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学位論文題名Assimilation of Velocity Data intoa Rankine Vortex Model

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Academic year: 2021

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(1)

博 士 ( 理 学 ) 若 松

  

    

学位論文題名

Assimilation of Velocity Data intoa     Rankine Vortex Model

(水平流速データの

Rankine Vortex

モデルヘの同化)

学位論文内容の要旨

    

゛ 海 洋 表 層 に 見 ら れる 、 数

10 km

か ら 数

100km

程度 の 空 間 ス ケ ー ル 持つ 中規 模渦は熱や淡水、渦度などの海洋循環の状態を決める重要な物理量の運搬及び混合に対し 重要な役割を担っていると考えられており、その空間的構造や時間変動をモニタすること が必要であると考えられている。

    

本研究では予め仮定した海洋循環モデルを観測データに対し最小二乗法的に投影 し、連続的な循環場を再構成するデー夕同化手法を用いて中規模渦が卓越する水平流速場 の時空間方向の連続的な流速場の変動を推定する方法の開発を目的とする。本研究で提出 された新しいデー夕同化手法は随伴法を基礎としており、この随伴法をRankine Vortex モデルヘ適用することにより開発された。Rankine Vortex モデルは、準地衡流力学に対 して渦の構造を仮定することにより導出される近似モデルで、渦の卓越する場を再現する のに必要なモデルの持つ独立変数の数を元の支配方程式に対して大幅に少なくできるとい う特徴がある。デー夕同化では一般に、モデルの持つ自由度に対する同化する観測数が少 ないことが大きな問題となっているため、このような単純な構造を持つモデルを同化へ応 用することで場の推定を少ない観測数の場合にも可能にする可能性があると考えられる。

本研究ではこの手法の性能を一連の数値実験により確かめた。

    

数値実験ではまず準地衡流数値モデルを用いて、デー夕同化で用いられる観測デ ータを 観測 するための 真 の解を作成した。初期値には異なる符合で同じ強さの循 環を持つ渦対構造を与え、約

45

日間の積分を行った。この 真 の解に対し、観測領域 内に展開した水平流速計から構成される、異なる解像度を持つ2 種類の観測網を設定し、

各々の観測点において流速データの時系列を取得した。観測網のうちーっは 真 の解に 与えた渦の半径と同程度の測点間隔を持ち、もうーっは渦の直径と同程度の測点間隔を持 つ。この観測データに対し、

Rankine Vortex

モデルを用いて作成したデー夕同化手法を 適用し、 真 の解に含まれる渦構造の復元を試みた。ここでは渦の構造を予め仮定した ことにより同化の性能が向上するかどうかを調べるために

Rankine Vortex

モデルが導出 された元のカ学である準地衡流方程式に対しても同様の同化手法を作成し、比較した。

    

実験の結果、次の点が明らかになった。観測網の解像度が、渦の半径と同程度の

(2)

場合には、

Rankine Vortex

モデルを用いた同化手法と、元の準地衡流モデルを用いた同 化手法はどちらも 真 の解に存在する渦対構造の構造を復元することができた。しかし、

観測網の解像度が渦の直径と同程度の場合には、

Rankine Vortex

モデルを用いた同化手

法のみが渦対構造の再現に成功することが示され、同じカ学から導かれた同化手法にもか

かわらず、予め渦の構造を仮定することで、より粗い空間分布を持つ観測網に対して場の

推定が可能になることが示された。また、Rankine Vortex モデルの特徴として、予めモ

デルが再現する渦の数を定めなければならないという制限があるが、同化により再現しよ

うとしている渦の数が未知の場合でも、初期推定値として予想される渦の数よりも十分大

きな数の渦を予め分布させておくことで、目的とする渦構造を再構築できることが示され

た。

(3)

学位論文審査の要旨 主査

副査 副査 副査 副査

教授 教授 助教授 教授

播磨屋 浦上 見延 池田 金成

敏生 晃一 庄士 郎

元美 (大学 院地球環境科学研究科)

誠 一 ( 北 海 道 大 学 名 誉 教 授 )

