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シミュレーションを活用した課題を自ら発見する主体的な学び

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Academic year: 2021

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要旨  社会科・公民科においては,社会的事象に関心を持って多面的・多角的に考察し,公正に判断する能力と 態度を養い,社会的な見方や考え方を成長させることが求められている。  教室にいるすべての子供たちには,今まで経験で培ってきた既得知識を兼ね備えて,学ぶべき現代社会の 諸課題と向き合っている。本稿の仮説は,既得知識と現代社会の諸課題という両者が教材化されたシミュ レーションの介入でマッチングすると,子供たちのスムーズな社会認識形成を可能とするというものである。 この作業,いわば作用力をここでは,「知のモデル化」と定義しており,一言で表せば,子供たちの経験や 既得知識だけで,社会認識を形成することである。 キーワード:シミュレーション,主体的な学び,知のモデル化理論,社会認識形成,授業開発

Ⅰ.問題の所在

 本研究の目的は,中等教育段階における多くの子供 たち(中学生・高校生)が興味・関心を高く示すシ ミュレーションを活用して,現代社会における諸課題 について,自ら課題を発見して,主体的に考察する力 を養うことを可能とする教材の開発である。中学校社 会科公民的分野では,主体的に生きる平和で民主的な 国家及び社会の形成者に必要な公民としての資質・能 力の基礎を育成すること1)が目標に掲げられている。 高等学校公民科では,主体的に考察し公正に判断する とともに自ら人間としての在り方生き方について考察 する力の基礎を養い,良識ある公民として必要な能力 と態度を育てる2)ことが目標に掲げられている。この 実現のため,学校教育現場等では,試行錯誤しながら, さまざまな実践授業が開発されている。  20 世紀までの潮流とは異なり,激変する社会で生 きていくこれからの子供たちには,自らが主体となり 積極的に対象に働きかけ,新たな知識や行為を作り出 す過程を一層重視する「自ら学び,自ら考える」力の 育成が求められている。教育再生実行会議の提言では, 経済活動をはじめ世の中の全ての仕事や活動が,より 良い製品やサービスを提供したり新たな領域を切り拓 いたりして,付加価値を生み出し,人々の生活の向上 や社会の成長・発展をもたらしていくためには,その 第一歩として,まだ,解決されていない課題を発見し, 提起していくことが必要3)であるとしている。このと き,与えられた条件(例えば,教科書や資料集に示さ れている内容や事例)だけで考えさせていては,激動 する社会の変化に十分に対応できない可能性がある。 よって,できるだけ多くの事実関係を教材化すること で,子供たちを文字通り多面的・多角的に考察させる ことが強く求められている。  本研究では,前述の「課題」の定義を,国語辞典が 示す「解決しなければならない問題」としながらも, 「現代社会において,理想的な状態でありながらも現 実との大きな差があること」ともしておく。なぜなら, 自らが課題を発見することで,「現実があまりにひど い。そうであるならば,自分自身が世の中を,社会を 何とか理想的な方向に導いていきたい,導いていくべ きだ」という一人の人間として高い志を抱かせること を可能とするのではないかという仮説が立てられるか らである。よって,その実現を可能とする教材を開発

シミュレーションを活用した課

題を自ら発見する主体的な学び

「知」のモデル化理論による社会科・公

民科の授業開発

The Journal of Economic Education No.37, September, 2018

Proactive learning through simulation for students to find issues by themselves: Lesson development of social studies and civics by modeling theory of learning

