「孤立」してゆく単身超高齢者 : 21世紀のデータを前にして-香川大学学術情報リポジトリ
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(2) 「孤立」してゆく単身超高齢者(神江). はじめに !. 2 0世紀から2 1世紀になって,高齢者(3階層) の量的増大などが論じ られるが,高齢者(3階層)内部の構成が問題となることが少ない。まし て,内部の問題がどのようにして社会,政治の問題につながってゆくかが ". 議論されるのはまれである。 老年学の分野では,「ひとり暮らしの高齢者」という言葉で,日本でも 増えてきた高齢者(3階層)のある傾向を記述したものがある。家族の縮 小により発生してくる単独世帯は「1 9 8 0年に高齢世帯中の8. 5%であった ものが,2 0 0 0年には1 4. 1%,2 0 0 6年には1 5. 7%に増加」するという激変 を見せるが,同時に日本ではそれら高齢者(3階層)との一般市民からの #. 接触は諸外国と比べきわめて低いといわれている。 2 1世紀の超高齢者は,種々の点でそのあり方が2 0世紀と異なってい る。その点を量的な面で確認したい,というのが本論の第一の目的であ る。本論では,この高齢単身世帯を取り上げ,質的分析でなく量的分析を 行う。更に,高齢者(3階層)一般ではなく6 0から6 9歳,7 0から7 9歳, 8 0歳以上を取り上げて,6 0より下を非高齢者,以上を前期高齢者,70歳 以上を高齢者,8 0歳以上を超高齢者と名づけて分類する。特徴づけは主 に超高齢者においている。単身高齢者は,3代,2代,1代(高齢者夫婦 のみ) ,そして一人というふうに解体していく究極の形を反映しており, まだ現在進行中である。その意識の形は現代高齢者の代表であるがゆえに 分析するのに価値がある。 更に,超高齢単身者が各種政治行動でユニークな行動を示しえているか もはっきりさせないといけない。投票行動,SES 的特徴,集団加入,政治 九 七. !. ここでは,一般の高齢者を「高齢者(3階層) 」と呼ぶ。高齢者は,すでに項目の 中で使っているからである。 " この論文のこれまでの論文との違いは,新しい変数で1 99 0年から一貫して聞かれ ている項目で,かつ2 0 0 0年代のデータを加えたものを分析した。 # 河合克義『大都市のひとり暮らし高齢者と社会的孤立』 (2 009年)。. 30−1・ 2−97(香法2 0 1 0). − 2 −.
(3) コミュニケーション上の環境,争点意識,について個別具体的にあきらか にしてゆかねばならない。 まず実数の面で確認しよう。 1.「図1. 単身超高齢者の孤立化傾向」に示されている傾向は,「単身」. のうち「超高齢者」 と指示した部分が約3%伸びているという事実である。 非高齢者を別として,高齢者(3階層)グループ内では唯一の伸びの傾向 を見せている。. 図1. !. 単身超高齢者の孤立化傾向. 単身 単身 (2 0C) (2 1C) 超高齢者 37 61 高齢者 149 1 69 前期高齢者 178 2 42 非高齢者 356 2 34. 超高齢者 高齢者 前期高齢者 非高齢者 45% 40% 35%. 15%. 18%. 13%. 12%. 30% 25% 20% 15% 10% 5%. 5%. 7%. 6%. 4%. 0% 単身(21C). 単身(20C). !. データは明るい選挙推進協会。以下同じ。. − 3 −. 3 0−1 ・ 2−9 6(香法201 0). 九 六.
(4) 「孤立」してゆく単身超高齢者(神江). 2.「図2. !. 単身超高齢者の孤立化傾向−詳細」では,2 0世紀データと2 1. 世紀データを超高齢者で比べてみると,3世代同居のものが顕著に減 り,2世代同居=核家族が増え,超高齢者夫婦のみを主とする「1世代」 同居において増え,そして単身超高齢者の増加と続くのである。. 図2 超高齢者 高齢者 前期高齢者 非高齢者 超高齢者 高齢者 前期高齢者 非高齢者. 単身 37 1 49 1 78 3 56 7 20 61 1 69 2 42 2 34 7 06. 1世代 48 4 1 4 9 4 7 9 8 8 2, 3 9 7 8 6 5 6 9 1, 3 8 6 3 5 1 2, 3 9 2. 超高齢者の孤立化傾向−詳細 2世代 5 1 2 3 3 8 3 7 5, 7 7 9 6, 9 0 0 7 5 3 1 8 2, 1 7 3 2, 6 0 4 5, 1 7 0. 3世代 1 0 9 3 8 0 5 7 9 1, 9 1 3 2, 9 8 1 1 0 9 33 6 7 3 1 72 2 1, 8 9 8. 超高齢者 高齢者 前期高齢者. 160%. 非高齢者. 22%. 140% 20%. 120%. 19%. 100%. 19%. 26%. 35%. 41%. 80%. 32%. 60% 40% 20%. 43% 48% 32% 32% 24%. 15% 12%. 18%. 7%. 5%. 21%. 20. 21. 20. 16% 18%. 3 世代︵ C︶. 21. 22%. 3 世代︵ C︶. 20. 66%. 2 世代︵ C︶. 9%. 63%. 2 世代︵ C︶. 30%. 11%. 1 世代︵ C︶. 21. 37%. 1 世代︵ C︶. 6%. C︶. C︶. 20. 12%. 単身︵. 4%. 単身︵. 0%. 23%. 21. 九 五. !. 河合は,孤独が主観的なもので,孤立が客観的なものとしている。同書,69頁。. 30−1・ 2−95(香法2 0 1 0). − 4 −.
