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研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン(実施基準)(平成26年2月18日改正)

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研究機関における公的研究費の管理・監査の

ガイドライン(実施基準)

平 成 1 9 年 2 月 1 5 日

(平成26年2月18日改正)

文 部 科 学 大 臣 決 定

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研究機関における 公的研究費の管理・ 監 査のガイドライン(実施基準)目次 はじめに ・・・ ・ ・・・・・・・・ ・ ・・・・・・・・・ ・・・・・・・・1 第1節 機関内の 責 任体系の明確化・ ・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・4 第2節 適正な運 営 ・管理の基盤とな る 環境の整備・・・・・・・・・・・・7 (1) ルールの明確化・統一化・・ ・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7 (2) 職務権限 の 明確化・・・・・ ・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7 (3) 関係者の 意 識向上・・・・・ ・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8 (4) 告発等の 取 扱い、調査及び懲 戒 に関する規程の整備及び運用の透明化 ・・・・・・・・9 第3節 不正を発 生 させる要因の把握 と 不正防止計画の策定・実施・・・・11 (1) 不正を発 生 させる要因の把握 と 不正防止計画の策定・・・・・・・11 (2) 不正防止 計 画の実施・・・・ ・ ・・・・・・・・・・・・・・・・13 第4節 研究費の 適 正な運営・管理活 動 ・・・・・・・・・・・・・・・・13 第5節 情報発信 ・ 共有化の推進・・ ・ ・・・・・・・・・・・・・・・・16 第6節 モニタリ ン グの在り方・・・ ・ ・・・・・・・・・・・・・・・・16 第7節 文部科学 省 による研究機関に 対 するモニタリング等及び文部科学省、配 分機関による体制 整 備の不備がある機 関 に対する措置の在り方・・18 (1) 基本的な 考 え方・・・・・・ ・ ・・・・・・・・・・・・・・・・18 (2) 具体的な 進 め方・・・・・・ ・ ・・・・・・・・・・・・・・・・19 第8節 文部科学 省 、配分機関による 競 争的資金制度における不正への対応 ・・・・・・・20 付属資料1 報告 書 に盛り込むべき事 項・・・・・・・・・ ・・・・・・・2 3 付属資料2 研究 機 関における公的研 究費の管理・監査のガ イドライン 自己点検チェック シート・・・・・・・ ・・・・・・・・・ ・27

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研究機関における 公 的研究費の管理・監 査のガイドライン(実施基準)の改正 に ついて 研究 機関にお ける公的研 究費の 管 理・監査 のガイド ライ ン(実施 基準)( 平成 19年2月15日 文 部科学大臣決定)を次のとおり改正し、公表する。 平 成 2 6 年 2 月 1 8 日 文部科学大臣 下 村 博文

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研 究 機 関 に お け る 公 的 研 究 費 の 管 理 ・ 監 査 の ガ イ ド ラ イ ン ( 実 施 基 準 ) 平成19年2月1 5 日 文 部 科 学 大 臣 決 定 平成26年2月18日改正 はじめに (本ガイドライン の 目的と改正の背景) 本ガイドラインは 、平成19年2 月に 、文部科学省又は文部科学省が所管する 独 立 行 政 法 人 か ら 配 分 さ れ る 競 争 的 資 金 を 中 心 と し た 公 募 型 の 研 究 資 金 に つ い て、配分先の機関が それらを適正に 管理 するために必要な事項を示すことを目的 として策定された も のである。 今回の改正に先 立ち、昨今、不正事案が 社会問題として大き く取り上げられる 事態となっており、 改めてこれまで の対 応について総括を行い、今後講じるべき 対応策について集中 的に検討を行う ため 、平成25年8月に文部科学副大臣の下 に設置された「研究 における不正行 為・ 研究費の不正使用に関するタスクフォー ス」において、同 年 9月に中間取りまと め※ 1が行われた。 これを受け、研 究振興局に設置され た「 公的研究費の適正な 管理に関する有識 者会議」における議 論を踏まえ、中 間取 りまとめの基本方針である、①不正を事 前に防止するための 取組、②組織と して の管理責任の明確化、③国による監視と 支援について新たな内容を加えるととも に、これまでの各機関の取組状況や近年 の不正事案の発生要 因も考慮しつつ 、従 前のガイドラインの記述の具体化・明確 化を図った。 各機関では、平 成19年度のガイドライ ン策定時から、その 性格や規模を踏ま え、創意工夫ある体 制整備を進めて きた現状の取組について、本ガイドラインの 改正点を取り込み 、PDCA サイクル<Plan(計画)・Do(実施・実行)・Check(点 検・評 価)・Action(改善)>を徹底すると同時に、情報発信も含めた透明性の 確 保・向上を図ることにより、より実効性ある取組が一層推進されることを強く期待 する。 文部科学省では 、今後も各機関の取組状 況や本ガイドライン の運用を通じて、 機関の実態に即した 、現実的かつ実 効性 のあるガイドラインになるよう見直しを 行っていくことと す る。 (適用) 第1節から第6節 までについては 、機 関において、平成26年度中に、順次、 各節に係る取組を行 うこととし、第 7節 、第8節については、平成26年度当初 ※1 「研究費における不正行為・研究費の不正使用に関するタスクフォース」中間取りまと め( 平 成2 5 年9 月 2 6日)

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予算以降(継続も含 む。)における 競争 的資金を対象とし、 文部科学省、配分機 関において、両節 に 係る措置等を行うこ ととする。 (用語の定義) 本ガイドラインに おいて用いる用語の 定義について示す。 (1)競争的資金等 文部科学省又は文部 科学省が所管す る独立行政法人から 配分される競争的 資金を中心とした 公募型の研究資金。 (2)機関 上記(1)の競争的 資金等の配分を 受ける全ての機関( 大学、高等専門学 校、大学共同利用 機 関、独立行政法人、国及び地方公共団体 の試験研究機関 、 企業、公益社団 法人、公益財団法人、一 般社団法人、一般財団法人、特例民 法法人等)。 (3)配分機関 上記(2)の機関に対して、上記(1)の競争的資金等を 配分する機関(文 部科学省※ 2、文部科 学省が所管する独立 行政法人)。 (4)構成員 上記(2)の機関に 所属する非常勤 を含む、研究者、事 務職員、技術職員 及びその他関連す る者。 (5)不正 故意若しくは重大な 過失による競争 的資金等の他の用途 への使用又は競争 的資金等の交付の 決定の内容やこれに 付 した条件に違反した使用。 また、研究活 動に関係する不正に ついては、上記のほか、研究活動におけ る不正行為(ねつ 造、改ざん、盗用等)も挙げられるが、こ れらについては、 「研究 活動の不正 行為への 対応 ガイドライン」※ 3 におい て、それぞれの 機関 が整備すべき事 項等が示されている。体 制整備等においては、共通的事項も 含まれているが 、ぞれぞれのガイドライ ンを踏まえ、対策を講じることが必 要である。 (6)コンプライア ンス教育 不正を事前に 防止するために、機 関が構成員に対し、自身が取り扱う競争 的資金等の使用 ルー ルやそれに伴う責任 、自らのどのよ うな行為が不正に当 たるのかなどを理 解させるために実施す る教育※ 4(具体的な内容については、 第2節(3)の「 実施上の留意事項」 ① を参照)。 (7)管理条件 文部科学省が 、調査の結果、機関 の体制整備等の状況 について不備を認め ※2 配分機関における文部科学省は、各競争的資金等を所管する課室を示す。 ※3 「 研究 活 動の 不 正行 為へ の 対応 の ガイ ド ラ イン に つい て 」( 平 成 18 年 8月 8 日科 学 技 術・ 学 術審 議 会 研究活動の不正行為に関する特別委員会) http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu12/houkoku/attach/1334654.htm ※4 「 研究 に おけ る 不正 行為 ・ 研究 費 の不 正 使 用に 関 する タ スク フ ォ ース 」 中間 取 りま と め にお い ては 、研 究活 動 に関 係 する 不 正を 包 括 し 、事 前 に防 止 する た めの 取 組と し て 、「 倫 理教 育 」とい う 用語 を 用い て いる が 、本ガ イ ドラ イ ンで は 、不正 使 用防 止 の観 点 から 、「 コ ンプ ラ イア ン ス教 育 」 と定 義 した 。

