鳥大農研報 (Bull.Fac.Agric.,Tottori Univ.)31 1∼
8(1979)
コンニ ャクの 自然生
(じ
ねん じょう
)栽
培 に関す る研究
Ⅱ
.四
国・九州 における地理的分布 とその実態
黒田俊郎
*。本下
収
*・栗原
浩
* 昭和53年8月31日受付Studies on`愚
σ
ガο
Culture'l a Traditional Method,of
Koniak(4%ο
ゆ力″力α〃熔 々οηαじ
)II. Status of Geographical Distribution and the Cultural Method in
Shikoku and Kyushu,Japan
Toshiro KURODA*,Osamu KINOSHITA・
and Hiroshi KURIHARA*
The status of geographical distributioll and the method of i οタリο Culture, a traditional koniak(4″οゆ力ψ力α〃クS力οttπ K Koch)cultiVation,vere surveyed h Shikoku and Kyushu,Japan.The∫ ¢蠅o fields vere found in Tokushima,Ehime, Kochi, Fukuoka, Saga, Kumamoto and h/1iyazaki Prefectures. :「 he environmental condhions of the力%¢夕ο fields are similar to thOse of Honttu,in the following
勘響
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うοηbjl♂λ Koidz,C″ ″わη?々αチ″οガθ,D Don and Cゲチ胞ιsク%s力物 Marcov The density
of kolliak stands ranged from 24 to 152 hills/m2,and the maximum LAI was 35
跳絲
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1露ifertilizers were applied,the crops damaged due to disease and the corm quahties declned Six strains, 、vhiCh had different plant types from Honshu strains, Ⅵrere co■ected 前報Dで は,コ ンニャク自然生 (じねん じょう
)畑
が 福島県以前の本州各地 に残存 し,本
来コンニャクの道地 とみ られる傾斜地 において長年 にわた り維持 され,高
品 質球茎を産 し,ま た無病健全な種球茎の給源 となってい ることを明 らかにした。同時 に自然生栽培 における】巴培 管理および群落の実態がいわゆる植玉栽培 とは著 しく異 なること,お
よび自然生栽培 がコンニ ャクの特性 に合致 し植玉栽培 に対す る栽培 の原型で あるとともに将来のコ ンニ ャク栽培法の改善 に極 めて示唆 に富む ことも指摘 し た。本研究 は, 1自然生畑 における優 良生態型の検索, 2採種利用体系の検討, 3コンニ ャク栽培理論の究明 を ね らい とす るが,前
報 に引続 き四国 および九州1における コ ンニ ャク自然生栽培の実態 を調査 し,コ
ンニ ャクの育 種並 びに栽培 に活用す る可能性 を明 らかに しようとする。 緒 率 鳥取 大学農学部農 学科 作物 学研 究 室 Dψ'力
¢妨 げ 々 陶η棚9虎
じ%秒9/4卵
磁 協77j拘肋 万 ψ ケυ♂窮カ研 究 方 法
1.自
然生畑 における優 良生態型の検索(1)自
