博士課程用(甲)
(様式4)
学位論文の内容の要旨
新島 桂 印
(学位論文のタイトル)
Prevalence of and Risk Factors for Paroxysmal Atrial Fibrillation in Patients with Cardiovascular Disease but without diagnosed Atrial Fibrillation
(心房細動を診断されていない循環器疾患患者における発作性心房細動の有 病率とその危険因子)
(学位論文の要旨) 要旨
背景
心房細動は臨床診療において最もありふれた不整脈であり、様々な循環器疾患 が増大する心房細動のリスクと関連している。多数の疫学研究が一般的集団に おける心房細動の危険因子を特定してきた中で、循環器疾患既往患者における 発作性心房細動の有病率を調査した幾つかの研究が存在する。今回の研究にて、
私たちは発作性心房細動の有病率を調査し、加えて循環器疾患の既往はあるが 心房細動の既往がない患者における心房細動の危険因子を定義することを試み た。
研究デザインとその設定
私たちは、循環器疾患イベントの既往をもつが心房細動が診断されていない患 者を、又は循環器疾患イベントの危険に曝されているが心房細動が診断されて いない患者を342人選出した。すべての患者が外来診療にて規定された検査(採 血検査、尿検査など)を行い経過観察されていた。これらの患者における発作性 心房細動を発見する目的で、24時間ホルター心電図検査を施行した。
結果
登録患者342 人(平均年齢,67 歳;男性,42.2%)中の 25 人(7.2%)に発作性心房 細動が発見された。臨床的特性の比較では発作性心房細動患者はそうでない患 者と比べてより高齢(p=0.02)で、血清脳性ナトリウムペプチド(p=0.04)がより高 値であった。加齢(オッズ比1.03,95%信頼区間1.00 to 1.06;p=0.03)と同様に心 不全の既往(56%vs.15.7%;オッズ比6.81;95%信頼区間2.93 to 15.9;p<0.0001)
博士課程用(甲)
と蛋白尿(32%vs.15.1%;オッズ比2.64;95%信頼区間1.08 to 6.45;p=0.03 )が 発作性心房細動患者でより多く認められた。多変量ロジスティク回帰性解析で は、心不全は他の併存疾患とは独立して発作性心房細動と有意に関連性がある ことが示された。(オッズ比5.40,95%信頼区間2.07 to 14.1;p=0.0006)
結論
24 時間ホルター心電図を使用した私たち研究は、心房細動が診断されていない 循環器疾患既往患者における発作性心房細動を簡易的に証明できた。心不全は 以前に行われた集団関連研究によって確定している他の危険因子とは独立して 発作性心房細動と強い関連性があることが示された。このことから心不全の既 往歴は臨床診療において発作性心房細動の主要な危険因子と考えるべきである。