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ア ル ギ ン系 印 象 材 に よ る 生体 鼓 膜 内隅 度 の計 測 に就 い て

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Academic year: 2022

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(1)626.. 285‑007.. 55‑073.. 17. ア ル ギ ン系 印 象 材 に よ る 生体 鼓 膜 内隅 度 の計 測 に就 い て 第1編 実. 験. 的. 研. 究. 岡山大学 医学 部耳鼻咽喉 科教室(主 任:高 原滋夫教授) 井. 口. 武. 男. 〔 昭和34年4月22日 受稿〕 目 Ⅰ. 緒. 次 2). 言. Ⅱ. 実 験 材 料 1). ア ル ギ ン印 象材. 家 兎 鼓 膜 に よ る実 験 A.. 平圧 に 於 け る鼓 膜 形 態 の観 察. B.. 鼓 室 内圧 を 変化 せ し め た と き の鼓 膜 形 態. 2) 実 験 用器 具. の観察. 実験動物. Ⅳ. 考. 案. Ⅲ. 実験 方 法並 に成 績. Ⅴ. 結. 論. 3). 1). 模 型 鼓膜 に よ る実 験 Ⅰ. 緒. 行 つ た.. 言. Ⅱ. 人 間 の 鼓膜 に関 す る形 態 学 的 並 に 解 剖 学 的 知 見 は, 17世 紀 後 半Valsalva,. Morgagni等. の 記 載 に 始 ま り,. 今 日迄 に 多 数 の 学 者 に よ り耳 鼻 科書 並 に 解剖 学 書 に,. 1). 実. 験. 材. 料. ア ル ギ ン印 象 材. ア ル ギ ン 印 象 材 は1943年Schoonover. &. Dickson. 殆 ん ど研 究 の 余 地 の な い まで に,詳 細 に 記述 され て い. 4)に に よ り歯 科 印 象 材 と し て 紹 介 せ られ た も の で,水. る.. 溶 性 粘 稠 な る ア ル ギ ン酸 ソ ー ダ が2価. 吾 が 国 に 於 て も,岩 田6) 7)(大. 5)西. 村9) (昭.. 5)古. 2)松. 城11) (昭. 29)に. 島8) (昭. よ り,日. (カ ル シ ュ ー ム,ア. あ る.著. が行 はれ て い る.然 し乍 ら以 上 の如 き従 来 の文 献 に見. 「ア ル ギ ネ ル 」と す)を. 使 用 し た.ア. られ る人間 鼓 膜 の詳 細 な る観 察 並 に 計 測 の 記 載 は,総. の あ る泥 状 溶 液 で,之. の5gに. て 屍 体 につ い て行 われ た も の で あ る.人 の生 体 鼓 膜 に. を 加 え,室. つ い て の正 確 な計 測 も古 くか ら希 望 せ られ てい た もの. 体 温 に よ つ て は1分. で あ ろ うが,未 だ 成 功 して お らず,生 体 に 於 て は 今 日. 品 は ア メ リカ 歯 科 医 師 会(A.. 尚 耳 鏡 所 見 を も とに し た記 載 に 止 り,屍 体 鼓 膜 に 於 け. (100g/cm2‑1000g/cm2の. る如 き正 確 な る計 測 は 行 わ れ て い ない.そ れ は 鼓 膜 が. %,永. 外 耳 道 に 対 し複 雑 な る角 度 を と るた め に 耳 鏡 的 に は 計. 3%以. 測 出 来 ぬ た め で あ つ て,森. ‑19. 田10) (昭. 29)はX線. 的. リュ ー ム 等)と. 化 合 し て 不 溶 性 の 凝 固 物 を 作 る性 質 を 利 用 し た も の で. 