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ネットワーク時代を生き抜くキーワード
2000年には、企業のホワイトカラーには1人一
台のパソコンが普及し、2,500万台が社内社外を
問わずネットワークでつながっていると予想され
る。また2005年までには全家庭にもパソコンが普
及し、約4,000万台がネットワークされると思わ
れる。企業、家庭を合わせると実に6,000万∼
7,000万台が相互に接続されていると考えられ、
壮大なネットワークが形成される。このネットワ
ークを活用して、企業と家庭、企業同士で結ぶビ
ジネスをいかにうまく創出するかが企業の浮沈を
左右することになる。ネットワーク時代の新事業
創出のキーワードは「デファクト・スタンダード」
「ナビゲーション」「バリュー・チェーン」である。
(1)自ら作る/便乗する「デファクト戦略」
デファクトは1社で独占してこそうまみがある。
したがって自ら作り上げる方法が賢明である。マ
イクロソフト社が基本ソフト(Windows95)に始ま
り、各種オフィス製品、ブラウザまでを掌中に収
める戦略がその代表例である。
しかし、自社でデファクトを作り上げるのが無
理である場合は、既存の優勢なデファクトに乗っ
て、その上で差異化を図る方法が考えられる。顧
客が自らインターネットで荷物をトレースできる
ようにして非常に成功したフェデラル・エクスプ
レス社がその典型例である。WWWを前提にした
仕組みである。他社より早く始めることで先駆者
メリットを享受できる。
(2)情報過多時代を制するナビゲーション技術
ユーザが欲しいコンテンツを持ってきたり、そ
れに到達するのを助ける仕組み、あるいはガイド
ブックの役割を果たすものが「ナビゲーション」で
ある。週刊テレビガイドであったり、最新のイン
ターネットの世界での「ヤフー」のような検索シス
テムがこれに当たる。インターネットを使って、
自ら欲しい情報を探しにいくための効率的な仕組
み(プル型)や自分の欲しい情報が自動的に送られ
てくる仕組み(プッシュ型)などがナビゲーション
の例として挙げられる。
(3)バリュー・チェーンの見直し
ここでいうバリュー・チェーンとは、コンテン
ツ、パッケージング、ディストリビューション、
ナビゲーション、デバイス(パソコンなどのハー
ドウェア)といった価値連鎖を指す。
これら5つのバリュー・チェーンの中で一番無駄
が多いのがディストリビューションである。当社
の調査によれば、アメリカでは全体の付加価値構
成額の約3分の2がディストリビューションに費や
されていた。ところが、ユーザの立場から見れば、
コンテンツと端末さえあれば、流通に費やされる
コストは限りなくゼロに近い方が望ましい。そう
なると今後は、このディストリビューション・コ
ストを減らすための仕組みやビジネスが新しい事
業として考えられる。新規事業は「世の中の無駄
に着目することから始まる」のである。
●
情報技術で市場の主役が変わる
ネットワーク時代は変化の大きい時代であり、
企業の存在を脅かすような危機もあれば、新たな
事業機会を生むチャンスもある。新しい事業を創
造するに当たって、目の付けどころは、次の4つ
である。
(1)オンライン化による変革
紙やプラスチックなどの物理的な媒体に封じ込
められていたコンテンツのオンラインでの供給が
可能になるとビジネスのパターンが大きく変わ
る。例えば、カラオケ事業でリーダーであったレ
ーザーディスクは、通信カラオケというオンライ
ン・サービスによって競争優位を確保できなくな
った。音楽にしてもCD、カセットテープ、ビデ
オテープの形で販売されているが、通信回線とパ
ソコンを通じてオンラインで供給されるのは時間
の問題である。
(2)デジタル化による変革
デジタル・カメラの登場でフィルムに代わって
メモリ装置とパソコンが主役になった。テレビの
世界ではアナログ・地上波からデジタル・衛星の世
界に変わることで競争構造が変わりつつある。
(3)ディスインターミディエーション(中抜き)
今まで中間の流通を担っていたプレーヤーが、
情報ネットワークの発展によって存在価値を失い
新しいビジネス・モデルが生まれ、そこに新しい
企業や事業が誕生していく。
(4)分散事業の規模化
ネットワーク時代には、今まで地域や特定の
人々の間に閉じていたビジネスが一気に全国規模
になったり、さらにグローバル規模になったりす
るようになる。分散していた市場を統合する動き
といえる。
◇
ネットワークの進展は、競争市場、産業構造を
大きく変える。大きな変化によって企業は危機に
立たされることもあるが、変化はチャンス、ピン
チはチャンスとして捉え、自社の事業の現実と将
来を見通しながら、新事業の創出によって21世紀
を生き抜く、これがネットワーク時代に課せられ
た経営課題である。
ネットワーク時代の新事業創出
株式会社ボストン コンサルティング グループ ヴァイス・プレジデント
内田 和成
氏
3
主
な
記
事
◆ユーザ事例 *川田工業−橋梁用CAD/CAMシステム開発 (2面) *カヤバ工業−3次元主体の設計業務へ移行 (3面) *北日本テクノス−3次元NC加工を中心にCAD/CAM 化展開 (4面) *共同コンピュータサービス−証券投資情報システム 「SAMMIT-View」を開発 (5面) *広島銀行−「新国際業務システム」稼働 (6面) *HOYA−「経理費用管理システム」を運用 (8面) *横浜市−「横浜国際総合競技場」基盤整備 (16面) ◆ IT最前線 *国際勘定系統合システム「IBS21/E'ARK」 (7面) *Notesの効果的な活用に向けて (9面) *エンタープライズ・クライアント/サーバ・イン テグレータPowerClient (10面) *UNIXシステム「Unisys HPシリーズ」 (11面) *ユニフォーム業界におけるビジネス・プロセス 標準作成 (12面) *PCベースのイントラネット・システム構築 (13面) *CALSの標準化活動 (14面) ◆ News From Unisys*小規模コールセンター・システム発表/統合Webシ ステム構築ツール販売開始/タクテックスと3次元 統合CAD/CAMシステム販売契約 (15面)
①CADCEUSの活用
②金融ビッグバンを勝ち抜く情報技術(2)
特集
