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2016年度日本基礎心理学会第2回フォーラム身体と知覚・認知

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Academic year: 2021

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DOI: http://doi.org/10.14947/psychono.36.25

133 日本基礎心理学会2016年度日本基礎心理学会第2回フォーラム

2016年度日本基礎心理学会第2回フォーラム

身体と知覚・認知

Body perception and perceptual/cognitive processes

based on body representations

日   時: 2017年2月5日(日)13 : 00 ∼17 : 30 場   所: 熊本大学くすの木会館レセプションホール 講 演 者: 川越敏和 (島根大学医学部神経内科)        「高齢者における認知・運動能力と脳内ネットワーク」       平井真洋 (自治医科大学医学部先端医療技術開発センター脳機能研究部門)        「身体に根ざした社会的認知の生涯発達: 身体の「内側」と「外側」の視点から」       雨宮智浩 (NTTコミュニケーション科学基礎研究所人間情報研究部)        「触覚・身体感覚の錯覚を活用した情報提示技術と身体像の理解」       大内田裕 (東北大学大学院医学系研究科肢体不自由学分野)        「幻肢を通してみる脳の中の身体」 企   画: 寺本 渉(熊本大学文学部) 司   会: 和田有史(農業・食品産業技術総合研究機構食品研究部門) 共   催: 熊本大学拠点形成研究「心の可塑性研究ユニット」   (代表: 積山 薫(熊本大学文学部)) 企画の趣旨 身体は特別な存在である。外部環境にある物体はそこ からなくなったり,眼や耳を塞ぐことで知覚の対象から 外れるが,自分の身体は一生涯知覚の対象であり続け る。その一方で,身体は,我々が外部環境を知覚し,働 きかけを行うためのインターフェイスでもある。こうし た特徴を踏まえると,身体を基準に据えた様々な心のプ ロセスが存在するのは当然ともいえる。実際に,姿勢や 運動など身体の状態が知覚・認知に影響を与えること は,アフォーダンス研究を含め古くから報告されてい る。また,近年,認知神経科学の発展によって特定の知 覚・認知機能と脳活動との関係が明らかになるにつれ, 身体と知覚・認知は人間の生涯を通じて深い関わりがあ ることが改めて指摘されるようになってきている。さら に,現在では医学や工学分野と連携して,人間の身体情 報処理のしくみを利用した学際的研究も盛んに進められ ている。そこで本フォーラムでは,身体の知覚・認知あ るいは知覚・認知の基盤としての身体に焦点を当てた研 究をされている4人の講演者をお招きし,最新の知見と 今後の展望について講演して頂いた。 川越敏和氏には,高齢者の認知機能と運動機能の関連 性と,それを生み出している神経基盤についてご講演を 頂いた。高齢者の運動課題成績と実行機能課題成績およ びそれに関わるfMRI計測データの分析から,高機能な 高齢者ほど脳の資源を効率的に使っていることをお示し 頂いた。昨今社会問題となっている超高齢社会における 健康寿命延長に対する施策を考えるうえで示唆に富むも のであった。 平井真洋氏には,自閉症児とその対極で過度な社交性 を示すウィリアム症候群児など非定型発達児の事例を挙 げながら,社会的認知における身体の役割についてご講 演を頂いた。自閉症児は自分の外側にある他人の動き (バイオロジカルモーション)に対する感度が低い一方, この2つのタイプの非定型発達児は両者とも他者の内側 の世界に視点をおくこと(他者視点取得)に関しては苦 手であること等をご紹介頂き,社会的認知の発達と身体 表象の関わりについて議論を行った。 雨宮智浩氏には,触覚受容器の時空間特性や身体の構 造制約が生み出す歪みの解説と,それに基づき考案した

The Japanese Journal of Psychonomic Science 2017, Vol. 36, No. 1, 133–134

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134 基礎心理学研究 第36巻 第1号 「ぶるなび」についてご紹介頂いた。ぶるなびは振動に 対する人の感受性を利用してあたかも手が引かれている ような感覚を生じさせることによって,人をナビゲー ションするというものである。視覚障害者の歩行実験事 例をご紹介頂き,歩行支援に役立つ可能性とその限界に ついて議論が行われた。 大内田裕氏には,四肢切断を行った 90%以上の患者 に見られる幻肢痛および典型的に行われてきたミラーセ ラピーの限界の解説と,氏らが新たに開発している模倣 運動による治療法についてご紹介頂いた。模倣運動によ る治療法とは手や足の映像を使用して,その映像に合わ せて幻肢を動かしてもらうというものであり,四肢の欠 損状態や姿勢に関係なく実施できるという特徴をもち, ミラーセラピーよりも効果が高いという。質疑ではバー チャル・リアリティの利用などについて活発な議論が行 われた。 (熊本大学 寺本 渉)

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