本 人 の鼓 膜 の形 態 に つ い て 種 々の 方 面 か ら観 察 計 測. に 計 測 せ ん と試 み た が,失 敗 に 終 つ て い る.最 近 井 上 12) (昭29)は ,ア ル ギ ン印 象 材 を応 用 す る こ とに よつ. 以上 の 金属 塩 類. ル ミ ニ ウ ー ム,バ. 者 は 岡 田 海 藻 工 業 製Neo‑ALGINEL(以. 対 し 約0.5gの. 温(18°‑24°)に. 於 て5分. 下,耐. D.. A.)規. 4〜20. 荷 重 に 対 し て): 下 に 対 し,歪:. 1.8〜2.5%,耐. 上 の 特 性 を有 す る も の で.印. の製. 格 の 歪. 荷 重 に 対 し て):. 圧 強 度2kg/cm一'以 久 歪:. 焼 石膏. 以 上 凝 固 せ ず,. 前 後 で 凝 固 す る 如 く し た.こ. 久 歪(100g‑1000g/cm2の. .5%,永. 下. ル ギ ネ ル は 粘 稠性. 圧 強 度:. 15.7 4.0%以. 象 材 と して は 優 秀 で あ り. 且 粘 稠 度 が 吾 々 の 実 験 に 適 す る も の で あ る.. て,人 に 苦 痛 を与 え る こ と な く,そ の 鼓 膜,外 耳 道,. 2). 鼻腔 並 に 咽頭 の形 態 を印 象 す るこ とに成 功 し,西 本18). ア ル ギ ネ ル を 外 耳 道 に 注 入 す るに は,鼓. 実 験 用器 具. は こ の方 法 を 応 用 し て 小 児 生体 鼻 咽 腔 に つ い て 精 細 な. 泡 を 残 さ な い 様,細. る計 測 を行 つ て い る.著 者 は こ の 方 法 に よ り人 の 生 体. 注 入 し な け れ ば な ら な い が,ア. 鼓 膜 を計 測 せ ん と し,先 づ 家 兎 を用 い て基 礎 的 実験 を. る た め,細. 膜辺縁 に気. 管 を用 い て鼓 膜 の近 くよ り徐 々 に. 管 を 通 す に は,可. ルギネルは粘稠性が あ 成 り加 圧 し な けれ ば な ら.

(2) 3242. 井. 口. 武. 男. な い.著 者 は 金 属 性 歯 科 用 注 射 器並 に 田 中式 パ ラフ ィ. 及 ぼ さず 鼓 膜 形 態 の 研 究 には 極 め て適 し た材 料 で あ る. ン注 射 器 を用 い,そ. こ と を証 明 す る もの であ る.. の先 に外 径 約1 .5mmの. ビ ニ ール. 管 を結 合 し て使 用 し た.特 に 田 中式 パ ラ フ ィ ン注 射 器 は 操 作 が 最 も容 易 で あ る. 3) 実. 験. 動. 平圧 に於 け る鼓 膜 形 態 の観 察. 家 兎 前 頸 部 に正 中切 開 を行 い,両 側 骨胞 を露 出 し,. の を選 ん だ.. 骨 壁 を除 去 すれ ば 鼓 室 を直 視 し得 て極 め て菲 薄,透. 明. な る鼓 膜 を認 め る.こ れ を第3図 の 如 く鼓 膜 輪 を含 む Ⅲ. 平 面 上 に 於 て 鼓 膜 を側 面 か ら観 察 し なが ら,外 耳 道 へ. 実験方法 並に成績. 田 中 式 パ ラ フ ィ ン注 射 器 で アル ギ ネル を注 入 し た.注 模 型 鼓 膜 に よ る実 験. 直 径10mmの. 家 兎 鼓 膜 に よ る実 験 A.. 物. 実験 動 物 は 成 熟 家 兎 を用 い,予 め 外耳 道 の 清潔 な も. 1). 2). 入 時 極 め て 軽 度 に 鼓 膜 が 膨 隆 す るの が 見 られ た が,注. ガ ラ ス管 の 一 端 に 第1図 の 如 き膨 隆 特. 第1図. 模型鼓膜の膨隆特性. 入 後 は 直 ち に 旧 に 復 し注 入 前 と全 く同 様 の 形 態 を 示 し,第3,第4図. の如 く写 真 に よ り之 を比 較 計 測 して. も全 然 変 型 を 認 め な い.