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資料 3 多摩川流域における土砂動態マップ作成の試み 二瓶泰雄 ( 東京理科大学理工学部土木工学科准教授 ) 5. 研究会内容 5.1 開会 : 事務局 5.2 コーディネーター挨拶 : 灘岡和夫 ( 東京工業大学大学院情報理工学研究科教授 ) 5.3 羽田周辺水域環境調査研究発表 [ 発表 ]:

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「第 18 回 羽田周辺水域環境調査研究会 (平成 23 年度 第 1 回)議事概要

1.日 時 :平成23年7月15日 14:00~16:00 2.場 所 :一般財団法人 みなと総合研究財団 会議室 3.出席者 : 風呂田 利夫 東邦大学 理学部 生命圏環境化学科 教授 灘岡 和夫 東京工業大学大学院 情報理工学研究科 教授 石丸 隆 東京海洋大学 海洋科学部 海洋環境学科 教授(ご欠席) 八木 宏 独立行政法人水産総合研究センター 水産工学研究所 水産土木工学部 基盤グループ 環境水理研究チーム長(ご欠席) (東京工業大学大学院 情報理工学研究科 連携教授)(ご欠席) 小川 浩史 東京大学 大気海洋研究所 海洋地球システム研究系海洋化学部門 生元素動態分野 准教授(ご欠席) 木村 尚 特定非営利活動法人海辺つくり研究会 理事(事務局長)(ご欠席) 神田 穣太 東京海洋大学 海洋科学部 海洋環境学科 教授(ご欠席) 河野 博 東京海洋大学 魚類学研究室 教授 (ご欠席) 児玉 真史 独立行政法人水産総合研究センター 中央水産研究所 研究員(ご欠席) 中川 康之 独立行政法人港湾空港技術研究所 沿岸環境研究領域 沿岸土砂管理研究チー ムリーダー 二瓶 泰雄 東京理科大学 理工学部 土木工学科 准教授 鈴木 高二朗 独立行政法人港湾空港技術研究所 海洋情報研究領域 海洋環境情報研究チー ムリーダー 茂木 正人 東京海洋大学 海洋科学部 海洋環境学科 准教授(ご欠席) 田中 祐志 東京海洋大学 海洋科学部 海洋環境学科 准教授(ご欠席) 堀本 奈穂 東京海洋大学 海洋科学部 海洋環境学科 助教(ご欠席) 浜口 昌巳 独立行政法人水産総合研究センタ- 瀬戸内海区水産研究所 生産環境部 藻 場・干潟環境研究室室長 (併任:広島大学大学院生物圏科学研究科客員教授)(ご欠席) 上月 康則 徳島大学建設工学科環境衛生工学研究室 教授(ご欠席) 渡邉 敦 東京工業大学大学院 情報理工学研究科 助教(ご欠席) 齊藤 肇 独立行政法人水産総合研究センター水産工学研究所 研究員 (ご欠席) 碓井 敏宏 東京大学 大気海洋研究所 海洋地球システム研究系海洋化学部門 生元素動態分野 特任研究員 鈴木 覚 特定非営利活動法人 海辺つくり研究会 理事(ご欠席) 事務局 国土交通省 関東地方整備局 横浜港湾空港技術調査事務所 4.配布資料: 研究会次第、出席者名簿、 発表資料 資料―1「羽田沖の海底境界における物質移動」 中川 康之( 独立行政法人港湾空港技術研究所 海洋・水工部 沿岸環境研究領域 沿岸土砂管理研究チームリーダー) 資料―2「2010年度ベントス幼生プランクトン調査 ― 貧酸素水の分布への影響 ― 」 風呂田 利夫(東邦大学 理学部 生命圏環境化学科 教授)

