216 (95) 氏名(生年月日)
本 籍
学.ハの種類
学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件学位論文題目
論文審査委員
ト サ マ ユミ弓(昭和
博士(医学) 乙第1259号平成4年2月21日
学位規則第4条第2項該当(博士の学位論文提出者)
肝機能障害の一指標としての血清ビリルビン分画の有用性について (主査)教授 平山 峻 (副査)教授 羽生富士夫,杉野 信博論 文 内 容 の 要 旨
目的 広範囲熱傷の治療に際しては,敗血症に伴う多臓器 障害対策が治療上の重要な課題である.肝臓は,感染 に対して細網内皮系機能を有する重要臓器でありなが ら熱傷下の臓器障害の経過中では,その予備能力が大 きいためか,従来の臨床検果だけでは,病態を早期に 正確に把握することが困難である.そこで,われわれ は,肝臓機能の正否の状態を判断する1つの指標とし て血清ビリルビン分画に注目し検討を行った. 対象および方法 対象例は,1989年1,月より1990年12月までに当院に 搬送された新鮮熱傷例を熱傷指数により2群に分けた A群(熱傷指数≧30)10例,B群(熱傷指数く30)10 例である.それらの内,敗血症合併例はA群8例,B 群2例であった.これら各群10例において,受傷後1, 3,5病日及び敗血症時に血清総ビリルビン値,血清 ビリルビン分画,動脈血中ケトン体比(AKBR)の測 定を行った.血清ビリルビン分画の測定方法は,高速 液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて測定した. カラムは,前処理不用のMicronexRP・30を使用した. 分画としては,デルタビリルビン(Bδ),モノグロン酸 抱合ビリルビン(BMC),ジクロル酸抱合ビリルビン (BDC),遊離iビリルビン(BU)の4っであった. また,これらを利用してBMC/Bδを肝細胞障害度 の指標とし,Bδ/BMC+BDC+Bδを肝細胞回復度の 指標とした. 結果A群とB群の2群間において血清ビリルビン値及
び動脈血中ケトン体比は,全経過を通じてほぼ正常値 を示し有意差は,見られなかった.一方,血清ビリル ビン分画では,A群において肝細胞障害度のBMC/ Bδ値は,第3二日で著明な上昇がみられた.また,敗 血症群10例を加えた3群間において比較を行って見る と敗血症群ではA群同様他のパラメーターには変化 が見られなかったが,BMC/Bδ比の著明な上昇が認 められた. 結論 我々の行ったHPLCは,低濃度ビリルビン血症に対 しても,より正確に測定できる利点があり,熱傷臨床 例においても,血清ビリルビン値の高低にかかわらず, 分画値を測定することは,肝臓機能に対する熱傷の侵 襲度の評価およびビリルビン排泄障害の予後を判定し うる確実な指標として有用性があると考えられた. 一820一217