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「茨城県小児在宅医療ネットワーク 多職種合同研修会」

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(1)公益財団法人 在宅医療助成 勇美記念財団 報告書. テーマ. 茨城県小児在宅医療ネットワーク 多職種合同研修会. 申請者名. 宮 園 弥 生 (筑波大学医学医療系 小児科). 助成対象年度. 2013 年度後期. 提出年月日. 2015 年 1 月 28 日.

(2) 【はじめに】 <茨城県小児在宅医療ネットワークについて> 医療の進歩により、尊い命を助けることができたものの、生存のために医療的なケアを 要するこども達の数は年々増加している。茨城県の重症心身障害児病床は人口 1 万人 あたり 1.0 と全国平均(1.58)を大きく下回る上に県北に偏在しており、小児在宅医療の担い手で ある家族の負担は他県に比べて大きい現状にある。その上、人口 10 万人あたりの小児科医数 は全国最下位で、小児在宅医療の中心的な役割を担う病院の小児科医は過酷な勤務状況の中、 なかなか病院間の連携、多職種の連携に着手できない状況にあった。 そのような中、平成 25 年に茨城県内の小児医療の中核となる3病院(筑波大学附属病院、 茨城県立こども病院、土浦協同病院)の内部で、多職種連携による院内の小児在宅医療支援 チームが発足し、これらの活動を県内全域に広げることを目的に、茨城県小児在宅医療ネット ワークを立ち上げることになった。. <本ネットワークの目的> 1)茨城県全体として医療ケアを要する子どもの在宅療養を支援するシステムを 構築する。 2) 在宅医療に関わる人材育成とともに、病院・地域・行政との顔の見える連携を 推進する。. <代表世話人> 渡辺章充(土浦協同病院 小児科) 新井順一(茨城県立こども病院 新生児科) 宮園弥生(筑波大学医学医療系 小児科) <本ネットワークの活動内容 (平成 25 年度)> 発足したばかりの会であるが、平成 25 年度は下記のような活動を行った。 1) 院内活動(例:筑波大学附属病院小児在宅医療ネットワーク) ・多職種(医師・看護師・ソーシャルワーカー・臨床心理士・臨床工学士・薬剤師・ 理学療法士・栄養士・事務スタッフなど)による 1 回/月のミーティング ・院内で統一のマニュアルおよびパンフレットの作成(職員用・家族用) ・院内の小児在宅医療の現状調査:第 103 回茨城小児科学会で発表 ・ご家族へのアンケート調査.

(3) 2) 茨城県小児在宅医療シンポジウム ・日時:2014 年 2 月 11 日(火)13 時~17 時 ・場所:筑波大学健康医学イノベーション棟 大講義室 ・対象:茨城県内で小児在宅医療に関わる職種の方および医学生・看護学生 ・演者:梶原厚子 (訪問看護ステーション そら) 渡辺章充 (土浦協同病院 小児科) 濱野 淳 (筑波大学 総合診療科) 平澤明美 (茨城県立こども病院 成育支援室) 上記シンポジウムは、文部科学省「周産期医療に関わる専門的スタッフの養成」事業(平成 21~25 年度)の予算で開催した。. 今回、勇美記念財団より研修会開催の助成金を頂けることになり、平成 26 年度に茨城県 全体から参加者を募り、小児在宅医療をテーマに 2 回の多職種合同研修会を開催することを 企画した。.

(4) 【第 1 回 多職種合同研修会】. テーマ:多職種連携 ~お互いの仕事の中身、どれだけ知っていますか?~ 日 時:2014 年 7 月 19 日(土)13 時~16 時 会 場:筑波大学附属病院. けやきプラザ. 講 演: 1) NICU・GCU から在宅へ 講師:和井田 茜 先生、小林 友佳里 先生(筑波大学新生児集中治療室看護師) 2) 当院の小児在宅医療支援 講師:磯崎 美穂. ソーシャルワーカーの業務と視点. 先生、市川 友貴 先生. (土浦協同病院 福祉相談部 ソーシャルワーカー) 3) 子どもと訪問看護 講師:中島 由美子 先生 (訪問看護ステーション愛美園 所長) 4) 小児在宅医療ネットワーク 講師:横田 寿子 先生 (特定非営利活動法人 日立太陽の家 相談支援専門員). <第 1 回研修会の目的> 普段よく顔を合わせているにもかかわらず、自分の職種以外の仕事の内容は、案外 知らないことが多いのではないか?という疑問から、在宅医療に携わる職種に対する 相互理解を深めることを目的に企画した。. <研修会の内容> 茨城県内の各地域で活躍している新生児集中治療室(NICU)の看護師、医療ソーシャル ワーカー、訪問看護ステーション看護師、相談支援専門員の方を招き、「どんな 1 日を送って いるか?」「なぜこの仕事を選んだか?」「この仕事について良かったこと」「困っていること」 「他の職種への要望」「具体的なケースについて」など、様々な視点からの講演をして頂いた。. 1) 「NICU・GCU から在宅へ」 では、NICU から GCU を経て退院し、在宅へ移行したときの 看護師の関わりについて、在宅への決意が決まるまでの母の心理過程と看護の関わり、在宅 に向けて退院調整した内容について、1 事例を通して発表が行われた。.

