議戀 雛 難灘 鑼靆 爨嬲 覊 響 灘 鑽 霧 難韈難 軈繕鑵鑼 雛糶 轢 魏灘 轢
酸素 を 含 む 有機化合物 の 反 応性 と 検 出 反 応
ASANO
H
「to$h
「浅 野 比
山口
東京
理科大学
工学部 助教
SHIRAISHi
Yukihide
白 石 幸 英
山口
東京
理科
大学
工学部 教授
酸 素 を含 む 有 機 化 合 物 は
,
生 物 体 を 構 成 す る物 質の主 成 分 で あ り,
自然 界にも 広く
分 布 する身 近 な化 合 物である。
ア ルコー
ル は,
古 (いにし え)の時 代 か ら人 類 が親 しん で き た有 機 化 合 物 で ある
。
酢 (酢酸 )は,
古 代エジ プト時 代か らあっ たこと が わかっ て お り,
クレオパ トラが真 珠 を酢に溶 か して 飲んだ といわ れ ている
。
本 稿 で は, アル コー
ルとエー
テル, アル コ
ー
ルを酸 化 し て得 られ るア ル デヒ ド・
ケ トン・
カ ル ボ ン酸などにつ い て,
反 応 性 と検出反応 につ いて 述べる。
一
高 校
の化 学
に おい て, 酸 素 を含
む有機 化 合物
の反応性
が 記 載 さ れ る場 面 は,
「銀 鏡 反 応 」,
「フェー
リン グ 反 応 」,
およ び
,
「ヨー
ドホ ル ム反 応 」である。
上 述の反 応 は,
有 機化 合 物
の構 造 決 定
に 重要
だ と して授 業
で扱 う
が, 高 校
生に は複 雑
な 反 応 なの で,
ふつう化 学 反
応式 ま
では取 り
上げ な
い。 ほ とん ど ブ ラッ クボッ ク スと
し
て扱 う定性 反応
とし
て取 り
上げ
ら れている1〕。な
お,
これ らの反応
の解 説
につ い て は, 前
ペー
ジの講 座
に詳
しく紹介
さ れ ているの で.
そ ちら を 参 照 さ れ たい
。
一 方 , 大 学
の有 機 化学
におい て,
ア ルコー
ル,
ア ル デ ヒド
,
ケ トンお よ び カルボン酸
な どの酸 素
を含
む官 能 基
は,
「 あ
らゆ る官 能基
の中
で最 も 一 般 的
で重 要 な も
の」
2〕とし
て紹 介
されており , 事 実 600
ペー
ジ程 度 あ
るテキ ス トの25
% が その解 説
に割
か れて いる。本 稿
では, 身 近
で かつ重
要
な酸 素
を含
む有 機化 合 物
の反応 性
と検 出反 応 を中心
に概 説
し.
これ らの官 能 基
に 関 する人名
反応 ( Name
Reac・
tion
) も 併 せて紹 介 す る。
一
ア ルコ
ー
ル3}と は,
sp3混 成 軌 道
の炭 素
に ヒド
ロキ
シ( − OH )
基 を もつ化 合 物
であ り , 飲 料 , 食 品 , 化 粧 品 , 洗 剤 , 消 毒 , 防腐 剤 , 燃 料
や溶 剤 な
ど, 科 学 的 , 医 学 的 , 産 業 的
にも幅広
い 用 途 をも
つ。
ア ルコ
ー
ル は一
〇H 基
をも
っ た
炭 素
に結 合
してい る炭素 置 換
基の数
に よ り, 第 一
級 第二級お よ び第三級ア ル コー
ル に
分 類
さ れる。 主
な第 一
級,
第二級 および 第三級の ア ルコ
ー
ルの 例 を表 1
に示
す。
2 . 1
ア ルコー
ル の 塩 基性 度
と酸性 度
酸 性
溶 液
中で ア ル コー
ルは プロ トン化
さ れ,
このプロ トン化され たア ルコ
ー
ル分 子
は オ キ ソニ ウ ムイオ ン と呼
ば れる
( 図 1 ) 。
酸素
の原 子 価 軌 道
の一
つ とH +
の
ls
軌道
が重表
1
第一
級,
第二級お よび 第三級アルコー
ルの例。
分類 示 性式 (名称)
第
一
級ア ルコー
ルCH3
CH2CH2
◎H
(1 一
ブタ ノー
ル)第二級ア ルコ
ー
ルCH
・CH
・♀ HCH
・ (2 .
