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鹿児島県南薩地域の海産固着性貝類・付着性貝類の分布

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Academic year: 2021

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(1)

著者

大島 浩明, 冨山 清升

雑誌名

Nature of Kagoshima

40

ページ

181-188

発行年

2014

別言語のタイトル

The Molluscan fauna of the property to attach

to a rock in the southern part of Satsuma

Peninsula, Kagoshima, Japan

(2)

要旨 鹿児島県の南薩地域は九州の南西端にあた り,その海岸線の多くは岩礁帯から成り立ってい る.そのため多くの種類の海産固着性貝類・付着 性貝類が生息することが予想されるが,その分布 についての詳しい研究はほとんど行われていな い.特に笠沙から坊津にかけては急峻な山並みが 沈水して出来たリアス式海岸が形成されており, 調査の手が入りにくい地形となっている.そこで 本研究では笠沙町,坊津町,枕崎市,知覧町,頴 娃町,山川町という 6 つの地点を定め,南薩地域 の海産固着性貝類・付着性貝類の分布調査を行っ た.  調査は,笠沙町,坊津町,枕崎市,知覧町,頴 娃町,山川町の 6 つの地点の海産固着性貝類・付 着性貝類を,2013 年 1 月から 7 月の間,月に 1 回, 大潮の日の干潮前後に調査地に行き,約 2 時間見 つけ捕り採集を行った.採集する数は同定に必要 と考えられる必要最小限の数とした.採集したサ ンプルは茹でて肉抜きした後,水道水で洗い,乾 燥機で一週間程乾燥させ,同定を行った.  調査の結果,笠沙町では 9 科 12 種,坊津町で は 11 科 16 種,枕崎市では 10 科 14 種,知覧町で は 14 科 22 種,頴娃町では 10 科 13 種,山川町で は 15 科 23 種を確認した.6 地点の合計としては 22 科 48 種を確認した.アッキガイ科やニシキウ ズ科,ヨメガカサ科のように 6 地点全てで確認出 来た科もあれば,1 つの地点のみでしか確認でき ない科もいくつかみられた.  この調査結果を基に Simpson の多様度指数を用 いて各調査地の海産固着性貝類・付着性貝類の多 様度を求めた.その結果,笠沙町で最も高く(最 も複雑な群集),山川町で最も低い値(最も単純 な群集)となった.笠沙町の多様度指数が高い理 由としては,一つ目に笠沙町の調査地がリアス式 海岸を形成しているため人のアプローチが少なく 海岸生態系の撹乱があまりないこと,二つ目に笠 沙町が黒潮海流の影響を強く受ける場所であるこ とが考えられる.山川町の多様度指数が低い理由 としては,調査地が長崎鼻付近ということで,観 光客が多く,貝類の採取等によって海岸の自然が 乱されていることが考えられる.さらに地点間の 群集の類似度を野村・シンプソン指数を用いて求 め,類似デンドログラムを作成した.その結果, 類似度は知覧 ― 頴娃間が最も高かった.これは 知覧と頴娃の調査地が,阿多溶結凝灰岩が侵食さ れ出来た岩礁帯という共通の地形的特長をもって いることが大きな理由だと考えられる.次に類似 度が高かった笠沙 ― 坊津間もリアス式海岸中の 岩礁と転石が混じりあった似た地形同士だったこ とから,群集の類似度には海岸地形が大きく関係 していることが考察される.  はじめに  鹿児島県の南薩地域は九州の南西端にあたり, その海岸線の多くは岩礁帯から成り立っている. そのため多くの種類の海産固着性貝類・付着性貝 類が生息することが予想されるが,その分布につ    

Oshima, H. and K. Tomiyama. 2014. The Molluscan fauna of the property to attach to a rock in the southern part of Satsuma Peninsula, Kagoshima, Japan. Nature of

Kagoshima 40: 181–188.

KT: Department of Earth and Environmental Sciences, Faculty of Science, Kagoshima University, 1–21–35 Korimoto, Kagoshima 890–0065, Japan (e-mail: tomiyama@ sci.kagoshima-u.ac.jp).

