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廃棄研磨粉の高付加価値利用に関する研究

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(1)

費 舗 。 開 醇 陪

第5号弔Jt15年 55

廃棄研磨粉の高付加価値利用に関する研究

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ofFormed Resin Mixed with Metal Chips

Wasted from High Speed Grinding Process

中原崇丈T 吉")11俊夫tt

戸伏書昭

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宮崎誠道

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1 .緒言 1・1研究背景および冨的 近年,製品の高精度化に伴い研磨加工が行われる場面 が増え3 仕上げ加工として重要視されている.これに伴 いその廃棄物である研磨粉の量も増大している.筆者ら の研究ではではエンジン用ピストンリング製造工程から 80 [t1month]で排出される研磨粉を研究対象として取り上 げ、環境面3 省エネルギー,低コストを考慮した研磨粉 洗浄プロセス回路の検討と洗浄後研磨粉を使った付加価 値の高い材料を作り,それを使った製品化を目的に行い、 すでに報告されている1)、2)、3)これらの結果を要約す るとヲ廃棄されている研磨粉を熱硬化性樹脂 キシ樹脂でで、固化体に成型する過程で磁気を与えることに より研磨粉を配向させることが出来,よこの結果絶縁体と 導電体の中間の電気比抵抗を持つ新しい物質を得ること が出来た4ω)、5) 1・2研究対象 研爾ま金閣;f;糊:.l:lJ司馬寝粧を用し、r{:1J臨を悔 1研踊曲部望的Z

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臨を高弱こ巨転させて工作物オ甲

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当て珊l片るも町である.した 仇て移薩粉こほ金属粉高度散布願出:下が含まれている. tt ttt 愛知工業大学機械工学科(豊田市) 愛知工業大学総合技術研究所(豊田市) 帝国ピストンリング株式会社(東京都) 今回対象とした研磨粉は 金属粉.砥石粉:研磨油分=60: 25 : 15(wt%) であることがわかった. なお本論文では金属粉と砥石粉の混合物を研磨金属 粉,研磨粉を樹脂で固めた成型品を樹脂固化体と呼ぶこ ととする. 2.樹脂圏化体の電気比抵抗特性 2. 7洗浄産会いと電気比抵抗 排出される研磨粉には多量の研磨油が含まれおり,研磨 油の残存量は洗浄プロセスに影響を与える.洗浄度合いが 固化体の電気比抵抗特性に与える影響を調べた.イソプロ ピルアルコーノレ(以下lP

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を使った研磨粉の洗浄において、 その回数による残油量の違いをまず調査した. lPAは試薬 I級を使用しヲ切削油,研磨粉は帝国ピストン リング(株)長野工場より提供されたものを使用した.研磨 粉

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回転 台で回転させ、最後にろ過をして、混合液(lPA と切削油) と研磨粉とに分け,ここまでを抗浄回数1固とし、JJiJに洗浄 回数 2固と 3回、無洗浄の研磨粉に対して熱天秤で残油量 を測定する.ただし,洗浄したものは自然乾燥2時間、真空 乾燥2時間の処理を最後に行ったものとする.実験の結 果,

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に示すように翫浄なしに比べ

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回でも洗浄すると 研磨粉中に残っている研磨油は非常に少ないことが判つ Tこ.

(2)

警 重量 轟 をサンプルの長さで割り断面積を乗じて求めた.実験で 得られた結果は Fig.3に示すように洗浄回数が少ないほ ど電気比抵抗が少なくなるという傾向が得られた, 10 番

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記 司 、 言語 1量 400

。 リ ハ U O υ ハυ A U o υ 3 2 1 ( E o α ) ω u c 伺 判 的 一 ω @ L O 一 ﹂ リ F O ω 一ωo 一 一 恥 一 口 ω 且 的 3 Fig.l Residence oil content after wasrung the grinded crups wasted from high speed grinding process 1 2 Number of washing 4 ハ リ ハ U +' C 由 . . . , C D U 竺~ 6 5苔 ω言 。、ノ E

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@ 庄 2 8 Fig.lの結果よりヲ洗浄回数1回で残油量が微量になり 3 回でほぼなくなるということがわかった.このようにし て得られた研磨油の残っている研磨粉をエポキシ樹脂に 混ぜ合わせ型に流し込みラ研磨粉の洗浄回数の違いによ り、電気比抵抗にどのような変化があるのかを調べた. 試験片の寸法はFig.2に示すものとした. 3 1 2 Number of washing Fig.3 Electric resistance after washing也egrinded chips 図中

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と畿で異なった日に製作したサンプノレのデー タを示したが再現性のあることがわかる.未洗浄研磨粉 で、は鉄粉単体を見た時その表面を切削油がおおっていて 空気との接触を断っている.このため研磨粉が酸化する のを防いでいるが洗浄した研磨粉は洗浄後徐々に酸化が 進行しヲ酸化すると鉄の電気比抵抗は高くなるので樹脂 固化体にしたとき、電気比抵抗にも大きな影響を与える ものと考えられる.また磁場をかけた時にその表面の切 削油が鉄粉の移動を容易にさせ、鉄粉の配列が整いやす くなり、電気比抵抗が低くなるようである. 洗浄のための手聞やエネノレギを考えるとこのような 結果から以降無洗浄研磨粉を使用した樹脂固化体につい て研究を進めていくこととした.

