木造仮設住宅建設から見た 中期利用型
災害公営住宅について
住宅・都市研究グループ
岩田 司
応急仮設住宅着工・完成戸数
災害公営住宅建設戸数と 公営住宅の世帯比率
0.00%
5.00%
10.00%
15.00%
20.00%
25.00%
30.00%
町
4.20%
10.80%
7.50%
11.00%
7.70%
4.50%
8.40%
4.10%4.50%
10.90%
4.30%
7.40%
15.40%
3.90%
6.30%
2.00%
4.80%5.40%6.20%
27.90%
26.50%
人口減少と災害公営住宅
• 山元町震災復興計画
–
平成32
年• 12,918
人• 4,614
世帯• 現在の公営住宅
–
平成32
年までに耐用年 数が過ぎる–
これらをすべて用途廃 止–
新たに建設される災害 公営住宅に振り替え–
平成32
年時点で管理戸 数は510
戸–
公営住宅世帯比率は11.1
%–
現在3.7
%–
用途廃止しなければ17.2
%公営住宅の用途廃止
• 公営住宅法第 44 条等
– 「公営住宅または共同施設の処分」
• 公営住宅法施行令第 12 条
– 「公営住宅の処分」に関わる住宅の耐用年限
•
耐火構造の住宅70
年•
準耐火構造の住宅45
年•
木造の住宅30
年災害公営住宅の管理と構造種別に関わる課題
• RC 造
–
長所•
高層化が可能•
土地利用の高度化•
都市部の大規模団地•
津波避難ビル–
短所•
建設期間が長い•
地方部では駐車場が必 要であり、高層化しても 空地部分のほとんどが駐 車場に必要•
建物による日影部分が大 きく、冬季、地面等が凍 結する•
耐用年数が長い–
用途廃止が木造より実 施しにくい–
人口減少地域や、災害 時など»
将来的に空き家の 発生が予測される 場合には、対応し にくい災害公営住宅の管理と構造種別に関わる課題
• 木造
–
短所• 1
~2
階建てが一般的で、1
戸当たりの敷地面積が 必要–
長所•
小規模の団地が可能•
人口の比較的少ない地 方部•
団地を小規模な単位に•
地元工務店の活用–
地域の活性化に資する•
耐用年数が短い–
譲渡や除却などの用途 廃止が比較的容易–
人口減少地域や、災害時などのある一定の期 間量が必要な場合に、
将来にわたる現実的な
災害公営住宅入居希望者の 世帯特性
1人 2人 3人 4人 5人 6人 7人 計
世帯数
173 182 78 52 17 5 2 509
高齢者世帯124 150 57 24 11 3 1 370
高齢者世帯率71.7% 82.4% 73.1% 46.2% 64.7% 60.0% 50.0% 72.7%
型別災害公営住宅供給
町民意向調査 整備基準 0%
20%
40%
60%
80%
2DK
2LDK
43%
34%
23%
70%
25% 5%
災害公営住宅の管理計画
• 高齢者が多い
• 家族世帯でも収入が増 えれば将来入居資格を 失う
• 自立再建した世帯から 順次退去する
• 将来相当数が一般の 公営住宅として新たな 入居募集をすることに なる
• 70 %もの小規模住戸
–
将来小規模住戸が供給 過多になる• 希望どおりに型別供給 を行う
–
大きな住戸に小規模世 帯が住むミスマッチ• 人口減少、高齢社会に
おいては将来空き住戸
が増える
島原における災害公営住宅の運用例
• 雲仙普賢岳噴火被災 地域の復興途上におけ る住宅確保に関わる公 営住宅法の運用につい て
–
平成5
年9
月6
日–
建設省住総発第151
号–
建設省住建発第140
号–
耐用年限の概ね4
分の1
以上経過したもの–
恒久的住宅が供給され たことにより、今後、被 災者等に対しこの公営 住宅を供給する 必要が なくなったこと–
かつ、将来とも一般の公 営住宅として保有する 必要がないこと島原における
短期利用の災害公営住宅
• 短期利用型
– おおむね 5 年程度
– 仮設住宅を改造
• 2
戸1
化:59
戸•
基礎の打ち直し– 300
~400
万円/
戸• 中期利用型
– おおむね 10 年程度
– 50 ㎡: 172 戸
島原における
災害公営住宅の運用例
三春における応急仮設住宅建設
富岡町入居
名称 戸数
熊耳応急仮設住宅
86
平沢応急仮設住宅
84
三春の里応急仮設住宅
18
もみじ山応急仮設住宅34
沢石応急仮設住宅
58
柴原萩久保応急仮設住宅
50
(50
)計
330
葛尾村入居
名称 戸数
貝山応急仮設住宅
132
旧中郷小学校応急仮設住宅97
(19
)狐田応急仮設住宅
55
斉藤場上田応急仮設住宅
16
(16
) 中妻分館前応急仮設住宅15
(15
) 斉藤里内応急仮設住宅60
過足寺ノ前応急仮設住宅20
鷹巣瀬山応急仮設住宅23