TAKAHASHI, Katsuya

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するものである。

Ⅱ.シミュレーション活用の意義

1.学校教育におけるシミュレーション活用の 意義  新井潔は,シミュレーションを用いてさまざまな提 案をして,新しいモノの見方,新しい社会をとらえよ うとした研究者である4)。ゲーミングシミュレーショ ンを学問の対象と位置づけることで,シミュレーショ ンを教育現場で活用できる道標を示した。彼はゲーミ ングシミュレーションについて,ゲーミングの参加者 (筆者註:授業中であれば,子供たち)にとって,「構 造化されたもうひとつの現実世界」での体験であり, この体験をディブリーフィング(「事後の検討」ある いは「ふりかえり」)によって,ファシリテーター(筆 者註:授業中であれば,教師等)の手助けを得て,他 のプレイヤー(筆者註:授業中であれば,クラスメー ト)とともに解釈し,「現実世界」を理解しようとす る学習課程である5)としている。これは,学生が教科 書に書いてあることを抽象的に受け入れるのではなく, ゲーミングを通じて,自分自身の社会経験と他のプレ イヤーとのふりかえりの議論の中から,自分自身で理 論を再構成する訓練となる6)としている。  以上のことから,社会における制度や仕組みを網羅 的に詰め込みがちになりやすい社会科・公民科授業に おけるシミュレーションの有効性を確認でき,今日の 教育において求められる主体的な学びを効果的に進め る一つの手法にもなろう。シミュレーションの手法を 採り入れることは,子供たちの関心・意欲・態度が大 きく高まると考えられるからである。その理由として, ①現代社会は複雑化するばかりで,問題を分析しよう としても難しさを感じてしまう。②黒板上であっても, コンピュータ上であっても,単純化したモデルを提示 してあげることは,子供たちたちのイメージ力をアッ プさせる。③模擬的な活動を繰り返すことで,社会に 貢献するアイデアや論理的思考に結びつきやすい。と いう点を挙げておきたい。これらを上手に活用すれば, 子供たちは前向きに意欲的に授業へ臨むようになると 考えている。 2.シミュレーションを活用した教材の問題点  シミュレーションを教材に活用する利点は,子供も 大人も含めた私たちが意識せずに自然に行動している 日常的な世界から出発して,客観的にあらゆる物事, 本研究で述べる現代社会における諸課題を考察できる 点である。教室において教科書を開かせた状態で,子 供たちたちを客観的な立場に身を置くようにさせるこ とは容易ではないであろうし,当事者の立場は理解し にくいものである。しかし,シミュレーションがこれ から提案する開発した授業で示すような「構造化され たもうひとつの現実世界」に子供たちを引き込むこと で,現実の社会をよりよく理解することが可能となろ う。しかしながら,シミュレーションに対する批判は, 学校現場でも耳にするほど少ないとは言い難い。新井 は次の点を挙げている7)  ① 何を学んでいるのかわからない  ② 授業の統制ができない  ③ 成績の評価ができない  ④ まるで遊んでいるようだ  筆者もこれまで,数々の実践を重ねてきたが,耳を 覆いたくなるような指摘ばかりである。①「何を学ん でいるのかわからない」とは,授業後,今日の授業は 楽しかったけれど,(子供たちは)何を学んだろうだ ろうか,何を学ばせたのだろうかという疑心暗鬼に襲 われた時のものであり,多くの教育者が抱く感覚なの かもしれない。②「授業の統制がとれない」とは,ど の教室でも起こりうることであろうが,特に教育困難 校では統制がとりにくく,珍しくない。③「成績の評 価ができない」とは,活動重視となり,客観的に評価 できる題材を用意できなかったり,仮に用意できたり しても公正・公平な評価が難しかったりすることであ ろう。この問題の克服は容易でないため,今後の課題 にもなろう。④「まるで遊んでいるようだ」とは,シ ミュレーションがゲーム性に富むことで,子供たちが 楽しく取り組むことができるのであろうが,学習目標 が不明確になったり,達成できなくなったりしたとき, 授業にして授業ではなくなってしまうのであろう。  現実には,反復練習で得られる「学習効果の測定し やすい知識」が重視され,シミュレーションが演出し やすいあいまい性のある状況は,学校教育において軽 視されやすいのかもしれないが,シミュレーションを 活用した授業実践が子供の社会認識にどのような貢献 をするのかを明らかにしていきたい。 3.シミュレーション活用の有効性  シミュレーションによって形成される社会認識の過 程を整理したい。まずは,教材の開発者や実践者が, 現実の世界とは別のシミュレーションの世界を提示す

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る。すると,子供たちはある役割を担って参加し,シ ミュレーションの世界の一員として意思決定をする。 このとき,現実の社会の中で培った独自の社会の見方 をシミュレーション世界にも持ち込んで,解釈をしよ うとする。しかし,その世界での自らの解釈が必ずし も通用するとは限らず,プレイを通じて,ルールを身 につけ,教材の開発者が仕組んだものを受け入れるよ うになる。こうしてこれまで経験したことのないよう な異なった社会システムを構築することを可能とする のである。その意味で社会認識を達成したと考えられ る8)と言えよう。  以上のことから,学校現場でのシミュレーションの 活用の意義をまとめたい。 1.授業の実践者は,現代社会の諸課題を認識し,子 供たちにわかりやすい世界を提示することで興味・ 関心を引き出す。 2.授業の実践者は,この世界を基に,日常では経験 させることが難しい状況を作り上げ,活気ある授業 を展開する。 3.授業を受ける子供たちは,シミュレーションを活 用した教材において,自らの過去の経験にもとづく 知識を動員して仮想の役割にもとづいて思考,行動 する。 4.ディブリーフィングにおいて,授業を受ける子供 たちは実践者の助けを借りて授業をふりかえり,シ ミュレーションの世界で経験した事柄,その背景, またシミュレーション自体がどのように現代社会の 諸課題と結びついているのか検討する。 5.授業の実践者と授業を受ける子供たちたちは現代 社会の諸課題について,シミュレーションにおける 体験活動を活かして,社会認識を形成し,公民とし ての必要な資質や能力,態度を育成する。