鹿児島県南薩地域の海産固着性貝類・付着性貝類の分布

大島浩明・冨山清升

(3)

いての詳しい研究はほとんど行われていない.特 に笠沙から坊津にかけては急峻な山並みが沈水し て出来たリアス式海岸が形成されており(坊津町 郷土誌,1969;笠沙町郷土誌,1986),調査の手 が入りにくい地形となっている.そこで本研究で は,地形(福岡人文社,1995;鹿児島県立博物館, 1995;黒田,2006)を参考にして,笠沙町,坊津 町,枕崎市,知覧町,頴娃町,山川町という 6 つ の地点を定め,南薩地域の潮間帯における海産固 着性貝類・付着性貝類の分布調査を行った.貝類 (軟体動物)の生息型には,岩等への固着・付着 性の他に,藻類付着性,浮遊性,遊泳性,基質穿 孔性,砂泥中潜伏性,寄生性,等々の多種多様な 生活型が存在する.今回の調査では,調査時間も 限られたことから,見落としの少ない固着性・付 着性の生活型をとる貝類の調査にしぼった.  また,採集結果を基に Simpson の多様度指数 (Simpson, 1949)を用いて各調査地の海産固着性 貝類・付着性貝類の多様度を求め,比較を行った. さらに地点間の群集の類似度を野村・シンプソン 指数(野村,1939, 1940)を用いて求め,比較した.  調査地・調査日・調査方法 調査地・調査日 調査地は鹿児島県の南薩地域の海岸で,笠沙 から山川にかけて計 6 地点で調査を行った.正確 な位置を知るため,全ての調査地で GPS 受信機 を使って緯度・経度を求めた.調査地の位置は, 対応している. 1 南さつま市笠沙町片浦 (2013 年 1 月 30 日) 2 南さつま市坊津町坊  (2013 年 2 月 27 日) 3 枕崎市火の神岬町   (2013 年 3 月 30 日) 4 南九州市知覧町南別府 (2013 年 4 月 27 日) 5 南九州市頴娃町別府  (2013 年 5 月 26 日) 6 指宿市山川町岡児ケ水 (2013 年 7 月 24 日) ※笠沙町・坊津町は岩礁交じりの転石帯,枕崎市 は転石帯,知覧町・頴娃町・山川町は岩礁帯で採 集を行った(図 2 参照). 調査方法 調査は,笠沙町,坊津町,枕崎市,知覧町,頴 娃町,山川町 6 つの地点の潮間帯の海産固着性貝 類・付着性貝類を,2013 年 1 月から 7 月の間, 月に 1 回,大潮の日の干潮前後に約 2 時間見つけ 捕り採集を行った(6 月は梅雨の影響で採集に行 くことが出来なかった).採集する数は同定に必 要と考えられる必要最小限の数とした.採集した サンプルは茹でて肉抜きした後,水道水で洗い, 乾燥機で一週間程乾燥させ,同定を行った(伊藤, 1983; 吉 良,1954; 奥 谷,2000; 行 田,2000, 2003).  結果 調査の結果,笠沙町では 9 科 12 種を確認し, ヨメガカサガイ科が 3 種と最も多かった.坊津町 では 11 科 16 種を確認し,アッキガイ科,イガイ 科,イタボガキ科,エゾバイ科,ヨメガカサガイ 科が各 2 種ずつで最も多かった.枕崎市では 10 科 14 種を確認し,アッキガイ科,サザエ科,ニ シキウズ科,ヨメガカサガイ科が各 2 種ずつで最 も多かった.知覧町では 14 科 22 種を確認し,アッ キガイが 5 種で最も多く,ついでニシキウズ科, ヨメガカサガイ科が各 3 種ずつで多かった.頴娃 町では 10 科 13 種を確認し,ヨメガカサガイ科が 3 種と最も多かった.山川町では 15 科 23 種を確 認し,アッキガイ科とニシキウズ科が各 4 種ずつ で最も多かった. 図 1.採集地(1.笠沙町,2.坊津町,3.枕崎市,4.知覧町, 5.頴娃町,6.山川町).

