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基礎知識 1. 大腸 ( 結腸 直腸 ) について 大腸は 食べ物の最後の通り道です 小腸に続いて 右下腹部から始まり おなかの中をぐるりと大きく時計回りに回って 肛門につながります 長さは 1.5~ 2mほどの臓器で 結腸 ( 盲腸 上行結腸 横行結腸 下行結腸 S 状結腸 ) と 直腸 ( 直腸

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大腸

だ い ち ょ う

がん

受診から診断、治療、経過観察への流れ

患者さんとご家族の明日のために

目 次

■基礎知識 1.大腸(結腸・直腸)について ... 2 2.大腸がん(結腸がん・直腸がん)とは .. 3 3.症状 ... 3 4.統計 ... 3 5.発生要因 ... 3 ■検査 1.大腸がん(結腸がん・直腸がん)の検査 .. 4 2.検査の種類 ... 4 ■治療 1.病期と治療の選択... 6 2.内視鏡治療 ... 10 3.手術(外科治療)... 12 4.放射線治療 ... 13 5.薬物療法 ... 14 6.転移・再発 ... 15 ■療養 1.経過観察 ... 16 ■わたしの療養手帳 ... 17

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1.大腸(結腸・直腸)について

大腸は、食べ物の最後の通り道です。小腸に続いて、右下腹部から始まり、お なかの中をぐるりと大きく時計回りに回って、肛門につながります。長さは 1.5~ 2mほどの臓器で、「結腸(盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S 状結腸)」 と「直腸(直腸 S 状部、上部直腸、下部直腸)」に分けられます(図 1)。 大腸は、水分を吸収します(大腸には栄養素の消化吸収作用はほとんどありま せん)。大腸に入った食物残渣(小腸で消化吸収された食物の残り)は、水分を 吸い取られ、肛門に至るまでにだんだんと固形の便になっていきます。大腸での 水分の吸収が不十分だと、軟便になったり、下痢をおこしたりします。 図 1.大腸の構造

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■基礎知識

2.大腸がん(結腸がん・直腸がん)とは

大腸がんは、大腸(結腸・直腸・肛門)に発生するがんで、腺腫という良性の ポリープががん化して発生するものと、正常な粘膜から直接発生するものがあり ます。日本人では S 状結腸と直腸にがんができやすいといわれています。

3.症状

早期の段階では自覚症状はほとんどなく、進行すると症状が出ることが多くな ります。症状としては、血便(便に血が混じる)、下血(腸からの出血により赤 または赤黒い便が出る、便の表面に血液が付着する)、下痢と便秘の繰り返し、 便が細い、便が残る感じ、おなかが張る、腹痛、貧血、体重減少などがあります。

4.統計

大腸がんと新たに診断される人は、1 年間に 10 万人あたり 103 人です。年齢 別にみた罹患率は、40 歳代から増加し始め、50 歳代で加速され、高齢になるほ ど高くなります。罹患率の男女比は、男性では 1 年間に 10 万人あたり 121 人、 女性では 86.4 人とやや男性に多い傾向にあります。男性では胃がん、肺がんに 次いで 3 番目、女性では乳がんに次いで 2 番目に多いがんです1)

5.発生要因

大腸がんの発生は、生活習慣と関わりがあるとされています。赤肉(牛、豚、 羊など)や加工肉(ベーコン、ハム、ソーセージなど)の摂取、飲酒、喫煙によ り大腸がんの発生する危険性が高まります。体脂肪の過多、腹部の肥満、高身長 といった身体的特徴をもつ人で、大腸がんを発生する危険性が高いといわれてい ます。 また、家族の病歴との関わりもあるとされています。特に家族性大腸腺腫症や リンチ症候群の家系では、近親者に大腸がんの発生が多くみられます。

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1.大腸がん(結腸がん・直腸がん)の検査

大腸がんの疑いがある場合は、大腸内視鏡検査を行い、がんかどうかの確定診 断を行います。がんのある部位や広がりを調べるためには、注腸造影検査や CT 検査、MRI 検査などを行います。

2.検査の種類

1)直腸診

指を肛門から直腸内に挿し込み、しこりや異常の有無を指の感触で調べます。

2)検査の前処置

注腸造影検査、大腸内視鏡検査では、正確で安全な検査を行うために腸管内を きれいにする必要があります。そのため検査前日から検査食や下剤を服用し、当 日に多量(通常約 2L)の下剤(腸管洗浄液)をのむ必要があります。

3)注腸造影検査

バリウムと空気を肛門から注入し、X 線写真を撮ります。この検査でがんの正 確な位置や大きさ、形、腸の狭さの程度などがわかります。最近では CT コロノ グラフィ(5 ページをご覧ください)が代用されることがあります。

