山腹斜面の等価租度に関する研究ⅠⅠⅠ
鎌 田
萬EMPIRICAL STUDIES ON EQUIVALENT ROUGHNESS OF
MOUNTAINSIDE FOR FLOOD RUN−OFF:PARTIII
Takashi KAMADa Inanalyzlng鎖00dsalongsmallerriversandvalleysinamountainousarea,itisessentialtostudythemechanismof surfacewater鎖owoverthemountainsidedrained,thatistosay,rOughnessofthemountainside,thatdominatesthe timefor propagatlngtherainedwater Theauthorhasalreadypublishedhisresearchoftheequivalentroughnessofthemountainsidefor魚00drun・Off WithtwentytypicaldambasinsinShikoku,Sanyo,Kinki,Hokurikn,nOrthernKyushuandsouthernChubudistricts Thisreport,therefore,rePreSentStheauthor’ssubsequentresearchofthesamesubjectwithotherlourtypicaldam basinsattheirupper streamsinbothSaninandsouthernKyushudistricts Now,theaveragevalueN(mJl/3sec)oftheeq山valentroughnessofthemountainsideattheupperbasinofeach
damthusinvestigatedhasbeenasfollows:031forYadodamandO33forHamadadambothinShimanePrefecture;
033forSajigawadaminTottoriPrefecture;042forTachibanadaminMiyazakiPrefecture Next,theapplicabilityofthesevaluestotheanalysisof且00drun−Offwasadequatelyprovedatthesitesofthe WaterlevelobservatoriesupbothSajigawadamandTachibanadam,Whentheauthor・appliedthosevaluestothe Simulationo川00dscausedbytoIrentialrainsinthepast,Withsubsequentanalysisshowingasatisfactorydegreeof appropriatenessandusefulnessoftheapplicationThese results should make clear that the average values N(mrl/3sec)of the equivalentroughness of the
mountainside forfl00d run−Offinthemountainous basinsin our countIy Canbe considered as follows:04for a long−Slopingandwell・forestedbasinatahigheraltitude;03foranordinarily−forestedbasinataloweraltitude;02for a naIrow and Iocky basin
中小河川,および,渓流など山地河川の洪水流出解析においては,とくに,山腹斜面上を流れる地表面流の流出機 構,すなわち,雨水伝播時間を支配する山腹斜面上の抵抗に関する調査・研究が必要である. 筆者は,この山腹斜面等価租度の見出しについて,四匡巨山陽・近畿・北陸・北九州・南中部地方の代表20ダムに おける研究をすでに発表(456)している. したがって,本研究においては,その後,調査研究をしてきた山陰・南九州地方の代表4ダムについて,その上流 域の山腹斜面等価租度の見出しについて論述したい その結果,各ダム上流域における山腹斜面等価租度の平均値については,島根県,八戸ダムは0一.31m ̄1/3sec,浜 田ダムは033m ̄1/3sec,鳥取県,佐治川ダムは0.33m−1/3sec,また,宮崎県,立花ダムはOh42m−1/3secとなった” つぎに,これらの値の洪水流出解析への適用性については,佐治川と立花ダムの上流,それぞれ水位儲測所の地点 を選び,過去豪雨時の洪水流出再現に本研究の成果億を適用,解析し,その妥当性と有用性の充分にあることを明ら かにした.. すなわち,これらの結果から,わが国の山地上流域における山腹斜面等価租度の備については,おおよそ,標高が 高く山腹斜面長の長大な林相の良い山地流域は,N=04m,1/3sec,標高がやや低く林相の普通の山地流域は,N= Oh3m ̄1/3sec,流域が狭少で岩石露出の岩山流域は,N=0.2m ̄l/3sec程度と考えてよいことを明らかにすることが できた‖