70

2 電気比抵抗の方向性 エポキシ樹脂と無洗浄研磨粉の混合物の固化過程に 与える磁場の影響が固化体の電気比抵抗の方向性にどの ような影響が出るのか調べた. 実験方法はエポキシ樹脂と研磨粉[エポキシ樹脂'研磨粉 =100: 120、100:140、100‘150、100:160、100:170、100:180、 100 : 190, 100: 200、100:210(重量比)]をそれぞれ混ぜ合 わせ型に流し込み減圧処理し以下のような手順で、行った. 流し込んだ型をソレノイドコイル(400巻き)に入れ、電流 (10A)を流し磁界を発生させて 10秒磁化をする.磁化た 型を電気炉に入れ炉の設定温度は最初の 1時間を900C、 次の1時間を 1200C、さらに次の1時間を1500C、計3 時間加熱し、その後炉の電源を切りそのまま炉冷が終わ るまで放置する.固化した試験片の幅(mm)、高さ(mm) 長さ(mm)、縦方向電気抵抗(0)、横方向電気抵抗(0)を 測定し、縦方向電気比抵抗(Ocm)、横方向電気比抵抗(0 cm)を算出する. 2. 実験装置としては電気炉(樹脂を固化するための加熱装 置),ポンプ(減圧処理するための装置)ョソレノイドコイ ル(試験片を磁化するための装置ー400巻き)を用いた. 実験の手順を以下に示す. (1 ) エポキシ樹脂と研磨粉[エポキシ樹脂司研磨粉 =100:l40(重量比)]を混ぜ合わせ型に流し込み(図 2.4.2-1参照)、減圧処理するc 流し込んだ型をソレノイドコイルに入れ、電流 (lOA)を流し融界を発生させて 10秒磁化をする。 醇化した型を電気炉に入れる。炉の設定混度は 最初の l時聞を 900C、次の 1時間を 1200C、さ らに次の 1時聞を 1500C、計 3時間加熱し、そ の後炉の電源を切りそのまま炉冷が終わるまで 放置する。 固化した試験片の幅(mm)、高さ (mm)、長さ(mm)、 電気抵抗

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を算出 する。 電気比抵抗の算出方法は測定したサンプルの電気抵抗 (2) (3) (4)

(3)

Fig.5とFig.6の結果より、エポキシ樹脂と研磨粉の混合 率を変化させると、研磨粉混合率が大きいほど電気比抵 抗が縦方向、横方向ともに低くなることが分かつた‘し かも Fig.7の結果より、研磨粉混合率が大きいほど電気 比抵抗縦横比までも低くなることがわかった.この理由 は研磨粉混合率が大きくなると、樹脂中の研磨粉の量が 増え研磨粉と研磨粉のとぎれが減少し、電気を流しやす くするため、電気比抵抗は低くなると考えられる.低い 電気比抵抗を得るには研磨粉混合率を上げればよいとい える. しかし混ぜ合わせた時の流動性は、国体である研 磨粉が増加し低下すると考えられ、研磨粉混合率が 67.7(wt:'1o)より上になると、混ぜ合わせて流し込むことが 非常に困難となる. 57 廃棄研磨粉の高付加価値利用に関する研究

雄主将

Fig.4Description on longitudinal dir自ctionand仕 組sverse direction in meas斑ingelec住icspecific resist組 問 このようにして得られた実験結果のうち縦方向を Fig.5 にヲ横方向をFig.6さらに縦横比をFig.7に示す. 2‘ 3 盛場付与方式の彰響 磁場の付与方法について検討するため磁石と400巻き のソレノイドコイルに電流を流す方法の比較を行った. 磁石による磁化は型の両端に異なる極の 400[Gauss]の永 久磁石を常温状態で1分間与えたもの,ソレノイドコイ ルは160[Gauss]の磁場を1分間付与した その結果を表 6に示す.ここで示す結果はともに長方形モデル10X10 X70[mm],混合率は23.1[volume%]のものである

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よ 上一 68 58 60 62 64 66 Mixing ratio of specimen(wt自) 56 0 54 ハU A リ ハ U

