWNT 相互間の形態や分散後のナノ ネット膜の透明導電性を直接俯瞰できるようなデータ集を作成している15) それに対して第2世代の SWNT や DWNT は、実験室レベルでは簡単に合成できるので 多くの企業や研究機関で合成されており、詳細は明らかではない。合成上がりの CNT を精 製して高純度化しているのが一般的だが、合成技術の進歩とともに、As Grown の高純度 品も出回ってきた。粉として入手可能なものは、㈱名城ナノカーボンのアーク放電法の 「FH-P」や「SO」、KH ケミカルス㈱の CVD 法の「ED」、「EP」や「HP」、SWeNT 社 の「SG65i」、Unidym 社の「HiPco」、TASC/産総研の「eDIPS 法 SWNT」等がある。

第3世代の長尺 CNT の代表は、産総研の技術をベースに日本ゼオン㈱が量産化し始めた 「スーパーグロース法 SWNT」、静岡大学の技術をベースにした浜松カーボニクス㈱と

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JNC 石油化学㈱の「長尺 MWNT」、大陽日酸㈱の「高配向 MWNT」、日立造船㈱の 「VA-CNT」、韓国の㈱JEIO の「JC142」、中国清華大学の長尺 CNT 等が挙げられるが、 市販の装置で再現性良く簡単に合成することもできる16) しかしながら、かって市場に出回っていた Bayer MaterialScience㈱の「Baytube シ リーズ」や昭和電工㈱の「VGCF-S」や「VGCF-X」が市場環境の厳しさや安全問題から 突然撤退したことを考えると、上記サプライヤーが今後とも安定的に供給するかどうか、 メーカー動向を注意しながら開発を進める必要がある。また、CNT が気体から直接固体物 質として作り出される以上、見掛けの分析値は同じでも製造ロットによって微妙に特性が 異なる、所謂、ロット振れにも注意しておく必要がある。実用化するに当たって、複数の CNT 供給元を考えなければならないこともある。 4 初期のカーボンナノチューブの用途開発と安全性への懸念 昭和電工㈱は 1996 年より VGCF の製造を開始し、積極的な用途開発が進めてきたが、 「リチウムイオン二次電池負極剤」に少量添加することによりサイクル特性が著しく向上 することが実証され、二次電池メーカーへの採用が始まった17) 一方、ハイペリオン㈱は 1991 年より極細の MWNT の商業生産を始め、1990 年代初 頭より日本市場への紹介が始まった。当初、日本ではこの MWNT の粉を用いた研究開発が 進められていたが、1997 年、突如ハイペリオン㈱が安全性を理由に粉の提供を中止し、 樹脂のマスターバッチ(M/B)供給に切り替えたことで、日本企業での用途開発が急速に トーンダウンした。それに対して、米国ではハイペリオン㈱の MWNT を使った複合樹脂で、 導電性プライマーを使わない静電塗装可能な「自動車用フェンダーミラー」が開発され、 2,3の自動車メーカーが採用し始めた18)。ハイペリオン㈱の M/B は CNT 含有量が 15 ~20wt%と非常に高く、分散が不十分な上、成形性に劣っていることから、樹脂希釈する ことが難しく、日本市場での用途開発は遅々として進まなかったが、油化電子㈱が、その 高い技術力でポリカーボネート樹脂に M/B を希釈分散することに成功し、脱落性のない帯 電防止性に優れた「電子デバイス向け搬送トレイ」として実用化した19) 2000 年代に入り、セイコーインスツルメンツ㈱/北川工業㈱/昭和電工㈱による「超精 密プラスチック歯車」の開発 20)、三菱鉛筆㈱の「ソニーQUALIA007 のスピーカー振動 板」への採用21)、伊勢電子工業㈱の「フィールド・エミッション・ディスプレイ」の開発 22)、大日精化工業㈱の「帯電防止塗料ダイアロマーNT」の開発23)、タキロン㈱の「CNT 制電シリーズ CNPC-7610、CNPET-7660」の実用化24)、大同塗料㈱の「透明導電塗 料 DCNT-200 シリーズ」の開発25)、大研化学工業㈱の「走査型プローブ顕微鏡探針」へ の採用26)、ネッパジーン㈱の「オルガネラ用レーザー加熱マイクロインジェクタ」への採 用27)、ヨネックス㈱の各種スポーツ用具への採用28)、㈱竹中製作所の「超高性能表面処理