(5) 第一章 2 0世紀から2 1世紀にかけての単身超高齢者の政治 行動の変化 ここでは投票と投票方向の二つの面に分けて論じてみる。 !. 投. 票 単身者の投票・棄権」 )を見てみよう。. まず投票・棄権行動(「図3. 非高齢者から高齢者(3階層)にかけての全世代に渡る投票・棄権の特 徴を,2 0世紀データでは持っていたが,2 1世紀データになって変わって いった。 2 0世紀には非高齢者と高齢者(3階層)との間には夥しい違いがあり, 図にみるように2 6ポイ ント も異なっている。次に前期高齢者と高齢者は人生で. 図3. 単身者の投票・棄権 投票 投票 (2 0世紀)(2 1世紀) 超高齢者 25 4 8 高齢者 118 1 31 前期高齢者 148 1 77 非高齢者 202 1 06. 投票(20 世紀) 投票(21 世紀) 83%. 85% 80%. 73% 73. 75%. 78% 79% 79. 70%. 68 68%. 65% 60% 55% 50%. 79%. 57% 46 46%. 九 四. 45% 投票(21 世紀) 投票(20 世紀). 40% 非高齢者 前期高齢者. 高齢者. 超高齢者. − 5 −. 3 0−1 ・ 2−9 4(香法201 0).
(6) 「孤立」してゆく単身超高齢者(神江). 最も投票率が高い時期で8 3と7 9%を記録する。そして,超高齢者とここ で名付ける時期になると,1 1ポイ ント 低落する。形として,逆 U 字型(右側の 長さ半分)という形であった。いわば,低投票率層を多く含む若年層を含 め投票外関心が高い非高齢者層,投票経験の長さなどが累積し人生最高の 投票率を誇る6 0歳代,7 0歳代が来,そして疎外感が昂じる衰退の超高齢 者が来る。 2 1世紀になると,事情がすこし変わってくる。図では,投票に参加す る者のうち,非高齢者と前期高齢者が下がり,高齢者が上がっている。前 の現象は,全体としての投票率が下がっていることと,長寿化とともに前 期高齢者が次第に非高齢者の列に編入されつつあることを示す。後の現象 は,超高齢者の部分が跳ね上がり高齢者と全く同一となってしまった。超 高齢者は,投票もするようになったのか。半分は真実で,半分は誤りであ ろう。長寿化し,高齢者と同じレベルで習慣的投票行動をしている,とい うのが第一点。しかし,果たして,それでは9 0歳代になれば,以前の8 0 !. 歳代の現象を示しているのか。いまの時点では何とも言えない。いずれに せよ,この段階の形は,1 8 0° 反転の L 字型である。 更に,投票以外の参加について「図4. 単身者の政治参加」を次に見て. みたい。そうすると一つの妙な傾向に気づく。演説会については,2 0世 紀には1 2−2 0−1 8−5%と逆 U 字型であったのが,2 1世紀になると,8 −2 0−1 4−1 3%という形で,辺ぴな形だが,逆 L 字型になっている。「議. !. 九 三. 因みに現在のデータで9 0歳以上の者を超々高齢者として区分すると,単身超々高 齢者の数は,20世紀データで1名おり棄権,21世紀データで2名おり投票であっ た。そこで,まだ新しい分類で分析できないが,意外と想像外の傾向を単身超々高齢 者は持っているのかもしれない。最高年齢があまり進まず,政治で関与している度合 が年齢が高くなると,きわめて理想的な形である。ただ,多くの超々高齢者は,高い 棄権率を持って「家族で」暮らしている。本号の「最近の高齢社会−高齢者の政治参 加,ボランティアと生きがい」,ならびに80歳以上の現データにおける分析から, 20 世紀の8 0歳代と2 1世紀の8 0歳代が異なっているというところに長寿変数が働いて いるなどの全面的分析は今後の続稿にまつ。 " 議員依頼はほとんど政治参加としての意味をなさない。. 30−1・ 2−93(香法2 0 1 0). − 6 −.
(7) 図4. 単身者の政治参加. 演説会参加 演説会参加 議員依頼 議員依頼 機関紙購読 機関紙購読 2 0C 2 1C 2 0C 2 1C 20C 21C 超高齢者 1 8 0 0 3 9 高齢者 13 23 4 5 1 9 2 8 前期高齢者 17 4 7 5 1 0 18 4 5 非高齢者 20 1 9 4 1 2 4 2 1. 超高齢者 高齢者 前期高齢者 非高齢者. 14%. 5%. 28%. 13% 18% 20% 12%. 8%. 1%. 22% 19%. 6% 6%. 14%. 6%. 20. C. C. 21. 9%. 機関紙購読. 機関紙購読. C. C. 20. 5%. 議員依頼. 議員依頼. 21. 16% 17%. 2%. 20%. C. C. 20. 14%. 演説会参加. 演説会参加. 100% 90% 80% 70% 60% 50% 40% 30% 20% 10% 0%. 21. !. 員依頼」を省略して「機関紙購読」を見てみよう。2 0世紀に1 4−2 2−2 8 −1 4%だったものが,2 1世紀では9−19−1 7−1 6%である。ここでも, 今度は2 0世紀はきれいな逆 U 字型になっているのに対して,2 1世紀にな ると,高齢者が相当落ち,超高齢者が少し値を上げることで前期から超高 齢者までなだらか(逆 L 字型)になった。 このような,U 字型から逆 L 字型に変わった理由は,二つのファイル の半分の値である7. 5年の間に平均寿命が延び,それに応じて超高齢者は 高齢者の態度を持ちながら8 0歳代に競りあがったといえる。超高齢者は もはや2 0世紀の超高齢者とは異なる存在になったといえるだろう。 長寿変数のこの形態はあと数十年単位で,平均寿命を延ばしながら,ま だ当分続く。 − 7 −. 3 0−1 ・ 2−9 2(香法201 0). 九 二.