西方浮貝応急仮設住宅22
計
440
注: 太字は三春町復興住宅つくる会による建設
( )内は三春町復興住宅つくる会の担当分戸数 位置は別添資料3参照
三春の応急仮設住宅・位置
斉藤字場上田団地
中妻分館前団地
(15戸)
柴原萩久保団地
(50戸)
旧中郷小跡団地
(19戸)
旧中郷小学校応急仮設住宅
建設過程
• 基礎
– 松杭は不採用
– メッシュ筋入りコンク リート現場打ち
•
小規模工務店のた め杭打ち機がない•
コンクリートは再生骨 材として再利用建設過程
• 構造材建て込み
– 柱、梁、桁、土台
•
すべて4
寸角杉材– 筋交い
建設過程
• 断熱
– 基礎断熱
•
基礎上端にスタイロ フォーム30mm
•
外部より900L
– 外張り断熱外壁通気 工法
•
スタイロフォーム建設過程
• 断熱
– 外張り断熱外壁通気 工法
•
スタイロフォーム30mm
を外張り–
継目気密テープなし•
外側にタイベックス 張り•
胴縁を打って通気層(厚
15
)をとる•
杉板厚15
羽目板張り建設過程
• 断熱
– 天井断熱
•
天井上端にグラスウ ール10kg
(100mm
+50mm
)敷き込み• 屋根
– ガルバニューム素地
•
折半葺(t=0.6/88h
)•
ポリ防露材裏打建設過程
• サッシ
– ペアガラス
– 断熱=樹脂サッシ 3- A12-3
• 問題点
– 天井上端、屋根下面 に結露
•
気密シールを張らな かったこと•
外断熱と天井断熱の 切り替え部の気密が ないこと建設過程
建設過程
建設過程
• 内装
– 杉板張り
– DK のみ不燃クロス
工程
工事期間 1ヶ月目 2ヶ月目
工事日程 1週目 2週目 3週目 4週目 5週目 6週目
施工工程
仮設工事 平屋のため、仮設無し
土・基礎工事
宅地造成(レ ベル合わ せ):1週間 程度*1
基礎工事
(型枠組み
→配筋メッ シュ筋*2→
コンクリート 流し込み→
養生→型枠 外し)
木工事 プラカット材準備
土台、柱、梁、
桁、筋交い 建込、屋根
*3
木工事*5
屋根工事 屋根材準備 屋根葺き*4 建具・ガラス工
事 建具等準備 建具工事*6
タイル工事 内装は、床、壁、天井等すべて無垢材のため、大工仕事で行い、タイル工事無 し
左官工事 内装は、床、壁、天井等すべて無垢材のため、大工仕事で行い、左官工事無し 塗装工事 内装は、床、壁、天井等すべて無垢材のため、大工仕事で行い、塗装工事無し 内装工事 内装は、床、壁、天井等すべて無垢材のため、大工仕事で行い、内装工事無し
雑工事 雑工事*8
工程
• 敷地
–
公園等–
緩やかな傾斜地–
戸建て住宅で対応•
各戸間のレベル差が20cm
以上•
連棟にすると相当な造成 が必要–
レベル調整が必要• 1
週間程度• ベタ基礎
–
地業–
防湿シート敷込–
メッシュ筋(レベル調整)–
コンクリートを流し込み 平基礎を施工• 10
日間程度–
コンクリート養生のため 必要工程
• 土台、柱、梁、桁、筋交
– 2
日程度で完成• 屋根
–
折半•
柱等の建て込みと同じ2
日の内に施工–
施工は1
日で完了•
垂木+屋根施工なら+2
日間必要。• 土台建て込みから木工 事終了まで
– 2
~3
週間–
断熱施工も大工で行う– 1
棟毎に大工1
人が担当• 全体の工期
– 40
日間–
プレハブは30
日間仕入れの共同化
• プレカット材
• 土木工事一式
• 造園工事一式
• 屋根工事一式
• サッシ工事一式
• 浄化槽
• 電気、給排水衛生、ガ スに関しては、各社の 下職に見積もりをとり、
低価格の業者に一括 発注
• その他、細かいものは
各社で、下職に発注
工事費
• 旧中郷小学校跡地
– 20
㎡188
万円/
戸– 30
㎡288
万円/
戸– 40
㎡463
万円/
戸– 20
㎡4
戸– 30
㎡11
戸– 40
㎡4
戸–
本体追加工事• 1,795.5
万円–
外構工事• 2,551.1
万円• 総工事費
– 1
億118.6
万円–
万円 戸短期利用の小規模災害公営住宅
• 地域特性
–
農家・漁家の特性•
4間×4間の居室•
1間×4間の土間と広縁•
土間は、玄関・作業場・物 置の役割•
広縁はくつろぎ・見守り交 流・避難・物干の役割•
仏間、床の間の確保–
高齢者:バリアフリー–
車椅子利用可能な寝室–
木造軸組構法•
地域工務店等で施工可–
間仕切りの少ない、シン プルな住戸計画•
工期短縮とコスト縮減•
トイレの出入りは、洗面 側からでも、食堂からで も変更可能短期利用の小規模災害公営住宅
• 低炭素社会向けた環境 共生住宅づくり
–
居間中心型で廊下が無 く、FF暖房機1台で間に 合う高気密高断熱住宅–
夏季は、南北に風通し–
冬季は広縁の軒が遮光する、エコな住宅