然生畑 の分布 とその環境 四国・九州 にFD・いて自然生畑 の分布す る地区の情報 を 地域農試・県農試・市町村役場 ・農業改良普及所・農協 等 を通 じて収集 し,分
布状況 を把握 した。 また代表的地 域 につ いて立地環境 を既存資料 によ り明 らかにす るとと もに,現
地調査 によって生物的条件(随伴植物 など),畑 の標 高・傾斜等 を明 らかに した。(2)優
良生態型の検索・収集 9地区 について生育状況 を調査 し,生
態型の同定 を行 うと共 に優 良 と認 め られる系統 を収集 し次年度の国場検 定 に備 えた。2.自
然生栽培 の採種生産 としての可能性 代表的地域 の自然生畑 における生産 と利用の実状 を把 握す るため,栽培・管理・利用 につ いて聞取 るとともに, その実態の一部 につ き□場で裏付調査 を実施 した。 なお調査 は主 と して1977年に行 ったが,一
部 は1975年 以降の予備調査 の結果 に基づ く。 結果および考察1.自
然生畑 における優 良生態型 の検索(1)自
然生畑 の分布 と立地環境 〔自然生畑の分布〕 四国 。九州 における分布の様相 は本州1地域 とは若干異 なる。福島・茨城 ・山梨県等 に認 め られた比較的大規模 な産地 が四国・九州 には認 め られない。高知・徳島県等 では昭和30年 以前 にはかな りまとまった自然生畑 があっ たとの間取 りを得 たが,植
玉栽培 も合む コンニ ャク栽培 面積 の減少 とともに自然生畑 も少 な くなった。 また集落 単位 や1筆単位 か らみて も,小
規模 な自然生畑 が大半で ある。 しかも広域 にわた り散在 してお り,調
査 した市・ 町・村で はほ とん どの集落 (字)に
自給用栽培 あるいは レリク ト化 (遺存)したコンニャクを認 めた (第1表, 第1図)。 香川 。大分・長崎・沖縄 を除 く各県で 自然生畑 の分布 を確認 した。渡辺Dは戦前,大
分県北海部郡 に分布す る ことを報 じているが,現
在消失 しているとの情報 を地元 農協 より得てお り,長
崎・沖縄県 は未調査 で あるが,生
態的条件 を考慮すれば自然生畑 は存立 し得 ない と考 え ら れる。ただ し長崎県では自給用程度のコンニャクは栽培 され,また鹿児島県 (松元町)に
も一例 を認 めたが,近
年茶園中に導入 したもので本来の 自然生畑 とはやや異 な 第1表 四国・九州 における自然生畑 の分布地域 徳 島 高 知 愛 媛 名 東佐 那河 内村 周券 1甫
月券,甫田丁 美 ,焉
半 田町 木屋平オす ―字村 穴吹町 三 好
東祖谷 山村 西祖谷 山村 吾 川
吾川村 池川町 吾北村 香 美
物部村 高 岡
越知町 構原町 長 岡
大豊町 本山町 土 佐
土佐町 上浮穴
久万町 面河村 美河村 柳谷オ↓ 河ヽ田町 八 女
立花町 黒木町 杵 島
嬉野町 鹿 本
菊鹿口丁 西 臼杵
五ケ瀬町 日之影町 高千穂町 岡 賀 本 崎 福 佐 熊 宮 第 1図 四国・九州にお1するコンニャク自然生畑の分布(市町村) っている。 したがって 自然生畑 の南限は宮崎 。熊本県境 附近 と思 われる。
コンニ ャクの 自然生 (じねん じょう
)栽
培 に関す る研究 地勢的 にみ ると分布 は四国山地 および九州 山地 に認 め られ,構
造地形区分 か らは中央構造線 に沿 った外帯の地 域 に極 めて よ く一致 している。 前報いの結果を含め本州から九州 にわたっての分布 を 通観 す ると,コ ンニ ャク白黙生畑 は沿 岸部 には認 め られ ず,奥
羽山脈・関東山地・紀伊 山地・四国山地,九州 山 地 を結 んで帯状 に位置 している。 また 日本海沿岸 には認 め られず,気
象条件 (特に冬期)も自然生畑成立 に関与 県 名 観測点 (標高m)
していることも示唆 される。 福島県 か ら宮崎県 にかけ広範 に分布す ることはコンニ ャクの生態型 に変異 があ り,単