(4)

全体としては科数,種数ともに山川町(15 科 23 種)が最も多く,ついで知覧(14 科 22 種)が 多いという結果になった.最も科数,種数が少な いのは笠沙町の 9 科 12 種だった.6 地点の合計 としては 22 科 48 種を確認した.ヨメガカサガイ 科に属するベッコウガサ,マツバガイ,ヨメガカ サはほとんどの調査地で確認できた.特にヨメガ カサは 6 地点,全ての調査地で確認できた. 種としてはアッキガイ科に属するものが 9 種 と最も多く,ついでニシキウズ科の 6 種が多いと いう結果になった.クマノコガイは笠沙町と坊津 町では数多くみられたが,他の調査地では全くみ られなかった. 多様度を求める多様度指数の値(表 1)は,高 図 2.採集地.1:笠沙町,2:坊津町,3:枕崎市,4:知覧町,5:頴娃町,6:山川町. 科 笠沙 坊津 枕崎 知覧 頴娃 山川 アッキガイ科 2 2 2 5 2 4 アマオブネ科 1 1   1 1 1 イガイ科 1 2   1 1 1 イタボガキ科 1 2 1 1 1   イモガイ科     1 1 1 1 ウグイスガイ科   1   1   1 ウミギク科     1       エゾバイ科 1 2   1   2 オキニシ科       1 クサズリガイ科   1 1 1 1 1 ゴマフニナ科         1   サザエ科 1   2     1 タカラガイ科   1 1     1 タマガイ科   1         トマヤガイ科       1 ニシキウズ科 1 1 2 3 1 4 ハボウキ科       1     フジツガイ科       1 フネガイ科       1 1 1 ミミガイ科     1 1     ユキノカサガイ科 1     1     ヨメガカサガイ科 3 2 2 3 3 2 N(総種数) 12 16 14 22 13 23 S(総科数) 9 11 10 14 10 15 A(多様度指数) 0.1389 0.1016 0.1122 0.1116 0.1243 0.0964 表 1.各地点の多様度指数.

(5)

山川町(0.0964)となり,笠沙町の調査地が最も 複雑な群集,山川町の調査地が最も単純な群集と いう結果になった.群集の類似度を求める野村・ シンプソン指数の値(表 2)は知覧 ― 頴娃間で 最も高く(0.846),ついで笠沙 ― 坊津間で高かっ た(0.667).類似デンドログラムは付表の図 3 に 示す.以下に種別出現状況と地点別出現状況を示 す. 種別出現状況 多板綱 POLYPLACOPHORA 新ヒザラガイ目 Neoloricata クサズリガイ科 Chitonidae

1. ヒ ザ ラ ガ イ Acanthopleura japonica (Lischke, 1873) 採集地:坊津町,枕崎市,知覧町,頴娃町,山 川町(計 5 ヵ所). 腹足綱 GASTROPODA 前鰓亜綱 PROSOBRANCHIA カサガイ目 Patellogastropoda ヨメガカサガイ亜目 Nacellina ヨメガカサガイ上科 Nacelloidea ヨメガカサガイ科 Nacellidae

2.ヨメガカサ Cellana toreuma (Reeve, 1854)  採集地:笠沙町,坊津町,枕崎市,知覧町,頴 娃町,山川町(計 6 ヵ所)

3.マツバガイ Cellana nigrolineata (Reeve, 1854)  採集地:笠沙町,坊津町,知覧町,頴娃町,山 川町(計 5 ヵ所)

4.ベッコウガサ Cellana grata (Gould, 1859)  採集地:笠沙町,枕崎市,知覧町,頴娃町(計 4 ヵ所)

ユキノカサガイ科 Lottiidae

5.ウノアシ Patelloida saccharina (Reeve,1855)  採集地:知覧町(計 1 ヵ所)

6.ホソスジアオガイ Nipponacmea teramachii (Kira, 1961)  採集地:笠沙町(計 1 ヵ所)

古腹足目 Vetigastropoda

オキナエビスガイ上科 Pleurotomarioidea ミミガイ科 Haliotidae

7.トコブシ Sulculus diversicolor supertexta (Lischke, 1870)  採集地:枕崎市,知覧町(計 2 ヵ所)

ニシキウズガイ上科 Trochoidea ニシキウズ科 Trochidae

8.イシダタミ Monodonta labio confusa Tapprone-Canefri, 1874  採集地:知覧町,頴娃町,山川町(計 3 ヵ所) 9.ギンタカハマ Tectus pyramis (Born, 1778)  採集地:山川町(計 1 ヵ所)

10.クマノコガイ Chlorostoma xanthostigma A.Adams, 1853  採集地:笠沙町,坊津町(計 2 ヵ所) 11.コシダカガンガラ Omphalius rusticus (Gmelin, 1791)  採集地:枕崎市,山川町(計 2 ヵ所) 12.ニシキウズ Trochus maculates Linnaeus, 1758  採集地:枕崎市,知覧町,山川町(計 3 ヵ所) 13.メクラガイ Diloma suavis (Philippi, 1849)  採集地:知覧町(計 1 ヵ所)

