無信号交差点における交差点環境と車両挙動の因果構造分析
2
0
0
全文
(2) IV-032. 4.共分散構造モデルによる分析. 通流の有無・右からの交通流の有無から構成される. ここでは3.で示した仮説に基づき交差点環境と. ことより、 「左右の交通流の有無」とした。第 4 因. 車両挙動との関係を定量的に分析するため、共分散. 子は進行方向交通量、対向方向交通量、一方通行ダ. 構造モデルを用いる。本研究では道路幅員・視界・. ミー、時間ダミーから構成されることから「進行方. 角地の有無・ミラーの有無などから構成される「交. 向の交通状況」とした。第 5 因子は交差交通量・歩. 差点環境」という外生的な潜在変数を規定し、それ. 行者交通量などから構成されることより、 「交差側の. が停止率や安全確認時間・進入速度から構成される. 交通状況」とした。. 内生的潜在変数「車両挙動特性」に与える影響を調. これらと車両挙動の関係をパス図で構成していく. べ、交差点環境がドライバーの運転挙動に与える影. と優先側・一時停止側ともに図2・図 3 に示すよう. 響を把握する。. な同様のモデルを作成することができた。各パスの. 共分散構造モデルによる分析で一般的に用いられ. 解釈は紙面の関係上記さないが、全体的には GFI. ているモデルの形状は因子分析モデルを組合せた多. を見ると、優先側では多変量データの 92%がこのモ. 重指標モデルであるが、このモデルを使用すると解. デルで説明されたことを表している。同様に一時停. 釈や操作可能性において問題が生じる。例えば本研. 止側も 91%がこのモデルで説明されている。. 究で扱う特性の一つである道路幅員、ミラーの有無 などは外生的に存在するものであり、それ自体の存 在を規定するような潜在要因が存在するとは考えが たい。そこで、本研究では、モデルの解釈や操作可 能性を考えて、主成分分析モデルと因子分析モデル を組合せた PLS モデル (Partial. Least. Squares). モデルを用いて分析を試みることとする。図1に. 1.00. d1. 279.13 -3.64 -2.30 -26.05 .16 2.22 .01 .36 .00-.52 -1.39 .04 .01 -1.10 .01 .03-3.69 -1.31 .03 .09 -1.53 -5.33 -.07 .02 -.84 .12 -5.90 -.21 -.07 -.23 .00 .65 -.33-.142.56 .02 -.07 .10 .02-.26 2.86 -.08 .06 -1.50 -.02 .077.43 -.15-.02 -.06 -1.36 -.25 .05 .00 -2.13 .07 .00 .25 .06 .05 .93 .06 .05 .09 -.07 -.07 .05 1.64-.01 .00 .01 -.12 -.03 1.23 .02 .00 .04 -.28 .76 1.94 -.08 .04 .00 .061.07 -.02-.04 -.02 -.01 -.163.81 .02 .03 .04 .08 -.26 -.03 -.05 -.01 .24 -.53 .00 .03 -.17 .27 .08 .18 -.11 -.03 .29 .24 -.04 .35 -.14 .01 .00 .16 .02 .21 -.02 -.01. PLS モデルのパス図を示す。. lsikyo. .00. .24. lkakuti. -.56. .25 .37. rsikyo. .24. .01. .20. 1.00. d3 -.21. fac3. 1.00. .05 1.88. .22. .19 -1.25. .25 1.00. jikand. .35 1.38. hokou. .31. 1. -.08. sinkou 5.23. kousa. 3.06. fac6. 1. e2. teisi. 1. e1. -4.32. .00. 1.00. d7. 1.00 1.00. .02. 1. -.03. 1.00 -4.00. fac7. 1. sokudo. .00. e3. 1.00. d4. 1.00. 1 -5.06. fac4. 1.00. -.18 .37 .12 .07. fukuin2. .32. kakunin 1.00. -.06. fac2. rkisei .38 fukuin1 3.66 taikou ittuud. 1. .52. -1.55. lkisei. 1. 1.00. d2. rkakuti .24 .16. d6. fac1. 1.00. lmiller 217.88. rmiller. 1.00. 1. d5 1. Chi-square=397.91 GFI=.92 AIC=717.91. fac5. 図2. 優先側のモデル 1.00. d1. 256.38. 図1. PLS モデルのパス図. 5.分析結果 まず、各観測変数間の関係を知るために探索的因 子分析を優先側・一時停止側にわけ、原因側につい て行った。