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ブナ科4樹種のタネの発芽特性

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Academic year: 2021

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(1)

ブナ科

4樹

種 の タネ の発 芽 特 性

橋詰隼人生相川敏朗

昭和52年8月31日受付

Characteristcs of S eed Germination in Four Fα

gaccac Species

Hayato HASHIZUME*and Toshiro AIKAWA**

S eed germination in four Fα

c9αC Species was studied in this experiment

The optimum temperature Of seed germination was 20∼25℃ in Q″9Tc2s S9TTαttα,

25℃ in C,sι9410PsJs c,sPJJαιαυαr s,9bοどJIJ,and 30℃ in Q,=ど ,vcc and Q αc″ι9,

respectively. The minimum temperature of seed germination was 5℃ in Q. s?″ ″αとα

and 10∼15℃ in the other species,

The growth of radicles occurred at above 5℃ in Q sθTTαι,and at abOve 15℃

in the Other species, while the grOwth of epicOtyls began at abOve 1 5Ч3 in all specics. The Optimum temperature for the growth Of radicles and epicotyls was 25´ -30R3 in all species

lt was proved that Q s?Trα′α acorns which germinate in fall were lower in the minimum temperaturc of seed germinatiOn and shOrter in the number Of days to the onset of germination, as compared with Subgenus C♂cどοbαゼα″οPsJs species acorns

、vhich germinate in spring。

When desiccated at 25℃ ,Seed germinability was IOst after 30 days in Q SCTTα ια

and after 35 days in Q =ど α″cα and C cltspJじαιαυαT sJ?bOザ」JJ The critical embryo

moisture content for survival was 1 5͡ ャ207。 fOr Q.s?TTαια and Q=ザα2ca,and 20^ャ

25%

fOr C cクs,テJαι,υαT sユ?うοザ,丁J on a wet weight basis

会問題 になっている。広葉樹林 は一般 に用材生産の立場 緒

言 か らみれば経済性が劣 るといわれているが

,森

林の公益 我が国産のブナ科の樹種 は亜熱帯 から冷温帯 まで広 く

的機能の面からその重要性が最近再評価 されており,また 分布 し

,林

業上重要 な種類が多い。ブナ科の樹種 には

,

シイタケ原木や緑化樹など新たな需要も年々増加 してお シイ類やカシ類 など主 として暖温帯 に分布 し常緑広葉樹 り、広葉樹 の再開発利用 につ いては我々はもっと研究す 林を形成す るものと

,ブ

ナや ミズナラなど冷温帯 に分布 る必要があると思 う。 し落葉広 葉樹林 を形成するもの とがある。これらの樹種

本研究は広葉樹 造林の基礎研究 として行ったものであ はこれまで主として薪炭材 として利用 されて きたが

,近

る。広葉樹の タネの発芽に関する研究 は非常に少なく不 争燃料革命 によってその需要が急減 し,そ れにともなっ 明な点が多いが,最近 Goo2)は 多くの広葉樹のタネの発芽 て人工造林 の可能な森林は次々に伐採 されてより経済性 特性 を調べ,ま たTamori 7)は ブナ科 コナラ属のタネの合 の高いスギや ヒノキなどの針葉林に改植 されて きた。

水量 と発芽力との関係 を研究 し興味ある結果 を報告 して その結果

,ブ

ナ, クヌギ, コナラなど有用広葉樹の蓄積 いる。ブナ科の樹種は前述のように日本列島の最南端か は近年急激 に減少 し

,ブ

ナ材やシイタケ原木の不足が社 ら北海道 まで分布 し

,南

方 に分布するものと北方に分布

*鳥

取大学農学部林学科 造林学研究室 D92●Tιη ¢″JO′ FOTeSιTυ, Fαcク 舟υ οF 4gTJC2ん2T9, Tοιιο″j1/2,υ?Ts,懃 器 山口県岩国林業事務所 rωαた22,DJsιT Jcと Fο T?sι O〃 'Cθ , yαttα =tr c力 」Pr9μcと,T9