サザエ科 Turbinidae

14.ウラウズガイ Astralium haematragum (Menke, 1829)

B 坊津 0.667 C 枕崎 0.333 0.214 D 知覧 0.583 0.563 0.5 E 頴娃 0.5 0.538 0.308 0.846 F 山川 0.417 0.375 0.462 0.545 0.538 笠沙 坊津 枕崎 知覧 頴娃 A B C D E 表 2.各調査地点間の NSC(野村・シンプソン指数). 図3.6 つの調査地の固着性貝類・付着性貝類の類似性を示 したデンドログラム.

(6)

 採集地:枕崎市,山川町(計 2 ヵ所) 15.カタベガイ Angaria neglecta Poppe & Goto, 1993  採集地:笠沙町,枕崎市(計 2 ヵ所) アマオブネガイ目 Neritimorpha

アマオブネガイ上科 Neritoidea アマオブネ科 Neritidae

16.アマオブネ Nerita albicilla Linnaeus, 1758  採集地:笠沙町,坊津町,知覧町,頴娃町,山 川町(計 5 ヵ所)

盤足目 Discopoda

カニモリガイ上科 Cerithioidea ゴマフニナ科 Planaxidae

17.ゴマフニナ Planaxis sulcatus (Born, 1778)  採集地:頴娃町(計 1 ヵ所)

タカラガイ上科 Cypraeoidea タカラガイ科 Cypraeidae

18.ナツメモドキ Erronea errones errones (Linnaeus, 1758)  採集地:坊津町(計 1 ヵ所)

19.ハナマルユキ Erosaria caputserpentis Linnaeus, 1758  採集地:枕崎市(計 1 ヵ所)

20.ホソヤクシマダカラMauritia eglantina eglantina (Duclos, 1833)  採集地:山川町(計 1 ヵ所)

タマガイ上科 Naticoidea タマガイ科 Naticidae

21.ネズミガイ Mammilla simiae (Deshayes, 1838)  採集地:坊津町(計 1 ヵ所)

ヤツシロガイ上科 Tonnoidea オキニシ科 Family Bursidae

22.イワカワウネボラ Bursa granularis (Roeding, 1798)  採集地:山川町(計 1 ヵ所)

フジツガイ科 Ranellidae

23.サツマボラ Cymatium aquatile (Reeve, 1844)  採集地:山川町(計 1 ヵ所)

新腹足目 Neogastropoda アッキガイ上科 Muricoidea アッキガイ科 Muricidae

24.イボニシ Thais (Reishia) clavigera (Kuster, 1860)  採集地:坊津町,知覧町,頴娃町(計 3 ヵ所)

25.ウニレイシ Mancinella echinata (Blainville. 1832)  採集地:枕崎市(計 1 ヵ所)

26.ウネレイシダマシ Cronia margariticola (Broderip, 1833)  採集地:山川町(計 1 ヵ所)

27.シマレイシダマシ Morula musiva (Kiener, 1834)  採集地:笠沙町,知覧町,山川町(計 1 ヵ所) 28.ガンセキボラ Chicoreus brunneus (Link, 1807)  採集地:知覧町,頴娃町,山川町(計 3 ヵ所) 29.テツボラ Purpura panama (Roeding, 1798)  採集地:知覧町(計 1 ヵ所)

30.テツレイシ Thais savignyi (Deshayes, 1844)  採集地:枕崎市(計 1 ヵ所)

31.ヒメヨウラク Ergalatax contractus (Reeve, 1846)  採集地:山川町(計 3 ヵ所)

32.レイシダマシ Morula granulate (Duclos, 1832)  採集地:笠沙町,坊津町,知覧町(計 3 ヵ所) エゾバイ科 Buccinidae

33.イソニナ Japeuthria ferrea (Reeve, 1847)  採集地:笠沙町,坊津町(計 2 ヵ所) 34.シマベッコウバイ Japeuthria cingulata (Reeve, 1847)  採集地:坊津町,知覧町,山川町(計 3 ヵ所) 35.ノシガイ Euginopsis concinna (Linnaeus, 1758)  採集地:山川町(計 1 ヵ所)