橋梁などを製作している川田工業では、日本ユニ シスの次世代統合CAD/CAMシステム「CADCEUS」 をベースとして設計段階から3次元モデルを創成し、 橋梁の設計や部材製作に関する情報を一元管理でき る橋梁用3次元CAD/CAMシステム「Cadenza(カデン ツァ)」を開発した。 各部材の形状や特性などがすべて盛り込まれた3 次元モデルでは、製作情報(NCデータ)まで直接作 成することができ、そのまま工場での部材製作に適 用することが可能となっている。 「Cadenza」は、「サーフェス(立体の外皮)による図 形表現」と「製作キャンバー(自重によるたわみ処理) の自動処理」の2点を最大の特徴としている。同社で は、3次元モデル化された設計成果物は、CALS構築 のツールとなると考えており、各発注機関に対し、 詳細設計図などの代わりに、この3次元モデルでの 提出が認められるよう積極的に働きかけている。 これまで橋梁メーカーのほとんどはモデルを軸線 のみで表現するワイヤフレーム・モデル(立体の輪 郭)を使用していた。この手法では部品認識や干渉 チェックなど3次元特有の立体処理は作業者の経験 と勘に頼らざるを得ない、部材情報を一元管理でき ないなどの難点があった。 それに対し、「Cadenza」は、部材モデル(1枚の鋼 板)を立体の外皮で表現するサーフェス(一部ソリッ ド=真の立体)を採用し、部材情報の一元管理を図 っている。サーフェスで表現する3次元モデルの利 点は次のとおり。 ①すべての部材が実長で表現されるため、設計で作 成したデータをそのまま工場で利用でき、作図・ 原寸作業の省力化が可能である。 ②ビジュアルに構造を捉えられるため構造・付属物 の迅速な決定ができる。また溶接などの作業空 間のチェックも容易に行える。 ③3次元モデルであるため、構造上の矛盾が生じず、 追加・変更後も整合性が保てる。 ④数量情報は材料の追加・変更後も整合性を保つこ とができる これらの利点は「CAD上のモデル形状」と「実物の 形状」が完全に一致し、属性に関しても完全整合性 が保持できることを意味する。 これまで3次元モデルは、設計部門から伝達され た2次元図面をもとに、製造部門が改めて創成して いた。この重複作業をなくすために、製造部門は設 計段階からの3次元モデル創成を望んでいた。 製造部門において3次元CADによる大きな成果を 得たのに、これまで設計段階から3次元CADの導入 を実現できなかった最大の障壁は製作キャンバー処 理にあった。Cadenzaでは設計段階において、この キャンバーを自動処理できるようにした。 キャンバー処理とは次のようなものである。橋梁 は自荷重分のたわみを、あらかじめ上げ越した形状 で製作し、架設・橋面工事(床版・舗装などの施工)が 行われた時点で、上げ越した分が自重や橋面施設の 荷重でたわむと初めて完成形状となる。つまり完成 時とは異なる形状で製作が行われるという特殊性が ある。 (図1参照) ところが、設計部門では完成形状を基準にして作 業するため、実製作に活用できる3次元モデルを設 計段階から創成するには、キャンバー処理を付加し た形状に自動的に変形させるロジックが必要になる。 このロジックは設計データと製作データをシーム レスにするための鍵となるもので、本システムでは 幾何学的処理と部材属性を利用したロジックを組み 込み、設計モデルを製作モデルに自動的に変形でき るようにした。 現在、橋梁工事は、詳細設計を含めた発注が増え ており、その詳細設計図は2次元図面として発注先 に提出されているが、同社では、これまでの2次元 図面に代わり、3次元モデルを設計成果物として認 められるように各発注先に働きかけている。 その理由としては、 ①3次元モデルによる設計成果品はそのまま製作情 報として使用できるなど設計から製作に至るト ータル・コストの大幅な削減ができる ②3次元モデルはCALS/ECを見据えた先駆的手法で ある *一元化された情報を3次元空間に配置できるため 事業に関わる複数の業者がデータを共有し、職 種に応じた異なる手法での活用が可能 *単なる図形情報のみならず、部材属性も含めたデ ータの電子化が可能 *同じ部材を複数の図面に記載する必要がないので 発注者、請負業者とも紙の洪水から解放される などを挙げている。 建設省はCALS構想を打ち出し、2004年までにす べての直轄工事に適用すると発表している。したが って、近い将来、CALSツールとして3次元モデルが 使用される日が到来しよう。CALSが実現された暁 には、①形状や材料特性などは国際標準化規格であ るSTEP*1で規定された仕様、②モデルに対する問 い合わせなどは電子メール、③データ・フォーマッ トは文書データ交換のための規格であるSGML*2で 交換する時代となろう。 同社が提唱している3次元モデルによる設計成果 物での提出は、こうしたCALS時代を先取りしたも ので、発注者側にも大きなメリットがあると考えて いるからである。川田工業では今後、このシステム を早く社会的に認知していただくよう努め、実際の 物件への適用を目指していく。 <注> 1 STEP:製品データ交換のための国際規格 2 SGML:文書の交換・共有のための国際標準 3 OMG:オブジェクト指向技術の標準化団体 4 NCALS:日本CALS技術研究組合 5 ECOM:電子商取引実証推進協議会 6 INTAP:情報処理相互運用技術協会 3次元CADが川田工業のように製造業界で注目を 集めているのは、EC/CALS構築のツールになり得 ると考えられているからである。 日本ユニシスでは21世紀に向けたEC/CALS対応 のサービスと製品のラインナップの充実に努めてお り、具体的には次のような活動を行っている。 ①国際標準構築のための活動 IT標準や情報標準などの標準化活動(入力)に積極 的に参画し、次のような活動を行っている。 *各種標準化母体への参画(STEP、SGML、EDI、 OMG *3など) *フレームワーク・プロジェクトへの参画(OMG、 CommersNet、IMGなど) *国家実証実験プロジェクトへの参画(CIF/NCALS*4、 ECOM*5、INTAP *6など) ②STEP準拠プロダクトの強化 多数の製造会社で使用されている統合CAD/CAM システム「CADCEUS」は、STEP製品モデルに準拠し たプロダクトであり、さらにその対応強化を進めて いる。 ③お客様への支援活動 お客様のネットワーク企業の一員としてコンサル テーション(要求定義)、本番、教育、運用、および アップグレードの支援を行う。 UN
3次元CADシステムが突破する技術的課題
3次元システムが実現する数々の利点
製作キャンバーの自動処理
−設計モデルを製作モデルに自動的に変形
3次元モデルによる設計成果物の提出を提言
EC/CALS推進に取り組む日本ユニシス
川田工業
橋梁用3次元CAD/CAMシステム「Cadenza」を開発
橋梁設計から部材製作まで情報の一元管理を実現
CADCEUSの活用
特
集
1
