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Academic year: 2021

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美術作品の複数の解釈を検討させる鑑賞教育

教科・領域教育専攻 芸術系(美術)コース 有 田 洋 子

1.本研究の目的と問題設定

本研究の目的は、美術作品の複数の角献を積 極的に導入して鑑賞授業を構成することの意義 を明らかにすることである。そのために解明す べき問題を以下のように設定したD

1.美術作品の解釈

(1)芸術械の定義及ひ執念規定 (2)複数の解釈間の段階的関係 (3)複数の角献の相生様態の類型化 2.複数の解釈を検討させる鑑賞教育の教育

的効果

3.複数の解釈を検討させる鑑賞授業品程 4.複数の解釈を検討させる鑑賞教育の有効

十生の言正明

問題の解明には次の二つの立場に立った。① 美術作品の解釈は様々に相生する。けれども、

それらには妥当性・適切性の違いがある。そし て、@凝業は、ある焦点イじされた問題を話し合 いを通して児童生徒が主榊句に考えることによ って、教育的効果がもたらされる。

1 本論文の構成と各章の概要

第 1章美術作品の「角敵Jについての考察 1. 

r

解釈jの定義及。執念規定

2.複数の解釈の一義性・多義性 3.複数の角献の段階的性格 4.複数の角献の荷主様態 5.諸角械の制面

指導教員 山木朝彦

6.解釈の判断基準

本章では、複数の「解釈」の関係についての 基礎的考察をした。

第2章美術作品の複数の角献を検討させる鑑 賞教育の方法と意義

1.教育方法

2.美術作品の複数の解釈を検討させる鑑賞 教育の意義

本章では、複数の角献を話し合い考えること の教育効果と他者瑚卒への繋がりを考察した。

3章美術作品の複数の解釈を検討させる鑑 賞授業過程

1.鑑賞授業過程についての先行研究の概要 2.解釈を検討させる鑑賞授業過程構造 3.鑑賞授業における直観と知識の扱い 本章では、解釈検討段階とそれを含む鑑賞授 業過程の全体像の提示をした。

第4章 鑑 賞 授 業 事 例

1.事例 1 春信「耳をそばだててj一内容的 /非拘字・同一コード・択一

2.事例2北斎「富暴走三十六景・駿州江尻J 一形式的/共存・非同一コード・重層

3.事例3 光琳「紅白梅図扉風j一形成過程 的(物体的) /共存・同一コード・度合い 4.三事例の結果のまとめ

本章では、複数の解釈の前生様態に基づく鑑 賞耕オの作成と実践による本鑑賞教育方法の 有効性の証明をしたD

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(2)

E 結論

本研究は先に設定した問題を、以下のように 角卒明した。

1.美術作品の解釈

(1)芸術献の定義と概念規定

本研究で言う角李釈は単なる一般的な「角献=

理解jではなく芸体

f

解釈である。それは「感性 と思考を通じて可能性のーっとして形成される、

ある芸術作品に対する瑚卒」と定義される。そ して次の三項を芸体市朝ミの概念規定とした。1.

解釈は複数性をもっo 2.ある作品の解釈は様々 にある。けれども、それらには妥当性・適切性 の違いがある。 3.妥当性・適切性の度合いによ って、複数の解釈の存在様態は異なってくる。

(2)複数の角鰍間の段陣令関係

作品の解釈は多義・多様である。パノフスキ ーとゼードノレマイヤーを参考に、それら複数の 解釈が段階的構造をなす可能性があるとした。

この解釈の過程構造概念は、鑑賞教育における、

任灘賞内容の学年発展、②ー授業内での展開構 造〈援用できることを指摘した。

(3)複数の角献の柄生様態の類型化

複数の解釈が段階的構造をなすとするだけ では解釈の広がりを捉えきれない。そこで複数 の角献の荷主様態の類型化を試み、1.一解釈の 択一的な非共存(非刻字・択一)、 2.諸解釈の 重層的な共存(共存・重層)、 3.一定範囲内で の諸解釈の共存(共存・度合い)と、作品の三 側面(内容的・形均約・形成過程的(物質・物 体的))を組み合わせた九つの類型からなる存 在様態、さらに各類型の角獄事例を示した。

2.複数の角献を検討させる鑑賞教育の教育的 効果

複数の解釈を検討させる鑑賞授業では、ある 焦点化された問題、すなわちある解釈の妥当

性・適切性を児童生徒が話し合いを通じて主体 的に考えることになる。さらには、複数の解釈 を検討することは他者を瑚卒すること、複数の 角献の共存を検討することは他者との共存とい

う意識へ繋がっていくはずとした。

3.複数の解釈を検討させる鑑賞授業過程 吉川と金子の鑑賞過程論及び鑑賞授業過程論 を踏まえて鑑賞授業過程の全体を次のように設 定すべきとした口1.事物的水準の認識段階、 2. 説話的水準の認識段階、 3.解釈の検討段階、 4. 認識の一般化段階。本研究は3.角弱

R

の検討段階 を最も考究し、その下位段階として(1)各角械の 瑚卒、 (2)各解釈の矧面、 (3)複数の角献の共存・

非共存の検討、を設定して精微化した。 4認 識 の一般化段階を(訪に継続する(4)作品一般にお ける複数の解釈の共存・非共存の瑚卒、とした。

4.複数の角械を検討させる鑑賞教育の有効性 の証明

次の三作品に関して耕オ解釈とその鑑賞授業 過程案を作成して実践し、複数の角献を検討さ せる鑑賞教育の有効性を実証した。三樹オで複 数の解釈の荊生様態の分類基準の全項目が出揃 うようにした。1.春信「耳をそばだててJの画 中人物のしぐさの角献(内容的/非共存・同一コ ード・択一)、 2.北斎「富巌三十六景・,閥、卜│江 尻」の構図解釈。彰式釣/共存・非同一コード・

重層)、 3.光琳「紅白梅図扉風」の両隻間の距 離制限(物イ楠/共存・同一コード・度合し¥)。

上記の鑑賞耕寸研究に基づき、授業実践をした。

ワークシート・アンケート・作業記録から本研究 が提案する鑑賞教育方法の有効性が稀忍された。

以上から、美術作品の複数の解釈を積極的に 導入して、その妥当性を検討させる鑑賞教育方 法は、教育的可能性があると結論する。

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参照

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