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Table 6 Magnetizing with∞il of 160[Gauss) 128.3 Fig.5 Elec仕icresistance for longitudinal direction この結果から低い磁束にもかかわらずコイルによる磁場 の付与の方が低い電気比抵抗を示した.これは磁石によ る磁化では両端に研磨金属粉を引き寄せられ,中央付近 での抵抗が大きくなったためと考えられる. 800 ハU A U ハU A U 4 2 (EO α ) c o 一 H O ω 主唱 ω ω L ω ﹀ ω C 伺 h L O U F ω O E m W 4干 盟 ω ω L U E H Q ω 一 川 田 600 2. 4 離気処理による検討 面化体の製造過程で気泡が混入することが考えられ るので500[mmHg]まで減圧を行い,脱気処理を行った. 68 56 58 60 62 64 66 Mixing ratio of spesimen(wt出) Fig.6 El巴 自 民 間sIstancefor transverse direction 0 54 10000 1000 {E0 ・q}8 口 同 制 ∞ ︻ め ω ﹂ U E U ∞ 一 回 A V A U 3 ( l 可 C 0 2 0 ω ﹂ 一 万 一 回 C 壱 コ 判 一 一 回 E D 一 万 E 帽 ω 凹 ﹂ @ ﹀ 凹 E 国 ﹂ 判 ﹄ O H F C O E 回 一 戸 田 一 回 由 ﹂ 。 一 L H O @ 一 白 U F O 口 一 判 田 庄 20 With de-aeration 100 10 50 68 56 58 60 62 64 66 Mixing ratio of specimen(wt目) 0 54 550 450 Effect of de-aeration during forming process 350 Mangetic flux [Gaus斗 250 150 Fig.8 Fig.7 Ratio of electric resistance for transverse and longitudinal direction

(4)

担 。 80 Solidifying temperature (OC) 70 60 E 1500 L " どω、

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の iコ 脱 気 処 理 を 行 っ た も の と 行 わ な か っ た も の の 比 較 を Fig.8に示す.この結果から脱気処理を行ったものの方が 常に電気比抵抗が小さいことがわかり脱気処理の有効性 が明らかとなったa 500 Fig.ll Sp記cificelecなlCreSlS旬ncefortr包lSversedirection 90 且 A Q. 且

井 盆

与 60 70 80 Solidifying temperature (OC) 30 10 0 50 20 ( l ) E O -判 。 ω ﹂ 一 司 一 個 E 一 百 コ リ Z 国 z 。 一 宮 E 国 ω 曲 ﹄ ω ﹀ 曲 F ﹄ 帽 ﹄ リ F ﹄ 0 0 3 咽 庄 2. 5 悪化遺産を変化させた轄の影響 試験片を固化させる時の温度が固化体の電気比抵抗にど のような影響が出るのか調べた.実験方法は以下のとお りである.エポキシ樹脂と研磨粉[エポキシ樹脂:研磨粉 =100: 140 (重量比)]をそれぞれ混ぜ合わせ型に流し込み 減圧処理する.流し込んだ型をソレノイドコイルに入れ、 電流を流し磁界を発生させて10秒磁化をする圃磁化した 型を電気炉に入れる。炉の設定温度は最初の 1時間を 900C、次の1時間を1200C、さらに次の1時間を150"C、 計3時間加熱し、その後炉の電源を切りそのまま炉冷が 終わるまで放置する。これと同じ方法で最初の 1時間の 温度だけを 800C70"C、 600C55"C、 500C(Fig.世参照) と変化させてそれぞれ試験片を製作する,固化した試験 片の幅(mm),高さ(mm),長さ(mm)、縦方向電気抵抗

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を測定し、縦方向電気比抵抗

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、 横方向電気比抵抗伸明)を算出する. Fig.12 Ratio of specific ele他 民 間sistan田 fortransverse担ld longi:加dinaldir巴ction Fig.lO,llの結果より硬化温度を変化させると、硬化温 度が高いほど電気比抵抗が縦方向、横方向ともに低くな ることが分かつた.しかし Fig.12の結果より、硬化温度 が高いほど電気比抵抗縦横比は高くなるといえる.この 理由は次のように考えられる.エポキシ樹脂は3次元の 網目構造になる事で硬化し、研磨粉は固定される。そし て、硬化温度が高いほうが炉冷した際のヱポキシ樹脂の 熱収縮率が大きくなり、研磨粉同土の接触が多くなる事 によって電気比抵抗が低くなると考えられるa これは一 般的に他の樹脂でも同じ現象がみられる。しかし、樹脂 は初めの1時間でほとんどの硬化反応が起こるため、発 熱温度以上には温度を設定することは出来ないので、エ ポキシ樹脂では硬化温度はヲOOCまでとする必要がある0 1時間を越えれば温度を少しずつステップアップ出来る ので時間短縮のためには良いと言える. 2. 6 加熱するまでの時間 固化体の製造時に90rC], 120[oC], 150["C]の加熱を行 ったが,常混の状態でも主弗!と硬化剤の化学反応は行わ れている.そこで加熱までの化学反応の進み具合によっ て電気比抵抗が変化するかを検討するーそのために樹脂 の主剤と硬化剤を擾持してから加熱するまでの時間を変 化させて,電気比抵抗の変化を調べた.その結果をFig.13 に示すa 90