Ⅲ.先行研究の分析

 シミュレーションを活用した教材開発は,教育学の 領域をも超えて多岐にわたっている。ここでは,その ような実践やそれに関わる代表的な研究について,3 点を分析する。  第一は,藤田詠司「W. ブデンジークの理論を手が かりとして」の場合である。藤田は,ドイツ連邦共和 国における代表的なシミュレーション・ゲーム学習の 研究者である W. ブデンジークが作成した「賃金と利 益」ゲーム盤を分析している。このシミュレーショ ン・ゲームは,プレイヤーが使用者 1 名と労働者数名, センターの管理者(行政や銀行,生産物・機械販売を 行なう)1 名の役割を引き受ける。労働者はより多く の賃金獲得をめざしながら機械と原料をもとにある生 産物を生産し,使用者は利益の増大をめざして賃金と 引き替えに労働者から得た生産物を販売する9)という 内容の教材になっている。ゲームの進行はサイコロの 目に従って駒を進めるので,非常にゲーム性が高く なっている。ここでの「構造化されたもうひとつの現 実世界」は,企業経営であったり,労働組合での活動 であったりすることが考えられる。賃金や労働条件を めぐる葛藤を体験できることは,本研究での開発授業 と非常に近いものがある。しかし,藤田も指摘したよ うに,どのような知識構造をもつ子供にどのような基 本モデルを構成すべきかが明らかにされて10)いない 点が本研究とは異なる。本研究では,中等教育段階は もちろんのこと,初等教育でも実施可能な教材を提示 することをめざす。  第 2 に,横山秀樹「コンピュータ・シミュレーショ ン活用による市民的判断力の育成」の場合である。横 山も,独自の開発教材ではなく,アメリカ国内で,多 くの教育ソフト関係の賞を受賞するほど高い評価を受 け て い る コ ン ピ ュ ー タ・ シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 教 材 “Decisions,Decisions”11)(以下,本教材と略記)を分 析している。本教材は,15 タイトルあるので,ここ ではその中のひとつ,「偏見」を取り上げる。「自分達 が演じるのはスプリングフォールという町の市長であ る」,「Ray の店で,偏見を助長する商品が売られてい たことが原因となり,偏見問題が持ちあがった」,「対 立候補に偏見問題を選挙戦の争点とされ,絶対視され ていた再選が危うくなった」,「市長としてこの問題に 対処する必要がある」という状況を設定している。ま た,市長が,「再選を果たす」,「偏見と闘う」,「観光 事業の拡大」,「すべての人の権利を保護」という同時 に満たしたい 4 つの目的をもっていることも示してい る。ここでは,なるべく多くの目的実現を図らせるた めに,優先順位をつけることで目的の決定をさせる12) 教材である。ここでの「構造化されたもうひとつの現 実世界」は,市長としての市政であると考えられる。 偏見の問題を市長として解決しようとする葛藤を伴い そうな体験は,本研究とまた,近いものがある。しか し,計画性に富んでいるあまり,偏見に関する概念の 学習から始まり,人種差別的ジョーク,住居差別,キ ング牧師などについて,情報シートや新聞の切り抜き から調査させ,性差別などまで研究させている。加え て,偏見・差別に対抗する態度,人に対する肯定的な

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態度,同調圧力についても学習させている。結局のと ころ,5 つの小単元から構成されており,5 時間程度 を必要とするダイナミックな教材になっているようで あるが,本研究の開発教材は 1 時間で実施可能な,あ らゆる教室で取り組みやすいものを目指していく。  第 3 は,福田正弘「市民の多様化に応えるビジネス ゲームの開発」の場合である。福田は市場の多様化に 応じた学習者の多様な意思決定を可能にするビジネス ゲーム(以下,BG と略記)を自ら開発している。利 益条件を満たす経営上の多様な解があり,企業はその 解を独自の戦略として採りうることを理解させること を目的とする13)教材である。ここでの「構造化され たもうひとつの現実世界」は,レストランでの経営で あろう。子供たちたちが意思決定する具体的な場面を 作り,経営の成績を競うものである。つまり,レスト ランの経営者として,料理の価格,料理の材料費,店 の広告費の額を決定し,利益を最大化するというもの である。旧態の BG でありがちなシンプルな構造では, 現実世界との乖離を感じざるを得ないために,市場の 多様化を取り込み,子供たちたちが多様な戦略を採れ るようにしている。しかし,リアリティに富む教材で あるあまり,企業経営,企業戦略を考察する要素が非 常に強くなっている。これが要因となり,対応できる 発達段階はおそらくかなり高い学年層になろう。本研 究では,教材の汎用性を高めることも目的の一つにし ていく。