ア ル ギ ネ ル の 凝 固 を待 つ て之 を外 耳 道 よ り摘 出 す れ ば,第5図. の 如 き鼓 膜 迄 の 外耳. 道 の 正 確 な る 印象 を得 る.こ の 鼓 膜 面 を写 真 に よ り比 較 計 測 す るに,第6図. の如 く全 く正 確 に 鼓 膜 の形 態 を. 第6図. 印象 し て い るこ と を 認 め た.家 兎外 耳 は,第7図. 並に. 第8図 の 如 く鼓 膜 附 近 に於 て外 耳 道 は 非常 に 狭 く,反 対 に 鼓 膜 面 は 広 く且 外 耳 道 軸 に 対 し傾 い て い るに もか か わ ら ず,ア. ル ギ ネ ルは ゴ ム の如 き弾 力性 が あ るた. ム膜 を模 型. め,鋳 型 並 に 外 耳 道 を共 に傷 け るこ と な く容 易 に取 り. 鼓 膜 と し て張 り,之 に ア ル ギ ネ ル及 び従 来の 研 究 に使. 出 す こ とが 出 来,同 一 生 体 に 於 て反 覆 実 験 を行 うこ と. 用 せ られ てい る ウ ツ ド氏 合金 を注 入 して,注 入 時 模 型. が 出 来 た.. 性 を有 す る極 め て薄 い(厚. さ約0.1mm)ゴ. 鼓 膜 へ 及 ぼ す圧 力 の 影 響 並 に注 入後 の鼓 膜 の 印象 を観 察 し た. ア ル ギ ネ ル の 注 入時 模 型 鼓 膜 に 作 用 す る圧 は,ア ル. 従 来 の 研 究 方 法 と比 較 す るた め,ウ. ツ ド氏 合金 を注. 入 し たが,家. 兎 鼓 膜 は 菲 薄 な るた め,合 金 の 重量 と熱. (60〜70℃)の. た め 穿 孔 を来 し, 6耳 を用 い たが 全 例. ギ ネ ル注 入 の 速 さに 影 響 され るが,極 め て早 い と きで. 失 敗 に終 つ た.パ. も10mmHg圧. り易 く,細 部 に 亘 つ て 正 しい 鋳 型 を 印象 す る こ とが 出. Hg圧. 以下,徐. 々 に 注 入 す る時 は2〜3mm. 以 下 で あつ た.注 入 後 は第2図. の如 く極 め て 正. 確 に 模 型 鼓 膜 を印 象 し,圧 力 の 影 響 を認 め な い.ウ ッ ド氏 合 金 は 之 に反 し,写 真 に 見 る如 く,そ の 重 量 に よ つ て 極 め て強 い 影 響 を及 ぼ し,前 述 直 径10mmの ラ ス 管 に 約1.2ccの mmHg圧. カ. 容 量 の 合 金 を 入れ た 場 合,約30. に 担 当 す る 模 型 鼓膜 の 膨 隆 を印 象 した.. ラ フ ィ ンは 注 入 後 末 端 部 に 気 泡 が 残. 来 ず,又 周 囲組 織 を破 壊 し な け れ ば 摘 出 す る こ とが 出 来 な か つ た. 次 に死 後 の耳 組 織 が 生 前 の 夫 れ に 比 し如 何 な る変 化 を来 すか を観 察 す る 目的 で,死 後3時 間 後 の 兎 の聴 器 を もつ て,チ ェ ロ イ ンヂ ン切 片 を作 り,,フ. ォルマ リ. ン固 定 脱 灰 チ ェ ロ イヂ ン包 埋 を行 つ た.そ の 結 果 は第. 以 上 の 成 績 は従 来 こ の 種 の 研 究 に使 用 され て い た ウツ. 8図 の 如 く,鼓 膜 形 態 に著 明 な る萎 縮 変 形 が 起 り,生. ド氏 合 金 は,鼓 膜 に 過 大 の 圧 力 を及 ぼ す もの で不 適 当. 体 鼓 膜 と比 較 計 測 が 不 可 能 で あ るば か りで な く,標 本. な もの で あ り,ア ル ギ ネ ル は 鼓膜 に 殆 ん ど圧 の 影 響 を. 全 体 に 第1表 に 示 す如 く5.0〜15.5%,平. 均9.4%の.

