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みずほ米国経済情報 Mizuho Research Institute 1. トピック :2012 年の米国経済を取り巻くリスクは何か 米国経済の見方が揺れ動いた 2011 年無視できない 予想外 の出来事視野を広げることが第一歩 2011 年は 2010 年もそうであったように 米国経済を巡る一般

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2011 年 12 月号

米国経済の概況

■ 米国経済は緩やかな回復を続けつつも、内外に不安要素 を抱えている。海外については、欧州債務問題の波及リ スクが深刻な懸念材料である。 ■ 国内では需要の動きに陰りがみられる。10 月に続き 11 月 も、実質個人消費の伸びが低調に留まった模様だ。設備 投資もピークアウトの様相がうかがえる。 ■ 供給面では鉱工業生産の持ち直しが一服した。ただタイ の洪水による一時的な動きとみられ、米国製造業に対す る需要は底堅さを保っている模様だ。 ■ 議会では年末に失効する給与税減税などの延長を巡り、 混乱が続いている。上院の延長法案は下院が否決、出口 の見えない両院協議会に持ち込まれるようだ。 ■ 12 月 FOMC では景気判断が前進したが深刻な下ぶれリスク に言及、金融政策を据え置いた。年明け後の注目点はコ ミュニケーション政策の変更である。

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1.トピック:2012 年の米国経済を取り巻くリスクは何か

米国経済の見方が揺れ動 いた 2011 年 2011 年は、2010 年もそうであったように、米国経済を巡る一般(金融市場参加者) の見方が大きく揺れ動いた1年だった。先行き不安が楽観論へと変わり、ほどなく して再び先行き不安に変わるといった具合だ(みずほ総合研究所『日本経済の明日 を読む 2012 アメリカに頼れない時代』東洋経済新報社をご参照)。足元のクリスマ ス商戦を好評価する動きなどをみると、2012 年もまた、楽観論と悲観論が交錯する ことになるのかも知れない。 無視できない“予想外” の出来事 みずほ総合研究所は一貫して慎重派に属するが、見方の揺れは“予想外”の出来 事によっても引き起こされ、揺れを避けることの方がむしろ難しいだろう。2011 年 を振り返れば、東日本大震災によるグローバル・サプライチェーンの断絶(タイの 洪水も影響を及ぼしている模様だ)、米国債のデフォルト懸念や格下げ、欧州債務危 機におけるユーロ瓦解リスクの高まりが“予想外”であったし、2000 年代を振り返 っても、毎年のように“予想外”の出来事が発生し、経済活動に少なからぬ影響を 与えてきた。 視野を広げることが第一 歩 「(何かがあるということを)我々は知らない、ということ自体を我々は知らない ことがある」("There are also unknown unknowns – there are things we do not know we don't know"、ラムズフェルド元国防長官)とも言われる“予想外”の出来事(不 確実性)への対処は大きな困難を伴うが、視野を広げておくことによって、事前準 備や事後対応の役には立つはずだ。米国経済の行方を展望する上でも、経済に限ら ず国際政治などへの目配りが重要だろう(参考図表 1 はユーラシア・グループによ 参考図表 1 過去 3 年のグローバル・リスクの例 2009 2010 2011 ①米国議会 ①米中関係 ①G-ゼロ(国際協調なき世界) ②南アジアの安全保障問題(インド、 パキスタン、アフガニスタン) ②イラン ②欧州 ③イランとイスラエルの対立 ③欧州財政問題 ③サイバーセキュリティ ④ロシア ④米国金融規制 ④中国 ⑤イラク ⑤日本政治 ⑤北朝鮮 ⑥ベネズエラ ⑥気候変動 ⑥資本移動 ⑦メキシコ ⑦ブラジル ⑦米国議会(ねじれ) ⑧ウクライナ ⑧インド-パキスタン関係 ⑧パキスタン ⑨トルコ ⑨東欧 ⑨メキシコ ⑩南アフリカ ⑩トルコ ⑩新興国 (資料)ユーラシア・グループ『10 大リスク』各年 1 月(日本語への仮訳はみずほ総合研究所)

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る 10 大リスク)。世界経済フォーラムでは、今年初めに「今後 10 年間のリスク展望」 として経済格差とグローバル・ガバナンスの破綻の 2 つを挙げ、「不安定要素が高く、 信頼度が低いものの、深刻かつ予想外または想定以上の影響を及ぼすおそれがある」 ことから注視すべきリスクとしてサイバーセキュリティ、人口動態が突きつける課 題(先進国の財政負担と新興国の社会不安)、資源安全保障、グローバル化の抑制(経 済格差に対する新興国のポピュリスト的対応)、大量破壊兵器(国家間における新た な核拡散)の 5 つを指摘している。 一 段 と 強 ま る グ ロ ー バ ル・ガバナンスへの懸念 こうした指摘で注目されるのがグローバル・ガバナンスであり、2012 年にはより 一層、その動向に注意が必要だと思われる。主要国で大きな選挙を控え、各国の政 治が内向き志向になることが予想されるからだ(参考図表 2)。足元ではすでに、世 界貿易機関(WTO)閣僚会議が、2001 年末から続けてきた新多角的貿易交渉(ド ーハ・ラウンド)の包括合意を当面断念するとの声明文を発表(12/17)、国際貿易 面での多国間交渉の限界が決定的となった。 2012 年は、欧州債務危機におけるIMFの役割やユーロ安待望論(注)などから、 国際的な対立が発生・深刻化するかも知れない。 (注)12 月欧州首脳会合は、IMFに対する各国中銀融資を実施し、それを原資としてIMFが高債務国支 援を行なうことを発表したが、それは他のIMF加盟国に財政リスクを押し付ける方策に他ならない(詳細は 「みずほ欧州経済情報」を参照)。また欧州債務危機の解決には、南欧諸国等の経常赤字解消が不可欠で、そ のための手段として、緊縮財政や当該国の賃下げ、あるいはドイツの内需拡大といった痛みや政治的な拒否反 応が強い政策を回避し、大幅なユーロ安によって対応すべきという指摘がある。IMF迂回融資もユーロ安も 他の国への責任のなすりつけや近隣窮乏化策として国際的な批判と対立を煽るおそれがある。 参考図表 2 2012 年の国際政治日程と欧州債務危機関連イベント 台湾総統選挙(14 日) 政権交代に伴う中台関係悪化のリスク 1 月 米共和党大統領候補者選出開始 (アイオワ州、3 日) 現状ギングリッチがリード、ロムニーが次席。誰がアイオ ワの勝利者となるか ロシア大統領選挙(4 日) 与党による不正選挙が民主化運動(ロシアの春)を誘発、 社会不安が広がるおそれ 北朝鮮・金正日総書記誕生日(16 日) 地政学リスク(4 月 15 日には金日成生誕 100 年も控える) 2 月 ★ギリシャ総選挙の可能性 緊縮措置に反対する政党が政権を奪取すれば、追加支援策 が水泡に帰すリスク ★スロバキア議会選挙 12 月 9 日のEU首脳会合における合意が選挙後に破棄さ れるリスク 3 月 ★ギリシャ国債償還 償還までに支援が間に合わずデフォルトに陥るリスク ★フランス大統領選挙 (22 日、5 月 6 日決選投票) 政権交代により独仏協調体制が綻ぶリスク 4 月 韓国総選挙 与党敗北に伴い、日韓FTAの取り組みが停滞するリスク 6 月 ★欧州金融機関の自己資本比率増強 (月末) 期限に向け資本調達より資産圧縮が進展しクレジットク ランチとなるリスク 7 月 ★ESM前倒し創設 各国議会での承認作業が遅延するリスク 8 月 米共和党全国大会 保守派のギングリッチなら本選までに中道寄りにシフト できるか否かが鍵。穏健派のロムニーは保守層を固められ るのかが鍵 9 月 野田・民主党総裁任期切れ 首相交代により、これまで決めてきた経済政策が停滞する リスク 10 月 第 18 回中国共産党大会(秋。前回は 10 月) 保守派台頭に伴う対日強硬路線の強化リスク 11 月 米大統領選挙(6 日) オバマ失脚による先行き不透明感の高まりやねじれ議会 持続リスク 12 月 韓国大統領選挙 政権交代に伴う日韓FTAなど対日政策の変更リスク (注)★印は欧州関連。政治日程ではないが、米国では 2012 年前半に 31 行を対象にストレステストを実施、19 行の結果を公表予定。 北朝鮮・金正日総書記は 2011 年 12 月 17 日逝去。 (資料)みずほ総合研究所