Ⅳ.授業構成

1.教材化シミュレーションと社会認識形成を 捉える枠組み  ここでは,構造化されるもうひとつの現実世界であ るシミュレーションを反映した教材が,どのように社 会認識形成に結びつくのかを明らかにするための枠組 みを示す。  教室にいるすべての子供たちには,今まで経験で 培ってきた「子供の既得知識」がある。それを兼ね備 えて教室では,社会科・公民科の授業で学ぶべき現代 社会の諸課題と向き合うことになる。この両者が教材 化されたシミュレーションの介入によってマッチング させられれば,子供たちのスムーズな社会認識形成を 可能とするであろう。つまり,子供たちの誰もが何の 気ない日常生活における経験から得られる「子供の既 得知識」と授業で提示される教材化シミュレーション が結びつきで,現代社会を鋭く捉えられるようにしよ うとするのである。この作業,いわば作用力をここで は,「知のモデル化」と定義する。一言で表せば,子 供たちの経験や既得知識だけで,社会認識を形成する ことである。  子供たちにとって,大人たちの世界は複雑怪奇とも 言いたくなるものかもしれない。現代社会の諸課題は, 具体的に頭の中でイメージしにくかったり,捉えにく かったりするゆえに,社会認識形成をスムーズにでき なかったこともあろう。しかし,教材化シミュレー ションは,今までの子供たちの見方,考え方,経験な どの既得知識を活かしてできるようになると考えてい る。 2.教材化シミュレーションと社会認識形成の 関係 ①開発した教材化シミュレーションを踏まえた社会認 識形成  ここでは,「知のモデル化」を踏まえた教材化シ ミュレーションの開発に向け,これによって形成され る社会認識について論じる。  これからは,実際の教材について述べる。シミュ レーション世界を二つのだけの農村に設定する。これ らの村は農業だけを産業とするA村とB村である。農 業だけで生産を成し,生計を立てている村民になると いうシナリオを設定する。子供たちは二つの村(グ ループ)に分かれ,どちらかA村かB村の村民になる という役割を与えられる。それぞれどちらかの村民に なった子供たちは,農業生産に欠かすことのできない 水,つまり,灌漑用水の整備が必要であるというシナ リオを知らされる。その整備には多額の費用を要し, 整備費用を A 村,B 村がそれぞれ公正に負担すれば, 豊富な農業用水を得て農作物の収穫量を増やせること に気づかせる。しかし,自分の村だけが整備費用を支 出しなくとも,相手の村が整備費用を支出さえしてく れれば,ある程度の• • • • • 灌漑用水は流れ続け,相手に気づ かれないうちに農業用水を得てしまえば,ある程度の 農業生産が可能であることにも,授業者が語らなくと も自然と気づいてしまう。つまり,子供たちはいわゆ る,ただ乗り(フリーライド)ができてしまうことに, これまでの既得知識や日常生活における経験だけで気 づかせることがポイントである。  以下は,開発した教材化シミュレーションにおいて, 子供たち自らがどのような行動をしたら,どのような 損益(農産物の収穫量が増える,増えないという❶〜

