人工群知能を用いた重力ダム設計基本断面の最適化と長期ダム安定性管理への応用Design Optimization of Basic Section for Gravity Dam Using Artificial Swarm Intelligence and Its Application to Long-term Management of Dam Stability
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(13) ○ 浜 口 俊 雄・角 哲 也・田 中 茂 信 ○.
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(44) . 序論 重力コンクリートダムは,ダム軸に対して鉛直に切り 取った単位厚さの三角形断面 (以降,基本断面と呼ぶ) を 考え,そこで転倒安定性,活動安定性,許容応力耐性を 満たすように形状が設計される.その際に,地質条件や 空間の物理条件,さらには経済性を加味して考えねばら ならない.形状設計として最も経済的にするには基本断 面積を最小にすること,また,予め定めたダム軸を中心 にして建造できる上下流端の制約からも岩盤との設置 面積を出来るだけ小さくすることが重要となってくる. その観点から,断面を減らしつつ,設置面積を大きくす るため,ダム上流面にはフィレット (拡幅部) を採用する ケースも多い.しかしながら,フィレットは上流面の一 部までしか用意されないため,設計時の作用荷重計算に おいて,静水圧ならびに堆砂圧の鉛直成分がフィレット 形状と堆砂高の関係に影響を受けてバイリニアに変化を 強いられてくる.これは上下流法面勾配やフィレット高 ならびにフィレット勾配の設計値を最適化計算で求めよ うとするには障害となっており,最適断面を全自動で求 めることを避けてしまう要因となっている.従来では場 合分けをどちらかに定めて最適化をするか,フィレット. -. 堆砂圧 (水平). ( ii). ( iii). 6. 「拡張理論」によるアプローチ. 重力ダムの安定計算を述べるにあたり,まず $%拡張理 論について触れる.簡便に説明すると,変数が非負値をと る範囲ではその値を,逆に負値となる範囲は0を,それぞ れとるように定義する式を与える理論である.具体的に は,変数 が零となる値 () まで平行移動した単位階段関 数 に同じ変数 を乗じたものである.この手 法の主な目的は,元の定義域とその領域外域間の境界位 置に自由度を持たせた物理現象の表記式,もしくは状況 に応じて自動的に作用する ,場合分けのスイッチ- の役割 を持つ数学的因子によって単一式を創り出すことにある.. 基本断面および 水圧・堆砂圧 (鉛直). B. ? 1 : m1. -. h= - ssh. ( i). y. 上流水圧 (水平). 地震時 上流動水圧. 高を固定するかで算定されていた.本研究はこの障害を 打破するために2つのアプローチを用いる.1つ目は, 荷重計算でケース分けしていた式を1つの式でまとめて 表現できるようにすることである.2つ目は,本問題は 最適パラメータ同定に用いることの多い導関数が不連続 であることで最適化計算を困難にしているため,人工群 知能のアルゴリズムを用いることである.これによって, 基本断面設計パラメータの容易な最適化が可能となる.. O. C ? 1:n. 1 : m2. (s v)h hv = h = vh h ( iv) ;. 下流 地震時 水圧 下流 (水平) 動水圧. ? A x. ( v) ( vi). Û Û . Û · ´½ µ 揚圧力. * + *
(45). -. ´¼ ½ µ. h.
(46) + .
(47) 文字数. 表 記 諸 元. ½ ¾ . .
(48) . ¼ . 鉛直荷重 水平荷重 堤踵 上流面のり先 のモーメント 上流面勾配 下流面勾配 フィレット勾配 ダム高 本稿では 上流水深 堆砂高比 フィレット高比 下流水深 下流水深比 コンクリート単位体積重量 ¿ 水単位体積重量 ¿ 水中堆砂単位体積重量 ¿ 泥圧係数 地震係数 揚圧力係数 揚圧力排水影響係数 排水孔距離比 せん断抵抗安全率 せん断抵抗強度 ¾ 内部摩擦係数. . ¾. . . . . . ¾.
(49) . . ¾. . . . . . . . ½ ¾ ½ ¾ ¾
(50) ¾. ¾ ½ ¾ ¾ ½ ¾ ½ ¿ ¾
(51) ¾ ¾ ¾ . .
(52) ¿ ¾ ¿ . ¼ ½ ¾ ½ . . ¿
(53) . ¾ ¾ ¿. . . . ¾. . . . ¿. . . ½ . . ½ . ¾. . . . .
(54) ¿ . .
(55) . . ¼.
(56) ¿ .