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①インフレ:足元までに インフレは持ち直してお り、1年前のディスイン フレ懸念は後退 次に米国に焦点を当ててみよう。本稿では 2 つのポイントを指摘する。インフレ と長期金利だ。ちょうど1年前、本稿で「2011 年は謎解きの年になりそうだ」と述 べた。この背景には、ディスインフレの進展があった。2011 年に果たしてディスイ ンフレが止まるのか、それとも米国はデフレに陥るのか。さらに、予想インフレ率 や需給ギャップ、あるいは FOMC によるQE2と駆け込み的に成立した「2010 年減 税・失業給付再延長・雇用創出法」といった政策要因が、インフレにどのように働 くのか、などが 2011 年には大きな関心事になるのではないかと思われたのである。 実際の物価指標の動きを見る限り、ディスインフレ懸念は後退しているように見 える。コアCPIは 2010 年 10 月に前年比+0.6%まで低下していたが、2011 年 11 月には同+2.2%まで大きく持ち直している。家賃(Shelter)関連の寄与が大きい ものの、コアから家賃関連を除いた系列など、様々なインフレ指標を見てもインフ レ率の持ち直しが確認できる。 一方、予想インフレ率は 低下、需給ギャップの縮 小も小幅、というパラド ックス しかし、インフレ率を巡る謎は、謎のまま 2012 年を迎えそうだ。金融緩和は予想 インフレ率の高まりに、景気対策は需給ギャップの縮小に寄与していると考えられ るが、予想インフレ率も需給ギャップのいずれも、上述したインフレ率の大きな持 ち直しをもたらすほどの変化が見られない。クリーブランド連銀のエコノミストが 推計・公表している予想インフレ率をみると低下傾向を辿っており、インフレ率の 持ち直しどころか、むしろインフレ率を押し下げる方向にある(参考図表 3)。需給 ギャップについても、GDPギャップにせよ失業率ギャップ(FRBによる失業率 の長期見通し、あるいはCBOの推計による自然失業率と、実際の失業率とのギャ ップを指す)にせよ、改善は極めて限定的だ(参考図表 4)。 インフレの動きが米国経 済を見る市場の眼を変え る可能性 みずほ総合研究所では長らく「米国の潜在GDPや自然失業率が一般に考えられ ているよりも悪化しているのではないか」と指摘してきた。もし 2012 年にインフレ 率の上ぶれが続くようなら、米国経済の構造的悪化が、謎の答えになりそうだ。今 は、欧州債務危機の余波により米国に資金が還流してきているようだが、2012 年の 参考図表 3 年限別予想インフレ率の推移 1.2 1.4 1.6 1.8 2.0 2.2 1 5 10 15 20 25 30 2010年8月 2010年10月 2011年12月 (注)2010年8月にはバーナンキFRB議長がQE2を    示唆。2010年10月にはコアCPI前年比上昇率が    系列を遡ることができる1958年以来の最低値を    つけた。2011年12月は直近値。    インフレスワップとサーベイデータから推計。 (資料)クリーブランド連邦準備銀行 (%) (年) 参考図表 4 GDPギャップ -8 -7 -6 -5 -4 -3 -2 -1 0 Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 Q3 (資料)米国商務省、CBO 2010年 2011年 (%)

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インフレ率の動きは、金融政策に影響を与えるに留まらず、米国経済を見る市場の 眼を一変させる可能性を秘めているかも知れない。 ②長期金利のボラティリ ティ増大:半世紀ぶりの 低金利 米国の長期金利(米国債 10 年利回り)は 2011 年 8 月 18 日に 1.974%をつけ、半 世紀ぶりに 2%を割り込んだ。その後、9 月 23 日には 1.671%を記録し、1946 年 2 月の 1.665%(Barron's Online、8/20)以来の低金利となった。その後いったんは 2%を超える期間もあったが、11 月下旬以降は再び 2%割れとなっている。ロジャ ー・イボットソン・イェール大学マネジメント・スクール教授によれば、10 年債利 回りの史上最低値は 1942 年 4 月の 0.92%(Wall Street Journal、8/19)というが、 いずれにせよ、歴史的な低金利であることは間違いない。 背景に欧州債務危機によ るタームプレミアムの負 値化。2012 年はタームプ レミアムが上下に大きく 振れる可能性 米国長期金利の低位推移の背景には、FOMC による金融緩和(QE2とオペレーシ ョン・ツイスト)と欧州債務危機がある。特に今夏以降は、後者による「質への逃 避」が、平時なら正値を取るはずのタームプレミアムを負の領域へと押し下げ、歴 史的な低金利を演出しているとみられる。参考図表 5 は、10 年ゾーンのタームプレ ミアムが夏場にかけて負値に転じたことを示している。参考図表 6 は、ギリシャ国 債と独・米国債の利回りに関する条件付き共分散(1 期前のショックと分散による 共分散の予測値)を示しており、逆相関を示す負値の共分散が見て取れる。 2012 年も欧州債務危機には大きな下ぶれリスクが残っていると考えられ、極端な ケースでは、米国の長期金利が史上最低値をつけるおそれもある。一方、米国の財 政を巡っては格下げリスクが燻り、財政リスクプレミアムが顕在化する可能性もあ る(注)。2012 年は、米国長期金利のボラティリティが高まり易いことに注意が必要 だろう。 (注)米国債の再格下げリスクは「時間の問題」に過ぎないと考えられる。Moody's は①景気対策が打たれ 2012 年にも財政規律が弛む場合と、②米国の経済見通しが大幅に悪化する場合を格下げリスクとして掲げている。 選挙を控えて安易に大型景気対策を打てば①に、景気対策を打たず緊縮財政を続ければ②に該当しよう。結局、 ワシントンの政治家がどう足掻いても、米国債の再格下げが待っていることになる。 参考図表 5 年限別米国債タームプレミアムの推移 -1.2 -1.0 -0.8 -0.6 -0.4 -0.2 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 2011/4/27 2011/6/22 2011/8/9 2011/9/21 (%) (年) (注)ゼロクーポン債ベース。日付はFOMCで、年限別    カーブに大きな変化がみられた4回分を抽出。    データは9月末までのため、11月、12月のFOMC    は考慮していない。 (資料)FRB(但し公式統計ではない) 参考図表 6 ギリシャ・ショックの波及 -1.0 -0.5 0.0 0.5 1.0 2010 2011 (注)2変数GARCHモデル(制約付きBEKKモデル)による    ギリシャ国債利回りと独・米国債利回り(共に10    年。単位%。5営業日差)の条件付き共分散。 (資料)みずほ総合研究所 米国債とギリシャ国債 -1.0 -0.5 0.0 0.5 1.0 2010 2011 ドイツ国債とギリシャ国債