香川大学農学部学術報告 第38巻 第1号(1986) 12 1. ま え が き わが国土の洪水防災計画においては,計画基準地点の計画基本となる洪水のハイドログラフ(基本高水)を設定し, 計画を策定することになっている.. そして,この計画にあたっては,河道計画の場合は,洪水のピーク流星のみを対象とし計画を策定すればよく,ダ ム建設による洪水調節討画,また,農地湛水防除のポンプ排水計画などの場合は,洪水のハイドログデフをも設定す ることが必要となる.. この洪水流出解析の方法については,降雨量と流出畳の関係を線型とみるか,非線型とみるかにより大別すること ができ,線型のものには,単位図法,流出関数法があり,非線型には,降雨から流出への変換過程に流域の貯溜過程 を導入した貯溜関数法,タンクモデル法などがある日 これらは,ともに降雨と流出の間の応答特性を調べて計算する方法であるが,近年,雨水流の運動,浸透現象など をとり入れた流出解析法が発展をしている.そして,Kinematicwave法(1)は,この一・方法である. このKinematicwave法においては,流域は,幾つかの雑形斜面と流路に分割し,解析は,これらの斜面と流路に おける雨水流下現象を水流の連動式と連続式の関係を用いて水理学的に追跡する方法である. この解析法においては,山腹斜面等価租度の値,すなわち,山腹斜面等価租度Nの借は,おおよそ,既知であるこ とが必要である. しかるに,現在,この備については,採用備は,Nの億を種々変化させて計算を行ない,実測借と解析借がよく−・ 致するとみなせるときの借をその流域の等価租度とし採用することになっている‖ したがって,筆者は,この値の見出しについて,昭和51年より毎年地域別に,最近,建設され管理設備が近代化さ れている比較的小流域(約50km2以下)の多目的ダムを選び,それぞれダム管理事務所で観測された過ま豪雨時の 水文資料を調査し,そのダム上流域の山腹斜面等価租度の研究をしてきた そして,すでに,四国・山陽・近畿・北陸・北九州・南中部地方の代表20ダム上流域における研究成果については, 発表(45∩6)してい るので,本研究においては,その後,調査研究をしてきた山陰・南九州地方の代表4ダム上流域に おける研究成果について発表し,さらに,その考察にあたっては,その成果値を洪水流出再現解析に適用し,その億 の妥当性と有用性について深く考察することにした.. 2.山陰・南九州地方の山腹斜面等価粗度 2−1山陰地方 山陰地方における山腹斜面等価租度の研究については,調査は,昭和58年8月に実施する予定のところ,その直前 に,例の昭和58年7月山陰豪雨災害(死者・行方不明者:112名,被害額:3000億円,降雨量:浜田市max91mm/ hr,332mm/day)が突発し,島根県内は,各所が約3カ月間の交通杜絶となり,また,災害応急復旧工事のため大変 な混乱状態となったので,交通機関開通直後の昭和58年11月に,島根県の八戸ダムと浜田ダム,さらに,鳥取県の佐 治川ダムを選び調査した小 1)各ダムの概要と水文資料 八戸ダムは,島根児,江の川支流,八戸川の上流に治水・発電・上水用水・工業用水確保の目的で昭和51年度に建 設された堤高72m,有効貯水容盈23.200,000m3の重力式コンクリ1−トダムで,その集水面積が164km2(112km2) である‖ そして,調査した水文資料については,水位は栃谷水位潮測所,降雨は市木雨曇勧測所,期間は,昭和51年から昭 和58年までの豪雨時の資料について調査した. 浜田ダムは,島根県,浜田川の上流に治水・発電用水確保の目的で昭和38年度に建設された境高60m,有効貯水 容最4350,000m3の重力式コンクリートダムで,その集水面積が34km2(10km2)である. Irら
くる そして,調査した水文資料については,水文観測施設のテレメ・一夕化が昭和58年3月に完成したので,水位は下来
原観測所,降雨は上来原観測所,期間は,昭和58年のみについて調査した 佐治川ダムは,鳥取県,佐治川の上流に治水・発電・かんがい用水確保の目的で昭和46年度に建設された堤高47m,有効貯水容量18釦,000m3の塞力式コンクリ・−トダムで,その集水面積が21km2(12km2)である そして,調査した水文資料については,水位は中水位観測所,降雨は山王谷雨量観測所,期間は,昭和47年から昭 和58年までのものについて調査した 2)等価粗度の解析 各ダム上流域の山腹斜面等価粗度の解析においては,過去豪雨時の水文資料を基に,各豪雨時の雨水伝播時間とそ の降雨強度の算出には,実測雨量と水位による方法(3・5)を適用,また,等価租度の解析には,Kinematicwave法に 上述の億とTablelに示した各ダム上流域の地形条件の借を用いて解析した