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る場合、当該機 関に対し、改善事項及び その履行期限を示した競争的資金の 交付継続の条件。 (本ガイドライン の 構成と留意点) 第1節から第6 節においては、それぞれ の機関が実施すべき 事項をテーマ別に 記載し、第7節にお いては、それら の事 項の実施状況評価を 踏まえ、文部科学省 及び配分機関が 講じ るべき措置等を 記載 し、第8節においては、文部科学省及び 配分機関が、不正 が あった機関に対して 講じるべき措置等を記載している。 付属資料として 、第2節(4)に係 る「 調査報告書ひな形」(付属資料1)と 機関が不正対策につ いて状況を把握する ための「自己点検チェックシート」(付 属資料2)を参考 と して添付している 。 各節に示す「機 関に実施を要請する事項 」及び「実施上の留 意事項」に掲げる 内容は、機関の性格 や規模、コスト やリ ソース等を考慮して実効性のある対策と して実施されるこ と が必要である。 また、企業等に おいて、会社法に基づく 内部統制システムの 整備の一環等とし て規程等が既に設け られ、対策が実 施さ れている場合や、大学等において、コン プライアンス関連の 規程等により、 これ らを包括する体制等が整備されている場 合は、本ガイドライ ンにおける対策 をそ れらに明確に位置付けた上でこれを準用 することを可能と す る。 なお、文末が「 望ましい」という表現に なっている事項は、 より対策を強化す る観点から例示して いるものであり 、そ れぞれの機関のリスクやコスト、リソー スなどを踏まえ、 実 施することが考えら れる。

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第1節 機 関内の責 任体系の明 確化 機関が、競争的資 金等の運営・管 理を 適正に行うためには、機関内の運営・管 理に関わる責任者が 不正防止対策に 関し て機関内外に責任を持ち、積極的に推進 していくとともに、 その役割、責任 の所 在・範囲と権限を明確化し、責任体系を 機関内外に周知・ 公 表することが必要で ある。 (機関に実施を要 請 する事項) ① 機関全体を統括し、競争的資金等の 運営・管理について最終責任を負う者( 以 下、「最高管理責任 者」という。)を定 め、その職名を公開する。最高管理責 任者は、原則とし て 、機関の長が当たる ものとする。 <役割>最高管理責任 者は、不正防止 対策 の基本方針を策定・周知するととも に、それらを実 施す るために必要な措置 を講じる。また、統 括管理責 任 者 及 び コ ン プ ラ イ ア ン ス 推 進 責 任 者 が 責 任 を 持 っ て 競 争 的 資 金 等 の運営・管理が行えるよう、適切に リーダーシップを発揮し なければ ならない。 ② 最高管理責任者を補佐し、競争的資金等の運営・管理に ついて機関全体を統 括する実質的な責 任 と権限を持つ者( 以 下、「統括管理責 任者」という。)を 定め、その職名を 公 開する。 <役割>統括管理責任 者は、不正防 止対策の組織横断的な体 制を統括する責任 者であり、基本 方針 に基づき、機関 全体の具体的な対策を 策定・実施 し、実施状況を確認するとともに、実施状況を最高管理責任者に報告する。 ③ 機関内の各部 局 等(例えば、大学の学部、附属の研究所等、一定の独立した 事務機能を備えた 組 織)における競争的 資金等の運営・管理について実質的な 責任と権限を持つ 者(以下、「コン プライアンス推進責任 者」という。)を定 め、その職名を公 開 する。 <役割>コンプライア ンス推進責任者は、 統括管理責任者の指示の下、 1) 自己 の管理 監 督 又 は 指導す る部 局 等 に おけ る対 策を実 施 し 、実施 状況を確認すると と もに、実施状況を 統括管理責任者に報 告する。 2)不正防止を図るため、部局等内の競争的資金等 の運営・管理に関わ る全ての構成員に 対 し、コンプライ アンス教育を実施し、受 講状況 を管理監督する。 3)自己の管理監督又は指導する部局等において、構成員が、適切に競 争的資金等の管理・執行を行っているか 等をモニタリングし 、必要 に応じて改善を指 導 する。 (実施上の留意事 項 ) ① 図に示す体制及 び役割のように 、機関の組織規模・部局 等の構成員の数等 を踏まえ、役割 の実効性を確保する観点 から、各機関において適当と判断す る場合は、例え ば、コンプライアンス推 進責任者については、大学の学科、 専攻、研究所の 部門等の組織レベルで複 数の副責任者を任命 し、日常的に目 が届き、実効的 な管理監督を行い得る体 制を構築するなど、部局単位で責任 の範囲を区分す ることができる。その場 合は責任の範囲が 曖昧あ い ま いにならないよ う、より明確に規 定することが必要で ある。

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また、上記③ 3)の競争的資金 等の 管理・執行に関して は、事務部門にも副 責任者を任命す るなど、コンプライアン ス推進責任者へ管理・執行の情報が 着実に伝達される 体制を構築すること も 必要である。 ② 機関が、コンプ ライアンス教育や 必 要な改善指導などを実施していないと 、 機関の管理責任 を問われるとともに、さ らに、不正を行った者の責任を追及 できないことに なりかねない。このため 、機関内の管理責任の明確化の観点 から、各責任者 の役割(責務)等を定め た内部規程等を整備し、それらの管 理監督の責任が 十分果たされず、結果的 に不正を招いた場合には処分の対象 となることも内 部規程等において明確に 位置付け、内部に周 知徹底すること も必要である。 ③ 最高管理責任者 は、定期的に各 責任者から報告を受ける 場を設け、意思の 浸透を図るとと もに、実効性のある対策 とするために、 必要に応じて基本方 針の見直し、必要な 予算や人員配置などの措置をリーダーシ ップの下に行う 。 基本方針の見直しに 当たっては、研究活動そのものの効率 の低下を招かず、 構成員の負担の 軽減、機関の管理コストの低減といった多面的な視点から、 単に厳格化する のではなく、機関として 不正が起こらないような組織風土が 形成されるよう 、実態を踏まえ、柔軟に 基本方針を見直し、その実効性を確 保することが重 要である。このため、間 接経費等を効果的に活用し、研究支 援 体 制 と 管 理 体 制 の 二 つ の 側 面 か ら 必 要 な 予 算 や 人 員 配 置 な ど の 措 置 を 行 い、競争的資金 等がより効果的かつ効率 的に活用される環境を醸成すること も求められる。 ④ 第7節及び第8 節に掲げる間接 経費措置額の削減等の措 置を受けた場合、 最高管理責任者 は、再発防止の観点から 、機関内においても、不正が発生し た部局等に対す る措置を講じるとともに 、不正に関与していない部局等や構 成員の研究活動 の遂行に影響を及ぼさな いよう、必要な措置を講じなければ ならない。また 、大学等の教育機関にあ っては、併せて、学生の教育研究活 動・環境に影響を 及ぼさないよう、最 大 限の努力を払わなければならない。

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※ 大 学 に お い て 、 コ ン プ ラ イ ア ン ス 関 連 の 規 程 等 に よ り 、 研 究 費 の 不 正 使 用 防 止 を 包 括 す る 体 制 等 が 既 に 整 備 さ れ て い る 場 合 は 、 本 ガ イ ド ラ イ ン に お け る 責 任 体 系 を そ れ ら に 明 確 に 位 置 付 け た 上 で こ れ を 準 用 す る こ と が 可 能 。 ※ 複 数 部 局 を 有 す る 大 学 に お い て は 、 役 割 の 実 効 性 を 確 保 す る 観 点 か ら 、 部 局 長 が コ ン プ ラ イ ア ン ス 教 育 及 び 研 究 費 執 行 ・管 理 責 任 を 統 括 す る 役 割 を 担 っ た 上 で 、 学 科 又 は 専 攻 レ ベ ル の 一 定 規 模 で 複 数 の 副 責 任 者 を 配 置 し 、 管 理 監 督 を 行 う こ と が 考 え ら れ る 。 一 方 、 単 一 部 局 の 大 学 に お い て 、 部 局 全 体 に 目 が 届 く 規 模 の 組 織 で あ れ ば 、 部 局 長 自 ら が コ ン プ ラ イ ア ン ス 教 育 及 び 研 究 費 執 行 ・ 管 理 責 任 者 の 役 割 を 統 括 す る こ と も 考 え ら れ る 。 最 高 管 理 責 任 者 ( 学 長 ) 統 括 管 理 責 任 者 ( 理 事 ・ 副 学 長 ) 各 部 局 コ ン フ ゚ラ イ ア ン ス 推 進 責 任 者 ( 部 局 長 ) コ ン プ ラ イ ア ン ス 推 進 副 責 任 者 • 基 本 方 針 の 策 定 • 必 要 な 措 置 • 状 況 報 告 • 具 体 策 の 策 定 • 状 況 報 告 コ ン フ ゚ラ イ ア ン ス 推 進 責 任 者 ( 部 局 長 ) コ ン フ ゚ラ イ ア ン ス 推 進 責 任 者 ( 部 局 長 ) 学科・専攻レベル コ ン プ ラ イ ア ン ス 推 進 副 責 任 者 コ ン プ ラ イ ア ン ス 推 進 副 責 任 者 コ ン プ ラ イ ア ン ス 推 進 副 責 任 者 コ ン プ ラ イ ア ン ス 推 進 副 責 任 者 コ ン プ ラ イ ア ン ス 推 進 副 責 任 者 コ ン プ ラ イ ア ン ス 推 進 副 責 任 者 コ ン プ ラ イ ア ン ス 推 進 副 責 任 者 コ ン プ ラ イ ア ン ス 推 進 副 責 任 者 複 数 部 局 を 有 す る 大 学 の 例 • 具 体 策 の 実 施 、 受 講 管 理 ・ 指 導 、 モ ニ タ リ ン グ ・ 改 善 指 導 、 状 況 報 告 単 一 部 局 の 大 学 の 例 最 高 管 理 責 任 者 ( 学 長 ) 統 括 管 理 責 任 者 ( 理 事 ・ 副 学 長 ) • 基 本 方 針 の 策 定 • 必 要 な 措 置 • 状 況 報 告 • 具 体 策 の 策 定 • 状 況 報 告 コ ン フ ゚ラ イ ア ン ス 推 進 責 任 者 ( 部 局 長 ) ●●学科 ▲▲学科 学科・専攻レベル • 具 体 策 の 実 施 、 受 講 管 理 ・ 指 導 、 • モ ニ タ リ ン グ ・ 改 善 指 導 、 状 況 報 告 従 前 の 部 局 責 任 者 を 廃 止 し 、 そ の 役 割 も 含 め 、 コ ン フ ゚ラ イ ア ン ス 教 育 ・ 研 究 費 執 行 ・ 管 理 等 の 管 理 監 督 を 行 う 「 コ ン フ ゚ラ イ ア ン ス 推 進 責 任 者 」 を 新 た に 任 命