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2.生産・雇用動向:企業業況は低水準。民間雇用の回復基調は緩やか

製造業の業況は小幅に持 ち直すも、依然低水準 製造業ISM総合指数は 11 月 52.7(10 月 50.8)と小幅に持ち直したが、引き続 き業況の改善・悪化の分かれ目となる 50 近傍で推移しており、製造業の多くで回復 テンポが鈍いものにとどまっていることを示唆している(図1)。 新規受注・生産指数が持 ち直した一方、雇用・在 庫指数は弱い動き 総合指数の構成項目を見ると、新規受注指数が 11 月 56.7(10 月 52.4)、生産指 数が 11 月 56.6(10 月 50.1)と上昇し、受注・生産動向の回復進展が窺われること は好材料だ。一方、雇用指数は 11 月 51.8(10 月 53.5)と小幅に下落した。製造業 の雇用回復テンポが鈍化したことを示唆しており、こうした動きは製造業雇用が 11 月前月差+0.2 万人(10 月同+0.6 万人)と減速したことと見合った動きである。 また、在庫指数は 11 月 48.3(10 月 46.7)と上昇したものの、2 カ月連続で在庫減 少を示唆する 50 割れの水準となった。 非製造業の回復テンポは 引き続き緩慢 非製造業ISM総合指数は 11 月 52.0(10 月 52.9)と僅かながら低下した。製造 業ISM指数と同様に水準は低く、非製造業の回復テンポが引き続き緩慢であるこ とを示唆する動きとなった(図 1)。 総合指数の構成項目を見ると、新規受注指数が 11 月 53.0(10 月 52.4)、事業活 動(business activity、製造業の生産指数に対応)指数が 11 月 56.2(10 月 53.8) と共に上昇しており、製造業と同じく受注・事業動向は回復が進んでいるようだ。 一方、雇用指数は 11 月 48.9(10 月 53.3)と再び 50 未満の水準へと急低下し、総 合指数を押し下げた。実際のサービス業の雇用動向をみると、11 月は前月に比べて 増加テンポが強まっているが、後述するようにクリスマス商戦に関連する一部の業 種が中心であったとみられる。こうした雇用統計の結果は、回復の動きが多くの業 種に広がっていないことを示唆する非製造業ISM雇用指数の動きと見合ったもの であると考えられる。 輸出受注指数は小幅に上 昇するも、均して見れば 低下基調維持 企業の輸出環境を示すISM輸出受注指数は、製造業が 11 月 52.0(10 月 50.0)、 非製造業は 11 月 55.5(10 月 54.0)と小幅に上昇した。11 月になって輸出環境は僅 かに改善の動きをみせているが、均して見ればISM輸出受注指数は年初の高い水 準から緩やかな低下傾向を続けていることから、輸出拡大テンポは引き続き減速基 調を辿っているようだ。 図 1 企業業況 45 50 55 60 10/11 11/5 11/11 製 造 業 ISM指 数 非 製 造 業 ISM指 数 (資料)米国サプライマネジメント協会(ISM) 図 2 鉱工業生産と稼働率 86 88 90 92 10/11 11/5 11/11 74 75 76 77 78 鉱 工 業 生 産 (除 く エネルギー) 設 備 稼 働 率 (総 合 ,右 目 盛 ) (2007=100) (% ) (資料)連邦準備制度理事会 図 3 雇用統計 8.0 8.5 9.0 9.5 10.0 10/11 11/5 11/11 0 50 100 150 200 250 非 農 業 部 門 雇 用 者 数 (右 目 盛 ) 失 業 率 (% ) (前 月 比 、 千 人 ) (資料)米国労働省

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企業生産は下振れ 実際の企業生産を見ると、10 月まで緩やかな回復傾向が続いていたが、11 月は減 産を示す動きとなった。11 月の鉱工業生産指数(FRB)は前月比▲0.2%(10 月 同+0.7%)と低下し、今年 4 月以来の減産を示した(図 2)。なお、9 月分は同▲0.1% から同±0.0%へと上方修正されている。 自動車やIT関連が減産 内訳を見ると、エネルギー部門が 11 月前月比+0.2%(10 月同+0.7%)と小幅 に増産した一方、エネルギーを除く部門が 11 月同▲0.4%(10 月同+0.7%)と大 きく減産している。中でも、自動車・部品生産が 11 月同▲3.5%(10 月同+3.5%)、 消費財が 11 月同▲0.4%(10 月同+0.7%)と減産に転じたことや、IT関連生産 が 11 月同▲0.8%(10 月同▲1.4%)と減産を続けたことが、鉱工業生産指数全体 の低下に影響している。 稼働率は小幅低下 また、鉱工業部門全体の設備稼働率は 11 月 77.8%(10 月 78.0%)と小幅に低下 した(図 2)。鉱業の稼働率は 11 月 92.9%(10 月 92.9%)と前月並みを保ったもの の、製造業の稼働率が 11 月 75.3%(10 月 75.6%)と低下し、鉱工業部門全体の稼 働率を押し下げている。 タイの洪水が減産の背景 こうした 11 月の減産や稼働率低下には、タイの洪水を背景とするサプライチェー ンの混乱が影響したようだ。特に自動車産業では、洪水による被害を受けた大手日 系メーカーが 11 月の北米地域の減産を発表しており、その影響が現れたと考えられ る。11 月製造業ISM指数の公表資料にも、「タイの洪水が事業に影響している。 日系メーカーが生産見通しを引き下げており、我々はタイ製の部品を探している」 という輸送機械企業のコメントが紹介されている。ただ、足元では日系メーカーの 北米生産が持ち直しつつあるとの報道もあり、タイの洪水による米生産動向への影 響は概して一時的とみられる。 資本財や建設財の生産は 緩やかに拡大 一方、その他の部門について見ると、資本財(11 月前月比+0.3%)や建設財(11 月同+0.4%)は緩やかながら増産傾向を維持しており、全ての品目で生産が落ち込 んでいるわけではないようだ。11 月の製造業ISM調査で生産指数が改善している ことに加え、次に述べるように 12 月に入って製造業の業況指数が持ち直しているこ とを踏まえれば、企業生産の需要動向に大きな変化が起こったわけではないと考え られる。 12 月の企業業況は持ち 直し 12 月の企業業況には、緩やかながら持ち直しの動きがみられる。製造業の業況を 表すフィラデルフィア連邦準備銀行の製造業調査(以下、PHL製造業調査)とニ ューヨーク連邦準備銀行の製造業調査(以下、NY製造業調査)の現状の業況判断 DIを見ると、PHL製造業調査は 12 月+10.3(11 月+3.6)、NY製造業調査は 12 月+9.5(11 月+0.6)と上昇し、製造業の業況が緩やかに改善していることを示 唆している。 両製造業調査の個別指数を見ると、NY製造業調査では新規受注指数や出荷指数、 雇用指数が軒並み上昇した。一方で、PHL製造業調査では新規受注指数が上昇し たものの、出荷指数や雇用指数は小幅に低下しており、両連銀調査の間で一部の指 数がまちまちな結果を示している。しかし、これらの個別指数は何れも改善を示唆 するプラス圏で推移していることから、総じて見れば、企業活動は緩やかに改善し ていると考えられよう。また、こうした結果を踏まえれば、2012 年 1 月 4 日に発表