製作系骨組線 完成系骨組線 死荷重たわみ 製作系骨組み線上にモデルを変形させる ■川田工業株式会社 ◆①橋梁・プレビーム・鉄骨・鉄塔など各種構造物の設 計・製作ならびに工事請負、②土木・建築・システム建 築の設計ならびに工事請負、③航空機の設計・製造・ 修理・販売ならびに操縦士・整備士の養成事業、④各 種機械・装置の設計・製作ならびに据付請負などを主 な事業内容としている。 ◆東京本社=東京都北区滝野川1-3-11 ◆代表者=多田 勝彦社長 ◆従業員数=1,758人(97年5月) ◆使 用 機 種 = U N I X ワ ー ク ス テ ー シ ョ ン 「 U S 1 2 0 」 「 U S 1 1 0 」 、 次 世 代 統 合 C A D / C A M シ ス テ ム 「CADCEUS」 図1 製作キャンバーの付加処理 図2 3次元モデルで表現した橋梁の立体イメージ 全体正面 全体下部カヤバ工業(株)岐阜北工場は、自動車機器事業部 の主力工場で、『快適な乗り心地と安定した走り』 のためのショック・アブソーバをはじめ、パワース テアリング用ベーンポンプ、電動パワーステアリン グ、四輪操舵用機器、油圧アクティブ・サスペンシ ョン用機器などの開発・設計・製造を担当しており、 昨年にISO9001の認証を取得している。また、100% 出資会社である日本パワーステアリング(株)が北工 場内にあり、PVセンターとともにカヤバ工業グル ープのステアリング事業部を担っている。ここでは PVセンター設計部におけるCADの取り組みを紹介 する。 PVセンター設計部におけるCAD化は、90年1月に 旧PV設計室および日本パワーステアリングにユニ シ ス の C A D / C A M シ ス テ ム 「 U N I C A D 」 (UNISYS2200/120で構成)を導入したことに始まる。 翌 9 1 年 2 月 に は 旧 車 載 機 器 セ ン タ ー で も UNICAD(2200/120)を導入している。この2カ所で使 用のUNICAD用ホストは部門統合によって94年8月 に1台の「UNISYS2200/402」に統合している。 同 時 に E W S 型 の 統 合 C A D / C A M シ ス テ ム 「CADCEUS」を導入して各技術部門に分散配置し、 ホスト・EWS間で相互にデータの共有ができる集 中・分散処理環境を作り、部門間でのCADデータ、 技術情報などの電子データ授受を行っている。また 各工場ともWANで結び電子データ交換が可能にな っている。 (図1参照) 現在、「UNICAD」から「CADCEUS」への移行期に あり、UNICAD端末15台、CADCEUSが28台という システム構成である。 UNICADをお客様(自動車メーカー)の受注試作設 計や開発設計業務などに適用して効率的なCAD化 を進めてきたが、自動車部品メーカーとして、大競 争時代を勝ち抜くためには、図2に示すような課題 を克服して、一層の「開発期間の短縮」や「高品質の 確保と設計での作り込み」などが必要となっ てきた。そのためにはCADのさらなる有効 活用が不可欠になるということで、現在、 UNICADからCADCEUSへの移行を進めてい る。 CAD機能で期待しているは、 ①パラメトリック製図機能・類似図面利用を 含む「標準部品/標準図面」 ②多様な図面検索や迅速な設計変更処理な ど「高度な図面管理機能」 ③3次元によるスペース検討・干渉チェック などのモデル検討を含めた「設計検討機 能」 ④強度解析・機構解析など「高度な解析機能」 ⑤設計部門で作成したデータを後工程へ応用する 「CAMやPDMとの連携機能」 などの活用である。 「CADCEUS」は、①前述の機能をすべて満たして いる、②自社用に合わせられる柔軟なカストマイズ 機能を有している、③CADによる業務の立ち上げか ら運用までトータルなユーザ・サポートが得られる、 ④他機種とのダイレクト・インタフェースなど柔軟な イ ン タ フ ェ ー ス 機 能 を 有 し て い る 、 ⑤ 膨 大 な UNICAD資産の有効活用が図れることなどから採用 した。 現在2次元CADとしては次の項目に適用している。 ①標準部品化、パラメトリック化、図面管理の最適 化に利用し「製図業務の時間短縮」を図っている。 ②設計業務支援のために、計算検討を専用コマンド 化して、自動作図を行うシステムを運用してい る。 パワーステアリング部品は専門的知識を要し作図 に時間がかかるがCADCEUS上で諸元を入れるこ とにより、自動作図できるシステムを作り、図 面1枚当たりの作図時間を従来に比べ40%短縮し ている。 ③試験的に関係部署への図面配布を自動化した。具 体的にはCAD端末を有してない部署へ の配布を可能にするため、図面をイメ ージ・データとして保管、パソコンから 図面を検索し確認できるシステムを実 現させた。 ④設計部門の図面利用(コンカレント)で は、CADシステムとドキュメント・シス テム(Interleaf5)を連動させ、CADデータ を帳票に取り込む仕組みを作り、設計 帳票での利用、生産技術部門での利用 を可能にした。 他部署間データ共有の仕組みを作り、 部門間でのCADデータの有効利用を図 っている。 3次元CADとしては、 ①3次元主体の設計業務に移行していくために、簡 単モデル作り、パラメトリックおよび履歴管理 を利用した類似モデル検討など「標準モデル化」。 ②3次元モデルを利用しての構造・機構解析、重量・ 重心の特性検討あるいは干渉チェック、シミュ レーションなどの「解析システム」作り。 ③形状モデルに加工属性や費用属性を持たせること による設計段階での「コスト検討」。 ④お客様や取引先とのデータ交換により、コンカレ ントに開発を進められる「チーム設計環境]の実 現。 などを推し進める。 (1)2次元CAD分野 今後、2次元CADでは、①レイヤー管理の自動化、 ②電子承認への課題に取り組む。 一部の専用コマンドではレイヤーを利用して設計 変更記号を図面枠外に設け、変更箇所を表示してい るが、さらにレイヤー管理の自動化を推進する。 また、一部電子承認を実施しているがペーパーレ ス化を進めていく中で、電子承認化への各種課題に 挑戦するとともに、PC版CADCEUSが登場したので PC化にも取り組む。 (2)3次元CAD分野 3次元CADでは、①3次元モデルでのデータ授受と モデル承認、②PDMとの連携、③2次元図面との完 全リンクなどへの課題に取り組む。 3次元モデルでデータ交換を行う場合、そのモデ ルに対する承認をどのような形で実施すべきかをお 客様や取引先と一体となって検討する。 また、PDMとの連携を図ることにより、電子承 認の実現やCADデータと文書の関連付けなどを電 子化する。コンカレント開発を実現するための必須 要素だからである。 さらに3次元主体設計になっても2次元図面は詳細 部を表現する手段として残るので、3次元モデルと2 次元図面との完全連動を図る。 UN
各種自動車部品の主力工場
分配配置によるデータ共有を推進
開発期間の短縮、開発コスト削減、
品質確保等に対応
