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令和2年度 東京都内湾水生生物調査 1月鳥類調査 速報

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Academic year: 2022

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(1)

令和 2 年度 東京都内湾水生生物調査 1 月鳥類調査 速報

●実施状況

令和 3 年 1 月 13 日に鳥類調査を実施した。天候は晴れで、気温 7.3~11.2℃、北寄りの風、風速 1.5~

3.3m/sec であった。調査当日は大潮で、干潮が 11 時 06 分(105cm)、満潮は 16 時 21 分(188cm)であっ た(気象庁のデータ)。各地点の概況を下表に示す。

お台場海浜公園 森ヶ崎の鼻 葛西人工渚(東なぎさ) 作業時刻 9:05-10:25 10:45-11:34 12:18-13:21

天候 晴 晴 晴

気温(℃) 7.3 9.5 11.2

風向 北 北 北西

風速(m/sec) 1.5 2.5 3.3

備考 鳥の島(南・北の両側) に人の立入りがあっ た。

潮が高く、干潟の干出は とても少なかった。

干潟の干出は少なく、潮が 満ちるのも早かった。

●主な出現種等

お台場海浜公園 森ヶ崎の鼻 葛西人工渚(東なぎさ) 数が多かった

鳥類上位 2 種

カワウ(549 羽) コガモ(62 羽) カンムリカイツブリ(2203 羽) スズガモ(280 羽) スズガモ(31 羽) スズガモ(1069 羽) 備考 ・重要種として 5 種を確

認。(ウミアイサ、オオ バン、イソシギ、トビ、

ノスリ)。

・第六台場と鳥の島で カワウの営巣が始ま っていた。アオサギは 飛来を確認したが、営 巣は見られなかった。

・スズガモなどカモ類の 群れとオオバンは、主 にお台場海浜公園の 東側水面に浮いてい た。

・第六台場の樹上でノ スリが休息。同一と思 われる個体を鳥の島 でも確認。

・重要種として 4 種を確 認 。 ( オ オ バ ン 、 イ ソ シ ギ、ミサゴ、トビ)。

・干潟は狭く、アオサギや ユリカモメ、カワウが休 息。

・マガモ、コガモが護岸で 休息。オナガガモ、ホシ ハジロ、キンクロハジロ は調査地南端に集まっ ていた。

・護岸でイソシギ、ハクセ キ レ イ 、 タ ヒ バ リ が 採 餌。アオサギが構造物 上で休息。

・ミサゴは最大 2 羽で、上 空飛翔のほか、杭にと まり休息した。

・重要種として 8 種を確認。

( コ サ ギ 、 ク ロ ツ ラ ヘ ラ サ ギ、シロチドリ、イソシギ、

オオセグロカモメ、ミサゴ、

トビ、カワセミ)。

・干潟でクロツラヘラサギ、

カワウ、セグロカモメが休 息。シ ロチドリが採餌・休 息。イソシギは採餌してい た。

・カワセミが干潟の水たまり でホバリングをくり返してい た。

・沖合にカンムリカイツブリと スズガモ の群れが休息。

ハジロカイツブリの群れが 潜 水 採 餌 を く り 返 し て い た。

・ミサゴが沖の杭で休息の 他、東なぎさ上空を飛翔。

(2)

●出現種と個体数

合計 沖合合計

合計 沖合合計

合計 沖合合計

合計 沖合合計

合計 沖合合計 1カモカモ4 222 3118 4254117141488101012223811165369336 510 6117 7コガモ26662 8119 97 102211222802803110691069 11ウミ33DD 1211NT 131313622032203 141453030 1546481955411514934181911166797252211057105777976180757149972461135791693823752424985154931616 16ペリサギ33NTCR 172CR 18119121141411567114171118292951625201535113317282424251261866 1911215151113112133319252511199VU 20ウサ314111NTVU 21415113131442774444VU 22トキヘラ1122国内ENCR 23ツル1122NTCR 2411251824VU 25ケリ11DDVU 262VU 271662122VU 2822323246462121VUVU 29シギ33VU 30ウシ1111VU 31222233CR 3211NT 33116VU 3422VU 351111110111222751231121342217210511VU 36ウネ33NT 37112259999282817147147 38ウミ119102155257516144673567844369074151322582159028056336 391311123224 4029677616363361193254111676711NT 4157VUEN 4211 431 44タカ111122113222123NTEN 45タカトビ11551151111221133211NT 4611EN 47ッポウソ11VU 48ウゲンボ1EN 4911311131111234221114263 50211 65691414414477101213515377101416719758111216317761216191261601930 ※種の分類・配列は「日本鳥類目録 改訂第7版」(日本鳥学会,2012)に従った。 A: *1文化財保護法: *2種の保存法: 国際:国際希少野生動植物種 国内:国内希少野生動植物種 *3環境省レッド VU絶滅危惧Ⅱ類、NT準絶滅危惧 http://www.biodic.go.jp/rdb/rdb_f.html . 2020年. 環4次. *4東京都RDB2013区部) CR:絶滅危惧IA類、EN絶滅危惧ⅠB類、VU絶滅危惧Ⅱ類、NT準絶滅危惧、留:留意種、D情報不足      東京都環境局自然環境部. 2013年. 東京都の保護上重要な野生生物種(本土部)~東京都レッドデータック2013年版.

計 10目14科50

7月 葛西人工渚(東な)9月 お台場海浜公園 森ヶ崎の 葛西人工渚(東な) 種名No.