(8) 「孤立」してゆく単身超高齢者(神江). !. 党派方向 次は,投票方向等の行動へ偏りをもつもの,いわば行動の内容を構成し. ているものである。まず,投票政党から接近してみよう。 投票政党 「図5. 単身者の投票政党」を見ていただきたい。. 2 0世紀と2 1世紀の違いは,2 0世紀の場合単身者が加齢に従って自民党 投票を加えてゆき(3 5∼6 4%) ,その傾斜は激しいものがあるが,しかし 前後をみると「漸増」というのが適切である。 2 1世紀になると,まず,非高齢者と高齢者(3階層)との間に自民投 0世紀は僅かに5ポイ 票が2 6ポイ ント(2 ント)もの差で広がるようになった(世代間 差異) 。更に,前期高齢者と高齢者との間がほとんど一致し,この二階層 の間が自民支持で統一され,更に超高齢者が若干非自民化する形でその試 行を終えている。. 政党支持 これは投票政党である。棄権層などの指向を考慮に入れるため政党支持. 図5. 単身者の投票政党. 自民党(20 世紀) 自民党(21 世紀). 九 一. 64% 62% 65% 60% 52% 55% 49% 51 51% 50% 45% 40 40% 40% 35% 35% 23 23% 30% 25% 20% 非高齢者 前期高齢者 高齢者 超高齢者. 30−1・ 2−91(香法2 0 1 0). − 8 −. 投票計 投票計 (2 0世紀)(2 1世紀) 非高齢者 179 100 前期高齢者 124 158 高齢者 108 119 超高齢者 25 4 2.
(9) を見てみよう。「図6. 単身者の政党支持の変化」を見る。. 自民党支持の高齢単身者の内,全員が自民党支持を減らす中で,超高齢 者のみがその支持を5%と一番減らしている。 社会・民主系では,原則的には各層増やすわけだが,高齢者が逆に減ら しているところに,超高齢者は9ポイ ント増やしている。 支持なしは,高齢者が3%増やしている中で,超高齢者は非支持なし化 を選んでいる。非高齢者の場合,4%の支持なし化である。 !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. 以上まとめると,単身超高齢者の場合,他の高齢者を押しのけて自民で !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. あったが,最近社会・民主系的で,しかし非支持なしである。. 図6. 単身者の政党支持の変化. 超高齢者. 超高齢者 高齢者 前期高齢者 非高齢者. 高齢者 前期高齢者 非高齢者. 自民党 2 0C. 2 1C. 18 65 68 86. 2 8 73 84 42. 社会・ 民主系 2 0C 6 41 39 72. 21C 1 5 4 3 7 9 5 1. 支持 なし 20C 9 36 6 1 184. 21C 1 3 46 63 1 26. 180% 160%. 27%. 23%. 27%. 25%. 28%. 27%. 36%. 28%. 54%. 58% 支持なし︵. 55%. 支持なし︵. 140%. 50%. 120% 100%. 46%. 80% 60%. 45%. 18% 29%. 35%. 20%. 19%. 21%. 23%. 0%. 自民党︵. 20. − 9 −. 世紀︶. 21. 21. 世紀︶. 世紀︶. 世紀︶. 20. 20. 社会・民主系 ︵ 世紀︶. 23% 社会・民主系 ︵ 世紀︶. 37%. 25% 自民党︵. 41%. 40%. 21. 3 0−1 ・ 2−9 0(香法201 0). 九 〇.
(10) 「孤立」してゆく単身超高齢者(神江). !. 第二章 SES 的特徴 !. 性. 別 超高齢者の孤立−男性」と「図8. ここでは,「図7. 超高齢者の孤立. −女性」に関係する。 図7. 超高齢者の孤立−男性. 25% 単身男(20 世紀) 単身男(21 世紀). 20% 15%. 20世紀 2 1世紀 データ総数 データ総数 超高齢者 121 132 高齢者 607 686 前期高齢者 1, 336 2, 146 非高齢者 3, 966 1, 712. %. 11% 10% 5%. 9% 6%. 5%. 7%. 5%. 5%. 4% 0% 非高齢者. 前期高齢者. 高齢者. 超高齢者. 年齢. 図8 25%. 超高齢者の孤立−女性 23%. 20 世紀データ−女. 21% 23%. 21 世紀データ−女. 20%. 19%. 15%. 2 0世紀 2 1世紀 データ総数 データ総数 超高齢者 124 199 高齢者 569 706 前期高齢者 1, 205 2, 386 非高齢者 5, 070 2, 199. 11%. % 10% 5%. 八 九. 4%. 6%. 3% 0% 非高齢者. 前期高齢者. 高齢者 年齢. !. Socioeconomic Status. 30−1・ 2−89(香法2 0 1 0). −1 0−. 超高齢者.
(11) 1.単身男性は,2 0世紀中では全年齢に渡って少なかった。 しかし,2 1世紀になって,非高齢者が4%,超高齢者が4%と増えて いる。超高齢者について論ずるならば,長寿化とそれに伴っていない家族 による包摂の積極性であろう。 2.女子の場合,男女の平均年齢の違いによって,孤立問題は主に女子の 問題であったことが分かる。 !. 持ち家. 「図9. 超高齢者の孤立−持ち家」と「図1 0 超高齢者の孤立−借家」. に関係する。 1.図によると,2 0世紀時代には単身者が高齢になっても,1割くらいの 低率で,持ち家をもたない傾向があったが,2 1世紀になると6%も持ち 家率が上がっている。. 図9. 25%. 20%. 超高齢者の孤立−持ち家. 単身(持ち家 20 世紀) 単身(持ち家 21 世紀). 持ち家 (2 0C) 超高齢者 23 高齢者 102 前期高齢者 105 非高齢者 113. 持ち家 (2 1C) 4 1 1 08 1 05 2 7. 17% 15% %. 11% 10% 10% 5%. 5% 2% 0%. 11%. 八 八. 3% 1%. 非高齢者. 前期高齢者. 高齢者. 超高齢者. 年齢. −1 1−. 3 0−1 ・ 2−8 8(香法201 0).