(3) アル ギ ン系 印象 材 に よ る生 体 鼓 膜 内 陥 度 の計 測 に 就 い て. 3243. 第1表. 萎 縮 が 認 め られ,チ. ェ ロ イチ ン標 本 で は形 態 学 的 計 測. の不 適 当 で あ るこ と を示 し た. B.. 鼓室 内圧 を変 化 せ し め た と き の鼓 膜 形 態 の観 察. 計 測 す る方 法 を行 つ た.鼓 室 に 陰 陽 圧 を加 え る には, 骨 胞 に 径約1mmの. 孔 をあ け,ビ ニ ール 細 管 を挿 入 し. 歯 科 セ メ ン トで気 密 に封 じ 第9図. の 如 く注 射 器 及 び. に 見 られ る如 く外 耳 道 軸 に対 し略. マ ノメ ータ ー を連 結 して お き,注 射 器 の ピ ス トンを動. 々 平行 に張 つ て い るた め,外 耳 道 よ り詳 細 に観 察 す る. か し て 目的 の圧 を得,そ の 圧 を保 ちな が ら外 耳 道 よ り. こ とは 出来 な い.従 つ て 鼓 室 内圧 を変 化 せ しめ て も,. ア ル ギ ネル を注 入 して 鼓膜 の鋳 型 を得 た.更 に 之 を反. そ れ に よつ て 起 る鼓 膜 の 変 動 を外 耳 道 よ り観 察 す る こ. 覆 す る こ と に よ り種 々な る圧 に 於 け る鼓 膜 の 印 象 を作. とは 出来 な い.圧 に よ る鼓膜 の変 動 を 直接 観 察 す るに. 製 し,直 ち に写 真 に 記 録 した.(第10図). 家 兎 鼓膜 は第7図. は,前 項 に 於 け る如 く骨 胞 骨 壁 を除 去 し外 耳 道 に 鼓 室. 次 で骨 胞 を開 き直 接 鼓 膜 を観 察 しな が ら第11図 の 如. に対 す ると は逆 の陰 陽圧 を加 え て観 察 し な けれ ば な ら. く外 耳 道 に 陰 陽 圧 を加 え,之. な い.著 者 は先 ず鼓 室 に陰 陽 圧 を加 え た場 合 の 鼓 膜 の. 12図).こ れ ら を比 較 観 察 す る と,ア ル ギル ネル は 鼓 室. 形 態 を ア ル ギ ネ ル で 印 象 し,次 で骨 胞 を開 い て 鼓膜 を. 圧 の 変 化 に よ る鼓 膜 形 態 の 変 動 を 忠 実 に 印 象 す る こ と. 直 接観 察 し なが ら,外 耳 道 に鼓 室 内 圧 に 相 当 す る逆 の. が 認 め られ る.. 陰 陽圧 を加 えて その 動 き を写 真 に 記 録 し,両 者 を比 較. を写 真 に 記 録 した.(第. 家 兎 鼓 膜 弛 緩 部 は 圧 に 対 して 非 常 に 抵 抗 が 弱 く,殆 ん どの 例 に 於 て10mmHg圧. 第9図. 起 した. 10mmHg圧. を越 え る と 破 裂 穿 孔 を. に堪 え 然 も種 々 な る圧 に 対 す る. 実 験 を反 覆 し得 た もの は18耳 中 僅 か に3耳 で あ つ た. そ の 計 測 値 は 第2表 に 示 す.計 測 部 位 は 第13図 に 図 示 し た部 位 に つ い て 行 つ た.第13図. に 於 てaは 外 耳 道 鼓. 膜 附 着 部 の 骨 部 を槌 骨 柄 を含 む 面(縦 断 面)の 延 長 上 で 観 察 計 測 し た も の て,所 謂 鼓 膜 横 断 面 上 の 鼓 膜 附 着 部 の骨 部 外 径 を示 す もの で あ る. bは 鼓 膜 仮 想 平 面上 の 所 謂 横 径(槌 骨 柄 を含 む 面 上 の もの を縦 径 とす る)で あ る. Cは 鼓 膜 臍 と鼓 膜 附 着 部 の 距 離, dは 鼓 膜 仮 想 第11図. 平 面 と臍 の 鼓 室 側 との 距 離, d´は 同 じ く鼓 膜 仮 想 平 面 と臍 の 外 耳 側 と の 距 離(所 謂 漏 斗 高), fは 鼓 膜 横 断 面 上 に 於 て鼓 膜 が 加 圧 に よ り動 い た 最 大 距 離 を正 常 時 と比 較 し た もの で あ る. 家 兎 の鼓 膜 は第2表 第3表 如 く,底 面 直 径5.5mm,高 mm,斜. 辺3mmの. に見 る さ1.5. 極 め て小 さ い正. 円 錐形 で,膜 の 厚 さは 極 め て薄 く,.