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される 2011 年 12 月の製造業ISM総合指数は 53.2(11 月実績 52.7)と小幅に上 昇すると予想される。 雇用統計は一見堅調な結 果だが、実際には雇用回 復が緩やかであることを 示唆 12 月 2 日に発表された 11 月の雇用統計では、非農業部門雇用者数(米国労働省) が前月差+12.0 万人(10 月同+10.0 万人)と増加傾向を維持した(図 3)。加えて、 失業率が 11 月 8.6%(10 月 9.0%)と大幅に低下したことから、一見すれば 11 月 に雇用環境の改善が急速に進んだように見える。 しかし、非農業部門雇用者数や失業率それぞれの内容を分析すれば、雇用統計の 結果は実際には雇用回復の基調が緩やかであることを示唆していると考えられる。 雇用者数の増加はクリス マス商戦向けの一時的な 回復である可能性 非農業部門雇用者数の内訳を見ると、民間部門の雇用者数が 11 月前月差+14.0 万人(10 月同+11.7 万人)と増加しており、特に、小売業が 11 月同+5.0 万人(10 月同+1.3 万人)、専門・企業サービス業の一部である短期人材派遣が 11 月同+2.2 万人(10 月同+1.6 万人)と増加し、非農業部門雇用者数全体の回復に寄与してい る。しかし、こうした業種の雇用増加には、クリスマス商戦に合わせた一時的な業 容拡大が影響した可能性がある。クリスマス商戦終了後は、これらの業種の雇用が 伸び悩み、非農業部門雇用者数全体の回復を抑える要因となる可能性があることに は注意が必要だ。 また、政府部門の雇用者数は 11 月前月差▲2.0 万人(10 月同▲1.7 万人)と、こ こ 3 カ月間に小幅ながら雇用の減少テンポが強まっている。政府部門の内訳を見る と、連邦政府(11 月同▲0.4 万人)、州政府(11 月同▲0.5 万人)、地方政府(11 月 同▲1.1 万人)と全ての政府レベルで職員が削減されているが、特に、州・地方政 府の財政難が背景となり、地方政府では教員、一般職員共に雇用が減少している。 失業者の非労働力化が失 業率の大幅低下に影響し た模様 失業率については、失業者の非労働力化の動きが失業率の大幅な低下につながっ たようだ。11 月の失業率の低下幅(前月差▲0.37%Pt)のうち、就業率(=就業者 /16 歳以上人口)が 11 月 58.5%(10 月 58.4%)と上昇したことによる寄与度が同 ▲0.12%Pt にとどまった一方で、労働参加率(=(就業者+失業者)/16 歳以上人 口)が 11 月 64.0%(10 月 64.2%)が低下したことによる寄与度が同▲0.25%Pt と大部分を占めている。こうした結果は、失業者が求職活動を停止して非労働力化 したことが失業率の大幅な低下の主因であったことを示唆しており、雇用環境の改 善が急速に進んでいるわけではないことを窺わせる。 労働時間で測った労働需 要は回復テンポが緩やか 労働時間で測った労働需要は、引き続き回復テンポが緩やかだ。非農業民間部門 の雇用者数と週当たり平均労働時間を合成した総労働時間指数(みずほ総合研究所 試算)は、11 月前月比+0.1%(10 月同+0.1%)と僅かな上昇にとどまっている。 週当たり平均労働時間が 11 月同±0.0%(10 月同±0.0%)と、2 カ月連続で横這い となったことが原因だ。 労働所得は横這い 11 月は労働所得の伸びが弱まっている。上記の総労働時間指数と時間当たり賃金 (図 4)の伸びを合成した総賃金指数(みずほ総合研究所試算)は、11 月前月比± 0.0%(10 月同+0.4%)と、前月から横這いで推移した。月々の変動が大きいもの の、時間当たり賃金が 11 月同▲0.1%(10 月同+0.3%)と下落したことが影響し ている。

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足元の失業保険申請件数 は改善 足元でも雇用環境の緩やかな改善が続いているようだ。12 月第 2 週(12/5~9) の失業保険新規申請件数は 36.6 万人(前週 38.5 万人)と 2 週連続で減少しており、 雇用が緩やかに回復していることを示唆する動きとなった。続く 12 月第 3 週(12/12 ~16)は 2012 年 1 月 6 日に発表される 2011 年 12 月の雇用統計の調査週に当たるた め、12 月 22 日に発表される当該週の失業保険新規申請件数の結果が注目されると ころだ。

3.需要動向:個人消費の伸びが鈍化。設備投資は減速

小売売上高は伸びが鈍化 11 月の小売売上高(米国商務省)は前月比+0.2%(10 月同+0.6%)と伸びが鈍 化した(図 5)。内訳を見ると、自動車ディーラーの売上高が 11 月同+0.5%(10 月同+0.8%)と拡大テンポが僅かながら減速している。Autodata Corporation が 集計した 11 月の米国新車販売台数は年率 1,363 万台(前月比+2.8%)と、10 月の 年率 1,326 万台(前月比+1.2%)に比べ増加テンポが強まっているため、ディーラ ー売上高の鈍化は新車販売価格の下落や中古自動車売上高の減少によるものと考え られる。また、ガソリンスタンドの売上高は 11 月前月比▲0.1%(10 月同▲0.4%) と 2 カ月連続で減少した。加えて、建材・造園関連販売店の売上高が 11 月同▲0.3% (10 月同+1.4%)と減少したことも、小売売上高全体の伸びを抑える要因となっ た。 コア小売も弱い動き 自動車・部品、ガソリン、建材・造園関連を除くコア小売売上高は、年前半から 徐々に拡大テンポが強まってきたものの、11 月は前月比+0.2%(10 月同+0.6%) と、ここにきて伸びが大きく鈍化している。 クリスマス商戦関連業種 に限れば、比較的底堅い 結果 コア小売の中で、クリスマス商戦関連 5 業種と言われる総合小売(11 月前月比+ 0.3%)、衣料品・アクセサリー(11 月同+0.5%)、家具・内装品(11 月同+0.4%)、 家電製品(11 月同+2.1%)、スポーツ・趣味・書籍・音楽関連品(11 月同+0.3%) の各販売店の売上高合計は、11 月同+0.5%(10 月同+0.1%)と比較的底堅く拡大 した。前年比でみれば+3.9%と、昨年のクリスマス商戦(11~12 月)の同+4.1% に次ぐ結果となり、全米小売業協会(NRF)の事前予測値(11~12 月全体で同+ 2.8%)を上回っている。また、近年クリスマス商戦における重要性が高まっている インターネット販売を含む無店舗小売業の売上高も、11 月前月比+1.5%(10 月同 図 4 時間当たり賃金上昇率 ▲ 0.2% 0.0% 0.2% 0.4% 0.6% 10/11 11/5 11/11 (前 月 比 ) (資料)米国労働省 図 5 小売統計 ▲ 1% 0% 1% 1% 2% 10/11 11/5 11/11 自 動 車 (同 ) 除 く 自 動 車 (寄 与 度 ) (前 月 比 ) (資料)米国商務省 図 6 消費者マインド 50 55 60 65 70 75 80 10/12 11/6 11/12 30 40 50 60 70 80 ミシガン大 学 カンファレンスボート(右 目 盛 ) (66Q1=100) (1985=100) (資料)ミシガン大学©、カンファレンスボード©