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資料―3「多摩川流域における土砂動態マップ作成の試み」 二瓶 泰雄 (東京理科大学 理工学部 土木工学科 准教授) 5.研究会内容 5.1 開 会:事務局 5.2 コーディネーター挨拶:灘岡 和夫(東京工業大学大学院 情報理工学研究科 教授) 5.3 羽田周辺水域環境調査 研究発表 [発表]:各研究者 [質疑応答]: (1)「羽田沖の海底境界における物質移動」 ① 底泥境界モデルの構築 について 鈴木(高) モデルで後者は、どうやって応力を与えるのか。 中川 鉛直方向に一様に作用しているという状況を仮定している。 風呂田 滑走路の下だと、貝殻が一緒に入っている。流動泥の性格に関して物理的な対応も違 ってくると思が、貝殻まじりのときにはどういう形で評価ができるのか。 中川 泥の場に関しては総体を評価して、貝殻がどれくらい動くかというのは、例えば貝殻の 密度等を与えて、それがどれくらい泥と一緒に動くかを評価していくことが一つのやり方とし てあるのではないかと思う。 風呂田 橋脚の下の今の状況は、貝殻の間に泥がたまっているというような感じだと思う。だ から泥で決まっているのか、貝殻で決まっているのかというのも、まだよくわかっていない。 もし調べるとすれば、どういう形でその部分を調べたらいいのか。 中川 貝の落ちている密度によってモデルが変わってくる。余りにも泥と密度の違うものが入 ってくるとなると、それなりのモデル化が別に必要になってくると思う。 風呂田 これは場としては動かないことが前提であるが、大きな地震があったときに、流動泥 は、どういう挙動をするのか。もし、実際に場が動いた場合どうなるのか。 中川 底質のサンプリングで表層の泥の状態がどれくらい変わっているかというのは、興味深 いところだと思う。東京灯標のデータでも、津波が来たとき 50 センチ以上の流れがあったので、 その影響を受けて、かなり揺すられているとは思う。 灘岡 巻き上げの話で、δC、δz があったが、あれは境界面のどちら側の勾配か。 中川 観測値を使ってこの結果を出したものは、底面上 10 センチの濃度と泥の界面。コアサン プリングで、表層の濃度の勾配をとっている。 灘岡 かなり大き目にとっていることになるが。実際にそういうふうにギャップがあるような 分布になっているのか。 中川 ここでΔh=10 センチという値になっているが、数値シミュレーションでの空間分解能 を意識して、この厚さをとっている。計算だと 20 センチ~30 センチの厚さでもって上層点が 決まる。 灘岡 最終的にはローカルな微係数ではなく、バルク式みたいなやり方で、やっているのか。 中川 そうである。 灘岡 流速分布を見ると、変曲点を持っている。ということは変曲点不安定が起こりやすく、 割と、渦が出やすい状況なのか。 中川 概念図ではこういうふうに書いているが、そうである。

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② 底面近傍DO濃度変動特性 について 灘岡 ローカルな勾配でやるよりは、かえっていいという気はする。 風呂田 昨年8月 17 日から 18 日にかけて、沖合底層からの、底層水の貫入による DO の供給が あったが、東京灯標では、それはとらえられていないか。 中川 過去の観測で、沖合からの酸素供給を言われている。ただ、東京灯標だと、その水はま だ到達してこない。むしろ、その間にある貧酸素の水が湾奥に寄ってくる。東京灯標で見ると、 むしろ、湾奥の水が入ってきているが、東京灯標にとって、その間にある貧酸素の水が、より 寄せてきている状況にあるのではないかと思う。 鈴木(高) 波が大きかったときに、酸素がしばらくしてから増えたという話であったが、そ のとき、表層から底層までの密度勾配は、だんだん緩くなっているのか。 中川 一様化している方向にはある。DO が回復した時期について見ると上下差が小さくなって いる状況である。それ以外のときは、途中で躍層があるような密度構造になっている。 (2)「2010 年度ベントス幼生プランクトン調査」 中川 例えばアサリの死亡は 0.2mg/L 以下というのがあったが、これは幼生であるが、着底し たものも同じような数値か。 風呂田 このときの報告には幼生だけしかなかったが、記載としては、「そういう貧酸素水塊に 入ると、自分自身で泳ぐ力がなく、海底に落下してしまう。そのため、それ以上、成長はでき ないだろう。」と言っている。着底したものについては、発生段階のどのあたりのものがあるの か思いつかないが、アサリの貧酸素耐性とはまた別にデータを出しているだろうと思う。 中川 貧酸素の状態が続いて、間欠的に DO が回復したようなときに、貧酸素の中にいたものが、 じっと耐えて、間欠的に酸素が来れば大丈夫なものなのか。それとも貧酸素の状態が一旦でき てしまうと、もう死んでしまうのか。 風呂田 若いものについては余り情報はなかったと思うが、アサリの親に関しては、どれくら いで死ぬのか、特に青潮が発生した場合にどれだけ耐えるのか相当研究の例があるが、非常に 不安定である。アサリ自体の健康状態によって、元気なやつは、1週間耐えることもある。そ れから、もし死貝が発生すると、その死んだ生物の腐敗によってさらに水質が悪化する。そう いういろいろな効果があって、何 mg/L が危ないのかというのは、なかなか測定できていないと 思う。 二瓶 日変化を測ったところでは、きれいに貧酸素の上に幼生がいるというふうに思ったが、 縦断分布をやると、いろいろな種類が貧酸素水塊の中にいる。そのあたり、結果が違うような 感じがたが。 風呂田 垂直分布に関しては、75%の個体がとれた範囲でしか示していないので、居ないとい うわけではなく、そこに主分布域があるというふうに示している。特に河川の中のほうが、貧 酸素水塊の中に出てくる密度は高いように思うが、水深2〜3mのところで起こっているので、 何かの具合でそこにいるのかもしれないし、あるいは押し込められてきて、そこに集約が起こ っているのかもしれない。だからもっとミクロなレベルで幼生の密度が変わっていて、それが 本当に貧酸素耐性なのか、圧迫を受けた結果なのかというところが、わからなくなっている。 二瓶 基本的には、昼は下のほうに行きたがる。そうすると底層のほうにいたがるが、そこに 貧酸素水塊があると、それは幼生にとってよくない状態か。 風呂田 アサリは上がろうとしていて、上がり切れない場合には、そこで運動能力がなくなっ て落下してしまう。イソガニを紹介したが、貧酸素水塊の中だと、広域になっていると湾奥の ほうに出てこない。貧酸素水塊は底層であるので、底層に行けない結果として奥に運ばれなか ったのか、それともそこで生理的な限界で死亡してしまったのかそれは分からない。むしろ広