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❹)がもたらされるかをまとめたものである。つまり, 子供たちは既得知識や日常生活における経験,今まで の見方,考え方によって,自ら❶〜❹を導き出すので ある。 ❶両村が協力する(整備費用を出す)と,農作物 の収穫量が増える。 ❷両村が協力しない(整備費用を出さない)と, 農産物の収穫量が増えない。 ❸ A 村だけが協力すると,経費を出したにも関 わらず十分に収穫量を増やせない。 ❹ A 村だけが協力しないと,経費を出さないで 収穫量を増やせる。 (❸と❹は,B 村についても同じことが言えるが, B 村を再掲しない。)  教材化シミュレーションでは,相手の出方(協力す る,もしくは協力しない)によって,自分たちの出方 も結果(収穫量,つまり獲得できるもの)も変わって いくことに,子供たちは自ら気づいていく。よって, 自らの経験をもとに,どのようにする(協力する,も しくは協力しない)べきかという意思を授業内で決定 させることにする。 ②子供たちの経験を踏まえた社会認識形成  ここでは,「知のモデル化」が結びつける,子供た ちが日常生活においてニュースで見たり,地域社会で 実際に起こったりしていること,つまり,これまでの 既得知識や日常生活における経験を踏まえて形成され る社会認識体制について論じる。  ここからは,子供たちがニュースや地域社会で触れ ることのできる身近な社会問題として,徳島県で実際 に起きたゴミ焼却施設建設計画問題を事例に考える。 本事例の概略は次のようになっている。 《徳島県佐那河内村におけるゴミ焼却施設建設問 題 概要》  徳島市を中心とする徳島東部 7 市町村は,老朽 化したゴミ焼却施設の新たな建設候補地を巡って, 対立が生じている。建設候補地となった佐那河内 村では,住民による大きな反対運動が展開されて, 社会問題となっている。  本事例は日本全国どこにでも見られるような現実世 界での一例として挙げたものである。佐那河内村とい う非常に人口の少ない自治体と比較的人口が多い徳島 市等 6 市町村の自治体の対立の構図が浮かび上がって おり,現代社会の諸課題の一つと言えよう。佐那河内 村と徳島市等がゴミ焼却施設建設計画を進めれば,両 者のゴミ処理はスムーズになり,かつ,佐那河内村は 18 億円の振興費を得て,2 億 6 千万の建設費負担もな くすことができる。しかし,ゴミ焼却施設建設計画を やめてしまえば,ゴミ処理問題は解決することがなく, 佐那河内村の振興費等も得られないこととなる。  本事例について,現代社会の諸課題(本研究ではゴ ミ問題)についての得られる知識は,次の 4 点❺〜❽ が考えられる。 ❺佐那河内村と徳島市等が協力すると,ゴミ問題 が解決する。 (佐那河内村)18 億円の振興費を得る 2 億 6 千万 の建設費負担がなくなる。 (徳島市等)ゴミを処分することができる。 ❻佐那河内村と徳島市等が協力しないと,ゴミ問 題が解決しない(深刻化する)。 (佐那河内村)18 億円の振興費が得られない ゴ ミを処分することができない。 (徳島市等)ゴミを処分することができない。 ❼佐那河内村が協力しない(計画から抜ける)と, ゴミ問題は解決しないが,村民が要望する豊かな 生活は維持される。 ❽佐那河内村だけ協力することは,徳島市等が強 く要望していることから考えにくい。  子供たちが日常生活において,地域社会での社会的 事象や出来事に巡り合ったとき,このような構造に基 づいて子供たちが自分自身で考察しようとする機会は 少ないであろう。そんなとき,自由な経済活動が何を もたらすかを自ら,説明できるようになるのである。 例えば,政府のような調整役が存在することで,佐那 河内村と徳島市等が多くの無駄を省き,効率的な経済 活動を営むことができるようになるかもしれないこと, かつ両者が同じになるという公正な機会が与えられる 可能性があること,また,どうすればそれぞれが対立 することなく,容易に合意できたことなどが考察でき よう。「〜ならば,〜である」という一般化した知識に なりうるのである。

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過程 主な発問など 考えさせたい・理解させたい内容 導入 ・今日はシミュレーションで学ぼう。 展開 ① 【提示資料 1】・【提示資料 1】に基づき,学習内容を理解しよう。  A 村と B 村は農村であり,ふたつの村の間を川が流れている。君たちはいずれかの村民である。A 村と B 村が 協力して近くの川から水を引く大規模灌漑工事を実施すれば,安定した水源を得ることができる。ところが,川 や用水路にはゴミや泥がたまるため,常に整備する必要がある。整備によって,水は安定的に確保されるため, 両村とも収穫を増やすことができる。ここでは,A 村と B 村それぞれが毎年(このゲームでは 1 年間につき数分 間,7年間なので7回),村民会議を開くこととする。整備には費用が必要であるが,収穫によって村に利益もも たらされるため〈2.損得勘定(獲得金額)〉を仮定する。最終的に,それぞれの村ごとに,このような条件下 で工事・整備の実施の可否を話し合い,多数決で村の意思を決定し,〈1.工事・整備の実施の可否〉に可のと きは○,否のときは×を記入する。  〈1.工事・整備の実施の可否〉  村長(学級委員など)を決め,毎年,村ごと(相手の選択がわからないよう)に話し合い,多数決により○ (工事・整備を実施する)か×(工事・整備を実施しない)のどちらかを選択する。その結果,次のパターンで 各村に金銭が与えられる。 ・【提示資料 2】に基づき,ゲームにおいて,各村が獲 得できる金額について説明する。 ・A 村だけで工事をすると半分しか工事費用が集めらないため,半分の水量しか得られないこと。 ・しかも,得られた水を B 村がタダで利用してしまい, A 村の利用量も減ってしまうこと。ゆえに,B 村が工事 をするまで待って,水を利用したほうが良いこと。 ・仮に,B 村が工事をやらなくても,あえて A 村が単独 で実施することで,大きなマイナスを背負うよりはマ シであること。 ・同じことが B 村にもいえるので,結局,相手の決定 にかかわらず,両者ともやらないという行動をとった ほうがよいこと。 ・結果として両者とも工事をやらないことになると, 両者ともに収穫が低いままにとどまってしまうこと。 いわゆる,「囚人のジレンマ」に陥ってしまうこと。 【提示資料 2】  「1 年間の整備費用は 1000 万円(つまり,各村 500 万円づつ必要な程度)かかる。各村が得ることのできる利 益は〈2.損得勘定(獲得金額)〉のようなパターンとなる。 ㋐両村が工事をすれば,水は豊富に入手でき,それぞれ 700 万円(工事費用を差し引くと 200 万円)を得る。 (❶のケース) ㋑両村が工事をしなければ,水は増えることなく,各村増減なし(0 万円)。(❷のケース) ㋒片方の村だけが工事をすれば,水は半分になり,それぞれ 350 万円(工事をした村は 500 万円を捻出しており 差し引き- 150 万円,工事をしない村は労せずしてそのまま 350 万円)を得る。(❸や❹のケース)  〈2.損得勘定(獲得金額)〉 表 1 授業実践の過程 1 年目 2 年目 3 年目 4 年目 5 年目 6 年目 7 年目 Total A 村 × or ○ × or ○ × or ○ × or ○ × or ○ × or ○ × or ○ B 村 × or ○ × or ○ × or ○ × or ○ × or ○ × or ○ × or ○ ❶のケース ❷のケース ❸のケース ❹のケース A 村 ○ + 200 万円 ×   0 万円 ○ - 150 万円 × + 350 万円 B 村 ○ + 200 万円 ×   0 万円 × + 350 万円 ○ - 150 万円