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Q 、>J 180 150 Fig.9 Tempera旬reprofue in solidi今ing 200 120 (mill) 60 90 Duration託me 実験結果を Fig.1O,1l,12に示す. 30 200 ハ U ハ U 150 100 50 ( E o q ) CO 事 O 申 ﹂ 一 刀 一 回 E 一 方 コ 岩 国 CO 一 ﹄ O H↑由 OC 四 一 古 田 一 由 串 ﹂ 申 立 制 h w 骨 一 山 田 ( O L 曲 、 ﹄ コ 一 石 L 申 a E 由 ト 150 60 70 80 Solidifying temperature (OC) 100 0 50 50 Fig.lO Specific eleι出cresistance oflongitudinal dir岳山on

(5)

59 廃棄研磨粉の高付加価値利用に関する研究 闇化体の長時間発熱特性 樹脂固化体を電気発熱体として実用化するためには長時 間連続使用の試験を行う必要がありラ電気発熱体として 長時間使用すると樹脂固化体にどのような影響が出るの か調べた.実験方法は電気比抵抗が 123(Qcm)の試験片 [20mmX 14mmX21Om m (幅×高さ×長さ)]に熱伝対を取 付け、 ACI00(V)の電圧を縦方向にかけコ長時間電圧をか けた状態にし、所定の時間で温度と電気抵抗を測定した. 60分の実験結果をFig.15,l6に示す. 3 150

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ト Fig.13 E宜ectofleaving time to specific electric resistance 実験は 0~120 分まで、行ったが全体として大きな変化 が現れなかったが, 0分や 105分以上では電気比抵抗が 大きくなっていることがわかる.0分に関しては加熱に よる化学反応が活発になりすぎ膨張が生じたためと考え られる.105分以上に関しては常温での化学反応が進ん だためと考えられる.また 15~60 分付近で一番電気比抵 抗が低下している, したがってこの範囲で力日熱を行った 方がより電気比抵抗が低下することが明らかになった. 以降,本研究での常温の放置時間は15分として実験を行 った. 60 50 40 30 Duration出回(聞血) 20 10 150 E u q ) ~ 100 S U但 00

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50 ハ リ ハ υ 2. 7 研磨金属粉謹合事j合と磁東密度の検討 樹脂固化体は絶縁体と導電体の複合材料であるので, 研磨金属粉の混入割合によって電気抵抗が変化すること が考えられる.また付与する磁束密度によっても変化す ることが考えられる.その実験結果をFig.14に示す. Fig.15の結果より、 60分までの発熱温度は急激に上昇し 80(C)付近で安定することがわかった園 Fig.17に示すよ うに、電気比抵抗は電圧をかけた直後からやや下がり、 温度が安定すると共に 140(Qcm)付近で、安定することが わかった.この結果をヒントにしてさらに長時間の特性 を調べたがラその結果をFig.17に示す.最初の1時間では 急激に温度が上昇するが、その後は 40~65CC)の範囲で 推移することがわかった。また、安定していた後に温度 が下がる場合は、急激に下がるという傾向がある.この 試験では電圧などの外的条件はまったく制御しない状態 で放置したものであるが平均して 500C付近の温度に保 たれるということがわかった。自律的制御が出来ている Fig.16 Behavior of specific elecむicresistance 5 n u I 鋼 、 ( o E ι ~ ? 10斗 官 。 宙 、J @ 勾 ~

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叩 102 101 24 14 16 18 20 22 Vo1umetric mixing ratio ([ volume%) 12 Fig.14 Effect of magneticf1ux on elec仕lCreslstanc邑 この結果から研磨金属粉混合割合の増加,または磁束 密度の増加により電気比抵抗が低下することがわかった. したがって研磨金属粉混合割合を 13~23(volume%),磁 束密度を 90~452(Gauss)まで変化させることで電気比抵 抗を 50~50000(Q . cm)まで自由に変化させることがで きることが明らかとなった.