3次元機能をはじめ先進機能に着目し
「CADCEUS」を採用
2次元CADとしての適用
3次元CADとしての展開
今後の展開
PV設計部 2200/402 日本パワーステアリング AGSグラフィック端末 AGSグラフィック端末 USファミリ USファミリ 岐阜北基幹LAN(FDDI) 自動車技術研究所 設計部 生産技術部 岐阜南工場 (生産技術研究所) 図1 システム構成図 ①基本品質の向上 ∼ 設計段階での作り込み ②新製品開発 ∼ 低コスト、高品質 ③開発期間の短縮 ∼ 部品・製品の共通化/統合化、蓄積技術の有効利用、 部門間ネットワーク ④原価低減の促進 ∼ 部品の最適調達、加工の最適化 ⑤国際競争力の確立 ∼ 開発能力、最新技術の収集/応用、低コスト、高品質 ⑥自動車メーカーとの協調 ∼ 客先対応ネットワークの確立 開発期間の短縮/開発費用削減 品質確保/設計での作り込み 客先メーカーとのコンカレント開発 これらの課題を援助するツールとしてのCAD導入/活用 図2 自動車部品メーカーの課題カヤバ工業におけるCADCEUSの活用
3次元主体の設計業務へ移行
カヤバ工業株式会社
岐阜北工場 PV設計部
服部 幸司
氏
北 日 本 テ ク ノ ス で は 8 9 年 2 月 、 U N I S Y S 2200/200S(端末3台)とCAD/CAMソフトウェアの UNICAD/SCULPTOR(複合自由曲面加工プログラ ム)などを導入してマスターモデルのNC加工に活用 したのがCAD/CAMシステム導入の始まりである。 オペレータのCAM習熟度が高まるのに伴い、 CAM占有率(主に工具経路計算)が増え始め、ホスト 負荷が増大してきた。このため93年にEWS(US110 ) を導入して経路計算の一部をEWSに移行するなど CAMシステムの分散化を行った。 さらに、取引先からのサーフェス・モデリング・デ ータの支給や複合検具製作によるデータ量の増大に 伴い、UNICADでの処理に限界が見えてきたため、 95年3月からEWS型の統合CAD/CAMシステム 「CADCEUS」への移行を開始し、96年2月にすべての 移行作業を完了している。 CADCEUSを採用した理由としては、 ①UNICADシステムの継承が容易 UNICADで蓄積したデータがあり、そのデータの 移行やオペレータの教育が容易である。 ②強力な3次元モデリング機能の活用 取引先から試作段階でのワイヤーフレーム・デー タを受け取ることが多く、そのモデリング作業を短 期化するためには強力なモデリング機能が必要であ った。 ③取引先とのデータ授受が可能 データ支給を受けて作業を進めるためにはデータ 交換システムが安定していることが前提であるが、 CADCEUSでは各種CADシステムとのダイレクト・ インタフェースなど優れたデータ交換機能を有して いる。 ④システムの拡張が容易 オープンシステムで、ユーザ・カスタマイズが可 能であり、容易にシステムの拡張が図れる。 ⑤日本ユニシスのサービス体制の充実性 ハードウェア/ソフトウェアの両面で日本ユニシ スからトータル的なサポートが得られる。 と判断したからである。 現在、システム設置総数はCADCEUSデータベー ス・サーバ(US120/71)と9台のCADCEUSワークステ ーション(USファミリ)に及び、製造部門、設計部門 の計15名が駆使している。 CADCEUSの活用を検査治具の設計製作を例に紹 介する。検査治具には、板金メーカーから受注する 単品検査治具、複合検査治具、自動車メーカーから 受注する総合検査治具などさまざまなものがあり、 それらの素材も用途により樹脂、アルミニューム、 スチールなど多様化してきている。 CAD/CAMの導入により、検査治具の製作方法は マスターモデル反転からダイレクトNC加工へと大 きく変わった。このモデルレス化の進展によって今 や100%近くがNCで機械加工され、品質も大幅に向 上している。 具体的にはCADCEUSの活用によって以下のよう な利点を得ている。 (1)設計部門における3次元CADの活用によって *不具合の早期発見 CADCEUSの採用で、3次元構造設計を一部開始 した。その結果、これまで見付けられなかったワー ク間の干渉チェックなど不具合の早期発見が可能と なり、後工程でのトラブルが大幅に減少した。 *部品の標準化 検査治具そのものは一点一様の製品だが、類似す る子部品が数多く存在する。それらの子部品を標準 化/共通化することにより、設計工数の削減を図っ た。 (図1参照) *2次元NCデータの早期作成 従来、2次元NCデータは製造部門で作成していた。 ここではモデリングや3次元NCデータ作成が優先 し、2次元NCデータ作成の着手が後回しにされる傾 向にあり、組付けが遅れることがあった。そこで、 設計段階においてCADCEUSで2次元NCデータを作 成し、早い段階で部品手配を行う仕組みとした。 (2)複合検査治具でのソリッド適用によって 複合検査治具の検具形状のソリッド・モデリング を一部実現させ活用している。その概要は図2に示 すように、検具を構成する個々の子部品の形状をモ デリング化して、その後、合体させてCAMシステ ムに引き渡すという仕組みにした。その結果、モデ リングからCAMまで連続した形で作業の流れを効 率化でき、品質・生産性の向上も図れた。 近年、検査治具も樹脂加工からスチールやアルミ 加工の比率が増大し構造自体も複雑化してきたた め、これまでの加工方案が通用しにくくなってきた。 そこでCADCEUSの活用により、次のような3次元 NC加工への改善を図ることになった。 ①等高加工の利用 UNICADでの等高加工は計算に時間がかかり、加 工設定が面倒なためほとんど活用していなかった。 CADCEUSの導入で、高速処理による計算時間の大 幅な短縮、オペレーションの簡素化が図れたことによ り、等高加工を実施し、加工精度の向上を実現させた。 ②稜線加工から隅取り加工への変更 加工残しをできるだけ少なくすることを狙いに、 稜線加工から隅取り加工へと変更した。ただし、加 工残は減ったものの加工に多少時間がかかるように なったので、さらなる改善を図りたい。 ③面直方向(任意方向)から算出した経路の利用 従来、形状によっては加工軸からの計算では経路 が算出しにくく、経路のピッチもバラツキが出るこ とがあった。そこで、経路算出の安定化を図るため、 面直方向(面直方向に近い任意の方向)から経路を算 出できるように改善した。 ④5面加工機に適したNCデータの作成 1方向加工だけではアンダーが発生する。このア ンダー部分を手作業で仕上げるには多大の時間を要 し、精度も落ちるため他方向加工を行う必要が出て きた。しかし、他方向加工は時間がかかり、データ の作成にも手間がかかる。それを解決するために NC加工機にアングルヘッドを取り付け、5方向から 加工ができるようにした。この5面加工機に適した NCデータをCADCEUSで作成できるように改善し た結果、加工時間の短縮、NCデータ作成の簡略化 を実現できた。 上記のようにCADCEUSの活用によって、効率的 なCAD/CAMの展開を図っているが、今後はさらに 「仕上げレス」と「金型加工の標準加工方案の確立」に 挑戦する。 また、設計部門における完全3次元化の早期実現 を目指している。その狙いとするところは、①3次 元CADデータの一元化による製造部門での設計デ ータの活用率アップ、②設計段階における不具合箇 所の早期100 %発見、③ソリッド・モデルへの対応 などにある。 こうしたCAD/CAMへの挑戦により、ますます要 求される短納期化、高品質化、そして低コスト化を 実現させていきたいと考えている。 UN