(5) 2)「当院の小児在宅医療支援 ソーシャルワーカーの業務と視点」では、地域の基幹病院に 勤務するソーシャルワーカーより二部構成で、前半でソーシャルワーカーの紹介と勤務する病 院の概要、小児科支援の特徴について、後半で支援事例報告が行われた。 3)「子どもと訪問看護」では、在宅で医療的ケアを受けながら生活する患者を支える訪問看護 ステーションの立場から、前半で訪問看護の制度とサービス内容について、後半で実際に 訪問看護ステーションを利用している小児の事例について、1)で発表された症例も含め、自宅 での看護の様子が紹介された。 4)「小児在宅医療ネットワーク」では、看護師・介護福祉士・相談支援専門員の資格を持つ立 場から、障害のある人たちの自立生活の実現を支援する福祉の視点で子どもと家族をどのよ うに支援しているか、実際の事例を交え、紹介が行われた。. どの講師も、お子さんとご家族が自宅で医療的ケアを行いながら、いかに安心して暮らして いけるかに苦心しつつも熱い情熱を持って取り組んでいる様子が伝わってきた。当日は約 50 名の参加者があり、職種は医師、看護師(病院、訪問看護ステーション)、助産師、ソーシャル ワーカー、臨床心理士、臨床工学など多岐にわたり、活発な質疑応答が終了予定時刻を過ぎ ても行われた。.

(6) 【第 2 回 多職種合同研修会】. テーマ:希望する暮らしを支える ~小児在宅医療の実践に役立つ知恵と工夫~ 日 時:2014 年 12 月 13 日(土) 13 時~16 時 30 分 会 場:筑波大学附属病院 けやきプラザ ① 講演会 1) 相互主体で行う小児在宅医療 ~ご家族のさまざまな工夫が感じられた事,考えた事~ 講師:中野 弘陽 先生 (あおぞら診療所墨田 理学療法士) 2) 職種連携チームによる在宅移行と地域連携への橋渡し 講師:望月 成隆 先生 (大阪府立母子総合医療センター新生児科/在宅支援室/ICT) ② グループワーク 「仮想症例を元に,多職種によるチームで問題解決を図りましょう」. <第 2 回研修会の目的> 今回の研修会では講演会とグループワークの2部構成とした。 講演会には、国内でも小児在宅医療に目覚ましい活躍をされている2施設から講師をお招きして、 様々なアイディアを茨城県に導入することで、更なる小児在宅医療の発展を期待してご講演 頂いた。後半は多職種により構成されるグループを編成し、各グループごとにファシリテータの サポートのもと、仮想のケースに対して在宅医療導入に向け問題点の抽出とプランを作成し、 発表を行うことで、顔の見える交流とそれぞれの立場からの視点を学ぶことを目的とした。. <研修会の内容> 講演会1) 「相互主体で行う小児在宅医療 ~ご家族のさまざまな工夫が感じられた事, 考えた事~」 では、理学療法士として関わる立場から、①子どもの生活を支える構造、 ②ご家族、支援者の工夫、③アイディアグッズ集という構成で、日々の生活の中で生じる様々な 不便を家庭にあるものを利用して便利に変えるアイディアと工夫について、紹介して頂いた。 講演会2)「職種連携チームによる在宅移行と地域連携への橋渡し」では、大阪府立母子医療 センターと管轄保健所、地域医療機関とで協力して運用を開始した「小児在宅医療移行地域連 携パス」についてと、パス導入の効果についての検証と今後の課題について紹介された。 グループワークでは、多職種によるグループを 2 つつくり、仮想症例として先天奇形と神経筋 疾患の 2 例を提示し、付箋紙による KJ 法により、様々な問題点の抽出と解決策について 討議を行った。.