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た。それに歩調を合せるように、CNT メーカーも安価で高品質な MWNT を市場に投入し てきた。 しかしながら、2008 年春、高木ら30)と Poland ら31)によって独立に CNT の毒性に関 する研究論文が発表され、産業界における用途開発に急ブレーキがかかった。厚生労働省 では、2008 年 2 月に「ナノマテリアル製造・取扱い作業現場における当面のばく露防止 のための予防的対応について」と題する局長通知を、続いて、2009 年3月には「ナノマ テリアルに対するばく露防止等のための予防的対応」と題する局長通達を発表し、材料、 プロセス、取扱量等の実態に合せた予防的な暴露防止措置を講ずるよう関係者に周知させ てきた32)。それに前後して、NEDO プロジェクトも発動し、2009 年 10 月に「ナノ材料 リスク評価書(中間報告版)」が、2011 年 8 月に「ナノ材料リスク評価書(最終報告版)」 が公表された33)。詳細は本書の『安全編』の専門家による解説を参照頂きたいが、現状で は暫定的ではあるが、30μg/m3の許容暴露量以下の作業環境を遵守することで一般の化 学原料同様に取扱うことができるという認識が広がっている。一方、CNT メーカー自身も 自社の CNT の毒性、安全性に関する研究論文を積極的に公表している。しかしながら、安 全性への懸念が日本の産業界へ与えたインパクトは強烈で、多くの製品が市場から消えて いったことも事実である。 このような推移を経ながらも、2011 年秋以降再び CNT の実用化に向けた応用研究が 本格化してきた。一例を挙げると、昭和電工㈱/日信工業㈱/シュルンベルジェ㈱らの MWNT とゴムのセルレーション技術を用いた「石油資源探索・採掘用超高性能複合ゴムの 実証試験」の成功34)、日本ビクター㈱の「インナーイアーヘッドホーン HA ー FXT90」の 発売35)、東レ㈱の「電子ペーパー用 CNT 透明導電フィルム」の量産化技術の確立36)、ク ラレリビング㈱の融雪ファブリックヒーター「CNTEC」の実用化 37)、GSI クレオス㈱と 有沢製作所㈱の「CFRP 強化フィルム」38)、特種東海製紙㈱の「導電性 CNT ペーパー」 39)、大同塗料㈱の「キャリアテープ用透明導電塗料」、㈱大成化研の「エンジンオイル添加 剤」40)等々の開発が公表され、CNT が様々な産業分野に浸透していることが分かる。 5 広がるカーボンナノチューブの応用展開と技術課題 今や CNT の応用展開は世界的規模で進行している。応用分野は大別して、複合材料分野、 薄膜コーティング分野、マイクロエレクトロニクス分野、エネルギー・環境分野、バイオ テクノロジー分野である。本書の『応用編』の分類はこの考えに準じている。 複合材料分野では、自動車の静電塗装に始まり、少量添加で導電性を付与できることか ら燃料ポンプや燃料チューブ等の燃料系周辺部材や、炭素繊維が使われている用途で更な る高強度、強靭性が求められる部材、例えば、風力発電用ブレードやボートの船体等に CNT を併用する形で一部使用され始めている。一方、有害なハロゲン系難燃剤に代わる難燃剤 としても実用化が期待されている41)。また、チタン、銅、マグネシウム等の金属基に少量

