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第1 回「障害者権利条約の成り立ちと位置づけ」

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第 1 回「障害者権利条約の成り立ちと位置づけ」

日時:2014 年 5 月 23 日(金)18:00 ~ 19:45

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第 1 回「障害者権利条約の成り立ちと位置づけ」



長 瀬  修

ご紹介をいただきました長瀬と申します。今日はよろしくお願いします。最 初にちょっとおうかがいしたいのですけれども、多分ここには障害者権利条約 についてもう非常に詳しいという方もいらっしゃると思いますし、またそうで ない方もいらっしゃるかなとは思いますので、もしよろしければ障害者権利条 約というのを聞いたことがあるという方、手を挙げていただけますか。障害者 権利条約、聞いたことがあるという方。はい、ありがとうございます。障害者 権利条約って聞いたことがないけれども、今日は興味があったので、いらっ しゃってくださったという方、今まで聞いたことがなかったという方は、いらっ しゃいますか。あ、はい、いらっしゃいますね、ありがとうございます。そう いう方は特に大歓迎です。 今日は、非常に詳しい方もいらっしゃれば、あまり詳しくない方もいらっしゃ る。それを聞いたから両方に合わせて両方の層に非常に満足のいただけるもの には必ずしもできないのですが、一応自分の頭の中に入れておきたいと思いま す。 今日の流れですけれども、簡単に条約の国際的な実施の状況、あとこの条約 の作られてきた交渉の経緯、今、国際的な実施がどういう形で行われているの かについてお話しします。特に国際的な監視、モニタリングというふうに呼ば れる部分がありますがそちらも取り上げます。 今年は日本が障害者権利条約を批准したという意味で非常に大きな節目の年 になりました。この批准の手続きをしたときの写真を今ご覧いただいています けれども、日本の国連大使が国連の職員の方がたまたまといいますか、日本の 方ですけれども、その方に批准の手続きの書類を出すという形で日本の批准が 行われました。そして現在 2 月 19 日以降は日本の中でも障害者権利条約が効 力を持っている状態になりました。憲法の規定に基づいて、憲法の次にこの国 際的な条約が力を持つという状態になりました。これまでは批准するためにい ろいろな制度改革を行ってきました。そしてそれなりの成果が得られたという

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段階で批准をしました。ですからこれからは、批准をしたという立場で日本の さらなる制度改革、障害者の権利保障を進めていくということになります。た だ、この権利条約を日本が批准したということによって、もちろん日本の法体 系の中にはっきりと障害者権利条約が位置づけられましたけれども、まだまだ 課題が大きいということは、例えば昨年の暮れになりますけれども、千葉県の 障害者入所センターで 19 歳の青年が施設職員の暴行によって殺されてしまっ たというふうに報じられましたように、たくさんの課題があるということは明 らかです。この条約の国際的な実施の状況を最初に見ますと、この条約に関す る国際的な関心は高いということが言えると思います。日本は EU を入れて 141 番目、この条約は国に加えまして、EU のような政府の連合体も批准する ことができるという形になっています。日本の前に EU も批准をしていました ので、EU を含めて日本は 141 番目の批准になりました。その後も批准が続い ています。最近ですとスイス、パレスチナ、グルジア、アンドラ等が批准をし ています。 また、個人通報、例えば日本の場合ですと最高裁まで争ってそれでも納得で きないというような場合に、さらに国連の委員会に訴えるという個人通報とい う制度があります。それを設けているのが選択的議定書というものですけれど も、それについてもすでに批准をしている国が 81 ということです。これも数 としていい数字が出ています。条約の批准の方は、もう国連の加盟国の 3 分の 2 を超えるといういい数字が出ています。日本の場合は 2007 年の 9 月に条約 に署名をいたしました。署名というのは、条約の内容を政府として確認して法 律として位置づけるつもりがあるということですが、そこまではたどり着きま した。その後 2009 年の当時の自公政権のときに十分な制度改革を行わないま ま批准をしようという動きがありました。例えば昨年(2013 年)成立をしま した障害者差別解消法という、障害者に対する差別を禁じ、合理的配慮を義務 づけるという法律が成立をしましたけれども、そういう法的な整備が十分でな いと障害者団体側が判断しているときに、政府側として日本はもう批准ができ るということで国会が承認するという動きがありました。この条約の批准です けれども、それはどこかの機関がこういう条件をクリアしたら、批准できると いうものではありません。あくまでその国が自分の国の中で行政府、そして立

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法府が判断をして、批准ということが行われます。 さらにややこしいのは、最初にもう批准をしてしまって、それから制度を変 えようという道筋をたどる国の方が明らかに多いということです。日本は最初 に日本の障害者制度の大きな問題点を解消してから批准をする。それは他の条 約の場合もそうですけれども、そういうタイプの国でそれはどちらかというと 少数派に属します。ですからこの批准の数が多いということは、全般的にはも ちろんいい兆候ですけれども、では批准しているから実施されているというふ うには必ずしも言えない。ですから、最初に本当にどんどん批准していった国 が結構あるのですけれども、そういう国の状況を見ましてもあまり条約によっ て変わったところはないといいますか、今のところなんとか条約を批准して実 施した、そして報告を出して審査を受けた、それによってどういうふうな変化 があったのか、条約の実施状況を研究するという意味では関心があるのですけ れども、なかなかストレートに出てきていない現状です。これこれこういうふ うに変わってきたというのが、本当にそんなにまだたくさんの例がない段階だ ということは申し上げなければならないと思います。 一つ国際的に動向が注目されているのは、アメリカです。アメリカにつきま しては、今ご覧いただいていますのは、今のジョン・ケリー国務長官がまだ上 院の外務委員長だったときにオバマ政権として条約の批准に向かうということ で、ケリーが条約を批准すべきだということを上院で訴えたときの写真です。 その前のブッシュ政権のときは批准に消極的でしたけど、オバマ政権になって から批准に向けて積極的に取り組んでいます。ただ、残念ながら上院で必要な 3 分の 2 の票が得られていません。ここに書いてありますのが、その反対派が テレビで CM を流したときのメッセージなのですけれども、「我々は国連に対 して本当の義務を負うべきだというふうにケリーは主張している」とあります。 「そんなことはとんでもない」という形で米国の反対派は議論をしています。 下の方に書いてありますのは、「国連の障害者権利条約というのは、米国の主 権を国連に譲り渡してしまうものだ。ですから皆さんの地元の上院議員に反対 票を投じるように訴えてください」というメッセージです。一部米国の保守派 はこの障害者権利条約を批准することによって、米国の主権が、例えば中絶の 問題だったり、家庭で親が子供を教育する権利、そういうものが脅かされると