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第2節 適 正な運営 ・管理の基 盤となる 環境の整備 最高 管理責任 者は、不正 が行わ れ る可能性 が常にあ ると いう前提 の下で、 不正 を誘発 す る要 因を除 去し、十 分な 抑 止機能を備えた環 境・体制の構 築を図 らな く てはならない。 (1)ルールの明 確 化・統一化 (機関に実施を要 請 する事項) 競 争的資 金 等に係 る事 務処理 手 続に関する ルールに ついて、以下の 観点から 見直しを行い、明 確かつ統一的な運用 を 図る。 ① 競 争的 資 金等の 運 営・ 管 理に 関わる 全 ての 構成員 にとって分かりやす いよ う にルー ル を明確 に定 め、ル ー ルと運用の 実態が乖か い離していないか、 適切な チェック体制が保持できるか等の観点から点検し、必要に応じて見直しを行う。 ② 機 関と し てルー ル の統 一を図 る。た だし、 研究分 野の特 性の違い等、 合理 的 な理由 が ある場 合に は、機 関 全体として 検討の上 、複数の類型を 設けるこ とも可能とする。また、ルールの解釈についても部局等間で統一的運用を図る。 ③ ル ール の 全体像 を 体系 化し、 競争的 資金等 の運営 ・管理 に関わる全て の構 成員に分かりやす い 形で周知する。 (実施上の留意事 項 ) ① 機 関 内ルール の 策 定に当た っては 、慣 例にとら われる ことなく、実態 を踏 まえ、業務が最も 効率的かつ公正に遂 行できるものとする。 ② ルールの例外 的な処理は、ルールと 実態の乖離を招く恐れが強いことから、 極 力こ れ を認め な い 。 やむ を 得ず認める 必 要があ る場合につい ては、例外処 理 の指 針 を定め 、 手 続 を明 確 化して行う も のとす る。また、例 外的処理を認 め たケ ー スにつ い て 先 例集 を 作成して周 知 させる な ど、 実務が散漫 になら な いよう最大限の努 力を惜しんではなら な い。 ③ ル ー ルの周知 に 当 たっては 、研究 者、 事務職員 など、 それぞれの職務 に応 じ た視 点 から、 分 か り やす い 形での周知 に 努める 。また、競争 的資金等の運 営 ・管 理 に関わ る リ サ ーチ ア シスタント 等 への周 知はもとより 、競争的資金 等の運営・管理に 関 わるその他の学生 な どにも広く周知することが望ましい。 (2)職務権限の 明 確化 (機関に実施を要 請 する事項) ① 競 争 的資 金等の 事 務処 理 に関す る 構 成 員 の権限 と責 任に ついて、機 関内で 合意を形成し、明確 に定めて理解を共有する。 ② 業 務 の分 担の実 態 と職 務 分掌規 程 の 間 に乖離が 生じな い よ う適切な職 務分 掌を定める。 ③ 各段階の関係 者 の職務権限を明確 化 する。 ④ 職務権限に応 じ た明確な決裁手続 を 定める。

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(実施上の留意事 項 ) ① 不 正 を防止す る た めには、 適切な チェ ックが必 要であ ることについて 研究 者 の理 解 を促進 し 、 現 場で の チェックが 適 切に行 われる体制を 構築すること が重要である。 ② 業 務 の実態が 変 化 している にもか かわ らず、職 務分掌 規程等が改定さ れな い まま 実 態と乖 離 し て 空文 化 し、責任の 所 在が曖 昧になってい ないかという 観点から必要に応 じ適切に見直す。 ③ 決 裁 が形式的 な も のでなく 責任の 所在 を反映し た実効 性のあるものと なる よう、決裁手続を簡 素化する。その際、決裁者の責任を明 確にするためにも、 決裁者の人数を少 人数に絞ることが望 ま しい。 ④ 研 究 の円滑か つ 効 率的な遂 行等の 観点 から、一 定金額 の範囲内で研究 者に よ る発 注 を認め る 場 合 には 、 その権限と 責 任(例 えば、研究者 本人に、発注 先 選択 の 公平性 、 発 注 金額 の 適正性の説 明 責任、 弁償責任等の 会計上の責任 が 帰属 す ること ) を 明 確化 し 、当該研究 者 にあら かじめ理解し てもらうこと が必要である。 (3)関係者の意 識 向上 (機関に実施を要 請 する事項) ① 競争的資金等 の 運営・管理に関わ る全ての構成員に、 自らのどのような行為 が不正に当 たるの か をしっかり と理解 さ せるため、コンプライアンス教 育(機 関の不正対策に関 す る方針及びルール 等)を実施する。 ② 実施に際して は 、受講者の受講状 況 及び理解度について把握する。 ③ これらの内容 を 遵守する義務があ ることを理解させ、 意識の浸透を図るため に、競争的 資金等 の 運営・管理 に関わる 全ての構成員に対し、受講の機会等に 誓約書等の提出を 求 める。 ④ 競争的資金等の運営・管理に関わる全ての構成員に対する行動規範を策定する。 (実施上の留意事 項 ) ① コ ン プライア ン ス 教育では 、不正 防 止 対策の 理解や意 識を高 める 内容とし て 、具 体 的な事 例 を 盛 り込 み 、機関への 影 響、運 用ルール・手 続・告発等の 制 度な ど の遵守 す べ き 事項 、 不正が発覚 し た場合 の機関の懲戒 処分・自らの 弁 償責 任 、配分 機 関 に おけ る申 請等資格 の 制限、 研究費 の返還 等の措 置、 機 関における不正対 策等について説明す る 。 ま た、 効果を 高め る た め、 これら につい て具体 的な事 案を基 に懲戒処分等 の 内容 や 機関の 不 正 対 策と し てモニタリ ン グ等を 行っているこ とを説明する こ とや 、 自らの 過 去 の 不正 に ついて機 関に 自己申 告した場 合に は、懲戒 処分 等において情状が考慮されることがあることなども説明することが考えられる。 コ ンプ ライア ンス 教 育 の内 容は、 責任者 、研究 者、事 務職員 などの職域や 常 勤、 非 常勤の 雇 用 形 態等 の 権限や責任 ・ 職務に 応じて 適切に 実施 するこ と 及 びそ の 内容を 定期 的 に見 直 し、更 新した 内容を 周知徹 底する ことも 望ま れ る。