(57) . 人工群知能. ここでは人工群知能として,粒子群最適化法 (:
(58)
(59) ! ),蟻コロニー最適化法 ( :
(60) ! ),遺伝的アルゴリズ ム (:
(61) ) を用いたが,本稿では紙面 の関係で に言及する.生物群において,一個体が エサ場を発見すると,他の個体はその一個体に倣って行 動する.同時に自らが見つけた場所の情報も覚えており, その場所に向かう動きも見せる.自然界では行動範囲内 で最適な場所 (最適解) は唯一だが,比較的良い場所 (局 所解) は複数存在する場合が多い.生物群では,仲間と 自分の見つけた場所を同時に考慮しながら,各々が見つ けた場所の周辺を探索し,最適な場所を探索している. 粒子群最適化 () はこれをアルゴリズム化したもの であり,多次元空間において位置情報と速度情報を持つ 粒子群によってモデル化されている (江本ら,2$$5).. ¾. ¾. ½ ¾ . 設計作用荷重と設計パラメータ. . .
(62) ¿ . . . 定義される.. . ½ ¾
(63) ¾ ¾¾. ¾. 2
(64)
(65) ½. ! 基本断面パラメータの最適化. ½ . ½ . ¾ . ケーススタディとして,実際にはフィレットが無い. ¿.
(66) . ダムを用いる.そこで与えられるパラメータ諸元は 2 の通りである.本稿では紙面の関係上, で. のパラメータ最適化結果のみ示す.上・下流面勾配,フィ レット高比,フィレット勾配をパラメータとして最適化 すると,
(67) ;$ $+
(68) ;$ 8+ ;$ 55;$ + を得て,本 ½. ¾. 来の断面積は 23< <9
(69) ¾ であったものが 2+99 ++
(70) ¾ まで 基本断面での採用荷重は * + に描かれたとおりであ 縮小できるという結果を得た.次にフィレットを用いた る.ただし同図はフィレット高が堆砂高を下回ってバイリ 場合の上流面勾配は $ とする場合が多いため,下流面勾 ニアとなる場合を示している.またその設計パラメータ 配,フィレット高比,フィレット勾配について最適化し 諸元は + のように表す.上記のバイリニアのケー た.その結果,
(71) ¾ ;$ 69 ;$ 9;$ 62 となり.上流面 スでは $%拡張理論が適している.いま,フィレット高の 勾配がない分だけフィレット勾配が緩やかになる (フィ 堆砂高に対する下回り量を / 部高を Ú とおく./ は, レット幅が延びる) ものとなった.さらに上記 2 つ目と Ú × のときに $,Ú × のときに × Ú ( $) で つ目のケースの結果の断面で,長期的視野に立って堆 あるので,ここに $0拡張理論を用いると,1' (+) にな 砂高比はどこまで許容できるのかを上限値を同手法で試 る.ただし,基本断面の上流面勾配がフィレット勾配よ 算したところ,順に ;$ 63 $ 86 となった.現状が $ 63 りも急傾斜となることは後述の計算条件の1つである. であることから最適形状のフィレットでは約 9 92
(72) の余 この鉛直・水平・モーメントの各作用力合力 は 裕があると分かる. 1' (2)∼(3) で表される. 結論 転倒安定条件・滑動安定条件・許容応力条件 本稿では での結果を紹介したが,その他でも良 許容応力に関しては内部発生応力が許容圧縮4引張応 好な結果を得ている.また他のダムでも検討することで 力であればよいが,概してダム高 +5$
(73) 以下の重力ダム も様々な形状のダムにも適用可能であることが示せる. では圧縮応力についてはほとんど問題にならない.高 本手法を用いると比較的容易に検討でき,初期の最適設 さ (
(74) ) のダムの最大圧縮応力は約 $ ("4
(75) ¾ ) であっ 計だけでなく,近年あちこちで顕現しているダムの老朽 て,+5$
(76) のダムの最大圧縮応力は 5$("4
(77) ¾ ) 以下と 化問題や嵩上げなどの強化問題の対策立案にも役立つと なるからである.転倒・滑動安定の各条件はそれぞれ 期待できる. 1' (5)(6) で表される.前者はミドルサード式,後者は 参考文献 例えば,江本ら :ナップサック問題における
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(79) の 7 式と呼ばれ,これらを同時に満たすようにパラ パラメータ検討,第 回設計工学に関するシンポジウム, . メータを決定する.なお ×Ú はそれぞれ 1' (8)(9) で. . ".
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