(7) 参加人数は 36 名とやや少なかったものの、医師(小児科、小児外科、新生児科)、看護師(病 院、訪問看護ステーション)、ソーシャルワーカー、言語聴覚士、理学療法士、臨床心理士、学生 など多岐にわたった。 <アンケート結果> 参加者のうち 20 名からアンケート回答を頂いた。結果は下記の通りである。 1)この研修会を知った経緯 ・職場の上司より 11 名 ・メールによるお知らせ. 5名. ・筑波大学小児科のホームページ 1 名 ・その他(院内の掲示、知人からの紹介など) 3 名 2)職種 ・看護師 5 名 ・医師. 4名. ・医療ソーシャルワーカー 3 名 ・理学療法士、言語聴覚士、臨床心理士 各 1 名(計 3 名) ・その他(助産師、臨床工学技士、学生など) 5 名 3)講演 1 感想 ・大変良かった 15 名 ・良かった. 4名. ・普通. 1名. 4)講演 2 感想 ・大変良かった ・良かった. 16 名 3名. 5)グループワーク感想 ・大変良かった ・良かった. 12 名 2名. 6)個々の感想 ・他院や地域の事業所がどのようにしているのかを聞くことができてよかったです。今後もこの ような機会があれば参加していきたいと思いました。 ・子どもの在宅への移行は問題が山積みだと再確認しました。 ・いろいろな職種の方とお話ができて、いろんな情報が得られ、在宅医療に関わるために勉強 になりました。ありがとうございました。 ・他職種での話合いができ、当院でも取り入れた方がいいアイディアに気づくことができた。 今日のお話を退院カンファレンスで活かしていきたい。.

(8) ・これから病院で働く者として、勉強になりました。 ・来年から保健師として働くので、小児在宅の現状について学ぶことができてよかったです。 ・初めての経験だったため十分理解できたとは言えませんが、QOL 第一など、基本的には 大人の在宅医療だと思いました。子供の在宅の場合、難病であればあるほど家族のケアが 大切と思いました(若い末期癌の患者様とも通じる所もあります)。 ・土曜日なら参加できました。平日のものは参加できず申し訳ありません。他職種で色々お話 ができる機会は貴重で、継続し、お子さん達が少しでもいい生活をすごせるお手伝いができ るといいなと思います。 ・普段聞けない多職種の方々のお話が聞けて勉強になりました。 ・他職種での KJ は色々な視点が入り勉強になりました。 ・正直、在宅に向けて関わらせていただいたことがないので、多職種の方と意見交換させて 頂いて勉強になりました。 ・グループワークをすることで、他の病院の現状などを知れてよかった。小児の連携パスなど 病院から地域への連携強化を図れるといいと思った。 ・様々な職種の方と話ができて、とても勉強になりました。こういう場が続けられると、情報も 更新されると思いました。 7)今後取り上げてほしいテーマについて ・ケース会議を行えたらいいな。 ・地域のかかりつけ医をしてくれる開業医をいかに増やしていくか。 ・これから始める診療所や訪看のために、在宅になることが多い疾患など基本的な ことも教えてほしいと思います。 ・茨城県内の現状、連携。実際に退院したお子さんの検討会。 ・多職種の面々がどのようなアプローチで情報共有していくべきか、考えていければ。.

(9) 【研修会を終えた感想】 茨城県小児在宅医療ネットワークは前年度に産声を上げたばかりの、茨城県の小児在宅医療 を少しでもよいものにしていきたいという有志の集まりです。この度、勇美記念財団の助成を頂け たことで 2 回の研修会を開催することができました。テーマの選定は手探り状態から始め、目の 前のの診療に追われる中でまずは自分達に足りないものは何かという視点から決定しました。 計6回の講演はいずれもすばらしい内容で、今回初めての試みとして行ったグループワークもア ンケートでよい評価を頂くことができました。 反省点としては、あまりに多忙でグループワークの打ち合わせがメール主体となり、 事前の話し合いが十分にできなかったことでした。 また、唯一残念だったのは参加者がやや少なかったことでした。医療機関を始めとして 行政や訪問看護ステーションなどにお知らせを配布しましたが、小児在宅医療に携わる職種は 皆多忙であり、また県の面積が広いこともあり、直接声をかけた方からは、「日々の業務で人手 が足りず、とても興味はあるのだが人を出せない」「当直で行けない」「もっと 近くで開催してくれれば行けるのに」との返答も頂きました。 これら時間的距離的問題をを解決するためには、今後講演会などに関してはブロードバンドを 活用した県内同時配信やビデオ会議なども考えていく必要があると考えられました。しかしその 一方で、直接顔をみながら対話するという人と人とのつながりもまた、多職種連携の上では必須 であり、今回、人数は少ないながらも目的の一部は十分に果たされたと感じました。 今回助成金を頂くことで、多くの方々と知り合い学ぶ機会を与えて下さったことに、心よりお礼 申し上げます。. 公益財団法人 在宅医療助成 勇美記念財団の助成による.