ブ タ .一
,レ)
OH
第三級アル コ
ー
ル♀ H
・CH
・♀ OH
(2 一
メ チ ルー 2 一
プ・ パ ノー
ル)CH3
H
H
.
− 6
、’ ↑ rH ・
=R − 6LH
オキソニウムイ オン
図
1
アル コー
ル と酸の反 応。
84
な
り ,OH 間
で配位 結 合 (
σ結 合 )
が 形成
さ れ る。 一 方 ,
強 塩 基 に 対 してア ルコー
ルはH +
を 失い,
アル コキシ ドイ オン
( RO つ
を生 成
す る。
これ は一
般に水
酸 化 物イ オンよ
り
強い塩 基 性 を 示 す。
ナ トリ ウム,
カ リ ウムの よう なアルカ リ 金 属 や 水 素 化 ナ トリ ウ ム
( NaH )
の よう
なアル カ リ金
属 水 素 化物
との反
応に よっ て ア ルコ キ シ ド を生 成 す
る。 アル カリ金属
との反 応
では,
アル カリ金
属 が酸
化 されて陽
イ オンと なり ,
ア ルコー
ルの一
〇H
基の水 素 が 還 元 さ れ, 水 素 を
発生
す る(
図2 ) 。
ア ルコー
ル とア ルカ リ金
属 とはか な り激 し く 反応
し, R
基の大 き さ が 大 き く なる と反 応 性
はH20
>CH30H
>CH3CH20H
>CH3CH2CH20H
の 順で 減 少 す る
。
2ROH
+2Na
犀 ≧2RO ’ Na +
+
H2
ナ トリウム ア ルコキ シ ド 図
2
ア ル コー
ル と 塩 基の 反応。
2 . 2
アルケ
ンの生 成
アル コ
ー
ルは 強 酸 と反 応 し,
水の脱 離に よっ て ア ル ケ ンを 生 成 す る
。
脱 水 触 媒 と して硫 酸 が しばしば 用い ら れ る。
化 学 と教 育
63
巻2号 〔2D15
年 )第
二級 第
三級
アルコー
ル の脱 水
はE1 ’
i反
応
で行
わ れ る。
℃H
基の脱
離能
は高
くないが.− OH 基
に プロ トンが 付 加 し,
オ キソニ ウムイ オン( R−H20
+)
を生 成
す ること で脱離
能 が 上 がる。
脱水 後 ,
カルボ カ チ オン を形成
し,
プロ トンの脱
離
が起こ りア ル ケンを 生じ る(
図3 ) 。
第
一
毀階 (プロ トン化 と 水の脱 離 〉? H H ・
+♀ H
・CH3CH2CH2CHCH3
;CH3CH2CH2CHCH3
一 捜 CH
、CH
、CH
、6HCH3
カルボ カチ オン
第二段階 (
H +
0)脱離 )り
へ +− H +
CH3CH2CH −CHCH3
律CH
,CH2CH = CHCH
,
図
3
アルコー
ルか らのアルケン の生 成。
カ ルボカチ オンは
不 安 定
で反
応性
が高
い が, 構 造
に よって
相 対 的
な安 定性
が異
なる。 例 え
ば,
メチル カチ オン, 第
一
級,
第二級 お よ び 第三級 カルボカチ オンを 比 較 す る と,
安 定性
はアル キル基の数
に従
い, 第
三級
が最 も高
い。
アルキル
基
が最 も多 く存 在 す
る第
三級
カ ルボカチ オンは,
正電 荷 を も
つ炭 素 原 子
に ア ルキ
ル基
の σ結 合
の電 子 が 引 き寄
せ られ る ことに よ
り .