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+2.6%)と、やや伸びは低下したが拡大傾向を続けている。こうした結果は、クリ スマス商戦の前半戦が、関連業種に限って見れば比較的底堅い結果であったことを 示唆するものだ。 クリスマス商戦関連以外 では、多くの業種で売上 高が落ち込み しかし、食品販売店(11 月前月比▲0.2%)、食品サービス店(11 月同▲0.3%)、 健康・個人ケア関連販売店(11 月同▲0.1%)、その他小売業(11 月同▲1.2%)な ど、クリスマス商戦関連以外では多くの業種で売上が落ち込んでおり、家計は消費 の使途を厳しく絞っているようだ。こうした業種の売上の落ち込みが下押し要因と なって、コア小売売上高の伸びが鈍化し、小売売上高全体の弱さにつながったので ある。 貯蓄率引き下げによる消 費下支えは限界に 11 月小売売上高の弱さの背景には、米国の家計が可処分所得の伸び悩みとバラン スシート調整圧力というフロー・ストック両面の弱さを抱える中で、これまで消費 拡大を支える要因となってきた個人貯蓄率の引き下げが限界に達しつつあるという 動きがある。6 月に 5.0%であった米国の個人貯蓄率は 9 月 3.3%と急低下していた が、10 月には 3.5%と小幅に上昇し、12 月 23 日に発表される 11 月の値も 10 月と 同程度の水準で推移するであろう。 12 月の個人消費にも期 待できない状況 こうした個人貯蓄率の上昇は、12 月にかけても継続すると考えられる。消費者マ インドの動きを見ると、足元ではミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)が 12 月 67.7(11 月確報値 64.1)と持ち直しの動きを続けているが(図 6)、依然として 急低下前の 6 月水準(71.5)には達しておらず、足元の個人消費にも過度な期待は できない状況だ。11~12 月全体としてみれば、2011 年のクリスマス商戦は冴えない 結果に終わると予想される。 新築住宅販売は低迷続く 米国住宅市場は引き続き低迷している。新築住宅販売(戸建て。米国商務省)は 10 月年率 30.7 万件(前月比+1.3%)と底這いの動きが続いており、新築住宅販売 件数は依然として 2010 年 5 月以降の落ち込んだ水準から抜け出るに至っていない (図 7)。 中古住宅販売も僅かな増 加に留まり、持続的な回 復の様子は窺えず 中古住宅販売(戸建て及び集合住宅。全米不動産協会)は、10 月年率 497 万件(前 月比+1.4%)と小幅な増加に留まった(図 7)。中古住宅販売件数は販売を最終引 渡しベースでカウントするが、全米不動産協会によれば、加盟する不動産業者のう ち 33%の業者で、住宅販売契約を行ったにもかかわらず最終引渡しに至らなかった 図 7 住宅販売件数 25 30 35 40 10/10 11/4 11/10 350 400 450 500 550 中 古 住 宅 販 売 (右 目 盛 ) 新 築 住 宅 販 売 (年 率 ,万 件 ) (年 率 ,万 件 ) (資料)全米不動産協会、米国商務省 図 8 住宅着工件数 50 55 60 65 70 10/10 11/5 11/12 10 12 14 16 18 20 22 24 住 宅 市 場 指 数 (右 目 盛 ) 住 宅 着 工 件 数 (年 率 ,万 件 ) (資料)全米住宅建築業者協会、米国商務省 図 9 資本財出荷・新規受注 56 58 60 62 64 66 68 70 10/10 11/4 11/10 非 国 防 資 本 財 出 荷 非 国 防 資 本 財 新 規 受 注 (年 率 ,10億 ドル) ※ い ず れ も 、   航 空 関 連 を 除 く (資料)米国商務省

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ケースがあったと報告されており(前月は 18%。前年同月は 8%)、住宅担保価値査 定の厳しさといった金融面の厳しさが引き続き中古住宅販売の回復を阻害している とみられる。FRBが発表した銀行融資担当者調査を見ると、住宅ローン(プライ ム層向け)の貸出基準DIが 10 月調査では±0.0(7 月調査▲1.9)と上昇し、多く の銀行が住宅ローン貸出基準の緩和を取りやめたことが示唆される。 集合住宅の住宅着工件数 が大幅に増加 住宅着工件数(米国商務省)は 11 月年率 68.5 万件(前月比+9.3%)と増加した (図 8)。内訳を見ると、戸建て住宅の着工件数が 11 月年率 44.7 万件(前月比+ 2.3%)と小幅な増加にとどまった一方、変動の大きい集合住宅の着工件数が 11 月 年率 23.8 万件(前月比+25.3%)と大幅に増加している。 着工許可件数も集合住宅 で増加 住宅着工件数の先行指標と考えられる住宅着工許可件数も 11 月年率 68.1 万件(前 月比+5.7%)と増加した。着工件数と同様に、戸建て住宅の着工許可件数は 11 月 年率 43.5 万件(前月比+1.6%)と緩やかな増加となったが、集合住宅の着工許可 件数が 11 月年率 24.6 万件(前月比+13.9%)と大きく増加している。 販売用物件から賃貸用物 件への需要シフトが背景 こうした集合住宅の着工増加の背景には、雇用・所得環境の回復が鈍く、住宅取 得能力が改善しない中で、販売用物件から賃貸用物件に住宅需要が移り変わってい ることがあると考えられる。戸建て住宅を中心とする販売用物件は、需要の弱さだ けでなく、夏場以降に再び活発化したとみられる住宅差し押さえによって供給圧力 の増大にも直面しており、着工が抑制されている模様だ。集合住宅の着工増加によ って住宅着工件数全体は押し上げられたものの、依然として米国住宅市場の構造的 な問題が解消されていないことには注意が必要だ。 建設業者の景況感は改善 住宅建設業者の景況感は 3 カ月連続で改善した。戸建て住宅販売の現状と 6 カ月 先の見通し、見込み客の動向をもとに作成されている住宅市場指数(全米住宅建設 業者協会。Housing Market Index。0~100 の範囲を取り、水準が高いほど良好)は 12 月 21(11 月 19)と、上昇を続けている(図 8)。 しかし、12 月の上昇を踏まえても、住宅市場指数は引き続き歴史的な低水準にあ る。住宅市場指数の上昇は住宅市場に改善の兆候が現れ始めたことを示唆している が、前述したように、住宅差し押さえの活発化によって住宅ストック調整圧力が高 まり、住宅着工に抑制圧力が加わっていることに加え、住宅担保価値査定の厳しさ などの住宅金融面の引締めが潜在的な住宅購入者の購入意欲を阻害しているという 状況に変化はなく、住宅建設を巡る環境は引き続き厳しいと考えられる。 新築住宅在庫率は僅かに 改善 新築住宅の在庫率(米国商務省)は 10 月 6.3 カ月(9 月 6.4 カ月)と前月から僅 かに改善した。新築住宅在庫数(季節調整値)が 10 月 16.2 万件(9 月 16.2 万件) と横ばいで推移した一方、新築住宅販売件数が小幅に増加したことが要因だ。ただ、 4 カ月程度と言われる平常状態と比較して、足元の新築住宅在庫率は引き続き高水 準にある。 中古住宅在庫率は低下す るも、今後は再び上昇に 向う模様 10 月の中古住宅在庫率(全米不動産協会)は 8.0 カ月(9 月 8.3 カ月)と改善し た。中古住宅の販売在庫(過去に差し押さえられた物件を含む。季節調整前の原数 値)が 10 月末に 333 万件(前月比▲2.2%)と 4 カ月連続で減少したことに加え、 中古住宅販売件数が小幅に増加したことが影響した。 しかし、前述したように住宅差し押さえ手続きが再び活発化しており、中古住宅