(10) 公益財団法人 在宅医療助成 勇美記念財団助成事業. 茨城小児在宅医療ネットワーク. 第1回 多職種合同研修会 1 単位. 多職種連携 ∼お互いの仕事の中身,どれだけ知っていますか?∼. 参加費無料 申込不要. 7 月 19 日(土) 13:00~16:00. 日時. 2014 年. 会場. 筑波大学附属病院 けやきプラザ 茨城県つくば市天久保 2-1-1. 主催. 茨城県小児在宅医療ネットワーク 世話人:宮園弥生(筑波大学),渡辺章充(土浦協同病院),新井順一(茨城県立こども病院). プログラム 13:00 開会ご挨拶. 宮園 弥生(筑波大学附属病院 小児科病院教授). 13:10 研修会 司会 西村 一記(筑波大学附属病院 小児科病院講師) 平澤 明美(茨城県立こども病院 成育在宅支援室次長兼副看護師長) 16:00 閉会ご挨拶. 渡辺 章充(土浦協同病院 小児科部長). 講師紹介. 総合周産期母子医療センター. 医療ソーシャルワーカー. 筑波大学附属病院新生児集中治療室. 総合病院土浦協同病院 福祉相談部. 和井田 茜. 磯崎 美穂. 氏. 氏. 同 新生児集中ケア認定看護師. 総合病院土浦協同病院 福祉相談部. 小林 友佳里. 市川 友貴. 氏. 訪問看護師. 氏. 相談支援専門員. 訪問看護ステーション愛美園 管理者. 特定非営利活動法人 日立太陽の家. 中島 由美子. 横田 寿子. 氏. お問い合わせ先 筑波大学附属病院小児総合医療センター 成育支援室 〒305-8576 つくば市天久保 2-1-1 TEL 029(853)3785 FAX 029(853)8819 E-mail ppsupport@un.tsukuba.ac.jp. 氏.

(11) 茨城小児在宅医療ネットワーク 第1回多職種合同研修会 2014/7/19 筑波大学附属病院 けやきプラザ. 当院に入院している患児の主な疾患. NICU・GCUから在宅へ 筑波大学附属病院 新生児集中治療室 看護師 和井田茜 小林友佳里. 低出生体重児・早産. 低出生体重児(出生体重2500g未満) 極低出生体重児(出生体重1500g未満) 超低出生体重児(出生体重1000g未満). 呼吸器疾患. 無呼吸発作、新生児一過性多呼吸(TTN) 胎便吸引症候群(MAS)、呼吸窮迫症候群(RDS) 慢性肺疾患(CLD). 循環器疾患. 先天性心疾患、動脈間開存症(PDA) 新生児遷延性肺高血圧症(PPHN)、不整脈. 中枢神経系疾患. 脳室周囲白質軟化症(PVL)、脳室内出血(IVH) 低酸素性虚血性脳症(HIE) 新生児仮死、水頭症、脊髄髄膜瘤、高ビリルビン血症. 消化器・外科疾患. 壊死性腸炎(NEC)、先天性腸閉鎖、先天性食道閉鎖 先天性横隔膜ヘルニア、直腸肛門奇形(鎖肛)、腸回転異常 臍帯ヘルニア、腹壁破裂、ヒルシュスプルング病. 染色体・先天異常系疾患. 21トリソミー(ダウン症)、18トリソミー、口唇裂、口蓋裂. 新生児感染症 その他. 母親の心理課程. 胎児胸水・腹水、双胎間輸血症候群、新生児溶血性疾患 黄疸、未熟児網膜症、未熟児くる病、新生児低血糖、メレナ. 今回の事例を通して 〈その1〉 • 家族が児の状態を知ること、児がどういうとき に安静を保てるかを説明. 自責の念 元気に産んで あげられな かった 児の状態に関 して原因不明 なこと. 治療・検査への不安 新たな疾患の 出現・治療方法 の選択 できることは やってあげたい ⇒ケアへの参 加意欲の増加. 在宅への準備 気管切開の 拒否. 気管切開の受 け入れ. 家に帰る事 への決意. 生きてほし い・一緒に 暮らしたい ⇔親のエゴ. 今回の事例を通して 〈その2〉 ・病棟ではプライマリナースが中心に患者の指導 計画を立て、スタッフがケアの状況を把握できるよ うにし、統一した看護が提供できるようにすること が重要。 ・様々な職種の人が連携し、チーム医療を行うこと で在宅医療を行うことができる。 ・レスパイト利用には年齢制限があり、また利用で きる施設が少ないため、家族の負担が大きくなる 可能性が高い。 ・24時間対応の訪問看護ステーション・訪問リハビ リテーションがあることで家族が安心できる。. • 実際に写真などの媒体を通して、具体的なイ メージがつくような説明 • 児に関わる家族全員で児について・今後の生 活について話しあっているか確認 • 最終で家族の意見が一致しているか確認. おわりに ・このような機会を通して、様々な職種の方と 顔の見える関係を気づき、患者・家族が安心 できる小児在宅医療を目指していきたい。 ・この機会に退院後の患者、家族の実際の生 活を把握し、今後の退院指導に役立ていきた い。. 1.

