優勝=穴井隆将五段(近畿・天理大職)
平成 25 年
全日本柔道
選手権大会
穴井隆将が二度目の天皇杯
現役最後の大会で有終の美を飾る
ニュース
穴井隆将
(近畿)
4年ぶり2回目の優勝
平 成 25年 全 日 本 柔 道 選 手 権 大 会 は、 4 月 29日に日本武道館で 9 2 0 0 人の観客を集めて開催された。 試合は、決勝で穴井隆将五段(近 畿・天理大職) と 、初出場ながら勝 ち上がってきた原沢久喜三段 (東京 ・ 日本大)が対戦。穴井五段が指導2 で得た有効ポイントで勝利し、 4 年 ぶり2回目の優勝を果たした。 大会は、全国 10地区の予選を勝ち 抜いた 35名に前回優勝者・準優勝者 を加えた 37名が出場し、 体重無差別、 トーナメント戦で覇が争 わ れた。試 合は国際柔道連盟試合審判規定で行 わ れ、試合時間は 6 分間、時間内で 勝負がつかない場合は、旗判定によ り勝敗を決した。 ◇第一ブロック この大会を限りに競技を退くこと を 表 明 し て い る 穴 井 隆 将( 天 理 大 職 )、 今 年 2 月 の グ ラ ン プ リ ・ デ ュ ッセルドルフ 100㎏ 超級優勝の百瀬優 (旭化成) 、現役高校生の佐藤和哉 (静 岡学園高)に注目が集まった。 穴井は初戦となる 2 回戦で佐々木 智哉(青森県警)に大内返、 3 回戦 で北見剛(警視庁)に合技(払腰か 決勝、穴井隆将五段(左)と 原沢久喜三段の組み手争い開会式、柔道日本一を目指す 37 名の精鋭たち 準決勝、石井竜太を体落で降す 準々決勝、 組み勝って百瀬優の技を封じ、優勢勝 初戦(2回戦)、佐々木智哉に一本勝 3回戦、北見剛に横四方固で勝利
穴井隆将、初戦〜準決勝
全日本柔道選手権大会
ニュース ら 横 四 方 固〔 共 に 技 有 〕) で 一 本 勝 した。 百瀬は初戦( 2 回戦)で小林悠輔 ( 筑 波 大 ) に 2 ― 1 で 判 定 勝 し、 3 回戦で佐藤と対戦した。百瀬は佐藤 の大内刈、小外刈、大外刈などの攻 撃を受けるも時間終了間際に大外刈 で技有を奪って勝利した。 ◇第二ブロック 昨年準優勝で悔しい思いをした石 井竜太(日本中央競馬会)は、初戦 と な る 2 回 戦 で 野 田 嘉 明( 旭 化 成 ) と対戦し、指導で得た技有ポイント で勝利。 3 回戦では渡辺智斗(パー ク 24)に浮落を決めて一本勝した。 小林大輔( A L SO K )は、第一 ブロックの小林悠輔と兄弟での出場 を果たした。兄の大輔は昨年のグラ ンドスラム東京( 100㎏ 級)でオール 一本勝を収めるなど実力を伸ばして いる選手。今大会も 2 、 3 回戦を一 本勝で勝利するなど、好調ぶりをみ せた。 ◇第三ブロック 前回頂点に立った加藤博剛(千葉 県警)は、初戦( 2 回戦)で森本翔 太(札幌山の手高教)と対戦。巻込 技からの腕挫十字固で勝利した。し かし、 3 回戦で今井敏博(新潟綜合 警備保障)に引込返(技有)を時間 終了間際にもらって敗退した。 3 大会前に優勝の高橋和彦(新日 鐵住金)は、 3 回戦で垣田恭兵(旭 化成)に背負投などで攻められ、指 導 2 で敗れた。優勝経験のある二名 が、早くも姿を消した。 ◇第四ブロック 昨年の全日本学生体重別、講道館 杯、今年のベルギー国際、さらには 本大会東京地区予選を制して勢いに 乗る原沢久喜(日本大)は、初戦と なる 2 回戦で稲垣亮(三重県警)に 内股で一本勝。幸先のよいスタート を切った。 3 回戦では増渕樹(旭化 成)を小外刈や内股で攻め、指導 2 で得た有効ポイントで優勢勝した。 今年で 15回目、自らが持つ最多出 場記録を更新した棟田康幸 (警視庁) は、 3 回戦で七戸龍(九州電力)と 対戦した。棟田は背負投、七戸は大 内刈などを狙うも決まらず、勝負は 判定までもつれ、 2 ― 1 で棟田が勝 利した。 ▽前回優勝者( 3 回戦敗退)= 加藤博剛選手(千葉県警) 「 今 井 選 手 の 出 し た 終 了 間 際 の 技 ( 引 込 返 ) で 背 中 を 着 い た と は 思 わ な か っ た の で す が、 し ょ う が な い で す。 引 込 返 を 狙 っ て い る の は 分 か っ て い た の で、 想 定 外 の 出 来 事ではありませ ん でした。 力 を 出 し 切 り、 試 合 運 び も 悪 く な か っ た の で す が、 一 瞬 だ け 対 応 し き れ ま せ ん で し た。 こ こ で も う 一 度 優 勝 し て、 世 界 選 手 権 の 代 表 選 手 に な れ る よ う ア ピ ー ル し た か っ た で す。 残 念 で す が、 悔 し が っ ても仕方ありませ ん ね」 ▽高校生で全日本出場= 佐藤和哉選手 (静岡学園高) 高 校 生 な が ら 東 海 地 区 の 予 選 を 2 位 で 通 過。 本 大 会 へ の 出 場 を 果 た し た。 181㎝ 110㎏ 。 