カ ルボカ チ オン の正電荷
の分散
い わゆ る誘 起 効果
が 生 じ, 安 定 化
さ れる。 ま
た, 正 電荷 を も
つ 炭
素
の空のp
軌道
と メチル基の sp3−
s軌道
(C− H
結 合 ) との重 な り,
いわ ゆ る 超 共 役 が 電 荷 を 分散
させ る 役 割 を 果 たすた め,
メチル 基 が多
い( C − H 結
合 が多
い〉 第
三級カル ボカチ オンが
最 も安 定
と な る。
し た がっ て, 脱水 反応
は 上 述 し た中 間体
の カ ルボカ チ オン の安 定性
から, 第
三級
〉第
二級
〉第 一 級
の順
に起
こり
やす
い。
2 . 3
ハ ロゲ
ン化
ア ルキル の生 成
ア ルコ
ー
ル は酸 性 溶 液 中
で,
ハ ロゲ ン化水 素 ( HX )
と 反 応 し,
ハ ロ ゲ ン化
ア ル キ ルを 生じ る。
ハ ロ ゲ ン化ア ル キ ル のう ち , 水 中
で ほ と ん ど完 全
に 電 離 しているHI ,
HBr
お よ び
HCI
は強酸
で,
HF
は弱酸
である。 酸
性 度 はHI
が 最 も強 く,
アルコー
ル に対
す るHX
の反 応 性 は 酸 強 度 と求
核 性の強 さ に 比 例 してHF
くHCI
<HBr
<HI
の順で大
きく
な る。
ま た,
ア ルコー
ル の種 類
に よっ ても
こ の置換 反
応の反 応 性は
変
わり , 第
三級
ア ルコー
ル がとても高
く、 第
二 級,
第一 級
と反 応性
は弱
まる(
メ チ ル く第 一 級
く第
二級
く第三級くベ ンジル とア リ ル
) 。
2 . 4
ルー
カ ス試 験 ( Lucas
test )
こ の よ
う
に第 一 級
か ら第
三級
アルコー
ル とハ ロ ゲン化 水素
との異 な る 反 応 性 を 利 用 してアル コー
ルの識 別 を 行 う,
ル
ー
カス 試 験( Lucas
test )
が あ る。
室 温で塩 酸 と触 媒
と して添 加
した 塩化
亜鉛
をア ルコー
ル に加
えると, 第
三級
アル コ
ー
ルの場
合, 瞬 時
に白濁
しハ ロ ゲ ン化
ア ル キ ルを 生成
す
るが, 第
二級
アル コー
ル の反 応
は や や遅 く , 数分 後
にハロ ゲン
化
アルキルを生 成す
る。一 方 , 第 一 級
アルコー
ルは室 温ではハ ロゲン
化
ア ルキルが生 成
さ れ ず, 加
熱 に よっ て 反 応 が 進行
す る。
2 . 5 SNI
とSN2
反 応ア ルコ
ー
ル の反応 性
の差
は,
ハ ロ ゲ ン化
ア ル キ ル の生成
過程 ,
反応 機 構
の違
い に起
因 する。第
二級 第
三級ア ル コー
ルは, 脱 水 ,
カル ボ カ チ オンの形成
を経
て起
こ るSNI
反 応*2で進 行 す る。
図4
に一
例 と して,
第二級ア ルコ
ー
ル のハ ロゲン化 反
応 を示 す 。
ア ルコー
ルは プロ トンと反 応し
,
プロ ト ン が付 加
した ア ルコー
ル が生成
する。
次に水
の脱 離
によっ て カ ルボカチ オンが 生成
す る。
さ ら にカル ボカチ オンはハ ロゲン化 物
イ オンと結
合 してハ ロ ゲン化
アルキルを 生
成す
る。
(
。,、)
、CH
。 ,些 ( CH
、)
、CH 鮎
,、− H20 + X −
=
( CH3 )
2CH =( CH3 )
2CHX図
4
第二 級アルコー
ルのハ ロゲン化ア ルキル の生成 (SN1
反 応 )。
一 方 , 第 一 級
アルコー
ル はSN2
反応 “
3で
置 換
す る(
図5 )
。 プロ トン と反応
した第 一 級
アル コー
ルは,− OHz
+基の
あ
る炭 素
の反 対 側
か らハ ロゲン化 物
イ オン の攻
撃 に よ り,
高い エ ネル ギー
を もつ遷 移 状 態 と なる。
その後,
水 分子 が 追い出 され
,