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在庫には増加圧力が加わりつつある模様だ。中古住宅販売が抑制されている中で、 中古住宅在庫が増加し、今後は在庫率が再び上昇に転じると考えられる。 住宅価格指数は下落続く 米国の主要な住宅価格指数は、一部が上昇の動きを見せたものの、総じて住宅価 格の下落が続いていることを示している。 連邦住宅金融局(FHFA)による住宅価格指数(リファイナンスに伴う再評価を除 く、売買取引の価格情報のみを対象とした系列)は、9 月前月比+0.94%(8 月同▲ 0.23%)と、2 カ月ぶりに上昇した。 一方、スタンダード&プアーズ(S&P)/ケース・シラー住宅価格指数(主要 10 都市圏を対象とする指数。2 度以上売買されたことがある中古住宅を対象とした 品質調整済み価格指数)は、9 月前月比▲0.42%(8 月同▲0.25%)と 5 カ月連続で 下落した。主要 20 都市を対象とする指数も 9 月同▲0.57%(8 月同▲0.29%)と下 落が続いている。 さらに、連邦準備制度理事会(FRB)が注目していると言われる米調査会社 CoreLogic による住宅価格指数(全米ベース。差し押さえ物件を含む指数)は、10 月前月比▲0.87%(9 月同▲0.75%)と、8 月以降 3 カ月連続で大幅に低下している。 こうした住宅価格の下落には、夏場以降の差し押さえ手続きの活発化が影響して いると考えられる。「ロボ・サイナー問題」によって遅延していた差し押さえ手続き が再び進展したことで、廉価な差し押さえ物件の供給が増加し、住宅価格に下落圧 力が加わりつつあるようだ。現に、CoreLogic による差し押さえ物件を除く住宅価 格指数は 10 月前月比+0.86%(9 月同▲0.04%)と上昇しており、差し押さえ物件 の増加が住宅価格に下落圧力を加えていることを示唆している。 資本財出荷・受注ともに 減少 米国の設備投資動向は、足元で回復の勢いが鈍っているようだ。機械関連の設備 投資動向を示す非国防資本財(除く航空関連)の出荷額は、10 月に前月比▲0.1% (9 月同▲0.5%)と僅かながら 2 カ月連続で減少した(図 9)。同新規受注額も 10 月同▲0.8%(9 月同+1.4%)と 3 カ月ぶりに減少しており、これまで比較的底堅 さを保っていた設備投資動向に陰りが窺える。 こうした足元の設備投資動向の弱さには、年末に予定されている設備投資減税の 失効が影響しているようだ。7~9 月期の実質機械・ソフトウェア投資(暫定値)が 前期比年率+15.6%(4~6 月期同+6.3%)と急増していたことを踏まえれば、減 税失効前の駆け込み投資の多くが既に 7~9 月期に現れ、10~12 月期には設備投資 の伸びが減速すると考えられる。 先行きの設備投資に対する企業マインドの動きも、このような動きと概ね整合的 であった。PHL・NY製造業調査の 6 カ月先の設備投資に関する判断DIは、概 ね今年 4~6 月期から低下が進み、年末から 2012 年初にかけて設備投資が落ち込む ことを示唆していた。 先行きの設備投資マイン ドは 2012 年半ばの設備 投資回復を示唆 一方、足元では企業の設備投資マインドに引き続き改善の動きが見られる。6 カ 月先の設備投資に関する判断DIは、PHL製造業調査が 12 月+13.1(11 月+16.1)、 NY製造業調査が 12 月+23.3(11 月+25.6)と小幅に低下したものの、ゼロ近傍 にあった夏場と比較して高い水準を保っている。こうした結果は、設備投資減税の 失効によって 2012 年初に設備投資が落ち込んだ後、2012 年 4~6 月期頃には再び設

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備投資が持ち直すことを示唆している。 建設投資は緩やかな増加 傾向が続く 事業用の建設投資(工場、オフィス等、住宅を除く建設支出額。米国商務省)は、 10 月前月比+1.3%(9 月同▲0.1%)と増加した(図 10)。5~6 月には急速に持ち 直していたが、その後は緩やかな増加が続いた格好だ。ただし、同統計は頻繁かつ 大幅に改訂される可能性があるため、今後こうした推移が大きく変わる可能性があ ることには注意が必要だ。 価格面では、商業用不動産価格指数(Moody's/MIT 不動産センター)が 8 月前月 比+2.4%(7 月同+5.0%)と上昇傾向が続いている(図 10)。 貿易赤字が縮小 米国商務省によれば、10 月の貿易収支(サービスを含む名目)は▲435 億ドル(9 月▲442 億ドル)と赤字幅が縮小した。10 月は輸出入金額ともに減少したが、輸入 金額の減少(10 月前月比▲1.0%)が輸出金額の減少(10 月同▲0.8%)を僅かなが ら上回ったことが、貿易赤字縮小の要因だ(図 11)。 財輸出金額の内訳を最終用途別に見ると、非貨幣用金(10 月前月比▲25.1%)や 宝飾品類(10 月同▲27.2%)、ダイヤモンド(10 月同▲14.9%)が財輸出金額の減 少に大きく寄与しており、9 月から 10 月にかけての商品価格下落が影響した可能性 がある。一方、財輸入金額の内訳を見ると、原油(10 月同▲5.2%)や石油製品(10 月同▲9.5%)に加え、輸出と同様に非貨幣用金(10 月同▲17.9%)やダイヤモン ド(10 月同▲17.6%)の減少が寄与している。 2012 年度に入って連邦 財政収支は前年度比改善 が継続 11 月の連邦財政収支は▲1,373 億ドルと、前年の同月(▲1,504 億ドル)から赤 字幅が縮小した(図 12)。2011 年 10 月から始まった 2012 財政年度の累計ベースで も、11 月▲2,358 億ドル(前年度同月▲2,908 億ドル)と前年度から改善している。 収支の内訳を見ると、年度累計の歳入が 11 月 3,155 億ドル(前年度同月 2,949 億ド ル)と増加した一方、同歳出が 11 月 5,512 億ドル(前年度同月 5,857 億ドル)と減 少したことが、財政収支の改善に影響している。 強い財政緊縮圧力が背景 に こうした財政収支改善の背景には、連邦政府が直面している財政緊縮圧力がある。 今年 8 月に成立した 2011 年財政管理法によって、今後 10 年間(2012~21 財政年度) の裁量的経費に上限が課されることに加え、議会内に設置された財政赤字削減を目 指す超党派委員会の議論が決裂したことで(11/21)、2013~21 年の間に総額 1.2 兆 ドルの強制的な歳出削減が実施される予定だ。 図 10 非住宅建設投資 220 240 260 280 300 320 340 10/10 11/4 11/10 80 85 90 95 100 105 商 業 用 不 動 産 価 格 指 数 (右 目 盛 ) 非 住 宅 建 設 投 資 (年 率 ,10億 ドル) (2009/1=100) (資料)米国商務省 図 11 輸出・輸入 -3% -2% -1% 0% 1% 2% 3% 4% 5% 6% 10/10 11/4 11/10 輸 出 輸 入 (前 月 比 ) (資料)米国商務省 図 12 累積連邦財政収支 ▲ 1,400 ▲ 1,200 ▲ 1,000 ▲ 800 ▲ 600 ▲ 400 ▲ 200 0 10 12 2 4 6 8 2012年 度 2011年 度 2010年 度 (10億 ドル) (月 ) (資料)米国財務省