3 月 の 全 国 高 等 学 校 選 手 権 で は無差別を制している。 初 戦 は 菊 川 顕( 岡 山 商 科 大 職 ) に 内 股、 小 外 刈 な ど で 攻 め、 優 勢 勝 を 収 め た も の の、 3 回 戦 で 百 瀬 優( 旭 化 成 ) に 破れた。 「 緊 張 し ま し た が、 楽 し め ま した。 百瀬選手との対戦では、 持 ち 味 で あ る 攻 め の 柔 道 を 出 せ ま せ ん で し た。 最 後 も 一 瞬 の 隙 を つ か れ て し ま い ま し た。 も っ と 集 中 力 を 持 続 で き るようになりたいです」 ▲2回戦、佐藤対菊川=佐藤(右)が内股で 攻める ▼3回戦、今井対加藤=技有となった今井(下)の引込返
序盤戦ダイジェスト・コメント
平成25年 全日本柔道選手権大会 優勝 内股 ○ ○ 優勢勝 ○ 優勢勝 ○ 優勢勝 優勢勝 優勢勝 内股 優勢勝 優勢勝 ○ ○ 大内返 優勢勝 優勢勝 優勢勝 優勢勝 ○合技 優勢勝 ○隅落 腕挫十字固 ○一本背負投 ○内股 優勢勝 優勢勝 大外刈 浮落 小外刈 浮落 ○合技 優勢勝 ○ ○ ○ ○ ○ 腕挫十字固 合技 体落 段位 地区 所属 出場回数 野島恒久 四段 (東北・福島県警) 2 田中大貴 三段 (東京・国士舘大) 初 七戸 龍 三段 (九州・九州電力) 3 棟田康幸 五段 (東京・警視庁) 15 齋藤 俊 三段 (近畿・新日鐵住金) 4 奥嶋 聡 四段 (中国・山口県警) 2 稲垣 亮 四段 (東海・三重県警) 2 原沢久喜 三段 (東京・日本大) 初 永瀬貴規 三段 (関東・筑波大) 初 増渕 樹 五段 (九州・旭化成) 5 影野裕和 四段 (四国・愛媛県警) 2 森本翔太 五段 ( 北海道・札幌山の手高教 ) 初 加藤博剛 五段 (推薦・千葉県警) 6 中川裕喜 三段 (東京・センコー) 初 今井敏博 四段 ( 北信越・新潟綜合警備保障 ) 2 長尾翔太 四段 (近畿・兵庫県警) 2 垣田恭兵 四段 (九州・旭化成) 初 高橋和彦 五段 (東京・新日鐵住金) 5 穴井亮平 四段 (関東・了徳寺学園職) 2 小林大輔 四段 (東京・ A L SO K ) 3 松本雄史 五段 (近畿・兵庫県警) 2 大辻康太 三段 ( 関東・日本エース サ ポート ) 初 形部安彦 四段 (四国・香川県警) 2 桶谷知生 四段 ( 北信越・朝日町柔道協会 ) 初 渡辺智斗 三段 (東京・パーク 24) 初 吉永慎也 五段 (近畿・新日鐵住金) 3 野田嘉明 四段 (九州・旭化成) 2 石井竜太 三段 (推薦・日本中央競馬会) 3 遠藤 剛 四段 (北海道・北海道警) 3 小林悠輔 三段 (関東・筑波大) 初 百瀬 優 四段 (東京・旭化成) 3 菊川 顕 四段 (中国・岡山商科大職) 6 佐藤和哉 三段 (東海・静岡学園高) 初 佐々木智哉 四段 (東北・青森県警) 4 穴井隆将 五段 (近畿・天理大職) 9 北見 剛 四段 (東京・警視庁) 2 辻 玄太 四段 (九州・旭化成) 初
穴井 隆将
優勢勝 優勢勝 優勢勝 優勢勝 優勢勝 ▲3回戦、石井対渡辺=石井(奥)が浮落で一本勝 ▼ 2 回戦、原沢対稲垣=原沢(奥) が内股で一本勝 ▼3 回戦、穴井対北見=穴井(上) が払腰で技有を奪う ▲3回戦、棟田対七戸=棟田(左)が足技で攻めるニュース 原沢久喜 優勢勝 棟田康幸 初 出 場 の 原 沢 は、 序 盤 か ら 払 腰、 内 股 で ベ テ ラ ン 棟 田 を 揺 さ ぶ る。 防 戦 一 方 の 棟 田 に 指 導 が 重なるが、 原沢も攻めきれない。 時 間 と な り、 原 沢 が 指 導 3 で 得 た 技 有 ポ イ ン ト で 優 勢 勝 を 収 め た(下写真・右が原沢) 。 垣田恭兵 ○浮落 今井敏博 垣田が左、今井が右のケン カ四つ。 1 分過ぎ、垣田は左 小外刈で今井を攻める。今井 は 右 足 を 引 い て こ れ を 躱 かわ し、 右小外刈で反撃する。すると 今度は垣田が左足を引いて透 す かし、浴びせ倒すようにして 浮落を決めた(写真) 。 穴井隆将 優勢勝 百瀬優 組み手争いで優位に立つ穴 井(写真・左)は、百瀬の技 を封 じ 、内股で攻める。技が 出せない百瀬に、指導が 3 つ 重なる。 穴井は最後まで組み勝って 百瀬の攻撃を許さず、指導で 得た技有ポイントを守って勝 利した。
準々決勝
石井竜太 ○大外刈 小林大輔 2 分 過 ぎ、 両 者 右 組 の 状 態 か ら、 小 林 が 石 井 の 前 足 に 様 子 見 の 小 外 刈、小内刈を続けざまにとばす。そ の後、勢いよく踏み込 ん で右大内刈 で攻め、技有を奪う。仕切り直して 3 分過ぎ、石井も負け じ と小林の奥 襟を取り、崩しを後回しにして強引 に右大外刈を放つ。倒されまいとす る小林に、石井は軸足をケンケンし て 技 を 決 め や す い 位 置 に 回 り 込 み、 ついには大きく刈って小林の背中を 畳に叩きつけた(写真) 。準決勝