これより 16 設けてあった観測変数から 優先側・一時停止側共に 6 つの因子が抽出された。. -2.78 -2.54 74.14.13 -2.54 -1.56 -2.42 .05 -.19 1.45 .06 .01 -.35-.01 .00 -3.93 .72-.02 .08 -3.79 -.51 .08 .021.04.15 .66 .00 .03 -.29 -.02 .15 .02.06 .57 .00 -.04 .35 -.04-.03-1.96-.03 .05 23.30 .02 .05-.70 .02-.04 -.02 -.23 -.36 .02-.02 .01.02 -.01 .03 -.04-.05 .33.02 .00 .03 -.01 27.96.00 .03 -.03-.01 .00 .03 -1.25.01 .06 -.03-.04 .05 -.16 2.37 -.04-.79 .02 .06 .00 -.12-.07 .43 .01-.10 .01 -.04 .05 .36 .03 .09 .07 .01 .74-.02 -.06 .07-.02-.38 -.01 .08 .09 -.23 -.01 -.01 .02-.19 -.01 .04 .60 .07 -.01 .063.27 2.02 .05. lsikyo .24. .00 -.20. fac1. lmiller214.18. d2. rsikyo .25 rkakuti .24. 1.00. -.07. rkisei. .31. 1.00. d3 -.46. taikou .25 ittuud .24. fac3. 1.00. -.28 -1.19 2.27. .52 1.00. jikand 51.62 kousa .82 hokou .38 fukuin2. .12 -.02 .00 .24. これを解釈できそうな変数の集まりと偶然の相関に 図3. よる集まりを判断し、偶然相関の変数を関連のあり そうな因子に振分けていった。この結果、原因側の. 1. .30. fukuin1.23 sinkou .09. d6 1. 1.00. 7.13. fac6 .00. d4. 2.78. kakunin. 1. e2. teisi. 1. e1. 1.00. 1.22. fac2. rmiller .13 .12. 1. .64. -1.67. lkisei. 1.00. 1. lkakuti .25 .42. .00. 1.00 1.00 1.00. d7. -.02. 1. .01. 1.00 -.85. fac7. sokudo. 1. .00. e3. 1.00 1.00. 1. fac4. 1.02. 1.00. d5 1. fac5. Chi-square=325.73 GFI=.91 AIC=645.73. 一時停止側のモデル. 6.おわりに. 因子は優先側・一時停止側共に5つに集約された。. ここでは紙面の関係上、詳しい説明は記すことは. 各因子は優先側・一時停止側共に同じ観測変数か. できなかったとしたが、それはまだこれらのモデル. ら構成されることから、同じ名前をつけた。第 1 因. に高い改善の余地が見込まれているためでもある。. 子は左側の見通し、左側の角地の有無、左側のミラ. データの 90%以上を説明することができたが、まだ. ー確認の可否などから形成されることから、 「左側の. AIC の指標が大きくなっており、より改善されたモ. 見通し」とした。第 2 因子は第 1 因子と同じ解釈か. デルを探索する必要がある。また、交通事故件数を. ら「右側の見通し」とした。第 3 因子は左からの交. モデルに組み込むことも課題である。. -65-. 土木学会第56回年次学術講演会(平成13年10月).
(3)
関連したドキュメント
まず歩行者青 (PG) になる前に横断し始めるフライング 歩行者が挙げられる.矢野ら 2) が明らかにしているよ うに,歩行者青点滅( PF) の正確な意味を知っていた歩
信号制御方式と交差点構造の改良による交差点の交通渋滞緩和効果分析* The Traffic Congestion Relaxation Effect Analysis of the Crossing By the Improvement of the Signal Control Way
1.はじめに 平成 11 年〜平成 13 年の 3 ヶ年における名古屋市の主要交差点の交通事故件数は、約 1700 件であり、その うち約
今回の現示変更は横断歩行者と車両の完全分離をね らったものではないので,大きな錯綜回数の減少とは
改質手法のもう一つの視点として、 “成形体の構造”が考えられる。具体的に
射点であると考えられる。地層境界面がトンネル軸と垂直 に交わる場合、図‑3の直線 SPc はトンネル軸の延長線上に 存在することになる。このことから、直線 SPc がトンネル
また,時間交通量の平均が上記の範囲を超えると逆に 効果が小さくなる傾向がみられるが,これは交通量の大
はじめに 我が国では安全を見越してインターグリーン時間 が必要以上に長めに設定されており,円滑性を損な