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車輪背面接触時の車輪乗り上がりに関する実験的検討

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Academic year: 2022

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(1)IV-254. 車輪背面接触時の車輪乗り上がりに関する実験的検討 (財)鉄道総合技術研究所 ○正会員 吉田. 裕. (財)鉄道総合技術研究所. 宮本 岳史. (財)鉄道総合技術研究所. 正会員 吉田. 眞. (財)鉄道総合技術研究所. 土井 久代. (財)鉄道総合技術研究所. 正会員 及川. 祐也. 1.はじめに 在来線を中心に軌間線欠線部を有する固定クロッシングが幅広く使用されており、車輪が欠線部で異線進入 しないためにガードを敷設している。このような構造の分岐器では、ガードレールおよびウイングレールで車 輪を横方向に誘導するため、高速で通過する際に大きな背面横圧が発生する。大きな背面横圧が発生した場合、 著大な横圧が発生した場合と同様に乗り上がり脱線が懸念されるが、車輪背面接触による乗り上がり脱線につ いては試験および理論解析があまり行なわれていないのが現状である。そこで今回、模型車輪試験装置を用い た車輪背面接触による乗り上がり脱線試験を実施したので、その結果を報告する。 2.試験装置 本研究に用いた試験装置は、当研究所において開発された 1/5 模型輪軸転走装置(以下、「模型輪軸機」とい う。 )である。模型輪軸機は図1に示すように、車輪、台車枠、車体部およびレールに相当する軌条輪から構 成される。今回、2つの軌条輪のうち、片側にガードを模擬した軌条輪(以下「ガード」という。)を設置し、 ガードを設置した側をA側とする。模型輪軸機では、 縦ウエイト. A側の台車枠につながれているワイヤーを小型の. 輪重抜き. 車体部. 手巻きウインチで巻き上げることにより輪重抜き. 台車枠. を行ない、車輪背面接触による車輪乗り上がりを模. 車輪. 擬することが可能である。模型輪軸機の主な特徴は. ガード 軌条輪. 以下のとおりである。. 横ウエイト. モーター. (1) 車体部は台車部に4つのコイルばねを介し 軌条輪. て固定されている。 B側. (2) 輪重・背面横圧は、車輪に歪ゲージを貼り. 図1. 付けて測定する。 (3) 模型輪軸機には、輪重および背面横圧を増 加させるため、車体部上およびB側軸箱付近. 軌条輪 断面形状 50N の 1/5 軌間 輪軸. 能である。. る(図 2) 。. 292mm. 背面横圧. 車輪内面間距離 272mm フランジ幅 5mm. (5) A側の車輪背面がガードに接触しても、B 側の車輪はフランジ接触しない構造としてい. 1/5 模型輪軸転走装置. 1/5 模型輪軸転走装置の主要寸法. にウエイトを載荷できる構造としている。 (4) アタック角は、0〜2deg の範囲内で調整可. A側(ガード側). 在来線基本踏面の 1/5. B側. A側(ガード側). ガード〜軌条輪のフランジウエー 幅 (A 側). 10mm. 図2. 車輪背面接触状態. キーワード:背面横圧、車輪背面接触、1/5 模型輪軸転走装置、臨界脱線係数 連絡先:〒185-8540 東京都国分寺市光町 2-8-38. TEL 042-573-7275. -508-. FAX 042-573-7432. 土木学会第56回年次学術講演会(平成13年10月).

(2) IV-254. 3.試験方法 (1) 試験条件 アタック角は、0.5deg、1.0deg、1.5deg とした。なお、模型輪軸機のA側の車輪フランジをガードおよび 軌条輪双方に接しない中立状態に設定した後、軌条輪を回転させても中立状態が持続することを確認し、この 状態をアタック角 0deg とした。速度は、模型輪軸機の性能より 10km/h、20km/h とした。また、輪重は 0kN、 0.3kN とし、背面横圧は 0kN、0.1kN とした。輪重と背面横圧の組み合わせにより、試験パターンを表1に 示す3パターンとした。 (2) 試験方法 アタック角を付けた状態で軌条輪を回転させると、A側車輪背面とガードが接触しながら回転するようにな り、A側の輪重抜きを行なうことにより車輪は徐々に上昇し、最終的に車輪はガードの頭部まで乗り上がる。 本試験では、A側車輪が 2mm 乗り上がった時点での輪重(P)および背面横圧(Q)を測定し、その際の Q/P を臨 界脱線係数と仮定した。 表1. {輪重(kN),背面横圧(kN)} アタック角(deg) 速度(km/h). 車輪背面接触による脱線限界試験パターン パターン1. パターン2. パターン3. { 0 , 0 } 0.5 , 1.0 , 1.5 10 , 20. { 0.3 , 0 } 0.5 , 1.0 , 1.5 10 , 20. { 0.3 , 0.1 } 0.5 , 1.0 , 1.5 10 , 20. 4.試験結果 2.5. パターン3における臨界脱線係数を図3に示 臨界脱線係数(Q/P). す。図3より、いずれの速度においても、アタ ック角と臨界脱線係数に顕著な関係は認められ ず、臨界脱線係数がほぼ一定の値であった。ま た、速度 10km/h に比べ 20km/h の臨界脱線係 数が全て大きい結果となった。 車輪乗り上がり脱線に関する限度として用い. 2 1.5 1 : 10km/h : 20km/h. 0.5 0. られている脱線係数は、(1)式で計算される。. 0. 0.5 1 1.5 アタック角(deg). 今回の試験に用いた車輪背面のフランジ角度は 約 80deg であるのでα=80deg、μ=0.3 として. 図3. Q/P を求めると、Q/P≒2.0 となる。この計算 式による値と図3の試験結果を比較すると、試. 速度 10km/h、速度 20km/h との比較. Q tan α − µ = P 1 + µ × tan α. 験結果の方が小さい傾向である。これより、試 験時の車輪とガードとの摩擦係数が 0.3 以上で. 2. ………………………. (1). ただし、α:接触角. あったと推測される。 5.まとめ. 今回、1/5 模型輪軸転走装置を用いることにより、車輪背面接触による脱線限界の傾向について、把握する ことができた。また、計算式から試験時の車輪とガードとの摩擦係数が 0.3 以上であったと推測される。. -509-. 土木学会第56回年次学術講演会(平成13年10月).

(3)

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