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② こ れ らの教育 を 実 施してい ない機 関は 、管理責 任を問 われることや、 不正 を行った者の責任 を追及できないこと に もなりかねない。 こ のた め、実 効性 あ る 取組 とする ために 、例え ば、大 学の 学 部等の 教授会 を 活用 し て周知 徹 底 す るこ と や、受講機 会 を確保 するため、複 数回の説明会 の開催や機関内 の e-learning を活用することも考えられる 。 ③ 競 争 的資金等 の 運 営・管理 に関わ る全 ての構成 員から 、誓約書等を求 めて い ない と 、受講 内 容 等 を遵 守 する義務が あ ること の意識付けや 不正を行った 者に対する懲戒処 分等が厳正に行えな い ことにもなりかねない。 このため、内 部規程等により、誓約書等 の提出、内容等について明確化し、 受 講の 機 会等(新 規 採用者、転 入者等 に ついては その都度)に提出 を求め 、遵 守事項等の意識付 けを図ることが必要 である。 ま た、 実効性 を確 保 す るた め、誓 約書等 の提出 を競争 的資金 等の申請の要 件 とす る ことや 提 出 が ない 場 合は競争的 資 金等の 運営・管理に 関わることが できないこととするなど、併せて内部規程等により明示することも必要である。 誓 約書 等は、 原則 と し て本 人の自 署によ ること とし、 盛り込 むべき事項を 以 下に 示 す。当 該 誓 約 書等 が 確実に履行 可 能なも のとなるよう 、構成員と協 議するなどしてコ ンセンサスを形成し た 上で実施することが望ましい。 <誓約書等に盛り込 むべき事項> ・機関の規則等を遵守すること ・不正を行わないこと ・ 規則等 に違 反 し て 、 不 正を行 っ た場合 は、 機関や配分 機関 の処分 及び法 的な責任を負担す る こと ④ 行 動 規範の内 容 は 、研究者 や事務 職員 など、 それぞれの問題意識 を反映さ せ たも の とする 。 構成 員の 意 識 向上のた め 、個々 の事象へ の対 応では なく 、 機 関の 構成 員とし ての 取組 の 指 針を明記 し 、上記の 教育の中で 周知徹底する ものとする。 ⑤ 機 関 は、これ ら の 教育は、 不正を 事前 に防止す るため の取組の一つで ある こ とを 十 分認識 し た 上 で、 第 4節や第6 節 に掲げ る日常的な取 組やモニタリ ング等の活動と複 合的に実施していく こ とが求められる。 (4)告発等の取 扱 い、調査及び懲戒 に 関する規程の整備及び運用の透明化 (機関に実施を要 請 する事項) ① 機関内外からの告発等(機関内外 か らの不正の疑いの 指摘、本人からの申出 など)を受け付け る 窓口を設置する。 ② 不正に係る情報が、窓口の担当者等 から迅速かつ確実に最高管理責任者に伝 わる体制を構築す る 。 ③ 以下の(ア)から(オ)を含め、不正に係る調査の体制 ・手続等を明確に示 した規程等を定め る 。 (ア)告発等の取 扱 い 告発等を受け付け た 場合は、告発等の 受付から30日以内に 、告発等の内

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容の合理性を確認 し 調査の要否を判断するとともに、当該調 査の要否を配分 機関に報告する。 また、報 道や会計検査院等の外 部機関からの指摘による場合も同様の取扱 いとする。 (イ)調査委員会 の 設置及び調査 調査が必要と判断 さ れた場合は、調査委 員会を設置し、調査を実施する。 調査委員会は、不正の有無及び不正の内容、関与した者及びその関与の程度、 不正使用の相当額 等 について調査する。 (ウ)調査中にお け る一時的執行停止 被告発者が 所 属する研究機関は、必要に応じて、被告発者等の調査対象と なっている者に対し、調査対象制度の研究費の使用停止を命ずることとする。 (エ)認定 調査委員会は、不 正の有無及び不正の 内容、関与した者及 びその関与の程 度、不正使用の相 当 額等について認定する。 (オ)配分機関へ の 報告及び調査への協力等 1)機関は、調査の実 施に際し、調査方針、調査対象及び方法 等について配分 機関に報告、協議 し なければならない。 2)告発等の受付から 210日以内に、調査結果、不正発生 要因、不正に関与 した者が関わる他 の 競争的資金等におけ る管理・監査体制の 状況、再発防 止計画等を含む最 終 報告書を配分機関に 提出する。期限 までに調査が完了 しない場合であっても、調査の中間報告を配分機関に提出する(付属資料1)。 3)また、調査の過程 であっても、不正の事実が一部でも確認された場合には 、 速やかに認定し、 配 分機関に報告する。 4)上記のほか、配 分 機関の求めに応じ、調査の終了前であ っても、調査の進 捗状況報告及び調 査 の中間報告を当該配 分機関に提出する。 5)また、調査に支障 がある等、正当な事由がある場合を除 き、当該事案に係 る資料の提出又は 閲 覧、現地調査に応じ る。 ④ 不正に係る調査に関する規程等の 運用については、公 正であり、かつ透明性 の高い仕組みを構 築 する。 ⑤ 懲戒の種類及びその適用に必要な手 続等を明確に示した規程等を定める。 (実施上の留意事 項 ) ① 不 正 の告発等 の 制 度を機能 させる ため 、機関の 構成員 に対しては、コ ンプ ラ イア ン ス教育 等 で 具 体的 な 利用方法を 周 知徹底 する。また、 取引業者等の 外 部者 に 対して は 、 相 談窓 口 及び告発等 の 窓口の 仕組み (連絡 先、方 法、告 発 者の 保 護を含 む 手 続 等) に つ いて、 ホー ムペー ジ等で 積極的 に公表 し、 周 知 を図 る 。その 際 、 告 発等 の 取扱いに関 し 、告発 者の保護を徹 底するととも に 、保 護 の内容 を 告 発 者に 周 知すること が 必要で ある。このほ か、告発者保 護の観点から、第 三者機関等に窓口を設 置することも望ま れる。 ② 誹謗ひ ぼ う中傷等から被 告 発者を保護する方策 を講じる。 ③ 顕 名 による告 発 の 場合、原 則とし て、 受け付け た告発 等に基づき実施 する

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措置の内容を、告 発者に通知する。 ④ 不 正 に係る調 査 の 体制・手 続等の 規程 は、原則 として 、「研究活動の 不正 行為への対応のガ イドラインについて 」の手続(再実験に係 る部分等を除く。) に 準じ て 整備・ 見 直 し を行 う 。不正に係 る 調査体 制については 、公正 かつ 透 明性の確保の観点 から、当該機関に属さ ない第三者(弁護士、公認会計士等) を 含む 調 査委員 会 を 設 置す る ことが必要 で ある。 この調査委員 は、機関及び 告発者、被告発者 と直接の利害関係を 有 しない者でなければならない。 ⑤ 懲 戒 規程等は 、 不 正の背景 、動機 等を 総合的に 判断し 、悪質性に応じ て処 分がなされるよう 、適切に整備する。 例 え ば、不正 を 行っ た者又は その 管理監 督に適正を欠 いた者に対する 懲戒 処 分等 が 内部規 程 に 明 確に 位 置付けられ て いない 場合は、 処分 等が公 正かつ 厳正に行えないこ とにもなりかねない 。 こ のた め、研 究者 の 役 割や 責任( 告発等 に対す る説 明責任を 含む) を明 確 に する こ とはも と よ り 、機 関 としての責 任 や役割 について、第 1節の各責任 者 の役 割 や責任 の 範 囲 を定 め た必要な規 程 や体制 を整備した上 で、懲戒規程 等の内部規程に明確に位置付け、構成員に周知徹底しておくことが必要である。 さ らに 、私的 流用 な ど 、行 為の悪 質性が 高い場 合には 、刑事 告発や民事訴 訟があり得ること など、法的な 手続に関 しても内部規程上、明確に位置付け、 構成員に周知徹底 しておくことも必要 で ある。 ⑥ 機 関 は、調査 の 結 果、不正 を認定 した 場合は、 速やか に調査結果を公 表す る 。公 表 する内 容 は 、 少なく と も不正に 関 与した 者の氏名・所 属、不正の内 容 、機 関 が公表 時 ま で に行 っ た措置の内 容 、調査 委員の氏名・ 所属、調査の 方 法・ 手 順等が 含 ま れ てい る ものとする 。 ただし 、合理的な理 由がある場合 は、不正に関与し た者の氏名・所属な ど を非公表とすることができる。 ま た、 これら の公 表 に 関す る手続 をあら かじめ 定め、 構成員 に周知徹底し ておくことが必要 である。 ⑦ 機 関 において 発 生 した不正 の調査 結果 は、再発 防止の 観点から、処分 も含 めて、構成員に周 知することも必要で あ る。 第3節 不 正を発生 させる要因 の把握と 不正防止計 画の策定・実施 不正を 発 生 させる 要 因を把 握し 、具体 的 な不正防 止計画を 策定・実 施すること により、関係者の自主的な取組を喚起し、不正の発生を防止することが必要である。 (1)不正を発生 さ せる要因の把握と不 正防止計画の策定 (機関に実施を要 請 する事項) ① 不正を発生させる要因がどこにど のような形であるのか、機関全体の状況を 体系的に整理し評 価 する。 ② 不正を発生させる要因に対応する 具体的な不正防止計画を策定する。

