施 設 名
持田ヘルスケア株式会社 持田製薬グループ
アトピー性皮膚炎の方のためのスキンケアに関する情報はこちら。
PC サイト
http://hc.mochida.co.jp/skincare/care_atopic.html
スマートフォン対応サイト
http://hc.mochida.co.jp/sp/skincare/care_atopic.html
ア ト ピ ー 性 皮 膚 炎 は 、
医 師 に よ る 治 療 が 基 本 と な り ま す 。
気 に な る こ と や 分 か ら な い こ と は 、
ま ず 皮 膚 科 専 門 医 に 相 談 し て み ま し ょ う 。
ト ピ ー 性 皮 膚 炎 は、 強 い か ゆ み と 発 疹 が 繰 り 返 し あ ら わ れ る
皮膚の病気です。 発疹は、 顔や首、 肘、 膝などにあらわれやすく、
ひどくなると全身に広がります。
2 0 0 0 ~ 2 0 0 2 年 に 行 わ れ た 厚 生 労 働 省 の
全 国 調 査 で は 、 4 ヵ 月 児 の 1 2 . 8 % 、 1 歳 6 ヵ 月
児 の 9 . 8 % 、 3 歳 児 の 1 3 . 2 % 、 小 学 1 年 生 の
1 1 . 8 % 、 小 学 6 年 生 の 1 0 . 6 % 、 大 学 1 年 生
の8.2%が、 アトピー性皮膚炎でした。
このように、 たくさんの人がアトピー性皮膚炎
に悩んでいます。
口の周りや頬がアトピー性皮膚炎になっています。 一般的に、 乳児の
症状は、 頭や顔からはじまります。
な お、 乳 児 期 の食物アレルギーでは、 顔や全身にみみずばれのような
赤 み と か ゆ み が あ ら わ れ ま す が、 ア ト ピ ー 性 皮 膚 炎 と は 別 々 に 治 療
する必要があります。 まずは、 皮膚科専門医に相談しましょう。
幼小児期には、 肘 や 膝 な ど 手 足 の 関 節 部 分 に ア ト ピ ー 性 皮 膚 炎 が
多 く み ら れ ま す。 ま た、 耳 切 れ と よ ば れ る、 耳 の 付 け 根 の く ぼ み に
発疹があらわれ、 “あかぎれ” のような症状もみられます。
アトピー性皮膚炎の
乳 児 期
幼 小 児 期
ア
ほっしん
一 般 的 に 、 子 ど も は 大 人 よ り 皮 膚 の 状 態 が
良 い と 思 わ れ が ち で す が 、 実 は 、 生 後 3 ~
4ヵ月から思春期までの子どもの皮膚は、 皮 脂
の 分 泌 が と て も 少 な く 、 乾 燥 し て い る こ と が
分かっています。
耳切れ
ト ピ ー 性 皮 膚 炎 の 方 の 皮 膚 は、 バ リ ア 機 能 が 弱 ま り、 水 分
が 外 へ 出 て し ま っ て い る た め、 乾 燥 し て い ま す。 乾 燥 し た 皮 膚 は、
外部からの刺激物質が侵入しやすくなっています。
皮 膚 が 乾 燥 し て い る と、 外 部 か ら の 刺 激 を 受 け、 かゆみを感じます。
そ こ で 掻 い て し ま う と、 新 た な 傷 が 生 じ た り 傷 口 が 悪 化 し て、 皮 膚
の状態がさらに悪化します。 掻 い た 刺 激 に よ り か ゆ み が 増 す た め 、
また掻いてしまい‥という悪循環になってしまいます。
アトピー性皮膚炎の
皮 膚
の
状 態
角
質
層
角
質
細
胞
(イメージ図)
水分が蒸発
外部刺激
(アレルゲンや刺激物質)
か ゆ い
か ゆ み の
悪 循 環
悪 化 か く
乾燥した皮膚の状態
皮 膚
の
状 態
ア
下 半 身 よ り も 上 半 身 で 発 疹 が よ く み ら れ、 顔、 首から胸にかけて、
背中などに発疹が強く出る傾向があります。
繰 り 返 し 掻 く こ と に よ り、 皮 膚 が ゴ ワ
ゴ ワ と 厚 く な り ま す。 こ れ は 苔 癬 化 と
呼ばれます。
ま た、 同 じ 部 分 を ず っ と 掻 い て い る と、
皮 膚 が硬く盛り上がり、 かゆみが持 続
す る よ う に な り ま す。 こ れ は 痒 疹 と呼
ばれます。
思 春 期・成 人 期
苔癬化
たいせん か
痒疹
ようしん
皮 膚
の
バ リ ア 機 能
膚のバリア機能を正常
に保つためには、 「3大保湿
因子」をしっかりと補うこと
が重要です。
正常な皮膚では、 水分が保
た れ、 外 部 の 刺 激 物 質 も
ブロックされています。
こ う し た 皮 膚 の バ リ ア 機 能
には、 3 大保湿因子が関係
しています。
燥を防ぎ、 皮膚のバリア機能を正常に保つためのスキンケアは、
ア ト ピ ー性皮膚炎の標準治療のひとつとされています。
ま た、 ア ト ピ ー 性 皮 膚 炎 は、 症 状 の 改 善 と 悪 化 を 繰 り 返 す こ と が
あるため、 症状が重いときだけでなく、 軽いときにも、 スキンケアを
行うことが大切です。
スキンケアの基本は、 清潔な皮膚を保つ
ための入浴と、 皮膚の潤いを保つための
保湿です。
この2つを正しく行い、 皮膚のバリア機能
をしっかりと保持しましょう。
皮 膚
の
バ リ ア 機 能
を保つために
アトピー性皮膚炎における
ス キ ン ケ ア
健康な皮膚の状態
角
質
層
角
質
細
胞
(イメージ図)
天然保湿因子
皮脂
セラミド
外部刺激
刺激・異物をはね返す!