イモガイ上科 Conoidea イモガイ科 Conidae

36.アジロイモ Conus pennaceus Born, 1778  採集地:頴娃町(計 1 ヵ所)

37.ハイイロミナシ Conus rattus Hawass in Bruguiere,1792  採集地:枕崎市,知覧町,山川町(計 3 ヵ所) 二枚貝綱 BIBALVIA 翼形亜綱 PTERIOMORPHIA フネガイ目 Arcoida フネガイ上科 Arcasea フネガイ科 Arcidae

38.アオカリガネエガイ Barbatia obtusoides Nyst, 1848  採集地:山川町(計 1 ヵ所)

39.エガイ Barbatia lima (Reeve, 1844)  採集地:知覧町,頴娃町(計 2 ヵ所) イガイ目 Mytiloida

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40.クジャクガイ Septifer bilocularis (Linnaeus, 1758)  採集地:坊津町(計 1 ヵ所)

41.ムラサキインコ Septifer virgatus (Wiegmann, 1837)  採集地:笠沙町,坊津町,知覧町,頴娃町,山 川町(計 5 ヵ所)

ウグイスガイ目 Pterioida ウグイスガイ上科 Pteriacea ウグイスガイ科 Pteriidae

42.アコヤガイ Pinctada fucata martensii (Dunker, 1873)  採集地:知覧町,山川町(計 2 ヵ所) 43.ミドリアオリ Pinctada maculata (Gould, 1850)  採集地:坊津町(計 1 ヵ所)

ハボウキガイ上科 Pinnacea ハボウキ科 Pinnidae

44.タイラギ Atrina pectinata (Linnaeus, 1767)  採集地:知覧町(計 1 ヵ所)

カキ目 Ostreoida イタヤガイ亜目 Pectinina イタヤガイ上科 Pectinacea ウミギク科 Spondylidae

45.チリボタン Spondylus cruentus Lischke, 1868  採集地:枕崎市(計 1 ヵ所)

カキ亜目 Ostreina カキ上科 Ostracea イタボガキ科 Ostreidae

46.オハグロガキ Saccostrea mordax (Gould, 1850)  採集地:笠沙町,坊津町,枕崎市,知覧町,頴 娃町(計 5 ヵ所)

47.ケガキ Saccostrea kegaki Torigoe & Inaba, 1981  採集地:坊津町(計 1 ヵ所)

異歯亜綱 HETERODONTA マルスダレガイ目 Veneroida トマヤガイ上科 Carditacea トマヤガイ科 Carditidae

48.トマヤガイ Cardita leana Dunker, 1860  採集地:山川町(計 1 ヵ所) 鹿児島県南さつま市笠沙町(31°25′41.7″N, 130°10′11.6″E) 1.アマオブネ(アマオブネ科) 2.イソニナ(エゾバイ科) 3.オハグロガキ(イタボガキ科) 4.カタベガイ(サザエ科(カタベガイ科)) 5.クマノコガイ(ニシキウズ科) 6.シマレイシダマシ(アッキガイ科・アクキガイ科) 7.ベッコウガサ(ヨメガカサガイ科) 8.ホソスジアオガイ(ユキノカサガイ科) 9.マツバガイ(ヨメガカサガイ科) 10.ムラサキインコ(イガイ科) 11.ヨメガカサ(ヨメガカサガイ科) 12.レイシダマシ(アッキガイ科・アクキガイ科) 鹿児島県南さつま市坊津町(31°16′17.4″N, 130°13′25.3″E) 1.アマオブネ(アマオブネ科) 2.イソニナ(エゾバイ科) 3.イボニシ(アッキガイ科・アクキガイ科) 4.オハグロガキ(イタボガキ科) 5.クジャクガイ(イガイ科) 6.クマノコガイ(ニシキウズ科) 7.ケガキ(イタボガキ科) 8.シマベッコウバイ(エゾバイ科) 9.ナツメモドキ(タカラガイ科) 10.ネズミガイ(タマガイ科) 11.ヒザラガイ(クサズリガイ科・ヒザラガイ科) 12.マツバガイ(ヨメガカサガイ科) 13.ミドリアオリ(ウグイスガイ科) 14.ムラサキインコ(イガイ科) 15.ヨメガカサ(ヨメガカサガイ科) 16.レイシダマシ(アッキガイ科・アクキガイ科) 鹿児島県枕崎市(31°14′57.7″N, 130°16′59.9″E) 1.ウニレイシ(アッキガイ科・アクキガイ科) 2.ウラウズガイ(サザエ科・リュウテン科) 3.オハグロガキ(イタボガキ科) 4.カタベガイ(サザエ科・カタベガイ科) 5.コシダカガンガラ(ニシキウズ科) 6.チリボタン(ウミギク科)