穴井隆将 ○体落 石井竜太 試 合 開 始 間 も な く、 穴 井 が 先 に 十 分 な 組 み 手 と な る。 石 井 も 右 手 で 釣 り 手 を 取 り に い く が、 穴 井 は 左 襟 を 取 っ て 左 体 落 で 攻 め る( 写 真 )。 す る と 石 井 は バ ラ ン ス を 崩 し、 つん の め る よ う な 姿 勢 か ら 畳 に 転 が っ て「 一 本 」。 開 始 14秒の出来事に、会場からは驚きの声と歓声が同時に湧き起こった。 原沢久喜 ○内股 垣田恭兵 初 出 場 同 士 の 戦 い。 191㎝ 120㎏ の 原 沢 と 174㎝ 86㎏ の 垣 田。 体 格 差 で 勝 る 原 沢 は、 奥 襟 を 取 っ て 内 股、 大 外 刈、 大 内 刈 で 攻 め る が、 垣 田 も 負 け じ と 背 負 投 を 狙 う。 1 分 過 ぎ、 垣 田 は 原 沢 の 内 股 を 透 か し て 技 有 を 奪 う。 追 う 立 場 に な っ た 原 沢 は、 垣 田 の 後 ろ 帯 を 取 っ て 右 内 股 で 反 撃。 垣 田 は こ れ に 対 し、 左足を絡めて堪 こら え、 返し技を狙う。力勝負となったがこれは原沢に軍配。 内股で一本勝を収めた(写真) 。 体 の 大 き な 相 手 に 先 制 し、 最 後 ま で 果 敢 に 攻 め 続 け た 垣 田。 敗 れ は し た ものの、退場時に観客から大きな声援と拍手が送られた。ニュース 穴井隆将 優勢勝 原沢久喜 穴 井 が 左、 原 沢 が 右 の ケ ン カ 四 つ。 序 盤 は 穴 井 が 小 外 刈、 原 沢 が 内 股 で 攻 め 合 う。 両 者 引 き 手 を 取 れ な い 状 況 が 続 き、 互 い に 指 導 が 1 つ ず つ 与 え ら れ る。 残 り 2 分、 穴 井 は 内 股、 大 内 刈 を 狙 う。 決 ま ら な か っ た も の の、 ここで原沢に 2 つ目の指導。 こ の ま ま で は 有 効 ポ イ ン ト 1 つ の 差 で 負 け て し ま う 原 沢 は、 引 き 手 が 不 十 分 な ま ま 強 引 に 内 股 で 攻 め る も 潰 さ れ る。 穴 井 は 釣 り 手 を 巧 み に 使 っ て 原沢に技を出させず、 時間終了。 穴井が 4 年ぶり 2 回目の天皇杯を手にした。 昨年のロンドンオ リ ンピックで 2 回戦敗退と振る わ ず、その後は 強化選手を辞退していた。 大会前のインタビューでは、本 大会を限りに競技を退くことを表 明。 優 勝 云 々 の 話 よ り 先 に、 「 1 秒でも長く畳の上で戦えるように したい」と、 謙虚な姿勢をみせた。 大会が始まると、いつもとは様 子が違った。表情は柔らかく、試 合中でも時折笑顔がこぼれた。 「勝たなければならないプレッシ ャーを抱えることなく、思うがま まの柔道が出来ました」
思うがままの柔道で、笑顔の優勝
優勝=穴井隆将五段(近畿・天理大職) 全日本の舞台は 9 回目。何度出 場しても緊張していたが、今回は それがなかったという。 「 こ の よ う な 気 持 ち は 初 め て で す。畳に上がる素晴らしさをあら ためて感 じ ました」 結果を求められ、それに応えよ うとする日々。置き去りにせざる を得なかった感情を、ようやく取 り戻すことが出来た。 優勝が決まった瞬間、 4 年前は 泣き崩れたのに対し、今回は満面 の笑みを浮かべ、観客席を見渡し た。同 じ 人物とは思えないほどの 態度の差が、これまで抱えてきた ものの重さを伝えている。 今後は指導者の道を進む。 「心の底から柔道を楽し ん で、純 粋な気持ちで戦える選手を育てて みたいです」 今 の 自 分 と 重 ね 合 わ せ な が ら、 これから歩む方向をしっかりと見 据えている。 優勝して笑顔を見せる穴井五段決
勝
穴井(左)は釣り手を巧みに使い、終止、原沢の技を封じた▽準優勝=原沢久喜選手(日本大) 「穴井選手との対戦では、組み手の 部分で歯が立ちませ ん でした。組ま ないと得意な技も掛けられないので どうしようもありませ ん 。ベテラン 選手の上 う 手 ま さを実感しました」 ▽ 3 位= 石井竜太選手(日本中央競馬会) 「体落で負けたのは初めてです。畳 に叩き付けられたとき、まだまだや るべきことがたくさ ん あるなと思い ました。穴井選手は恐らくこの一瞬 を狙っていたのでしょう。今回が最 後と言っても、実力は相当にあった と思います。純粋に柔道を楽し ん で いる様子でしたが、自分の場合はそ ういう感情は捨てて、ただただ勝ち たいと思っていました。信条である 思い切りのいい柔道が出来なかった のが敗因です」 ▽ 3 位=垣田恭兵選手(旭化成) 81㎏ 級でありながら、無差別の試 合で健闘し会場を沸かせた。 「いい流れのときは必ず組み勝って
選手・関係者コメント