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いうようなキャンペーンをはっていまして、それで米国の批准はなかなか実現 しそうにないという状況です。ただ、脇道になりますけれども、この上院の議 員による審議の模様はネットで流れたので、それをちょっと聞きましたけれど も、反対派も賛成派もどちらかというともう米国の障害者政策の水準というの は、障害者権利条約の水準を完全に満たしているという前提で議論が行われて いました。米国の場合にはやはり特に社会権、例えば保険等に関するようなと ころで結構大きな穴が空いているので、米国が将来ぜひ批准をして、そして審 査を受けてほしい、そのときには他の国と同じように非常に厳しい指摘がなさ れることは間違いないだろうと思っています。 日本に戻りますと、日本の場合には障害者団体側が批准に反対をするという 形で政府の批准の試みは一度頓挫する、そういう経緯が 2009 年の春の段階で ありました。これは国際的に見ても非常にめずらしい現象だったと言えると思 います。政府側が批准に積極的で障害者団体側の方がそれにストップをかける ということは、私が聞いている範囲では他国ではそういう現象はありません。 それは日本が批准する前にさまざまな制度改革を行うというタイプ、そういう 形での条約の実施を行ってきた国であって、しかも障害者運動が政治的に力を 持っているということの証明ではないかというふうに思います。今、国際的に はご覧いただいていますように国連が中心になって障害者権利条約の国際的な 実施に力を注いでいるところです。 この条約が国連で作られたときの特徴を1つ申し上げますと、ナッシング・ アバウト・アス・ ウィズアウト・アス(Nothing about us without us)という 言葉によって示されています。「私たちのことを抜きにして私たちのことを決 めないでください」と、いわゆる当事者参加の言葉が繰り返し言われました。 それ以前から例えばボイス・オブ・アウワ・オウン(Voice of Our Own)と いうような「私たち自身の声」というような形で障害者自身の発言の大切さを 訴える言葉は例えば障害者インターナショナル、DPI の方たちがそういう主張 をされていました。それに変わる新しい言葉としてこのナッシング・ アバウト・ アス・ ウィズアウト・アス「私たちのことを抜きにして私たちのことを決め ないでください」という言葉が障害の分野で使われるようになったのは、最近 亡くなられたネルソン・マンデラが解放された時代の南アフリカのアパルトヘ

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イトが終わった時代であり、南アフリカの障害者たちがこの言葉を使い始めた と書いている研究者がいます。その論文等によればどうも東ヨーロッパの人た ちから南アフリカの人たちはそういう言葉を聞いてこの言葉を使い始めたとい うことですので、もしかすると例えば連帯の運動、そういうところからの影響 があったかもしれません。 この条約交渉の場合にはいわゆる当事者である障害者の参加が非常にたくさ んありました。それはさまざまな例えば盲ろうの方たちや、ろうの方たちが障 害者団体の代表として、いわゆる NGO の立場で参加するということがありま したし、また難聴の方も、先ほどご覧いただいた障害者団体、いわゆる NGO の立場ではなくて、今度は政府代表、政府の代表団の中に障害者が入るという その 2 つの形でいわゆる当事者参加がたくさん行われました。今ご覧いただい ているのは、お隣の韓国の政府代表の方ですけれども、障害者団体のリーダー で政府代表という形で条約交渉に非常に積極的に参加された方です。また、ご 覧いただいているのは、精神障害のユーザーサバイバーと名乗りをあげている 方たちです。この精神障害の方たち、また知的障害の方たちの参加が非常に多 くあったということはこの条約の交渉のナッシング・ アバウト・アス・ ウィ ズアウト・アスの具現化の中でも特に強調したい部分です。 この条約に至る流れを振り返りますと、81 年の国際障害者年、それを受け て 83 年から国連の障害者の 10 年というのがありました。その 10 年の中間年 1987 年にこの権利条約に至る最初の国際的な障害者の人権条約、国際的な障 害者の差別をなくすための条約提案がなされています。そのときに日本政府も そうですけれども、圧倒的多数の政府は反対をしました。イタリアが提案をし てくれたのですけれども、そのイタリアが障害者の地域生活、例えば一部の地 域ですけれども、精神病院をなくしていく。また、完全になくしたわけではな いのですけれども、養護学校、特別支援学校の数を非常に少なくしてきた、イ ンクルーシブ教育という背景もあってだろうと思うのですけれども、イタリア が提案を行いました。そのときに日本もそうですけれども、多くの国は障害者 の問題という社会保障、社会福祉の 1 ジャンルのテーマについて大きな人権条 約という仕掛けを作るのは適当でない。あまりそれにお金や人をつぎ込むのは 賢いとは言えないというような形で 87 年の提案は実現しませんでした。

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しかし、仮に例えば 87 年の段階で多くの国が賛成するという形で条約交渉 が成立していたならば、この精神障害の方たちや今ご覧いただいている私も理 事をしております知的障害者と家族の国際的ネットワークであるインクルー ジョンインターナショナル(国際育成会連盟)の知的障害者、こういう方たち が条約交渉に積極的に関わって、ナッシング・ アバウト・アス・ ウィズアウト・ アスも、少なくとも精神や知的の方については、実現しなかったのだろうとい うふうに思います。インクルージョンインターナショナルも最初に知的障害本 人の理事が生まれましたのは、1992 年です。その年はこの 83 年から始まった 国連障害者の 10 年が終わった年です。その年に国連障害者の 10 年の締めくく りということで、何が最初かというのはなかなか言えないのですけれども、障 害者の代表が、障害者が障害者の代表であるという形で国連の総会で最初の発 言をしたのはこの 92 年だっただろうと思います。こうした大切な場で発言す るのはインクルージョンインターナショナル代表としては知的障害者であるべ きだというような考え方がうまれ、それが組織としての意思決定過程に知的障 害者本人が携わるという流れになったと思います。 92 年に、たまたま私は国連の事務局におりまして、その総会のときにも事 務局としてつめていました。そのときに障害者インターナショナル(DPI)の 世界の議長はジョシュア・マリンガというジンバブエの障害者のリーダーで、 私は彼の介助者というか車椅子を押す立場でおりました。そのときにちょっと ショックを受けましたのは、私は新米の国連の職員だったのですけれども、会 を仕切るようなえらい国連の職員はもう全然ジョシュア・マリンガ本人には話 をしないのです。何かあっても全部私の方に話をして、世界の障害者のリーダー なのにというギャップを感じました。最近インクルージョンインターナショナ ルの最初の知的障害者本人の理事の方が回顧録を書かれていて、その方はカナ ダ人なのですけれども、その方の回顧録をつい最近読みました。92 年の国連 総会で障害者そして知的障害者として初めて発言した方です。その方が自分の 言いたい気持ちを原稿にしてまとめていました。ところがその国連での発言の 前日に国連職員から原稿を取り上げられてしまって、返してもらったのはもう 発言のすぐ直前だったと書いてあります。そこには多く手が入っていて自分は そんなもの読みたくなかった。自分の気持ちが反映されていなかった。でも、