(6)

より高いヤング率を示した.このことからヤング率の観 点から見れば,混合率 8[volume%]以上であれば固化体単 体で便座を作るだけの強度があり,現在の便座よりも薄 い厚みの便座を作ることができる.さらに ABS樹脂の厚 さを薄くできるので,便座の発熱量を減らすことができ ると考えられる.また混合率 8[vol阻 le%]以下においても ABS樹脂と同等程度であるのでヤング率から見れば十 分便座を作る強度があると考えられる.以上のことから 固化体単体でも便座を作ることはできると考えられるが, 固化体単体では面化体を流れる電流が人体に流れる可能 性があるため絶縁を行う必要があり,今回は固化体単体 では便座を作らないこととした. 24 20 16 8 12 Leavingtime (h) 4 といえる. 100

80 60 40 20 (00) 巴 2 5 0 品

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4 ' 2エネルギー謹からの韓討 市販されている便座を輪切りにしたところ, Fig. 19に 示すようにABS樹脂,空気,アルミ箔, ビニノレ被膜,導 線の各層に分けることができる.あらかじめ各部分の寸 法を測定し,市販の便座を暖めるときの電流を測定した. 測定値を使い,固化体での作ったときの体積比抵抗,電 力を算出した.算出結果を参考にして同化体による便座 は固化体の厚みを6[皿]とし,その断面の様子をFig.20 に示す. Fig.171i四lperaturebehaviorwi血outpowerωn柱。1 一般的に伝導体は温度が高くなるとその電気抵抗も高く なるということは知られておりヲ樹脂固化体についても 同様で今回の実験で、樹脂固化体に電圧をかけ発熱させ るとその熱で樹脂固化体の抵抗も高くなる.そして電流 が流れにくくなると発熱量が少なくなり放熱量の方が増 し、温度が下がり,抵抗が低くなり電流が流れやすくなる. そしてまた、放熱量よりも発熱量が増し温度が上がる. 樹脂固化体に電圧をかけるとこの一連のサイクルで温度 変化が出てくるものと思われる. 闇化体を用いた製品の検討 樹脂固化体の特性を考慮した利用について検討する. 50"C以下の発熱が可能であるので身近なものとして暖房 便座を考えることとした. 4

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h1SUlator Fig.19 Section of conventional toilet base 4 1強聾講する揺す 現在の暖房便座には ABS樹脂が使用されてし、る.そ こでABS樹脂との比較を行った.その結果をFig.18に 示す. 12 吾 ヰ 2 喜 !O 司 且4 0 除 去h 入 ~ Fig.20 Section of new model 30 20 10 () G 実測寸法を参考にして算出した結果から樹脂の電気比抵 抗が53.8[0・cm]であることがわかる.また,電力に関 しては市販の便座が 16伊司必要であるのに対して 固化 体で、使ったものは 6.3阿]と約 10同]節約することができ る.このように市販の便座と固化体の便座で消費電力に 研磨粉混合割合[volume%] Yo阻 g m凶ul田 ofABSresm阻dsolidified resm ABS 樹脂のヤング率は 2~3[GPa] として比較する. Fig.18から固化体の混合率引vol山田%]以上は ABS樹脂 Fig.18

(7)

廃棄研磨粉の高付加価値利用に関する研究 61 差が生じたのは市販の便座の加熱は導鰻を加熱し,それ が被膜,アルミ箔,空気を通って,いるのに対して,固 化体の便座は図 34に示すように固化体自身が加熱し,そ れが直接便座を暖めているためと考えられる.便座を24 時間運転すると一年間で 85.0[kW]削減することができる. またこれを CO2に換算すると一年間で 136 [m3]削減でき ることになり,環境面からも樹脂による便座の有効性が 明らかとなった.

Fig.21T~田中古ra加redis仕ibutionmea四redby in企a-red

試 作 便 座 の 温 度 分 布 を 赤 外 線 に よ り 測 定 し た 結 果 を Fig.21に示すa かなり一様な分布であることがわかり,従 来の発熱線方式に比べ利用価値が高いといえる. 5 可撞性の付与による付加価髄の向上 今まで述べてきた樹脂固化体はヤング率にして 10から 20 (Gpa)程度の強さを持っていることがわかっている. 利用範囲を拡大するためにエポキシ樹脂をベースにし て可撞性を加えた場合の特性について研究した. 5. 1 可議性付与の方法 これまで使用してきたヱポキシ樹脂には弾性が無く、製 品化を進めていく上でかなりのマイナス要素となって しまう。そこで、弾性に富んだゴム材料のような材料を 探り、製品化の枠を拡げられるようにする. 可撞性付与弗jの選定条件は以下のようにした ,より兼価な素材 ー省エネで製造できる .環境によい ・弾性がある a製造過程が簡略できる 選定条件により以下の3つを選定した。 ①不飽和ポリエステル 室温で効果反応が起きる 反応速度が速い エポキシ樹脂より兼価 弾性がある ②ジエリーキャスト 弾性がある 有害物質を発生しない 簡単に溶かすことが出来る マイナス 150