いるので、その点を気にしながら試 合に臨みました。無差別でここまで 勝利できて、自信になりました」 ▽ベスト 8 =百瀬優選手(旭化成) 「大会前まではすごく調子がよかっ たのですが、優勝を意識しすぎて初 戦 か ら 体 が 固 く な っ て し ま い ま し た。穴井選手との対戦では組み負け て、先手を取られました。いつもの 柔道が出来なくて残念でした」 ▽ベスト 8 = 小林大輔選手( ALS O K ) 「石井選手は体が大きいので、最初 から攻め続けてペースを摑 つか もうと考 えていました。最後に決められた大 外 刈 は、 思 い 切 り 入 ら れ て し ま い、 逃げ道がなく、 力の差を感 じ ました」 ▽ベスト 8 = 今井敏博選手 (新潟総合警備保障) 「加藤選手との対戦では、技を返さ れたらそれが自分の実力と割り切っ て、 全力で臨みました。準決勝では、 もう少し落ち着いて戦っていれば一 本が取れたと思います。悔しいの一 言です」 ▽ベスト 8 =棟田康幸選手 (警視庁) 「今日は全然いいところがありませ ん で し た。 『 引 退 し ろ 』 と い う 野 次 が聞こえてびっくりしましたが、い ろいろな逆境をはねのけて、また頑 張りたいと思います」 ◉井上康生全日本男子監督 「現役を退く選手に他の選手たちが 完敗したことに対し、強く責任を感 じ ています。今日の試合を見て、重 量級の再建という部分で、あらため て危機感を覚えました。 原沢選手については、初出場初優 勝 の 難 し さ を 感 じ さ せ ら れ ま し た。 いつもは残り 1 、 2 分から強さを発 揮していましたが、決勝では追い上 げられませ ん でした。 七戸選手は重量級の代表選考に立 とうとする立場にもかか わ らず、 3 回戦で負けてしまいました。棟田選 手は確かに強いでしょうが、腰が引 けた試合をしているようでは話にな りませ ん 。捻 ひね り潰してでも勝ってや ろうという気持ちが必要です。 重量級は、小・中・高の選手を見 て育てるなど、長期的に考えていか なければならないでしょう」 投の形= 取・鉄谷竜三六段、受・仮屋力五段 極の形= 取・徳武宗昭五段、受・坪井清仁五段 古式の形= 取・髙澤雅樹八段、受・林広志七段形演武
ニュース
緒方が初の皇后盃
第 28回 皇 后 盃 全 日 本 女 子 柔 道 選 手 権 大 会 は 4 月 21日、 横 浜 文 化 体 育 館( 神 奈 川・ 横 浜 市 ) で 開 催 さ れ た。 大 会 に は 全 国各地域を代表する 36名の選手が出場し、体重無差別のトーナメント戦で女子柔道日本一の座を争った。 決 勝 で は、 緒 方 亜 香 里( 了 徳 寺 学 園 職 ) が 田 知 本 愛( A L S O K ) を 破 り、 初 優 勝 を 手 に し た。 3 位 に は、 前 年 度 優 勝の山部佳苗(ミ キ ハウス) と 白石のどか( J R 東日本)が入賞した。
14 年ぶりとなる
最重量級以外の優勝
決勝=緒方(左)対田知本 緒方が大内刈で有効を奪うニュース 試合は国際柔道連盟試合審判規定 で行 わ れ、試合時間は 6 分間、勝敗 が決しない場合は延長戦を行 わ ず旗 判定となる。 前年度優勝の山部佳苗(ミキハウ ス)は順当に勝ち上がり、 4 回戦で 烏帽子美久(東海大)に判定勝で準 決勝に進む。 第 2 ブロックでは、昨年のロンド ン五輪 78㎏ 級代表・緒方亜香里(了 徳寺学園職)が、 4 回戦で上野巴恵 ( 自 衛 隊 体 育 学 校 ) に 指 導 2 に よ る 優勢勝で、初めての準決勝進出とな る。 第 3 ブロックからは、 8 回目の出 場となる田知本愛 ( A L SO K ) が、 4 回 戦 で 穴 井 さ や か( ミ キ ハ ウ ス ) を出足払、内股の合技で破り、 5 年 ぶりに準決勝進出を決めた。 第 4 ブロックの 4 回戦は、白石の どか( JR 東日本)と佐藤瑠香(コ マツ)の白熱した対戦が繰り広げら れた。 白石が小外刈で有効を取ると、 佐藤が指導 2 で並び、さらに小外刈 で有効を奪って逆転。すると白石が 再び小外刈を決めて技有を奪い、 リ ードを保ったまま試合終了。白石の 初の準決勝進出となった。 準決勝第一試合は山部対緒方。ケ ンカ四つでなかなか技が出ず、ポイ ントのないまま試合が進む。開始か ら 3 分半、山部が緒方の体落をか わ して正面に回り込 ん だところに緒方 が大内刈をかけると、山部は背中か ら倒れて、一本。昨年女王がここで 敗退、緒方が皇后盃に一歩近づく。 準決勝第二試合は田知本と白石の 対戦。払腰や内股などで積極的に攻 める田知本に対し、白石は技が出ず 指導がつく。開始から 2 分半、田知 本が白石の奥襟深くをとり、頭が下 がったところで支釣込足を掛けて有 効を奪う。そのまま崩上四方固で押 さえ込み、一本勝ち。 決勝は緒方対田知本で、共に初の 決勝進出である。前半、田知本が支 釣込足、内股など、積極的な攻撃を 見せる。一方の緒方は、奥襟をとっ て相手を揺さぶるも技が出ず、開始 2 分半に指導がつく。