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くなればなるほど、長期になればなるほど、全体的な分布が阻害されてきて、結局出てこない だろう。死ぬのか運ばれないのか判断に迷っている。できれば物理系と一緒に、うまく判断で きるような材料が集まればと思っている。 碓井 DO の分布が河口域の中で低いという話があった。低 DO が何によるのか、ざっと見ると、 塩分の分布の関係を見ると、DO と対応していない。どちらかというと、河口域の中で発生した 低酸素のように見える。だから同じような水が侵入してきたというなら、塩分と DO の対応が見 られると思うが、河口のあたりで切れている感じなので、どちらかというと内部で発生したよ うな印象を受けた。 風呂田 このあたりの河口断面の水質調査データは、今までで結構蓄積されているので、DO が どのような分布状態をしていたのかを調べてみたいと思う。これがもし内部由来であれば、内 部でどのようにして貧酸素水塊ができるのかということを考えなければいけないし、外部由来 であれば、本当に底層水から上がってくるのか、それに対してまたDランの下部の影響がどう なのかというあたりを考えなければいけない。河口の中の DO がどうして減少するのかというプ ロセスの解明は、この研究会としては、かなり必要な研究課題ではないかと思う。 灘岡 こういう動物プランクトンの浮遊時の生残を決める要素として、餌の環境というのはど れくらい効いているのか。 風呂田 生残を決定している要因を解明した研究はないと思う。十脚目甲殻類はほとんど動物 プランクトン食である。ほかの小型の甲殻類の幼生も含めて。だから餌には困っていないだろ う。 風呂田 十脚目甲殻類には植物プランクトンを食べるものはほとんどいない。基本的には肉食 である。ただし、二枚貝と多毛類は、かなり植物プランクトンを食べていると思う。今回、種 がわかっているのは、この十脚目甲殻類だったので、これでやっている。 灘岡 単純に餌が多いところに集まるということはないか。 風呂田 それほど能動的に集まれるほどの動きの力は、多分ないと思われる。 灘岡 微妙なところは、すこし下のほうで、躍層の近く。深いところの 24 時間連続観測の鉛直 分布の話で、あれで確かに貧酸素のところを避けているようにも見えるが、同じように、例え ば水温条件とか塩分条件も、躍層を境に変わる。そのことから考えると、これをもって単純に 貧酸素を避けていると言っていいのか。 風呂田 貧酸素がない状態のデータはない。 灘岡 実際、浅いところは、貧酸素にかぶっているデータがある。例えば単純に、上層のほう が光がいっぱいあり、もし植物プランクトン性であれば、上層のほうがプランクトンがいっぱ いいて、それでいるのではないかとか、いろんな理屈が思い浮かぶが。 風呂田 今回扱ったグループではデータはないが、イッカククモガニに関しては、15mである が躍層下までおりてきているのはあった。したがって、おそらく貧酸素水が阻害要因になって いるだろうというぐらいだ。だから、まだ貧酸素水がない、あるいは貧酸素水がないときに当 たった、しかも高温期のデータが一緒に得られるか、あるいは外洋か湾口に近い貧酸素化の少 ないところでダブルチェックしないと、確かに最終的な結論は出ないとは思う。 碓井 塩分の変化は、幼生にはどれくらい効くか。幼生が水とともに流されているのであれば 河口域だと塩分が変わる。鉛直方向でも変わると思うが、その好みとか耐性はどうか。 風呂田 やはり種類によって違っているが、例えばマルバガニは完全に沖合の、潮が全然引か ないところにいるカニで、そういう意味では高塩分の環境で親はずっといる種類である。でも、 資料を見ると、かなり表面まで上がってきていて、少なくとも今回の東京湾の低塩分くらいだ ったら耐えることができる。クロベンケイガニというのは、もともと淡水で幼生を放出する種 である。去年のシンポジウムのときに、学生が発表していたが、川の真水の中で幼生を生んで いて、それが流れ出していく。だからかなり低塩分に対する耐性はあると思う。それでも同じ