に「在来種」 と して一括 すべ きで ない事 を示 している。 〔立地環境〕 (気象条件) 既存の観測値9によって気象条件 を検討す ると(第2 表),年平均気温 につ いては本州では共通条件で あつた13 降 水 量 (mm) 5∼10月 ■∼4月 第 2表 コンニャク自然生畑分布地の気温 と降水量 (四国・九州) 温量指数(℃・月) 暖 かさの 寒 さ の 指数 指
数 温 た凩 ヽ ア 均 ℃ 平 く 年 年 間 島 知 媛 崎 徳 高 愛 宮 横 瀬 〔勝 浦 町〕
(50)*
槙 山 〔物 部 村〕(240)+ 御三戸 〔美 ナII村〕(400)キ 五ケ瀬 〔五ケ瀬町〕(520) 15.8 15 4 14.3 12.9 129.4 124.3 115.0 100.7 0 2,524 1,713 -0,6 3,046 2,169 -3.2 2,214 1,534 -5.5 2,070 11437 *自然生畑 との標高差200m以上 気象庁資料°より算出 ℃ を大半の地区が越 え,比
較的温暖 な地域 に分布 し,温
量指数暖 かさの指数 も本州での100∼■0℃・ 月 を上 まわ る。第2表中五ケ瀬(宮崎)だけが本州 での共通的条件 に 近 い値 を示 し,夏
期冷涼・冬期温暖 な気象条件で ある。 観測点の標高が自然生畑 よ り低 いこと,お
よび他作物 との混作 (後述)に
よる微気象的変化等 を考慮す る必要 はあるものの,四
国・九州 の 自然生畑 は本州 に くらべて 比較的高温条件下 にある。 したがって木州 とは異 なる生 態型の分布 も予測 された。 畑 は斜面 に位置す るものが大半で,角
度 は5°∼30°で, 方位 は概 して南向 きで あったが,一
部 には本州ではみ ら れなかった北面の畑 が認 め られた。南面畑 が北面畑・平 地畑 に比 し夏期 一寡照,冬
期 一多照 とな り自然生栽培 お よびコンニャクの特性 に合致 した条件で あることは前報D で指 摘 したが,四
国 。九州では冬期の低温・降雪 が厳 し くないため】ヒ面の 自然生畑 が存在す ると考 えられる。 ま た他作物 (特に果樹)との混作 が多 く見 られること,即
ち果樹や桑 が被陰樹 となって夏期の強光 を防いでい る結 果 も恐 らく気温 に基因す るもの と考 えられた。 年降水量 は全て2,000mmを 越 えるが,冬期(11月∼4月) には相対的 に少 なく,本
州での結果 と一致 してお り球茎 が土 中で越冬す る自然生栽培 は冬期 に降水量 が少 ないこ とを必須条件 とす る。 標高は200∼700m程
度で本州の中西部 よ りも低 い場合 が多 く,前
述 の よ うに年平均気温が13℃を越 える地域 が あることも首肯 される。いっぼ う標高 が500mを越 える地 域 (愛媛・宮崎)で
は年平均気温 も13℃に近 い。 同一地域内の場合,標
高が他 よ り高 い地区 が良質球茎 を生産 してい る例 が多 く(愛媛・高知 ),標 高 は特 に品質 に影響す る立地条件 と思 われた。いっぽ う他地 区 よ りも 低標高で良質球茎を得ている場合 が例 外 的 に認 め られ た (宮崎・西 臼浄)が
,年
平均気 温 が比較的低 い ことに関 連 している。 これ ら2つの事例 を比較す ると,年
平均気 温 が約13℃の地 区 に好適 な標高が存在す るもの と考 えら れる。 (土地条件) 代表的地域 における自然生畑の土地条件,随
伴 有用植 物 および生育・栽培状況 を一括 して第3表に示 した。 地質は古生界が大半で,本
州 における結果 と全 く同様 で ある。 したがって本州 か ら九,11に至 る自然生畑 の分布 は,本
邦 における古生界の分布 と著 しく類似 してい る。 佐伯°は古生界(輝緑凝灰岩)土壊の一般的特徴 として, 多少の礫 を合み,地
勢 が傾斜 して排水の良い所 が多 く, この よ うな土地 は作物 の生育 に適 し,畑
作 はもちろんの こと深根作物 た る桑・茶・猪・三極・果樹 などがよ くで きる, と述 べ,い
っぽ う水分や肥料成分の吸1又保持 力が第3表 コンニ ャク自然生畑実態調査結果 (四国・ 九州 )(そ の1) 調