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もう直す時間もなくてしょうがなくそのまま読んだという文章を最近読みまし た。そのときに私はジョシュア・マリンガという車椅子の方の介助の立場で入っ ていたんですけれども、「ああ、さもありなん」ということを感じました。多 分その国連職員は知的障害者が国連の場でどういう発言をするのかコントロー ルしよう、その場にふさわしいものにしようというふうに手を入れてしまった のではないかというふうに思います。 この方ではないのですけれども、別のインクルージョンインターナショナル の理事、レバノンの女性が発言をしたことがありました。そのときに彼女はア ラビア語で発言をしたのですけれども、通訳が他の言葉で流れなかったのです。 アラビア語の通訳者が他の言葉に、例えば英語にして、それからフランス語に するとか、スペイン語にするという形で通訳行われるのですが、どうもアラビ ア語の通訳者は知的障害のある人の話し方に慣れていなかったのじゃないかな と思います。最初はマイクの故障じゃないかということで、議長もちょっと止 めたりしたのですが、それは数回試しても結局その通訳がされませんでした。 この条約交渉過程を振り返ると、「Nothing about us without us」というこ とが非常に活きていた部分というのは間違いなくあったなというふうに思いま す。 この条約を作っていた立場にあった政府代表、一部はもちろん社会福祉、障 害者政策の専門家でしたけれども、特に貧しい国、途上国の場合には本国から そういうスタッフをニューヨークに送ってくれるだけのお金も結構多くかかり ますし、お金はありません。そういう場合には、ニューヨークの数少ないスタッ フまた一部は大使自らが条約交渉に臨むというようなことがありました。そう いう方たちが例えば「手話で話している姿を見るのは初めてだ」とか、「知的 障害や精神障害のある人たちがこんな難しい話ができるなんて夢にも思わな かった」というようなことを語っていました。そのときに一番それぞれのみん なにとって重要な問題というのが訴えられたわけです。例えば精神障害のユー ザーやサバイバーの方たちからは、この右側の女性、米国の弁護士ですけれど も、そういう方からは自分が強制的に精神病院に入れられたときの体験という のを語ります。彼女の場合には強制的に入れられた病院でもっとひどいことが あったのでしょうけど、端的にコーヒーと紅茶を混ぜた飲み物が出てくると話

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していました。職員に「なんでそんな飲み物が出てくるんだ」と聞くと、「コー ヒーを飲みたいという人と紅茶を飲みたいという人と両方いるでしょ。だから 混ぜて出しているんで、それで何か問題があるの」と言われたそうです。それ は一事が万事の一例なのでしょうけれども、個人的に病院でどういう扱いを受 けたかというようなことが、条約の中にいろんな形で、例えば地域生活につな がるというような形で実っていくわけです。 インクルージョンインターナショナルの先ほどのニュージーランドの彼は、 自分が 8 歳のときから養護学校の寄宿舎生活を送ったということ、そしてその 生活の中でいろんないじめや虐待を受けたり、その中には性的なものもあると いうような話をしたり、家族と切り離されたというそういうような体験を訴え て、そしてその延長線上に自分がニュージーランドで知的障害者の入所施設を なくすためにどういう活動を行ってきているのか、そして、ニュージーランド の知的障害者の入所施設はなくなるという結果になるわけですけれども、そう いった話をしました。そして特に条約交渉の最初の頃は本当に知的障害やさま ざまな障害のある人が発言すること自体が珍しいという形で、国連の議場の中 でも受け止められました。例えば彼のそういう発言というのは、障害者の権利 条約の 19 条の地域生活というようなところになって実っていくわけです。現 在の日本の障害者基本法の中の基本原則の中に地域生活というのが改正されて 盛り込まれています。そういう流れがこの知的障害のある人たちのナッシング・ アバウト・アス・ ウィズアウト・アスという参加からも生まれてきたという ことは申し上げられると思います。この『わかりやすい障害者の権利条約』を 全日本手をつなぐ育成会が作った背景には、知的障害の人が携わる形でこの条 約ができた、そのことを日本の知的障害のある人たちにこの条約の中身を伝え なきゃならないという思いがあって、こういう『わかりやすい障害者の権利条 約』というようなものも作られるようになりました。 というような背景の部分で相当時間を使ってしまったので、残りは駆け足で いかなければならなくなってしまいましたが、後半の質問のところで皆さんの 関心のあるところについて、質問をしていただければというふうに思います。 今の動きですけれども、国際的な実施の枠組みが 2 つあります。それの 1 つ がこの国連の本部で行われている締約国会議というものです。これは日本も条

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約を批准しましたので、今年からようやく正規のメンバーとして加わることが できます。これは昨年からは大体 6 月に開催されることになりました。今年も 6 月に 3 日間開催をされます。毎回テーマを決めて行われます。昨年から今年 にかけては 2015 年までの国際的な開発目標がもうすぐ終わりを迎えるため、 特に開発や貧困が大きなテーマになっています。締約国会議では毎年熱心に出 てくる国はその前の年からその年にかけてどういうことを自分の国で障害者の 権利条約を実施するために何をしたのかという報告をする舞台になっています。 それについてはいろいろ厳しい質問をするというような場面もありませんので、 一種の「お国自慢」大会です。我が国はこういう素晴らしいことを去年から今 年にかけてやりましたというのをやっています。またそれでもやっぱり全くネ タがないとそういう報告もできないので、グッドプラクティスと呼ばれる、良 い実践について共有する場としては有効に機能しているというふうに思います。 もう 1 つの方がこちらのジュネーブで開催をされている障害者権利委員会で す。こちらは、先ほどの締約国会議とは異なりまして、日本も 2 年後には報告 を出すことになりますけれども、そうした報告の中身を厳しく審査する機関で す。こちらの方は 18 名の専門家が審査に当たりますけれども、そのうちの 17 名がナッシング・ アバウト・アス・ ウィズアウト・アスの考え方に基づいて 18 名のうち 17 名が障害のある専門家になっています。今は 3 代目の委員長が チリのマリア・ソリダード・システナス・ライエスという全盲の法律の専門家 です。彼女が委員長を務めています。この今ご覧いただいているテレジア・デ ゲナーという障害と人権に関するドイツの専門家で、条約交渉のときにも活躍 をされた方ですけれども、その方が今は副委員長をされています。こういう本 当に専門家がたくさん入っています。お隣の韓国のキム・ヒュンシック先生も 肢体不自由、身体障害の方ですけれども、委員に加わっています。前の委員長 がロン・マッカラムさんというオーストラリアの委員長でした。あと退任され てしまいましたけれども、左側がバングラディシュ、右側が中国の専門家が委 員として携わっていました。 この委員会は、報告書を出して、それを厳しく審査する機関です。日本も今 年批准をしましたので、しっかりとした報告書を、多分出すというか、絶対出 させなければいけないというふうに思っています。締約国が報告を出し、その