検査治具におけるCADCEUS適用例
仕上げレスや設計部門の完全3次元化への挑戦
3次元モデリングや取引先との
データ交換のため「CADCEUS」を採用
CADCEUSの活用
特
集
1
北日本テクノスにおけるCADCEUSの活用
3次元NC加工を中心に効率的なCAD/CAM化を展開
株式会社北日本テクノス
自動車事業部 第4グループリーダー
山岸 賢二
氏
89年よりUNICADを採用しNC 加工を開始
3次元NC加工を改善し大幅な効率向上を実現
■株式会社北日本テクノス ◆試作・恒久マスターモデル/スキャニングモデルの製 作、検査治具・溶接組立治具の設計製作、簡易プレス 型の設計製作、試作板金・レーザ加工部品の製作など を事業内容としているメーカー。 ◆所在地=石川県小松市五国寺ホ102-2 ◆創業 =昭和43年12月 ◆代表者=田中 稔 社長 ◆従業員数=80人 図1 3次元CADによる部品の標準化例 ①3D設計による構造確認 ②子部品の標準化 ③NCデータ作成 ワイヤー、レーザー加工機 図2 検具形状のソリッドモデル化例 ・検具形状のソリッドモデル化 複合検具 検具形状モデリング 合体 CAMシステム 部品A 部品B 部品A 部品B 部品A 部品B 断面 検具形状バブル経済が崩壊し日本全体、特に 証券業界は長い低迷を余儀なくされて いる。また、政府が提唱する日本版ビ ッグバンも待ったなしに非常なインパ クトで金融界を直撃し、今や生き残り をかけた競争に入っている。このため 証券業務の多様化、迅速化、低コスト 化に対応できる情報基盤の整備が急が れている。 情報サービス部長 柿沼 輝司氏は「証 券経営の中で、コンピュータ・コスト の削減は避けて通れない重要課題であ る。企業を取り巻く環境が激変する現 在、情報化・システム戦略はあらゆる 分野の企業において将来を左右するほ ど重要な意味を持っている。そこで、 各社で構築していた情報系システムを 当社に集約し、新技術を導入したクラ イアント/サーバ・システム(C/SS)に移 行することで、各社のコスト削減とユ ーザニーズに的確に応えていく必要性 があった」と語っている。 同社では84年4月から、ホスト集中 型の証券・金融情報(株式・債券・為替な ど)システムによるオンライン・サービ ス「SAMMIT」を運用してきた。しかし、 システムの肥大化に伴うコスト増大の 改善、パソコ ンの普及など に対応した利 用環境の整備 を 図 る た め 、 C/SSへの再構 築に取り組ん できた。シス テム構築の狙 いとして次の 点を挙げてい る。 *競合激化に 備えて営業 マンが容易 に高度な情 報活用をできるサービスを実現する *オープン・システムのコスト・パフォ ーマンスの良さに着目し、情報シス テム構築コストの削減を図る *大規模広域分散システム環境を実現 する「SYSTEM
ν
[nju:](システム ニュー)」などに代表される最新の 情報技術を採用する。 システムの設計に当たっては、次の ような点に配慮した。 *データ機能の分散 ①集約したデータベースを搭載した 「Viewサーバ」、②クライアントから接 続制御を行う「ν
サーバ」、③各社営 業マンが情報を取得するPCクライア ントからなる3層C/SS構造を採用。 *コスト削減 ホスト集中型に替えてオープン技術 を採用し、開発コストを半減する。 *高速のレスポンス・タイムの実現 数千台のクライアントに応答時間5 秒を確保できるシステムとする。 *使いやすさの追求 クライアントPCの採用によるプレ ゼンテーション機能の充実を図る。 こうした設計要件に対して、新シス テムでは次のような機能を導入して対 応した。 *負荷分散 サーバは、株式系、非株式系(債券、 転換社債、為替など)各々2台構成とし た。通信サーバとしてSYSTEMν
を 採用し、ユーザからの処理要求に対し て株式系および非株式系それぞれ2台 のサーバへのシステムでの振り分けを 行うロード・バランシング機能によっ て、サーバの負荷分散を実現した。 *危険分散 データベースは株式系、非株式系 各々2台ずつ持つミラー構造とし、デ ータベース、CPUの二重化を図るとと もに、「ν
サーバ」も複数台構成とし、 危険分散を図っている。 また、SYSTEMν
のメッシュ・コネ クション機能により、株式系あるいは 非株式系データベースへの振り分けを 4台の「ν
サーバ」いずれからもでき、 通信障害の発生にも対処できる。 *使いやすさの追求 メニューバーなどを使ってマウスの クリックで情報を容易に取得できるよ うに操作の簡便化を図った。 *高速ネットワークの実現 社内LANの構築には実績のある高速 LANスイッチ(100メガ)の採用で高速 化を図るとともに、サーバ側でデータ を圧縮しクライアント側で組み立てる 仕組みにし、ネットワーク負荷の軽減 を図った。 一方、利用者側のLAN接続について は、各社のネットワーク環境に応じて 高速WAN(高速デジタル専用線など)に よるLAN間接続と、INSネット64によ る回線交換の2種類を用意した。 *運用管理 ジョブの自動運行、テープのオート ローディング、ネットワーク、サーバ、 データベースの監視、運行監視などさ まざまな分野で運用管理の効率化・省 力化ツールを導入している。 *分散処理による負荷軽減 共同データベース(SAMMIT-Pro)か ら取り込むデータの更新は翌朝のサー ビス開始時までに完了する必要があ り、クライアント側での処理を分散し サーバ側の負担を軽減している。 SAMMIT-Viewは共同データベース (SAMMIT-Pro)のデータを加工し、株、 債券、転換社債、投信、為替、金利、 企業決算情報などを対象に数値表、グ ラフ(チャート)、銘柄選択情報(約70メ ニュー)などを日次、週次、月次、四半 期、決算期ベースで提供する。サービ ス時間は午前7時から午後8時まで。 営業マンは、自分で注目する銘柄や 指標などの時系列データをもとに銘柄 選択の判断や、ExcelやWordに貼り付 けて自分の情報を付加して顧客に提示 するなど営業活動の促進に役立てるこ とができる。さらに、取引所などのリ アルタイム・データとの併用でより充 実した営業データとして活用できる。 柿 沼 輝 司 氏 は 、 「SAMMIT-Viewの開 発はコスト、期日優 先 で 進 め た が 、 SYSTEMν