(2)

ブナ科4樹種の タネの発芽特性 するものとではタネの発芽特性がかなり異 なり

,森

林生 態学的にみて興味 ある結果がえられたので報告す る。 本研究 に際 し

,実

験 を手伝 っていただいた本学造林学研 究室研究生真部 剛君 (現在東京都勤務

)に

感謝の意を 表する。 材 料 と 方 法

1.供

試材料 供試材料はコナラ(Q」?Tcvs s9TTαι

,),ア

ラカシlQ.

g′α″θα),アカガシ(Q.αo2ιa)お よびスダジイ(Casι,″ο‐

,s,s cvsPJ」αιαυαT.dJθbο′JJ,)の4樹種である。 コナ ラは1974年10月中旬 に鳥取大学農学部蒜山演習林内で地 上に落下 したものを拾い集め, 1∼ 2昼 夜水選 して不良 種子を除 き

,優

良種子 をほぼ等量 の乾砂 と混合 してポリ エチレンの袋に入れ

,0∼

5℃ の冷湖車に貯蔵 した。ア ラカシは同年10月下旬 に, アカガシは11月下旬 に,ス タ ジイは10月下旬∼12月下旬 にいずれも鳥取市内の神叢林 で地上に落下 したものを採 集し,コ ナラと同様 に処理 し て低温貯蔵 した。

2.発

芽試験 5℃ から40℃まで温度 を変 えて タネの発芽と芽生 えの 生長におよばす温度の影響 を調べた。供試粒数は, 1回 に15∼25粒使用 し, 2回実験 をくり返 した。直径12cmの シャーレに湿 ったピー トモスを入れて発芽床 とし,これ にタネをまき付 けた。発芽試験 は30日で しめ切 った。幼 根 が外部に現れたものを発芽 とみな した。幼恨および上 胚軸の伸長測定は最初 に発芽 した10粒について行い,隔 日に伸長量を測定 レ悦 発芽試験 は約 4か 月低温処理 し て休眠を破 ってから(翌年の 2月 から3月 に

)実

施 した。

3.タ

ネの活力消失試験 保湿低温貯蔵 したタネを1月 下旬 にとり出 して紙袋に 入れ,25℃ の恒温器内 に放置 した。 5日 間隔で55粒ずつ とり出 し,50粒を発芽試験 に, 5粒を含水量の測定に用 いた。発芽試験 は前述の方法で行い, 1回 に25粒使用 し 2回 くり返 した。25℃で30日間発芽 させた。合水量の測 定は

,果

皮 および種皮 を除 き内部の胚 (子葉

,幼

,幼

根 を含 む)をとり出 して稗量 びんに入れ, 100℃ で24時 間乾燥 して合水率 を求めた。

1.タ

ネの発 芽 と温度 との関係 タネの発芽 と温度 との関係 はTable l,2の 通りで あ

Table 2 Effect of temperature on seed germination and seedling grOwth

Cernination tallperature Optmum Optimun temperature temperature Species

for radiclc lor epicotyI

Mininun Optimum Maximun growth growth ℃

Os?rrata <5

9 1JavCa lo∼15 0 ac“,c 15

紹守

市Ю

℃ ℃ ℃ >40 25∼30 25∼30 40 2「0∼30 %∼30 35 25∼30 25∼30 40 25∼30 25∼30 ℃ 20∼ 25 311 30 25

Table l The relation between natural distribution of species and germination temperature of seeds

Natural distribution Germination percentage(%) Species

North htitude Chmatic zone 5℃ 10℃ 15℃ 20℃ 25℃ 30℃ 35℃ 40℃

コ ナ ラ Qv9Tc,s scTTaι α アラカシ

Q″

Tc,sg′α″c, アカガシ Q″ θTCttS,C″ια

スタ

イ絆施

`解

μ

Ψ″

α

30.rF_43,f 24.2-37.2 30.2-38.3 24.2-38.1 w.―t, to cit. s.t. to w.―t. w.―t. s.t.to w.―t. 7.575,072.590.085,060,032.526.0 0 0 23,370.053.376.746.7 6.7 0 0 2.010.036.743.3 0 0 0 0 34.066.086.072.066.0 2.0