(12) 茨城小児在宅医療ネットワーク 第1回多職種合同研修会 2014/7/19 筑波大学附属病院 けやきプラザ. 当院の小児在宅医療支援 ソーシャルワーカーの業務と視点. 総合病院 土浦協同病院 福祉相談部 ソーシャルワーカー 磯﨑 美穂 市川友貴. ソーシャルワークの定義 (国際ソーシャルワーカー連盟) 人間の行動と社会システムに関する理論を利用して、 人がその環境と相互に影響し合う接点に介入する専門職. 社会(環境). 病院 患者. 人. social work=人と環境(社会)の調整 (病気や障害を抱え、社会生活を送ることの困難さへの介入). ソーシャルワーカーの歴史 日本. 内 容 (前半) ① ソーシャルワーカーの紹介 ② 当院の概要と医療体制 ③ 小児科支援の特徴 (後半) 支援事例報告. ソーシャルワーカーの業務 (「社会福祉士」国家資格). 社会福祉の立場から患者の抱える 経済的・心理的・社会的問題の解決を支援すること ① 療養中の心理的・社会的問題の調整援助 ② 退院援助 ③ 社会復帰支援 ④ 受診・受療援助 ⑤ 経済的問題の解決、調整援助 ⑥ 地域活動 厚生労働省:「医療ソーシャルワーカー業務指針」より. 総合病院の支援から見る 小児ソーシャルワーク支援の特徴. • 1929年 聖路加国際病院に初めて配置 • 1945年~GHQ主導で保健所や国立療養所・病院に 配置(貧困者や結核患者への援助) →以降、幅広い生活相談、対象者・業務が徐々に拡大 • 1987年 「社会福祉士及び介護福祉士法」成立 • 1989年 「ソーシャルワーカー業務指針」制定. • 入院での支援数は多くはない • 支援期間は長期になり関わりも深くなる • 外来相談が多い. 当院. • 退院の支援・制度紹介・家族課題支援・虐待対応. • 1997年 「事務部 庶務課」に置かれる • 2009年 「診療技師部門 福祉相談部」として独立 • 2014年 18年目・ソーシャルワーカー13名. ① 児の疾病や成長・家族のライフイベント ② 支援の移行ができない(できなかった) →医療・社会保障制度・社会福祉制度の知識 →家族システム・社会システムの理解 →アプローチモデル・理論の知識と技能. 2.

(13) お話しすること • • • •. ケース概要 退院までの支援 自宅退院後の支援 まとめ. 退院にあたっての課題 ♯1 経済的問題 ♯2 サポート体制の構築 ♯3 自宅の療養環境の整備 ♯4 家族の支援. 工夫したこと① 母親の能力の問題 ・図表で分かりやすく ・口頭のみでの説明はしない. 工夫したこと② 地域を巻き込んでチームを作る ・将来的起こる可能性のある課題を見据える ・市町村や社会福祉協議会の地域ケアコー ディネーターを活用する. 自宅退院後に起きた問題. まとめ. ♯1 介護の負担. 小児の在宅支援に必要なこと ①院内スタッフとの連携が不可欠 ②地域もチームのメンバーとして組み込み 支援体制を作っていくことが大切 ソーシャルワーカーとしては 根拠に基づいた支援と連携と 課題を予測した関わりが必要. ♯2 母親の育児疲れ ♯3 経済的問題. 3.

