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Synthesis and Characterization of Poly Aspartic Acid and its Derivatives as Biodegradable Materials

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Academic year: 2021

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博 士 ( 地 球 環 境 科 学 ) 冨 田 雅 之

学 位 論 文 題 名

Synthesis and Characterization of Poly Aspartic Acid       and its Derivatives as Biodegradable Materials

(ポリアスパラギン酸とその誘導体の合成と生分解性)

学位論文内容の要旨

  地球に優しい技術の必要性が重要視され、その要求に対応する様々な素材や製造法等が開 発され、実用化されつっある。ポルマーの分野においても様々な研究が行われ、水に不溶な ポルマーについてはサーマルリサイクルやマテリアルリサイクル等が検討され、また、生分 解性ポリマーへの転換も試みられている。一方、水溶性ポリマーは香粧品、水処理剤、洗浄 剤として広く使用されているが、使用後に回収するのが一般的に困難である。従って、生分 解性を有しないポリアクリル酸等のような水溶性ポルマーは下水や河川を通じて地球環境下、

広範囲に拡散、蓄積されていくことが懸念されている。

  酸性アミノ酸であるアスパラギン酸やグルタミン酸のポリマーは分子中にカルボン酸基を 有するため、生分解性を有するポリカルポン酸としてポリアクリル酸等の代替となりうる可 能性がある。しかし、グルタミン酸の加熱脱水反応を行うと環化単量体のみが生成し、また、

アスパラギン酸の加熱や触媒よる塊状重縮合ではポリマーの構造や分子量を制御することが 困難である。本論文はポリアスパラギン酸やその共重合体の簡便な合成法の確立、ポリマー の構造と生分解性との相関性の解明、および、アスパラギン酸を主成分とした生分解性機能 材料への応用を目的とした。

  本 論文は6章か ら成り、 第1章は序論 で、本研究の背景および目的について記した。

  2章では、L−アスパラギン酸からポリアスパラギン酸への中間体であるポリスクシンイ ミドの合成において、種々の触媒や溶媒などの条件を変化させた重縮合の結果を記した。こ こで、高分子量のポリスクシンイミドが触媒量のルン酸とメシチレンとスルホランに代表さ れる2種類の溶媒の混合系を用いることにより効率的に合成できることを明らかにした。さ らに、得られたポリスクシンイミドはアルカ1」加水分解により容易にポリアスパラギン酸へ と変換され、ポリマー中のアスパラギン酸のaおよびpアミド結合の比は約3:7であった。

また、ポリスクシンイミドを酸触媒によルアスパラギン酸モノマーへと加水分解して光学活 性 を 検 討 し た 結 果 、 ア ス パ ラ ギ ン 酸 は ほ ぼ ラ セ ミ体 で あ るこ と が 確認 さ れ た。

  第3章では、熱および酸触媒重縮合で合成したポリスクシンイミドの構造解析の結果を記 した。そこではポリマー主鎖中の開環構造や分岐構造の解明と3種の末端構造を同定した。

ポリスクシンイミドの加水分解により得られるポリアスパラギン酸の生分解性は活性汚泥を

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用い て評 価し た 。その結果、熱重縮合よりも 酸触媒重縮合に由来したポ ルアスパラギン酸の 方が 高い 生分 解 性を示すことを見出した。さ らに、ポルアスバラギン酸 の生分解性はポリマ ーのDL―性 やa、pアミド結合の違いよりも ポリマーの末端構造に影響 されることが明らか にした。

  4章 では 、ポ1」 アス パラ ギン 酸 の応用 として高吸水性ゲルを取り上 げ、7線によるポル アス パラ ギン 酸 ゲルの調製について検討した 結果、ゲル体の得るための 諸条件を明らかにし た。 また 、得 ら れたゲル体は生分解性を有す ると共に自重量の約3000倍 の水を吸水し、人工 尿に対しても高い吸水性を 示すことも明らかにした。

  5章 では 、第2章 で確 立し た合 成 法の展 開として、L―アスパラギン 酸と種々のアミノカ ルボン酸との重縮合による ポルイミド‐アミドの合成 とその共重合体の熱的挙動を明らかにし た。さらに、ポリイミドー アミドを加水分解して得ら れたアスパラギン酸共重合体の生分解性 を有する洗剤用ビルダーへ の応用をカルシウムイオンキレート能より評価した結果、6―アミノ カプ 口ン 酸を コ モノマーとした共重合体が比 較的高いカルシウムイオン キレート能を示し、

また、高い生分解性を有す ることを明らかにした。

  6章 は 本 論 文 の 総 括 で あ り 、 各 章 に お い て 得 ら れた 重要 な結 果を 簡 潔に まと めた 。

  本 論文 はポルアスパラ ギン酸とその共重合体の簡便 な合成法を確立し、生分解 性を有する 高 吸 水性 ゲルなどへの応 用の可能性を示した。今後、 これらの研究結果に基づき 、ポリアス パ ラ ギン 酸が生分解性を 有する機能性高分子として様 々な用途での展開、さらに は地球環境 に 優 しい 材料 とし て より 一層 の展 開が 期 待さ れる 。

‑ 172―

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学 位 論 文 審査 の 要 旨 主査   教授   西

  