*Remarks s.t. : subtropicl zone temperate zone

(3)

る。樹種によって発芽温度 が異 なり

,最

適温度はコナラ カ遊0∼25℃ ,アラカシ,アカガンは30℃,スタジィは25 ℃であつた。最低温度 はコナラが5℃ 以下 (おそらく0 ∼ 5℃),カシ,シ イ類は10∼15℃で あった。最高温度は コナラが40℃以上,アラカン,ス タジイは40℃,アカガ シは35℃付近であった。すなわち

:コ

ナ ラはカシ類やス タジイに比べてタネの発芽の最適温度および最低温度 が 低 く

,か

つ発芽温度の幅が広 いようであった。 またアカ ガンは他の樹種 に比べてタネの発芽温度の幅が狭いよう であった。 次にまき付 けから発芽開始 までの所要 日数についてみ ると (Fig,1),コ ナ ラは最低 4日,スタジイは6日, 10 20 30 40 Temperature(℃ ) Fig。 2

Fig。l The relatiOn between temperature and

onset of germination(number of days from sOwing to start of germination).

2訛

brttOlattt梃 :ti却

峰鷲転

sBIdЛ germination to start of growth of epicotyls.

OQs?TTα

ια ● Q.ξ′α

2ca

Q

αc″ια △ C. c″ dPJ,αια υαT, s'9うο′,Jj アラカシは10日,アカガ シは21日を要 した。す なわち, 発芽所要 日数はヨナラが最 も短 く,アカガンが最 も長 く, アラカシは両者の中間で ある。発芽所要 日数 は温度 が低 いほ ど長 く

,最

適温度で最 も短 く

,高

温で再 び長 くなる。

2.幼

,幼

芽の生長 と温 度 との関係 ブナ科 の タネの発芽型式 には2型ある。一つ はブナの よ うにタネが発芽す ると下胚軸 が伸長 して子葉 が地上 に 現 れるもので,これを地上子葉型発芽 (epigeous ger‐ mination)と い う。しか し

,ナ

,カ,シイの類 は, タネが発芽す るとまず幼恨 が伸 長 して地 中深 く侵入 し, しば らくしてから子葉 と幼根 との 間の下胚軸の部分 が縦 に割 れて幼 芽 (上胚軸)力湘 長 して地上 に現れ,ついで 初 生葉

,尋

常葉 が分化す る。 したがって,タネを地下 に 播 いた とき子葉 は地 中 に残 ることに なり,この発芽型式 を地下子葉型発芽 (hypOgeOus germination)と呼 んで いる。同 じ科 の中で も樹種 によって発芽の型式が異 なる。 ブナ科4樹種 の タネの発芽開始す なわち幼根 の発生 か ら幼芽 (上胚軸

)の

伸 長開始 までの所要 日数 につ いてみ ると

(Fig.2),ア

ラカシが最 も早 く, 7日で上胚軸 が 伸 長 を始 めたハ コナ ラは上胚軸伸 長開始 まで20日を要 した。ス ダジイの所要 日数 は12日で

,ア

ラカシとコナ ラ の中間で あった。発芽開始 か ら幼 芽伸 長開始 までの所要 日数 は

,前

(Fig.1)の

ま き付 けか ら発芽 開始 まで の所要 日数 とは逆 の傾 向 がみ られた。す なわ ち,コナ ラ はまき付 け後短期 間に幼根 が発生 するが, その後上胚軸 が伸長 を始 め るまでの期 間 はカ シ類 よ りも長 かった。 こ れ に反 して,カシ類 は幼根発生 まで長期 間を要 したが, 幼恨発生後 は短期間 に上胚軸 が仲 長 を始 めた。 幼恨の伸 長 と温 度 との関係 は