査
地
緯 度 標高 傾斜 地
質 堆積 土
性
土壊生産性 方向
表 土 (地図番号
) (調
査年月日)
経 度m
角度 母材 様式
次 層
簡略分級式 (1應島県名東郡佐那河内村下嵯戦丸田 33°
59' 21111 tt Gd
残積 壊質∼粘質 Ⅱ(w)(NI―
爵-22-9-1)(1977.3.9) lM°
28' 30°
変 成 岩壊質∼粘質 (2鷹島県勝浦郡勝浦町阪本
33° 56. 31111 tt P
残積 壊質∼粘質 Ⅱ(w)fれ(NI-53-22-9-1)(1977.8.9)1髄
°28' 30°
回 結 水 成 岩壊質∼粘質 (3)高知県吾川郡吾北村小川柳野上
33°
37' 31Xl 南東P
(NI-53-28-15-1)(1977.8.9)133°
15' 28°
(4)高知県番美郡物部村神池野久保33°
44′ 41Xl 南東P
残積 中 粘 質 Ⅲ fnse(NI―
酪-28-2-2)(1977.810)1鶴
°53' 13°
固 結 水 成 岩 崩積 中∼細粘質 I tdtt w) (5)高知県長岡郡大豊町中村大王33°
45' 370
平地sch
残積 中 粒 質 I dgpfnse(NI-53-28-6-1)(1977.8,9)133°
40'
変 成 岩 崩積 中∼細粒質 (6)愛媛県上浮穴郡美川オす七鳥長瀬33°
38' 420
南P
崩積 礫質 Ⅳ
s
Ⅲtgne(NI-53-34-3-1)(1977.8.9)133°
lXl' 10° 変 成 岩礫
質 Ⅱ pd(w)f (7)愛媛県上浮穴郡柳谷村西谷名荷下
33°
31' 720
南東P
崩積 礫質 Ⅳ
s
Ⅲtdg e(NI-53-割
-3-2)(1977.810)132・
57. 20°
変 成 岩礫
質 Ⅱ(w)pf (8)愛媛県上浮穴郡小田町 臼杵後谷
33°
37' 440
商P
筋積 壊 粘 質 Ⅳ事e
Ⅲtp(w)(NI一
開-34-3-3)(1977.8.9)132°
50′30°
変 成 岩壊 粘 質 Ⅱ gdfna (9)宮崎県西臼杵郡五ケ瀬町三ケ所宮の原 32°
40' 540
商西P
壊質 Ⅲfnse Ⅱ(w)
(NI-52-5-16-2)(1977.9.6)131°
13' 5°
非回結火成岩壊質∼粘質 (注
)
壌管理 を行 う上 に,土
壊的にみてほとんどあるいは1.昭
和磁年実態調査 を行った圃場 についての結果であ全 く(き わめて大 きな)常u限因子あるいは阻害囚子 る。
がなく(あ り),(あ るいは)ま た土壊悪化の危険性
2.地
図番号は国土地理院発行地形図の番号。もない(がきわめて大 きく),良 好な耕地と見なされ 〔例〕
NI-53-22-9-1
る土地 (耕地 として利用するには極めて,困
難 と認 1/20万1 1
瞭U山」め られる土地)。
r
1/5万
1 1
「雲早山」t―
表上の深 さ, d― 有効土層の深 さ, g一 表上の 1/2.5万1 1「
阿井」礫含量, p― 耕振の難易
,w―
土地の乾湿, f― 自3.緯
度・経度は地形図による。然】巴沃度, れ
養
分の豊否, i一 障害性, a― 災害c
4.表
層地質は経済企画庁国土調査課編土地分類図によ性, s― 傾斜, e一 侵食 り
,母
材・土壊生産生分級式・土性・堆積様式は農5,標
高は地形図による。 林省農政局地 力保全調査事業上壊図による。6.草
型のY型
は葉身が立性,極
Y型
は同 じく極度な立 〔地質〕 P― 古生代粘板岩・砂岩・チャー ト・シャ性 を示す。 ―ルスタイン
,sch一
結晶片岩類,Gd―
火成岩(斑7.葉
色 は深(濃緑)・ 中・浅 (黄緑)に
分級 し株間のム 栃岩・輝緑岩)
ラの有無 も示 した。 〔土壊生産性分級式〕第 二等級から第Ⅳ等級に分級8.作
柄 は調査者の判定 により5(良
)∼1(不
良)に
される。 I(Ⅳ):正
当な収量 をあげ,ま た正当な上分類 した。
コンニ ャクの自然生 (じねん じょう
)栽