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ように夜に上がってきている。低塩分水の中に入ってきているので、結構いいかげんなのでは ないか。少なくとも内湾にいるものが、そんなにデリケートな塩分反応をしていたら、やって いけないのかと思う。もちろん限界はあるが、それほど顕著な影響は出てこないようなものし か、東京湾の内部では生き残れないと、あくまでも推測であるが思っている。 (3)「多摩川流域における土砂動態マップ作成の試み」 碓井 L-Q 式が流量によって変わるというのは、一般的にはどのような要因で変わると言われ ているのか。 二瓶 単純に、流量が増えるということは、いろんな土壌を侵食する強さが増えるので、それ が強くなればなるほど、土砂輸送量が増えるという意味。傾きとしては、緩い傾きから、きつ い傾きになるというのが一般的。今回の秋川、浅川は、最初の洪水初期に余りにも土砂輸送量 が大きいので、最初に傾きがきつくて、だんだん緩くなったという、逆の傾きになってしまっ たということ。前者のほうが一般的ではある。 碓井 前者のほうが一般的であるが、連続の式ではなく、2つになってしまうというのは、ど うなのか。 二瓶 同じ傾きがいろんな水質項目にもある。これは土砂なので、土砂の限界掃流力が働いて 初めてやっと動き出し、それが土砂生産や土砂輸送につながっていく。低流量で土砂移動を起 こさないようなせん断力しか働かないと、そんなに増えていかない。それがある一定以上働く と、多分こういうふうに、非常に大きくなるというのは、それは十分あり得ると思ったが、そ れが今回は逆だったということ。 中川 図面(P.8)で、低流量時にファーストフラッシュとあるが、そこそこの出水であると思 っていいのか。 二瓶 秋川と浅川で言うと、例えば、普段は数トンぐらいしか流れていないが、それが数十ト ンぐらいの洪水の規模で、10 トンぐらいのところで非常に高い濁度になるという感じである。 平水時からの立ち上がりがすごく大きいという、そういう感じである。 中川 例えば流量から土砂供給量とかを、この式を使って算定していくと思うが、それは平水 時も込みで時系列的にやっている事でよいか。 二瓶 もちろんやっている。 灘岡 この1つのデータは、1つの出水イベントに対応するのか。あるいは1つの増水期、ピ ーク、減水期とあって、その何点かをとっているのか。 二瓶 そうである。いろんなデータを含んでいる。 灘岡 そうすると同じ流量でも、それは増水期なのか減水期なのかというのは、これからはわ からないということか。 二瓶 わからないというか、全部含んでいるということ。 灘岡 ファーストフラッシュというのは、普通、フラッドイベントがあったときに、増水期に、 最初、一気に出てしまうというのをいう。単に流量が低いときと大きいときと、全部込みに、 いろんな出水イベントを全部並べて、低いときを言うということではないと思う。 二瓶 本当はもっと細かく見なければいけないのかもしれないが、ここで示しているのは、す ごく膨らんでいるようなところ(P.7 左上の図の真ん中あたり)を無理やり平均している。デ ータ数、増水期・減水期の測っている時間などで、多少どちらかに引っ張られてしまっている かもしれないが、平常時ぐらいで、ばらつきが非常に大きいというのが、今言っている、こう いう、洪水のループに相当していて、それを重みづけで平均している。 灘岡 ヒステリシスの効果は、全部そこでならしてしまっているのか。 二瓶 そうである。均して、ああいう結果が出ている。 灘岡 河道内由来が多いという話があったが、河道からの供給量は、どうやって出しているの

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か。 二瓶 下流の調布堰の値から流入するものを差し引いたものである。だから、全部測った値で はなく、推定をしているので、まだ検討しなければいけないところはある。多摩川は、2007 年 の台風9号のときは、礫同士が当たって、音がするぐらいだったらしい。流速で5mくらい出 ているので、それがぶつかって、一部砕けていったという話は、おかしくもないと思う。 灘岡 浮遊砂としての河道内貯留量というのは、もともと多いのか。 二瓶 いわゆる樹林化とか、中州が固定化されるとか、そういう量で言うとすごくあったと思 う。大出水があっても、そんなに全部中州が流されたとか、そういう感じではない。それも一 部、供給源になっていると思う。