Fig,3∼

5の通 りで,コ ナラは5℃以上で,カシ・ シイ類 は15℃以上で幼根 力湘 長 したが,コナ ラは25∼ 30℃で,アラカシ,スダジイは 30℃で最 も伸 長がよかった。一般 に温度 が低 くなるに従 って伸 長が悪 くなった。 また温度 が高す ぎて も伸 長が悪 く,35℃では根腐 れす るものが あった。 上胚軸の伸 長 と温度 との関係 につ いてみると(Fig。 6), 0 Fig.3 Effect Of radicles 10 20 Days

temperature on the grO、vth of Q.S9TTIIια. ぃ 、 、 中   ︼   ﹁ o わ g 戸 Z 20             10 り 、 可 ”   ^ E o ︻ や 、 目 一 口 ︼ H O ∞   哨 o   い o り E O 10 20 30 40 Temperature(℃ ) Fig。 1 令 o ︶ り o ∴ ︻” N H 中 o F , 〓 o ﹁ 〇

(4)

ブナ科 4樹種のタネの発芽特性 ︵ 日 u ︶ 切 0 一 o 一“ 、 ■ ︼ 0 一 , 〓 o H 0 Day,

Fig,4 Effett of temperature On tll.e growth。 1

radicles of Q.gれ孵oo.

Days

Fig。5 Effect of tenperatllrd on the Browh of

radicles OF C, c,sPEraι αυαT. S'9う0′,テ,,

Q.●er爾●

Q,=ravc,C・

りμlそI鰍脇 げQ.αttι

V0 19 0 10 20 0 10 0 10 Days

Fig。6 Efrect of tettP,rature on the growth of むpicotyls.

015℃

●20℃ ◎25℃

030℃

o● ヨナラ ロ アラカシ △ スダジイ 60

m

40 30 20 10 Ar′ 15 20 25 30 3.5 Ettbryo moisture∞ntent(%) Fig,7 The relatio■ between mois・ture cO―ntent of

elmbryoa on wet―

"eight bisis and.gerュ lina・ tiOn of acOris in Fagα む¢o9 speties. ― Q・ S?TT,と,(No.1) ― Q・ S?T′,:,(No.2) □―――□Q,ダ ''Cα ∠\―――△ C CVSplJα ι, υar. s,9bοJJサ , 0 ∞ 0 , F o O H O 魚   藍 0 一 “ O o ︻ H H ︻ 0 り ︵g ︶ 0 ■ 巧 善 ︼o こ 芸 9 0 ︵ 3 ︶ 翌 ● 3 ︻ 肇 哨0 導 〓 9 0

(5)

コナラ Q serTα 】α 0 ∞ “ ゛ E O O 隣 o 儀 5 10 15 20 25 30 35

Days after treatment

Fig.8 Changes in moisture content of embryos and germination percentage of acorns in F,=α c9α¢ Species when desiccated at 25℃

Germination percentage

O― ――O Moisture content on wet― weight basis(%)

● ――-O MoiSture content on dry― weight basis(%)

各樹種 とも上胚軸の伸長は25∼30℃でよく,20℃ 以下で はよくなかった。 しか し

,樹

種 によって傾向が多少異 な り,コ ナ ラでは25∼30℃ と15∼ 20℃にrOhける伸長量の差 が少なかったが,アラカシ,スタジイでは25∼30℃ と15 ∼20℃の間の伸長量の差 がやや顕著であった。上胚軸の 伸長 と温度 との関係は樹種 によって多少異なるようであ った 。