4)大腸内視鏡検査

内視鏡を肛門から挿入して、直腸から盲腸ま での大腸全体を詳しく調べます(図 2)。ポ リープなどの病変が発見された場合は、病変 全体あるいは一部の組織を採取して(生検)、 病理診断を行うことが可能です。病変部の表 面構造を画像強調観察や拡大観察を用いて、 より精密な検査を行う場合もあります。 図 2.大腸内視鏡検査の様子

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■検査

5)CT コロノグラフィ(大腸3D-CT)

肛門から炭酸ガスを注入して CT 撮影を行うこ とで、内視鏡を挿入せずに大腸の内視鏡と同じよ うな画像を撮ることが可能な検査です(図 3)。 病変が疑われた場合には内視鏡検査が必要です。

6)カプセル内視鏡

カプセルの形をした内視鏡を水と一緒にのみ込み、腸管内を小型カメラで撮影 して病変の有無を調べます。撮影した画像は、身に着けた記録装置に転送され、 コンピューターで解析されます。2018 年 6 月現在では、内視鏡検査を行うこと が難しい一部の患者さんのみ保険適用となっています。

7)CT 検査、MRI 検査

CT 検査は X 線を、MRI 検査は磁気を使用して、体の内部を描き出す検査です。 治療前に、周辺臓器へのがんの広がりや転移がないかなどを調べることができま す。

8)PET(ペット)検査

PET 検査は、放射性ブドウ糖液を注射し、細胞への取り込みの分布を撮影する ことで全身のがん細胞を検出する検査です。ほかの検査で転移・再発の診断が確 定できない場合に行うことがあります。

9)腫瘍マーカー(血液検査)

大腸がんの腫瘍マーカーは、CEA、CA19-9、p53 抗体です。腫瘍マーカーの 結果だけではがんの有無を診断することはできません。通常は、手術後の再発の チェックや薬物療法の効果判定の補助に用います。 図 3.CT コロノグラフィの イメージ画像

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1.病期と治療の選択

治療方法は、がんの進行の程度や体の状態などから検討します。

1)深達度

大腸がんは、粘膜に発生し、大腸の壁の中を徐々に深く進みます。大腸の壁は、 5 つの層に分かれており、内側から粘膜(M:mucosa)、粘膜下層(SM: submucosa)、固有筋層(MP:muscularis propria)、漿膜下層(SS:subserosa)、 漿膜(SE:serosa)に分かれています(図 4)。 図 4.大腸壁の構造 Copyright 大腸癌研究会編「患者さんのための大腸癌治療ガイドライン 2014 年版」(金原出版)より作成

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■治療

がんが壁のどの深さまで広がっているかを示す言葉が深達度です。アルファベ ットの略語で「T」と表示されます。深達度は Tis~T4b に分類され、数字が大き くなるほど、大腸がんが深く広がっています(図 5)。 がんの深さが粘膜および粘膜下層にとどまるものを「早期がん」、粘膜下層よ り深いものを「進行がん」といいます。 図 5.大腸がんの深達度 Copyright 大腸癌研究会編「患者さんのための大腸癌治療ガイドライン 2014 年版」(金原出版)より作成

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2)病期(ステージ)

がんの進行の程度は、「病期(ステージ)」として分類します。

病期は、深達度、リンパ節転移・遠隔転移の有無によって決まります。 病期は、ローマ数字を使って表記することが一般的です。

病期は、0 期、I 期、II 期、III 期、IV 期に分類されます(表1)。 表 1.大腸がんの病期 Copyright 大腸癌研究会編「患者さんのための大腸癌治療ガイドライン 2014 年版」(金原出版)より作成

3)治療の選択

大腸がんの治療には、内視鏡治療、手術、薬物療法、放射線治療などがありま す。治療法は、がんの進み具合(病期)、全身状態、年齢、合併するほかの病気 などを考慮して決定されます。 0 期~III 期では、主にがんを切除できるかどうかを判断し、切除できる場合に は内視鏡治療または手術を行います。切除できない場合には、薬物療法を中心と した治療を行います。IV 期の場合は、治療方法を総合的に判断します。 図 6 は病期と治療の選択を図にしたものです。担当医と治療方針について話し 合うときの参考にしてください。

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■治療

図 6.大腸がんの治療の選択

Copyright

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2.内視鏡治療

内視鏡を使って、大腸の内側からがんを切除する方法です。治療の適応は、リ ンパ節に転移している可能性がほとんどなく、一括でとれる大きさと部位にある 場合になります。がんの深さでいうと粘膜下層への広がりが軽度(1mm)までに とどまっているがんです。