をはじめ とする最新技術の採 用などで、システム 開発要件を達成でき た。 今後は、SAMMIT-Viewをもとに、 新ホームトレード・システム(10月稼働 予定)の開発を行う。 一方で顧客の一層のコンピュータ・ コスト削減のために、証券業務システ ム共同化の実現に向け現在各社と検討 している」と語っている。 UNコスト削減、リテール営業の
情報装備を強化
クライアント/サーバ・システムに再構築
コスト、レスポンス、使いやすさを重視
「SYSTEM
ν
」などの高度な
システム機能を採用
営業活動の一層の支援を図る
ホームトレード・システムの開発も推進
共同コンピュータサービス
新日本証券、和光証券、岡三証券および、日本興業銀行の情報系システム の開発・運用を担う共同コンピュータサービスでは、上記証券3社および日本 興業銀行の営業部門向け証券投資情報システム「SAMMIT(Securities And Money Market Information Total services)-View」を開発し、2月2日よりサービ スを開始した。このサービスにより、営業マンはパソコンから容易な操作で 株、債券、転換社債、為替など定型化した数値表、グラフ、銘柄選択情報な どをオンラインで取得し、銘柄の選択や営業推進資料として役立てることが でき、リテール営業の情報装備が一層強化されることになる。 ■共同コンピュータサービス株式会社 ◆新日本証券、和光証券、岡三証券の総 合証券3社と日本興業銀行との間でコ ンピュータ・システムの共同開発・共同 利用を行うため、1983年10月に設立 された。以来、証券投資情報システム、 証券業務システムの共同開発・運用業 務、また、各証券の勘定系システムの 共同化に取り組んでいる。 ◆本社=東京都中央区新川1-28-24 ◆代表者=鷹野原 進社長 ◆社員数=72人 ◆資本金=4億円 ◆使用機種=エンタープライズ・サーバ 「UNISYS2200/500シリーズ」、UNIX サーバ「US1000」×4台、「US120」×3台、 大 規 模 広 域 分 散 シ ス テ ム 環 境 「SYSTEMν
」サーバ×4台証券投資情報システム「SAMMIT-View」を開発
総合証券3社および興銀の営業部門向けオンライン・サービスを開始
金融情報システム
⋮ SAMMIT-ProのデータをFDDI経由でSAMMIT-Viewサーバに蓄積・分析・加 工し、LANスイッチを経由してINSネット64/1500網および高速専用線など を通じて各社のクライアントに情報を提供する。ユーザからの処理要求に 対してSYSTEMν
サーバが各SAMMIT-Viewサーバに自動的に振り分ける。 開発 RAID7 SAMMIT-View 開発サーバ US120U ν 運用管理 サーバ(予備) ν 運用管理 サーバ(本番) ルータ HUB 開発クライアント 8mmテープ ライブラリ 本番 本番 RAID7 RAID7 SAMMIT-Viewサーバ #4 US1000U-A SAMMIT-Viewサーバ #2 US1000U SAMMIT-Viewサーバ #3 US1000U-A SAMMIT-Proシステム SAMMIT-Viewサーバ #1 US1000U ν サーバ ×4 東証64K JASDAQ 東証64K JASDAQ INS-1500 (23B) フィード・サーバ(主系) US120U フィード・サーバ( 従系) US120U SVD51668 F S L I N K ︵ F D D I ︶ L A N ス イ ッ チ ルータ 各社 ネットワークへ Unicenter コンソールPC X-Windows操作PC 監視サーバ SNMPマネージャ パフォーマンス ワークス監視PC 開発νサーバ ELS620071 図1 「SAMMIT-View」ハードウェア構成図 柿沼 輝司氏 出力画面例(東証1部日経平均と出来高の推移)日本版ビッグバンの先駆けとして本 年4月から「改正版外為法」が施行され、 外為業務の大幅な規制撤廃と自由化が 実現し、国際業務はその荒波に真正面 からさらされることになる。 例えば、国内外為業務では外国銀行 やコンビニエンス・ストアなど異業種・ 異業態の本格的な市場参入により熾烈 なコスト競争、新商品・新サービス開 発競争に突入することが予想される。 また、国際金融業務ではジャパン・ プレミアムなどで収益環境は悪化して おり、リスク管理機能を徹底した上で のデリバティブ(金融派生商品)の活用 など新しい高収益分野の開拓が求めら れている。 国際部国際企画課課長 楫野 哲彦氏 は、「こうした激動する金融環境の中 で、国際業務を維持し、かつ収益の柱 とするためには、新商品開発や新たな 収益確保への取り組み、リスク管理機 能の強化などが緊急の課題となってお り、最新情報技術を駆使したシステム 対応力の強化が不可欠となってきた」 と語る。 しかしながら、従来の外為システム は10数年前に導入したシステムであ り、現状とマッチせず、次のような問 題が顕在化してきた。 *帳票類が膨大で、各種手計算や各種 コード入力を必要とし、熟練者でな いと扱えない *システム機能の改善に時間がかかり、 迅速な新商品対応などが困難である *オン/オフバランスの一体化、マー ケット・リスクなどのシステム対応 が遅れ、リスク管理が未整備である。 そこで、金融ビッグバンへの的確な 対応を目指し、次の狙いのもとに外為 システムを一新することになった。 ①新商品・新サービスへの迅速対応 お客様の満足度の高い新商品開発を 迅速化し、早期に市場に投入すること により、顧客サービスの向上を図る。 ②事務コストを極小化し、コスト競争 に挑む 異業種・異業態の参入はコスト競争 の激化となるが、新技術を前提とした “BPRによる徹底したフロー改善”と 機器の操作性向上による“低コスト入 力操作者へのシフト”でトータル・コ ストの低減を図る。 ③リスク管理の徹底 自由化による自己責任時代にマッチ したリスク管理機能の大幅な強化・拡 充を図り、高収益分野を開拓する。 これらの目的実現に向け、日本ユニ シスと共同で新システムを開発するこ とになったが、ユニシスを開発パート ナーとして選定した理由について、 「“IBS”という国際業務系パッケージ を有しており、多くの金融機関で稼働 中など豊富な実績 がある。また、国 際業務に精通して いるSEが他のベン ダに比べて圧倒的 に多く、かつ全社 的な支援体制やプ ロジェクト管理体 制が充実している。 