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(実施上の留意事 項 ) ① 不 正 を発生さ せ る 要因の把 握に当 たっ ては、一 般的に 以下のよ う なリスク に注意が必要であ る。 (ア) ル ールと実 態 の 乖離( 発 注権限 の な い研究 者が発注 、例外処理 の常態化 など)。 (イ)決裁手続が 複雑で責任の所在が 不明確。 (ウ)予算執行の 特定の時期への偏り 。 (エ)業者に対す る未払い問題の発生 。 (オ)競争的資金 等が集中している部 局・研究室。 (カ) 取 引に対す る チ ェックが 不十分 ( 事務部門の 取引記 録の管理や業者 の選 定・情報の管理が不 十分)。 (キ) 同 一の研究 室 に おける、 同一業 者 、 同一品目 の多頻度取引、特定の研究 室 のみ でしか 取引 実 績 のな い業者 や特定 の研究 室との 取引を 新規に開始 し た業者への発注の偏 り。 (ク) デ ータベー ス ・ プログラ ム・デ ジ タルコンテ ンツ作 成、機器の保守 ・点 検など、特殊な役務 契約に対する検収 が不十分。 (ケ) 検 収業務や モ ニ タリング 等の形骸け い が い化 ( 受領印 による確認のみ、事後抽出 による現物確認の不 徹底など)。 (コ) 業 者による 納 品 物品の持 ち帰り や 納品検収時 におけ る納品物品の反 復使 用。 (サ)非常勤雇用 者の勤務状況確認等の 雇用管理が研究室任 せ。 (シ) 出 張の事実 確 認 等が行え る手続 が 不十分 (二重払 いのチェック や用務先 への確認など)。 (ス) 個 人依存度 が 高 い、ある いは閉 鎖 的な職場環 境(特 定個人に会計業 務等 が集中、特定部署に長い在籍年数、上司 の意向に逆らえな いなど)や、牽け ん制 が 効き づらい 研究 環 境 (発 注・検 収業務 などを 研究室 内で処 理、孤立した 研究室など)。 ② 不正には複数 の要因が関わる可能性があることに留意す る。 ③ 具 体 的な要因 を 把 握するに 当たっ て は、組織全 体の幅広い関係者の協力を 求 め、 実 際に不 正 が 発 生す る 危険性が常 に どこに でもあること を認識させ、 自発的な改善の取 組を促す。 ④ 不 正 を発生さ せ る 要因に対 する不 正防 止計画は 、優先 的に取り組むべ き事 項 を中 心 に、明 確 な も のと す るとともに 、 モニタ リングの結果 やリスクが顕 在化したケースの 状況等を活用し、定 期 的に見直しを行うことが必要である。 ⑤ 不 正 防止計画 の 策 定に当た っては 、経 理的な側 面のみ ならず、ルール 違反 防 止の た めのシ ス テ ム や業 務 の有効性、 効 率性と いった側面に ついても検討 する。 ⑥ 不 正 防止計画 へ の 取組に 部 局等に よ る ばらつきが生 じないよ う機関全体 の 観点からのモニタ リングを行う。

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(2)不正防止計 画 の実施 (機関に実施を要 請 する事項) ① 研究機関全体の観点から不正防止 計画の推進を担当する者又は部署(以下、 「防止計画推進部 署 」という。)を置き、機関全体の具体的な対策を策定・実 施し、実施状況を 確 認する。 ② 最高管理責任者が率先して対応す ることを機関内外に表明するとともに、自 ら不正防止計画の 進捗し ん ち ょ く管理に努めるものと する。 (実施上の留意事 項 ) ① 防 止 計画推進 部 署 は、最高 管理責 任者 の直属と して設 置するなどによ り、 機 関全 体 を取り ま と め るこ と ができるも の とする 。なお、機関 の規模によっ て は既 存 の部署 を 充 て 、又 は 既存の部署 の 職員が 兼務すること としても差し 支えない。 ② 防止計画推進 部署には、研究経験を有する者を含むこと が望ましい。 ③ 防 止 計画推進 部 署 は機関の 内部監 査部 門とは別 に設置 し、密接な連絡 を保 ちつつも内部監査 部門からのチェック が 働くようにすることが望ましい。 ④ 不 正 防止計画 の 着 実な実施 は、最 高 管理責任者の責 任であり 、実際に不 正 が発生した場合に は、最高管理責任者 の 対応が問われることとなる。 ⑤ 部 局 等は、機 関 全 体で不正 が生じ にく いように 、防止 計画推進部署と 協力 しつつ、主体的に 不正防止計画を実施 す る。 第4節 研 究費の適 正な運営・ 管理活動 第3節 で 策 定した 不 正防止 計画 を踏ま え 、適正な 予算執行 を行う。 業者との癒 着の発 生 を防 止する とともに 、不 正 につながりうる問 題が 捉と らえられる よう、第 三 者からの実効性のあるチェックが効くシステムを作って管理することが必要である。 (機関に実施を要 請 する事項) ① 予 算の執行 状況を検 証し 、実 態 と合ったものにな っているか確 認する 。予算 執行が 当 初 計画に 比 較して 著し く遅れ て いる場合 は、研究 計画の遂 行に問題が ないか確認し、問 題があれば改善策を講 じる。 ② 発 注段階で 支出財源 の特 定を 行 い、予算執行の状 況を遅滞なく 把握で きるよ うにする。 ③ 不 正な取引 は構成員 と業 者の 関 係 が緊密 な状況で 発生 しがち であることに鑑 み、癒 着 を 防止す る 対策を 講じ る。こ の ため、不 正な取 引に関与した 業者への 取引停 止 等 の処分 方 針を機 関と して定 め 、機関の 不正対策 に関する 方針及び ル ール等を含め、周知 徹底し、一定の取引実績(回数 、金額等)や機関におけるリ スク要因・実効性 等を考慮した上で誓約 書等の提出を求める 。 ④ 発 注・検収 業務につ いて は、 原 則として、事務部 門が実施する ことと し、当 事者以外によるチ ェックが有効に機能す るシステムを構築・運営し、運用する。

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⑤ ただし、研究の 円滑かつ効率的な遂 行等の観点から、研究者による発注を認 める場合は、一定金 額以下のものとする など明確なルールを定めた上で運用す る。その際、研究者 本人に、第2節(2 )の「実施上の留意事項」④に示す権 限と責任について あ らかじめ理解して も らうことが必要で ある。 ⑥ ま た 、 物 品 等 に お い て 発 注 し た 当 事 者 以 外 の 検 収 が 困 難 で あ る 場 合 で あ っ て、一部の物品等 に ついて検収業務を省 略する例外的な取 扱いとする場合は、 件数、リスク等を考 慮し、抽出方法・割合等を適正に定め、定期的に抽出によ る事後確認を実施 す ることが必要である 。 ⑦ 特殊な役務( データベース・プロ グラム・デジタルコン テンツ開発・作成、 機器の保守・点検 な ど)に関する検収 に ついて、実効性のあ る明確なルールを 定めた上で運用す る 。 ⑧ 非常勤雇用者の勤務状況確認等の 雇用管理については、原則として事務部門 が実施する。 ⑨ 換金性の高い物品については、適 切に管理する。 ⑩ 研究者の出張計画の実行状況等を 事務部門で把握・確認できる体制とする。 (実施上の留意事 項 ) ① 予 算 執行が年 度 末 に集中す るよう な場 合は、執 行に何 らかの問題があ る可 能 性が あ ること に 留 意 し、 事 務職員は必 要 に応じ て研究者に対 して執行の遅 れの理由を確認す るとともに必要な場 合 は改善を求める。 ② 取引業者に求 める誓約書等に盛り込むべき事項を以下に 示す。 <誓約書等に盛り込 むべき事項> ・機関の規則等を遵守し、不正に関与 しないこと ・ 内部監 査 、そ の 他 調 査 等にお い て、取 引帳 簿の閲覧・ 提出 等の要 請に協 力すること ・ 不正が 認 めら れ た 場 合 は、取 引 停止を 含む いかなる処 分を 講じら れても 異議がないこと ・構成員から不正な行為の依頼等があ った場合には通報すること また 、取引業者が過去の不正取 引について、機関に自己申告した場合には、 情 状を 考 慮し、 取 引 停 止期 間 の減免を行 う ことが あることなど を含 め た処 分 方針の周知徹底を 図る。 ③ 発 注 ・検収業 務 を 含む物品 調達に 係 る チェッ クシス テムは、 不正 の防止と 研 究の 円 滑かつ 効 率 的 な遂 行 を両立させ る よう配 慮する。上記 「機関に実施 を 要請 す る事項 」 ⑤ の 取扱 い とする場合 で あって も、事務部門 の牽制が実質 的 に機 能 する仕 組 み と して 、 発注に関し 、 定期的 に予算 執行・取引 状況・ 内 容を検証(是正 指導)することが必要で ある。また、検収業務についても、上 下 関係 を 有する 同 一 研 究室 ・ グループ内 で の検収 の実施などは 避け、発注者 の 影響 を 完全に 排 除 し た実 質 的なチェッ ク が行わ れるようにし なければなら ない。 こ のほ か、過 去に 業 者 によ る納品 物品の 持ち帰 りや納 品検収 時にお ける 納 品 物品 の 反復使 用 な ど によ る 不正が認め ら れた機 関においては 、それらを防