(12) 「孤立」してゆく単身超高齢者(神江). 図1 0 超高齢者の孤立−借家 55% 50%. 単身(借家等 20 世紀). 52%. 単身(借家等 21 世紀). 45%. 42%. 39%. 40% 35% % 30%. 20%. 借家 (2 0C) 超高齢者 14 高齢者 47 前期高齢者 73 非高齢者 243. 17% 19%. 15% 10%. 33%. 25%. 25%. 12%. 借家 (2 1C) 1 1 3 8 9 3 168. 5% 非高齢者. 前期高齢者. 高齢者. 超高齢者. 年齢. 2.単身者の持ち家率の向上につれて,「図1 0」にみるように,高齢単身 者の借家率がさがってきている。 !. 職. 業. 「図1 1 超高齢者の孤立−無職」と「図1 2 超高齢者の孤立−有職」に 対応している。 1.多くの高齢者では無職であったし,加齢とともにそれは加速する。無 職で単身住まいは,2割を切る程度で多くは家族等に囲われるわけだ が,2 1世紀データでは,さらに単身化を生んだ。 2.単身の有職の高齢者は2 0世紀データでは僅かに6−8−2%であっ たのだが,2 1世紀になるととくに7 0歳以降(高齢者以上)に,単身高齢 八 七. 有職者が増えてきた。. 30−1・ 2−87(香法2 0 1 0). −1 2−.
(13) 図1 1 超高齢者の孤立−無職 25% 単身無職 20 世紀 単身無職 21 世紀. 21%. 20%. 18% 15%. 15% 12%. % 10%. 12%. 10%. 単身無職 単身無職 20世紀 21世紀 超高齢者 36 5 1 高齢者 122 8 6 前期高齢者 99 8 3 非高齢者 58 1 1. 8% 5% 2% 0% 非高齢者. 前期高齢者. 高齢者. 超高齢者. 年齢. 図1 2 超高齢者の孤立−有職 単身有職 単身有職 20世紀 21世紀 超高齢者 1 10 高齢者 26 82 前期高齢者 78 158 非高齢者 295 223. 25% 単身有職 20 世紀 単身有職 21 世紀. 20%. 15% 12%. %. 12%. 10% 6%. 6% 8%. 5% 5%. 4% 2%. 0% 非高齢者. 前期高齢者. 高齢者. 超高齢者. 年齢. −1 3−. 3 0−1 ・ 2−8 6(香法201 0). 八 六.
(14) 「孤立」してゆく単身超高齢者(神江). !. 地. 域. 最後に,都市規模別単身者の変化を見てみよう。種類が異なるであろ う,大都市別−郡部別に分けてみる。以下のようになった。 「図1 3 大都市単身者の変化」では,非高齢者の単身者化傾向がみられ るが,高齢者はほぼ1 0%程度の割合で単身者化をしなくなっている。 「図1 4 郡部単身者の変化」では,逆に高齢まで,何の傾向も現さない が,超高齢者になると,7ポイ ントの差を見せて今単身者化真最中というところ である。大都市部で単身化が終わり郡部でいま進んでいるというべきか今 後を見守りたい。. 図1 3 大都市単身者の変化 単身居住者 単身居住者 の変化 の変化 (2 0世紀)(2 1世紀) 超高齢者 9 13 高齢者 21 43 前期高齢者 30 5 9 非高齢者 75 9 9. 超高齢者の孤立−都市規模 30%. 25%. 単身居住者の変化(20 世紀). 28%. 単身居住者の変化(21 世紀) 24%. 20% 14%. % 15% 11%. 14%. 11%. 10%. 八 五. 5%. 7%. 7%. 0% 非高齢者. 前期高齢者. 高齢者 年齢. 30−1・ 2−85(香法2 0 1 0). −1 4−. 超高齢者.
(15) 図1 4 郡部単身者の変化 超高齢者の孤立−都市規模 30% 25%. 単身居住者の変化(20 世紀) 単身居住者の変化(21 世紀). 20%. 単身居住者 単身居住者 の変化 の変化 (2 0世紀)(2 1世紀) 超高齢者 5 16 高齢者 31 36 前期高齢者 28 3 9 非高齢者 42 1 7 17%. % 15%. 13%. 10%. 10%. 11% 5%. 5% 0%. 3%. 4%. 2% 非高齢者. 前期高齢者. 高齢者. 超高齢者. 年齢. 第三章 単身者の集団加入 単身者はどのような集団に加入しているのだろうか?. それが,2 1世. 紀になっても変わっていないかどうか。筆者は, 「非高齢者がもっぱら加 ". 入する団体,高齢者が加入する団体,どちらも加入する団体」があると指 摘していた。この傾向は2 1世紀ではどうなったかというと,「非高齢者の 団体」としての「PTA と労働組合」は,「図1 5 単身者の集団加入」によ れば,2 1C の場合も殆ど変わっていない。「比較的高齢者が多いが非高齢 者を含んでいる団体」で,農協はほとんど消滅寸前である。宗教団体は同 じ数を保持している。「比較的非高齢者が多いが高齢者を含んでいる団体」 として婦人会・青年団と商工団体などがあるが,前期高齢者を6 0歳代か ら数えたためか,若干高齢者が入ってきた。商工団体は変化はない。「非 ". 拙稿「高齢社会の諸相! 高齢者の政治学」 ( 『老年精神医学雑誌』 号,2 0 0 9年所収)2 1 2頁。. −1 5−. 第2 0巻第2. 3 0−1 ・ 2−8 4(香法201 0). 八 四.
