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Academic year: 2021

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●試験の結果は自分の点数と平均点で見ることが多い 小学校から大学まで、色々な科目で、さまざまな目的で試験が行われま す。もちろん自分の試験の結果が気になりますね。そして、他の人の点数 はどうだったかしらと気になります。そこで、先生方は今回のテストの平 均は65 点だったとか、最高点は 95 点で最低は 35 点であったとか、公表 します。平均点より高い点数であればほっとしますし、低い点であればが っかりすることでしょう。平均点は、その集団の学習の成果としての試験 の状況をあらわす一つの目安とされているわけです。 数多くの測定値(ここでは数値データ)が集まるのは、試験のときだけ ではありません。たとえば、現在私たちが着ている既製服の寸法は、JI S規格により、全国で計測された身体計測値を使って決められています。 人体計測値は、椅子の座面の高さ、机の高さなどの家具の大きさや電車の シートの幅など、多くの生活場面に使われています。 このように、試験の点数、身体計測値をはじめ、私たちの身近なことが らについて、データを集めて平均値を求め、比較することで、説得力のあ る表現ができたり、提言ができたりすることがあります。皆さんも、演習、 卒論などの時に、データ(数値データ)を集め何かを表現したり、提言し たりする機会があるかもしれません。そのために、ここでは集まったデー タをどのように取り扱うかについて取り上げます。 ●データが集まったら ここでのデータとは、先に書いてあるように数値データを示します。 データが集まったら、データの特徴を見るために度数分布表を作ってみま しょう。図1は、ある集団の身長の度数分布(ヒストグラム)です。単な

資料

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データとグラフの基礎の基礎

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●試験の結果は自分の点数と平均点で見ることが多い 小学校から大学まで、色々な科目で、さまざまな目的で試験が行われま す。もちろん自分の試験の結果が気になりますね。そして、他の人の点数 はどうだったかしらと気になります。そこで、先生方は今回のテストの平 均は65 点だったとか、最高点は 95 点で最低は 35 点であったとか、公表 します。平均点より高い点数であればほっとしますし、低い点であればが っかりすることでしょう。平均点は、その集団の学習の成果としての試験 の状況をあらわす一つの目安とされているわけです。 数多くの測定値(ここでは数値データ)が集まるのは、試験のときだけ ではありません。たとえば、現在私たちが着ている既製服の寸法は、JI S規格により、全国で計測された身体計測値を使って決められています。 人体計測値は、椅子の座面の高さ、机の高さなどの家具の大きさや電車の シートの幅など、多くの生活場面に使われています。 このように、試験の点数、身体計測値をはじめ、私たちの身近なことが らについて、データを集めて平均値を求め、比較することで、説得力のあ る表現ができたり、提言ができたりすることがあります。皆さんも、演習、 卒論などの時に、データ(数値データ)を集め何かを表現したり、提言し たりする機会があるかもしれません。そのために、ここでは集まったデー タをどのように取り扱うかについて取り上げます。 ●データが集まったら ここでのデータとは、先に書いてあるように数値データを示します。 データが集まったら、データの特徴を見るために度数分布表を作ってみま しょう。図1は、ある集団の身長の度数分布(ヒストグラム)です。単な