指導を受けた 緒方はこの直後、奥襟と引き手を素 早く取って大内刈。田知本は体を捻 っ て 凌 ご う と す る が、 有 効 と な る。 そ の 後 も 激 し い 攻 防 戦 が 続 い た が、 両者新たなポイントのないまま試合 終了。緒方が初優勝に輝いた。 ◎優勝=緒方亜香里三段 出 場 4 回 目。 初 出 場 の と き か ら の 夢 だった優勝を手にした。 「 本 物 の 日 本 一 を 決 め る 大 会 な の で、 皇 后 盃 が 欲 し い と い う 気 持 ち は 強 く あ りました」 「 初 め て 出 場 し た と き は 1 回 戦 が 塚 田 さ ん で、 次 の 年 も 塚 田 さ ん と 当 た り ま し た。 そ の 次 の 年 は 1 回 戦 で 田 知 本 さ ん 。 あ る 意 味、 く じ 運 が 良 か っ た と い うか(笑) 」 今 年 も、 試 合 で 一 度 も 勝 っ た こ と が な い と い う 上 野 巴 恵 と 4 回 戦 で、 そ し て 前 年 度 優 勝 の 山 部 佳 苗 と 準 決 勝 で 当 た る、 厳 し い 組 み 合 わ せ と な っ た。 し かし、この日の緒方は違った。 「 褒 め ら れ る と い う こ と が あ ま り な い ん で す け ど、 今 日 は み ん な か ら『 い い ぞ』 と言 わ れて。自分でも切れている、 冴 え て い る と 感 じ て い ま し た。 今 日 は ついていましたね」 そして、決勝の相手は田知本。 「 負 け た く な い と い う 気 持 ち が 出 せ た の か な と 思 い ま す。 弱 気 に な れ ば 負 け る と 思 い ま し た。 最 後 ま で 気 持 ち を 切 ら さ ず に で き た こ と が 良 か っ た ん じ ゃ ないかと思います」 万 全 の 調 子 と 強 い 気 持 ち で 初 優 勝 に 輝 い た 緒 方 だ が、 こ の 数 カ 月 前 ま で 状 況 は 全 く 違 っ た。 そ れ は 昨 年 の ロ ン ド ン オ リ ン ピ ッ ク、 2 回 戦 で 敗 退 し た こ とから。 「 悔 し い し、 申 し 訳 な い と い う 思 い で す ご く 落 ち 込 ん じ ゃ っ て、 1 カ 月 く ら い 柔 道 が で き ま せ ん で し た。 こ れ か ら 自 分 は ど う し た ら い い の か な と 思 っ て。立ち直ったのは、 3 月に入った頃。 薪 谷 翠 コ ー チ に『 昔 の 自 分 を 思 い 出 し な さ い 』 と 言 わ れ た ん で す。 そ れ で 目 を 覚 ま し ま し た。 自 分 の ス タ イ ル は こ う だ、 こ う し な き ゃ い け な い、 と。 周 り の 支 え や 応 援 も あ っ た の で、 調 子 が 悪 い 中 で も 頑 張 れ ま し た。 柔 道 し か な い、 柔 道 が 好 き だ と い う 思 い で、 も っ と頑張ろうと気合いを入れました」 こ の よ う な 経 験 を 乗 り 越 え た か ら こ そ 手 に す る こ と が で き た 皇 后 盃 か も し れない。 最 後 に、 現 在 の 女 子 柔 道 界 の 問 題 に ついて聞かれると、こう答えた。 「 大 会 を 見 た 人 が『 女 子 柔 道 い い ね 』 と 思 っ て く れ た ら 優 勝 し て よ か っ た と 本当に思います」
←準決勝で緒方(上)が山部に 大内刈で一本勝 ○前年度優勝・第3位=山部佳 苗選手 「今までやってきたことが全 然出せなかったことが悔しいで す。満足いく試合ではありませ ん。去年優勝して、今年も優勝 したいという気持ちがあった中 で勝てなかったのは、成長が足 りなかったということ。社会人 になって環境も変わって、きつ くなったときに逃げ出したり、 組み手も妥協してしまっていま した。自分の弱さと向き合って いませんでした」 【大会結果】 優 勝 =緒方亜香里 ( 了徳寺学園職 ) 準優勝 =田知本愛( A L SO K ) 第 3 位 =山部佳苗(ミキハウス) 白石のどか ( JR 東日本) ↑準決勝で田知本(左)が白石を押さえ込む ←決勝、田知本(奥)も緒方を攻め続けた ○準優勝=田知本愛選手 「初めての決勝で、もう少しで優勝に手が届くところだったので、す ごく悔しいです。自分の組み手にまでいかないところで技をかけてし まいました。しっかり持ってなかったので崩れることも多く、そこを 反省しています。技もワンパターンにならないように取り組んでいき たいと思います」 ◇中学生選手が出場◇ 今大会、中学 3 年生で 14歳の三浦 裕香理選手(潟上市立天王南中)が 出場して注目を集めた。試合では惜 しくも初戦敗退。初めて出場した感 想を語った。 「挑戦する気持ちで戦いました。 良 い経験になりました。自分から攻め る柔道ができず、得意の内股もかけ られませ ん でした。もう少し力をつ けて、これまで以上に練習していき ま す。 目 標 は 谷 本 歩 さ ん の よ う な、 技の切れる選手です。オ リ ンピック を目指したいです」 心技体 人を育てる総合誌