(4) 3244. 井. 第2表. 第13図. 口. 武. 男. (単 位mm). ダ イヤ ル ゲ ー ジ を以 て し て も正 確 に 計 測 す るこ とは 出 来 ず,肉 眼 で は殆 ん ど透 明 に見 え る位 で,緊 張 部 は割 合強 靱 で あ るが,弛. 緩 部 は2mmHg圧. 以下 で己に. 著 明 の動 き を 示 し, 10mmHg圧. 前後 で殆んどのもの. が 破 裂 穿 孔 を 起 す. 10mmHg圧. に 於 け る弛 緩 部 の膨. 隆 並 びに 内 陥 の程 度 は,第14図. に示 す如 く極 め て著 明. であ るが,ア ル ギ ネル は 斯 の如 き 巾 着型 を な す 部 分 を も正 確 に 印 象 した. 圧 に よ る緊 張 部 の 運 動 は+‑10mmHg圧 て,各 々 前 後 に0.1mm〜0.28mmの. で臍 に 於 動 き を 示 し,且. 鼓膜 縁 と臍 との 中 央 に 於 て も0.1〜0.3mmの. 動 きを. 示 し た.加 圧 時 の 鼓膜 の 動 き を鼓 膜 の 実 写 々 真 と ア ル 第3表. (単 位mm). ギ ネ ル 印 象 と で比 較 す る と,第2表f項 0.00〜0.08mm,平. 均0.04mm.即. 差 に見 る如 く ち ア ル ギ ネ ル を用. い る時 は斜 辺 の全 長 の 実 際 値 に 対 し, 100分 の1.3の 割 合 で誤 差 を認 め るに過 ぎ な か つ た. 考. 案. 外 耳 道 は 複 雑 に 屈 曲 し且 鼓 膜 は 外 耳 道 に 斜 に位 置 し て い るた め に 正 し く正 面か ら観 察 す る こ と は 出 来 な い.従 つ て鼓 膜 の 計 測 は古 くか ら鋳 型 に よつ て行 われ て い るが,生 体 で行 い得 る適 当 な る 印象 材 料 の な い た め,今. 日ま で屍 体 のみ を 対 象 と して 行 わ れ て い た も の.

(5) ア ル ギ ン系 印 象材 に よ る生 体 鼓 膜 内 陥 度 の 計 測 に 就 い て. 3245. で あ ろ う.著 者 の 使 用 し た ア ル ギ ン印 象 材 は,粘 稠性. 型 と鼓 膜 実 写 々真 に つ い て 比 較 した と こ ろ,ア ル ギ ン. あ る泥 状 の アル ギ ン酸 ソ ー ダ製 剤 で,焼 石 膏 と混 ず る. 鋳 型 は 良 くそ の 変 化 を記 録 し て い た.然. と化 学 反 応 を起 して 体 温 で 凝 固 し鋳 型 を得 る もの で,. 陥 度 変 化 の大 き さは,第2表f欄. 生 体 には 何 等 不 快 感 も刺 戟 を も与 え ず,又 生 ゴ ム状 の. よ り0.00〜0.08mm平. 弾 力性 あ る凝 固 物 で あ るた め,鋳 型 を摘 出 す る際 に も. い る.之 れ は(1)ア. 生 体 に全 く苦 痛 を与 え ない もの で あ る.家 兎 に 行 つ た. に 陰 陽圧 を 作用 せ しめ た も の で あ り,鼓 膜 実 写 の 場 合. 実験 に 於 て も,家 兎 の鼓 膜 面 の径 は 外 耳 道 狭部 の2倍. は 鼓 室 に圧 を 加 え た も の で は な く,鼓 室 を 開放 し て 外. あ るに もか か わ らず 容 易 に摘 出 す るこ とが 出来,又2. 