資料

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データとグラフの基礎の基礎

るサンプルですので、データとしての意味はないことを了解の上見てみま しょう。度数分布はヒストグラムとも呼ばれます。この集団で、154.5~ 159cm の間の身長の人が最も多く、168cm 以上の人は少ないことがわか ります。 このような分布を書いてみると、多くの場合分布の中央にデータが多数 存在し、そこから遠ざかるにしたがって減少し、最大値、最小値を示すデ ータは極めて少ない分布、「正規分布」を示します。 特に人体に関する量的な計測値の分布の多くは正規型を示しますが、体 重、皮下脂肪など正規型を示さない計測値もあります。 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 150.0 154.5 159.0 163.5 168.0 172.5 身長(cm) 人数 11.7 17.1 7.2 19.6 25.0 9.6 0 5 10 15 20 25 30 35 40 胴部前 胴部脇 胴部後面 被服 圧( gf /c ㎡) 若年群 中高年群 ** 図1 ヒストグラムの一例 図 2 日常着の衣服圧の違い ●平均値を求めよう では、図1 のデータの特徴を、数値であらわして見ましょう。データを 代表する値には平均値、中央値、最頻値、最大値、最小値があります。ご 存知のように平均値は、データの値すべてを加えてデータの個数で割った ものです。式であらわすと次のようになります。 平均(mean) ˉx=Σxi/n 図1 のデータにより計算してみると、この集団の身長の平均値は159.1cm、 最大値は177.0cm、最小値は 150.0cm でした。 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 150.0 154.5 159.0 163.5 168.0 172.5 身   長(cm) 人     数 11.7 17.1 7.2 19.6 25.0 9.6 0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0 35.0 40.0 胴部前 胴部脇 胴部後面 被服圧(gf/c㎡) 若年群 中高年群 -89-

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●分散と標準偏差を計算してみよう もし、ある二つの集団の身長を測ってヒストグラムを作成し、その分布 を比較してみると、平均値は同じでも分布の形が異なることがあります。 このことから、データを代表する値であらわす場合、平均値だけでは不十 分であることがわかります。平均値以外に、データの散らばり具合を調べ るために、分散や標準偏差を求めます。 分散(S2)や標準偏差(S)は、データが平均値を中心にどのくらい散 らばっているかをあらわす値で、次の式で求めることができます。 分散 (Distribution) S2=(Σxi2-(Σxi)2)/n2 標準偏差 (Standard Deviation)S=√S2 計算が面倒くさそうですが、エクセルなどの表計算ソフトで簡単に求め ることができます。 ●標準偏差からわかること さて、標準偏差を求めて、どのようなことがわかるのでしょうか? 標準偏差(S)を求めた時、正規分布またはそれに近い分布では、 データの 68.3%は 平均値±S 間 95.5%は 平均値±2S 間 99.7%は 平均値±3S 間 にあるという性質を持っています。 図1 のデータの標準偏差を計算すると 5.2cm でした。これを上記の性質 に当てはめると、この集団のほぼ7 割が約 154cm から 164cm の身長であ ることがわかります。すなわち、平均値と標準偏差のみで、どのような分 布の集団かわかるということになります。 ●グラフを書いてみよう つぎに、計算した平均値と標準偏差をグラフにしてみましょう。 グラフにはさまざまな種類があるのはご存知ですね。棒グラフ、折れ線グ ラフ、円グラフなどです。

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棒グラフは、いくつかの集団のデータを比較するときのグラフでグラフ の基本型ともいえます。図2 は、高齢群と若年群の日常着の衣服圧の違い について、棒グラフで表した図です。基線と呼ばれる横軸に比較する衣服 圧測定部位を示し、各年齢群の違いを棒グラフの色であらわしています。 目盛線と呼ばれる横軸は0.0 から 40.0、単位は衣服圧の単位 gf/cm2となっ ており、縦軸の刻みは5.0 gf/cm2としてあります。この図では、部位別に はいずれの年齢群でも胴部脇の衣服圧が最も高く、年齢群別には中高年群 の衣服圧が高いことが分かります。 このようなグラフを書くためには、縦軸の単位、縦軸の目盛の刻み、横 軸の比較する区分、棒グラフの色分けについて決めなくてはなりません。 棒グラフを描くときには、棒の数が多すぎないか、目盛の刻み方はこれで よいか、棒の模様わけや色分けはこれでよいか、棒を並べる順序はこれで よいかなどの検討が必要です。棒グラフでは、飛びぬけて長い棒がある場 合、縦軸の目盛上に二本線を描くなどにより、縦軸の目盛をカットする場 合がありますが、データの読み取りに誤解を招くことがあるのでやめまし ょう。また、棒の高さがほぼそろっている場合は、縦軸の目盛を大きくし て比較しやすいようにする場合があります。しかし、現象としてあまり差 がないものを拡大してしまう目盛の設定には注意が必要です。 ●折れ線グラフと円グラフ 折れ線グラフはデータ同士を線で結ぶことによって、データの変化をみ ることを目的として書かれる場合が多いグラフです。棒グラフにより一つ 一つの集団やその時間での値を見るより、変化を見てほしい場合には折れ 線グラフを書きます。結んだ線の傾斜が大きいと変化が大きいと見られ、 傾斜が小さいと変化が小さいと判断されます。このため、折れ線グラフは 時系列データを入れることが多いのです。図3 は、昭和 27 年から平成 15 年までの全国の浴衣取扱量の推移を折れ線グラフで示した図です。浴衣の 取扱量は昭和40 年代後半にピークを示し、その後減少していますが、平 成7 年から上昇に転じています。夏のくつろぎ着として浴衣が着られなく

