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細菌または真菌の抗菌薬感受性の検査方法およびそれに用いるシステム

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Academic year: 2021

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全文

(1)

有効な抗菌薬を迅速に選ぶ

ための簡易感受性測定法

大阪大学産業科学研究所 感染制御学研究分野

特任研究員・客員教授 松本 佳巳

准教授 西野 邦彦

大阪大学産業科学研究所 技術室 係長 榊原 昇一

東京大学大学院工学系研究科 応用化学専攻

講師 飯野 亮太

(2)

技術の概要

耐性菌の増加に伴い抗菌薬適正使用のため

に迅速で簡便・低コストの薬剤感受性検査が

求められている。本技術は、微細加工による

顕微鏡観察に適した新しい考案品と検査室に

ある顕微鏡を用いて、抗菌薬感受性を簡便迅速

(≦

3時間)に測定する方法である。

[商品の仮名称]

DSTM

(Drug Susceptibility Testing Microfluidic device)

DSTM-analyzer

(画像解析ソフト)

(3)

想定される用途

• 細菌・真菌感染症の最適治療薬を選ぶ

ための起因菌の感受性チェック

• 多剤耐性緑膿菌などのスクリーニング

(院内環境汚染チェック)

(4)

研究の背景

• 薬剤耐性菌の増加

(不適切な医療・環境汚染)

• 易感染宿主の増加

(高齢化・高度医療)

• 新しい抗菌薬の開発は低迷

(メーカーの撤退)

• 最適な抗菌薬を適切に用いる技術の必要性

– 薬を選ぶための起因菌同定・

感受性測定

の迅速化

– 薬の活性と体内動態を考慮した投与法

救命率向上、無効な薬剤の使用量減少

耐性菌を生まない治療法の確立、医療費削減

Sustainability

(5)

感染症治療・検査の現状

当日 2日目 3日目 広域抗菌薬を投与 最適な狭域抗菌薬に変更 検体採取 細菌検査 グラム染色 菌種同定 分離培地 感受性検査 選択培地 への塗抹 de-escalation 起炎菌とその 薬剤感受性が判明

(6)

治療に及ぼす検査の迅速化の影響

当日 2日目 広域抗菌薬を投与 最適な狭域抗菌薬に変更 検体採取 細菌検査 グラム染色 菌種同定 MALDI/TOFMS (<30 min) 分離培地 感受性検査 選択培地 への塗抹 DSTM法(3hr) de-escalation 迅速化による波及効果 ○救命率向上 ○無効薬の使用量減少 ○菌の耐性化の抑制

医療費削減

(7)

新しい感受性測定法のコンセプト

• 簡易

:誰でも何処でも測定可能

• 迅速

3時間以内

• 安価

:設備投資不要でラニングコスト

(8)

菌液を注入

多剤耐性緑膿菌検出用のDSTM

顕微鏡による

観察領域

三種の 薬に 対する感受性の 有無を検査で きる 4本の流路を一視野で観察できる 薬剤は、あらかじめ固定されている

(9)

専用の小型顕微鏡を作り

検査システム全体の小型化も可能

通常の顕微鏡と接眼レンズ投げ込み式カメラでもOK

場所を取らず、高額な機器を必要としない

(10)

より詳細な評価用DSTM

5薬剤の耐性検査用 3濃度5薬剤の検査用

観察領域の流路: 幅100 μ、間隔50 μ

CPFX(1) AMK(4) cont MEPM(1) CAZ(4) PIPC(16) CAZ 0 4 8 16 μg/mL

(11)

緑膿菌 感受性株S16 3時間後の画像

メロペネム

(MIC 0.25 μg/mL) 0 1 2 4

ピペラシリン

(MIC 4 μg/mL) 0 4 8 16 流路の底(ガラス付着菌:上段)と中央(浮遊菌:下段)の観察画像の比較 +++ S S S +++ S S S 伸長化 伸長化 球状化 運動能消失 菌数減少

(12)

従来技術とその問題点

• 手動法が

3種あるが、手間がかかり、結果の

判定までに

18時間以上かかる

• 自動化が進んでおり、自動機器が

5種市販さ

れているが、いずれも高額(

1千万円以上)で、

迅速化の点で十分ではない

4時間の迅速法が上市されたことがあったが、

検査技師の残業を招くという理由で受け入れ

られなかった

• 細菌検査は一般に赤字となっている

(13)

新技術の特徴

• 迅速

– 増殖の遅い緑膿菌でも

3時間以内に判定可能

• 簡易

– 一定の濁度に調製した菌液(既存法と同じ)を入口の

穴から入れるだけで準備完了

3時間培養後に顕微鏡で判定する(自動判定ソフトを

用意する)