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止 する た めの具 体 的 な 対策( 例 :業者 の入 出構管 理、納 品物 品へのマ ーキン グ、シリアル番号 の付記など)を講じ ることも必要である。 ④ 書 面 によるチ ェ ッ クを行う 場合、 形式 的な書類 の照合 ではなく、ルー ルや 研 究内 容 等との 整 合 性 を確 認 するように 実 施し、 必要に応じて 照会や現物確 認を行う。 ⑤ 発 注 業務を柔 軟 に すること を目的 とし て一定金 額以下 のものについて 研究 者 によ る 直接の 発 注 を 認め る 場合であっ て も、従 来の慣行に関 わらず、発注 の 記録 方 法や発 注 可 能 な金 額の 範囲等 につ いて、 機関と して 可能な限 り統一 を図る。 ⑥ 納 品 伝票は納 品 さ れた現物 と照合 した 上で機関 の定め た期間保存し、 後日 の検証を受けられ るようにする。 ⑦ 正当な理由に より、研究費の執行が 当初計画より遅れる場合等においては、 繰 越制 度 の積極 的 活 用 等、 ル ールそのも の が内蔵 する弾力性を 利用した対応 を行う。 ま た、研 究費を年 度内 に使い 切 れずに返還しても、 その後の採択等 に悪影 響はないことを周 知徹底することも必 要 である。 ⑧ 上 記 「機関に 実 施 を要請す る事項 」⑦ の特殊な 役務 についても検 収対象と し 、原 則 として 、 有 形 の成果 物がある 場合 には、 成果物 及び完 了報告 書等の 履 行が 確 認でき る 書 類 によ り 、検収を行 う ととも に、必要に応 じ、抽出によ る 事後 チ ェック な ど を 含め 、 これに係る 仕 様書、 作業工程など の詳細をこれ ら の知 識 を有す る 発 注 者以 外 の者がチェ ッ クする 。また、成果 物がない機器 の 保守 ・ 点検な ど の 場 合は 、 検収担当者 が 立会い 等による現場 確認を行うこ とが必要である。 ⑨ 非 常 勤雇用者 の 勤 務状況確 認等の 雇用 管理につ いては 、研究室任せに なら な いよ う 、事務 部 門 が 採用 時 や定期的に 、 面談や 勤務条件の説 明、出勤簿・ 勤務内容の確認等 を行うことが必要で ある。 ⑩ 換 金 性の高い 物 品 について は、競 争的 資金等で 購入し たことを明示す るほ か 、物 品 の所在 が 分 か るよ う 記録するこ と などに より、適切に 管理する。 特 に、パソコンにつ いては適切に管理す る ことが望ましい。 ⑪ 研 究 者の出張 計 画 の実行状 況等の 把握 ・確認 につい ては、用 務内 容、訪問 先 、宿 泊 先、面 談 者 等 が確 認 できる報告 書 等の提 出を求め、重 複受給がない か など も 含め、 用 務 の 目的 や 受給額の適 切 性を確 認し、必要に 応じて照会や 出張の事実確認を 行う。 ⑫ こ の ほか、コ ン プ ライアン ス推進 責任 者等は、 自己の 管理監督する部 局等 に おい て 、研究 者 と 業 者の 関 係が過度 に緊 密にな らないよ う、 オープン なス ペースでの打合せ を推奨することや、孤 立又は閉鎖的な環境とならないよう、 業 務支 援 を推進 す る 体 制や 相 談しやすい 環 境の醸 成に努め、円 滑なコミュニ ケーションが図ら れるような仕組みを 組 織的に推進することが望まれる。

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第5節 情 報発信・ 共有化の推 進 ガイド ラ イ ンの趣 旨 に沿っ て、 多様な 機 関がそれ ぞれの規 模や特性 に応じた実 効性あ る 体制 を整備 する上で は、 機 関内での情報共有 はもとより、 各機関 の取 組 や事例 の 主体 的な情 報発信に よる 機 関間での情報共有 が必要かつ有 効であ る。 ま た、こ の こと は、競 争的資金 等に 対 し、広く国民の理 解と支援を得 る上で も必 要 不可欠である。 (機関に実施を要 請 する事項) ① 競争的資金等の使用に関するルー ル等について、機 関内外からの相談を受け 付ける窓口を設置 す る。 ② 競争的資金等の不正への取組に関 する機関の方針等を外部に公表する。 (実施上の留意事 項 ) ① 不 正 を事前に 防 止 するため には、 研究 者が日常 的な研 究活動において 、自 ら の行 為 がルー ル 等 に 抵触 す るのか否か を 事前に 相談できる体 制(相談窓口 の 設置 な ど)を 整 備 す るこ と が必要であ る 。また 、これらの窓 口が適 切に 機 能 し、 統 一的な 対 応 が 行わ れ るよう、担 当 者間の 情報共有・共 通理解の促進 のための研修の実 施など、組織的な取 組 を推進することが望まれる。 ま た、 日常の 相談 を 通 じて 蓄積さ れた事 例を整 理・分 析し、 構成員間で共 有 する 仕 組みを 整 備 す ると と もに、必要 に 応じ、 モニタリング の結果などと と もに 、 最高管 理 責 任 者に 報 告し、基本 方 針・内 部規程の見直 しやコンプラ イアンス教育の内 容にフィードバック で きる体制も必要である。 ② 機 関 の不正へ の 取 組に関す る基本 方針 等の公表 は、機 関の不正防止に 対す る 考え 方 や方針 を 明 ら かに す るものであ り 、社会 への説 明責任 を果た す上で も重要である。 こ のた め、「 行動 規 範 」、 「管理 ・運営 体制」 はもと より、 機関間での情 報共有の観点から 、「マニュアル」、「 不正防止計画」、「相談窓口」、「通 報窓口」、「処分( 取引停止等の取扱 い を含む。)」、「機関における諸手続」 な どと と もに、 こ れ ら に関 係 する諸規程 を 内外の 利用者の視点 に立って、分 か りや す く体系 化 ・ 集 約化 し てホームペ ー ジ等に 掲載し、積極 的な情報発信 を行うことが求め られる。 ③ 企 業 等におい て 、 企業活動 上、社 内規 程等を外 部に公 表することが困 難な 場合は、配分機関 への報告をもって公表 に代えることがで きる。 第6節 モ ニタリン グの在り方 不正の 発 生 の可能 性 を最小 にす ること を 目指し、 機関全体 の視点か ら実効性の あるモニタリング 体 制を整備・実 施することが重要である。また、これらに加え、 機関の 実 態に 即して 、不正が 発生 す る要因を分析し、 不正が発生す るリス ク に 対