3.タ

ネの合水量 と発芽 との関係 ブナ

,ナ

ラ, シイなどブナ科の種子は乾燥すると発芽 力が低下す るので

,取

り播 きするか湿潤状態で貯蔵 しな ければならない。 コナラ,アラカシ,ス タジイについて, タネ (胚

)の

合水量 と発芽力との関係 を調べた結果は Fig.7∼ 8の 如 くである。3樹種 とも胚の合水率が低下 す るに従 って発芽率 が低下 した。 タネが発芽力を失 った ときの胚の合水率は生重パーセン トでコナラ,アラカシ が15∼

20%,ス

タジイカ遊0∼

25%,乾

重パーセ ン トで前 者 ド線

0%,後

者が約30%であった。60%の発芽水準 に おける胚 の合水率は

,生

重パーセ ン トでスタジイカお

3%

アラカンが認

%,コ

ナラカ氾6∼41%であった。スダジイ はコナラ

,ア

ラカシに比べて胚 の含水率の低下にともな う発芽率の低下が急激であった。25℃で乾燥 させたとき, 各樹種 とも最初 の10日間は発芽率 が高いが,その後急激 に発芽率 が低下 し,コナラのタネは30日で,アラカシと ス タジイのタネは35日で発芽力がなくなった。以上のよ うにブナ科 の種子は乾燥すると急速 に発芽 力 を失 うの で,タ ネを貯蔵する際 には乾燥 させないよう十分注意す る必要がある。 本研究の結果によるとブナ科の タネの発芽温度は樹種 によって異 なり,コナラはシイ・ カシ類に比べて発芽の 最適温度 と最低温度 が低 く

,最

高温度 は逆 にやや高い傾 向がみ られた。 タネの発芽温度は樹種の天然分布 と密接 な関係 があり

,一

般 に南方系の樹木の タネは北方系 のも のよりも発芽の最低温度が高いといわれている。耳ヒ方系 のものは4.5℃以下になっても発芽の過程 は進行するが (例えばブナは0∼5℃で発芽する)3!南方系のものは 10∼15℃以下 になるとほとんど進行 しないとい う:)ンイ ・ カシ類は照葉樹林の代表的樹種で,わが国では亜熱帯 から暖温帯 まで分布 している。一方コナラは暖温帯落葉 樹林 の主要樹種で

,暖

温帯 から冷温帯下部 まで分布 し, シイ・カシ類よりも低温の地域 に生育 している。コナラ の タネは5℃ で発芽するが,スダジイ,アラカシなどの タネは10℃以下では発芽 しない。コナラのタネの発芽温 度 がシイ・ カシ類 よりも低 いことはこれ らの樹種の天然 分布 の関係 とよく一致 している。 しか し, コナラのタネ は40℃以上で も発芽可能で

,発

芽温度の幅 がシイ・ カシ 類よりも広 く

,温

度に対する適応 性が大 きいよ うに思 わ れる。

ブナ科のタネは,秋 に成熟して落下後直ちに発芽する

ものと翌春発芽するものとがある∫

)コ

ナラ

,ミ

ズナラな

どナラ類のタネは落下後数日で発芽し

,幼

根が地中に侵

入 してタネは林地 に定着 する。そして翌春幼芽が伸長 し て地上 に現れる。一方カン類のタネは成熟時に休眠状態 察 考 `` ●に、 →民 0 5 10 15 20 25 30 35

(6)

ブナ科4樹種 の タネの発芽特性 にあり

,林

地 に落下 したタネは翌春発芽する。前述の通 リタネの発芽

,幼

,幼

芽の伸長に対する温度条件は樹 種 によって異 なり,コナラは10℃以下で も効恨が仲長す るが

,幼

芽は15℃以上にならなければ伸長 しない。シイ ・ カシ類は15℃以上 にならなければ幼根 も幼芽 も伸長 し ない。ナラの タネが秋に落下 して発芽 し

,幼

恨は伸長す るが幼芽が伸長 しないのは

,幼

恨 と幼芽の発育温度 が異 なるためであると思 われる。 このよ うに樹種 によって タ ネの発芽や芽生 えの発育の習性が異なることは生態学的 にみて興味あることである。 樹木の種子は乾燥状態で貯蔵すると長期間生命 を維持 するものと