TablelDimension of dam dIainage area
mountainside
dam Ⅰ・iveI
prefecture
Stage ar’eaStIeam
length
1ength mean gradient
Km2 Km Km
Yado Yado Shimane Tochidani 112 28 017 8小0
Hamada Hamada Shimane Shimo・kurubara 10 2“0 013 0
Saiigawa Saji Totsutor・i Naka 12 2 020 0
Tachibana Sansai Miyazaki Asayabu 27 30 019 15“0
その解析結果については,‘Table2に示すとおりのものとなった
Table2Rainfa11・arrival・time and equivalent roughness,Sanin
stream一銭ow,time overland・flow−time
date equlValent
time Ⅰainfall arrival.time
ⅠOughnesshr Cm hr hr mm/hr m−∬sec YadoD盆m 23:00 4小0 387 04 36 140 0.26 丁止23,1983 6:00 3小0 520 03 27 430 035 Jul 3,1981 18:00 4小0 270 05 35 165 0小28 Aug31,1980 1:00 40 328 04 36 155 0小28 Jun29,1979 9:00 6小0 263 06 54 7.2 0小34 Tul1,1979 13:00 50 274 05 45 98 0小30 Sep 4,1979 11:00 50 289 05 45 116 0,34 Sep一.15,1978 21:00 30 361 04 26 44小7 0.34 Sep13,1976 10:00 40 338 04 36 16小5 0小29 Hamada Dam Iul.21,1983 6:00 30 128 0 30 24小3 0小33 Iul。 23,1983 5:00 25 208 0 25 35,5 0小32 Sajigawa Dam Aug2,1982 1:00 40 121 0 40 11−5 0小31 Sep25,1982 8:00 40 122 0 4/0 14−0 0小35 May21,1980 6:00 30 140 0 30 26.7 0小34 Sep30,1979 23:00 4.0 103 0 40 15−7 0小38 Sep15,1978 0:00 30 104 0 30 写3小7 0小31 Aug。23,1975 8:00 25 253 0 25 33一4 0小28 Tul11,1972 19:00 4.0 125 0 40 13.2 0小34 Sep16,1972 2:00 3.5 157 0 3−5 17一5 0.33
香川大学農学部学術報告 第38巻 第1号(1986) 14 すなわち,山陰地方の山腹斜面等価租度については,島根県の八戸ダム上流域の平均値はN=031m ̄1/3sec,浜 田ダム上流域のものは,N=033m ̄1/3sec,また,鳥取県の佐治川ダム上流域のものもN=033m,1/3secとなった したがって,山陰地方における山地上流域の山腹斜面等価租度については,その値は,おおよそ,N=03m ̄l/3sec 程度とみてよいことを明らかにすることができた 2−2 南九州地方 南九州地方における山腹斜面等価租度の研究については,調査は昭和59年10月,宮崎県の立花ダムを選び調査した 1)立花ダムの概要と水文資料 立花ダムは,宮崎県,−の瀬川支流,三財川の上流に治水・発電・かんがい用水確保の目的で昭和38年度に建設さ れた堤高71m,有効貯水容量8480,000m3の重力式コンクリートダムで,その集水面積が41km2(27km2)である そして,調査した水文資料については,水位は浅薮水位朝測所,降雨ほ河の口雨量観測所,期間は,昭和54年から 昭和59年までの豪雨時の資料について調査した 2)等価租度の解析 立花ダム上流域の山腹斜面等価租度の解析においては,調査した水文資料を基に,まず,雨水伝播時間とその降雨 強度を算出し,解析には,Kinematicwave法に上述の値とTablelに示した地形条件の借を用い解析した その解析結果については,Table3に示すとおりのものになった
Table3Rainfall−arrival−time and equivalent roughness,MinamiKyushu
stream.flow.time overland_慮ow_time
date equivalent roughness
time Ⅰainfall arrival−time stIeam一点ow Stage aow・time inlet−time intenslty