耳 道 に前 者 に 相 当 す る逆 の圧 を作 用 せ し め た も の で あ. 節B項. に記 載 せ る如 く,弛 緩 部 が 巾着 型 に 陥 凹 せ る場. るこ と.. (2)ア. し乍 らそ の 内. に 見 る如 く実 写 々 真. 均0.04mm小. さ く現 わ れ て. ル ギ ン鋳 型 の場 合 は正 し く鼓 室. ル ギ ン印 象 材 の 粘 稠 性 及 び 注 入圧 に. 合 に もそれ を 印 象 し て お り,且 之 等 の 操 作 は 生 体 を損. よ り,前 に も述 ベ た如 く2〜3mmHg圧. 傷 す るこ と な く反 覆 行 う こ と が 出来 た.こ れ らの こ. を生 じ得 る こ と及 び(3)ア. と は,こ の 研 究 方 法 が 生 体 に 利 用 し得 られ る 一 つ の優. ロ イ ド物 質 であ るか ら,乾 燥 に よ り誤 差 を生 じ得 るこ. れ た特 性 を示 す もの であ る.ウ ッ ド氏 合 金 は融 点60.5 ℃Cで 生 体 に 利 用 し得 な い .又 パ ラ フ ィ ン も融 点 の関. とが 考 え られ る.特 に 家 兎 鼓 膜 は 第3表 に 見 る如 くそ. 係上 生 体 に 苦 痛 を与 え ず 然 も体 温 で 固 化 す る如 き もの. Hgの. は得 られ ず,家. 2表 の如 く僅 か に0.2mm前. 兎に 融 点45℃. の パ ラ フ ィ ンを用 い た. が,体 温 では 充 分 に 固化 しな か つ た.又 た と え鋳 型 を. の径(b)が5mm前. 前 後 の 誤差. ル ギ ン印 象 材 は 水 溶 性 コ. 後 で あ つ て,之 に 対 し て10mm. 陰 陽 圧 に よつ て 鼓膜 の 移 動 す る距 離(f)は 後 であ るか ら,恐. 第 らく. ア ル ギ ン印象 材 の 僅 か の 粘 稠性 及 び 鋳 型 の極 め て 僅 か. 得 た と し て も弾 力性 な き ため 摘 出 す る こ とは 出 来 な. の水 分 の 蒸 発 に よつ て,僅 か 乍 ら誤 差 が 生 じた も の と. い.ウ ッ ド氏 合 金 及 び パ ラ フ ィ ンは 屍 体 で行 つ た実 験. 考 え られ るが,兎 に 角 ア ル ギ ン印 象 材 は 家 兎鼓 室 内 圧. で も,鋳 型 摘 出に 際 して 外耳 道 を破壊 し な けれ は な ら. の変 動 に よ る鼓 膜 形態 の 変化 を 忠実 に 印 象 す るも の で. ない た め,一 度 鋳 型 に 失 敗 す れ ば,そ の外 耳 道 は 再 ひ. あ る こ と を立 証 して い る.従 つ て 人体 の 鼓 膜 の如 き大. 実 験 に 供 す るこ とが 出来 な い.こ の点 に 於 て も アル ギ. な るもの に つ い て然 も摘 出後 の水 分 の蒸 発防 止 に 充 分. ン印 象 材 は ウツ ド氏 合金 並 に パ ラ フ ィ ンに 優 る もの て. な る留意 を行 つ た場 合 には,誤 差 の 少 な い極 め て正 確 な る印 象 の計 測 を行 い 得 るもの と考 え られ る.. あ る.又 組 織 を 固定 し チ ェ ロ イヂ ンに 包 埋 し た も の は,全 体 に9%前. 後 の 萎 縮 を来 し且 鼓 膜 は著 明 に萎 縮. 以 上 の 実験 の結 果,ア ル ギ ン印象 材 は 生 体 鼓 膜 の計. 