Ⅴ.単元開発

1.授業実践  ここでは,授業実践について,以下に表 1 授業実践の過程で示す。

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展開 ② ・本ゲームの意義を説明し,種明かしをする。両村が協力して,毎年,工事費用を出し続けることで, お互いの獲得金額が 1400 万円になっていたことに気付 こう。どちらかの村が,勝った,負けたに終始するこ となく,どちらの村も勝利するような,ダブルウィン という結果もあったのでは,ないだろうか。今回のゲ ームでは,経済的な課題は自分ひとりではなく,みん なの幸せを考慮する経世済民の視点で考える必要があ ることを指し示していないだろうか。社会において, 個々人が自由に行動したとしても,経済社会全体の効 率が増えるとは限らないのである。そう考えると,A 村と B 村が協力するような村会や国などによる決定, 法整備が必要となることにも気づけよう。国や地方公 共団体に任せたほうが効率的であったり公正であった りする問題もあるのでしょうね。 ・両村が協力することで,お互いに生活が豊かになる こと。 ・経済的な課題を克服するには,自分ひとりではなく, みんなの幸せを考慮する経世済民の視点で考える必要 があること。 ・個々人が自由に行動すれば,経済社会全体の効率が 増えるとは限らないこと。 ・アダム・スミスは,自由放任主義を主張することで 経済社会の発展を説いたが,市場経済は完璧ではなく, 限界もあること。 ・A 村と B 村が協力するような村会や国などによる決定, 法整備が必要であること。 ・市場の働きに委ねれば解決が難しい問題に対して国 や地方公共団体が果たす役割があること。 終結 ① ・どのようにすれば誰かが不利益になることなく公正になるかな?どのようにすれば社会全体の無駄を省く ような効率を生みだして,社会が維持・発展ができる かな? ・どのようにすればよりよい決定ができ,利害を調整 しやすくなるのかな?そして,対立する社会が合意し やすくなるかな? ・国や地方公共団体に任せたほうが効率的であったり 公正であったりする問題があること。 ・どのような決まりがあったほうが対立を防いたり, 互いに合意しやすかったりについて考えること。 終結 ② ・今回,シミュレーションで考えた問題は,あなたが暮らしている地域社会でないですか?同じような問題 がないか考えてみよう。 ・自治体と住民が対立して起こるゴミ処理施設建設問 題が想起できること。 ・これらの問題は,どのようなルールがあれば,自治 体同士が協力できたのかを考察すること。 ・国が自治体の対立を調整するような存在が,スムー ズな合意に結びつくかもしれないこと。 (筆者作成) 2.実践のまとめ  ここでは,子供たちが,教材化シミュレーションか ら体得する子供たちの経験(既得知識)を整理する。 これらの経験を踏ませることで,子供が獲得するべき 社会認識,現代社会をとらえる見方,考え方を形成す るものである。  本実践は,現在までに幅広い発達段階層で数多く, 行ってきた。小学校,中学校,高等学校,大学,社会 人(主に教員対象)のそれぞれである。実践回数は中 学校,高等学校が実際の授業として実践してきたため 多く,小学校,大学は特別授業としての形態,社会人 は教員研修としての形態で数回ずつ実践した。各層で の結果は,Total の獲得金額はそれぞれ異なるものの, どの発達段階においても大きな差異がなく,以下で示 すように,×が先行して出されやすく,次第に様子を 見るように〇が出されるケースが多い。  本節では,最も多く見られた事例を教室のシチュ エーション(図 1 次頁)と授業実践事例を用いなが ら説明する。  授業実践において,「あなたの村は費用を出して灌 漑の整備をしますか?」と問いかけられた子供たちは, 教材化シミュレーションで提示される❶〜❹から一つ, かつ,1 年目から 7 年目までの合計 7 回,村民の気持 ちになって選ぶことになる。このとき,想定される子 供たちが今までの経験や既得知識から思考するパター ンを,ここでは A 村の村民の立場から以下に 4 つ❶〜 ❹を示す。 ❶両村が協力する(整備費用を出す)すると,農 作物の収穫量が増える 自分たち(A 村)としては,できればあまり費 用を出したくはないけれど,大切な水を得るた めに灌漑の整備費用を出すことにしよう。相手 (B 村)も費用を出してくれれば,相手だけで なく,自分たちの収穫が増えてくれる(+ 200 万円同士だ)からうれしいね。 ❷両村が協力しない(整備費用を出さない)と, 農産物の収穫量が増えない 自分たち(A 村)としては,大切な水を得るた めに灌漑の整備費用を出すべきことは分かるが, あまり費用を出したくはないからやめておこう。 相手(B 村)も費用を出さなければ,自分たち だけでなく,相手の収穫も増えない(± 0 円同 士だ)からお互いさまだよ。 ❸ A 村だけが協力すると,経費を出したにも関 わらず十分に収穫量を増やせない