hr em hr hr mm/hr m−%sec TachibanaDam 5:00 Aug26,1984 60 383 17 43 203 045 Sep− 28,1983 3:00 85 248 25 60 82 042 Jul 25,1982 2:00 50 375 17 33 350 041 Aug13,1982 4:00 50 410 16 34 368 045 Jul31,1981 6:00 60 294 21 39 210 039 Sep11,1980 3:00 60 363 17 43 193 043 Iun28,1979 23:00 70 316 20 50 144 046 Sep 4,1979 1:00 50 338 19 31 352 037 Oct18,1979 2:00 55 367 17 38 261 043 すなわち,宮崎県の立花ダム上流域における山腹斜面等価租度の平均値は,N=0.42m ̄1/3secとなり,南九州地 方の山腹斜面等価租度については,その値は,おおよそ,N=0.4m ̄1/3sec程度とみてよいことを明らかにした 3.洪水流出再現解析 本研究において明らかにした山腹斜面等価租度の妥当性とその有用性については,Kinematicwave法に,その成 果傭を適用,計算は,筆者研究室に設置のMULTト16を用い洪水流出再現解析を行ない,−・方,実測流量との比較, 考察をした 3−1佐治川中地点の洪水流出 山陰地方の洪水流出再現解析においては,鳥取県佐治川ダムの上流,中水位観測所地点を選び,山腹斜面等価租度に は,本研究で得た値N=0,3m ̄1/3secを用い,昭和55年5月21日の出水を解析した
すなわち,中地点の流域諸元については,集水面積はF=121Okm2,山腹平均斜面長はL=2 はsine=02,流域平均幅はB=44km,また,山腹斜面等価租度はN=03m−1/3secを採用した つぎに,降雨量については,ダム上流の山王谷雨量観測所の観測値を用い,昭和55年5月21日の降雨は,前期降雨 義が110mmと割合に少量であったので流出係数を08として計算した そ・の解析結果については,Figlに示すとおりとなった 5/21 2 4 6 8 10 12 14 16 18hr
FiglHydrograph of Naka station onthe Saiigawa(May21,1980)
すなわち,このハイドログラフのピ・−ク流量は,5月21日の6時に発生し,Q,=70m3/secとなった..−・方,実測 流量については,流量は,中水位観測所で観測された水位を水位一流畳曲線で流量に変換ん,Fig1に併記すること にした.このハイドログラフのピーク流量も発生時刻は,5月21日,6時前後となり,Q。・=63m3/secとなっていた したがって,Kinematicwave法に本研究で得た山腹斜面等価粗皮N=0。3m ̄l/3secを用いて解析したハイドログ ラフと実測流量によるハイドログラフとは,ともに,大筋において,その数億,また,その波形がよく近似している ことを明らかにすることができた 3−2 三財川浅薮地点の洪水流出 南九州地方の洪水流出再現解析においては,宮崎県立花ダム上流の浅薮水位観測所地点を選び,山腹斜面等価租度 には,本研究で得た値,N=04m ̄1/3secを用い,昭和55年9月11日の出水を解析した すなわち,浅薮地点の流域諸元については,集水面積はF=270km2,山腹平均斜面長はL=3Okm,山腹平均勾 配はsine=019,流域平均幅はB=90km,また,山腹斜面等価租度はN=04m−1/3secを採用した つぎに,降雨量については,ダム上流の河の口降雨量観測所の観測借を用い,昭和55年9月11日の降雨は,前期降 雨盈が323mmと多量であったの■で,流出係数を10として計算した その解析結果については,Figい2に示すとおりのものとなった すなわち,このハイドログラフのピ1−ク流量は,9月11日,3時前に発生し,Q。=163m3/secとなった 一・方,実測流量については,流量は,浅薮水位観測所で観測された水位を水位十流量曲線で流量に変換し,Fig.2 に併記することにした.そして,このハイドログラフの流量も発生時刻は,9月11日,3時前後で,恥=156m3/sec となっていた したがって,Kinematicwave法に本研究で得た山腹斜面等価粗度の億,N=04m ̄1/3secを用いて解析したハイド ログラフと実測流量によるハイドログラフとは,ともに,大筋において,その数億,また,その波形がよく近似する ことを明らかにすることができた
香川大学農学部学術報告 第38巻 第1号(1986) 16 F=270KM2 L.= 30KM B= 90KM Sinβ=019 − N=04m ̄1/3sec 軋 、 ○ヽ 40 ●Calculated O Observed Qp==163m3/sec
■へ、℃一一○−
Qp=156m3/sec 、○_ 、0... 、○、9/10 18 20 22 9/11 2