さらに他のベンダが旧システムの改 善・改造をベースに提案したのに対し、 ユニシスだけは当初よりクライアント /サーバ方式による新規開発を提案す るなど提案自体が非常に前向きであっ た。従来と違った視点で全面的に新し いシステムを構築できる力を持ってい るのはユニシスだけと判断し開発パー トナーに選んだ」(楫野課長)。「メンテ ナンスに対する信頼度でユニシスを選 んだ」(システム部副部長 竹岡 渥夫氏)。 新システムは、外貨預金、外貨貸付、 輸出入為替、外国送金、両替といった 従来型の国際業務に加え、外国証券、 デリバティブ管理を含めた、すべての 国際勘定処理を行うシステムで、次の ような機能を実現している。 ①C/S方式による我が国初の国際業務 システム エンタープライズ・サーバ「UNISYS 2200/500シリーズ」とWindowsNT搭載 PCから構成される、国内初のC/S方式 による国際勘定系システムを実現。 ②熟練者不要の容易な操作性を実現 操作表、コード表、マニュアルもす べてオンライン化し、マウス操作によ り項目を選んで入力できる。また顧客 ごとの優遇を加味した計算処理も自動 化しており、国際業務に精通していな い初心者でも操作できる。 ③的確なデータ分析で新商品開発対応 が可能 国際情報系データベースを組み込ん だことにより、システムの知識がなく ても必要な情報を迅速に抽出し、的確 なデータ分析が可能。その結果を反映 することでスピーディな新商品開発が 実現できる。 ④オン/オフの一元管理や時価会計対 応など徹底したリスク管理を実現 従来、バラバラに管理されていたオ ンバランス、オフバランスの一元管理 を実現するとともにデリバティブに全 面的に対応。また時価情報をリアルタ イムに取り込み、マーケット・リスク などのBISⅡ規制、時価会計にも対応 し、徹底したリスク管理を実現。 ⑤最新情報技術の採用でシステム改 訂・機能追加が容易 C/S方式、RDB技術、PC技術、デー タ本位のモジュール化構造など最新情 報技術の採用で、素早いシステム改 訂・追加開発が可能。 旧システムでは約200種類もある操 作表やコード表、計算書などを参照し ながら入力する必要があり、国際業務 に精通した熟練者でないと扱うことが できなかった。「今回の新システムの 活用では、これまでの事務処理の流れ を抜本的に改善する、いわゆるBPRの 推進を目的の1つに掲げたが、①徹底 した操作支援、自動計算などの追求に より熟練度の低い者でも入力が可能、 ②事務の流れを大幅にカットし処理の 簡素化が図れた、③必要な時にいつで も必要情報が入手できる仕組みとした ことにより、事務フローの大幅な改善 が図られ、本来の外為業務の推進に精 進できるようになった。また全体的な コスト低減や省スペース化などの効果 も大きい」(楫野課長)としている。 UN
ビッグバンを睨みシステム対応力
の強化・拡充が不可欠に
迅速な新商品対応やリスク管理の
徹底などを狙いにシステムを一新
豊富な実績や人材、充実した支援体制で
ユニシスを共同開発先に選定
C/S方式による総合的な国際勘定処理や
徹底したリスク管理などを実現
新システムによるBPRの推進で
事務フローを大幅に改善
広島銀行
広島銀行では、日本ユニシスと共同で金融ビッグバンに対応できる、我が 国初のクライアント/サーバ方式による本格的な「新国際業務システム」を開発 し稼働させた。 これにより、本年4月から施行される「改正外為法」によってもたらされる 国際業務関連の経営環境の変化に、的確かつ柔軟に対応できる情報システム 基盤が確立された。 ■株式会社広島銀行 ◆激変する金融環境に的確に対応するた め長期経営計画「ヌーベルプラン21」 を指針に、真に価値ある“グレーター ひろぎん”の実現を目指して、サウン ド・バンキング(健全経営)を堅持しつ つ、地域に密着した総合金融サービス の提供に努めている。 ◆本店所在地=広島市紙屋町1-3-8 ◆代表者=宇田 誠頭取 ◆預金量=5兆2,649億円 ◆店舗数=国内本支店182、出張所38、 代理店7、海外支店3、海外駐在員事 務所1 ◆従業員数=4,201人 ◆使用機種=エンタープライズ・サーバ 「 U N I S Y S 2 2 0 0 / 5 0 0 シ リ ー ズ 」 、 WindowsNT搭載PCなど ―97年3月31日現在―我が国初のC/S方式による
「新国際業務システム」本格稼働
金融ビッグバンに対応できる国際業務関連のシステム基盤を確立
金融情報システム
プルダウン表示画面 新システム稼働式でテープカットする広島 銀行 宇田 誠頭取(右)と日本ユニシス 梶川 昭一常務取締役 広島銀行本店 楫野 哲彦氏金融ビッグバンを勝ち抜く情報技術(2)
特
集
2
日本版ビッグバンのフロント・ラン ナーとして本年4月1日より「改正外為 法」が施行され、外為業務、資本取引、 外貨決済の完全自由化、業務参入規制 の撤廃などが実施される。これにより、 日本の金融機関を取り巻く環境は大き く変化し、金融機関はもとより一般企 業を巻き込んだ競争が一段と激化する ことが予想される。各金融機関ではこ うした金融ビッグバンへ向けての国際 業務戦略として、 ①環境変化に対してスピーディに対応 できる体制の整備とシステムづく り=タイムリーな新商品の提供やサ ービスの拡充 ②さらなる合理化の推進とコストの削 減=事務処理、運用の効率化やシス テム運営の低コスト化 ③現状分析機能とリスク管理機能の強 化=経営判断材料、各種報告資料な どの迅速な提供 などシステム対応力の強化が重要課題 として挙げられている。 国際業務は業務が非常に複雑多岐に わたるため独自のノウハウが必要で、 一貫したシステムとして構築するのは 困難といわれている。日本ユニシスは、 長年にわたり各金融機関と共同で国際 業務のシステム化に取り組み、国際勘 定系はもとより、外国証券、バックオ フィス・サポート、ディーリング、国 際通信など時代が求めるソリューショ ン・システムを相次いで開発し、国際 業務全般を網羅する「IBSパッケージ」 として提供し、都銀、地銀、第二地銀、 信託銀行など60数行での稼働実績を持 つなど高い評価を得ている。 国際勘定系統合システム「IBS21/ E'ARK」は日本ユニシスが金融分野で培 ってきたノウハウを結集し、今求めら れている金融機関マーケットの要望に 的確に対応するために開発された。 日 本 ユ ニ シ ス は 、 こ の 「 I B S 2 1 /E'ARK」を、昨年4月より提供開始し た 「 I B S 2 1 / T I P S S 」* 2と 「 I B S 2 1 / DOC」*3と併せて、21世紀へ向けて の新世代国際総合オンライン・システ ム「IBS21シリーズ」の核として販売を 開始した。 