1)切除の方法

切除の方法には、内視鏡的ポリープ切除術(ポリペクトミー)、内視鏡的粘膜 切除術(EMR)、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)があり、病変の大きさや部位、 肉眼で見た形(肉眼型)、予測されるがんの広がりの程度などによって治療方法 が決定されます。 (1)内視鏡的ポリープ切除術(ポリペクトミー) 主に、キノコのように隆起した形の病変に対して行われます。内視鏡の先 端からスネアと呼ばれる輪状の細いワイヤーを出し、病変を絞め付けて、高 周波電流で焼き切ります。最近では高周波を用いないで、そのままスネアで 切り取るコールドポリペクトミーという方法も行われています。

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■治療

(2)内視鏡的粘膜切除術(EMR) 病変に茎がなく、隆起がなだらかな場合などは、スネアが掛けにくいため、 病変の下に生理食塩水などを注入して、病変の周囲の正常な粘膜を含めて切 り取ります(図 7)。 図 7.内視鏡的粘膜切除術(EMR) (3)内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD) 主に大きな病変など EMR で切除が困難な病変に対しての治療方法になり ます(図 8)。病変の粘膜下層に、ヒアルロン酸ナトリウムなどの薬剤を注入 して、病変の周りや下を電気メスで徐々に切開しはぎ取る方法です。EMR に 比較すると治療に時間がかかります。また、出血や穿孔(せんこう:穴が開く) などのリスクも少し高くなります。 図 8.内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)

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3.手術(外科治療)

内視鏡治療でがんの切除が難しい場合、手術を行います。手術では、がんの部 分だけでなく、がんが広がっている可能性のある腸管とリンパ節も切除します。 がんが周囲臓器にまで及んでいる場合は、可能であればその臓器も一緒に切除し ます。腸管を切除した後には、残った腸管をつなぎ合わせます。腸管をつなぎ合 わせることができない場合には、人工肛門(ストーマ:肛門の代わりとなる便の 出口)をおなかに作ります。

1)結腸がんの手術

がんの周囲にあるリンパ節を同時に切除するために、がんのある部位から 10cm ほど離れたところで腸管を切除します。がんがある部位によって切除する 腸管の範囲が決まるため、手術には回盲部切除術、結腸右半切除術、横行結腸切 除術、結腸左半切除術、S 状結腸切除術などがあります。一方、大腸ががんでふ さがれていて、がんを切除できない場合には、食べ物や便が流れるように迂回路 を作る手術(バイパス手術)を行うことがあります。

2)直腸がんの手術

直腸は骨盤内の深く狭いところに位置しており、その周囲には前立腺・膀胱(ぼ うこう)・子宮・卵巣があり、その出口は肛門に連続しています。直腸がんはそ の部位や進行の状況により、直腸局所切除術・前方切除術・直腸切断術・括約筋 間直腸切除術などの術式の中から適切な術式を選んで手術を行います。また、直 腸の周囲には排尿機能や性機能を調節する自律神経があり、がんがこの自律神経 の近くに及んでいなければ、手術後に機能障害が最小限ですむよう、自律神経を 手術中に確認して残す手術を行います(自律神経温存術)。

3)腹腔鏡(ふくくうきょう)下手術

腹腔鏡下手術は、炭酸ガスでおなかをふくらませ、おなかの中を内視鏡(腹腔 鏡)で観察しながら手術を行います。腹腔鏡下手術は開腹手術に比べておなかの きず(創)が小さいため、手術後の痛みが少なく回復が早いという長所がある一 方、開腹手術に比べて手術時間が長くなりやすく、手術費用が若干高くなります。 がんの部位や患者さんの体格、患者さんが以前に受けた手術などにより、手術の 難しさが左右されるため、腹腔鏡下手術を考える際には、担当医とよく相談して ください。

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■治療

4)術後合併症

手術後の合併症とは、手術後の好ましくない症状や状態のことをいいます。縫 合不全、創感染(そうかんせん)、腸閉塞(ちょうへいそく:イレウス)などで す。合併症が起こった場合には、それぞれの状況に応じて治療が行われます。

4.放射線治療

直腸がんの骨盤内の再発を抑える、人工肛門を避けるなどの目的で行う「補助 放射線治療」と、痛みや吐き気、嘔吐(おうと)、めまいなどのがんの再発や転 移による症状を和らげることを目的とした「緩和的放射線治療」があります。