変 形 せ るた め,夫 に よ り計 測 され た もの は 真 の計 測 値. 測 に 適 す るの み な らず,そ の 鋳 型 印 象 の 正 確 度 も従 来. と可 成 りの 距 りが あ る.. 屍 体 に行 われ て い た ウ ツ ド氏 合 金,パ. アル ギ ン印 象 材 の 鋳 型 印 象 の 正 確 度 は 既 に歯 科 学 会. ラ フ ィ ン等 よ り. も優 れ た も の で あ るこ と を証 明 す るもの であ る.. て そ の優 秀性 を 認 め られ て い ると こ ろ で,米 国歯 科 医 師 会(A.. D. A.)の. 結. 印象 材 規 格 の 範 囲 内 て あ る.著. 語. 者 の模 型 鼓 膜 に つ い て行 つ た 実験 に 於 て も,ウ ツ ド氏. ア ル ギ ン印 象 材 を用 い,生 体 外 耳 鋳 型 を作 り生 体 鼓. 合 金 は重 量 と 熱 の た め模 型 鼓膜 に著 明 な変 形 を来 した. 膜 を計 測 せ ん と し,そ の 基 礎 的 実 験 を模 型 並 に家 兎 を. が,ア. ル ギ ン印 象 材 は 鼓 膜 面 に 僅 に2〜3mmHg圧. 以下 の圧 を与 え た のみ で,鼓 膜 の変 形 は 認 め られ な か つ た.従 つ て従 来 行 わ れ て いた 屍 体 鼓 膜 に つ い て の 計. 材料 と し て行 つ た. 1.. 厚 さ約0.1mmの. ゴ ム膜 を 張 つ た 模 型 鼓 膜 に. 於 て は,ア ル ギ ン 印象 材 注 入 に 際 し模 型 鼓 膜 に 及 ぼ す. 測 も,ウ ツ ド氏 合金 を持 つ て行 われ た も のは 正 確 とは. 圧 は 僅 か に2〜3mmHg圧. 言 い 得 な い か ら,生 体 の み な らず 屍 体 に 於 て も アル ギ. を得 た.ウ ツ ド氏 合金 は 熱 と重 量 の た め,模 型 鼓 膜 は. ン印 象 材 を用 うベ き てあ る. 又 家 兎 鼓膜 に 就 い て 骨 胞 を開 き直 接 鼓 膜 を側 面 か ら 観察 し,之. を写 真 に 記 録 しつ つ アル ギ ン印 象 材 を外 耳. 道 よ り注 入 し,こ れ を摘 出 した 鋳 型 に つ い て 写 真 を と り,そ の両 者 の写 真 に つ い て拡 大比 較 し た 所 で は 全 く 相 違 を認 め ず,ア. ル ギ ン印 象材 は生 体 鼓 膜 の正 確 な る. 印 象 を行 つ て い た.更 に鼓 室 内圧 を 実験 的 に変 化 せ し め,そ. れ に よつ て 起 る鼓 膜 内陥 度 の変 化 を ア ル ギ ン鋳. で あ り,正 確 な る 印 象. 著 明 な膨 隆 を来 し,正 確 な 印象 を得 られ なか つ た. 2.. 家 兎 骨 胞 を開 き鼓 膜 を側 面 よ り写 真に 記 録 し,. 同 時 に 外 耳 道 に 注 入 して 得 た るア ル ギ ン鋳 型 と比 較 し た所,鋳 型 は 忠 実 に鼓 膜 の 形 態 を 印象 し て い た. 3.. ア ル ギ ン印 象 材 は 同 一 家 兎 に 就 て 反 覆 鋳 型 を得. る こ とが 出来 た. 4.. ウ ッ ド氏 合 金 は 注 入 時 そ の重 量 と 熱 に よ り家 兎. 鼓 膜 を穿 孔 せ しめ,鋳. 型 を得 るこ とが 出来 なか つ た..