C

でも硬くならない ③エポキシ樹脂への可撞性付与剤の添加 弾性がある エポキシ樹脂のひび割れ防止 粘度が低く扱いやすい この3つのうち、これまで、行ってきた本研究と比較をで きるということで、エポキシ樹脂への可撞性付与剤の添 加を使用し、研究を続けていくことにした.可撰性付与 剤についてはエポキシ樹脂に比べ分子の構造が長鎖状で、 あるため、添加することによって粘度が高くなり、ひび 割れ防止や境ませることが出来る. Table 2 Composition of flexibilizer エポキシ当量(equivalent)については化学反応性にもとづ いて定められた元素(単体)または化合物の一定量のこと で、基反応の数が 6xl0'23個を 1当量としている. (A)エポキシ主剤(エピクロン 857)冒 咽 珊 開 留 置200g/eq (B)可撞性付与剤(エピクロン 707)幽副・・哩 '308g/eq (C)硬化剤副回国..・E・a目爾四回..固困・固因園.. 由 也 舗 .58g/eq 以後、樹脂を混合させる割合はこのエポキシ当量を考慮 しそれぞれの質量を算出している。 (A)と(B)の当量の和 と(C)の当量とが等しくなるように混合する。例として、 混合割合を(A):(B):(C)=200:308:116(g)としたとき、当量 でみると (A):(B):(C)=l:l:2(eq)となっていることがわか る。このとき、可撞性付与率が 50%であると定義し以後 使用していくこととする. 5. 2 可撞性差付与した窟化体の電気特性 これまで本実験で使用してきたエポキシ樹脂に可携性付 与剤を添加することで電気比抵抗にどのような影響を及 ぼすかを調べる. 実験方法は可撞性付与率を10,20,30ラ40,50,100(wゆりの割 合で、混ぜ合わせたエポキシ樹脂と研磨粉をそれぞれ混ぜ 合わせ(このときのエポキシ樹脂と研磨粉の割合はすべ て100:140(重量比)とする)型に流し込み、減圧処理する. 流し込んだ型をソレノイドコイルに入れ、電流を流し磁 界を発生させて 10秒磁化をする.磁化した型を電気炉に

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これらの結果より、全体的に可捷性付与率が高く、さら に硬化温度が高いほうが電気比抵抗は低くなることがわ かった.しかし、可撞性付与率が 100%の場合、飛びぬ けて高い値を示している.硬化温度の変化による電気比 抵抗への影響については可撞性付与剤を添加させたとし ても成り立つことがわかった.可撰性付与率の変化によ る電気比抵抗への影響については、可捷性付与剤(エヒ。ク ロン 707)の粘度が低して57[mP])のでエポキシ樹脂に添加 することにより、エポキシ樹脂全体としての粘度も低く なるといえョ磁界をかける際に研磨粉の移動が容易にな り電気比抵抗が低くなることがわかる.しかし、可撰性 付与率を高くしてゆくとケント紙を利用して試験片の型 を作っていたので樹脂が染み出してしまい、実験結果に 少なからず影響を及ぼしていたと考えられる. 問題点として混ぜる樹脂が3種類に増え、それぞれの質 量において高い精度が必要になったので、再現性が低く なってしまったことがあげられる. ったため 600Cと低めに設定し 3時間加熱、その後炉の電 源を切りそのまま炉冷が終わるまで放置する.これと同 じ方法で温度を700C、800C、900Cと変化させてそれぞれ 試験片を製作する。次に従来と同じように、設定温度は 最初の1時間を900C、次の1時間を1200C、さらに次の l時聞を1500Cとして計3時間加熱し試験片を製作する. 面化した試験片の幅(mm)、高さ (mm)、長さ (mm)、縦方 向電気抵抗(旬、横方向電気抵抗

(

0

)

を測定し、縦方向電 気比抵抗(Ocm)、横方向電気比抵抗(Ocm)を算出する. 実験結果をいかにまとめて示す.Fig.22は可撞性付与率 を変えた場合に生じる長さ方向の電気比抵抗の変化 を,Fig.23には幅方向の変化,Fig.24には電気比抵抗の 長さ方向と幅方向の比の変化を2. 3で述べた面化温度 をパラメータとして示す. 企9ぴ 日 叩 ト15000I