(16) 「孤立」してゆく単身超高齢者(神江). 図1 5 単身者の集団加入 老 人 21C 会 20C. 婦 人 会 ・ 青 年 団 20C. 超高齢者. 17 19 11 25. 0. 1. 0. 0. 1. 0. 0 0. 0. 2 1. 0. 13 26 0. 高齢者. 83 63 41 63. 5 14. 0. 6. 3. 0. 0 2. 3 11 12 18 23 4. 2. 40 47 0. 2. 前期高齢者 115 90 14 14 12 12. 0. 8. 0. 1. 4 5. 8. 2. 49 121 1. 3. 非高齢者 111 15. 2. 2. 0 49 12 9. 1 182 172 6. 4. 町 内 会 実数 ・ 21C 区 会 20C. 0 14. 0. 労 働 組 21C 合 20C. 商 工 団 21C 体 20C. 宗 教 団 21C 体 20C 2 7. 同 好 会 ・ 21C 趣 味 20C. 4. 5. そ の 21C 他 20C. 6 21 28 0. 6 12 11 41 21 3. 加 不 入 21C 明 21C 無 20C 20C 0. 超高齢者 48%. 69%. 39% 49% 55% 35%. 高齢者 前期高齢者 非高齢者. 51% 45% 14% 49% 0% 35% 6% 0%. 78%. 6% 2% 10% 2% 5% 13% 5% 0% 9% 7% 9% 1% 11% 4% 18% 1% 11%. 69%. 1% 2% 2% 7% 0% 0% 4% 3% 5% 1% 3% 6% 6% 2% 13% 8% 6% 3%. 7% 4% 3% 4%. 10% 9% 16% 16% 16% 17% 2% 15% 10% 3% 4% 3%. 29% 16% 15% 19%. 32% 24% 28% 44%. 5% 3% 1% 2% 1% 1% 1% 1%. 1% 0% 0% 0%. 0% 1% 1% 1%. C 不明 C C 加入無 C C その他 C C 同好会・趣味 C C 宗教団体 C C 商工団体 C C 労働組合 C C 農協等 C C PTA C C 婦人会・青年団 C C 老人会 C C 町内会・区会 C. 280% 260% 240% 220% 200% 180% 160% 140% 120% 100% 80% 60% 40% 20% 0%. 0. 農 PTA 21C 協 21C 21C 等 20C 20C. 21. 20. 20. 20. 20. 20. 21. 21. 21. 21. 21. 21. 21. 20. 20. 20. 21. 21. 21. 21. 20. 20. 20. 20. 高齢者も高齢者もともに入っている」団体として同好会・趣味の団体は, 2 1世紀に超高齢者を1 4%から3%に落としている(理由は分からない) 。 「町内会・区会」は,どの年齢層においても凋落が甚だしく,非高齢者・ 前期高齢者は約3 0%,高齢者(3階層)は高齢者・超高齢者とも2 0%の 低下である。なお,「加入無」は,非高齢者・前期高齢者ともに2 0%強の 八 三. 低下で,超高齢者で8%低下している。高齢者はほとんど変わらず,であ る。 このように,単身者において2 1世紀に地域団体を中心とした低下が加 入無の決定的原因となっている。 30−1・ 2−83(香法2 0 1 0). −1 6−.
(17) そこで老人会に移るが,このグループでは高齢者・超高齢者とも3%の わずかな低下であり,地域団体が激落させているなかでの安定状態であ る。 老人会のみが強く超高齢者に,弱く高齢者に,与える影響がある。即 ち,高齢者は3 5%から4 5%へと所属集団の他のカテゴリー( 「加入無し」 ) で削減影響を与えるのに対し,それらの影響に対して超高齢者は「鈍感」 (2ポイ ント)で・強健なボランティア組織であることを示している。 単身者と「家族等で」 暮らしている者とを二つの項目で比較しておこう。 地域団体では「家族等で」暮らす非高齢者が3 4%も激落させているのに 対し,単身者は2 7%であった。一般に,地域団体の解体が非高齢者に先 鋭に現れ高齢者(3階層)の順にしたがって弱く表れるものといえよう。 「加入無」では,「家族等で」暮らす単身者が今度は漸減であり,超高齢者 はほとんど変化はなかった(図略) 。. 第四章 単身者の政治コミュニケーション環境 !. 単身者の言論による選挙運動との接触 全体として,「図1 6 単身者の情報接触−言論」によると,2 1世紀に. なって単身者に対しては言論による選挙運動はいくぶん低調になってきて ". いる。単身超高齢者にとって,仮に5ポイ ント で切ってみてそれを比較できる ポイントとみて,低下したものは連呼=△23,電話=△1 2,後援会=△ 6,一方上昇したものは,街頭演説会=9上昇,である。 !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. つまり,超高齢者は,他の階層ではほぼすべてが街頭演説会に接触を低 !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. 下させているなかで,街頭演説会を一貫して歓迎している唯一の階層であ !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. る。ま た,連 呼・電 話 を ほ か の ど の 階 層 よ り 毛 嫌 い し て い る 人 た ち であ #. る。 " 2 1世紀になって棄権者にも聞くようになったが,棄権者を2 0世紀には聞いていな いので外した。. −1 7−. 3 0−1 ・ 2−8 2(香法201 0). 八 二.
(18) 「孤立」してゆく単身超高齢者(神江). 図1 6 単身者の情報接触−言論(2 0 0 0年以降棄権者除外) 個人演説 街頭演説 政党演説 21C 21C 21C 20C 20C 20C 超高齢者. 連呼 20C. 21C. 電話 20C. 21C. 運動員 20C. 21C. 後援会 20C. 21C 3. 1. 2. 1. 6. 0. 1. 11. 9. 7. 7. 4. 4. 3. 高齢者. 18. 11. 23. 15. 10. 3. 37. 38. 26. 28. 12. 5. 7. 1. 前期高齢者. 20. 26. 23. 28. 11. 9. 51. 42. 25. 31. 14. 13. 4. 8. 非高齢者. 27. 12. 43. 21. 19. 4. 51. 22. 28. 9. 16. 7. 13. 7. 150%. 超高齢者. 130%. 高齢者. 110%. 前期高齢者. 42%. 非高齢者. 90%. 32%. 19%. 70%. 27% 29%. 4%. 50% 30% 10%. 15%. 4%. 10% 10%. 8%. 8%. 3%. 8%. 12%. 7% 6%. 6%. 6%. 6%. 6%. C. 21. 後援会 C. 20. 5% 1%. 4%. C. 21. C. 20. 18%. 運動員. C. 20. C. C. 20. 21% 15%. C. 21. 電話. C. 21. 17%. 25% 20% 14%. 連呼. 4%. C. 21. 6%. 15% 22%. 35% 24%. 9% 8% 9%. 政党演説. C. C. 20. C. 街頭演説. C. 個人演説. 21. 3% 3%. 11%. 8% 16% 16% 14% 15% 13% 11% 21% 19%. 20. !. 20%. 4%. 13%. 21. 20. 単身者の文書による選挙運動との接触 ここでも,単身者は,全体として2 1世紀になると,2 0世紀に展開され. ていた運動を超える項目はない(「図1 7 単身者の情報接触−文書」 ) 。単 身超高齢者にとって,20世紀より5ポイ ント を超えて低下した項目は,ビラ= △5,政党文書=△1 7,掲示ポスター=△1 4,であり,逆に高くなったも のに新聞広告=5,がある。 八 一. 目も悪くなってあまり長い文書や高いところに掲示してあるものは読め ないのでビラ,ポスター,が嫌がられることは分かる。その代わりに,他 !. もちろん,80歳以上になると,耳が聞こえにくくなり,意味を持っていない「連 呼」は忌避の対象でしかない。. 30−1・ 2−81(香法2 0 1 0). −1 8−.