灘岡 Root Mean Square というのは何の Root Mean Square か。

二瓶 各元素の割合というのがあり、その単純な差の二乗、その Root Mean Square である。 今で言うと、礫と細砂の各元素の割合の差。 灘岡 礫対細砂間の特性値の差を言っているのか。 二瓶 そうである。それを見ると、調布堰は実はすごく似ている。それがさっき言った話と、 意外と関係していると思っている。 灘岡 例えば流量レベルで、低流量のカテゴリーと中間、高流量と分けたときに、違ってこな いか。 二瓶 大きい出水があるかないかとかという意味も含めてだと思うが、関係あると思う。 碓井 礫同士が動くような現象が起こるか起こらないかというのは、多分、閾値みたいなもの があるが、あるところから急に起き出すというのは、ありそうな気がする。 二瓶 そう思が、実は、礫はものすごくしょっちゅう動いている。観測していると、濁度計が 礫で埋まりそうになるぐらい動いている。特に浅川ではそうである。それくらい礫の移動が激 しい。実は河床変動もすごく激しい。 灘岡 細砂と言っているものには、ウォッシュロードも含んでいるのか。 二瓶 ウォッシュロードだけである。 灘岡 ウォッシュロードと、普通で言う、狭い意味での細砂とを分けて解析してはいないのか。 二瓶 分けていない。単に、とってきた底質をふるいに分けて、これは 100 マイクロ以下でな いと分析できないので、そのようにふるい分けたものだけです。だから、いわゆるウォッシュ ロードの成分に近いものである。幾つか小分けしてやるというのは、原理的には、できなくは ないと思う。 灘岡 100 マイクロだと 0.1 ミリだから、見た目に細かい砂である。でも、ウォッシュロード は、もっと細かいものも言う。 二瓶 その辺は人によって違う。100 マイクロ以下をウォッシュロードというふうに一括して 言う人もいるし、更に細かいものを言う人もいる。でも分けるとしたら、大体、74 とか 100 と か、それくらいである。 灘岡 74 はもうシルトである。 二瓶 粘土・シルトである。ただ、実際の浮遊砂、出水時の採水の観測もしているが、それは 20 マイクロぐらいが中央粒径である。それであるともっと細かい粒径別でやってみてもいいの かもしれないが。 碓井 この細砂というのは、いわゆる細砂のフラクションではなく、細砂以下のものもまざっ ているのか。そうするとシルトもクレイも入っているのか。 二瓶 そうだ。 風呂田 実際に、細砂にしろシルト・クレイにしろ、それらが流れてきて、どれくらいの割合 になるのかということと、それが、どういう状況でどこにたまりやすいのか。それが多摩川河 口あるいは前置斜面の地形に及ぼす影響としては、どのようにとらえたらいいのか。

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二瓶 まず、どういうものが流れているのかというのは、出水では大体、粒径で言うと 30 マイ クロ以下でも7〜8割ぐらいである。その一部が川岸にたまったり、高水敷にたまったり、あ とは河口干潟などにたまったりしていると思う。更にもっとすごく軽い、10 マイクロ以下とか 数マイクロぐらいの粒径のものは、多分、海に行って、比較的まだ浮遊している状態であると 思う。干潟や川岸、高水敷などにたまるのは、もうちょっと大きいものだと思う。 風呂田 例えば河口域の堆積成分としては、どういう流量のときから急に効いてくるのか。結 局、河口地形への影響ということで考えたときには、どれくらいの流量が影響するのかという あたりはどうか。 二瓶 非常に難しい問題だと思う。実際に浮遊しているものが沈降するフラックスを考えたと き、浮遊している土砂の粒径、例えば 30 マイクロが中央粒径だとすると、その沈降速度よりも、 例えば 100 マイクロとか 200 マイクロの沈降速度のほうがはるかに大きい。だから沈降フラッ クスの中央値を見ると、決して 30 マイクロではなく、実は 100 マイクロ、200 マイクロになっ てしまう。そういう地形形成に効くのは、決して細かい浮遊しているもので大部分を占めてい るものではなく、実はそういう細砂成分だと思う。 灘岡 たまる場所として、どこを考えるかによる。つまり河口から少し離れたところであれば、 もう少し細かいものも十分たまる。 二瓶 そうだ。 灘岡 2007 年の出水のときは何ミクロンがたまったのか。 有路 10 マイクロである。 二瓶 10 マイクロは、そのような台風のときも中央粒径だったと思う。 (了)

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