    

学位論文題名

Assimilation of Velocity Data intoa     Rankine Vortex IVIodel

( 水 平 流 速 デ ー タ のRankine Vortexモ デ ル へ の 同 化 )

    水 平ス ケ ー ルが 高 々200キ ロメ ー ト ルの 海 洋 中規 模 現 象 を限 ら れ た観 測 点数の データ から推定 するの は極めて 困難であ り、ま た、こう した変 動場を記 述しう るほど の高解 像度の観 測網を 構成する ニと自体 、現状 では不可 能に近 い。この ような 状況の もとで は、こう した中 規模現象 の変動場 をなる べく少な い観測 点数のデ ータに よって 記述し うる同化 モデル は極めて 重要な解 析手段 となる。 しかし ながら、 中規模 場は、

ロスビ ー波と孤 立渦が 卓越した 場と考え られ、 従来の差 分モデ ル型の同 化手法 では、

場の再 現が難し いとぃ う問題が ある。

    著 者は 、 一 様渦 位 のRankineVortexを 導 入 す るこ と に よっ て 、 従来 の 同化 手法 に代わ る新しい 同化方 法を提案 し、数値 実験に よってこ の手法 の有効陸 を確認 し、新 手法の 実用化へ の道を 開いたも のである 。

    一般に 、データ 同化は 、観測値 とモデ ル内の対 応する 予報変数 との差が 、適当な 時間間 隔の中で 最小に なるよう モデルを 修正し 、その軌 跡の最 適値を得 るとぃ う技術 である 。そこで は、力 学的拘束 条件を用 いてデ ータの内 挿が行 われるが 、オイ ラー系 の差分 モデルで は、デ ータを内 挿点にう まく配 分されず 、モデ ルと観測 値の差 を修正 する場 が観測点 近傍に 集約され てしまう という 傾向から 逃れら れない。 これに 対し、

著者は 、中規模 渦それ 自身は強 い移流速 度を持 っものの 、場自 体はロス ビー波 程度の 移動速 度しか持 たない という観 測事実と 理論的 裏付けに 基づぃ て、1.5層 準地衡流モ デル にRankineVortexを 導入 し 、 数少 な い 観測 点 で の 同化 期 間 内に 得 ら れた 流速デ ータ の み か ら、 渦 の 流速 場 を 推定 す る ため の 、Lagrange系に基 づく新 しい同化 モデ ルを構 築した。 このモ デルは、 渦構造を あらか じめ仮定 するた めに、モ デルの 自由度

(制御 変数の数 )を差 分モデル に比べ大 幅に少 なくする ことが できると いう利 点があ

39

(4)

る:この新しいモデルに基づぃて、従来のEuler系1.5層準地衡流差分同化モデルと の比較実験 を行い、場の再現の優劣を数値的に詳細に検討した。実験では、520km x 520kmの仮想中緯 度海域の内部に係留型の流遠観測点を設け、その領域内の中規 模渦の規模及び移動経路を流速データのみから推定するという設定で、同化期間中に 観測領域を北西方向に渦対が45日間で横切るという状況を同化期間として設定した:

45日間の観測 期間に対 し、一辺 がl10kmの粗な 格子(渦 の直径程 度のスケール)

で構 成 され る13の 観 測点 網及び 、一辺が52kmの密な格 子で構成 される49の 観測 点網2種類について、上記ニつの同化手法の比較実験を行った結果、密な観測点網の 場合には、いずれの方法でも比較的良い推定が可能であったが、観測点数が少ない場 合、従来の差分モデルでは推定不能におちいるのに対し、Rankine Vortexモデルで は、粗・密いずれの場合も満足すべき精度で場の推定が可能であることを明らかにし た:

    ニの成果は、今後の海洋中規模渦度場の解析に極めて重要な解析手段を提供した も の で 、 地 球 惑 星 科 学 分 野 に 大 き な 貢 献 を し た も の と 高 く 評 価 で き る 。     よって、著者は、北海道大学博士(理学)の学位を授与される資格あるものと認 める。

参照

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