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 授業実践事例  〈あなたの村は費用を出して灌漑の整備をしますか? する=〇,しない=×〉 1 年目 2 年目 3 年目 4 年目 5 年目 6 年目 7 年目 Total A 村 × ○ × ○ × × ○ + 600 万円 ± 0 - 150 万/- 150 万 ± 0 /- 150 万 - 150 万/- 300 万 + 350 万/+ 50 万 + 350 万/+ 400 万 + 200 万/+ 600 万 B 村 × × × × ○ ○ ○ + 600 万円 ± 0 + 350 万/+ 350 万 ± 0 /+ 350 万 + 350 万/+ 700 万 - 150 万/+ 550 万 - 150 万/+ 400 万 + 200 万/+ 600 万  〈そのとき,あなたの村が獲得できる金額は…〉 ❶のケース ❷のケース ❸のケース ❹のケース A 村 ○ + 200 万円 ×   0 万円 ○ - 150 万円 × + 350 万円 B 村 ○ + 200 万円 ×   0 万円 × + 350 万円 ○ - 150 万円 〈結果は…〉【授業実践者(教師)からのコメント】 ・お互い+ 600 万円同士で,引き分けでしたね。でも,本当はどんな結果が理想的だったのだろうね !? お互いに ○を出し続けていれば,お互いに+ 1400 万円になっていたね。それの方が,良かったのではないですか。 ・人間社会では,どうしてもこのような対立の構図が浮かび上がってしまうものですね。アダム・スミスは,自由 放任主義を主張することで経済社会の発展を説きましが,市場経済は完璧ではなく,限界もありますね。 ・政府のような調整役が存在することで,効率的で公正な経済活動を営むことができたかもしれませんね。 ・身近な社会問題などの現代社会の諸課題と向き合うときは,人間社会では対立が起きてしまうことを理解して, そのような中でも,政府が調整したり,あらかじめ法を整備しておいたりすることで,社会に秩序が築かれてい くのかもしれませんね。 (筆者作成) 図 1 教室のシチュエーション(筆者の経験を踏まえて一般化した教室の状況) 黒板 教室内の様子 村長 この川のために、隣村の相談事は聞こえないよ! A村 A村 B村 B村 決めるときは 多数決で 決めるからね 決めるときは 多数決で 決めるからね 村長

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自分たち(A 村)としては,できればあまり費 用を出したくはないけれど,大切な水を得るた めに灌漑の整備費用を出すことにしよう。でも, 相手(B 村)が費用を出してくれなければ,相 手にただ乗り,横取りをされてしまう(+ 350 万円の)形になるので,大変な被害を受けて, 自分たちは大きなマイナス(- 150 万円)だな。 ❹ A 村だけが協力しないと,経費を出さないで 収穫量を増やせる 自分たち(A 村)としては,大切な水を得るた めに灌漑の整備費用を出すべきことは分かるが, あまり費用を出したくはないからやめておこう。 万が一,相手(B 村)が費用を出してくれば, 自分たちがただ乗り,横取りができる形になる ので,それならすごくラッキーだし,大きなプ ラス(+ 350 万円)だな。相手は大きなマイナ ス(- 150 万円)だから悪い気がするけどね。  以上を踏まえ,授業実践において,教材化シミュ レーションから体得させた子供たちの経験(既得知 識)の実例(前頁)を提示する。  川(灌漑用水)を隔てた A 村,B 村の村民は隣村の 相談事が聞こえない状態で,自分の村が費用を出して 灌漑の整備をするかを決定する。つまり,相手の行動, 反応がわからない状態で自分たちの意思決定を行った。 実際の授業では,両村とも×が多く出されるケース, 〇が多く出されるケース,どちらかの村に〇や×が 偏ってしまうケースが見られる。前頁の授業実践事例 では,今現在までの事例で,比較的多い,両村ともバ ランスがとれたケースを示す。1 年目から 7 年目まで のそれぞれの村の決定は下記のようにそれぞれ 600 万 円を獲得した事例である。