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して重 点 的か つ機動 的な 監 査(リスク ア プロ ー チ監査)を実施し、恒常的 に組織 的 牽制機能の充実・ 強 化を図ることが必要 である。 (機関に実施を要 請 する事項) ① 競争的資金等の適正な管理のため 、機関全体の視点か らモニタリング及び監 査制度を整備し、 実 施する。 ② 内部監査部門は、毎年度定期的に 、ルールに照らして 会計書類の形式的要件 等が具備されてい る かなど、財務情報に 対するチェックを 一定数実施する。ま た、競争的資金等 の 管理体制の不備の検 証も行う。 ③ 内部監査部門は、上記②に加え、第 3節(2)の防止 計画推進部署との連携 を強化し、同節(1 )「実施上の留意事項」①に示すリスクを踏まえ、機関の 実態に即して要因 を 分析した上で、不正 が発生するリスク に対して、重点的に サンプルを抽出し 、 抜き打ちなどを含め たリスクアプロー チ監査を実施する。 ④ 内部監査部門を最高管理責任者の 直轄的な組織として位 置付け、必要な 権限 を付与するための 内 部規程等を整備する 。 ⑤ 内部監査部門と監事及び会計監査 人との連携を強化する。 ⑥ 機関は、第7節(1)「文部科学 省 が実施すべき事項」③に掲げる調査につ いて協力すること と する。 (実施上の留意事 項 ) ① 内 部 監査部門 を 強 化するた め、高 い専 門性を備 え、機 関の運営を全体 的な 視 点か ら 考察で き る 人 材を 配 置すること や 公認会 計士等の外部 有識者を加え て内部監査を実施 することも望まれる 。 ② 内 部 監査は、 機 関 全体のモ ニタリ ング が有効に 機能す る体制とな っている か 否か を 確認・ 検 証 す るな ど 、機関全体 の 見地に 立った検証機 能を果たすこ と が重 要 である 。 調 達 業務 を 例にとると 、 発注・ 検収・支払の 現場における チ ェッ ク 及び防 止 計 画 推進 部 署によるそ れ らのモ ニタリングが ともに機能し て いる か 否かを 内 部 監 査に よ り確認する 。 また内 部監査には、 ルールそのも のにも改善すべき ことがないか検証す る ことも必要である。 ③ リ ス クアプロ ー チ 監査の具 体的な 方法 について は、以 下のような手法 が考 えられる。 (ア) 研 究 者の一 部 を対象 に、 当該研 究 者の旅費 を一定期 間分抽出 して先方に 確 認、 出勤簿 に照 ら し 合わせ るほ か、 出 張の目 的や 概要につ いて抜 き打 ち でヒアリングを行う 。 (イ)非常勤雇用 者の一部を対象に勤 務実態についてヒアリ ングを行う。 (ウ)納品後の物 品等の現物確認。 (エ)取引業者の 帳簿との突合。 ④ 監 査 の質を一 定 に 保つため 、監査 手順 を示した マニュ アルを作成し、 随時 更新しながら関係 者間で活用する。 ⑤ 財 政 上の制約 か ら 、独立し た専属 の内 部監査部 門を設 置することが困 難な 場合、以下のよう な対応を行うことも 考 えられる。 (ア) 経 理的な側 面 に 対する内 部監査 は 、担当者を 指定し 、その取りまと め責

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任の下に、複数の組 織から人員を確保 してチームとして対応する。 (イ) ル ール違反 防 止 のための システ ム や業務の有 効性、 効率性といった 側面 に対する内部監査は 、防止計画推進部 署等が兼務して実施する。 ⑥ 防 止 計画推進 部 署 から不正 発生要 因の 情報を入 手した 上で、監査計画 を適 切に立案する。 ⑦ 監査報告の取 りまとめ結果について、コンプライアンス教育の一環として、 機関内で周知を図 り、類似事例の再発 防 止を徹底する。 ⑧ 監 事 及び会計 監 査 人と内部 監査部 門が 、それぞ れの視 点から、機関内 の不 正 発生 要 因や監 査 の 重 点項 目 について情 報 や意見 の交換を行い 、効率 的・ 効 果的かつ多角的な 監査を実施できるよ う にする。 ⑨ 監 事 は、業務 監 査 の観点か ら、不 正防 止に関す る内部 統制の整備・運 用状 況 や、 モ ニタリ ン グ 、 内部 監 査の手法に つ いて実 効性の面から 検証し、最高 管理責任者に意見 を述べることが求め ら れる。 ⑩ 内 部 監査部門 は 、 機関のコ ンプラ イア ンスを包 括する 部署や外部から の相 談 を受 け る窓口 等 、 機 関内 の あらゆる組 織 と連携 し、監査の効 果を発揮でき るようにする。 ⑪ 内 部 監査の実 施 に 当たって は、把 握さ れた不正 発生要 因に応じて、監 査計 画を随時見直し効 率化・適正化を図る 。 第7節 文部科 学 省によ る 研 究機 関 に対 するモニタリング等 及び 文部科学 省、配 分機関による体制整備の不備がある機関 に対する措置の在り方 文部科学省は、機関 が、第1節 から第6 節に記載した対策の 実施状況について、 次のように確認、 評 価及び措置を行う 。 (1)基本的な考 え 方 文 部科 学省は 、資 金 配 分先 の機関 におい ても研 究費が 適切に 使用・管理さ れ るよ う 所要の 対 応 を 行う 責 務を負って い る。文 部科学省は、 機関における 管理体制について 、ガイドラインの実 施 状況を把握し、所要の改善を促す。 (文部科学省が実 施 すべき事項) ① 有 識 者 に よ る 検 討 の 場 を 設 け 、ガ イ ド ラ イ ン の 実 施 等 に 関し てフ ォロ ーア ップするとともに 、 必要に応じてガイド ラインの見直し等を行う。 ② 文 部 科 学 省 は 、 機 関 側 の 自 発 的な 対 応 を 促 す 形で 指導 等 を行 う。 管理 体 制 の 改 善 に 向 けた 指導 や 措 置に つ い て は 、 緊 急 の 措 置 が必 要な 場合 等を 除 き 、 研究活動の遂行に 及 ぼす影響を勘案した 上で、段階的に実施する。 ③ 上 記 ① ・ ② を 実 施 す る た め 、 調査 機 能 の 強 化 を図 り、 機 関に 対し 、以 下 の 調査(書面、面接 、 現地調査を含む)を 実施する。 1) 履行状況調査(毎年、一定数を抽出) 2) 機動調査(履行状況調査以外に、緊急・臨時の案件に機動的に対応)

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3) フォローアップ調査(履行状況調査、機動調査における改善措置状況をフ ォローアップし、 必要に応じ措置を講 じ る) 4) 特別調査(不正発覚後の状況把握・指導) ④ 上 記 ③ の 調 査 結 果 等 に よ り 収 集し た 不 正 防 止 のた めの 実 効性 ある 取組 事例 を 活 用 し 、 研 修 会の 開催 やコ ン テン ツ教 材の 作 成 等 を行 い、 機関 にお け る研 究費の管理・監査 体 制の構築に向けた支 援を行う。 (実施上の留意事 項 ) ① 従 来 も配分機 関 に より額の 確定調 査や その他の 確認が 個別の競争的資 金等 で 行わ れ ている 。 文 部 科学 省 はそれらの 手 段を有 効に組み合わ せて、研究 者 及 び機 関 の負担 を 可 能 な限 り 増やさずに 効 率的・ 効果的な検証 を行うよう努 める。 ② 機 関 が不正を 抑 止 するため に合理 的に 見て十分 な体制 整備を図ってい る場 合 には 、 文部科 学 省 は 、構 成 員個人によ る 意図的 かつ計画的な 不正が発生し たことをもって、 直ちに機関の責任を 問 うものではない。 ③ 機 関 の問題は 、 個 別の部局 等にあ る 場 合もある が、部局等も 含めた体制整 備 の責 任 は、機 関 の 長 にあ る 。したがっ て 、体制 整備の不備に 関する評価、 及び評価結果に基 づき行われる措置の 対 象は原則として機関全体とする。 (2)具体的な進 め 方 (文部科学省、配 分 機関、機関が実施 すべき事項) Ⅰ.実態把握のた めのモニタリング 文 部 科 学 省 は 、 ガイ ドラ イン に 基づ く体 制整 備 等 の 実施 状況 につ いて 、 書面 による報告を機関 に求め、機関は、書 面 による報告を文部科学省に提出する。 Ⅱ.措置のための モニタリング等 ① 文部 科 学省 は 、 毎年 度、 履 行 状 況 調 査 の 実 施 方 針等 を定 め、 一定 数 を 抽 出 し 、 機関 に お け る ガイ ド ライ ンに 基 づ く 体 制 整備 等の 状 況 につ い て 調査 を 実 施 し、 ガ イ ド ラ イン の 「機 関に 実 施 を 要 請 する 事項 」 等 につ い て 確認 す る 。 また 、 配 分 機 関に お いて 、不 正 が 確 認 さ れた 機関 も 当 該調 査 の対象 とする。 ② 文部 科 学省 は 、 上記 ①の 調 査 以 外 に も 、 緊 急 ・ 臨時 の案 件に 機動 的 に 対 応 す る ため 、 必 要 に 応じ て 機動 調査 を 実 施 し 、 ガイ ドラ イ ン に基 づ く 体制 整備等の実態把握 を 行う。 ③ 文部 科 学省 が 有 識者 によ る 検 討 も 踏 ま え 、 上 記 ①、 ②の 調査 の結 果 に お い て 機 関の 体 制 整 備 等の 状 況に つい て 不 備 が あ ると 判断 す る 場合 は 、 当該 機 関 に 対し て 、 文 部 科学 省 は以 下の ( ア ) の 措 置を 講じ 、 そ の 結 果 を受 け て 、 配 分機 関 は ( イ )及 び (ウ )の 順 に 段 階 的 な措 置を 講 じ る。 ま た 、文 部科学省は調査結 果 及び措置の状況を公表する。 ただ し 、文 部 科 学 省 が 機 関 にお け る 体 制 整 備 に 重大 な 不備 が ある と 判 断 し た 場 合又 は 機 関 に お け る 体制 整 備 の 不 備に よ る不 正と 認 定 した 場 合 は、 必 要 に 応じ て 、 段 階 的な 措 置に よら ず 、 文 部 科 学省 が( ア ) を講 じ る と同