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少年柔道指導法
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著 講道館道場指導部課長 ( A5判・並製・DVD 付・414 頁 )女子柔道の
歴史と課題
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著 筑波大学大学院准教授 ( 四六判・上製・412 頁 )マンガ・
武道
のすすめ
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―文化と伝統を問うー中村 民雄
著 福島大学教授 ( 四六判・上製・370 頁 )嘉納治五郎師範に学ぶ
村田 直樹
著 講道館図書資料部長 ( 四六判・上製・292 頁 )大先輩に聞く
田谷 将俊
著 月刊「武道」記者 ( 四六判・上製・376 頁 )武道
過去・現在・未来
田中 守
著 国際武道大学教授 ( 四六判・上製・274 頁 )武道における
身体と心
前林 清和
著 神戸学院大学教授 ( 四六判・上製・370 頁 )柔道は
すばらしい
腹巻 宏一
著 柔道塾紀柔館館長 ( 四六判・上製・310 頁 )BUDO
:
THE MARTIAL WAYS OF JAPAN
日本武道館
編 翻訳・編集:アレキサンダー・ベネット ( B5判・上製・DVD 付・336 頁 )日本武道館
編
日本の武道
( B5判・上製・箱入・526 頁 )武道
子どもの心をはぐくむ
菅野 純
著 早稲田大学教授・教育カウンセラー ( 四六判・上製・410 頁 )ニュース 第 57回 全 日 本 銃 剣 道 優 勝 大 会 は、 4 月 21日 に 日 本 武 道 館 で 開 催 さ れ た。試合は一般第 1 部(都道府県連 盟) 、第2部(実業団 ・ クラブ ・ 道場 ・ 大学等) 、防衛省第 1 部(陸上指定) 、 防衛省第2部(海上・航空・第 1 部 以外の陸上)に分かれて行われ、計 221チームが参加した。 一般第 1 部は、神奈川が北海道を 退けて2大会ぶり 4 回目の優勝、第 2 部 は A L S O K A ( 東 京 ) が 2 連覇を遂げた。防衛省第 1 部は、 1 普連(東京)が 3 大会ぶり2回目の 優勝、第2部は日本原(岡山)が 10 連覇を達成した。 試合はトーナメント方式(一般第 2 部 の み 予 選 で リ ー グ 戦 を 採 用 )、 試 合 時 間 3 分、 3 本 勝 負 で 争 わ れ、 時間内に勝負がつかない場合は旗判 定により勝敗を決した。 □一般第 1 部( 5 人制・ 25チーム) 前回 3 位の神奈川は、初戦( 2 回 戦)で石川を 4 ― 1 、 3 回戦で山口 を 3 ― 2 で降し、準決勝で大分と対 戦した。神奈川は先鋒が判定で、次 鋒 か ら 副 将 ま で は 一 本 勝 ち で 勝 利。 4 ― 1 で決勝進出を決めた。 一方のブロックでは、前回優勝の 北海道が準決勝で香川を 4 ― 1 で降 し、再び決勝の舞台へと進 ん だ。 ▽決勝 神奈川 4 ― 1 北海道 野原 崇 ㊤― 菊川一輝 鈴木崇之 ㊤― 山本 卓 福原大祐 ㊤― 川﨑喜一 柴田良平 上上―㊦ 植松正平 鈴木 勇 ―㊤ 村井謙二 先 鋒 戦、 神 奈 川・ 野 原 は 北 海 道・ 菊川の連続技に苦しめられるも、上 胴を決めて先制。一本勝ちした。次 鋒戦も神奈川・鈴木が試合終了間際 に上胴を決めて勝利した。 勝負のかかる中堅戦、神奈川・福 原と北海道・川﨑との対戦は、序盤 から近間での激しい攻防が続く。 1 分過ぎ、福原は川﨑が放った下胴を 間合いを切って外し、間髪を入れず に上胴を決める。そのまま時間とな り、福原が一本勝ち。この時点で神 奈川の勝利が決まった。 副将戦は、北海道・植松が下胴で 先制するも、神奈川・柴田が上胴を 2 つ重ねて逆転勝ち。大将戦は北海 道・村井が上胴で一本勝ちし、一矢 を報いた。 一般第 1 部決勝・中堅戦=福原(右)の上胴が決まる
全日本銃剣道優勝大会
防衛省第
1
部は
1
普連
(東京)
が制す
一般第
1
部
神奈川が優勝