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審査をするのがこの専門家たちなのですけれども、審査をするときに政府が出 した報告だけではなくて、その国の障害者団体や市民社会組織が出したレポー トを参考にします。事前質問事項という重要なポイントについての質問を政府 に対してそのレポートを政府の報告書の中身を読んで、中身について質問とい うのをまとめるのですけれども、その質問をまとめるときにその国の障害者団 体の意見というのを重視します。いくつかの国の例ですと、本当に障害者団体 が作った質問事項の案というのをまさにコピペで国連の委員会の質問というよ うな形で出されてきています。 この質問事項に対して政府が報告、返事を出します。それに対して、さらに その国の障害者団体や市民社会団体が意見を出して、その後に建設的対話と呼 ばれる部分、これがジュネーブで丸一日行われます。その国の政府の代表と委 員たちの対話です。そこでは本当に重要なポイントしか議論ができませんけれ ども、丸一日かけてこの対話が行われます。そのときにも政治状況によってな かなかその国の障害者が来られないというような場合があります。そうでない 限りはその国の障害者は顔を出して委員会の委員たちはその国の障害者の生の 声を政府との対話の前に聞くという形でこの対話を行います。 残念ながら政治的な自由は認められていない国の場合、例えば中国も残念な がらそういうふうに申し上げざるを得ませんけれども、中国の場合でも香港の 障害者たちはたくさんジュネーブに来て、自分たちの意見を自由に述べていま した。今まで障害者が来られなかったのは、例えば中国とかハンガリーです。 ちょっと意外ですけれども、ハンガリーも障害者が来て自由に意見を述べると いうことが政治的に危険だということで実現はしませんでした。そういう場合、 そこに顔を出して意見を述べるということが政治的に危険な場合には、紙でレ ポートを出すというような形で意見を出すということがあります。 この委員たちの多くは障害者運動のリーダーたちですから、往々にしてそう いう政治的な圧力がかかるとなおさら燃えるという方たちが多くて、あんまり プレッシャーをかけるのは結局自分の国への勧告が厳しくなるからマイナス じゃないかなというふうに思うんですけれども、政治的な自由や言論の自由と いうものがその国でどれだけ確保されているのかというのもこの審査の中には 明確にあらわれてきているということは言えると思います。

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国によっては障害者団体が非常に弱体であるとか、実質的にほとんど活動し ていないというような場合もあります。そういう場合には国際的な障害者団体 のネットワークがその国でワークショップを開いたり、意見調査をしたりして 代わりにその意見をまとめるというようなこともあります。 日本の場合のように先進国で政治的な自由があって障害者団体が活発に動い ているというような国の場合には、その国の障害者団体が出した意見というに 委員は、なおさら関心があって、権利委員会の委員の意見に反映されていくと いうパターンがあるように思われます。その国の障害者の権利擁護運動がどれ ぐらいの水準にあるのか、そして自分たちのベストの意見というのをここにぶ つけて、それを国際的な意見として自分の国にもってきてもらうということで す。日本はどちらかというとそういういわゆる外圧のパターンが好きだと思う んですけれども、勧告を有効に生かそうということはどの国の障害者も考えて いることだというふうに思います。 残りの数少ない時間で簡単に実質的な条文の 30 条まで中身がありますけれ ども、そこに簡単に触れて、日本が審査を受けるときにどうなりそうかという ところも触れられるところは触れていきたいというふうに思います。 条約の目的の第 1 条、ここがこの障害者の権利条約が障害の社会のモデルを 反映していると言われる部分ですけれども、それは第 1 条のところに社会参加 を妨げる障壁が明記をされているからです。総括所見と呼ばれるものが最終的 に出されて、それがその国に対する国連の委員会からの勧告になります。勧告 の冒頭部分にはちょっといくつかタイプはあるんですけれども、最初いくつか その国の政策について、いい点、プラスの面というのが提示されます。これま で実際に出たところでは、例えばスペインですとインクルーシブ教育の環境の もとで学んでいる障害者の子供が多いというような点とか、中国の場合ですと 障害者の貧困の問題に関する取り組みがあるとか、冒頭の部分にプラスの評価 の部分が記述されます。日本の場合一つ考えられるのは、制度改革の中で基本 法の改正を行って社会モデルを少なくとも一部反映するような形での法律の改 正が行われたという点はプラスで記述されてもおかしくないなと思います。 第 2 条で「障害に基づく差別とは」というところで、ここで合理的配慮とい うものがないのも差別であると定義をされています。ここについても日本の場

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合には障害者基本法という形で合理的配慮の欠如を差別であるという定義を行 いましたけれども、そこにさらに肉付けをするための単独立法という形で障害 者差別解消法を作りました。現時点でも単独立法で障害者差別解消、障害者差 別禁止そして合理的配慮の欠如が差別であるということをきちんと位置づけて いる国というのは残念ながらまだまだ少ない状況ですから、日本のそうした動 きもプラスの部分で評価されてもおかしくないというふうに思います。 第 3 条が条約の主な原則、これ(パワポ)を今度アップデートして政府訳に ちゃんと切り替えなきゃいけないんですけれども、まだ川島さんと私が訳した ものを使っています。インクルージョンが政府訳では包容という形になってい ます。 第 4 条が政府の義務、ここのところにナッシング・ アバウト・アス・ ウィ ズアウト・アスという障害者政策の立案等に関して障害者組織を通じて障害者 の意見を反映することということが求められています。 第 5 条が差別をなくす、合理的配慮の確保というところで、日本は差別解消 法、新たな法律を権利条約の批准に向けて作ったという点は評価されるという ふうに書かれてもおかしくないと思います。ただ、差別解消法の実施の仕組み、 差別の事例があったときにどのように解消するのか。その部分の仕組みが弱い という指摘はこの 5 条の文脈でそういう指摘がなされても当然かもしれないと 思います。 第 6 条は先ほどご覧いただいたテレジア・デゲナーや、またあと韓国の政府、 そして障害者、障害女性、障害者運動が積極的に提起を行って第 6 条が盛り込 まれることになりました。この条約全般を通じて障害者の中の特定のグループ についての言及はできるだけ避けようという方針で作られました。ですからこ の 6 条と 7 条の障害のある子供、これにはちょっと例外的な存在です。それで も障害のある女性が複合的もしくは最近は委員会がよく使っているのは、「交 差性の差別」というのが非常に重要であるということ、特に障害のある女性の 場合には障害者であるということと、女性である、その 2 つの複合性、もしく は交差性による不利益が非常に大きいということで、この条約の中でも独立し た条文で取り上げられました。日本の状況を考えますと、この第 6 条について の指摘はあって然るべきだというふうに思います。

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さらに 6 条以上に深刻なのは、多分 7 条の方で、これは日本の子どもがそも そもさまざまな意見表明権というのが非常に弱い。その上で障害のある子ども たちの意見表明権の問題がある。さらに障害者運動についても、18 歳未満の 子どもということだけではなくて、特に若い人たちの声を障害者運動の中でも 反映する機会が非常に少ないという点から、この障害のある子ども、子どもと いうのは青少年ですけれども、これについても非常に深刻な勧告が出されても 当然だろうと思います。 第 8 条が意識向上啓発、第 9 条がアクセシビリティです。アクセシビリティ については、難しい問題があります。それは第 9 条のアクセシビリティと 5 条 の差別禁止の文脈での合理的配慮、この関係が残念ながら混乱を招いている状 況ではないかというふうに思っています。国際協力機構(JICA)が、条約を 批准したということで、障害と開発分野の新たな指針というのを策定中で、今、 そのドラフトを見ていますけれども、その中でもアクセシビリティと合理的配 慮の関係にちょっと理解に混乱があるんじゃないかというふうに思っています。 このアクセシビリティ、日本語だとバリアフリーということばと非常に近い んですけれども、これについてやはり合理的配慮との関係等で理解がしづらい という点は障害者の権利委員会としても認識があります。今年の 3 月、4 月に 開かれた、第 11 回の障害者の権利委員会で、アクセシビリティに関しての解 釈の助けとなる、そういう文章を「一般的意見」というふうに呼んでおります けれども、その一般的意見がこのアクセシビリティについて出されています。 ある一つのことが例えばどういう見方、どちらから見るかによってその個人に とっての合理的配慮にもなるし、アクセシビリティにもなります。例えば今日、 手話通訳の方にやっていただいていますけれども、例えばろうの方が参加され る、だからリクエストがある。その場合そうした形で提供される、それをその 側面を見るとそれは合理的配慮になります。その方にとっての合理的配慮にな ります。しかしこの例えば今日のこの会議のバリアフリーなりアクセシビリ ティというふうに考えたときに、手話通訳があるということは会議のアクセシ ビリティの一部というふうにも考えられます。手話通訳がある特定の方にとっ ての合理的配慮でもあるし、会議というものから見たときにはアクセシビリ ティにもなると考えられます。例えば私が前いた大学で、法学部に初めて車椅