4 6 8 10 12 14hrFig2Hydrograph ofAsayabu station on the Sansai(Sep11,1980)
4.考 察 本研究において山陰地方の山腹斜面等価租度の備については,N=0.3m ̄l/3sec,また,南九州地方は,N= 04m ̄1/3sec程度であることを見出したが,この値の洪水流出解析への妥当性と有用性にあたっては,その考察は, ピ−ク流量解析への適用とハイドログデフ解析への適用の両面より行なった そして,ピ−ク流量への適用においてほ,この値の洪水到達時間算定での精度について検討した結果は,Table4 に示したとおりとなった
Table4Effects of the equivalent roughness on theinlet−time of overlandflow
equivalentIOughnessandinlet・timeofoverlandflowdamname 0Verlandflow N inlet,timeof mean
mean deviation N
mean deviation
Nmean deviation
×(蒜)hr m一舛sec m一猪sec YadoDam 23小04 031 006 0一3 0−05 HamadaDam 2068 033 0 0,3 006 SajigawaDam 2145 033 0.04 03 005 TachibanaDam 2325 042 0一04 04 004 すなわち,各ダム,それぞれの出水時の解析備については,その実測値との偏差百分率の平均値は,0.04∼0.06の 範囲となり,きわめてよい精度の解析ができることを明らかにした また,ハイドログラフ解析への適用については,′前述3.の洪水流出再現解析において述べたとおり,本研究の成 果借を適用,解析したハイドログラフと実測流量によるハイドログラフを比較検討した結果は,ピーク流量の数億, 発生時刻,また,洪水波形,ともに,よく近似となる解析のできることを明らかにした このことは,本研究で得た山腹斜面等価租度の値については,洪水流出解析への適用に対して充分に工学的な価値 のあることを示していると考察された
5.結 中小河川,および,渓流など山地小流域の洪水流出解析に不可欠な山腹斜面等価租度の研究については,四国・山 陽・近畿・北陸・北九州・南中部地方の研究は,すでに解表しているので,本研究においては,その後,調査,研究 をした山陰・南九州地方の代表4ダムの上流域山腹斜面等価租度の見出しと,その洪水流出解析への適用性について 論述した すなわち,各ダム上流域の山腹斜面等価粗度の平均値については,島根県,八戸ダムはN=0.31m ̄1/3sec,浜田 ダムはN=033m ̄l/3sec,鳥取県,佐治川ダムはN=0.33m ̄1/3sec,また,宮崎県,立花ダムはN=042m−1/3sec の億を得ることができた また,これら倍の妥当性と有用性については,山陰地方は佐治川ダム,南九州地方は立花ダム上流のそれぞれ水位 観測所地点を選び,過去豪雨時の洪水流出再現解析にその成果億を適用,解析し,充分に,その適用性のあることも 明らかにすることができた したがって,わが国における山地最上流域の山腹斜面等価租度の値については,筆者が従来から提唱しているよう に,おおよそ,標高が高く,山腹斜面長の長大な林相のよい山地流域はN=0”4m−1/3sec,標高がやや高く,林相の 普通の山地流域はN=03m−1/3sec,流域面積が狭少で岩石露出の岩山流域はN=0”2m ̄1/3sec程度と考えてよいこ とを明らかにすることができた すなわち,この備については,従来,発表されている実験値(1・2)は,植生面上でN=0.3∼04m ̄1/3sec程度とい われているが,これら研究の追証となるものと考えられた 最後に,本研究にあたっては,京都大学工学部土木工学教室・高樺琢馬教授,および,京都大学防災研究所・池渕 周一教授に,直接,懇切なご指導,御教示をいただくとともに,水文資料の掟供については,島根県,鳥取県,宮崎 県の方々に絶大なるご協力をいただいたので,ここに,厚くお礼を申し上げる次第である 参 考 (1)金丸昭治,高樺琢馬:水文学,朝倉啓店,pp。104 ∼112,pp207∼208(1975) (2)建設省河川局:建設省河川砂防技術基準(案)調査 編,日本河川協会,pp144(1976) (3)石原藤次郎,高禅琢馬:単位図法とその適用に関 する基礎的研究,土木学会論文集,第60号・別冊 (3−3),ppl−34(1959) 文 献 (4)鎌田 萬:山腹斜面の等価租度に関する研究,番 犬農学報,32(2),pp125”133(1981)‖ (5)鎌田 萬:山腹斜面の等価租度に関する研究,土 木学会論文集,第328号,pp47∼55(1982).. (6)鎌田 萬:山腹斜面の等価租度に関する研究], 香大農学報,35(2),pp−121∼129(1984)い (1986年5月31日 受理)