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配合することにより、引張り強度、弾性率や耐熱性が大幅に向上する42)ことから、防弾チ ョッキや航空機、自動車部材としての開発も進んでいる。アルミニウム基との複合では、 高い熱伝導性が確認されている43) 薄膜コーティング分野では、タッチパネルやディスプレイ等で要望されている ITO 代替 透明導電膜への期待が大きいが、トレードオフの関係にある導電性と透明性のハードルが 年々高くなり市場への参入は遅れていたが、Flexible で透明性が高く、導電性が環境変化に 依存しないという特長を生かして電子ペーパー36)やタッチパネル 44-46)で開発が進んでい る。また電子部品の超精密化に伴って搬送用の高導電透明キャリアテープが市場を形成し てきた。一方、海中の有機物やフジツボ等が付着しにくいことから安全性の高い高耐久性 船底塗料としての開発も進んでいる47) マイクロエレクトロニクス分野では、シリコンに代わる SWNT を用いた Flexible で Printable な薄膜トランジスタ(TFT)の実用化が有望視されている48)。また、層間配線、 高出力増幅器、高分子アクチュエータ49)、不揮発メモリー50)等の開発も活発であるが、コ ストも含め乗り越えなければならない課題も多い。 エネルギー・環境分野では、高容量、高密度、高耐久性のエネルギーデバイスを見据え て、現在実用化されている LIB 電池の電極用改質剤以外に、電気二重層キャパシタ51)や燃 料電池の触媒担持体、有機太陽電池への展開が期待されている。この分野でもコストの壁 は大きく、実用化に当たっては既存材料との併用や安価な CNT の活用が模索されている。 地球規模で顕在化してきた水問題では、CNT 薄膜による海水淡水化にも期待が寄せられて いる52) CNT 膜は、極微量の分子の吸着や外部刺激による微小変形で膜特性が敏感に変化すると いう特性を持っている。また、CNT の内部空間に有用物質を導入することもできる。これ らの特性を利用したバイオセンサー、ガスセンサー、DDS を含む医療用デバイスの検討も 進行している。将来的にはこの分野の開発も大きく進展することが期待される。 以上、様々な分野で CNT の特長を生かした“CNT ならでは”の応用展開が進んでいる が、当初 CNT がナノテクノロジー時代のキーマテリアルと期待された割には CNT 製品の 実用化が遅れているのも事実である。コスト、量産化、品質の安定性、分散の困難さ等々 CNT 原料由来の幾つかの理由が考えられるが、本質的には期待した性能や特長が再現性よ く発揮できていないことに尽きる。それは、CNT がナノ材料であるがゆえに、分散後の乾 燥、製膜、成形等の精密部材や精密デバイスに仕上げるまでの後工程において、高速に動 き回る CNT 分子のブラウン運動を制御できないことが主原因だと考えている。しかも、 CNT は近接すると強いワンデアワールス力で再凝集し易い構造を有している。従来のマイ クロレベルの材料ではあまり神経を使わなかった、CNT 特有のこの挙動を理解し制御し、 目的とする均一、配向、秩序化、組織化する技術を獲得することができるか否かが今後の 用途開発上の大きな課題となろう。

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6 展望と成功への道 ナノテクノロジーは「物質をナノメートルサイズで自在に制御する技術」と定義される。 世界は日本が考えている以上に猛烈なスピードで CNT 製品の実用化を競っている53)。冒 頭述べたように CNT は進化している。幸い、私たちは均一分散に適した短い CNT から配 向し易い長尺 CNT まで、目的に応じて様々な CNT を使い分けることができる環境にある。 実質的に一本一本の CNT は手で触ることはできないが、長尺 CNT を紡績してヤーンやシ ート状に加工できれば、既存のエンジニアリング技術でより高性能な CNT に改質すること が可能となろう。例えば、長尺 CNT を基板からそのまま引出す、所謂、分散工程不要のド ライスロセス技術が可能となれば、安いプロセスコストで高強度、高導電、高熱伝導 CNT 製品が作り易くなる。また、CNT ヤーンや CNT シートを用いれば、樹脂、金属、セラミ ックス、炭素繊維等の異種材料との複合化も極めて容易となり、“CNT ならでは”の大型 機能製品の実用化が大きく拓けることが期待できる。Drawable な長尺 DWNT や MWNT を製造する基本技術はある。『応用編』で「長尺 CNT の活用」と章立てした意図はここに ある。後は、私たちが如何にして CNT を自在に制御する技術を獲得するかであろう。 参考文献

1) H. W.Kroto et al., Nature, 318, 162 (1985) 2) S. Iijima., Nature, 354, 56 (1991)

3) S. Iijima and T. Ichihashi, Nature, 363, 603 (1993) 4) D. S. Bethune et al., Nature, 363, 605 (1993)