立 体 配 置 が 反転
したハ ロゲン化
ア ルキル が 生 成す
る。
鑽
・ 些ゾ 窺
H
H
x ’一
黔 詐劃 一 駄
ゆ図
5
第一
級ア ル コー
ル のハ ロゲン化ア ルキル の生 成( SN2
反 応) 。
第
三級
ア ルコー
ルはHX
で比 較 的 容 易
にハ ロゲン化
アルキ ル を 生
成
する が, HX
との反 応 性 に 乏 しい第一
級 と 第二級
ア ルコー
ル に対 するハ ロゲン化 物 生 成 試 薬 に は, HX
以外
に塩 化チ オニ ル( SOCI
,)
と 三臭
化 リン( PBr3 )
が あ る。 SOCI2
とPBr3
は一
〇H
基 より
も 脱離 能
に優
れ る一
〇SOCI
と一
〇PBr2
を そ れ ぞ れ 形 成 し,
CIT
やBr 一
の
求 核 試 薬
の背 面 攻 撃
に よっ てハ ロゲン化
ア ルキルを 生成 す
る。2 . 6 ウ
ィリア ム ソ ン〔 Williamson )
エー
テル合 成
ア ル コキ シ ドとハ ロゲ ン化ア ル キル との
SN2
反 応 に よっ てエー
テ ルを 合 成 する方 法 はウ ィ リァ ム ソ ン( Wil 一
化学と教 育 63巻2号 (2et5 年 )
85
鸚 鑠鏘 蠶 鑠離難鑿糶難轢 嬲糶雛鑠獵 難爨灘灘 攤糶钁鑞 鑠 聽飜 靆纏 難覊 戀霾韈 糶韈鑿 鱗鑼 鑼攤 鰹懇難鑞 難鑾灘驪 鑞 爨鑼 轗 饑轢 鑾 攤 鑠 鑼 鏃饑韈 爨韈難蠶攤 雛懿 離韆糶 鑪 灘
liamson )
エー
テル合成 (
図6 )
と呼
ば れ,
ハ ロ ゲン化 アルキルがメチル ま た は
第 一
級の と き に 収率
よ く得 ら れ る。
第
二級
と第
三級
の ハ ロ ゲン化
ア ルキルはア ルケンを 生成
し,
ハ ロ ゲン化 ア リー
ル とハ ロ ゲ ン化
ビニ ル はS
]2
反 応 を 起こさ ない。
も
つ化 合 物
で, sp2 混 成 炭 素
がσ結 合 と
π結合
で酸 素 原 子
と結 合 して で き てい る。
カ ルボニ ル化 合 物
と し て は,
ア ル デヒ ド,
ケ トン,
カルボン酸
エ ステル,
ア ミ ド,
エ ノン
,
酸 無水
物や酸 塩 化 物 が ある (表 2 ) 。
表 2
カ ル ボニ ル化合物
。
RO ’
+
R 国 一 X
→RO − R1
+X − RO ’
:
CHs ,
第一
級,
第二級,
第三級 またはAr
ア ルコキシドイオン
R ’ ・ X
:CHr
ま た は第一
級ハ ロゲン化 アルキル図
6
ウ イ リアムソ ンエー
テ ル合
成。
化 合 物 ア ルデヒド
ケ
ト
ンカルボン酸 エ ステル
アミド
・ 造
轟 み み み 蜥
一
般式 RCHO RCORI RCOOH RCOOR’
RCONR’
R’ 「
化 合 物 エノン 酸 塩 化 物
・造
謁 み 毳
R
「
酸 無 水 物
これ は 求 核 攻 撃 を
受
け る 部 位 が 立 体 障 害 によ りSN2
反 応 が 進行
しにく く , E2
*4の反
応性
が高 く
な る た めで あ る。
し
た がっ て,
ハ ロゲン化
アルキルのSx ・ 2
の反
応性
は第
三級
く第
二級
く第 一 級
く メチル の順
に大 き くな り , E2
の反 応性
は逆 と
な る。
メ チルt 第 一 級 t 第
二級 , 第
三級 ,
アリル
,
ベ ンジル のアル コ キシ ドで あ れ ばアル コキシ ド に制 限
が な く
,
エー
テル を 得 られ る。
アル コー
ルを 脱 水 して得 られるエ
ー
テル は 対 称工一
テル と な る が,
ウ ィリア ム ソ ンエ
ー
テル合 成 法
では非 対称
工一
テル が得
ら れ る た め有
用であ
る。2. 7
アル コー
ル の酸化
アル コ
ー
ルは酸
化 さ れて,
アルデ ヒ ド,
ケ トン,
カルボン酸になる
。 第 一
級ア ルコー
ルは酸
化 さ れて アルデヒ ド,
さ ら に
酸 化
