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炎症性関節疾患軟骨におけるヒアルロン酸の局在に関する検討

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Academic year: 2021

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Title

炎症性関節疾患軟骨におけるヒアルロン酸の局在に関する

検討( 内容の要旨(Summary) )

Author(s)

川崎, 浩史

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(医学)乙 第1021号

Issue Date

1996-01-17

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/15245

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

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氏名 (本籍) 学位の種類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与の要件 学位論文題目 審 査 委 員 川 崎 浩 史(岐阜県) 博 士 (医学) 乙第1021号 平成 8 年1月17 日 学位規則第4条第2項該当 炎症性関節疾患軟骨におけるヒアルロン酸の局在に関する検討 (主査)教授 松 永 隆 信 (副査)教授

教授 大 谷 勲 論 文 内 容 の 旨 ヒト関節軟骨のムコ多糖体(glycosaminoglycans:GAG)についてはt生化学的にそれぞれの分子種につい て定量された報告があり・その局在についてはトルイジンブルー染色などのメタクロマジーを利用した染色法と ヒアルロニダーゼなど各種GAG消化酵素を用いた酵素消化法により.あるいは特異糖鎖と結合する植物性血球 凝集素レクチンにより間接的に証明されてきた。近年,ウシ鼻中隔軟骨から抽出したプロテオグリカン (proteoglycans:PG)より分離されたヒアルロン酸結合蛋白(hyaluronicacidbindingprotein:HABP)を 用いてt組織に存在するヒアルロン酸(hyaluronicacid‥HA)を特異的に検出する方法が確立されつつあり, 関節軟骨の変性や修復におけるGAG産生の動態が論じられるようになった。しかし,まだそのすべてが明らか にされたわけではない。 申請者は・ヒト正常関節軟骨(normalarticularcartilage:NC),変形性関節症(osteoarthritis:OA)軟 骨および慢性関節リウマチ(rheumatoidarthritis:RA)軟骨におけるHAの局在を,HAに直接結合するビオ チン標識HABPを剛、て直接光顕的に観察することにより,各疾患における染色性の相違を明らかにし,HAの 役割についても検討した。 対象と方法 対象は外傷患者7例・OA患者7例とRA患者5例である00A患者7例中,腰野らの分類によるgrade3が6 例・grade4が1例であり,RA患者5例中・Larsenの分類によるgradeⅢが1例,gradeⅣが3例,gradeVが1 例である。 NCは手術時に正常大腿骨頭軟骨を採取し,OAおよびRA関節軟骨は,同様にして膝関節荷重部に隣接する残 存軟骨を採取した0標本を細切し,直ちに4℃ 95%エタノールにより4時間固定後,通常のパラフィン包哩に よる5FLmの薄切切片を作製した。まず,内因性ペルオキシダーゼの除去に0・1%過酸化水素水・Phosphate-bufferedsaline(PBS)(pH7・4)溶液を用いて5分間反応させ,非特異反応阻止には10%ヤギ血清に20分間浸 潰とした0次に・ビオチン標識HABP(中外製薬k・k・)は濃度2.5pg//mlとし,室温で4時間反応させた。PBS で洗浄後,perOXidaseconjugatestreptavidin溶液(コスモバイオk・k・)による通常のavidin-biotinperoxidase COmplexmethodを行い・発色には3・3-diaminobenzidineと3%過酸化水素水一PBS溶液(0.1M pH7.4)の混合 液(0・03%)を用いた。ヘマトキシリンで2分間核染色後,常法に従って脱水,透徹,封入し光学顕微鏡 (OLYMPUSBH)により観察した0=A消化試験は,あらかじめStreptomyceshyaluronidase(天野製薬k.k.) ・Trふ塩酸(0・1M)溶液(0.05%pH5.5)を用いて37℃,1時間で消化した。 HA局在量はペルオキシダーゼ酵素の染色強度によりt40倍で明らかに確認できるものを強陽性2+,200倍 で明らかに確認できるものを陽性+,200倍で何とか確認できるものを弱陽性±,染色されないものを-とした。 軟骨細胞層はtlaminasplendensをLSとし・tangentialzone∼CalcifiedzoneをそれぞれⅠ層-Ⅳ層とした。 軟骨基質は・細胞領域(territorialmatrix:TM)と細胞間領域(interterritorialmatrix:ITM)に分類し, Chondrocyteからpericellular capsuleまでをchondronとした。 結 果 正常軟骨の染色性 123