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7.テツレイシ(アッキガイ科・アクキガイ科) 8.トコブシ(ミミガイ科) 9.ニシキウズ(ニシキウズ科) 10.ハイイロミナシ(イモガイ科) 11.ハナマルユキ(タカラガイ科) 12.ヒザラガイ(クサズリガイ科・ヒザラガイ科) 13.ベッコウガサ(ヨメガカサガイ科) 14.ヨメガカサ(ヨメガカサガイ科) 鹿児島県南九州市知覧町(31°14′54.5″N, 130°23′54.9″E) 1.アコヤガイ(ウグイスガイ科) 2.アマオブネ(アマオブネ科) 3.イシダタミ(ニシキウズ科) 4.イボニシ(アッキガイ科・アクキガイ科) 5.ウノアシ(ユキノカサガイ科) 6.エガイ(フネガイ科) 7.オハグロガキ(イタボガキ科) 8.ガンセキボラ(アッキガイ科・アクキガイ科) 9.シマベッコウイ(エゾバイ科) 10.シマレイシダマシ(アッキガイ科・アクキガイ科) 11.タイラギ(ハボウキガイ科) 12.テツボラ(アッキガイ科・アクキガイ科) 13.トコブシ(ミミガイ科) 14.ニシキウズ(ニシキウズ科) 15.ハイイロミナ(イモガイ科) 16.ヒザラガイ(クサズリガイ科・ヒザラガイ科) 17.ベッコウガサ(ヨメガカサガイ科) 18.マツバガイ(ヨメガカサガイ科) 19.ムラサキインコ(イガイ科) 20.メクラガイ(ニシキウズ科) 21.ヨメガカサ(ヨメガカサガイ科) 22.レイシダマシ(アッキガイ科・アクキガイ科) 鹿児島県南九州市頴娃町(31°14′44.4″N, 130°26′36.7″E) 1.アジロイモ(イモガイ科) 2.アマオブネ(アマオブネ科) 3.イシダタミ(ニシキウズ科) 4.イボニシ(アッキガイ科・アクキガイ科) 5.エガイ(フネガイ科) 6.オハグロガ(イタボガキ科) 7.ガンセキラ(アッキガイ科・アクキガイ科) 8.ゴマフナ(ゴマフニナ科) 9.ヒザガイ(クサズリガイ科・ヒザラガイ科) 10.ベコウガサ(ヨメガカサガイ科) 11.ツバガイ(ヨメガカサ科) 12.ムラサキインコ(イガイ科) 13.ヨメガカサ(ヨメガカサ科) 鹿児島県指宿市山川町(31°15′60.6″N, 130°58′69.6″E) 1.アオカリガネエガイ(フネガイ科) 2.アコヤガイ(ウグイスガイ科) 3.アマオブネ(アマオブネ科) 4.イシダタミ(ニシキウズ科) 5.イワカワウネボラ(オキニシ科) 6.ウネレイシダマシ(アッキガイ科・アクキガイ科) 7.ウラウズガイ(サザエ科・リュウテン科) 8.ガンセキボラ(アッキガイ科・アクキガイ科) 9.ギンタカハマ(ニシキウズ科) 10.コシダカガンガラ(ニシキウズ科) 11.サツマボラ(フジツガイ科) 12.シマベッコウバイ(エゾバイ科) 13.シマレイシダマシ(アッキガイ科・アクキガイ科) 14.トマヤガイ(トマヤガイ科) 15.ニシキウズ(ニシキウズ科) 16.ノシガイ(エゾバイ科) 17.ハイイロミナシ(イモガイ科) 18.ヒザラガイ(クサズリガイ科・ヒザラガイ科) 19.ヒメヨウラク(アッキガイ科・アクキガイ科) 20.ホソヤクシマダカラ(タカラガイ科) 21.マツバガイ(ヨメガカサガイ科) 22.ムラサキインコ(イガイ科) 23.ヨメガカサ(ヨメガカサガイ科)  考察 ヨメガカサガイ科であるヨメガカサが,6 地点 全ての調査地で確認できたという調査結果から, ヨメガカサガイ科は調査地の岩礁帯や転石帯にあ まり影響を受けることなく,幅広く分布する種で あることが推察される. 調査地の知覧町から山川町にかけてはアッキ ガイ科が隠れ家として好む岩礁帯が広がってい る.知覧町でアッキガイ科が 5 種,山川町でアッ