さ れ カ ルボン酸
が生 成す
る。 第
二級
ア ルコー
ルは ケ ト ン に な る
。 第
三級
ア ル コー
ル は ほとん ど酸 化され ない
。 第
三級
アル コー
ル は塩 基性 条 件
では 酸化
さ れず ,
酸性 溶 液 中
で脱 水 後 ,
生 成 したアルケンが 酸化
さ れ る。
酸 化 剤 と して塩 基 性 過
マ ン ガ ン酸
カ リ ウ ム( KMnO4 ) , 熱 濃 硝 酸 ,
クロ ム酸 ( H2CrO4 )
の硫 酸 溶 液 ,
ニ クロム酸
ナ トリ ウム( Na2Cr207 )
の硫 酸 溶 液
ピ リ ジンや ピ リ ジンと塩
酸 と 錯 形 成 し た 三 酸 化 クロ ム (
CrO3
) な ど が 用い ら れ る。
特に
CrO3
系の酸 化 剤 は,
第一
級アル コー
ル の酸 化 をアルデ ヒ ドで止 め ること ができ
,
さ ら にカル ボン酸 まで酸化 す
るこ と は ない
。
その他の ア ル コ
ー
ル の反 応 と して,
カルボン酸 ま た は カルボン酸
誘 導 体
を 酸触 媒
と加 熱 す
る とエ ス テ ルが 生 成す
る。 こ の反
応において, 第
三級
ア ル コー
ルはア ルケンを 生じや すい。
第
二級アルコー
ル は濃硫 酸
で処 理 する と ア ルケンを 生 じる
。
また,
硝酸
エ ス テル,
リン酸
エ ス テ ル,
硫酸
エ ス テルお よ びス ル ホン酸エ ス テル な どの 無 機エ ス テル も アル コ
ー
ル と 無 機 酸 との 反 応 によっ て生 成 さ れる。
硝 酸エ ス テル は 心 臓 病の薬 と して,
リン酸エス テルは 生 化学
に おい て
特
に 重 要であ る。
R
。
人
゜
郎
一
lllt
一カ ルボニ ル
炭 素
の σ結 合
は平 面
上にあ り , 結 合 角
は約 120 °
であ
る。
σ結 合
や特
にπ結 合
の電 子
は電 気 的
に陰性 な
酸 素 に 引 き寄せ られている た め, 酸
素は負
に分 極 してお り 求 核 的であ る。一
方,
カ ルボニ ル基の 炭 素 は 正 に 分 極 し,
求核
試薬
と反 応 す る。
カル ボニ ル 化 合 物の反 応 は 主 にこの結 合 極 性
の結 果
生じ
る( 図 7 )
。 カル ボニ ル化 合 物
は,
工業 的 ,
生物 学 的
にも重 要 な役 割
を果
たし
てい るも
のが多
い。卜
α ・
+
= R 撃
t/ ’ R ’
丶_
驫 ・譲.
繭。
醤
結r
。鞠
図
7
カ ル ボニ ル基の電子 構 造。
3 . 1
ア ルデ ヒ ド, ケ
トン の反 応 性
付 加 反 応
に お け るア ルデヒ ド,
ケ トン の反 応性
は, 正
に 分 極 す るカルボニ ル基の炭 素の極 性の 度 合いに よっ て支 配 さ れ る。
カルボニ ル基 はカルボニ ル 基の炭 素 に 隣 接 す るア ルキル基の 電 子 供与
性 に よっ て安
定 化 さ れ る た め,
反 応 性は ケ トンく アル デヒ ドくホルム アルデヒ ドの 順で
,
アルキル基 を もた ない ホル ム ア ルデヒ ドが 最 も反 応 性 に 富 む
。
ま たt カルボニ ル基 に 直結 す
る 基の大 き さが 大 きい場
合,
立体
障害
に より
反 応 性 が 乏 しく
な る( 図 8 ) 。
O
O
O
lt tt lt
CH3
(CH2
>2CCH2CH3 くCH3
(CH2
)2CCH3 くCH3
(CH2
)2CH図
8
ケ トン,
アルデヒ ドの反 応 性。
3
カルボニ ル化合
物86
カ ル ボニ ル化
合 物
は剛 炭 素 一 酸 素
二重 結 合 ( C = 0 >
を3 . 2
アルデ ヒ ド,
ケ ト ン の 水 と の 反 応ア ルデヒ ド
,
ケ トンは水
と反 応 して ジ オー
ルを 生 成 し,
ア ルコ
ー
ル と反
応し てヘ ミ ァ セ ター
ル,
ケ.