(19) 図1 7 単身者の情報接触−文書 葉書 ビラ 新聞広告 政党広告 政党文書 党機関紙 掲示ポスター 21世紀 21世紀 21世紀 21世紀 21世紀 21世紀 21世紀 20世紀 20世紀 20世紀 20世紀 20世紀 20世紀 20世紀 超高齢者. 4. 10. 5. 7. 4. 6. 3. 4. 9. 7. 2. 2. 9. 高齢者. 34. 32. 33. 30. 16. 18. 21. 16. 32. 27. 11. 10. 44. 10 39. 前期高齢者. 44. 44. 33. 41. 23. 28. 25. 22. 40. 35. 11. 9. 45. 49. 非高齢者. 67. 27. 53. 34. 18. 9. 34. 11. 61. 21. 12. 4. 68. 28. 超高齢者 140%. 高齢者 前期高齢者. 120%. 35%. 非高齢者 35%. 15%. 100% 80%. 29%. 60%. 21% 21%. 19% 15%. 24%. 28% 23%. 25%. 22%. 30%. 40% 20%. 33% 24%. !. !. !. !. !. 20. !. !. !. 21−. !. !. 20. !. !. 21−. 20. !. !. !. 34% 25%. 8% 5%. 21−. 20. 世紀. !. 21−. 4%. 掲示ポスター 世紀. !. 20. 6%. 4%. 世紀. !. 21−. 28% 8% 9% 8%. 世紀. 20. 31%. 党機関紙 世紀. 8%. 政党文書 世紀. !. 16%. 9%. 世紀. !. 16% 26% 31%. 30%. 25%. 18% 10% 27% 15% 24% 17% 15% 30% 23% 17% 12%. 政党広告 世紀. !. 14%. 世紀. !. 14%. 葉書 世紀. !. 13%. 23%. 世紀. !. 21−. 38%. 27% 12% 15%. ビラ 世紀. 20. 世紀. 新聞広告 世紀. 0% −. 18%. 21. の三階層が減らしている中で,新聞広告が重要な代替物となっていること が示される。 !. 単身者のメディアを通した選挙運動との関わり 全体として単身超高齢者は視聴が低下する傾向がある。なかでも雑誌報. 道=△6,ラジオ報道=△5,が目立っており,それに対して新聞報道と テレビ報道はわずかな低下であった(「図1 8 単身者の情報接触−メディ ア」 ) 。しかし,新聞とテレビは,新聞が非高齢者と前期高齢者で,テレビ が前期高齢者と高齢者で目覚ましい成長をすることによって選挙運動の様 !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. !. 子を一変させているのに対し,さほど超高齢者は劇的なメディア政治の変 −1 9−. 3 0−1 ・ 2−8 0(香法201 0). 八 〇.
(20) 「孤立」してゆく単身超高齢者(神江). 図1 8 単身者の情報接触−メディア 新聞報道 雑誌報道 2 1世紀 2 1世紀 2 0C 2 0C 超高齢者 5 8 2 1 高齢者 2 1 2 5 2 1 前期高齢者 3 1 5 3 2 6 非高齢者 4 2 3 2 12 1 2. テレビ報道 ラジオ報道 21世紀 2 1世紀 2 0C 20C 9 16 3 3 44 56 7 7 50 7 5 6 8 85 52 1 2 8 超高齢者. 140% 35%. 120%. 17% 19%. 60%. 19%. 18%. 40%. 42%. 30%. 6%. 20. !. !. !. 20. 21. 7%. 世紀. 21. ラジオ報道 C. !. 6%. 6%. 世紀. !. 12% 6%. C. !. 47%. 11%. テレビ報道. C. 20. !. 42%. 世紀. 雑誌報道 C. 世紀. 21. 5% 5%. 4%. 3%. 8%. 29%. 新聞報道. 0%. 2%. 2%. 21%. 34%. 1%. 1%. 21%. 20%. !. 非高齢者. 38%. 80%. !. 前期高齢者 42%. 100%. !. 高齢者. 33%. 21. 20. !. 化には加担はしていない。 !. 超高齢単身者の強まる選管情報への依存 丁度8 0歳より若い単身有権者がメディア依存を強めてゆくのに対し,. 選管関連の情報は超高齢者の依存を示していた(「図1 9 単身者の情報接 触−選管等」 ) 。政見放送テレビは超高齢者の場合2 1世紀になっても2ポイ ント 七 九. のダウン(他の層は1 0近くのダウン) ,選挙公報が4のアップ(他の層は 1 0近くのダウン) ,であった。. 30−1・ 2−79(香法2 0 1 0). −2 0−.