◎神奈川・山田 明 監督 「選手たちは今日のためによく仕上 げてきてくれたと思います。攻めを 重視して自分たちのペースに持ち込 むのがチームの特徴です。北海道は 若い選手が多く、勢いがありました が、うちの選手も負け じ と頑張りま した」 □一般第2部( 3 人制・ 17チーム) 予選では A 〜 D の 4 グループに分 かれて リ ーグ戦が行 わ れ、各 リ ーグ 優勝チームが決勝トーナメントに進 ん だ。 4 強には連覇を狙う A L SO K A 、A L S O K B ( 共 に 東 京 )、 防衛大 A (神奈川) 、国士館大 A (東 京)が揃った。 準決勝、 A L SO K 同士の対戦は、 A が先鋒から大将まで全て二本勝ち を収めて勝利した。 防衛大 A 対国士館大 A は、先鋒戦 で防衛大 A ・阿比留勇気が上胴を 2 本決めて勝利するも、中堅戦で国士 舘大 A ・ 野田峻祐が一本勝ち(上胴) し、勝ち星が並ぶ。大将戦は防衛大 A ・新井冴輝が上胴で一本勝ち。防 衛大 A が決勝に駒を進めた。 ▽決勝 ALS O K A(東京) 3 ― 0 防衛大 A(神奈川) 三浦玄徳 判― 阿比留勇気 松浦 備 ㊦― 藤崎慎平 飯嶋 一 ㊦― 新井冴輝 先鋒戦は、時間内に勝負が決まら ず、 A L S O K A ・ 三 浦 が 判 定 で 勝利した。 中 堅 戦、 A L S O K A ・ 松 浦 と 防衛大 A ・藤崎の対戦は、開始間も なく、松浦が下胴を決める。後がな く な り 必 死 に 攻 め る 藤 崎 だ っ た が、 松浦はこれを冷静に木銃で捌 さば く。時 間となり、松浦が一本勝ち。この時 点 で A L S O K A が 2 連 覇 を 確 定。 大 将 戦 も A L S O K A ・ 飯 嶋 が 下 胴で勝利した。 ◎ ALS O K A 中堅・松浦備選手 「練習量の多いメンバーが集まって いるので、十分戦えると思っていま した。会社としては 6 連覇を達成で きたので嬉しいです」 □防衛省第 1 部( 5 人制 ・ 66チーム) 全日本選手権上位入賞経験のある 根本努、 松野和樹を擁する 1 普連 (東 京) は、 初戦 ( 2 回戦) で 37普連 (大 阪) 、 3 回戦で 6 特連(福島) 、 4 回 戦で前回優勝の 34普連(静岡)と対 戦し、 全て 5 ― 0 で退けた。さらに、 準々決勝では 12普連(鹿児島)を 3 ― 2 の僅差で降し、勝ち上がった。 四強は、 1 普連、 50普連(高知) 、 18普連(北海道) 、 14普連(石川) 。 準決勝、 1 普連対 50普連は、 5 ― 0 で 1 普連の勝利。次鋒戦での一本 勝ち以外は全て判定勝ちという試合 巧者ぶりをみせた。 18普連と 14普連 一般第 2 部決勝・中堅戦= ALSOK A・松浦(左)対防衛大A・藤崎 一般第1部優勝=神奈川 一般第 2 部優勝= ALSOK A
ニュース の対戦は、中堅戦が終 わ った段階で 18普連が 2 ― 1 と リ ード。迎えた副 将戦では 18普連が判定で勝利し、決 勝進出を決めた。 ▽決勝 1 普連 (東京) 4 ― 1 18普連 (北海道) 江良将人 ㊦― 安西啓太 川村貴嗣 ―㊦ 秋元伸幸 山崎泰弘 ㊦― 大榎達宏 根本 努 ㊤上― 澤田圭吾 松野和樹 ㊦― 板垣翔太 先鋒戦は、 1 普連・江良が下胴を 決めるなどして一本勝ち。次鋒戦は 18普連・秋元が星を取り返し、五分 に持ち込む。中堅戦は、終了間際に 近間の攻防から 1 普連・山崎が下胴 を決めて一本勝ちを収めた。 勝 負 の か か っ た 副 将 戦、 1 普 連・ 根本は開始早々に 18普連・澤田から 上胴を奪う。さらに接近戦からの離 れ 際 に 再 び 上 胴 を 決 め て、 二 本 勝 ち。この時点で 1 普連の優勝が決定 した。大将戦は、 1 普連・松野が下 胴で勝利した。 ◎ 1 普連・嶋田洋介監督 「各選手がそれぞれ初戦から力を出 し 切 れ た の が 大 き か っ た と 思 い ま す。特にメンバーで一番若い山崎が 中堅というポジションでよく頑張っ てくれました。連覇は優勝チームし か挑戦できませ ん 。来年も狙います」 ◎ 1 普連副将・根本努選手 「決勝で澤田選手から上胴で先制し た後は、様子をみながら試合を進め ようと思いました。そ ん なとき、相 手が勝負に来てくれたので、もう一 本取ることが出来ました」 ◎ 1 普連中堅・山崎泰弘選手 「 チ ー ム で 一 番 若 い 私( 28歳 ) が、 中堅という要 かなめ を任され、正直なとこ ろ『自分でいいのかな』と思いなが ら臨みました。今日は全体的に自分 の試合が出来たのでよかったです」 □防衛省第2部( 5 人制 ・ 113チーム) ベ ス ト 4 に は 9 連 覇 中 の 日 本 原 ( 岡 山 )、 佐 渡( 新 潟 )、 昨 年 準 優 勝 の 大 村( 長 崎 )、 対 馬( 長 崎 ) が 揃 った。日本原は 5 ― 0 で佐渡を、大 村は 3 ― 2 で対馬を降し、それぞれ 決勝に進 ん だ。 ▽決勝 日本原 (岡山) 4 ― 1 大村(長崎) 上田啓二 判― 黒岩弘幸 植田晋悟 判ノ―㊦ 川原純一郎 藤原考貴 ―㊦上 森田年彦 德田裕人 判― 浦川和幸 髙島武志 判― 中島啓介 前回と同 じ 顔合 わ せ。先鋒戦は判 定で日本原・上田が勝利。次鋒戦は 大村・川原が下胴で先制するも、日 本原・植田が終了間際にノドで取り 防衛省第 2 部決勝・次鋒戦= 日本原・植田(左)対大村・川原 防衛省第 1 部決勝・副将戦= 1普連・根本(左)が2本目となる上胴を決めて勝負あり 防衛省第 1 部決勝 ▲ 先鋒戦= 1 普連・江良 (左) が下胴で先制 ▲次鋒戦= 18普連・秋元 (右) が下胴で星を戻す