ター
ルを 生成
する。 い
ず
れも酸
また は塩 基
を触 媒
とした求 核 付 加
反応
で,
化 学 と教 育
63
巻2号 (20t5
年 )驪
駿 叢隔
撥鷹r 距
ぼ
讙
雛繋鑼 飜鬱 雛鑿鑿 鑾鑾鑾鏘難雛雛鑿 韈難纏織靉灘 鑞難韈鸚覊轢 攤難覊爨鑠灘 饕灘讖糶鑞 蠶鑽 灘灘 鑠鍛難獵 爨簸難韈 韈 鑼 爨灘 鑠 鑼綴 蠶箋難鑠鏤韈韈爨 灘 籤灘難難 鑠韈籤懿雛雛鑠 鑾灘
カルボニ ル
酸 素
にプロ トンが付加
し,
カルボニ ル炭 素
を水
ま た はア ル コー
ルが攻 撃す
る( 図 9 ) 。
♀ H
・9H
RCR
+H
・O
ニR ♀ R
OH
ジ オ
ー
ルo R ’ OH ・ OR ’ R ’ OHI
OR ’
II
H +
l
H +
I
RCR
===RCR
コRCR
宦
1
0H
OR ’
ヘ ミ ア セ タ
ー
ル ア セ ター
ル図
9
ア ル デ ヒ ド,
ケ トンか らのジ オー
ル,
ヘ ミアセ ター
ル,
アセ タ
ー
ル の生成。
3. 3
ア ルデ
ヒ ド,
ケ トン の シ ア ン 化 水 素 と の 反 応シ ア ン
化 水 素 ( HCN ) も水
やアル コー
ル と 同 じ よう
にアル デヒ ドや ケ トン に
対
し, 求核 付 加 反
応 を 生じ,
シ ァ ノヒ ドリ ンを 生 成
す
る( 図 10 > 。
シ ァ ノ ヒ ド リ ン は有用
な合 成 中 間体
であ り , CN 基
を加 水 分 解
して カ ル ボキシ ル基 やエ ステル
基
にでき
る。 ま
た.
シア ノ ヒ ド リン の一
〇H
基 は 通 常の ア ルコー
ル の一
〇H
基 よ り は る か に 反 応 性 が 高く ,
ア ンモ ニ ァで
置
換 さ れア ミノ基 を生 成 す る。
この性質
はア ミ ノ酸の合 成に利 用されている。
♀ CN − ♀ H
RCR
+HCN
=RCR
I CN
シ ア ノ ヒ ドリン 図
10
ア ル デ ヒ ド,
ケ ト ンの シア ン化 水 素との反応。3 . 4
アルデ
ヒ ド,
ケ トン の 還 元水 素 化 ホ ウ 素 ナ
F
リウム (NaBH4 )
や水 素 化アル ミニウム リ チ ウム
( LiAIH4 )
を 用い る ことで,
ア ル デ ヒ ド や ケ トンを還 元
し,
ア ル コー
ルを生 成 す
る こと
がで き る。 NaBH4
の ホウ素
は水 素
よ りも
電気 陰性
度 が 小 さい た め, B − H 間
は水 素
が負 電 荷 を帯
び,
分極
してい る。 ( LiAIH
,の ア ル ミニ ウ ム
も
同様
であ
る。)
この よう
に負
電 荷 を もつ水 素
の陰 イ
オン,
ヒ ドリ ド( H う
がカルボニ ル炭 素
を攻 撃
する(
図fl )
。 こ れ ら金 属 水 素 化 合 物 は1moi
あ た り4
moi の
水 素 を も
ち, 各水 素 (
ヒ ド リ ドイ オン)
がカルボニル基 を 還 元で き る
。 第 一 段 階
で カル ボニ ル基の還 元
を行
ぐ 守
:〒
:9
:R − C − R
+H − B
一H − R − C − R
+BH3
\ 一 礁 l A
図
11BH4 一
に よ る アルデヒ ド
,
ケ トンの 還 元。
い
, そ