,乾

燥 すると急速 に発芽力を失 うものとがあ る。ブナ科の樹種は後者 に属し,近藤 ら5∼ 61ょクヌギやカシ などブナ科の種子の貯蔵 には乾燥が有害で

,大

量の関係 湿度

80%,温

度0∼5℃ で貯蔵するのが最 もよいと報告 している。また古里I)はコルクガンで乾燥 によってタネの 発芽率が低下することを認めている。Tamari7)は コナラ 属のタネの生存と含水量 との関係 を調査 し,タ ネが生命 を維持するために必要 な臨界含水率 は樹種 によって異 な り,コ ナラ亜属 がアカガシEEEよりも高いことを報告 し ている。すなわち

,60%の

発芽水準 におけるタネの合水 率はコナラカ滋

2%,ア

ラカシカも

5%で

ある。本研究の結 果 によると

,60%の

発芽水準 における胚の合水率はコナラ カ渇6∼41%,アラカシカ渇4%,ス タジイカお3%で,Tamari の結果 と大体一致 した。 しかし,タ ネが死減する臨界合 水率はTamariの 結果 と多少異なる。 タネの合水率 と発 芽力との関係は生理学的に不明な点が多 く今後の研究に 待 たなければならない。 縮

括 ブナ科 4樹 種の タネの発芽 と稚苗の生育 について研究 し

,次

の結果をえた。 1. タネの発芽の最適温度 は,コナラカ遊0∼25℃,ス ダジイカ弦5℃,アラカシ,アカガシカ渇0℃であった。最 低温度 は,コナ ラが5℃ ,カシ・ シイ類 は10∼15℃で あ った。

2.幼

恨の生長はコナ ラで は5℃以上で,カン・ シイ 類で は15℃以上で み られた。幼芽の生長 は各樹種 とも15 ℃以上で み られた。幼根 および幼芽の生長 に対す る最適 温度 は各樹種 とも25∼ 30℃で あった。

3.秋

落果後直 ちに発芽す るコナラは翌春発芽す るカ ン類 に比べて タネの発芽の最低 温度 が低 く,タネが発芽 す るまでの所要 日数 が短 かった。 しか し

,幼

芽の生長開 始 までの所要 日数 は逆 に長 かった。 4.25℃で乾燥 させた と き,コナ ラの タネは30日で, ア ラカ シとス ダジイの タネは35日で発芽力を失 つた。発 芽力がな くなった ときの胚 の合 水率 は,生重パーセ ン ト で コナ ラ,アラカシカ■5∼

20%,ス

ダジイカン0∼25%で あった。60%の発芽水準 における胚 の合水率 は

,生

重パ ーセン トでス ダジイカお

3%,ア

ラカシカお

4%,コ

ナ ラが 36∼

41%で

あった。 文

1)古

里和夫:生研時報

, 7 108 (1955)

2)Goo, M. :PTο

c.2打 'r2J9T2,ι ′

.Syttp.FJFR0

S2.0′ .Oδ

.(1976)pp.81∼

87

3)橋

詰隼人・山本進一:日林 関西支部講集

, 25

105 (1974)

4)近

藤 万太郎・高橋隆平・寺坂侑視 :農 学研究, 32 283 (1941)

5)近

藤 万太郎・笠原安夫 :農学研究, 36 521(1944)

6)中

山寅文:植木の実生 と育 て方

,誠

文堂 新光 社

,東

京 (1975)p.34

7)Tamari, C.:PTο

c.22」.r2才¢T,αι′

.Syη

p. f1/FRO S2.θl. Oδ。 (1976)pp.155∼162

8)塚

本洋太郎 ほか:緑化産業 デー タ・ ブ ック,フジ・ イ ンターナシ ョナルKK。 東京 (1975)p.76

参照

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