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子の学生さんが入りました。古い建物だったので、その車椅子の学生さんのた めに、エレベーターをつけました。それはその学生さんにとっては、合理的配 慮です。しかし大学全体から見たときにはそのことによってアクセシビリティ が整備されたと言えます。そういう位置づけです。ですからその学生さんが今 度他のところに移る、例えば他の大学院に移って進学をされた。そこでどうい う合理的配慮が必要になるのか。合理的配慮の提供の道筋は一筋ではありませ ん。 今日の午前中に折角なので、ちょっと足を伸ばして奈良に行ってまいりまし た。奈良である車椅子の学生さんが普通の高校に通っています。そこで様々な 合理的配慮の実例を見ることができました。残念ながら建物は古いので、階段 昇降機を使ったり、あと教室変更によって学生さんが授業をちゃんと受けられ るようにというそういう配慮をなされていました。まだまだその学校は例えば アクセシビリティという面では非常に不足があります。でも生徒さんへの合理 的配慮という面では相当対応ができているというふうに思いました。たとえば 教室変更です。その生徒さんが学ぶ授業は 1 階でやる。そういう形で合理的配 慮は対応することができます。それは物理的なバリアフリー、物理的なアクセ シビリティが完備していない環境でもできるというか、完備していない環境だ からこそ求められる合理的配慮という考え方です。その辺の整理がまだ十分で きていないということもあって、このアクセシビリティについては委員会の方 でもこういう解釈なんだよというのを文書で出していて、そこにはやはり合理 的配慮というのはあくまでその特定の個人に着目した考え方であるとされてい ます。それに対してアクセシビリティというのは、社会全体やグループという 観点から見た考え方であるというそういう説明がなされています。ドラフトの 段階のものは日本障害者リハビリテーション協会のホームページに掲載をされ ていました。もしかするともう最終版の翻訳が出ているかもしれませんので、 関心のある方にはぜひご覧いただきたい。 10 条、生命に対する権利、11 条が緊急事態です。障害者権利委員会は先ほ ど写真でお見せしませんでしたけれども、デンマークの障害者のリーダーが障 害者の権利委員会に出ています。ちょっと話をする機会があったときに、数字 はいくつか間違っているかもしれませんが、彼は「一昨年デンマークで生まれ

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たダウン症の子供は 26 人だ」というふうに言っていました。常にもうカウン トダウンだと言うことです。彼のその発言を聞いて、デンマークのダウン症の ことをネットで見たら、デンマークのマスコミはもうそういうふうな書き方を しています。ダウン症の子供がゼロになる社会に向かって進んでいる。もちろ んそれは女性の選択の権利の結果としてそうなっているということが書かれて いるわけです。翻って日本はつい最近出た数字ですと、ここ 15 年ぐらいでダ ウン症で生まれる子供の数が倍になっていると報道されていました。これは国 際的にも非常に珍しい現象だというふうに思います。ですからこれはある見方 で考えればこの日本のこういう現象というのは、日本の肯定的な現象、日本で 起きている日本の政策のプラスの部分、つまり出生前診断を積極的に進めない という日本の政策としてプラスに評価できるところではないかと思います。多 分国際的な流れともう 1 つ多分日本が大きく違っているのは、マイナスの面で 違っているところはいくつもあるんですが、プラスの面で違っているというふ うに考えられ得るのは、あとは例えば ALS の方たちの呼吸器、人工呼吸器を つける方が多い。これも日本の政策のプラスの面として記述されておかしくな いというか、そうした記述を日本として日本の障害者運動としてそれを求めて いくべきではないかというふうに思ったりすることもあります。 11 条の緊急事態は当初は 10 条と同じ生命に対する権利の条項でしたけれど も、途中で 2004 年のスマトラ沖の大地震、20 万人以上、日本のように単一の 国での 1 万 8,000 人という数字と比較はできませんけれども、10 倍以上の方が 亡くなりました。こうした大惨事が起こったこともきっかけで、11 条が独立 をしました。11 条関連では東日本大震災被災地での死亡率が 2 倍、しかもそ れは単に 2 倍であるということだけではなくて、政策として地域生活を進めて いた地域ほど、つまり宮城、仙台の地域で暮らしている方たちの死亡率が高かっ たという非常に痛切な数字があります。被災地での障害者の死亡率が 2 倍、そ れだけでも十分悲劇ですけれども、さらに地域で暮らしている方の死亡率が高 かったことも悲劇です。それはいろんな要素があって、特に東北の沿岸部では 特別支援学校に子供を入れてその後は入所施設という現状があります。それが この 11 条のところではありませんけれども、別のところ、地域生活のところ でこの災害に関しての指摘ということも出てきておかしくない数字だというふ

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うに思っています。 12 条が法律に関する平等な権利、法的能力に関するところで、ここも非常 に重要な問題ということで、3 月、4 月の障害者の権利委員会が初めてその一 般的意見というのを 2 つ出したんですけれども、1 つが 9 条のアクセシビリティ で、もう 1 つがこの 12 条の法律に関する平等な権利、法的能力に関するとこ ろです。これについては、残念ながらモデルになるようなところがなかなかあ りません。後でお話する 24 条の教育に関するインクルーシブ教育のようなと ころでは、それなりに問題はあっても、例えばイタリアだったり、カナダだっ たり、そういうインクルーシブ教育に取り組んできた実績のあるというところ がある程度モデル的な存在になっていますけれども、残念ながら 12 条の法的 能力に関するところが求めている、例えば後見制度のような代わりに誰かが決 めるという制度ではなくて、支援を受けてあくまで本人が決めるという制度へ の移行というのが十分に行われている、そういう国は今のところ見当たらない ということです。12 条に関しては今のところ審査を受けた 13 の国があります けれども、全部についてこの 12 条をきちんと実施しろという勧告が出ていま す。十分な理解がないということで 12 条に関する一般的意見(ジェネラルコ メント)というのが出されております。日本についても成年後見制度について も本当に見直しをする必要が迫られています。 13 条が司法へのアクセス、それから 14 条、15 条この辺も日本の特に精神の 方たちの問題という点で非常に深刻な指摘がなされて、それは指摘されるのは もう間違いないところだというふうに思っています。特に社会的入院の問題も そうです。 16 条が虐待防止法、これについては虐待防止法が作られたということにつ いては評価されておかしくないと思っています。 17 条が身体と精神の尊重です。18 条が国境を越えた移動の自由、19 条が地 域で生活する権利です。今の病棟転換等の話もこの文脈の中で指摘を勧告を受 けても当然ではないかというふうに思います。 20 条が移動の自由です。21 条が表現の自由と情報アクセスです。22 条がプ ライバシーの権利です。23 条が家庭と家族の尊重です。これは日本の場合に はようやく優生保護法の改正という形で 90 年代の半ばに対応を行いましたが