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なり、寝巻きが浴衣からパジャマやT シャツへと転じたためです。このと ころの上昇は、花火大会や夏祭りなどに若者を中心に浴衣が着られるよう になったいわゆる「ゆかたブーム」によるものです。 円グラフは、全体を100 としたときのパーセンテージを示すときに便利 です。図4 は婦人下着の危害情報件数の割合を示した図です。全体を 100 としたとき、どのような危害情報が多いか、あるいは少ないかがひとめで 分かります。なお、自分で集めたデータでないときには、データの出所が わかるように、グラフの題に書き加えておきましょう。 0 2000 4000 6000 8000 10000 12000 14000 昭和27年 30年 32年 38年 39年 50年 60年 平成7 年 15年 ゆかた 生産量(千反) 湿疹・じん ましん, 20.9 かぶれ, 18.4 かゆみ, 12.8 その他(あ ざ・きず 等), 19.9 気分が悪 い, 6.9 腰痛, 5.6 胃の痛み・ 腹痛, 2.8 その他(肩 こりなど), 12.8 図3 全国の浴衣取扱量の推移 図 4 婦人下着の危害情報件数の割合 (関東染色工業連合会・日本ゆかた連合会調べ) (国民生活センター調べ) さらに、このような数値データの取り扱いは、学術的には統計解析の分 野となります。もっと詳しく知りたい人は、ぜひ、次の参考文献を見てみ てください。 また、電卓での計算や、手書きのグラフは手間がかかります。エクセル などの表計算ソフトでグラフ作成、計算も簡単にできますので、マニュア ルを見てやってみましょう。同じデータでも、グラフを工夫することでさ まざまの表現ができます。自分の言おうとしていることが最もよく表現 できるグラフを書いてみましょう。 0 2000 4000 6000 8000 10000 12000 14000 昭和27年 30 年 32 年 38 年 39 年 50 年 60 年 平成7 年 15 年 ゆかた生産量(千反) 湿疹・じん ましん 20.9 かぶれ 18.4 かゆみ 12.8 その他(あざ・きず等) 19.9 気分が 悪い 6.9   腰痛 5.6 胃の痛み・ 腹痛 2.8 その他(肩こりなど)          12.8

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大村平「統計のはなし-基礎・応用・娯楽-」日科技連(1969) 大村平「統計解析のはなし データに語らせるテクニック」日科技連 (1980) 石村貞夫「すぐわかる統計解析」東京図書(1993) 石村貞夫「グラフ統計のはなし」東京図書(1995) (社)日本繊維製品消費科学会「例題を中心とした消費科学のためのデータ 処理法」日本繊維製品消費科学会(1974) 上田尚一「講座情報をよむ統計学4 統計グラフ」朝倉書店(2003) 参考文献 イラスト

参照

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