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景気対策延長を巡る状況 は依然不透明 現在、議会では 2011 年末で失効予定の給与税減税や失業保険延長措置といった既 存の景気対策の延長に関する議論が行われているが、延長法案が成立する見通しは 立っていない。上院では景気対策を暫定的に 2 カ月間のみ延長する法案が可決 (12/17)したが、下院は同法案を否決し、両院協議会の開催を求めている(12/20)。 年末の期限切れが迫る中、景気対策の延長を巡る状況は依然不透明だ。

4.物価動向:個人消費分野ではコア・インフレ率の上昇テンポが緩和

輸入物価インフレ率は低 下傾向続く 米国労働省が公表した輸入物価インフレ率は 11 月前年比+9.9%(10 月同+ 10.9%)と、2011 年 7 月をピークにインフレ率の低下基調が続いている(図表 13)。 11 月は石油関連の輸入物価インフレ率が同+33.4%(10 月同+35.3%)と小幅に低 下したことに加えて、非石油関連の輸入物価インフレ率も同+3.7%(10 月同+ 4.8%)と急低下している。 品目別に見ると、資本財が 11 月前年比+0.9%(10 月同+0.8%)とインフレ率 が僅かに上昇した一方、消費財が 11 月同+3.3%(10 月同+3.6%)とインフレ率 が低下し、最終財輸入物価は 11 月同+2.4%(10 月同+2.5%)とインフレ率が低 下した。また、食品(11 月同+8.0%)や産業用資材(11 月同+22.8%)のインフ レ率も大幅に低下しており、輸入物価全体の物価上昇が抑えられた格好だ。 最終財PPIのインフレ 率がプラスに 最終財生産者物価(PPI)は、11 月前月比+0.3%(10 月同▲0.3%)とインフ レ率がプラスに転じた。内訳を見ると、最終財食品物価が 11 月同+1.0%(10 月同 +0.1%)、最終財エネルギー物価が 11 月同+0.1%(10 月同▲1.4%)とそれぞれ インフレ率が上昇したことが寄与している。特に、最終財エネルギー物価の上昇に は家庭用暖房燃料(11 月同+9.4%)の高まりが影響した。 コア最終財PPIは落ち 着いた動き 食品・エネルギーを除くコア最終財PPIは、11 月前月比+0.1%(10 月同± 0.0%)と落ち着いた動きを続けている(図 14)。内訳を見ると、医薬品(11 月同+ 0.9%)や乗用車(11 月同+0.6%)がインフレ率の上昇要因となった一方で、民間 航空機(11 月同+0.2%)や、その他の機械・設備関連品がインフレ率の低下要因 となった。 企業の投入コスト圧力は 概ね緩和傾向 米国企業にとって、投入コストの上昇圧力は概ね和らいでいるようだ。ISMの 仕入れ価格判断DIは、製造業が 11 月 45.0(10 月 41.0)と 2 カ月連続で 50 を下 図 13 輸入物価 ▲ 5% 0% 5% 10% 15% 20% 10/11 11/5 11/11 ▲ 1% 0% 1% 2% 3% 4% 輸 入 物 価 う ち 最 終 財 (右 目 盛 ) (前 年 比 ) (前 年 比 ) (資料)米国労働省 図 14 コア最終財PPI ▲ 0.2% 0.0% 0.2% 0.4% 0.6% 0.8% 10/11 11/5 11/11 0% 1% 2% 3% 4% 前 年 比 (右 目 盛 ) 前 月 比 (資料)米国労働省 図 15 消費関連コア物価指数 0.5% 1.0% 1.5% 2.0% 2.5% 10/11 11/5 11/11 コアCPI コアPCEデフレーター (前 年 比 ) (資料)米国労働省

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回り、投入コストが下落したことを示唆した。非製造業では 11 月 62.5(10 月 57.1) と小幅に上昇したが、値が 70 を上回っていた年前半と比較すれば、水準は比較的低 位にとどまっている。 企業の販売価格は一部で 上昇の動き 一方、企業の販売価格には一部で上昇の動きがみられる。連銀製造業調査の販売 価格DI(現状判断)を見ると、NY製造業調査が 12 月+3.5(11 月+6.1)と低 下し、販売価格の落ち着きを示唆した一方、PHL製造業調査は 12 月+12.0(11 月+2.6)と上昇し、これまでよりも多くの企業で販売価格が上昇したことを窺わせ る内容となった。 個人消費関連の物価は横 這い 11 月の消費者物価指数(CPI)は、前月比±0.0%(10 月同▲0.1%)と前月か ら横這いで推移した。内訳を見ると、最終財PPIと異なり、食品物価が 11 月同+ 0.1%(10 月同+0.1%)と安定した動きを続けているほか、エネルギー物価が 11 月同▲1.6%(10 月同▲2.0%)と 2 カ月連続で下落している。特に、エネルギー物 価の下落にはガソリン物価が 11 月同▲2.4%(10 月同▲3.1%)と下落を続けたこ とが寄与したようだ。 個人消費関連のコア・イ ンフレ率は小幅上昇 食品・エネルギーを除く個人消費関連のコア物価は、11 月前月比+0.17%(10 月同+0.14%)と小幅にインフレ率が上昇している。内訳を見ると、家賃(11 月同 +0.21%)や帰属家賃(11 月同+0.15%)など住宅関連物価のインフレ率が低下し た一方、新車・中古車物価(11 月同▲0.29%)の下落幅が縮小したことや、衣料品 (11 月同+0.63%)のインフレ率が高まったことが影響した。 前年比ベースではコア・ インフレ率の上昇が続く が、上昇テンポは緩和 コアCPIインフレ率を前年比ベースで見ると、11 月+2.15%(10 月同+2.10%) とインフレ率が上昇したが、上昇テンポはこれまでと比較してやや緩和しているよ うだ(図 15)。家賃(11 月同+2.42%)や帰属家賃(11 月同+1.67%)など住宅関 連物価インフレ率の上昇テンポが和らぎつつあることに加え、新車・中古車物価(11 月同+3.18%)のインフレ率が低下していることが要因だ。 その他の基調的な物価動 向を表す指標も、インフ レ率の上昇テンポが緩和 基調的な物価変動を示す指標も、総じて消費者関連物価インフレ率の上昇テンポ が落ち着きつつあることを示している。 一部の構成項目の異常な動きによる物価指標への影響を排除し、基調的な物価動 向を知るために開発された加重メディアン指数や刈込平均指数(共にクリーブラン ド連邦準備銀行)は、それぞれ 11 月前年比+2.17%(10 月同+2.18%)、11 月同+ 2.52%(10 月同+2.54%)とインフレ率が僅かながら低下した。 物価判断の指標として FOMC が注目するコア個人消費支出(PCE)デフレーター (米国商務省)は、10 月時点で前年比+1.65%(9 月同+1.64%)と、インフレ率 がほぼ前月並みの値で推移した(図 15)。また、米国商務省による市場取引ベース コアPCEデフレーター(10 月同+1.68%)や、ダラス連邦準備銀行による刈込平 均PCEデフレーター(10 月同+1.82%)もこれまでと比べてインフレ率の上昇テ ンポが緩和しつつあり、個人消費関連の物価動向は落ち着きを見せ始めている。 以 上