• 安価

– 臨床検査室に常備されている顕微鏡が利用でき、

設備投資が不要で、

1枚あたりの単価も安い

(14)

従来技術との比較・優位性

本技術 自動測定機器 先行技術 手動法 検査法 DSTMとanalyzer 各社より5機種 ①微量液体培地希釈法 ②E-Test ③Disk法 培養時間 ~3hr 3~20 hr (緑膿菌は≧8 hr) 18~20 hr 必要な処理 (菌の分離と菌液調製 までは同じ) 菌液接種は簡単 顕微鏡観察(写真撮 影/パソコン判定) 菌液接種は簡単 機器による自動判定(濁度また は色調変化) 菌液接種に手間がかかる (方法毎に異なる) 濁度計測/目視判定、他 コスト 設備投資不要 安い(1枚5薬1200円 程度を目標) 高額機器(1500~2000万円) ラニングコストも割高 (1500~1600円) 設備投資不要 ¥1000~1500/plate (8-12 薬) ¥298-734(E-test),¥25(Disc) /薬 保存スペース 廃棄物 小さいので場所を取 らない 廃棄物の量が少な い 機器自体が大きく、消耗品も嵩 ばる 薬剤入りの感受性プレートは、 大きな保存スペースが必要で ゴミの量も多い • 菌数の増減だけでなく、運動性や形態の変化も合わせた評価が可能 • 画像解析技術による自動判定によりさらなる迅速化も可能 その他

(15)

実用化に向けた課題

• デバイスの大量生産と製造コスト削減

(100⇒1万枚/日)

– 加工費用の低減(材料費は安い)

• 金型作成

• 成型時の工夫による穴開け作業の省略または機械化

• PDMSとガラスの接着法の効率化

• DSTMの精度管理

– 薬剤固定の自動化(微量薬液分注機の導入)

– 精度・安定性の評価

• 判定基準の設定

– 菌種毎、薬剤毎の判定基準の設定

– 画像解析による判定法の自動化とさらなる迅速化

• 臨床評価による標準法との相関性

• 申請・販売

(16)

企業への期待

• デバイスの大量生産と製造コスト削減

(GMP)

• DSTMの精度管理

(GLP)

• 判定基準の設定

• 臨床評価による標準法との相関性

(GCP)

• 申請・販売

協力企業あり

募集中

資金援助

(17)

実施体制

DSTMのデザイン最適化 精度・安定性の検討 判定基準の確立 産業科学研究所 アドバイザー 荒川 宜親 教授 (名古屋大学医学部) DSTM製造 外注先あり (中小企業) 判定ソフトウェアの作成 産業科学研究所(八木研) 外注も可能性あり 標準法との相関性 (株)BML 臨床評価 岡崎市民病院 船橋市立医療センター 他 申請・販売 会社未定

(18)

市場性

院内感染由来分離株数は、全国で年間約

1,600万株

(JANIS2010の報告から推定)

感受性検査の保険点数は(1点=¥10)

1菌種 130点、2菌種 170点、3菌種以上 220点

保険点数の範囲で検査すると

約200億円

の市場規模

(2007年時点で100億円:富士経済

https://www.fuji-keizai.co.jp/market/07077.html

緑膿菌は、推定

25,000株

/年(最初の標的)

一般的な

グラム陰性菌およびグラム陽性菌

用の検査チップを用意し、

市場規模を拡大する

欧米や中国、インドなど海外市場も大きい

抗菌薬は、畜産業、農業、水産業など多方面で用いられており、

環境中の耐性菌が問題となっていることから、医療以外のニーズも

見込める

参照:JANIS(厚生労働省 院内感染対策サーベイランス事業 http://www.nih-janis.jp/about/index.html

(19)

本技術に関する知的財産権

• 発明の名称: 細菌または真菌の抗菌薬感受性

の検査方法およびそれに用いるシステム

• 出願番号: PCT / JP2012 / 072181

2012年8月31日)

公開番号

WO2013/038925A1

• 出願人:国立大学法人大阪大学

• 発明者:松本佳巳、葉山浩平、榊原昇一、西野

邦彦、山口明人、野地博行、飯野亮太

(20)

産学連携の経歴

• 2007年

-2011年 第一三共(株)と共同研究 実

「多剤耐性菌感染症を克服する新規治療薬の開発」

/ 「多剤排出緑膿菌検出キットの開発」

• 2012年

-2013年 JST A-STEP探索タイプに採

(21)

お問い合わせ先

大阪大学

産学連携本部 総合企画推進部

TEL

06-6879 - 4206

FAX

06-6879 - 4208

e-mail contact@uic.osaka-u.ac.jp

参照

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