5) T. Ebbesen and P. M. Ajayan, Nature, 358, 220 (1992) 6) A. M. Oberlin and M. Endo, J. Cryst. Growth, 32, 335 (1976) 7) 荒川公平、特許第 1532575 号、特許第 1750079 号

8) ハワード・ジー・テネットら、例えば、特許第 1701869 号 9) K. Jiang et al., Nature, 419, 801 (2002)

10) B. W. Smith et al., Nature, 396, 323 (1998) 11) S. Iijima et al., Chem. Phys. Lett., 309, 165 (1999) 12) K. S. Novoselov et al., Science, 306, 666 (2004)

13) 遠藤守信、飯島澄男監修「ナノカーボンハンドブック」、エヌ・ティー・エス (2007) 14) フラーレン・ナノチューブ・グラフェン学会編「カーボンナノチューブ・グラフェン

ハンドブック」、コロナ社 (2011)

15) ㈲スミタ化学技術研究所 HP (www.nano-sumita.com) 16) アイクストロン㈱HP (www.aixtron.com)

(10)

17) 武内正隆, 田中淳, 電池技術, 17, 85 (2005)

18) Hyperion Catalysis International, Inc.技術資料 (2001 年 10 月版) 19) 鷺坂功一, プラスチックエージ, 46, No.10, 132 (2000)

20) セイコーインスツルメンツ㈱プレスリリース (2002 年 2 月6日) 21) ソニー㈱「QUALIA007」技術カタログ (2005 年版)

22) Y. Saito et al., Jpn. J. Appl. Phys., 37, L346 (1998) 23) 大日精化工業㈱技術資料 (2005 年版)

24) タキロン㈱技術資料 (2005 年版)

25) 森本良行ら、特開 2007-157440、特開 2008-179787 26) 秋田成司, 山中重宣, 応用物理, 76, No.10, 1123 (2007) 27) S. Okuda et al., Nature, 458, 357 (2009)

28) ヨネックス㈱HP (www.yonex.co.jp)

29) ㈱竹中製作所 HP (www.takenaka-mfg.co.jp) 30) A. Takagi et al., J. Toxicol. Sci., 33, 105 (2008)

31) A. Poland et al., Nature Nanotechnology, Advance Online Publication, 20 May (2008) 32) 厚生労働省労働基準局通知「ナノマテリアルに対するばく露防止等のための予防的対 応について」(2009/3/31) 33) NEDO プロジェクト PO6041「ナノ材料リスク評価書 最終報告版」(2011/8) 34) 昭和電工㈱プレスリリース (2009 年 8 月 25 日) 35) 日本ビクター㈱プレスリリース (2010 年 4 月 10 日) 36) 東レ㈱プレスリリース (2012 年 2 月 9 日) 37) クラレリビング㈱製品情報 (2013 年 10 月 17 日) 38) 日刊工業新聞掲載記事 (2014 年 1 月 15 日) 39) 秋山宏介ら、特開 2010-40730、特開 2014-12921 40) 日刊工業新聞掲載記事 (2012 年 8 月 31 日)、㈱大成化研 HP (www.jmax.co.jp) 41) T. Kashiwagi et al., Nat. Mater. 4, 928 (2005)

42) 例えば、K. Kondoh et al., Composites Sci. & Technol., 69, 1077 (2009) 43) 例えば、科学技術振興機構プレスリリース (2008 年 9 月 18 日)

44) Z. Wu et al., Science, 305, 1273 (2004)

45) S. De and J. N. Coleman, MRS Bull., 36, 774 (2011) 46) 科技日報掲載記事 (2013 年 5 月 23 日)

47) A. Beigbeder et al., Biofouling, 24, 291 (2008)

48) 例えば、日本電気㈱プレスリリース (2013 年 9 月 24 日) 49) 例えば、産総研プレスリリース (2013 年 8 月 23 日)

(11)

51) 例えば、産総研プレスリリース (2010 年 6 月 21 日)、日経産業新聞掲載記事 (2013 年 11 月 14 日)

52) M. S. Rahaman et al., Environ. Sci. Technol., 46, 1556 (2012) 53) M. F. L. De Volder et al., Science, 339, 535 (2013)

参照

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