培 に関す る研究 第3表 コンニ ャク自然生畑実態調査結果 (四国・九州 )(そ の2) 調査地随伴植物
品 種 茎 色
調 査 畑 葉 色 面
積 草 型
a
敷草 化学 消毒 作柄
kg/10a
磐熱 有無 そ の 他 有 無 緑 緑 ミカ ン ミカ ン 緑Y
型 緑Y
型 3 (ミカ ン園) 200 3 (ミカ ン園) 無 鶏糞使用。 有 昔 は敷草 した。 コウゾ,チ ャ, スギ コウ│ンド,チ ヤ, クワ,チョマ クワ 吾引ヒ在来 やや赤Y
型 カヤ (牛 糞) 1,llXl カヤ 1,100 カ
ヤ コウゾを被陰 樹 とす る。 クワを被陰樹 とす る。 クワを被陰樹 とす る。 赤
Y
型 中 間 Y型・極Y型 緑 黄 緑 ム ラ有 緑 ム ラ有 無 鉦 ︹ 無 鉦 ︹ 笙 ︹ チャ,ミツタマ スiトウモロゴシ チ ャ,スギ や や赤 黄 緑 極Y型 ム ラ無 や や赤 黄 緑 極Y型 ム ラ無 スクモ,カリコ エ 1,000 カヤ 200 種球 茎 用 に販 生子 以 外 全 て 収穫 笙 やや赤 黄 緑 極Y型 ムラ無 山
車 無 1,500 無 昔 は裏作 にム ギ。 チ ャ 在 来 種 や や赤
緑
Y型
ム ラ有 山車 有 3,OIXl
有
t霊
録学家
冒
病 気 が よ く出 るようになった。 弱 く,空
気や水の透過 が大 き過 ぎ早害 のおそれがあるこ とも指摘 している。 これ らの特徴 は,過
湿や施肥過 多が 禁物 とされ,また目的物 が地下部 にあるコンニ ャクの特 性 に極めてよ く合致す る。同時 に,こ
の ことはコ ンニ ャ ク栽培理論の確立 にあたって極 めて示唆 に富み,栽
培地 の土壊条件 を古生界の もつ条件 に接近 させ ることも重要 で ある。 土壌の堆積様式は本州 と同様 崩積 が大半で あ り,換
言 すれば多 くの 自然生畑 は崖錐 に立地す る。崖錐で あるた め当然礫の含量 が多 く,また安息勾配 に近 く土壊侵 食 に は特別の配慮 を要す る。 土壊生産性簡略分級式 をまとめ ると(第4表 ),概ね本 州での結果 と共通 し,有
効土層 は比較的浅 く,礫
含量 が 多 く,耕
転 が難,排
水良好,土
壊肥沃度やや低 く,傾
斜 が急,侵
食 が易,等
農耕地 としては必ず しも生産 力が高 くはない土地条件で ある。 しか し逆 に言 えば,不
利 な条 件 (例えば過乾,侵
食)を
克服す ることによって コ ンニ ャクの特性 に合致す る条件 と し,巧
みに土地条件 を利用 した結果 と解 される。 (生物的条件) 第4表 コンニ ャク自然生畑 の上壊生産性(簡略分級式) 徳 島 高 知 愛 媛 宮崎 美 ナIIt表
上 の 深 さd
有効土層の深 さg
表 上 の 礫 合 量p耕
絃 の 難 易 (w)土 地 の 乾 湿 Ⅱf
自 然 】巴沃 度n養
分 の 豊 否i障
害 性a災
害 性s傾
斜 斜e侵
食 Ⅲ Ⅲ Ⅲ Ⅱ Ш Ⅱ Ⅲ Ⅲ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅲ Ⅱ Ⅱ Ⅲ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅲ Ⅲ Ⅲ Ⅱ Ⅲ Ⅲ 五 ケ 瀬 小 田 柳 谷 大 豊 物 部 勝 浦 佐 那 河 内 皿 Ⅲ Ⅱ Ⅳ Ⅳ Ⅳ Ⅲ Ⅳ Ⅲ Ⅲ Ⅲ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ш Ⅱ Ⅱ Ⅲ Ⅱ (注)第
3表の上壊生産性簡略分級式 を項 目別 に整理 し た。等級 は第3表 (注4)と
同 じ。 コウブ・ ミツマ タ・ チ ャ・ クワ・スギ等の木本性有用 植物 を随伴す ることが多 く,本
州での観察結果 と一致 してい る。本州 とは異 なる特徴 としては ミカ ン園中の混作 が注 目された。近年 になって 自然生畑 が ミカ ンに転作 さ れた り, ミカン畑 にコンニ ャクが導入 された例 もある。 初期 には販売用生産 も多かったが