(6) 3246. 5.. 井. 口. 武. アル ギ ン印 象材 は家 兎鼓 室 内 に種 々 な る陰 陽圧. 男. 作用 せ し め る と, 18耳 中15耳 に 於 て 弛 緩 部 に 穿 孔 を来. を作 用 せ し め た 場 合 の 鼓 膜 の 変 化 を各 々 鋳 型 に 印 象 す. し た.. るこ とが 出来 た. 6.. 7.. 家 兎鼓 膜 に10mmHg圧. On. the. 以上の陰圧又は陽圧 を. measurement. tympanic. of. the. membrane. す る と全 体 が 萎 縮 す る上 に,鼓 膜 は 著 明 に変 形 す る.. degree. using. Part. 1.. 家 兎 外耳 並 に 骨 胞 を固 定 し,チ ェ ロ イヂ ン包埋. of. retraction. alginate. of. impression. Experimental. the. human. material.. studies.. By. Takeo Department. of. Oto-rhino-laryngology,. Okayama. (Director: The the. present. author,. external. ear. on. phantoms. ments 1. brane was. alginate. 0.1mm. thick,. markedly. On and. 2.. The. taken. from. mold. no. way,. the. pressure. on. contrary, mold of. a. was. membrane made. School. by. making. preliminary. could. the. a. mold. fundamental. of. experi. the. material. the. mold. a. only. phantom. with. 2-3mm. membrane. of. rubber. Hg,. an. the. phantom. mem. accurate. mold swelled. obtained. opened,. the. to. being. alloy,. be. being through. that. introduced. membrane. wood•Ls. rabbit. introducing proved. was. the. with. accurate. by it. Medical. Takahara.). thmpanic. material,. material. tympanumside. obtained. this. Shigeo. human. impression. University. rabbits.. bulla. the. the. impression. the. bony. Professor. measure. alginate and. When. obtained.. to. with. INOKUCHI. the. picture. opening, into. of. and. it. external. represented. the. tympanic. was. membrane. compared. auditory. to. canal. faithfully. the. was. the. alginate. simultaneously.. shape. of. In. the. tympanic. membrane. 3.. With. alginate. 4.. With. wood's. impression. material. several. molds. could. be. obtained. repeatedly. on. one. rabbit.. weight. and 5.. heat,. The. pressures. panic. no. into. 7. celoidin, deformation.. mold. When. in. 15. When. the they. the. the. of. external contracted. the. tympanic. membrane. of. the. rabbit. by. its. obtained. tympanic. membrane. could. Hg. the 18. perforated. external. than 10mm from. out. be. tympanum into. more. it. could of. rabbit•Ls. material. membrane. flaccida. because. deformations. impression 6.. alloy,. external. be. recorded. auditory. at. various. in. molds. negative by. and. positive. introducing. alginate. negative. canal. or. auditory. positive. pressure. canal,. perforation. was. loaded was. on. rabbit•Ls. evoked. at. the. tym pars. ears. ear as. and a. whole. bony. bulla and. the. of tympanic. the. rabbit membrane. are. fixed underwent. and. imbedded a. considerable. in.

(7) ア ル ギ ン系 印 象 材 に よ る生 体 鼓膜 内 陥度 の計 測 に 就 い て 井. 口. 論. 文. 附. 3247. 図. 第2図. ウ ツ,氏. 合 金3ccを. 直 径10mmの. カ ラ ス管 に 注 入 した 時 の 模 型 鼓 膜 の 膨 隆 を 示 す.. 同 し く ウ ッ ド氏 合 金1.2ccを. 注入. し た 時 の 鼓 膜 膨 隆 を 示 す.. ネ オ,ア. ル ギ ネ ル1.2cc注. 模 型 鼓 膜 の 膨 隆 を 示 す.. 第3図. 第5図. 鼓 室 よ り鼓 膜 輸 を含 む 平 面上 に 於 て 鼓 膜 を側 面 よ り写 す 第4図. 同 上 の ネ オ,ア ル ギ ネ ル の鋳 型. 同上 に ネ オ,ア ル ギ ネ ル を注 入. 入時の.

(8) 3248. 井. 井. 口. 口. 論. 武. 文. 男. 附. 図. 第7図. 生前の家 兎の鼓膜. 第10図. 0mm. Hg圧. 時の鼓膜鋳型. 第8図. 同 上 の チ ェ ロ イ ヂ ン切 片. 鼓 室 ヘ‑10mm. 鼓 室 へ+10mm. Hg圧. Hg圧. 時 の鼓 膜 鋳 型. 時 の鼓 膜鋳 型.

(9) ア ルギ ン系 印 象材 に よ る生 体 鼓 膜 内 陥 度 の 計 測 に 就 い て 井 第12図. 0mm. 口. 論. 文. 附. 3249. 図 第14図. 鼓 室 ヘ‑10mm. Hg圧. 鼓 室 へ+10mm. Hg圧. Hg圧. 外 耳 道 へ‑10mm. 外 耳 道 へ+10mm. Hg圧. Hg圧.

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参照

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