(18)

残念ながら国際的にも結構オーストラリアなんかもそうですけれども、この不 妊手術や断種手術の問題というのが現在もあるというのは、私自身も条約交渉 の中で学んだ点です。 24 条の教育について、2006 年の 5 月の段階まで文科省を中心に日本はこう いう原則が盛り込まれないようにというロビー活動を重ねていましたけれども、 幸いなことに日本の意見は反映されることがなくインクルーシブ教育の原則が 前半で盛り込まれました。後半の方で表現はストレートではありませんけれど も、盲学校やろう学校を選ぶ権利というのが盛り込まれました。この 24 条に ついても日本は昨年学校教育法の施行令の改正をようやく行いましたけれども、 そういう政策面の動きと裏腹に特に知的障害の特別支援学校の学校数、そして また在籍者数がこれだけ増えているという現状はインクルーシブ教育の原則か ら明らかに逸脱している点です。これについても深刻な指摘を受けるのは多分 間違いないというふうに思います。 25 条が健康、26 条がリハビリテーションです。27 条が労働の権利です。就 労雇用についても特に合理的配慮の提供、また一般就労を進めるというところ が記述されています。28 条が人間らしい暮らしの権利です。 29 条は政治的活動の権利です。これについては昨年の東京地方裁判所の違 憲判決またそれを受けて 2 カ月という非常にスピーディな形で公職選挙法の改 正がなされて後見人をつけている人の投票権が 13 万人以上の方に回復された という動きがありました。これは日本の政府の報告の対象の前になってしまう ので報告書には記載されないかもしれませんけれども、あの動きは国際的にも 注目されました。それは、条約の実施全般という文脈でもそうですし、また日 本はその時点で批准を行っていませんでしたので、批准する批准の有無に関わ らず、こういう動きがあるという形で、国際的にも 29 条の政治的活動の権利 を保障するものとして高く評価された動きでした。もし報告書がこれをカバー するということができるんであれば、条約を実施する非常にプラスの動きとし て評価されておかしくないというふうに思います。最後が 30 条の文化的生活・ レクリエーション・レジャー・スポーツへの参加の権利というふうになってい ます。 ただ、現状で日本が勧告を受けるときにはこういうことを受けるだろうとい

(19)

う話をしましたけれども、今、委員会は 46 の報告が山積みになっている状態 です。今年からスピードアップしてようやく 9 つぐらい報告の審査ができると いうようになって、来年うまくいけばふた桁の審査ができるようになると思い ます。それでも今すでに出されているのを消化するだけで 4 年ぐらいはかかっ てしまうでしょう。日本の審査は 2 年後に出してそこから審査が順調に行われ ても、今から 5 年先です。 他の条約などに取り組んできた方からうかがうと「1 回目の審査が勝負だ」 そうです。1 回目の審査で出された勧告に対して政府が腹を決めてこれについ ては対応する、これについては対応しないという形で一旦方針が出てしまうと、 その後同じ勧告が何度出されても、もう「糠に釘」といいますか、全然効かな いという形で固定してしまうという現象が見られるので、1 回目の審査が勝負 ということをうかがっています。 ただそれがくるのが今から数えても早くても 5 年先です。2 年後に報告があっ て、審査が早くても 5 年先、もしかすると 6 年先ぐらいかもしれない。もうずっ と先です。私は間違いなく引退していると思いますけれども、そのことを考え るとこういう国際的なモニタリングは非常に重要で、それを最大限に生かす努 力は必要だと思いますが、やっぱり普段のさまざまな政策の取り組みの中で条 約を生かすということもというか、その方が実はもっと重要ではないかと思い ます。 最後になりますけれども、京都でも例えば条例ができました。また手話につ いても、手話が言語であるということが障害者基本法で決まっていますけれど も、他のところではまだまだ浸透が弱いということで、今、自治体レベルで条 例を作るという動きがあります。条約の審査過程が果たす役割というのが少な いということは現実ですので、他の面で普段のさまざまな政治や政策に関する ところでどうやって条約を生かしていけるかというのが大きな課題ではないか というふうに思っています。大分時間を超過してしまって申しわけありません でしたが、ひとまず私の話は以上とさせていただきたいと思います。ありがと うございます。 2014年5月23日(金)18:00-19:45 立命館大学朱雀キャンパス1階 多目的室(大)

2014年1月20日

障害者の権利条約を日本が批准

2013年12月4日 障害者の権利条約批准を国会が承認 2014年1月17日 批准の閣議決定 2014年1月20日 日本の批准 2014年2月19日 日本での発効 2

(20)

2014年5月23日(金)18:00-19:45 立命館大学朱雀キャンパス1階 多目的室(大)

2014年1月20日

障害者の権利条約を日本が批准

2013年12月4日 障害者の権利条約批准を国会が承認 2014年1月17日 批准の閣議決定 2014年1月20日 日本の批准 2014年2月19日 日本での発効 2

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概要

障害者の権利条約

世界の批准状況

条約交渉の経緯、特徴

Nothing about us without us 条約の主な内容 障害者制度改革 障害者差別解消法 3

条約の批准状況

2014年5月16日付)

条約の批准 145 署名 158 *日本は141番目 選択的議定書 批准 80 署名 92 最近の批准国 スイス パレスチナ グルジア アンドラ 4

障害者の権利条約

交渉と実施の経緯

 2001年12月 メキシコ政府の条約提案、 総会での特別委員会設置決議  2002年7月・8月 第1回特別委員会  2003年6月 第2回特別委員会  2004年1月 作業部会・作業部会草案  2006年8月 第8回特別委員会 5

障害者の権利条約

交渉と実施の経緯

 2006年12月 障害者の権利条約を国連総会が採択  2007年3月 障害者の権利条約署名開放  2007年9月 日本政府が条約に署名  2008年5月 20カ国の批准を受けて条約が発効  2008年10月/11月 締約国会議(第1回)  2010年4月 障害者の権利委員会(第5回)審査開始 チュニジア、スペイン、ペルー、中国、アルゼンチン、ハンガリー、 パラグアイ、オーストラリア、オーストリア、エルサルバドル、ス ウェーデン、アゼルバイジャン、コスタリカ 13カ国の第1回審査がこれまで終了。 6

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障害者の権利条約

交渉と実施の経緯

2001年12月 メキシコ政府の条約提案、 総会での特別委員会設置決議 2002年7月・8月 第1回特別委員会 2003年6月 第2回特別委員会 2004年1月 作業部会・作業部会草案 2006年8月 第8回特別委員会 5

障害者の権利条約

交渉と実施の経緯

2006年12月 障害者の権利条約を国連総会が採択 2007年3月 障害者の権利条約署名開放 2007年9月 日本政府が条約に署名 2008年5月 20カ国の批准を受けて条約が発効 2008年10月/11月 締約国会議(第1回) 2010年4月 障害者の権利委員会(第5回)審査開始 チュニジア、スペイン、ペルー、中国、アルゼンチン、ハンガリー、 パラグアイ、オーストラリア、オーストリア、エルサルバドル、ス ウェーデン、アゼルバイジャン、コスタリカ 13カ国の第1回審査がこれまで終了。 6