(14) 茨城小児在宅医療ネットワーク 第1回多職種合同研修会 2014/7/19 筑波大学附属病院 けやきプラザ. 〇本日のお話 • • • •. 子どもと訪問看護. おかあさんとのかくれんぼ 訪問看護について(制度など) 訪問看護ステーション愛美園について 子どもの訪問看護. 平成26年7月19日 訪問看護ステーション愛美園 所長 中島 由美子. 19. 〇訪問看護について. 20. 〇訪問看護を利用するには. • 全国に7473カ所、茨城県103カ所の訪問看護ス テーションが稼働しています • 訪問看護では、以下の専門職が従事しています 看護師、助産師、保健師 理学療法士、作業療法士、言語聴覚士 看護補助員(資格問わず) 事務員 管理者は看護師を原則とする 居宅介護支援事業所を併設がある場合には介護支 援専門員. • 医療保険の場合 ①病院や診療所の医師、退院調整看護師、 SW、ケアマネジャー、または本人からの依頼 ②主治医に訪問看護指示書を出してもらう 指示書は1ヶ月~6ヶ月までの指示期間 ③訪問開始 ※要介護者であっても、癌末期、神経難病、急性増悪 時、精神疾患等の方は、医療保険での訪問となります。 制度が複雑ですのでステーションに問い合わせ下さい. 21. 〇訪問看護のサービス内容 • • • • • • • • •. 22. 〇子どもの訪問看護をしていて思うこと. 健康状態の観察と助言 日常生活の看護 在宅リハビリテーション看護 子どもの訪問看護 介護者の相談 認知症・精神疾患の看護 終末期の看護~看取りまで 点滴・HOT管理・IVH管理・在宅人工呼吸器管理 24時間対応を取りながら、医師や地域のサービス事 業所と連携を取りながら看護を提供しています. 障がいのある子どもと母親は、皆それぞれ少しでも、 発育や発達の可能性を信じて毎日を過ごしてい ます。しかし、身体の疲労や先行きに対する心配 を常に抱えています。特に、人工呼吸器を装着し ているお子さんの親は、慢性的な疲労を抱えてい ます。レスパイト先は病院に限られますので、何ヶ 月かに数日しか心安まる夜はありません。訪問看 護として地域で何かできないか、誰と話し合って 行けばよいのか、いつも、スタッフ皆で考えていま す。皆さんもよろしくお願いいたします 23. 24. 4.

(15) 茨城小児在宅医療ネットワーク 第1回多職種合同研修会 2014/7/19 筑波大学附属病院 けやきプラザ. NPO法人日立太陽の家は 障害のある人たちの自立生活の実現を支援します 自立生活 とは、. 小児在宅医療ネットワーク. 障害者自身の自己決定と選択権が最大限に尊重され、 たとえ全面的な介助を受けていても、 自己決定が保証されている生活を「自立生活」。 たとえば 住の選択の自由 は、 ①家族と一緒に生活する。 ②アパートで一人で生活する。. NPO法人日立太陽の家. ③施設で生活する。 ①と②の選択を可能にするために、. 看護師、介護福祉士、障害者相談支援専門員. 自立支援五事業 を統合的に提供することを目指しています。. 横田寿子. 25. 26. 1、重症心身障害児(者)通園施設/生活介護. NPO法人日立太陽の家 1.生きがいを支援する 生活介護事業. • • • • • •. 昭和43年日立重症心身障害児(者)を守る会を中心に、 『太陽の家』建設を目指し、一円玉募金を開始 昭和45年 4月 開園に先立ち、「支える会」が日立、多 賀郵便局の協力で発足 7月 重症児の城『日立市太陽の家』開園 通園事業/生活介護事業: 障害の状況やニーズに応じ てそれぞれに登園日が設定してあります。 • 短時間保護事業(レスパイトサービス):在宅の障害者を 保護している介護者の介護を一時的に解放することを援 助する事業 で、介護者の要請に応じ、太陽の家のサービ ス提供時間外に保護をしています。. 2.居宅での生活を支援する 居宅介護事業 3.緊急時を支援する 緊急一時保護事業 4.問題を解決するための 相談支援事業 5.住まいの場と介護を提供する グループホーム事業. 27. 28. 小児在宅医療ネットワーク. 3,緊急一時保護事業。 • 在宅の障害者を保護している介護者が、病 気、事故、お悔やみ等、緊急 な要件が発生し 家庭での介護ができなくなったとき、最高2泊 3日以内 で一時家庭にかわって保護をする 事業。. 市町村 幼稚園. 訪問看護. 家族 居宅介護 入浴. 利用者. リハビリ. 病院. 福祉用具. 相談支援 29. 30. 5.