1)補助放射線治療

切除が可能な直腸がんが対象となります。放射線治療は、主に手術前に行い(術 前照射)、薬物療法と一緒に行う場合もあります。

2)緩和的放射線治療

直腸がんなどの骨盤内の腫瘍による痛みや出血、骨への転移による痛み、脳へ の転移による吐き気、嘔吐、めまいなどの神経症状などを改善する目的で行われ ます。多くの場合、症状が改善します。 ●副作用について 治療期間中に起こる副作用は、だるさ、吐き気、嘔吐、食欲低下、皮膚炎(日 焼けに似たもの)、白血球減少などがあります。頭部への照射では頭痛、嘔 気、脱毛が、腹部や骨盤への照射では下痢、腹痛などがあります。 治療後しばらくして起こる副作用は、腸管や膀胱などからの出血や膀胱炎・ 腸炎、頻回の排便、頻尿、隣接する臓器と交通(瘻孔[ろうこう])ができる ことなどがあります。

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5.薬物療法

薬物療法には、以下の 2 つがあります。 1)手術後の再発抑制を目的とした「補助化学療法」 2)手術による治癒が難しい状況で行われる 「切除不能進行・再発大腸がんに対する化学療法」 副作用の対策が進歩したことから、多くの患者さんは、日常生活を送りながら 外来で化学療法を受けることができるようになりました。 化学療法の基本となる薬は、フルオロウラシル(5-FU)です。5-FU の投与方 法は、点滴とのみ薬があります。5-FU はその他の薬と組み合わせて使用される ことも多く、5-FU(点滴)とレボホリナート(l-ロイコボリン、アイソボリン) に加えてオキサリプラチンを組み合わせたフォルフォックス(FOLFOX)療法と イリノテカンを組み合わせたフォルフィリ(FOLFIRI)療法の 2 つの療法が柱と なっています。 なお、上記の 2)「切除不能進行・再発大腸がんに対する化学療法」では、分 子標的薬と併用されることもあります。

1)補助化学療法

一般的に、根治切除が行われたステージ III 大腸がんの患者さんに対して、3 カ 月~6 カ月行われます。 補助化学療法として、のみ薬であるカペシタビン(ゼローダ)、テガフール・ ウラシル配合剤(UFT:ユーエフティ)、テガフール・ギメラシル・オテラシル カリウム配合剤(TS-1:ティーエスワン)や、点滴で行うフォルフォックス療 法、のみ薬と点滴を組み合わせるカペオックス(CapeOX:カペシタビンとオキ サリプラチンの併用)療法が勧められています。

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■治療

2)切除不能進行・再発大腸がんに対する化学療法

手術による治癒が難しい場合、がん自体を小さくして手術ができるようにした り、がん自体の進行を抑え、延命および症状を軽減したりすることを目的として 全身化学療法を行います。化学療法のみで完治することは難しいですが、化学療 法を行ったほうが生存期間を延長し、クオリティ・オブ・ライフ(QOL:生活の 質)を向上させることがわかっています。 全身化学療法で使用する薬剤の組み合わせは複数あり、全身状態、合併症の有 無、腫瘍の状態(がんの遺伝子の状態など)から治療方針を決定します。

6.転移・再発

転移とは、がん細胞がおなかの中にこぼれ落ちたり、リンパ液や血液の流れな どに乗ったりして別の臓器に移動し、そこで成長することをいいます。再発とは、 目に見えるがんを手術で全部切除できたようにみえても、時間がたってから再び がんが出現することをいいます。

1)転移

転移しやすい部位は、肝臓や肺、腹膜、脳、骨などです。転移した部位によっ て治療法が異なります。

2)再発

再発する部位は、肝臓、肺、局所(がんがあったところの周辺)、腹膜、リン パ節で、吻合部(ふんごうぶ:つないだところ)に発生することもあります。再 発する人の約 80%は手術後 3 年以内に、95%以上は 5 年以内に見つかります。 転移・再発といってもそれぞれの患者さんでの状態は異なりますので、状況に 応じて治療法やその後のケアを決めます。肝転移・肺転移や吻合部での再発、局 所再発では手術によって治癒する可能性もあります。腸閉塞になった場合は、バ イパス手術や人工肛門を作ることで食事ができるようになることがあります。