(21) 図1 9 単身者の情報接触−選管等 政見放送 政見放送 選挙公報 テレビ 2 1世紀 ラジオ 2 1世紀 2 1世紀 (2 0世紀) (20世紀) (2 0世紀) 超高齢者 12 2 1 1 2 6 1 3 高齢者 60 59 1 3 9 4 7 4 1 前期高齢者 72 6 9 9 1 5 54 4 8 非高齢者 92 37 1 9 5 7 2 32 超高齢者 高齢者. 200% 46%. 150%. 前期高齢者 44%. 非高齢者. 51% 49% 39%. 50% 46%. 5% 4%. 37%. 29%. 世紀. 21. 20. 27%. 36%. 9%. 選挙公報 ︵ 世紀︶. 21. 7% 4%. 11% 9%. 33%. 31%. 世紀. !. 6%. 政見放送ラジオ ︵ 世紀︶. 20. 27%. 40%. 世紀. 政見放送テレビ ︵ 世紀︶. 0%. 23%. 45%. 100%. 21. 20. 血縁・地縁・友人から離れ行く超高齢者 単身者はその定義から「血縁・地縁・友人」から物理的に離れて暮らし. ているが,その実態は非高齢者か高齢者(3階層)かによって,また高齢 者の年齢によって異なるであろう。一人で暮らす独身時代,二人以上で暮 らす時期,そして子供が独立するなどして二人に戻り,最後に一人に戻 り,そのまま一人で暮らすか,家族等の集団に戻るか,の時期があろう。 個人主義と集団主義の二原理が混在する時期は非高齢者時代であって,他 方高齢者(3階層)時代は定義上個人主義をその到達点としているので, 年齢とほぼ一方向的に合致する。「図2 0 単身者の情報接触−1次関係」 !. ". ". ". ". ". ". ". ". ". ". ". ". ". " " ". ". ". ". の友人親戚関係を見ると,2 0世紀デー タ で は 超 高 齢 者 は 他 の3集 団 に 劣 −2 1−. 3 0−1 ・ 2−7 8(香法201 0). 七 八.
(22) 「孤立」してゆく単身超高齢者(神江). 図2 0 単身者の情報接触−1次関係 友人 地域 有力者 21世紀 団体 21世紀 親戚 21世紀 20C 2 0C 20C 5 6 0 0 2 0 1 9 2 9 0 0 0 0 27 4 2 1 5 5 3 3 4 1 5 4 2 5 1. 近所 家族 21世紀 21世紀 2 0C 2 0C 超高齢者 高齢者 前期高齢者 非高齢者. 2 7 9 15. 2 8 11 3. 0 5 10 9. 1 8 10 3. 80%. 超高齢者. 70%. 高齢者. 13% 19%. 60%. 前期高齢者. 50%. 22%. 非高齢者. 16%. 40% 30%. 3%. 8%. 20%. 4%. 6% 6%. 10%. 6%. ". ". ". ". ". ". ". ". ". ". !. ". ". ". ". ". 世紀. ". 21. C. ". 地域団体. C. ". 21. 20. C. ". 世紀. 21. 2%. 3%. 有力者. 20. 世紀. 21. 1%. 20. ". 3% 8%. 14%. 友人親戚. 世紀. 近所 C. 世紀. 家族 C. 5%. 20. 17%. 1%. 3%. 2%. 24%. 2%. 6%. 7%. 21. 18%. 2%. 4%. 6% 6%. 7%. 0%. 3%. 20. ". ". ". ". ". ". ". ". ". ". ". らず選挙情報接触をしていたが,2 1世紀データ に な る と 他 の 二 単 身 高 齢 ". ". ". ". ". ". ". ". ". ". ". !. ". ". ". ". ". ". ". ". ". ". ". ". ". ". ". ". ". ". ". ". 者(3階層)集団にほぼ1 0%の差を つ け て 選 挙 情 報 の 交 換 を し な く な っ "#. た。 全体をまとめると,超高齢単身者は,街頭演説会,新聞広告を好み,劇 的なメディア政治の変化を好まず,選挙情報は選管からのものが多く,私 的には情報交換をだんだんしなくなっている。単身高齢者ということでコ ミュニケーション範囲が狭く,権威主義的で,孤独な存在になりつつある 七 七. し,スピーカーで声高に叫ぶ「街頭演説」 ,ビジュアルな情報が中心とな る「新聞広告」という十分に年齢に適合したものである。. #. 単身者の職場接触等はほとんど関係が出てないので省略した。. 30−1・ 2−77(香法2 0 1 0). −2 2−.
(23) 第五章 単身者の争点関心 超高齢者の争点関心は,他の単身者と比べて如何なる特徴を持っている のか,に言及しておこう。これは, 「図2 1 単身者の争点関心」に掲げて いる。. 図2 1 単身者の争点関心. −. 大 安 政 政 中 物 教 事 農 税 行 憲 保 策 治 小 な そ 郵 価 育 ・ 業 金 政 公 法 福 こ は 倫 企 の 政 ・ ・ 防 1業2 1考2 1対2 2 1問2 1改2 1と 1衛2 2 1他2 1 1理2 1害2 1問2 1 2 1民 祉2 2 景 文 え 関 対 0 C 革 C 策 C 2 0 C 題 C C C C 2 C 題 C 問 C 化 C 2 C 営 0 気 C 2 不 ぬ 係 策 題 2 0 0 2 0 2 0 C C 明 化 2 0 2 0 C 2 0 2 0 2 0 2 0 2 0 C C C C C C C C C C C 超高齢者 19 30 6 11 6 9 4 10 2 2 0 2 1 2 0 3 0 2 1 3 1 4 0 6 0 0 1 7 1. 高齢者. 73 107 51 58 26 28 21 15 16 11 17 12 16 5 8 2 4 7 3 7 6 10 11 14 4 2 4 12 9. 前期高齢者 89 118 80 117 48 54 14 11 20 22 31 14 14 23 12 7 9 20 2 16 7 18 9 31 2 5 2 8 15 非高齢者. 89 67 108 91 99 61 26 26 45 22 39 7 48 23 10 7 27 16 18 23 18 25 23 21 1 3 1 20 12. 250%. 76% 59% 62% 73% 62% 61% 43% 51%. 超高齢者. 22% 25% 42% 44% 60% 55% 62% 52%. 200%. 高齢者 24% 22% 19% 33% 21% 47% 29% 46%. 150% 100%. 12% 11% 8% 17% 8% 18% 10% 4% 21% 9% 7% 5% 6% 5% 5% 11% 9% 3% 2% 2% 3% 1% 1% 3% 1%. 13% 9% 4% 16%. 郵政民営化 C 大事なこと2 不明 C C その他 C C 教育・文化 C C 安保・防衛問題 C C 憲法問題 C C 中小企業対策 C C 農業対策 C C 行政改革 C C 公害 C C 政治倫理関係 C C 政策は考えぬ C C 税金問題 C C 物価・景気 C C 福祉 C. 0%. 非高齢者. 16% 21% 8% 4% 18% 11% 14% 4% 15% 6% 14% 4% 9% 6% 14% 8% 21% 4% 5% 10% 4% 13% 21% 22% 12% 19% 4% 23% 5% 9% 13% 5% 6% 9% 19% 20% 7% 2% 3% 11% 3% 20% 8% 8% 4% 6% 14% 2% 6% 13% 5% 6% 11%. 50%. 15% 45% 46% 52%. 前期高齢者. 21. 21. 21. 21. 21. 20. 21. 21. 21. 21. 21. 21. 21. 20. 20. 20. 20. 20. 20. 21. 20. 20. 20. 20. 21. 20. −. 20. 20. −2 3−. 3 0−1 ・ 2−7 6(香法201 0). 七 六.
