108 氏名(生年月日) 本 籍
学位の種類
学位授与の番号 学位授与の日付 ’学位授与の要件学位論文題目
論文審査委員
(41) サイ トウ アキ コ齋藤明子(昭和
博士(医学) 三昧1205号平成3年9月20日
学位規則第4条第2項該当(博士の学位論文提出者)
高分化型(Edmondson I型)肝細胞癌の病態の検討
(主査)教授 小幡 裕 (副査)教授 羽生富士夫,宮崎 俊一論 文 内 容 の 要 旨
目的 高分化型を含む微小肝細胞癌の轡型を分類し臨床お よび病理学的な検討を行うことにより,その特徴を明 らかにすることを目的とした.』 方法 2cm以下の肝細胞癌切除例の主病巣73個を対象と し,Edmondson I型の存在様式によって病巣を3つ の病型に分けた.Type 1:Edmondson I型のみ, Type 2:Edmondson I型のなかにII, III, IV型が島 町に存在,Type 3:Edmondson II, III, IV型からな り辺縁に1型が認められる病巣である.各病型での病 理肉眼所見,各種画像所見,経時的変化を比較検討し た. 結果 病理学的検討(新鮮標本肉眼所見):腫瘍径はType 1→2→3の順に大きくなる傾向であった.病巣割面にお ける色調,隆起形態,非腫瘍部との境界の明瞭さの違 いにより,肉眼的にType 1,2,3の墨型が判断できた. 各種画像診断法による検討:超音波検査,CT,血管 造影で描出率を比較すると,Type 1では超音波検査が 有意に高率であるが,Type 2,3となるに従ってCT, 血管造影の描出率は上昇し,Type 3では3者に差はな くなった.超音波像の検討では,Type 1は肝癌の特徴 所見に乏しく質的診断が困難であるが,Type 3になる と高率に特徴所見が認められた.アンジオエコー像で は主としてType 1がnegative enhancement(NE), Type 2がnegative十positive(NE十PE), Type 3が positive enhancement(PE)を示し,病型診断が可能 であった. 経過観察後の切除例:発見時と切除時の腫瘍容積の 推移をみると,Type 1,2の病巣の増大は僅かであり, Type 3では明瞭な増大を示した.アソジオエコー像に ついては,Type 1ではnon enhancement(Non E) またはNEのまま変わらず, Type 2はNon E~NE→ NE+PE, Type 3はNE→PE(+NE)と変化し, NE →NE+PE→PEと推移することが示唆された. 考案 肝細胞癌初期像の検討において高分化型(Edmond- son I型)が注目されつつあるが,高分化型にも様々 な形がありその病型の違いは病期や切除予後など臨床 像にも差がでると考えられる.そこで小肝癌の病型を Edmondson I型の存在様式に従い3型に分けて検討 を行ったところ,各病型が臨床および病理学的に区別 できた.また,Type 1が肝癌初期像でありType 1→ 2→3と発育してゆくのであろうと考えられた. 結論 高分化型肝癌の病型分類による病態の解明は,いわ ゆる早期肝癌の病期,治療方針ないし予後を予測する 上で極めて重要である. 一712一109