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はじめに
人間生活学研究 第16号・2009年3月
フィリピン視察旅行報告
木村晶子・伊井義人*
報告者は、2008年夏の時点で、人間生活学科を中心として、正規のカリキュラム
に含めることを検討中であった「海外体験学習」の実施に向けて、2008年8月4 目〜13目に現地調査を行った。学科のみならず学部レペルでの検討も必要とのこと で、視察経費は、その大部分を学部長の裁量予算で賄われた。
1 日程および宿泊場所
2008年8月4目に札幌および石狩を出発し、成田に一泊した後、8月5目にフイ
リピン航空にて、マニラヘと向かった。帰国は、
8月12目であるが、それまでの7泊は、フラン シスコ会フィリピン管区本部のペドロ・パプチ スタ修道院に宿泊させていただいた。その間、
フィリピン在住のフランシスコ今上佐藤宝倉神 父が我々二人のお世話を献身的に引き受けてく ださった。12目の夜に帰国したが、札幌への乗 り継ぎ使がなかったため、羽田空港近辺のホテ ルに宿泊した。今回は、出国前・帰国後にそれ ぞれ二泊、国内で宿泊しなければならなかった。
この点て、学生を派遣する場合、日程調整が必 要となろう。
2. 見学施設
視察期間中、以下の九箇所の施設を見学した。
(1)マザーテレサの修道会(神の愛の宣教貴会)の男子修道会経営の「見捨てら れた子ども達」の施設
゛藤女子大学人間生活学部人間生活学科准教授
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(3)マザーテレサの修道会(神の愛の宣教者会)の女子修道会経営の「見捨てら れた子ども達」の施設
(2)の施設の対面に位置しており、同じく幹線道路に而している。施設の目的
は(1)と同様である。 しかし、経営が男子修道会と女子修道会の違いからか、施 設が醸し出す雰囲気は非常に異なり、明るい雰囲気を出そうと努めているように感 じた。また、入所している子ども達は軽度から重度の障害を持っており、人数も(1)
と比較しても多い。その中には、乳幼児期の子どもが含まれている。衛生面や指導 体制など、様々な観点から、け)よりも学生派遣の可能性は高いのではないかと考 えられる。宿泊施設が確保できれば、数日間の派遣も可能であろう。
上記三つの施設は、マザーテレサの修道会によって管理運営されているが、(2)・
(3)の方が(1)よりも、組織的、施設的に充実しており、学生派遣の可能性も 高いと考えられる。特に、2008年夏の時点で(2)の施設には日本人のシスターが、
(3)には東京・山谷で生活経験かおるシスターが奉仕していた。そのため、日本 からの派遣学生の習慣などにもある程度、理解・寛容さを持ち合わせているのでは ないかと考えられる。
(4)ヴィンセンシオ・ア・パウロ修道女会経営のケアハウス
マニラ市の中心部に流れる川の中州に位置する施設である。川岸には、大統領府 (マラカニアン宮殿)が見える。
大型のショッピングセンターま でも徒歩圏内にある。施設とし ても大規模であり、ケアハウス よりも、病院と表現できるほど である。施設の入所者も乳幼児 から高齢者まで多様である。ま た、障がいを持った方から、何 らかの理由で家族と一緒に住め ない方まで、入所理由も様々で ある。
さらに、施設には学校も付設されており、ケアに関連する資格も取得可能である。
海外からも留学生を毎年受け入れている実績もある。 しかし、教授言語は英語であ るため、派遣学生が資格取得を希望する場合は、一定程度の語学力も要求される。
また、宿泊施設も充実しており、質素ではあるが、安価で長期間滞在することも容 易である。宿泊施設など総合的に考えても、学生に一定程度の語学力があれば、本 ケアハウスに派遣するのが適していると考えられる。
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たので、近隣の聖クララ会における荘厳なミサに参加するニともできた。ニの目は 街一一体がお祭りとなり、ミサは朝5時から夜9時まで十数回にわたって執り行われ るということで、日本ではけっして体
験できないものであった。
教会建築そのものも、またそこで行 われるミサの雰囲気も、目本のそれら と異なる。そのため、異文化的な体験 をする上でも、また、カトリックに関 する事柄を理解し、深めるためにもカ トリック教会を訪問することは、学生 にとっても有意義であると考えられる。
(8)その他
他には、マニラ有数の観光地であるアラヤ博物館(フィリピン歴史博物館)や旧
スモーキー・マウンテンを訪問した。アラヤ博物館は、植民地時代前後から現在ま でのフィリピンの歴史や文化を知る上では、非常に重要である。また、歴史もジオ ラマ展示を通して学べる。そのため、フィリピン訪問前に簡単な歴史を学んでおく と、それらが何を意味している場面なのかをすぐに理解できる。展示にも英語表記 が含まれているため、簡単な英語が理解できれば、歴史や文化についても親しみを もてよう。
かつて、フィリピン・マニラ市の低所得者地域の代名詞であったスモーキー・マ ウンテンは過去の遺産となりつつある。現在では、ゴミの山の面影は認識できるも
3 実施の可能性および検討課題
のの、緑も目立つ。一方で、周囲にはまだ 貧困層の住居が点在している。そのため、
学生が大挙して写真撮影するなど、観光気 分で訪れる場所には、未だなっていない。
佐藤神父によると、フィリピン郊外に、ゴ ミによって出来つつある新しい「山」があ るとのことである。訪問する意図などを考 慮しつつ、観光計画を練らなければならな いだろう。
第一一に宿泊施設である。 ヴィンセンシオ・ア・パウロ修道女会経営の施設に付属
の宿泊施設があり、一目750ペソ(1、600円程度)で泊ることができる。ここでは、
各種の福祉実習が可能である。アメリカなどからも毎年、実習に来る学生を受けい
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