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時に、配分機関は ( イ)の措置を講じることとする。 なお 、 措置 の 検 討 に 当 た っ ては 、 機関 か ら の 弁 明の 機 会 を 設 ける も の と する。 (ア)管理条件の 付 与 文 部 科 学 省は 、 機 関 に 対 し 、 体制 整 備 等 の不 備 に つい て 、 改 善事 項 及 びその履行期限(1 年)を示した管理 条件を付す。また、文部科学省は、 管理 条 件の 履 行 状 況 に つ い て毎 年 度フ ォ ロ ー ア ップ 調 査 を 実 施し 、 調 査 結果を機関及び配分 機関に通知する。 (イ)間接経費の 削 減 配 分 機 関 は 、 文 部 科 学省 がフ ォ ロー アッ プ調 査の 結 果に おい て、 管理 条件 の 履行 が 認 め ら れ な い と判 断 した 場 合 は 、 当該 機 関 に 対 する 競 争 的 資金における翌年 度 以降の間接経費措 置額を一定割合削減 する。 間 接 経 費 措置 額 の 削 減 割 合 に つい て は 、 フォ ロ ー アッ プ 調 査 の結 果 に 応じて、段階的に 引 上げ、上限を間接 経費措置額の15% とする。 (ウ)配分の停止 間 接 経 費 を上 限 ま で 削 減 す る 措置 を 講 じ てい る 間 にお い て も 文部 科 学 省が 管 理条 件 の 履 行 が 認 め られ な いと 判 断 し た 場合 は 、 配 分 機関 は 、 当 該機関に対する翌 年 度以降の競争的資金 の配分を停止する 。 ④ ③の(ア)か ら (ウ)の措置の解除 は、以下によるものとする。 ( ア ) の措 置 は 、 機 関に お いて 管理 条 件 を 着 実 に履 行し て い ると 文 部 科学 省が判断した時点 で 、文部科学省が解除する。 ( イ ) の措 置 は 、 機 関に お いて 管理 条 件 を 着 実 に履 行又 は 履 行に 進 展 があ ると文部科学省が 判 断した場合、配分機関がその翌年度に解 除する。 ( ウ ) の措 置 は 、 機 関に お いて 管理 条 件 を 着 実 に履 行又 は 履 行に 進 展 があ ると文部科学省が 判 断した時点で、配分機関が解除する。 (実施上の留意事 項 ) ① 管 理 条件を付 与 し た翌年 度 に、機 関 において 当該管理 条件を 着実に履行し て いる と 文部科 学 省 が 判断 し た場合は、 当 該機関 に対するフォ ローアップ調 査を終了する 。また 、機関において当該管理条件の着実な 履行に至らずとも、 文 部科 学 省が履 行 に 進 展が あ ると判断し た 場合は 、経過観察と して、継続的 にフォローアップ 調査を実施する。 ② 間 接 経費措置 額 の 削減割合 の基準 につ いては、 文部科 学省が別に定め るこ ととする。 第8節 文 部科学省 、配分機関 による競 争的資金制度における不正への 対応 機関が 告 発 等を受 け 付けし、 配 分機関 が 機 関から調査の 要否の報 告を受けた際 は、機 関 に対 して当 該事案の 速や か な全容解明を要請 し、機関から 提出さ れる 報 告書等 を 踏ま え、当 該機関に 対し て 改善を求めること が必要である 。また 、本 ガ イドラ イ ンで は、研 究費の管 理は 機 関の責任において 行うこととし ている ため 、

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文部科 学 省及 び配分 機関は、 競争 的 資金における不正 を確認した場 合は、 研究 者 だけでなく、機関 に 対しても措置を講じ ることとする。 (配分機関が実施 す べき事項) ① 配 分機関は 、機関か ら調 査実 施 の要否について報 告を受けた場 合は、 機関に 対して必要な指示 を行うこととする。 ② 配 分機関は 、機関にお け る調 査 が 適切に実 施されるよ う、調 査方針、調査対 象及び 方 法 等の報 告 を受け 、必 要に応 じ て指示を 行うとと もに、当 該事案の速 やかな全容解明を 要請する。 ③ 配 分機関は 、調査の 過程 であ っ ても、機関から不 正の一部が認 定され た旨の 報告が あ っ た場合 は 、必要 に応 じ、不 正 を行った 研究者が 関わる競 争的資金に ついて 、 採 択又は 交 付決定 の保 留、交 付 停止、機 関に対す る執行停 止の指示等 を行う。 ④ 配 分機関は 、機関か ら不 正を 認 定した最終報告書 が提出され、 それを 確認し た場合は、当該報 告書の内容を踏まえ、 以下の措置を講じる こととする。 (ア)機関に対す る 措置 ・第7節(2 ) Ⅱ参照 (イ)機関・研究 者 に対する措置 ・不正に係る 競 争的資金の返還等 不正があ っ た競争的資金にお い て、配分機関は、機関又は研究者に対 し、 事 案に 応じて 、交 付 決 定の 取消し 等を行 い、ま た、研 究費の 一部又は全部 の返還を求める。 (ウ)研究者に対 す る措置 ・競争的資金 へ の申請及び参加資 格 の制限 不正が あった競 争的 資金 に おい て、配分機関は、 不正を行った研 究者及 び それ に共謀 した 研 究 者等 に対し 、事案 に応じ て、競 争的資 金への申請及 び参加資格を制限す る。 ⑤ 配 分機関は 、機関が 告発 等を 受 け付けた 日か ら210 日以内 に最終報告 書の 提出が な い 場合、 当 該機関 に対 して、 状 況に応じ て、報告 遅延に係 る以下の措 置を講じることと する。 た だし 、 報告遅 延 に 合 理的 な 理由がある 場 合は、 当該理由に応 じて配分機関 が別途、最終報告 書の提出期限を設ける ものとする。 (ア) 配 分機 関は、 当該機関 の不 正 に関する告発等が あった競争的 資金に おけ る 翌年度以降の1か 年度の間接経費措置 額 を一定割合削減する。 間 接経費 措置額の 削減 割合に つ いては、提出期限を 過ぎた日数に応 じて、 段階的に引上げ、 上限を間接経費措置 額の10%とする。 (イ) 被 告発 者が自 らの責任 を果 た さないことにより 最終報告書の 提出が 遅延 し た 場合 、 配分機 関 は 、 当該 研 究者が関わ る 競争的 資金について 、採択又は交 付決定の保留、交 付停止、機関に対す る 執行停止の指示等を行う。 (実施上の留意事 項 ) ① 配 分 機関は、 研 究 者の責任 により 最終 報告書の 提出が 遅延した場合を もっ て、直ちに機関の 責任を問うものでは な い。

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② 配 分 機関は、 研 究 者に対す る措置 とし て、競争 的資金 への申請及び参 加資 格 の制 限 を行う 場 合 は 、「 競 争的資金の 適 正な執 行に関する指 針」(平成1 7年9月9日 競争的資金に関する関係 府省連絡会申し合 わせ)に基づ き、措 置を講じることと する。 ③ 機 関 から提出 さ れ た最終報 告書に つい て、配分 機関と の必要な協議を 経な か った こ となど に よ り 、調 査 方法及び報 告 書の内 容等に重大な 問題があった 場合は、配分機関は 、機関に対し、最終報告書の再提出を 求めることとする。 ④ 報 告 遅延に係 る 合 理的な理 由とし ては 、研究者 の機関 に対する申立て によ り 、機 関 内の再 調 査 が 必要 と なる場合、 捜 査当局 により関連資 料が押収され て いる 場 合や、不 正 を 行っ た 研究者が関 連 資料を 隠蔽い ん ぺ いす るなど 調査への 協 力 を拒否する場合等 が該当する。 ⑤ 最 終 報告書の 報 告 遅延に係 る間接 経費 措置額の 削減に ついては、原則 、翌 年 度の 当 該競争 的 資 金 にお け る間接経費 を 対象と するが、最終 報告書が、翌 年 度の 当 該競争 的 資 金 の交 付 決定後に機 関 から提 出された場合 など、翌年度 の 当該 競 争的資 金 に お ける 間 接経費を削 減 するこ とが困難な場 合は、配分機 関は、翌々年度の 当該競争的資金にお け る間接経費を削減することとする。 ⑥ 間 接 経費措置 額 の 削減割合 の基準 に つ いては、 文部科学省が別に定めるこ ととする。 ⑦ 最 終 報告書の 提 出 以外に、 第2節 (4 )におけ る必要 な手続を行わな かっ た場合は、配分機関 は機関に対し、その他の必要な措置を 講じることとする。

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