令和2 森ヶ崎の

お台場海浜公園8月 お台場海浜公園 重要種 選定基準 文化財*1 保護法種の*2 保存法

環境省*3 RL 2020 鳥類 東京都*4 RDB 2013 区)

森ヶ崎の

葛西人工渚(東な)1月 お台場海浜公園

令和3 森ヶ崎の

葛西人工渚(東な)10月 お台場海浜公園 森ヶ崎の

葛西人工渚(東な)

(3)

<お台場海浜公園>

○調査地点の状況

第六台場・鳥の島ではカワウが営巣を始めていた。

〇出現種(カワウ、アオサギ)

カワウの営巣が始まり、第六台場で 339 巣、鳥の島で 25 巣、合計 364 巣を確認した。昨年 1 月の合計 188 巣に 比べて多いが、ヒナの鳴き声はわずかしか聞かれなかった。カワウの卵を捕食するハシブトガラスが第六台場で 確認された。これまで混み合った藪になっていた第六台場北東側の林床が明るく開けており、カワウが地面に降 りて巣材を採取していた。アオサギは第六台場の樹林で 25 羽が確認された。

海上を飛ぶミサゴ

〇出現種(ノスリ)

第六台場の樹上にとまる 1 羽が見られ、

後に同一個体と思われる 1 羽が鳥の島か ら南方向に飛び去った。本種は東京都レ ッドリスト(2010)で絶滅危惧ⅠB 類(EN)

に指定されている。

〇出現種(スズガモ、ウミアイサ)

カモ類は主にお台場海浜公園東側の海上で休息していた。ウ ミアイサはメス 3 羽が一緒に行動していた。本種は東京都レッ ドリスト(2010)で情報不足(DD)に指定されている。

スズガモ ウミアイサ

抱卵中のカワウ カワウの卵をくわえたハシブトガラス

(4)

<森ヶ崎の鼻>

〇調査地点の状況

最大干潮時刻だが、干潟は狭かった。

〇干潟利用状況

最大干潮時にもかかわらず、干潟はわずかに干出したのみであった。カワウとユリカモメ、カルガモ、アオサ ギが降りていたが、いずれも目立った動きがなく、休息していた。トビが低空で干潟上を飛翔することがあっ たが、他種との干渉や行動の変化は見られなかった。

〇出現種(カモ類)

9 種のカモ類が確認された。ここに挙げた水面採餌ガモは留鳥のカル ガモを除いて主に冬鳥として飛来し、海岸や河川、湖沼などに生息す る。多くは護岸で休息していたが、ハシビロガモは上空を飛翔する個体 が確認された。

〇出現種(ミサゴ)

主に魚類を捕食するタカ類で、

海岸や河川など水辺に生息す る。魚を持って杭にとまる 1 羽が 確認された。本種は環境省レッド リ ス ト (2020) で 準 絶 滅 危 惧 種 (NT)、東京都レッドリスト(2010)で 絶滅危惧種ⅠB 類(EN)に指定さ れている。

マガモ(オス)

ハシビロガモ(メス) コガモ(上:メス、下:オス)

カルガモ

カワウ(左)とユリカモメ(右) アオサギ

トビ

(5)

<葛西人工渚(東なぎさ)>

〇調査地点の状況

干潟は狭く、満ち潮により徐々に狭まっていった。

〇干潟利用状況

わずかな干潟で休息するクロツラヘラサギやカワウ、アオサギのほか、採餌するコサギが見られた。コサギ は東京都レッドリスト(2010)で絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定されている。

〇海面の状況

東なぎさの沖合にカンムリカイツブリとスズガモの群れが浮いていた。

西側の地点より南西方向を見る

〇出現種(シロチドリ、イソシギ)

シギ・チドリ類では干潟で採餌・休息するシロチドリと、採餌 するイソシギが確認された。イソシギは環境省レッドリスト

(2020)で絶滅危惧Ⅱ類(VU)、東京都レッドリスト(2010)で 絶滅危惧Ⅱ類(VU)、イソシギは東京都レッドリスト(2010)で 絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定されている。

〇出現種(カワセミ)

干潟の水たまりでホバリングを繰り返 した後、水際のヨシ原で休息する 1 羽 が見られた。本種は東京都レッドリス ト(2010)で絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定 されている。

カワウ

アオサギ

クロツラヘラサギ

コサギ イソシギ

カンムリカイツブリとスズガモ シロチドリ

(6)

<その他>

○ウミネコの繁殖

令和 2 年 7 月の調査で繁殖を確認した構造物上では、今回ウミネコの生息および繁殖は確認されなか った。

<トピックス>

-2 羽になったクロツラヘラサギ-

葛西人工渚で、東なぎさ南東端付近の干潟で休息し、後に飛翔して杭にとまる 2 羽のクロツラヘラサギが見 られた。1 羽は風切羽全体が白色であるが、もう 1 羽は先端に黒色部があり、若い個体と考えられる。本種 は種の保存法で国内希少野生動植物種、環境省レッドリスト(2020)で絶滅危惧ⅠB 類(EN)、東京都レッド リスト(2010)で絶滅危惧ⅠA 類(CR)に指定されている。葛西人工渚で時折観察されるが、ほとんどが単独 での出現であり、過去の調査では平成 15 年度のみ 2 羽の記録がある。中村ら(2010)は、2004-2010 年の 記録のほとんどが 1 羽であり、2005 年 11 月に 2 羽、2008 年 7~9 月に 3 羽飛来したことを報告している。

引用文献

中村忠昌・大原庄史・田森夏奈・恩田幸昌・田邊祐介,2010.葛西臨海公園・葛西海浜公園におけるクロツ ラヘラサギの飛来傾向について.日本鳥学会 2010 年度大会講演要旨集.p.193.日本鳥学会 2010 年度大 会事務局,船橋.

ウミネコが営巣していた構造物 砂川運河にかかる京葉線の高架

風切羽先端が黒色で、若い個体と考えられる

参照

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