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軟骨細胞層別にみるとLSとⅡ,Ⅲ層のchondronでは.全例にHABP結合反応が存在し,Ⅱ,Ⅲ層のTMには7 例中6例に陽性反応を認めた。Ⅰ,Ⅳ層では7例中5例に陽性反応を認めた。 染色強度別評価では,2+が1例のみⅢ層のchondron,TMに存在した。+は,LS,Ⅲ層のchondronで5例 に.Ⅱ層のTM.Ⅲ層のchondronとⅣ層の胞体内で4例に,Ⅲ層のTMで3例に認めた。±は,Ⅰ層のTM,IT Mで5例に認めた。 OA軟骨の染色性 軟骨細胞層別にみるとOAにおけるLSは,はぼ全例で消失していた。Ⅰ層では7例中6例に,Ⅱ∼Ⅳ層では全 例に陽性反応が存在した。Ⅱ.Ⅲ層の染色性は,7例中6例でNCに比べて増強しており,特にchondron,TM, ITMの各領域において顕著であった。一方grade4の1例では全層で染色性の低下を示したが,Ⅱ,Ⅲ層および Ⅳ層胞休内で陽性反応を認めた。 染色強度別評価では2+が,LSを除くI∼IV層で存在し,特にⅡ,Ⅲ層のchondron.ITMにおいては3例に, Ⅱ,Ⅲ層のTMでは4例に存在した。+は,Ⅰ層の各領域で3例に,Ⅱ,Ⅲ層のchondron,Ⅳ層の胞体内で4例 に認めた。±はこ Ⅳ層のITMで3例に認めた。 RA軟骨の染色性 軟骨細胞層別では,LS,Ⅰ層の形態が.軟骨の破壊部位では全例において崩壊していたが.Ⅱ,Ⅲ層のchondron とⅣ層の胞体内では全例に陽性反応を示した。gradeⅢの1例はⅡ∼Ⅳ層の全領域で陽性反応を認め,他のRA 軟骨に比べ,とくに軟骨基質での染色性が増加していた。一方 gradeVの1例ではⅡ∼Ⅳ層の胞体内で陽性反 応が存在したのみで,軟骨基質は陰性となり.著しい染色性の低下を示した。 染色強度別評価で2+は存在しなかった。+はⅢ,Ⅲ層のchondronとIV層の胞体内,TMでそれぞれ1例ずつ に認めた。±はⅡ,Ⅲ層のchondronとⅣ層の胞体内で4例に,Ⅲ.Ⅲ層のTMにおいても3例に認めた。一方, gradeVの1例ではⅡ∼Ⅳ層の胞体内のみが±となった。 以上の結果よりHA染色性は初期OA>NC>初期RAの順で強く,OA.RAともに病期が進行するにつれ,染 色性は低下した。 考 察 NCにおいてはt 全層で陽性反応を認め,特にⅢ,Ⅲ層のchondronで著明であった。この結果はtI∼Ⅲ層ま での間では深部である程,HA産生が活発なことを示している。また初期OA6例においてはHA染色性が増加し ていたが,その理由を以下に考察する。OA軟骨のPGにはt HAとaffinityを示さないものが多くなることや,P Gの分晩 減少により,HAにおけるprotein binding regionの相対的な増加が起こると推察される。また,変性

軟骨の修復過程ではchondrocyteにおいても染色性が増加していたことを考えると.HA産生が活発化すること がわかる。より変性が進んだ1例では染色性が低下していたが.これはt Mankinらが述べているように軟骨基 質のHA産生が衰退したためと考えられる。RAにおいても同様なことがいえるが,病態の性格上 病期進行に 伴いより多くの軟骨が破壊されるため,HA減少はOAに比べ当然多いといえる。またⅢ,Ⅲ層のchondronでは, NC,OA,RA軟骨のすべてに陽性反応を認めたが.この事実はHAが主にⅢ,Ⅲ層で産生されていることを明 らかにし,さらには,同部でのHA産生が軟骨そのものの維持以外に,変性軟骨の修復を目的としていることを 証明した。 論文宰査の結果の要旨 申請者 川崎浩史は,ヒト外傷例.変形性膝関節症例ならびに関節リウマチ膝障害例の関節軟骨のヒアルロン 酸を直接的に証明し,その動態を明らかにした。本知見は,関節疾患研究の進歩に寄与する所大であると認める。 〔主論文公表誌〕 炎症性関節疾患軟骨におけるヒアルロン酸の局在に関する検討 平成7年9月発行 岐阜大医紀 43(5):659∼665 124

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