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締約国会議

国連本部で毎年、3日間開催 毎回異なるテーマ(今年は貧困や生活:障害と開発) 締約国による権利条約の実施状況に関する発言 隔年で障害者の権利委員会委員の選挙 7

障害者の権利委員会

年2回の会期、ジュネーブにて開催、2013年は4月に1週間、 9月に2週間 18名の専門家(17名は障害者)、締約国会議において締約 国が指名し、選挙 締約国の報告の検討 質問事項(List of Issues)の準備 建設的対話 総括所見(勧告) 8

条約の目的(第

1条)

障害者のすべての人権の確保と尊厳の尊重 社会参加を妨げる障壁(バリア) 障害の社会モデルの反映(障害学) 9

障害に基づく差別とは?(第

2条)

障害に基づくあらゆる区別、排除又は制限であって、政 治的、経済的、社会的、文化的、市民的その他のいかな る分野においても、他の者との平等を基礎としてすべて の人権及び基本的自由を認識し、享有し又は行使するこ とを害し又は無効にする目的又は効果を有するものをい う。障害に基づく差別には、合理的配慮を行わないことを 含むあらゆる形態の差別を含む。 10

(24)

条約の目的(第

1条)

障害者のすべての人権の確保と尊厳の尊重 社会参加を妨げる障壁(バリア) 障害の社会モデルの反映(障害学) 9

障害に基づく差別とは?(第

2条)

障害に基づくあらゆる区別、排除又は制限であって、政 治的、経済的、社会的、文化的、市民的その他のいかな る分野においても、他の者との平等を基礎としてすべて の人権及び基本的自由を認識し、享有し又は行使するこ とを害し又は無効にする目的又は効果を有するものをい う。障害に基づく差別には、合理的配慮を行わないことを 含むあらゆる形態の差別を含む。 10

(25)

合理的配慮とは?

(第2条)

障害のある人が他の者との平等を基礎としてすべての人 権及び基本的自由を享有し又は行使することを確保す るための必要かつ適切な変更及び調整であって、特定 の場合に必要とされるものであり、かつ、不釣合いな又は 過重な負担を課さないものをいう。 11

条約の主な原則(第

3条)

固有の尊厳、個人の自律(自ら選択する自由を含む。) 及び人の自立に対する尊重 非差別 インクルージョン 差異の尊重 機会の平等 アクセシビリティ 12

政府の義務(第

4条)

障害者の権利を守るための法律づくりと行政施策の実施 政府自体 民間 13

平等と差別をなくすこと

(第

5条)

差別をなくす 合理的配慮の確保 14

(26)

政府の義務(第

4条)

障害者の権利を守るための法律づくりと行政施策の実施 政府自体 民間 13

平等と差別をなくすこと

(第

5条)

差別をなくす 合理的配慮の確保 14

(27)

障害のある女性(第

6条)

女性であることと障害者であることの複合的な差別 15

障害のある子ども(第

7条)

子どもの最善の利益の確保 障害児の意見表明権 16

意識向上(啓発) (第

8条)

社会全体の障害者の状況に関する意識向上と障害

者の権利尊重

障害者に対する固定観念の除去

学校での障害者の権利尊重の態度促進

17

アクセシビリティ(第

9条)

物理的なバリアフリー 情報面のバリアフリー 情報保障などの人的支援 朗読者 手話通訳者 筆記者 18

(28)

意識向上(啓発) (第

8条)

社会全体の障害者の状況に関する意識向上と障害

者の権利尊重

障害者に対する固定観念の除去

学校での障害者の権利尊重の態度促進

17

アクセシビリティ(第

9条)

物理的なバリアフリー 情報面のバリアフリー 情報保障などの人的支援 朗読者 手話通訳者 筆記者 18

(29)

生命に対する権利(第

10条)

緊急事態(第

11条)

誰もが同じ命の権利を持っていること 自然災害時の障害者への対応 19

法律に関する平等な権利(第

12条)

司法へのアクセス(第

13条)

平等な法律に関する権利 代替的意思決定から支援付き意思決定への移行 20

身体の自由(第

14条)

拷問の禁止(第

15条)

自由を奪われないこと 拷問や非人道的な扱い、人体実験の禁止 21

搾取、暴力、虐待の禁止(第

16条)

身体と精神の尊重(第

17条)

児童虐待防止法、高齢者虐待防止法に続いて、障害者 虐待防止法が施行(2012年10月) 22

(30)

身体の自由(第

14条)

拷問の禁止(第

15条)

自由を奪われないこと 拷問や非人道的な扱い、人体実験の禁止 21

搾取、暴力、虐待の禁止(第

16条)

身体と精神の尊重(第

17条)

児童虐待防止法、高齢者虐待防止法に続いて、障害者 虐待防止法が施行(2012年10月) 22

(31)

国境を越えた移動の自由(第

18条)

生まれたことを認められ、登録される権利 自分の親を知り、親に育てられる権利 外国に行く権利 23

地域で生活する権利(第

19条)

移動の自由(第

20条)

施設への入所を強制されない権利 地域での生活支援を受ける権利 車椅子等の提供 24

表現の自由と情報アクセス(第

21条)

プライバシーの権利(第

22条)

自分の選んだ形で、意見を述べたり、情報を受け取る自 由 点字や手話や字幕による情報の提供 分かりやすい情報の提供 健康やリハビリテーションに関するプライバシーの保護 25

家庭と家族の尊重(第

23条)

結婚し、家庭を築く権利 性教育を受ける権利 不妊手術、断種手術を強制されない権利 家族と暮らす権利 26

(32)

表現の自由と情報アクセス(第

21条)

プライバシーの権利(第

22条)

自分の選んだ形で、意見を述べたり、情報を受け取る自 由 点字や手話や字幕による情報の提供 分かりやすい情報の提供 健康やリハビリテーションに関するプライバシーの保護 25

家庭と家族の尊重(第

23条)

結婚し、家庭を築く権利 性教育を受ける権利 不妊手術、断種手術を強制されない権利 家族と暮らす権利 26

(33)

教育(第

24条)

インクルーシブ教育の原則 地域の学校に行ける権利 学校での合理的配慮の提供の義務 手話で学ぶ権利 盲学校やろう学校を選ぶ権利 手話のできるろう者教員や点字のできる盲人教員の採 用 大学での合理的配慮の提供の義務 27

健康(第

25条)

リハビリテーション(第

26条)

障害を理由とする診療拒否や医療停止の禁止 地域での医療やリハビリテーションの権利 28

労働の権利(第

27条)

人間らしい暮らしの権利(第

28条)

ふつうの会社で仕事をする権利 障害を理由とする採用拒否の禁止 政府、自治体と企業による雇用の促進 合理的配慮の提供 衣食住に困らない権利 障害基礎年金や社会保障の権利 29

政治的活動の権利(第

29条)

投票や立候補の権利 分かりやすい投票の方法 投票の秘密の確保 30

(34)