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巻末資料:米国主要経済指標

09Q2 Q3 Q4 10Q1 Q2 Q3 Q4 11Q1 Q2 Q3 実質GDP(%、前期比年率) ▲0.7 1.7 3.8 3.9 3.8 2.5 2.3 0.4 1.3 2.0 労働生産性(%、前期比年率、非農業部門) 8.0 7.0 5.3 4.3 1.1 2.5 1.7 ▲1.4 0.1 1.9 雇用コスト指数(%、前期比) 0.4 0.3 0.5 0.6 0.4 0.4 0.4 0.6 0.7 0.3 経常収支(10億ドル) ▲82.8 ▲97.9 ▲100.6 ▲118.3 ▲120.3 ▲120.1 ▲112.2 ▲119.6 ▲124.7 ▲110.3  名目GDP比(%) ▲2.4 ▲2.8 ▲2.9 ▲3.3 ▲3.3 ▲3.3 ▲3.0 ▲3.2 ▲3.3 ▲2.9 前月比 前年比

Jul-11 Aug Sep Oct Nov Jul-11 Aug Sep Oct Nov

カンファレンスボード景気先行指数(%) 0.6 0.3 0.1 0.9 #N/A 6.3 6.5 5.8 6.6 #N/A 小売売上高(%) 0.4 0.3 1.3 0.6 0.2 6.4 8.8 8.7 7.0 6.8 除く自動車(%) 0.4 0.5 0.6 0.6 0.2 6.9 8.9 8.6 6.8 6.5 国内自動車販売台数(万台、年率) *1220 *1209 *1305 *1322 *1360 0.9 7.5 9.9 7.5 14.0 住宅着工件数(万件、年率) *62 *59 *65 *63 *69 11.8 ▲3.2 10.9 17.0 27.6 住宅着工許可件数(万件、年率) *60 *63 *59 *64 *68 ▲0.8 13.4 6.8 16.1 23.2 ホームビルダー・マーケット指数 *15 *15 *14 *17 *19 MBA購入指数(%) ▲0.7 ▲9.0 2.2 0.2 9.2 ミシガン大消費者センチメント指数(66Q1=100) *64 *56 *59 *61 *64 カンファレンスボード消費者信頼感指数(85=100) *59 *45 *46 *41 *56 国防を除く資本財出荷(%) 1.4 3.0 ▲0.5 1.1 #N/A 7.1 13.2 9.9 12.1 #N/A 除く航空機・同部品(%) 0.3 3.1 ▲0.5 ▲0.1 #N/A 8.6 13.1 8.9 10.6 #N/A 国防を除く資本財受注(%) 4.2 5.4 ▲3.5 ▲3.7 #N/A 13.9 24.5 3.6 2.5 #N/A 除く航空機・同部品(%) ▲0.3 0.9 1.4 ▲0.8 #N/A 11.7 9.9 7.6 11.6 #N/A 民間建設支出(非居住用,%) ▲0.5 2.0 ▲0.1 1.3 #N/A 0.0 0.0 0.0 0.0 #N/A 貿易収支(10億ドル) *▲46.1 *▲45.3 *▲44.2 *▲43.5 #N/A 実質財貿易収支(10億ドル) *▲45.8 *▲46.3 *▲45.9 *▲44.2 #N/A 実質財輸出(%) 4.8 ▲0.7 1.5 1.2 #N/A 6.5 6.8 8.4 6.9 #N/A 実質財輸入(%) 0.1 ▲0.1 0.7 ▲0.3 #N/A 3.9 1.5 2.7 3.4 #N/A 財政収支(10億ドル) *▲129.4 *▲134.1 *▲62.8 *▲98.5 *▲137.3 鉱工業生産(%) 1.1 0.3 0.0 0.7 ▲0.2 3.7 3.7 3.5 4.3 3.7  最終財生産(%) 0.8 0.6 0.1 0.7 ▲0.3 3.0 3.8 3.8 4.4 4.2 設備稼働率(%) *77.5 *77.7 *77.6 *78.0 *77.8 民間在庫投資(10億ドル) *7.8 *5.5 *0.3 *12.9 #N/A 在庫率(カ月) *1.28 *1.27 *1.27 *1.27 #N/A ISM製造業指数 *50.9 *50.6 *51.6 *50.8 *52.7 ISM非製造業指数 *52.7 *53.3 *53.0 *52.9 *52.0 NFIB楽観指数(1986=100) *89.9 *88.1 *88.9 *90.2 *92.0 フィラデルフィア連銀景況感指数 *3.2 *▲30.7 *▲17.5 *8.7 *3.6 失業率(%) *9.1 *9.1 *9.1 *9.0 *8.6 非農業部門雇用者数(千人) 127.0 104.0 210.0 100.0 120.0  製造業雇用者数(千人) 34.0 ▲1.0 ▲1.0 6.0 2.0 週平均労働時間(時間、全従業員ベース) *34.3 *34.2 *34.3 *34.3 34.3 時間当り賃金(%、全従業員ベース) 0.5 ▲0.2 0.2 0.3 ▲0.1 2.3 1.8 1.9 1.9 1.8 輸入物価(%、除く石油関連) 0.1 0.3 0.2 -0.3 -0.2 5.4 5.5 5.4 4.8 3.7 生産者物価・最終財コア(%) 0.6 ▲0.1 0.2 0.0 0.1 2.7 2.5 2.5 2.8 2.9 コア消費者物価(%) 0.5 0.4 0.3 ▲0.1 0.0 1.8 2.0 2.0 2.1 2.2 コアPCEデフレーター(%) 0.2 0.2 0.0 0.1 #N/A 1.6 1.7 1.6 1.7 #N/A FF金利誘導目標(末値,%) *0.13 *0.13 *0.13 *0.13 *0.13 2年債金利(%) *0.41 *0.23 *0.21 *0.28 *0.25 10年債金利(%) *3.00 *2.30 *1.98 *2.15 *2.01 商工業向け銀行貸出(%) 0.7 1.7 0.2 1.2 0.5 5.1 7.0 7.7 8.7 9.4 不動産向け銀行貸出(%) ▲0.1 ▲0.2 ▲0.1 0.1 0.0 ▲4.6 ▲4.6 ▲4.3 ▲3.8 ▲3.5 マネーサプライ(%) 2.2 2.5 0.5 0.3 0.4 8.1 10.0 10.0 9.9 10.0 ダウ工業30種平均(末値) *12143.24 *11613.53 *10913.38 *11955.01 *12045.68 NASDAQ(末値) *2756.38 *2579.46 *2415.40 *2684.41 *2620.34 円・ドルレート(末値,\/$) *77.18 *76.50 *77.04 *77.97 *77.58 ドル・ユーロレート(末値,$/Euro) *1.4388 *1.4406 *1.3449 *1.3947 *1.3453 (注)*印は水準。 (資料)米国商務省、米国労働省、米連邦準備制度理事会、カンファレンスボード、米サプライマネジメント協会(ISM)、    モーゲージバンカーズ協会(MBA)、米住宅建築業協会、米独立企業連盟(NFIB)、HAVER ANALYTICS

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Mizuho Research Institute

みずほ米国経済情報

2011 年 12 月 21 日発行

発行 / みずほ総合研究所

編集 / みずほ総合研究所 調査本部

〒100-0011 東京都千代田区内幸町 1-2-1 日土地内幸町ビル

市場調査部

小野 亮(主席研究員・シニアエコノミスト)

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服部

直樹(エコノミスト)

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