90'・口

80"0 爾7000 5‘ 3 司撞担闘阜こよξ滋接抗慶{と これまで本実験で使用してきたエボキシ樹脂に可捷性付 与剤を添加することでヤング率にどのような影響を及ぼ すかを調べる.実験方法は以下のとおりである.可撞性 付与率を 0,10,20,30,40,50,100(wfllo)の割合で、混ぜ合わせ たエポキシ樹脂と研磨粉をそれぞれ混ぜ合わせ(このと きのエポキシ樹脂と研磨粉の割合はすべて100:140(重量 比)とする)型に流し込み、減圧処理する.流し込んだ型 をソレノイドコイルに入れ、電流を流し磁界を発生させ て10秒磁化をし,磁化した型を電気炉に入れる.炉の設 定温度は樹脂が型からふきこぼれる恐れがあったため 600Cと低めに設定し 3時間加熱、その後炉の電源を切り そのまま炉冷が終わるまで放置し,これと同じ方法で温 度を700C、800C、900Cと変化させてそれぞれ試験片を製 作する.次に従来と同じように、設定温度は最初の 1時 聞を900C、次の 1時間を 1200C、さらに次の 1時間を 1500C として計3時間加熱し試験片を製作する.固化した試験 片を10X 50X 3[幅(mm)X長さ(mm)X厚み(mm)]にカット し,その後曲げ試験を行う.実験結果をFig.25に示す. 100 20 40 60 80 Ratio of f1exibilizer(wt判) 150 100 50 ( E o α ) z o - H O ω ﹄ 一 万 一 句 E 一 古 コ 岩 国 z o 一 - h o H F ω ω z m w H ω 一ω ω ﹄ O 一L H U ω 一 川 山 Fig.22 E1ectric resistance for longitudinal direction 100 20 40 60 80 Ratio of f1exibilizer(wt日) Fig.23 Elec仕icresistance for transverse direction 500 100

d 斗 q d ペ ム ( E o α ) E O 一U F O ω ﹄ F 百 ω 凶 L E ﹀ ω E m w L H L O H F ω O 巴得制 ω 一ω ω L 口 一 L H U ω 一 川 山

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exibilizer(wt施) Ratio of f1exibilizer(wt首) Fig.25 YOlmg modulus wiせ1flexibilizer Fig.25の記号はFig.22と同じ条件を示しているが,この結 果より、可撰性付与率が高いほどその固化体のヤング率 Fig.24 Ratio of resistance for transverse and longitudinal direction

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63 る.樹脂固化体は Fig.27・1で示すように研磨粉の配列が 一様でありその隙聞をエポキシ樹脂が埋めていると考え るー 廃棄研磨粉の高付加価値利用に関する研究 Fig.27-1Arrangement model of chips m f'母sm 果より、可撞性付与率が高いほどその固化体のヤング率 は低くなるとともに,可捷性付与剤を添加した場合でも 硬化温度の変化にはほとんど影響を及ぼさないことがわ かった.可揖性付与剤とはエポキシ樹脂に弾性を持たせ る働きがあることが証明できた.さらに可捷性付与率を 高くすればヤング率を低くさせることができる.しかし、 可撰性付与率が 40%を越えるころにはヤング率の大幅な 低下が見られないだけでなく、もろく壊れやすくなって しまう.以上よりエポキシ樹脂に可撞性付与剤を添加し ヤング率を下げるには、可撞性付与率は1O ~20%程度で の使用が適しているといえる. そこで荷重をかけ、たわませると Fig.27-2のようになる ものと推定される.研磨粉とエポキシ樹脂ではヤング率 の大きさの違いによりエポキシ樹脂だけが荷重の影響で 大きくたわむと考えられ、研磨粉の配列の変化が電気比 抵抗に影響していると言える. Fig.27-2を見ると、試験 片の上側の配列は圧縮により接触面は少しずれるが Fig.27-1の状態と大差は無いと考えられ試験片上側の圧 縮による電気比抵抗への影響はほとんど無いと言える. 試験片下側では引張られるので研磨粉の聞に隙聞が生ま れ、この隙間で、はエポキシ樹脂のみが引張られており、そ の影響により電気比抵抗が高くなるものと考えられる. このような特性は観点を変えれば利用価値の上がるもの とし、える. この試験を実施中にひずみを与えた後電気抵抗特性が 徐々に変化することに気がついた.詳しく測定するため に以下のような試験を行った.試験片を境ませて固定し た状態で時間と共に電気抵抗を測定する.実験を開始し てから 0、10、20、30、40、50、60、如、 120、150、180、 210、240、270、300秒後にそれぞれ電気抵抗を測定する. 実験結果を Fig.28に示す. und邑rbended condition Fig.27-2Arrangement of chips 5. 4 ひずみと電気輯性 可撞性を付与したことにより変形しやすくなるがラ変形 すなわちひずみを与えたときに電気抵抗特性がどのよう に変化するのかを実験的に調べた.実験方法は以下のと おり.可撞性付与率を0ラ10ラ20,30,40,50(羽扮o)の割合で混 ぜ合わせたエポキシ樹脂と研磨粉をそれぞれ混ぜ合わせ (このときのエポキシ樹脂と研磨粉の割合はすべて 100: 140(重量比)とする)型に流し込んで、銅線を埋め込み、減 圧処理する.流し込んだ型をソレノイドコイルに入れ、 電流を流し磁界を発生させて 10秒磁化し、磁化した型を 電気炉に入れる.炉の設定温度は最初の 1時間を 900C、 次の 1時間を 1200C、さらに次の 1時間を 1500C、計 3 時間加熱し、その後炉の電掘を切りそのまま炉冷が終わ るまで放置する.固化した試験片を撰ませた状態で気抵 抗を測定し、その結果から電気抵抗の変化率を算出する. 3.00 ハ V A U A 守 今 ム 旬i 唱 i ( ま ) ω O C 何 リ 芯 一 ω ω ﹂ ﹄ 。 。 手 m w 国 c - ω 国己偲 40 160 100 300 Ch叩geof resistance after start自己stram 50 100 150 200 250 Time after strain staは (sec) 95 Fig.28 ( 揖 ) ω U F ﹂ 冊 一 宮 山 一 曲 @ ﹂ h F O ω 国巴伺 Z O Fig.26 Change of巴lecむicresistance with stram 実験結果を Fig.26に示すが、図中の記号の違いは可撞性 付与剤の添加割合の違いを表すがいずれの添加割合でも ひずみとともに縦方向の電気抵抗は増加していることが わかる.このようにひずみを与えると電気抵抗が増える メカニズムは詳しい測定が出来ていないので未知の分野 も多いが、今回のように曲げによるひずみの特有な現象 であるとも言える.すなわち、試験片の中心に荷重をかけ て曲げのたわみを与えると、試験片の各断面が相対的に 回転すれば、上側は圧縮され縮み、下側は引張られ伸び