Ⅵ.本研究の成果と課題

 本研究は,中等教育段階におけるシミュレーション を活用した社会科・公民科授業を実践開発することを 目的に行われたものであった。  成果は,シミュレーションを活用した教材と現実世 界での対象化された現代社会の諸課題の相互関係性を 「知のモデル化」をベースに構造化して,子どもたち の社会認識形成をスムーズにすることができるように なったことである。また,その実現を果たすべく授業 を開発したことでもある。教材化シミュレーションに よって得る一般化された知識は,どんな学習環境の子 どもたちでも体得できるものなっていることが,本研 究の大きな意義,価値になっている。中学校,高等学 校という中等教育段階を対象とした研究ではあったも のの,小学校でも活用できるレベルとなっている。本 授業実践で子どもたちが必要とする,また,獲得する べき知識は,非常に簡単な,誰もが有する子どもたち の経験(既得知識)だけである。子どもたちが授業実 践であぶり出した知識は対象世界のモデル,つまり, 対象化された現代社会の諸課題,例えば,本研究では 徳島県ごみ焼却施設建設問題を取り上げたが,このよ うな身近な地域社会での課題から,グローバルな地球 環境問題までのようなあらゆる課題について,自らの 経験(既得知識)を用いて,自ら考えることができる ようになるのである。こうして,子どもたちは,生活 世界のいつでも,どこでも現代社会の諸課題に正対し, それらの解決するべき課題に果敢に挑もう姿勢を身に つけるのである。本研究で提唱した子どもたちが獲得 するべき社会認識,現代社会をとらえる見方・考え方 が教材を活用して形成させる「知のモデル化」は,子 どもたちのスムーズな社会認識形成を助けることが明 らかであり,日本全国の子どもたちの学習意欲を高め, 教員の資質向上に寄与するものと考えている。子ども たちがもっているだけの知識で現代社会の諸課題を考 察することのできる意義は,基礎・基本がますます重 視される現代の教育で,必要不可欠である。  一方,課題はカリキュラム編成に結び付けられるよ う,あらゆる学習内容に対応する汎用性の構築である。 社会科・公民科の授業は,一年間を通じて実施するも のである。そのような中で,子どもたちに現代社会を 真正面から主体的に考察させ,人間としての在り方生 き方を真摯に見つめさせ,意義ある人生を送れるよう にして,これからの社会の形成するよう育成していく ものである。激変する社会になってきているゆえに, 学校教育活動において,社会科・公民科の役割や期待 は小さくなることなく,大きくなるばかりである。一 年間の社会科・公民科授業が,しっかりとこどもたち の意欲を掻き立て続けるためには,さらなる授業開発 と連続性が求められている。 註 1) 文部科学省『中学校学習指導要領解説 社会編』,2008 年 7 月,p.111. 2) 文部科学省『高等学校学習指導要領解説 公民編』,2010 年 6 月,p.7. 3) 教育再生実行会議「これからの時代に求められる資質・ 能力と,それを培う教育,教師の在り方について(第七 次提言)」,2015 年 5 月 14 日,p.2.

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4) 新井潔他 4 名『ゲーミングシミュレーション』日科技連 出版社,1998 年を参照 5) 前掲(3),p.30. 6) 前掲(3),p.5. 7) 前掲(3),p.19. 8) 前掲(3),pp.239-241. 9) 藤田詠司「社会科シミュレーションゲームの構成原理」, 『高知大学教育学部研究報告 第 1 部』第 43 号,高知大 学教育学部,1991,p.2 10) 同上 p.10 11) 横山秀樹「コンピュータ・シミュレーション活用による 市民的判断力の育成」,『社会科研究』第 54 号,全国社会 科教育学会,2001,p.22 12) 同上 p.24 13) 福田正弘「市場の多様化に応えるビジネスゲームの開発」, 『教育実践総合センター紀要』第 12 号,長崎大学学術研 究成果リポジトリ,2013,p.107

参照

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