れ を水
や酸
で処理 す
る ことで ア ルコー
ルが遊 離 す
る( 図 12 )
。 ア ル デ ヒ ドの場 合
は第 一 級
ア ルコー
ル,
ケ トンの
場 合
は第
二級
アル コー
ルを生 成
す る。LiAIH
,は 強力
な 還 元 剤で カルボ ン酸 やエ ス テル な ど も 還 元 す る。一
方, NaBH
‘は穏
やか な 還 元剤
で,
エ ス テ ル の還 元は非 常
に遅
い ため
,
アルデヒド
や ケ トン の カ ルボ
ニ ル基
のみを選 択 的
に 還 元で き る。第 一
段階 (
ヒ ド リ ドイ オ ン に よるカ ルボニル基の還 元 )・
R9 ,
.L
、AIH
、 , 、、A 楓
第
二 段階 ( 水や酸
に よるア ル コー
ル の遊
離 )0 − OH
R と HR
・H
+一
一R ( 1 HR
図
12
LiAIH
,に よ るア ルデヒド,
ケ トンの還 元。3. 5
アルデ
ヒ ド, ケ
ト ン の グ リニ ヤー
ル( Grignard ) 試
薬 と の 反 応グ リニ ヤ
ー
ル( Grignard ) 試 薬
と は有 機
マ グネ
シ ウ ムハ ロ ゲン
化 物 ( R − MgX )
で,
ジエ チルエー
テ ルを溶 媒
とし て金 属マ グ
ネ
シ ウ ム と有 機
ハ ロゲ ン化 物の反応
に よ り合成
され る。
グ リニ ヤー
ル試
薬は,
炭素 一
マグ ネシウム間 におい て 電
気
陰性 度
の大
きい炭素
がマグ ネシ ウムか ら電 子 を
ひ きつ けている た め, 結 合
の極 性
が高
い。し
た がっ て,
グ リニ ヤー
ル試 薬
とア ルデヒ ド,
ケ トンと反応
は,
カ ルボニルの カルボ カ チ オンが グ リニ ヤ
ー
ル試 薬
の求 核 性
の炭 素
によ
り攻 撃
され,− MgX
が酸 素
に付 加 す
る。そ
の後 , 水
や酸
で処 理 する ことで ア ル コ
ー
ルを得
る ことが できる(
図13 ) 。
グ リニ ヤ
ー
ル反 応で は,
ホ ル ム ア ルデヒ ド で第 一 級
アルコ
ー
ル, 他
の ア ル デ ヒ ドで第
二級
ア ル コー
ル,
ケ トンで第三
級
ア ルコー
ルが 生 成 さ れる。
グ リニ ヤー
ル反 応 は複 雑
な炭
素骨
格 を もつ ア ルコー
ル の合 成 方法
と して優
れて い る。
■ JS−
−−
+
く 爺
: . 5+:
〒
:MgX
即(
i
’H
R −
9 妙 MgX
→R − 〒 −R
『R − 〒 騨 R
R ’
R ’
図
13
グ リニ ヤー
ル試 薬と アルデヒ ド,
ケ トンの反 応。
3 . 6
ア ルデヒ ド,ケ
トンの アンモニ ア お よび
ア ミ ン との反
痞
アミ ンはア ルデヒ ドや ケ トンの カルボニ ル
基
に求核 試 薬
と して働 き, 付 加 一
脱離
反 応 を 起こす 。
こ の反応
は ごく微
量の酸によっ て触 媒
さ れ, C = N 基
をも
っ た イミン( R
,C
=
NR ’
) を 生 成 する
。
イミ ン の生成
で は,
まず ,
ア ミンが カルボニ ル炭 素
に付 加
し た後 , 窒 素
か ら プロ トンが失
わ化 学 と教 育 63巻2号 〔2015年 )