天然保湿因子
ス キ ン ケ ア
アトピー性皮膚炎の
皮
乾
スキンケアの
基本は この 2 つ。
保 湿
角質細胞の内部に水分をたっぷり補給します。
アミノ酸などの成分があります。
セラミド
水分保持作用が高く、 角質細胞の間を埋めて
うるおいを保ってくれます。
皮脂
皮脂膜を強化し、 水分の蒸発を防ぎます。
皮脂類似成分にはスクワランなどがあります。
水分を
おぎなう
水分を
にがさない
水分を
たもつ
入 浴
1
2
3
最 近 で は 、 新 生 児 期 の 早 い う ち か ら 全 身 に 保 湿 剤 を 塗 る こ と で 、
ア ト ピ ー 性 皮 膚炎になるリスクを3 割 減 らすことができたという報 告
もあります。保湿をこころがけ、皮膚を乾燥させないことが大切です。
3 大 保 湿 因 子
*
あわだてる
1
あらう
2
忙しい方や朝の洗顔には、
最初から泡状になったタイプの
石鹸も便利です。
ペットボトルを活用して
液体石鹸を泡立てることも
できます。
液体石鹸を
ペットボトルに入れます。
よく振って泡立てます。
体 を か る く ぬ ら し た 後 、 で作った泡 を
使 っ て 、 指の腹でしっかりと洗いましょう。
お 子 さ ん の 顔 や 目 の 周 り な ど を
洗 う と き に 嫌 が る 場 合 が あ り ま す
が 、 清 潔 な 皮 膚 を 保 つ た め に 、
し っ かりと洗いましょう。
固 形 石 鹸 や 液 体石鹸を泡立てずに、 直 接 体 に つ け る こ と は
やめましょう。
皮 膚 を 傷 つ け な い た め に、 ナ イ ロ ン の タ オ ル や ス ポ ン ジ、
目の粗いタオルの使用は避けましょう。
発疹が出ているときも清潔にすることは大切です。
真 菌 (カ ビ) が ア ト ピ ー 性 皮 膚 炎 を 悪 化 さ せ る 原 因 に な る
こともあります。 気 に な る 方 に は 抗 カ ビ 成 分 配 合 の洗浄剤も
おすすめです。 洗浄剤の使用については医師に相談しましょう。
関 節 部 の シ ワ を の ば す よ う に
洗 い ま す 。 ま た 、 膝 の 表 と 裏 を
よく洗います。
入浴
入浴
正
しい
スキンケアの方
法
その1
こんなところにも注意
体を洗うときは、 石鹸をしっかりと泡立てることが大切です。
上 手 に 泡 立 て る た め に、 固 形 石 鹸 の 場 合 に は 泡 立 て ネ ッ ト を、
液 体 石 鹸 の 場 合 に は 泡 立 て ネ ッ ト や ペ ッ ト ボ ト ル を 活 用 す る と
良 い で し ょ う。 ま た、 時 間 が な い 方 や 泡 立 て が 苦 手 な 方 に は
最 初から泡状になったタイプの石鹸も便利です。
石 鹸 の 種 類 は 、 皮 脂 をとりすぎず、 適 度 なうるおいを残すタイプ が
おすすめです。
固形石鹸は泡立てネットを
活用すると良いでしょう。
1
しんきん
ながす
3
5
ふく
洗 っ た 後 は 、 ぬ る め の お 湯 で 十 分
に す す ぎ、 し っ か り と 汚 れ と 石 鹸 を
洗い流しましょう。
石鹸が皮膚に残っていると、 刺 激 に
なることがあります。
すすぎ落ちが良い石鹸を選ぶと良い
でしょう。
つかる
体が温まるとかゆみが起きやすくなるため、 長時間お風呂につかる
ことや、 高温のお風呂につかることは避けましょう。
保 湿 成 分 が 入 っ た 入 浴 剤 を 使 用 す る と、 手 が 届 き に く い 背 中 の
ス キ ン ケ ア や 、 じ っ と し て い ら れ な い お 子 さ ん の ス キ ン ケ ア が
簡単にできます。
3 大 保 湿 因 子 の 働 き を す る
成分が入っているものを選 ぶ
と、 皮膚のバリア機能を補って
くれます。
体 を ふ く と き は、 タ オ ル で 体 を
包み込みおさえるようにします。
こ す ら ず に、 や さ し く ふ く こ と が
大切です。
お 風 呂 と 同 様 に 、 長 時 間 や 高 温 の シ ャ ワ ー も か ゆ み が 起 き