返す。判定となり、 植田が勝利した。 中堅戦は大村・森田が残り 30秒で下 胴、上胴を立て続けに決めて二本勝 ち。大村が一矢を報いる。副将戦は 判定にもつれ、日本原 ・ 德田が勝利。 ここで日本原の優勝が決まる。大将 戦 も 日 本 原・ 髙 島 が 判 定 で 勝 利 し、 10連覇を果たした。 ◎日本原・南條和志監督 「 10連覇のプレッシャーは、かなり 重かったです。ほっとしました」 ◎大村・馬場新一監督 有効となった突きの数では、大村 が日本原を上回っていた。試合後、 「力 不 足 で し た。 相 手 が 強 か っ た だ けです。ただそれだけです」と悔し 涙を流した。 【大会結果】 ▽ 一 般 第 1 部 = ① 神 奈 川 ② 北 海 道 ③ 大分、香川 ▽一般第2部 = A L SO K A(東京) ② 防 衛 大 A ( 神 奈 川 ) ③ 国 士 館 大 A (東京) 、 A L SO K B (東京) ▽ 防 衛 省 第 1 部 = ① 1 普 連( 東 京 ) ② 18普 連( 北 海 道 ) ③ 14普 連( 石 川) 、 50普連(高知) ▽ 防 衛 省 第 2 部 = ① 日 本 原( 岡 山 ) ② 大 村( 長 崎 ) ③ 対 馬( 長 崎 )、 佐渡(新潟) 防衛省第1部優勝=1普連(東京) 防衛省第2部優勝=日本原(岡山) 心技体 人を育てる総合誌
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著 月刊「武道」記者 ( 四六判・上製・376 頁 )今、なぜ武道か
―文化と伝統を問うー中村 民雄
著 福島大学教授 ( 四六判・上製・370 頁 ) ( B5判・上製・箱入・526 頁 )ニュース 第 1 回 国 際 女 子 相 撲 選 抜 堺 大 会 ( 主 催 = 日 本 女 子 相 撲 連 盟 ) が 4 月 21日、堺市大浜公園相撲場で開かれ た。本大会は、女子相撲の普及発展 を目指すために創設された大会で、 タイ、香港、台湾の 3 カ国から選手 を招いて国際大会 と して開かれた。 大会は 3 人制の団体戦 と 個人戦で 行われ、個人戦は体重別の軽量・中 量・重量の 3 階級 と 体重無差別の 4 種目が行われた。日本勢は全種目で 優勝を果たした。 ■個人戦 ▽軽量級( 60㎏ 未満・ 34名出場) 準決勝進出は松浦みな美 (静岡) 、 黒 くろ 田 だ 彩 あや 海 み (佐賀) 、松 まつ 尾 お 清 さや 香 か (熊本) 、 野 の 﨑 ざき 舞 ま 夏 な 星 ほ (静岡)の 4 名。 第 1 試合は松浦対黒田。松浦が黒 田 の 左 足 を と っ て 倒 し 、松 浦 の 勝 ち 。 第 2 試合は野﨑対松尾。野﨑は立 合で右下手をとると、右足をかけな
初の国際女子相撲大会を開催
第
1
回国際女子相撲選抜堺大会
無差別級決勝=兼平(左)対今 大会風景 会場となった堺市大浜公園相撲場がらすくい投げて勝った。 決勝は野﨑対松浦の静岡同士の顔 合 わ せ。 互 い に 低 い 立 合 で ぶ つ か り、ま わ しがとれない。野﨑は下に 潜り込 ん だ松浦の上半身に体重を乗 せると、それを嫌がって松浦が動い た機をとらえてひねり、優勝を決め た。 ◉優勝=野﨑舞夏星選手(静岡) 「うれしいです。決勝は一緒に稽古 をすることもある松浦さ ん が相手で したが、全力で戦いました。次の大 会も優勝したいです」 ▽中量級( 60㎏ 以上 75㎏ 未満・ 11名 出場) 台湾から出場したチェン・ジャー ファンは、初戦の準々決勝で水沼ひ かる (愛媛) をはたき込みで降すと、 準決勝で兼 かね 平 ひら 志 し 織 おり (青森)と対戦。 チェンは兼平を強烈に突くが、兼平 はチェンのま わ しをがっちり摑 つか ん で 離れない。兼平が寄るとチェンの抵 抗むなしく足が土俵を割り、兼平が 決勝進出を決めた。 決 勝 は 兼 平 対 山 やま 中 なか 未 み 久 く ( 京 都 )。 立合、山中は右下手を差すと、すか さずはたき込むが、兼平はこれをな 軽量級決勝=野﨑(手前)対松浦 中量級決勝=兼平(右)対山中 ん とかこらえる。この時、山中の体 勢が崩れているのを見逃さなかった 兼平が山中を押し倒して、優勝を手 中に収めた。 ◉優勝=兼平志織選手(青森) 「とてもうれしいです。小学生から ずっと相撲を続けてきて、は じ めて のタイトルです。相撲は一瞬で勝負 が決まってしまいますが、その一瞬 のためにずっと稽古をしています」 ▽重量級( 75㎏ 以上・ 17名出場) 出場選手中最重量のチェン・シュ