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この結果より、樹脂固化体にひずみを与えた直後から電 気抵抗が下がり始めるという傾向が得られ、その電気抵 抗の値は時聞が経つにつれて安定してくると推測できる. また、可撰性付与率が高くなるほどその変化が大きくな ることがわかった.この理由は以下のように推定できる. 樹脂固化体の電気抵抗は曲げひずみが起こると引張りの 影響を大きく受けることになる.突発的に荷重がかかっ たと考えると、ヤング率の低いエポキシ樹脂だけが引張 りを受け研磨粉同士の距離が拡がるために電気抵抗が高 くなるが、時間的経過を見たとき電気抵抗が低くなり始 めるのは、突発的な荷重により伸びたエポキシ樹脂がク リープ現象を起こすため徐々に縮みだし、その結果研磨 粉同士の距離も縮まったためであるものと考えられる. 6. 結論 以上の研究から以下のようなことが結論付け出来る. 1 )いままでの研究によって得られた磁場を付与す ることによる従来に無い電気抵抗特性を持つ新 物質の詳細なデータを得ることが出来た 2) 対象とする研磨粉は研磨油が残ったままのほう が電気抵抗特性は実用領域に近く洗浄という手 間なしで利用で来ることがわかった 3)磁場を与えることにより電気抵抗に方向性が現 れており利用に当たって特異な特徴を見出すこ とが出来た 4)可撞性を要求する利用方法がありこのために可 撰剤の検討、可撞性を与えた場合の強度や電気特 性を明らかにした 5)可撰性を与えた場合、変形直後には電気抵抗が増 すが時間とともに徐々に抵抗が減少し安定する 傾向が新しくわかった 今後引き続き新しい特性を研究して付加価値の高い利用 方法につなげて行きたいと考えている 言与野 本研究の一部は愛知工業大学総合技術研究所プロジェ クト研究費の補助で行われたことをここに記し,謝意を 示す. 参考文献 1. TNakahara, T Yoshikawa,阻dN.Okada."Investigation of仕le Utilization of也eChips Wasied from the匝ghSpeed Grinding Process",2nd Intemational Symposium onAdvanced Energy ConversIon system組dRelated Technologies-RAN98, 1 998-12,pp 130圃131 2. 中原崇文、吉川俊夫、戸伏書昭、松岡慎也、山田英介、 宮崎誠道“金属粉などの無公害処理と高付加価値利用に 関する研究"、愛知工業大学総合研究所“研究報告n 第4 号(2002)頁 19~30 3. 古川│俊夫、岩田博之、中原崇文“エポキシ樹脂充填剤 と し て の 研 磨 粉 に 関 す る 研 究 第l報 硬 化 に よ る 導 電 性 の 発 達 と 磁 場 印 加 の 効 果 " ネ ッ ト ワ ー ク ポ リ マ ー VoL23, NO.2 2002 pp.92-100 (2002) 4. 中原崇文、吉川俊夫、岡田教嗣、松岡慎也“高速研磨工 程から排出される研磨粉の洗浄と固化体の特性"エネノレ ギ ー 資 源 学 会 第 20 回 研 究 発 表 会 講 演 論 文 集 200l.6.13・14頁 341~346 (2001) 5. 中原崇文、古川俊夫、松岡慎也“高速研磨工程から排 出される研磨粉の再利用に関する研究"日本機械学会東 海支部第51期総会講演会講演論文集('02.3.8-9)NO.023・1 頁 343~344(2002) ( 受 理 平 成 15年 4月 初 日 )

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