(16) 茨城小児在宅医療ネットワーク 第1回多職種合同研修会 2014/7/19 筑波大学附属病院 けやきプラザ. 6.

(17) 公益財団法人 在宅医療助成 勇美記念財団助成事業. 茨城小児在宅医療ネットワーク. 第2回 多職種合同研修会 1 単位. 希望する暮らしを支える ∼小児在宅医療の実践に役立つ知恵と工夫∼. 一部登録制 参加費無料. 12 月13 日(土) 13:00~16:30. 日時. 2014 年. 会場. 筑波大学附属病院 けやきプラザ 茨城県つくば市天久保 2-1-1. 主催. 茨城県小児在宅医療ネットワーク 世話人:宮園弥生(筑波大学),渡辺章充(土浦協同病院),新井順一(茨城県立こども病院). プログラム 13:00 開会ご挨拶 13:05 講演会 14:30 グループワーク「仮想症例を元に,多職種によるチームで問題解決を図りましょう」 16:30 閉会ご挨拶 講師紹介. 相互主体で行う小児在宅医療 ~ご家族のさまざまな工夫が感じられた事,考えた事~ あおぞら診療所墨田 理学療法士. 中野 弘陽. 先生. 職種連携チームによる在宅移行と地域連携への橋渡し ~在宅移行パスのご紹介~ 大阪府立母子総合医療センター 新生児科/在宅支援室/ICT. 望月 成隆. 先生. 申込方法 グループワークに参加希望の場合は,下記 成育支援室 宛に事前登録をお願いいたします。 講演会聴講のみの事前登録は不要です。. 【お問い合せ・お申込み】 筑波大学附属病院小児総合医療センター 成育支援室 〒305-8576 つくば市天久保 2-1-1 TEL 029(853)3785 FAX 029(853)8819 E-mail ppsupport@un.tsukuba.ac.jp.

(18) 2015/1/28. 茨城小児在宅医療ネットワーク. 第2回 多職種合同研修会. 相互主体で行う小児在宅支援 ~ご家族のさまざまな工夫から 感じたこと、考えたこと~. 本日の内容 ・子どもの生活を支える構造 ・ご家族、支援者の工夫 ・アイディアグッズ集. 個人情報の使用についてはご本人・ご家族の承諾、なおかつプライバシーに配慮して使用しています。 なお資料の配布はしないことにしました。ご了承下さい。. 茨城小児在宅医療ネットワーク 第2回多職種合同研修会 2014/12/13 筑波大学附属病院 けやきプラザ. 1.

(19) 2015/1/28. 茨城小児在宅医療ネットワーク 第2回多職種合同研修会 2014/12/13 筑波大学附属病院 けやきプラザ. 2014年12月13日. 茨城小児在宅医療ネットワーク 第2回 多職種合同研修会 グループワーク. 大切なことは? 医療的なケアを必要とするこどもが、 社会の中でその子らしく生きいきと. 希望する暮らしを支えるために できることを、一緒に考えましょう. ケース1. Aちゃん 3か月 女児 18トリソミー ・出生前より胎児発育遅延と胎児心奇形を指摘 ・在胎36週3日、1,860gで出生し、NICUに入院。 ・出生後の染色体検査で18トリソミーと確定診断 ・合併疾患 先天性心疾患(心室中隔欠損症+肺動脈狭窄) 鎖肛 ・生後2か月時に肺炎により、2週間nasalCPAPを 装着し、1週間前にようやくCPAPを離脱した. 暮らしていくために大切なことは 何でしょうか?. 医学的状況 ・現在の体重は2,400gでGCUに入院中 ・経管栄養(経鼻胃管) 母乳を45ml/回 3時間毎に注入 ・人工肛門 ・鼻カニューラで酸素を0.25L/分投与中 ・利尿剤内服. 現在、すぐに生命が危ない状況ではないが、突然 状態が急変する可能性については、ご両親に説明 を行っている。. 2.

