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地すべり方向とアンカー打設方向の違いが抑止効果に及ぼす影響

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Academic year: 2022

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地すべり方向とアンカー打設方向の違いが抑止効果に及ぼす影響

九州産業大学工学部 正会員 ○松尾 雄治 ・ 正会員 奥園 誠之

同上 正会員

Hazarika Hemanta

, 東亜グラウト工業 大岡 有三

1.はじめに

地すべり対策としてのグラウンドアンカーは平面上で地すべり滑動方向と同一方向に設計・打設されるの が通常で、この場合のアンカーによる抑止効果が最も期待できるものと考えられる。一方、道路等が山間地 を通る切土部での地すべり対策については、道路線形から切土法面が形成されるため、打設するアンカー方 向が地すべりの滑動方向と平面上で必ずしも一致しない現場が多い。この場合、設計上期待できる抑止効果 が的確に得られていないことが予想される。

本研究は平面上で地すべり滑動方向に対してアンカー打設方向が一致しない場合のアンカーによる抑止効 果について、室内模型実験により検討したものである。

2.試料土および実験概要

試料土は5mm通過のまさ土で締固め試験A‑b法で得られたw =11.4opt

%、ρdmax=1.94g/cm に対し、湿潤側で締固め度が、95、90%とな

る初期含水比w =14、18%を設定し、土槽内に突固めによる湿潤密

度管理(14%:2.11、18%:2.07g/cm )で実験地盤を作製した。実 験は図‑1の装置で土槽底面をすべり面として地盤を後方よりエアージ

図‑1 実験装置・変位観測位置 ャッキを用いて載荷、強制的に押出した。載荷は応力制御多段方式で

地盤載荷面の単位幅当たりの載荷力を1段階4.72kN/mで10分間隔毎 に増加させ、ジャッキの最大ストロークまで地盤を押した。計測は各段階で 載荷盤と地盤の変位量をd 〜d の変位計で観測した。模型アンカ

ーは直径2mmのステンレスワイヤーロープを使用し、約58Nで引張したまま定着 部を底板裏側に、頭部は支圧板(厚さ3mmプラ板、1辺53mm正方形)を 通し固定し、4段・計23本を打設した。切土法面勾配β=60°(1:0.5 斜面)、アンカー打設鉛直角α=30°とし、図‑2に示す平面上の地すべ

図‑2 地すべり方向とアンカー打設方向 り方向とアンカー打設方向とのなす角をアンカー水平角θと定義

との関係(アンカー水平角θ) し、0、10、20、30°の4ケースで実験を行った。

3.実験結果およ び考察 実験結果として、

傾向が顕著であった w =18%(比較的軟ら

かい地盤)の図‑3〜6 を示す。図中、凡例 の角度はθ、実線は アンカーを打設しな い無処理、破線はア

図‑3 載荷力〜載荷盤水平変位(d ) 図‑4 載荷力〜法面水平変位(d )

ンカーを打設したケ

キーワード: グラウンドアンカー,模型実験,抑止効果,アンカー水平角,地すべり方向 連絡先(〒813‑8503 福岡市東区松香台2‑3‑1 TEL 092‑673‑5685 FAX 092‑673‑5699)

0 1 0 2 0 3 0 4 0 5 0 6 0

0 1 0 2 0 3 0

載 荷 力  P  (k N / m 法

面 水 平 変 位 d 1

0 ° 無 処 理 1 0 ° 無 処 理 2 0 ° 無 処 理 3 0 ° 無 処 理 0 ° ア ン カ ー 1 0 ° ア ン カ ー 2 0 ° ア ン カ ー 3 0 ° ア ン カ ー 平面図

載 荷 盤

エ ア ー ジ ャ ッ キ 法 面

模 型 ア ン カ ー

θ

θ

模 型 地 盤

地 表 面 底 板

θ = 0 °

d0 d1 d2

d3 d4 d5

d6 d7

d8 d9

1 :0.5

すべり面(土槽底面)

:変位計

0 2 0 4 0 6 0 8 0 1 0 0 1 2 0 1 4 0

0 1 0 2 0 3 0

載 荷 力  P  (k N / m 載

荷 盤 水 平 変 位 d 9

0 ° 無 処 理 1 0 ° 無 処 理 2 0 ° 無 処 理 3 0 ° 無 処 理 0 ° ア ン カ ー 1 0 ° ア ン カ ー 2 0 ° ア ン カ ー 3 0 ° ア ン カ ー