,次
第 に白給用程度の 小規模 なコンニャク作 になった とい う。 しか しミカンが 適度 な被陰の効果 を示 し,良
質球茎 が得 られ るとす る農 家 もあった。 これ ら随伴有用植物 の好適土地条件 がコ ンニ ャクにと って もまた好適条件で あることは経験 的 に知 ることがで きるが,自
然生栽培 は侵 食防止 。有機物補給・被陰・防 風・防霧・土壊微生物相の健 全化 などコ ンニ ャクに好適 な環境 を積極的 に作 り出す合理的技術 を内包 していると いえよ う。(2)優
良生態型の検 索・収集 立毛調査の結果,茎
色 (葉柄地色)は
赤∼緑 と各種認 め られ,車型は概 してY型
(茎身 が比較的立性)を示す。 前年度本州で収集 した系統 よ りも葉柄 が長 く,細
葉型の ものが多 く,異
なる生態型 が分布することが予想 された。 また,い
わゆる備 中種 に類似 した草型 を示す系統 も認 め られた。 これを念頭 において 四 国 ・ 九州 か らは4地
域 (徳島・高知・愛媛 ・宮崎)の
6系統 を収集 して検定 に 備 えた。2.自
然生畑の採種生産 と しての可能性(1)圃
場 における群落 の実態 コンニャク自然生畑群落 は1∼4年
生 が混在 し,個
体 の大 きさや収量形質が多様で あ り,一
種 の混合群落 とみ なせ る。前報°に示 したように本州では栽植密度力遊4∼ 76株/〆
とかなりの変異 を示 し,群
落構成 も小 さい個体 (低年生)が
多い群落や逆 に大 きい個体 (高年生)が
多 い群落等著 しい差異 が認 め られた。 したがって 自然生栽 培 を採種生産 に活用す るにはその群落 の物 質生産 ・年生 別群落構成・適正収穫量等 を明 らかにす る必要 が示唆 さ れた。 四国・九州の 自然生畑 における立毛数・葉柄長 およびLAIを
第5表に示 した。立毛数 は24(高
知)∼
152(愛 媛)株/ド
で本州 に比 し著 しく高密度 な群落 が認 め られ た。 したがって群落の年生別構成 (第2図に葉柄長頻度 分布 を示す)も愛媛の例 を典型 とす る低年生密集型 が多 くみ られた。 この よ うな群落で は平均葉柄 長 も20cm以 下 と極端 に短 かい。いつぼ う宮崎の例 のよ うにかな りな高 密度群落で も比較的長 い葉柄長 を示す もの もあって,群
落構成 には生態型や栽培管理 の相異 が複雑 に関与 してい ることが示唆 され る。LAIの
実測 は不可能で あったが,岡 山県大佐町の 自然 第 5表 コンニャク自然生畑 における立毛数・葉柄長(四国・九州) 調 査 地 立 毛 数(株//m2) (cm) (m2//m2)平 均 葉柄 長LAI(推
定)1徳
島2
ク3高
知 4 ″ 5 //6愛
媛 7 ″ 8 ″9宮
崎 46 44 42 36 24 78 152 70 68 23 7 24.1 16 9 20 6 40 8 22 7 15.7 18 1 26 5 生畑群落(LAI=3.5)で
の計測値 よ り求めた次の葉柄長 ―葉面積回帰式 を用 いて,推
定LAIを
算 出 した。Y=Exp(4.2723+0,06657X)
Y:葉
面積 (cれX:葉
柄長 (cm) 言1報けでLAI推
定 に使用 した直線 回帰式 に比べ精度 は高 いと思 われるが,生
態型や月巴培管理 の相異 による係 数の変動 は予測 される。 いず れに しろ通常の植玉栽培 よ りも高いLAIを
示す群 落 が大半で あることはまちがい ない。本州 よ りも比 較 的 小 さいLAIの
群落 が多いが, ミカンとの混作 が多い栽培条件 と関連す ると思 われる。 けだ し,四
国・ 九州 において もコ ンニ ャク単作 自然生畑 では比較的高いLAIを
示す (愛媛・宮崎)からで ある。 コンニ ャクは1葉が展 開 し,収穫期 に枯 死す るまで120 日もの長期 にわた り機能す るとい う他作物 に類 をみ ない 生育過程 を示す。したがって獲得 したLAIは