(20) 2015/1/28. 家族の状況 5人家族 ・父:40歳、会社員 出張が多い職場 ・母:34歳、専業主婦 ・姉:5歳、幼稚園 ・兄:1歳8か月. ワーク1:利点と問題点 Aちゃんのご両親は、Aちゃんとともに家族みんなで 生活することを希望しています。 家に帰ることでかなえられること、反対に難しくなる こととして、どのようなことが考えられるでしょうか?. 双方の祖父母ともに遠方に居住しており、親族の サポートは得られにくい。 両親ともに、家族全員で生活することを希望している。. 母親の気持ち(1). 母親の気持ち(2). ・この子が生まれてすぐの頃は、 「どうしてうちだけ・・・」「いつまで生きられるんだろ う」という気持ちでいっぱいだった。 ・18トリソミーのこどもは9割が1歳前に亡くなるが、 中には何年も生きられるお子さんもいるということも 聞いた。心臓の手術は今は必要ないということだし、 手術で痛い思いはさせたくない。 ・お姉ちゃんはこの子が帰ってくるのを楽しみにして いるが、すぐ上の兄はまだ小さく、手もかかる。. ・2か月の時に肺炎になった時には急に具合が 悪くなってとても不安だった。 ・肺炎になったので、在宅のためのトレーニングが ほとんどできていないのが不安。 ・家に帰ってきてほしいが、ちゃんと世話できるのか 自信がない。 ・父親も出張が多く、退院したら自分一人でこの子の 世話と家事を全部しなければならないのだろうか? ・自宅で急に具合が悪くなったらどうしよう。. 父親の気持ち. ワーク2:問題点の整理. ・もしも長く生きられないなら、余計に家族でたくさん 思い出を残してやりたい。 ・自分は出張が多く、祖父母も遠くに住んでいるので、 母親一人に負担がかかるのが心配。 ・経済的にやっていけるのかも不安がある。. Aちゃんが自宅で暮らすにあたって解決・対応すべき 事項を考えるにあたり、まずはワーク1で挙げた 問題点を整理してみましょう。. 3.

(21) 2015/1/28. ヒント ・医学的な対応 ・ご両親への心理的社会的なサポート ・きょうだいへの心理的社会的なサポート ・今後おこりうることの想定と対応. ケース2 Bくん 2歳 男児 先天性筋ジストロフィー ・2か月で視線が合わない。 ・4か月で、哺乳不良のため、経管栄養(経鼻胃管)導入。 ・6か月時に、先天性筋ジストロフィーと診断。 ・慢性咳嗽あり。1歳0か月時の検査で、誤嚥や胃食道逆 流症は否定的。吸引器を購入し、吸引指導を開始。 ・1歳5か月時RSウイルス細気管支炎で人工呼吸器管理。 ・在宅酸素療法を開始。 ・2歳0か月時に、気道分泌物の増加に伴う呼吸不全のた め救急搬送され、人工呼吸器管理となった。. 家族の状況 5人家族 ・父:会社員、協力的 ・母:専業主婦、主たる介護者 ・兄:3歳 ・母方祖母:平日3日間はパート勤務だが、 協力的。 患者家族会に所属し、積極的にセカンドオピニオンにいくな ど、大変熱心なご家族。母親は自宅でSpO2が低下すること への不安が非常に強く、1日100回以上吸引をするなど、む しろ指示に忠実に頑張りすぎる部分がある。. ワーク3:ケアプランを考える 各問題点に応じて、具体的にそれぞれの対応策を 考えてみましょう. 医学的状況 ・現在、PICUに入院中 ・気管内挿管 ・人工呼吸器管理 ・経管栄養(経鼻胃管) 抜管後、RTXとNPPVを試すが、再度、呼吸不全が進行 したため再挿管となった。気管内挿管する際、抜管 困難の場合は、気管切開になりうる可能性は情報提供 済み。. 両親の気持ち これまでとケアの仕方が変わるため、在宅で家族の みでケアしていくことが不安。今ある物品で用足りる かもわからない。また、新たに必要な物も揃える必要 があるかもしれないし。その他、一時的な預け先の情 報が欲しい。兄は普段通り保育園に通えているが、児 が救急搬送された様子を見ておりショックは受けてい ると思う。兄の育児について相談したい。. 4.

(22) 2015/1/28. ワーク1:利点と問題点 Bくんのご両親は、Bくんとともに家族みんなで 生活することを希望しています。 家に帰ることでかなえられること、反対に難しくなる こととして、どのようなことが考えられるでしょうか?. ヒント. ワーク2:問題点の整理. Bくんが自宅で暮らすにあたって解決・対応すべき 事項を考えるにあたり、まずはワーク1で挙げた 問題点を整理してみましょう。. ワーク3:ケアプランを考える. ・医学的な対応 ・ご両親への心理的社会的なサポート ・きょうだいへの心理的社会的なサポート ・今後おこりうることの想定と対応. 2014年12月13日. 各問題点に応じて、具体的にそれぞれの対応策を 考えてみましょう. 2014年12月13日 グループワーク(KJ法). グループワーク(KJ法). 5.

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