土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月)

‑837‑

III‑419

(2)

ースを表す。図‑3 の載荷盤水平変位 (d )について、無 処理は載荷力が比 較的小さい段階で 曲線が立ち上がり 急激にジャッキの最 大変形量に達する のに対し、アンカ

図‑5 載荷力〜法面水平変位(d ) 図‑6 載荷力〜地表面鉛直変位(d )

ー打設は載荷段階

に応じて徐々に上昇し、最大変形量に達する載荷力も大きいこ とがわかる。このような傾向は、図‑4(d :下層部)、5(d :上層

部)の無処理でも見られるが、アンカー打設の場合は載荷に応 じた変位増加はあるものの急激な上昇は見られない。法面前面 水平変位は載荷盤で押された地盤がアンカー間を抜けて法面前 面へ変位する現象量であるが、アンカーが打設されたことでそ れを抑止する効果が確認できた。

図‑6に地表面鉛直変位(d )の関係を示す。鉛直変位は載荷力

を受けた地盤が地表面方向に移動(盛上り)する現象量である が、無処理に比べて地盤の移動にアンカーと支圧板が抵抗でき

図‑7 アンカー水平角〜増加安全率 るアンカー打設ケースの方が変位量が大きくなっている。

アンカーによる抑止効果について、法面水平変位量(d =1、

2、4、8mm)に対応する無処理時の載荷力(抵抗力)を基にアンカ ー打設時の同一変位量での増加抵抗力から、アンカーによる増 加安全率 Fsを求めた。図‑7にw =18%の結果を示すが、アンカΔ

ー水平角θが増すと Fsが小さくなり、抑止効果へのアンカーΔ

水平角の影響が確認された。また、d =8mmの場合について、図

‑8はw =18%の結果に14%(比較的硬い地盤)の結果を追加し、

θ=0°を基準にcosθ(=10、20、30°)で補正した計算値(破線) を示す。軟らかい地盤(18%)はθ増加に伴い Fsが小さくなΔ

り、実測値は計算値よりもさらに低い値となっている。一方、

図‑8 アンカー水平角〜増加安全率 硬い地盤(14%)では逆に実測値の方が高い傾向を示しているが、

地盤が硬いためにテンドン部と地盤間でせん断抵抗が発生した ものと考えられる。

4.まとめと今後の検討課題

今回の地すべり室内模型実験の結果、載荷に伴う地盤の変位観測よりアンカー打設による抑止効果が確認 された。抑止効果は軟らかい地盤では、アンカー水平角の増加に伴い低下し、実測値は補正した計算値を下 回る結果となった。硬い地盤ではアンカー水平角の影響は見られなかったが、テンドン部と地盤間のせん断 抵抗の発生が予想され、今後、地盤条件等を追加しさらに検討を要すると考えている。

本研究に際し実験等を担当した本学平成13年度卒業研究生 池田俊一、石橋慎一朗、小村隆昭 君に感謝します。

<謝 辞>

0.0 0.5 1.0 1.5

0 10 20 30

アンカー水平角 θ 実測値(14%)

計算値(14%) 実測値(18%) 計算値(18%)

8.0mm変位時(d5) 0.0

0.2 0.4 0.6

0 10 20 30

アンカー水平角 θ

1.0mm 2.0mm 4.0mm 8.0mm

法面水平変位(d5) w0=18%

0 1 0 2 0 3 0 4 0 5 0 6 0

0 1 0 2 0 3 0

載 荷 力  P  (k N / m 法

面 水 平 変 位 d 4

0 ° 無 処 理 1 0 ° 無 処 理 2 0 ° 無 処 理 3 0 ° 無 処 理 0 ° ア ン カ ー 1 0 ° ア ン カ ー 2 0 ° ア ン カ ー 3 0 ° ア ン カ ー

0 1 0 2 0 3 0 4 0 5 0 6 0

0 1 0 2 0 3 0

載 荷 力  P  (k N / m 地

表 面 鉛 直 変 位 d 7

0 ° 無 処 理 1 0 ° 無 処 理 2 0 ° 無 処 理 3 0 ° 無 処 理 0 ° ア ン カ ー 1 0 ° ア ン カ ー 2 0 ° ア ン カ ー 3 0 ° ア ン カ ー

土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月)

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参照

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