やすくなりますので、 避けましょう。
入浴剤を選ぶときは、 体を温めたり、 皮膚を乾燥させる成分が
入 っ て い る も の や 、 入 浴 後 に ほ て り を 感 じ る よ う な も の は
避 けま し ょ う 。
入浴
正
しい
スキンケアの方
法
4
こんなところにも注意
その2
ぬる
6
保湿
入浴
正
しい
スキンケアの方
法
こんなところにも注意
入浴すると、 皮膚の脂分が洗い流されます。 そのため、 何もしない
状態でいると、すぐに皮膚が乾燥してしまいます。
入浴後、5分以内に保湿剤を塗りましょう。
関 節 や シ ワ が あ る 部 分 は、
皮膚をのばして塗ります。
目 や 耳 の 周 り も 忘 れ ず に
塗りましょう。
保湿剤は、 こすらず、
や さ し く 手 の ひ ら で
広げます。
ワ セ リ ン な ど 油 性 の 保 湿 剤 は、 乾いて
いる皮膚の表面に塗っても、 水分を補給
する効果があまり期待できません。
入浴後5分を過ぎた場合には、 霧吹き や
ガ ー ゼ で 皮 膚 を 湿 ら せ た り、 化 粧 水 を
付けたうえで塗ると良いでしょう。
ア ト ピ ー 性 皮 膚 炎 の 症 状 が あ る と き
は も ち ろ ん 、 症 状 が な い と き で も、
日常的に保湿することが大切です。
保湿剤には、 様 々 な 種 類 が あ り 、 の び が 良 い も の や 、
べ た つ か な い も の な ど も あ り ま す。 好 み や 季 節 な ど
に合わせて、 使用感の良いものを選びましょう。
3大保湿因子類似成分が入った保湿剤もあります。
発 疹 が 出 て い る 場 合 は 皮 膚 科 を 受 診 し 、 保 湿 剤 の 使 用 に
ついては医師の指示に従いましょう。
と く に 指 示 が な け れ ば、 保湿剤を周囲の乾燥している部分に
やや広めに塗り、 その後で薬を塗ります。
日 常 で 気 を つ け る こ と
か ゆ み
汗
服
室 内
日
常
気 を つ
け る
こ と
で
ス ト レ ス を 発 散 で き る 趣 味 や 習 慣 を 身 に つ け る こ と で 、
ストレスによって掻く場面を減らすことができます。
乾燥がかゆみの原因となるため、 保湿剤を
多めに塗ったり、 保湿剤を携帯し塗る回数
を 増 や す こ と で、 皮 膚 の う る お い を 保 ち、
かゆみを和らげることができます。
お子さんが掻くことを我慢できない場合は、
爪を短く切る、 掻きやすい部分にガーゼを
巻く、 袖や裾がまくりあがらないようにテープ
やひもで結ぶなど、 掻いても害が少なくなる
工夫があります。
アトピー性皮膚炎は、 掻くことで症状が悪化しますので、
かゆみは大きな問題です。
暑 い 時 期 や 運 動 を し た 後 な ど は 、 出 来 る だ け
早くシャワーや水で汗を洗い流し、皮膚を清潔
に 保 つ こ と が 大 切 で す 。 こ の よ う な と き に は 、
入浴の回数を増やしましょう。ただし、石鹸の
使用は、1日1回までにしましょう
ほ て り も か ゆ み の 原 因 に な り ま す。 か ゆ み の あ る 部 分 に
水をかけたり、 保冷剤を当てて冷やすことも効果的です。
女 性 の 場 合 に は、 ネ イ ル を つ け る こ と で、 は が れ る こ と を
避けるために掻くのを止められるケースもあります。
刺激の少ない服を着ることが大切です。 購入するときは、
できれば試着して、 実際の肌心地を確かめましょう。
部屋の中を清潔に保つことが大切です。 週に1回以上は
掃除をしましょう。 フローリングでは、 掃除機だけでなく、
ウェットシートや雑巾も活用しましょう。
布 団 は 羽 毛 や 羊 毛 の 綿 で は な く 、
ダ ニ が つ か な い ポ リ エ ス テ ル 綿 が
おすすめです。
で き れ ば 、 布 団 に 掃 除 機 を か け 、
半年に一度は丸洗いをしましょう。
外出時にハンドタオルを持参する、刺激の少ないウェット
ティッシュを使い、 こすらず押さえるようにして汗をぬぐう、
などの工夫をしてみましょう。