労働の権利(第

27条)

人間らしい暮らしの権利(第

28条)

ふつうの会社で仕事をする権利 障害を理由とする採用拒否の禁止 政府、自治体と企業による雇用の促進 合理的配慮の提供 衣食住に困らない権利 障害基礎年金や社会保障の権利 29

政治的活動の権利(第

29条)

投票や立候補の権利 分かりやすい投票の方法 投票の秘密の確保 30

(35)

文化的生活・レクリエーション、レジャー、ス

ポーツへの参加の権利(第

30条)

テレビや映画の情報保障 一般スポーツへの参加 障害者スポーツへの参加 31

統計とデータ収集(第

31条)

条約実現のために適切な情報(統計とデータ)の収集 プライバシーの保護と倫理の遵守 条約の実施のための評価と、障壁への対処に活用 32

国際協力(第

32条)

国際協力のバリアフリー化 障害者の国際協力への参加 33

民主党マニフェスト(政権公約)

2009

障がい者自立支援法を廃止して、障がい者福祉制度を 抜本的に見直す  【政策目的】  ○障がい者等が当たり前に地域で暮らし、地域の一員として ともに生活できる社会をつくる。  【具体策】  ○「障害者自立支援法」は廃止し、「制度の谷間」がなく、サー ビスの利用者負担を応能負担とする障がい者総合福祉法(仮 称)を制定する。  ○わが国の障がい者施策を総合的かつ集中的に改革し、「国 連障害者権利条約」 の批准に必要な国内法の整備を行うた めに、内閣に「障がい者制度改革推進本部」を設置する。 34

(36)

国際協力(第

32条)

国際協力のバリアフリー化 障害者の国際協力への参加 33

民主党マニフェスト(政権公約)

2009

障がい者自立支援法を廃止して、障がい者福祉制度を 抜本的に見直す 【政策目的】 ○障がい者等が当たり前に地域で暮らし、地域の一員として ともに生活できる社会をつくる。 【具体策】 ○「障害者自立支援法」は廃止し、「制度の谷間」がなく、サー ビスの利用者負担を応能負担とする障がい者総合福祉法(仮 称)を制定する。 ○わが国の障がい者施策を総合的かつ集中的に改革し、「国 連障害者権利条約」 の批准に必要な国内法の整備を行うた めに、内閣に「障がい者制度改革推進本部」を設置する。 34

(37)

民主党の障害者政策

障がい者制度改革推進会議

2010年1月12日 障がい者制度改革推進会議第1回会合 24名の構成員のうち、14名は障害者団体の代表=歴史 的な構成 2010年1月から2012年3月まで29回開催 35

障がい者制度改革推進会議

2010年6月7日 障害者制度改革のための基本的な方向 (第1次意見) 2010年6月29日 障害者制度の改革のための基本的な 方向について(閣議決定) 2010年12月17日 障害者制度改革の推進のための第2次 意見 36

障害者制度改革の推進のための

基本的な方向

2010年6月29日閣議決定)

2011年 障害者基本法の抜本的改正 障害者施策の実施状況の監視(モニタリング) 権限:関係各大臣への勧告権限、資料提出要求 2012年「障害者総合福祉法」(仮称)の制定 2013年 「障害者差別禁止法」(仮称)等の制定 37

2011年7月

改正障害者基本法成立

総則 障害者の定義に「社会的障壁」 地域生活における共生 手話を言語として認定 差別の禁止(社会的障壁の除去) 38

(38)

障害者制度改革の推進のための

基本的な方向

2010年6月29日閣議決定)

2011年 障害者基本法の抜本的改正 障害者施策の実施状況の監視(モニタリング) 権限:関係各大臣への勧告権限、資料提出要求 2012年「障害者総合福祉法」(仮称)の制定 2013年 「障害者差別禁止法」(仮称)等の制定 37

2011年7月

改正障害者基本法成立

総則 障害者の定義に「社会的障壁」 地域生活における共生 手話を言語として認定 差別の禁止(社会的障壁の除去) 38

(39)

改正障害者基本法

「障害者」の定義

障害者 身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含 む。)その他の心身の機能の障害(以下「障害」と総称す る。)がある者であつて、障害及び社会的障壁により継続 的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態 にあるものをいう。 39

2011年7月

改正障害者基本法成立

基本的施策関係 教育(生徒と親の意向の尊重) 防災と防犯<新設> 消費者としての障害者の保護<新設> 選挙における配慮<新設> 司法手続きの配慮<新設> 国際協力<新設> 40

2011年7月

改正障害者基本法成立

障害者政策委員会等 国に障害者政策委員会の設置し、障害者基本計画に関す る調査審議・意見具申、勧告=モニタリング機能 地方障害者施策推進協議会を改組し、所掌事務に障害者 に関する施策の実施状況の監視を追加 41

2012年7月

障害者政策委員会の発足

改正障害者基本法第32条に基づく設置 全30名 石川准(静岡県立大学教授) 任務 障害者基本計画(2013年~2022年)に関する調査審議、必 要に応じて、内閣総理大臣又は関係各大臣に対し、意見 を述べること。 42

(40)

2011年7月

改正障害者基本法成立

障害者政策委員会等 国に障害者政策委員会の設置し、障害者基本計画に関す る調査審議・意見具申、勧告=モニタリング機能 地方障害者施策推進協議会を改組し、所掌事務に障害者 に関する施策の実施状況の監視を追加 41

2012年7月

障害者政策委員会の発足

改正障害者基本法第32条に基づく設置 全30名 石川准(静岡県立大学教授) 任務 障害者基本計画(2013年~2022年)に関する調査審議、必 要に応じて、内閣総理大臣又は関係各大臣に対し、意見 を述べること。 42

(41)

2012年6月

障害者総合支援法の成立

障害者自立支援法の廃止(障害者自立支援法意見

訴訟原告団・弁護団と国との基本合意文書)

制度の谷間を生まない障害の定義の設定

応益負担の廃止

2010年4月に総合福祉部会が設置された。55名の委

員(発達障害・難病・高次脳機能障害関係者も参加)

2011年8月に同部会の「骨格提言」

43

2012年6月

障害者総合支援法の成立

「頓挫」 政治主導はどこに? 自立支援法の廃止ではなく、名称変更 1割の「応益負担」 主な改正点 難病の追加 重度訪問介護の対象拡大(知的と精神) 意思決定支援 44

2013年

障害者差別解消法へ

2011年11月 推進会議に「差別禁止部会」を設置し、「障 害者差別禁止法」(仮)の制定に向けた検討開始 2012年9月 障害者政策委員会差別禁止部会は意見の とりまとめ完了 2012年12月 政権交代 自公政権復活 45

2013年6月19日

障害者差別解消法成立

官民両分野での直接差別の禁止 政府と自治体の合理的配慮の提供義務 民間の合理的配慮は努力義務 差別解消の基本方針の閣議決定 公的機関の要領作成および民間事業主の指針策定 雇用に関しては、改正障害者雇用促進法(2013年6月)が適用  差別禁止  事業主は合理的配慮の提供義務 障害者差別解消支援地域協議会の設置可能 紛争解決・相談は既存の機関を活用 施行は2016年4月 46

参照

関連したドキュメント

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