「IBS21/E'ARK 」の全体像は下図のよ うな構成となっており、その特徴は次 のとおり。 ①国内初のC/S方式による国際勘定系 システムを実現 エ ン タ ー プ ラ イ ズ ・ サ ー バ と WindowsNT搭載PCにより構築される C/S方式によるオンライン・システム。 ②WindowsNT搭載PCの採用で使いや すさを徹底追求 *各取引ごとの入力項目を自動表示 *リストボックスを採用し、コードブ ック類を画面にて提供 *取引先などの項目検索機能 *PC側入力チェック *手数料等の自動計算機能 *為替相場、市況情報のリアルタイム 表示 などの機能提供によりユーザ・インタ フェースを大幅に強化。 ③国際勘定系トータル・システムの実現 外貨預金、外貨貸付、輸出入為替、 両替といった従来型の国際業務に加 え、外国証券、デリバティブ、国際金 融管理を含めた総合的な業務処理が可 能。 ④戦略的国際系情報データベースの提供 従来型の国際業務システムで、最大 の課題であった国際系情報データベー スを標準機能として提供し、ユーザ側 での自由な検索・加工を実現。 ⑤リスク管理機能の強化 オンバランス/オフバランスの一元 管理や国際情報系データベースによ り、BISレポートや信用リスクなどの 各種リスク管理機能を強化。 (表参照) ⑥他系システム(国内勘定系など)との 連動によるさらなる合理化 国内勘定系システムとの連動による 情報共有(預金、日計、与信などのデ ータ)や国際系ドキュメント・システ ム、国際通信システムなどとの連動に より、二重入力や多重管理の大幅削減 を実現。 ⑦レス・ペーパー化 操作票の原則廃止、記入帳の電子フ ァイル化により、レス・ペーパー化を 図るとともに、照査事務の削減など事 務処理の効率化も実現 「IBS21/E'ARK」導入による効果とし ては次の点が挙げられる。 ①国際系データベースの提供により、 各商品の現状分析(新規契約、継続 率、解約率、季節傾向など)が迅速 に行え、マーケット・ニーズをいち 早く把握する環境を構築でき、新商 品開発につなげる体制をサポートで きる。 ②国際業務の事務の流れを見直し、事 務処理時間を大幅に短縮できる。 例えば、国際事務では各種連動(国 内勘定系、国際通信/ドキュメント系) によって二重入力の廃止など入力事務 の流れを簡素化できる。また、営業店 事務では、操作表の廃止、ファイリン グの大幅削減を含めた入力事務の効率 化が図れるようになる。 ③情報系データベースの活用により、 繁雑な各種管理資料や報告書の作成 時間を大幅に短縮できる。 事務処理、運用の効率化やシステム 運営の低コスト化が図れる。 ④現状分析機能とリスク管理機能を強 化できる。 国際情報系データベースおよび汎用 検索ツールの提供により、さまざまな 視点からの分析が可能になるとともに 利用者自身での自由検索・加工機能を 利用して非定型的な分析、帳表作成も 簡単にできる。またBISⅡ規制に代表 されるリスク管理、現状分析、各種報 告書作成を強力にサポートできる。 ◇ 「IBS21/E'ARK」の対応機種は次のと おり。 *サーバ=エンタープライズ・サーバ 「UNISYS2200/500シリーズ」および 「ITASCA3200シリーズ」以上 *クライアント=WindowsNT搭載PC 「IBS21/E'ARK」パッケージ・ソフトウ ェア料金は、一括使用料金が2億 1,000万円から、保守料金が月額210 万円からで、出荷は本年4月を予定 している。
金融ビッグバンに向けて
システム対応強化が最重要課題
ユニシスの国際業務ノウハウを
時代が求めるシステムとして結集
新世代国際勘定系統合システム
「IBS21/
E'ARK 」の特徴
「IBS21/
E'ARK」導入による効果
金融ビッグバンに対応する新世代国際勘定系統合システム
「IBS21/
E'ARK
ア ー ク」提供を開始
C/S方式の本格的な国際勘定系システムを容易に実現
日本ユニシスでは、金融ビッグバンが引き起こす経営環境の変化に柔軟に対応 でき、しかもシステム・ライフの長い国際業務パッケージとして、新世代国際勘定 系統合システム「IBS21/E'ARK*1(通称:アーク)」の提供を開始した。 「IBS21/E'ARK」は日本ユニシスが広島銀行と共同開発した国際業務システムをパ ッケージ・ソフトウェアとして商品化したもので、WindowsNT搭載のパソコンを 採用し、高度な操作環境を提供する国内初のクライアント/サーバ(C/S)方式による 本格的な国際勘定系システムである。 〈注〉1 E'ARK:exchange Accounting & Risk
control Kitの略 2 IBS21/TIPSS:SWIFT/TELEX メッセー ジの受発信を中心とし た決済業務を総合支援 する国際通信系システ ム 3 IBS21/DOC:SWIFT /TELEX /MAILデータの 作成やカバー電文をは じめとする電文自動作 成機能などを持つ国際 バ ッ ク オ フ ィ ス ・ サ ポ ート・システム *Windows NTは、米国 Microsoft社の登録商標 です。 国内勘定系 対外系 情報系 etc
⋮
連動 IBS21システム(新世代国際総合オンラインシステム)IBS21/E'ARK IBS21/DOC IBS21/TIPSS 国際勘定系統合システム 国際通信系システム ・エンタプライズ・サーバとWindowsNT搭載PCによるオンライン・システム ・国際勘定系トータル・システム ・戦略的国際系情報データベースを標準装備 ・リスク管理機能の強化 ・他系システム(国内勘定系等)との連動によるさらなる合理化を実現 ・レスペーパ/レススペースの推進 ・最新PCの採用によるユーザ・インタフェースの大幅強化 FAX 国際事務集中部門 取次店 通常店 外為端末 ATM ATM ATM 外貨預金 外為端末 外貨預金 外貨預金 送金リピート 送金リピート 送金リピート 国内端末 国内端末 国内端末 ・外貨預金 ・送金 ・両替⋮ ・取引照会 ・資金移動 etc ⋮ ⋮ EB・インターネット対応 フル外為店 テレフォン・バンキング対応 ⋮ ・外為取引照会 ・仕向送金受付 ・LC開設受付 ・ネッティング照会 etc 国際バックオフィス・ サポート・システム IBS21システム全体像 IBS21/E'ARKの 機能 外国為替 国際金融 デリバティブ 貿易 貿易外経常 資本 外貨資金 外国証券 シ・ローン 金利スワップ 通貨スワップ 為替予約 先物 FRA 通貨オプション 金利オプション 勘定処理 リスク管理 BIS規制 営業店 本部 稟議 クレジットライン カントリーリスクリミット 時価評価エクスポージャカレント マーケットリスク ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ リスク管理機能一覧 UN