長期間維持 され,自然生群落が物 質生産の うえで植玉栽培 に比 し有 利で あることは充分予想 され る。 また低年生 と高年生 と では環境 条件 (例えば 日射量)を
異 にす るため,収
量成 立過程 が年生 によって異 なる可能性 もある。 しかも人為 的 に栽植す ることな く収穫 のみ を行 って群落 が長年 月維 持 されている。 いず れ も今後 の検討 を要す る課題で あ り, 同時 に自然生畑の群落条件 を植玉栽培 に応用す ることも 考慮 に値 しよ う(例えば密植 や低年生・高年生混作)。 ま た,群
落構成 (年生別)の
経年推移の動態 は採種 も含 め た収穫 の量 ・質 (年生)と関連 し,究
明 を要す るが,群
落の再生産過程 を生態学的 に明 らかにす ることも重要で あろ う。(2)栽
培 (管理)の
実態 〔混作的 自然生栽培〕 本州の 自然生栽培 においてはコウゾ等 多年生木本作物 が混作 され,被
陰・土壊乾燥 防止 ,侵食防止等効果 をあ 佐 那河 内 月券 1甫 ぞ子 'ヒ 物 部 大豊 美
川 柳
谷 ′卜
田 五 ケ 瀬
22
2.3 1.117
29
34
32
1,935
コ ンニャクの 白然生 (じねん じょう
)栽
培 に関す る研究 20 0 出 」記 60 坊買 40 20 40 60 葉 柄 長 (cm) 第 2図 コンニャク自然生畑 における葉柄長の頻度分布 (四国 。九州)1:徳
島・佐那河内2:徳
島・勝浦3:高
知・吾北4:高
知・物部5:高
知・大豊6:愛
媛・美川 20 0 度 ︵∬ 当 た り ︶ げてい る圃場 が しば しば見 られたど'四国・九州 において も他作物 との混作 は多数例 み られたが,果
樹園中での 白 然生栽培 は特 に注 目された。す なわち ミカン園中 に数 ド の 自然生群落 が点在 し,両
作物 が栽培 の対象 となってい る。 しか し現在では栽培の力点 は果樹作 に置 かれ,な
か ば放置 された自家用栽培 が多い。 ミカ ン作 に有害で ある との指導 が行 われコ ンニ ャク作 を中止 した農家 もあった (愛媛)。 耕地 の保全,空
間の高度利用 あるいは自家用 (加工 ・ 種球茎)に
使用す る,風
害軽減等の理 由か ら今 なお混作 を続 ける農家 も多数み られた。 日照,気
温等圃場 内微気 象条件 もコンニ ャクの特性 に合致す るとの意見 も聞取 っ た。なお茶園中 に栽培 される例 も多い(高知・福岡・佐賀等 光 以上 の よ うな混作的 自然生栽培 は生産性 の上 か らは非 能率的 とす る農家 が大半で あったが,本
州 に比 し気温 が 高 く,また台風害 が多い四国・九州では考慮 されてよい 栽培技術 ではないか と思 われた。 〔1筆の大 きさ) 本州 に比 し小規模で,10aに満 たぬ圃場 が大半で ある。 宮崎 (五ケ瀬)の
例 が最 も広い(12a)が
,愛
媛 で も戦 前 は20aを越 える自然 生畑 が 多数 あ つ た とい う。宮崎 (日之影)では15年前 には自然生畑で あつた とい うスギ林 をみたが,広
さ50aにも及び,現
在 もスギの株 間 に遺存 したコ ンニ ャクが点在 している。現地 に荒粉加工施設 を 有す る地域 がほ とん ど見当 らず,規
模縮少 は加速度的 に 進行 している。 〔作柄〕 総合判定 によ り5(良
)∼
1(否
)に
評価 したが,本
州での平均値4.01こ対 し,四
国・九州 は3.0で 一般 に作柄 不良で ある。個体草姿の健 全性,病
害発生程度 につ いて 本州 に劣 る畑 がほ とん どで ある。以前 は作柄 が良好で高 品質で あ り,労
働 力流 出による管理不足 を嘆 く農家 が多 くみ られた。反面 コンニ ャク作 に意欲的で優 良球茎 を生 産す る農家 も少数例 見 られる(宮崎・ 日之影,同五ケ瀬,愛媛・柳谷)。 元来 白給用 として栽培 されていたため商品 価値 (荒粉歩合)を高め る工夫 が少 な く