則雄 副査   教授   戸倉清一

副査   教授   横田和明(工学研究科)

副査   助教授   覚知豊次 副査   助教授   坂入信夫

    

学位論文題名

Synthesis and Characterization of Poly Aspartic Acid     and its Derivatives as Biodegradable Materials     

(ポリアスパラギン酸とその誘導体の合成と生分解性)

  地球に優しい技術の必要性が重要視され、その要求に対応する様々な素材や 製造法等が開発され、実用化されつっある。高分子の分野においても様々な研 究が行われ、水に不溶な高分子についてはサーマルリサイクルやマテリアルリ サイクル等が検討され、また、生分解性高分子への転換も試みられている。一 方、水溶性高分子は香粧品、水処理剤、洗浄剤として広く使用されているが、

使用後に回収するのが一般的に困難である。従って、生分解性を有しないポリ アクリル酸等のような水溶性高分子は下水や河川を通じて地球環境下、広範囲 に拡散、蓄積されていくことが懸念されている。

  酸性アミノ酸であるアスパラギン酸やグルタミン酸のポリマーは分子中に カルポン酸基を有するため、生分解性を有するポリカルボン酸としてポリアク リル酸等の代替となりうる可能性がある。しかし、グルタミン酸の加熱脱水反 応を行うと環化単量体のみが生成し、また、アスバラギン酸の加熱や触媒よる 塊状重縮合ではポリマーの構造や分子量を制御することが困難である。本論文 はポリアスパラギン酸やその共重合体の簡便な合成法の確立、ポリマーの構造 と生分解性との相関性の解明、および、アスパラギン酸を主成分とした生分解 性機能材料への応用を目的とするものである。

  本論文は6章から成り、第1章は序論で、本研究の背景および目的について 記している。

  第2章では、L−アスパラギン酸からポリアスパラギン酸への中間体である ポリスクシンイミドの合成において、種々の触媒や溶媒などの条件を変化させ

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た重縮合の結果を述べている。ここで、高分子量のポリスクシンイミドが触媒 量のり ン酸 とメ シチ レン とス ルホ ラン に代 表さ れる2種類 の溶 媒の 混合 系を 用いることにより効率的に合成できることが明らかにされた。さらに、得られ たポリ スク シン イミ ドは アル カリ 加水 分解 により容易にポリアスバラギン酸 へと変 換さ れ、 ポリ マー 中の アス パラ ギン 酸のaおよびp―アミド結合の比が 約3:7であ るこ とが 明ら かに され た。 また 、ポリスクシンイミドを酸触媒に よルアスバラギン酸モノマーへと加水分解して光学活性を検討した結果、アス バ ラ ギ ン 酸 は ほ ぼ ラ セ ミ 体 で あ る こ と が 確 認 さ れ て い た 。   第3章で は、 熱および酸触媒重縮合で合成したポリスクシンイミドの構造解 析の結果を記している。そこではポリマー主鎖中の開環構造や分岐構造の解明 と3種 の末 端構 造が同定されていた。ポリスクシンイミドの加水分解により得 られるポリアスパラギン酸の生分解性は活性汚泥を用いて評価し、その結果、

熱重縮 合よ りも 酸触 媒重 縮合 に由 来し たポ リアスパラギン酸の方が高い生分 解性を示すことが見出されていた。さらに、ポリアスパラギン酸の生分解性は ポリマーのD、L―性やぱ、p−アミド結合の違いよりもポリマーの末端構造に影 響されることが明らかにされた。

  第4章で は、 ポリ アス パラ ギン酸 の応 用と して高吸水性ゲルを取り上げ、Y 線によるポリアスパラギン酸ゲルの調製について検討した結果、ゲル体を得る ための諸条件が明らかにされた。また、得られたゲル体は生分解性を有すると 共に自 重量 の約3000倍の 水を 吸水 し、 人工 尿に対しても高い吸水性を示すこ とも明らかにされた。

  第5章で は、 第2章 で確 立し た合 成法 の展 開と して 、L― アス パラ ギン 酸と 種々のアミノカルボン酸との重縮合によるポリイミドーアミドの合成とその共 重合体の熱的挙動が明らかにされた。さらに、ポリイミド,アミドを加水分解 して得 られ たア スバ ラギ ン酸 共重 合体 の生 分解性を有する洗剤用ピルダーへ の応用をカルシウムイオンキレート能より評価した結果、6・アミノカプ口ン酸 をコモ ノマ ーと した 共重 合体 が比 較的 高い カルシウムイオンキレー卜能を示 し 、 ま た 、 高 い 生 分 解 性 を 有 す る こ と が 明 ら か に さ れ た 。    第6章は 本論 文の総括であり、各章において得られた重要な結果を簡潔にま とめている。

  本論文はポリアスパラギン酸とその共重合体の簡便な合成法を確立し、生分 解性を有する高吸水性ゲルなどへの応用の可能性を示した。今後、これらの研 究結果に基づき、ポリアスパラギン酸が生分解性を有する機能性高分子として 様々な用途での展開、さらには地球環境に優しい材料として人類の生活に寄与 する可能性がある。

  審査員一同はこれらの成果を高く評価し、申請者が博士(地球環境科学)の 学位を授与される資格を有するものと判定した。

参照

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