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のガンセキボラが転石中心だった笠沙町,坊津町, 枕崎市では確認できなかったが,岩礁帯である知 覧町,頴娃町,山川町では確認することができた ことからも推察される. フネガイ科のエガイやアオカリガネエガイも アッキガイ科のガンセキボラと同じように知覧町 から山川町にかけての岩礁帯のみで確認されたこ とから,転石のような不安定な場所よりも安定し た岩礁に付着し,身を隠していることが調査結果 から考察できる. クマノコガイに関して,今回の調査では笠沙 町と坊津町でしか確認することが出来なったが, 郷土生態系調査会の枕崎市板敷・立神海岸におけ る調査(1994.10.16)では生息が確認されている ので,探し方が不十分だった可能性がある.郷土 生態調査会の調査結果(1994.10.16)と今回の調 査結果から笠沙町,坊津町,枕崎市にクマノガイ が生息しているとすると,先述したガンセキボラ やエガイ・カリガネエガイとは逆にクマノコガイ は転石帯に多く分布するということが言える. 各調査地の多様度に関して多様度指数を用い て求めた結果,笠沙町が最も高かった.理由とし ては,一つ目に笠沙町の調査地がリアス式海岸を 形成しているために人のアプローチが少なく海岸 生態系の撹乱があまりないこと,二つ目に笠沙町 が黒潮海流の影響を強く受ける場所であることが 考えられる.山川町の多様度指数が低い理由とし ては,調査地が長崎鼻付近ということで,観光客 が多く,貝類の採取等によって海岸の自然が乱さ れていることが考えられる.また,群集の類似度 を野村・シンプソン指数を用いて求めた結果,類 似度は知覧 ― 頴娃間が最も高かった.これは知 覧と頴娃の調査地が,阿多溶結凝灰岩が侵食され 参照).次に類似度が高かった笠沙 ― 坊津間もリ アス式海岸中の岩礁と転石が混じりあった似た地 形同士だったことから(図 2 の 4–5 参照),群集 の類似度には海岸地形が大きく関係していること が考察される.  謝辞 本研究を行うにあたり,適切なご助言および ご指導をいただきました鹿児島大学理学部地球環 境科学科多様性生物学講座の研究室の先輩方,4 年生のみなさんに深く感謝申し上げます.  引用文献 坊津町郷土誌,1969.坊津町郷土誌編さん委員会.677 pp. 福岡人文社,1995.鹿児島県広域道路地図.145 pp. 伊藤年一,1983.学研生物図鑑.貝Ⅰ 巻貝.学習研究社, 東京.294 pp. 鹿児島県立博物館,1994.鹿児島の自然調査事業報告書Ⅰ. 南薩の自然.151 pp. 鹿児島県立博物館,1995.― 自然のつながりリサーチ事業 郷土の生態系調査会報告書(2)― 南薩の海岸.59 pp. 笠沙町郷土誌,1986.笠沙町郷土誌編さん委員会.554 pp. 吉良哲郎,1954.原色日本貝類図鑑.保育社,出版地.173 pp. 黒田茂夫,2006.知ればしるほど新発見 なるほど地図帳. 旺文社,東京.143 pp. 野村健一,1939.種ヶ島の蛾類について.吉田博士祝賀記 念誌,601–634. 野村健一,1940.昆虫相比較の方法 特に相関法の提唱に ついて.九州帝国大学農学部学芸雑誌,9: 235–263. 奥谷喬司,2000.日本近海海産貝類図鑑.東海大学出版会, 東京.1173 pp.

Simpson, E. H. 1949. Measurement of diversity. Nature, 163: 688. 行田義三,2000.鹿児島の貝.春苑堂出版,鹿児島.228

pp.

行田義三,2003.貝の図鑑.採集と標本の作り方.南方新社, 鹿児島.174 pp.

参照

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