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1.経過観察

内視鏡治療や手術の後も小さながんが隠れて残っていると、月日とともに徐々 に大きくなり、やがて、再発と診断されます。問診や診察、あるいは、症状の有 無だけでは早期の発見は難しく、定期検査が必要です。 内視鏡治療後は主に大腸内視鏡を用いた定期検査を行います。一方、手術の後 は、切除した大腸がんの病期によっても異なりますが、3 カ月ごとの血液検査や 6 カ月ごとの画像検査(CT 検査や腹部超音波検査など)を行います。また、内視 鏡治療後と同様、大腸内視鏡検査も定期的に行います。がんの再発がない場合に は 5 年間が定期検査の目安となります。 詳しい情報は「がん情報サービス」をご覧ください。 ●「大腸がん」参考文献 1)国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」地域がん登録 2013 年全国推 計値,2017 年 2)大腸癌研究会編.大腸癌治療ガイドライン 2016 年版,金原出版 3)大腸癌研究会編.患者さんのための大腸癌治療ガイドライン 2014 年版,金原出版 4)大腸癌研究会編.大腸癌取扱い規約 第 8 版.2013 年,金原出版

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■わたしの療養手帳

記入日 年 月 日 あなたの病気はどのように説明されましたか? あなたが担当医から受けた説明について、メモしておきましょう。 ●誰から --- ●一緒に説明を聞いた人 --- ●何のがんか(病名)、がんの部位 --- ●どの検査結果からわかったのか 例:内視鏡検査 --- ●がんの大きさや広がり 例:直径約3センチ --- ●転移の有無、転移の場所 例:リンパ節への転移は不明 --- ●病期 例:ステージ 2 と考えられる --- 記入日 年 月 日 病気についての説明は十分に理解できましたか? よくわからないことがあったら、遠慮しないでわかるまで担当医に質問してみましょう。 わからないことはメモに書き出して、次回の診察のときに持参しましょう。 ● 説明でよくわからなかったこと 例:どのくらい入院が必要か --- --- ●質問の例: 質問したいことはどのようなことですか?

○○がんと言われましたが、それは、どの検査でわかったのですか?

私のがんは、どのくらい進行していますか?

転移はありますか? どこに転移していますか?

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記入日 年 月 日 持病や、のんでいる薬を書き出す 治療中の病気やのんでいる薬、気になる症状があるかどうかによって、がんの治療法も変わって きます。持病やのんでいる薬があったら、正確に書き出し、担当医に伝えましょう。 ●現在治療中の病気 例:糖尿病と高血圧 --- --- ●かかっている医療機関 例:Aクリニック、月に1 回、○○医師 --- --- ●のんでいる薬 例:朝、○○を 1 錠 --- --- ●気になる症状 --- --- 記入日 年 月 日 どのような治療法を勧められましたか? 担当医から勧められた治療法について、それぞれにどのような効果や副作用などがあるのか 書き出してみましょう。複数の治療法についての説明を受けた場合には、それぞれについて 書き出して、比べてみることが大切です。 ●治療法1 --- --- ●期待される効果 --- --- ●副作用や後遺症 --- --- ●その他、気になること --- ●治療法2 --- --- ●期待される効果 --- --- ●副作用や後遺症 --- --- ●その他、気になること ---

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■わたしの療養手帳

記入日 年 月 日 治療においてあなたが大事にしたいことは何ですか? それぞれの治療法には特徴があり、どの方法がよいかは、あなたが治療に求めることによっても 変わってきます。それを整理するために、あなたが大事にしたいことをあげて、治療法を選ぶ ときの参考にしましょう。 ●あなたが大事にしたいこと、優先したいこと 例:・体への負担が少ないこと ・通院で治療ができること ・近くの病院で治療が受けられること ・入院の期間が短いこと --- --- --- --- --- --- わからないことは担当医に質問してみましょう。また、家族など、あなたの大切な人に考 えを聞くことで、自分の気持ちの整理になるかもしれません。 ●質問の例: 質問したいことはどのようなことですか?

私が受けられる治療法には、ほかにどのようなものがありますか?

私の状態で、標準治療*はどれですか?

どの治療法を勧めますか?それはなぜですか?

治療にかかる期間と、具体的な治療スケジュールを教えてください。

治療にかかる費用の目安はどのくらいですか?

私が受けられる臨床試験はありますか?

治療は外来で受けられますか?入院が必要ですか?

どのような副作用や後遺症が予想されますか?

緩和ケアを受けたいのですが、どうすればよいですか?

痛みや吐き気、だるさなどがあるので、和らげる方法はありますか?

家族や家庭の生活について、相談できますか? *標準治療: 治療効果・安全性の確認が行われ、現在利用可能な最も勧められる治療のこと

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● 執筆/査読協力: 全国がんセンター協議会

● 査読協力: 国立がん研究センターがん対策情報センター 患者・市民パネル

2018 年 7 月作成(103E-201807-2) この冊子は、全国がんセンター協議会および厚労科研(H29 がん対策- 一般-005) の全面的なご協力により作成されました。

参照

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