(24) 「孤立」してゆく単身超高齢者(神江). !. 単一争点派 超高齢者は福祉争点を掲げ,2 0世紀時代は殆ど2位以下の争点に3倍. ほどの差をつけて福祉に集中している。例えば,2 0世紀では福祉が7 6%, 第2位の物価・景気が2 5%と飛ぶ。倍率として3. 0 4倍である。それに対 して,高齢者は2位は4 4%,前期高齢者が5 5%,非高齢者が5 2%とあま り1,2以下が離れていない。2 1世紀になって高齢者が福祉を伸ばした が,それでも第2位の物価は第1位の半分以上である。単一争点派といえ るだろう。 ". その他の争点との関係 超高齢者はある程度まで争点の言及はあるが,それも物価,税金まで. で,第4位に「政策は考えぬ」が約2 0%で来,それ以下の争点がほとん ど5%の程度まで縮小する。それに対して,高齢者は,行政改革辺りまで は1 0%を超えている。いわば,超高齢者の争点の形は,第1位の争点, !. !. !. 第2位,第3位,は一応あるのだがその形状は階段状だし,第1位以外は 数も少ない。高齢者,前期高齢者の場合は,争点言及の少なくなりかたは !. !. !. 漸次的である。 #. 特殊な争点 この争点では,かなりの調査の回数聞かれている争点項目が掲げてあ. り,特定の選挙の時だけ問題となったいくつかの争点ははずれてきた。こ の場合,日常的には動きの少ない超高齢者の争点態度をみて即断するよ り,特定選挙の特定争点を取り上げて判断した方がいいだろう。 取り上げた争点は,2 0 0 5年選挙の郵政民営化問題である。グラフでは, 七 五. 一番右側の棒にあたるが,あれだけ社会をゆるがせた問題を反映して,高 齢者までは4 5%を超える関心が集中していた。ところが,超高齢者にな ると,第4位以下の1 5%(実数は一人)しかなく,郵政民営化問題から !. !. も孤立していることが分かるだろう。 30−1・ 2−75(香法2 0 1 0). −2 4−.
(25) おわりに 以下,単身超高齢者の2 0世紀から2 1世紀にかけての特徴の変化等をま とめておこう。まとめ方として,第一に,超高齢者を取り巻く環境の影 響,第二に,超高齢者として政治・選挙環境に主体的にかかわっていく面 !. での特徴,を拾い出しておこう。 第一の環境に規定される面であるが,SES 的特徴では,男女の平均年齢 の違いによって主として超高齢者の問題は女子の問題であった。持ち家率 では,2 1世紀になると若干率が上がった。それは同時に単身高齢有職者 が増えてくることにも支えられている。都市規模別では,大都市部では割 合の増加はとまっているように見え,むしろ郡部でまだ増加中である。 人間的環境を表すものとしての集団加入は,全体として地域団体等は凋 落がはなはだしく「加入無」の増える原因を作っているが,一方老人会は 強く超高齢者に,弱く高齢者に,強健なボランティア組織であることをし めしている(孤立) 。 第二に政治・選挙環境との関わり方では,投票行動においては,投票率 が年齢とともに逆 U 字型から逆 L 字型に変わり,そこには投票率を変え ない超高齢者の果たす役割が大きかった。また,投票以外の参加でも同様 の傾向が見られ,超高齢者の関与が大きい。 単身超高齢者の場合,他の高齢者(3階層)を押しのけて自民であった が,最近若干社会・民主系的であるが,しかし非支持なしである。 政治コミュニケーション上の環境として,超高齢者は, 「言論による選 挙運動」においては街頭演説会を一貫して歓迎している唯一の階層であ り,また,連呼・電話を毛嫌いしている人たちでもある(孤立) 。 文書による選挙運動では,超高齢者は,ビラ,ポスターを嫌い,その代 わりに新聞広告が重要な代替物となっている(孤立) 。. !. 他と区別されて顕著な場合孤立の言葉を入れた。. −2 5−. 3 0−1 ・ 2−7 4(香法201 0). 七 四.
(26) 「孤立」してゆく単身超高齢者(神江). メディアを通した選挙運動では,超高齢者は劇的なメディア政治の変化 には加担はしていない(孤立) 。 また,超高齢者は選管関連の情報に依存を示していた(孤立) 。 血縁・地縁・友人とのコミュニケーション上の距離を示すデータで は,2 0世紀データでは超高齢者は他の3集団に劣らず選挙情報接触をし ていたが,2 1世紀データになると他の二単身高齢者集団に差をつけて選 挙情報の交換をしなくなった(孤立) 。 争点意識では,超高齢者は,福祉をいう単一争点派で,第2位以下の争 点とは3倍くらい離れて減衰しており,かつ時局的な争点とはあまりかか わらない(孤立) 。 以上,2 0 0 5年現在までの超高齢者は,特に政治コミュニケーションと 争点意識で孤立を選びとっているといえるが,少なくとも一部は介護者が !. 十分意識して関われば解決できるものである。. 七 三. ! 「選びとる」のは多くの場合,二人だけの場合は彼らの意志によったのだろうが, 単身になるときは死亡など意志ではない。その原型は一世代同居の超高齢者にある。 すでに清書もすんでいるので『香川法学』に掲載の予定である。タイトルは,「「孤立」 から自立へ−2 0と2 1世紀高齢者と長寿変数」である。. 30−1・ 2−73(香法2 0 1 0). −2 6−.
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